aklib_story_騎兵と狩人_GT-1_真昼の太陽_戦闘前

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騎兵と狩人_GT-1_真昼の太陽_戦闘前

財宝の伝説に揺れる滴水村は、ヴィクトリアからグラニというサバサバした騎馬警官を迎え入れた。 賞金稼ぎの拷問からキャロルを救出した後、グラニは滴水村を助けることを約束するのだった。


[???] ......

[???] ……あつい……。

[???] 痛い……。

[賞金稼ぎ] この女、まだ口を割らないのか。

[???] 喉が乾いた……もう焼けそう……。

[???] ……いったいどれだけ経ったの……?

[賞金稼ぎ] 吊られてまる一日になるのに、よくもまぁ耐えてやがるもんだ。

[粗暴な賞金稼ぎ] おい、殺すなよ。宝のありかをまだ喋ってねぇからな。

[キャロル] …そんなの……絶対……絶対に言わない……。

[賞金稼ぎ] ケッ、じゃあ水をやるのはお預けだな。宝のありかを話す気になったら言いな。

[キャロル] 私……死ぬの?

[???] ......

[???] なんだかなぁ、カジミエーシュにまで来て……。

[???] こんな好き放題暴れてる悪い奴らを見るとは思わなかったよ。

[賞金稼ぎ] あぁ? どっから来やがった、死にてぇのか?

[粗暴な賞金稼ぎ] おいガキ、さっさと――

[粗暴な賞金稼ぎ] ぐわっ、い、痛てぇ。

[粗暴な賞金稼ぎ] ん? お前のその格好……ここらの奴らじゃねえな。

[賞金稼ぎ] ハッ、別にどこの誰だろうと関係ねぇ。こんなところに一人で来るなんざ、よほど死にてぇらしいな。

[???] へぇぇ、じゃあ、君たち全員をやっつければいいんだね?

[粗暴な賞金稼ぎ] ぐはっ!

[賞金稼ぎ] ぐ……。

[???] さて、この人たちはしばらく起きないから、今のうちに一緒に逃げようか。

[キャロル] あ……あなたは……。

[???] もう大丈夫だよ。怖がらないで。君を助けに来たんだ。

[キャロル] ――

[キャロル] ごめんなさい、あ、頭が……フラフラします……。

[???] 顔色が悪いね。大丈夫かい? ほら掴まって。

[???] さぁ、急ごうか。

[キャロル] はい……。

晴天 / 視界:14km

某村

[賞金稼ぎ] おい、長槍を持ったガキ見なかったか?

[村人] さて、ずっと家におったからな。外のことは知らんよ。

[賞金稼ぎ] もしガキ匿っているのがバレたらどうなるか、覚悟しとけよ!

[村人] ――――

[村人] あやつら行ったようだ。もう出てきてもいいぞ。

[グラニ] ふーっ。助かった。

[グラニ] またおじさんに助けられちゃったね。

[村人] キャロルも具合はどうだい? 本当につらい思いばかりさせてすまない…。

[キャロル] ルークおじさん、ありがとう。だいぶ良くなりました。

[グラニ] この村のみんなの助けがあったから、君を助け出せたんだよ。

[村人] キャロル、これからのことは心配いらんぞ!

[村人] この騎士のお嬢ちゃんと話はつけた! 我らの村を救ってくださるそうだ。

[キャロル] え……お、お嬢ちゃん?

[グラニ] むっ、そうだよ! あたし女の子だもん。

[キャロル] えっ?

[グラニ] もうっ! あたしにだって、女の子としてのプライドがあるんだからね!

[キャロル] は、はい、ごめんなさい。

[キャロル] ……。

[キャロル] あの、あなた様は……新しく着任されたカジミエーシュの騎士様なのでしょうか?

[キャロル] そういう風には見えませんが……。

[キャロル] 私たちの村をお救いいただくのはいいですが、また税を徴収なさるのですか?

[グラニ] いやいや! あたし、カジミエーシュの人じゃないし、騎士でもないよ。

[グラニ] ヴィクトリアにも騎士はいるけど、あたしの職業は警察官、騎馬警官だよ!

[グラニ] 騎馬警官は治安を守るのが仕事だから、騎士と違って報酬なんて求めないし、もちろん税金なんて取らないよ。

[キャロル] ヴィクトリア?

[グラニ] カジミエーシュの外にあるところ。あたしの祖先はカジミエーシュからヴィクトリアに移ったクランタ人なんだ。

[グラニ] 今回この依頼を受けたのは、カジミエーシュに来て両親の故郷を見たかったのもあるんだ……でもこんなにひどい状況だなんて。

[キャロル] ……あの使者の方にお渡しした依頼書は、もう海に沈んでしまったものと思っていました。

[キャロル] いままでずっと、こんな辺境にある村に民間の援助団体が来てくれたことなんて、一度もありませんでしたから……。

[グラニ] でも、どうしてカジミエーシュの政府はこの村を放っておくの?

[キャロル] はい……首都の騎士様たちが、こんなへんぴな村を気にかけるはずもありません。

[キャロル] だからこそ、といってはなんですが、私たちは長年に渡り平穏な暮らしができていました。都市での生活は何かと不安定ですから。

[キャロル] この山地一帯こそ、私たち滴水村の人々が先祖代々に渡って生活してきた場所なんです。

[キャロル] もちろん豊かな暮らしとまではいきませんが、少なくとも自給自足はできています。

[キャロル] 天災を避けるために、しばらく村を離れることもありましたが、それでもここは私たちの故郷なんです。

[キャロル] だから、どうしてもこの場所を諦めることができなくて……。

[グラニ] でも今は、賞金稼ぎたちに荒らされてこの有様――

[キャロル] ……それもすべて、あの騎士の財宝のせいです。

[キャロル] ここ数年、付近の集落は、どこも賞金稼ぎがたむろする場所になってしまいました。

[キャロル] カジミエーシュ北部管制区での紛争を嗅ぎつけた賞金稼ぎたちが、一攫千金を狙って滴水村を通りあの場所へ向かうんです。

[キャロル] ただこれまでは、賞金稼ぎが頻繁に出入りするとはいえ、特に何か被害を受けていたわけではありませんでした。

[キャロル] しかしひと月前、一人の賞金稼ぎが山中で騎士の棺を発見し、さらに金貨まで掘り当てた……。

[グラニ] 金貨って、こういうカジミエーシュの紋章が掘られたやつ?

[グラニ] ここに来たばかりのとき、賞金稼ぎに絡まれちゃってさ。ちょっと相手をしたらこの金貨を置いていってくれたんだ。迷惑料みたいなもんだね。

[キャロル] はい……まさにそれです。迷惑なことに賞金稼ぎの間では、さらにこんな伝説が流れているようです。

[キャロル] 「カジミエーシュの古代騎士が没するとき、その精神と富は故郷の名も無き土地に埋葬され、死してなおその土地を守り続ける。」

[キャロル] 「危険を恐れず、犠牲を顧みないカジミエーシュの血脈だけが、すべての障害を取り除くことができる。」

[キャロル] そんな伝説が広まれば広まるほど、この付近に現れる賞金稼ぎも多くなっていきました。

[キャロル] 始めは、彼らもどうすればより大きな騎士の財宝を探り当てられるか話していただけでした、いつの間にか「滴水村には騎士の財宝の在り処を知っている者がいる」と根も葉もない噂が広がって――

[グラニ] ――――シッ! みんな静かに!

[賞金稼ぎ] ダメだ、見つからねぇ。もう一度すべての場所を洗いなおせ!

[グラニ] ここに留まると危険だね。おじさんにも迷惑かけちゃいそうだし。

[グラニ] とにかく、ひとまずここを離れよう。

[村人] くれぐれも気をつけてな、騎士……いや、騎馬警官のお嬢ちゃん。ウチの村長は任せたぞ。

[グラニ] おじさん、安心して。あたしが絶対まも――

[グラニ] って、そ、村長!?

[キャロル] ……ええ、私が滴水村の村長です。なってまだ半年ですけど……私にも村長としてのプライドがありますよ。フフッ。

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