動く棺桶(兵器)

ページ名:動く棺桶_兵器_

登録日:2021/12/28 Tue 22:02:52
更新日:2024/06/17 Mon 13:14:36NEW!
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棺桶 欠陥兵器 動く棺桶 戦う棺桶 鉄の棺桶 ロボット 人命軽視 ロボット項目 欠陥機 安上がり 数合わせ 使い捨て 紙装甲 捨て石 所要時間30分以上の項目 所要時間60分以上の項目 コメント欄ログ化項目 消耗品 パワードスーツ 弱い←とも限らない



※注意※
本項目において、実在の人物や企業・団体に関する誹謗中傷を禁止します。


様々な兵器が乱舞する戦場。
華麗に空を駆け巡るもの、泥にまみれながら地上を駆けるもの、はたまた水中に身を潜めチャンスをうかがうもの。
その中にあって一つ、ある種異質な存在感を放つ一団がいた。
いかにも急造品といった風体の歪なボディは試作機とはまた違う。
ただそこにいるだけでも奇跡のような、1歩踏み出しただけで崩れてしまいそうな儚さをもち、それでも必死に生き残らんとあがき続けている。
その兵器達は、味方からこのように呼ばれていた。


「動く棺桶」──それは、一部の兵器につけられる異名である。





【概要】

「空飛ぶ棺桶」「歩く棺桶」など幾つかバリエーションが見られるものの、兵器につけられる二つ名・異名としては比較的多くの作品でみられるメジャーなもの。
しかしながら原則的に機体に対して名付けられる点と基本的にネガティブなニュアンスが強い点が特徴である。


彼ら彼女らの共通項は、乗ると高確率で死ぬ事。
それも偶然とかパイロットの質の問題とかそういうレベルでなく、明らかに機体そのものや運用方法が抱える根本的な欠陥が主要因となっている。
すなわち、出撃したが最後そのまま中の人間ごと葬られてしまう様から、コックピットを遺体の収まる棺桶に準えて生まれた異名なのだ。産地直送ならぬ戦地直葬
なお同じ「乗ると死ぬ兵器」である特攻機とはまた別物。
あちらは体当たり・自爆攻撃など「戦死を前提にした攻撃」を行うことを念頭に開発されているのに対し、こちらはあくまでも攻撃手段自体は真っ当。
ただ欠陥で自壊したり、被弾による損耗率がやたら高いだけなのだ。


こんな有様のため作中の人物から嫌厭されるのは勿論、ファンの間でも「もし現実にあっても乗りたくない機体は?」といった話題の常連。
しかしこれら棺桶兵器は名も無き一般兵だけの機体と思いきや、主人公やライバル格の人物が駆ることもまた多い。
というのも、誰がどう見たってロクな性能をしていない機体で多数の敵を相手に大立ち回りを演じてみせることで
「そのパイロットの優れた技量・実力」を強調して描くことができるためである。
このため、彼らもまた「男のロマン」の一つでもあるのだ。


また、ここまで「動く棺桶=弱い」という方程式に沿って解説してきたが、実はそうとは限らない。
下記に詳述するが強すぎるが故に死にやすいというケースも存在し、これらはいわゆる試作機が稀に該当することがある。
こうしたパターンの場合、収まるべき人間の手に収まった後は棺桶っぷりは鳴りを潜め「スペックを引き出しきれば強力」という側面が常に出た状態となる。
…要するに「真価を発揮した」ことで一つの強力な機体というポジションになるのだ。それでも最後は結局死んだりするけど。


なお、棺桶という呼び名はあくまでも比喩表現であり、別に形状が棺桶型という訳ではない。骸骨とか死体がモチーフというケースはそこそこあるけど。
文字通りの棺桶(を模した)武器・兵器に関しては「棺桶(武器)」を参照。


同義語に「ウィドウ・メーカー未亡人製造機」「寡婦製造機」などがある。
こちらは死んでゆくパイロット本人ではなく残される遺族、特に妻にフォーカスを当てた呼び名になる。


また詳細は後述するが、こうした例は現実においても存在しており、それらの逸話が創作作品にも反映されているケースもまたある。
しかし棺桶という二つ名自体が大変にネガティブなニュアンスを持つものである上、ネット上での知識を頼りにした叩き文句などで用いられ、実際とはかけ離れた評価をされている場合もある。
こうした事情や、書き方によっては実際にその兵器の開発者および搭乗した人物や関係者に対する侮辱にもなり得る。
そのため、本項においては実在の兵器についての記述は創作作品の元ネタに関する補足程度に留め、詳細な記述はしないものとする。




【棺桶の特徴】

基本的には上記の通り「搭乗者の戦死率がやたら高い兵器」だが、作品内外から棺桶呼ばわりされる兵器は以下のような特徴を備えていることが多い。


機体性能の問題

  • 装甲が極端に薄い

バイタルパートだろうがコックピット周辺だろうが容赦なく紙装甲で、被弾=撃墜というパターン。
酷いものは素材の問題で直撃どころか、機体を掠めただけでもあの世へ一直線。
いわゆる”当たらなければどうということはない”がコンセプトだが、ただ生存性を無視しているものも。
軽量化の為に装甲をギリギリまで削っているならまだ良い方で、酷いものは故意に薄く作っている。


  • 避ける事を想定していない

上の逆パターン。敵の攻撃を避ける事を想定していないので、そもそも機動性を無視して作られている。
他の機体が当たり前にやっているマニューバすらまともに行えない。地上なら走破性が皆無で動けない。
下手すると特に重装備とか重装甲とかいう訳でもないのに遅かったりする。
またはギリギリの耐久性で運用しているが為、急制動をすると脚やら関節部が壊れる場合もある。


  • 構造上に致命的な欠陥を抱えている

完璧な兵器という物は存在しないので、どんなものでも欠陥はつきものではある。
但し普通に搭乗・操縦しているだけで不具合・故障に遭遇するレベルで、使い物にならないのではお話にもならない。
本来の使い方すらできないという、なんでこれ戦場に持ってきたなんて代物まであり得る。
最悪その欠陥が原因で何処にも被弾してないのに勝手に壊れることも……。


ひどいケースだと、上記3つ全てあてはまる厄満状態のやつも…


運用方法の問題

  • コスト優先

コストを削減する為に本来必要なものを削ってしまうパターン。
また「消火装置も無いのに耐火処理がなく、些細な被弾や衝撃ですぐに火達磨と化し機体ごと爆散してしまう」という半ば欠陥品も多い。
同様に「生命維持装置が簡素、最悪積んですらいない」「緊急脱出装置なんて贅沢なものも勿論ない」などのパターンも上げられる。
これらの対策をする科学技術はちゃんとあるのに、コスパ優先で「金>人命」の設計思想だったりする。


  • 適材適所の無視

もっと安全な使い方がある筈なのだが、使い方が悪いせいで棺桶になってしまっている例。
本来は後方支援や警備を想定している(故に鈍重で攻撃力・防御力も低い)のに最前線に投入したり、
対人戦用なのに大型兵器と戦わされる、最前線で戦う機体なのに適した武器すら持ってないなど。
普通なら適材適所に運用すれば良いのだが、戦争末期(特に戦況不利な方)ともなれば在り物で戦うしかなくなる事態は発生するものである。

その他の問題

  • 搭乗者の肉体や精神に多大な負担を掛ける

コックピットの居住性が凄まじく悪かったり、稼働時に搭乗者の肉体に負担を強いたりするパターン。
戦闘力しか想定していない、概要にも記述した「強すぎるが故に死にやすい試作機」に多い。
なお、真っ当に安全性や安定性を追求した高性能量産機でも、運用次第ではパイロットに精神的負担や肉体的疲労を蓄積させる棺桶予備軍になってしまう事も……。


  • 稼働に必要なエネルギー源や使用技術がヤバい

生命力とか、もっとストレートに搭乗者の命を要求される。
あるいは乗る度にパイロットが死に近付くとか、乗っても乗らなくても契約上死ぬとか
もはや機体の方からパイロットを殺しにかかってるとしか思えない。


  • 生体パーツ

もはや人権とか命とかかなぐり捨て、パイロットという名の生体パーツと割り切るタイプ。
ある意味文字通りの「動く棺桶」。肉体や精神をわざわざ苦しめて稼働している外道な機体もある。




【なぜ動く棺桶が生まれるのか?】

さて、こう呼ばれるのはぶっちゃけ兵器として失格と言ってもいい機体たちなのだが、しかし彼らもまた目的を持って生み出された存在であることには違いない。
また、こうした兵器は時折現実にも開発されてしまうこともある。
多くある理由としては以下のようなものが挙げられる。


①コスト・資源を節約するため

最もポピュラー、かつ現実にもままあるタイプ。
戦争というものは資源の削り合いであり、また保有兵器が急速に減ってゆくものである。
そのため「目減りしつつある保有資源で」「減った頭数をすぐにでも補うために」低コスト・短期間で製造できる兵器を急ピッチで量産する必要に駆られることもままある。
要するに「とりあえず動けて攻撃出来れば最低限の戦力にはなる」という訳だ。
既存の作業機械を武装化する等して体裁を整えるパターンも多い。


しかしその様な急造兵器は戦争中に提案・即時量産されるのが常であり、そんな短期間で設計・投入されるからには大抵の場合、何らかの欠陥や短所を抱えているものである。
それが搭乗員の命に関わるような致命的なナニカであった場合、「棺桶」と化してしまうのだ。


こうした急造品ゆえの欠陥は、可能であれば次の生産ロットで改善され「初期型は酷かったが後期型ではマトモになった」という例もないことはない。
しかし徐々に目減りしていく限られた資源の中でそれが必ず叶うとは限らず、特に劣勢陣営がこうした兵器を「作るしかない」戦況と化した場合は悲惨。
大抵の場合、そのまま敗戦まで人的資源を浪費しながら作った傍から撃沈を繰り返すジリ貧ルートをひたすら転落してゆくことになるのだから…。


なお、戦争が終われば量産した兵器は余るので、「戦争が終わるまで持てばいい」と機体の寿命を削って生産性を伸ばすのはまともな発想だが、
こうした短寿命の兵器が資源・工場の不足などで「次の生産ロット」で更新できず、そのまま耐用期限を過ぎたまま酷使し続ける場合、元は優秀でも欠陥兵器になる場合もありうる。

②極端な特化スペックの弊害

こちらも比較的現実的なタイプ。
要求スペックを満たすため、あるいは極度に特化した特性を与えたいがために、他の「何か」を犠牲にしてしまったものである。


兵器開発というものは往々にしてコストとの闘いでもあるため、一定のトレードオフは致し方ない面もある。
……しかし、彼らは「やり過ぎてしまった」。
普通の開発陣なら「いやさすがにこれ以上は……」と踏みとどまる一線を超えてしまい、通常の運用にも支障を来たすまでに至ってしまったケースである。


軽量化・高機動化

基本的にどんな種類の兵器であっても機動力はあるに越したことはなく、また敵方の作る類似兵器を1歩でも上回るべくより高い機動力を求めて可能な限り軽量化に腐心するのはよくある事。


軽量化と言えば真っ先に装甲が削られるのがお決まりのパターン。
というのもエンジンやフレームといった内部機構に関わる部品は咄嗟の軽量化が難しく、対して装甲は「当たらなければどうということはない!」の理論である程度は無くても困らないため、お手軽に軽量化を図れるのだ。
人間には「アレのパラドックス」または「プロスペクト理論」と呼ばれる心理があり、戦争という命がけの局面では装甲が強固でも機動性の劣る兵器に乗ってなぶり殺しにされる位なら、可能性は低くとも敵を排除できる可能性のある方を選びがちと言われる。
しかし一般兵や新兵の全員が「当たらなければ(ry」を実行できるはずもなく、そんな彼らにこのような機体を使わせるのは死亡フラグ一直線である。


また、単純に装甲が薄いというだけでなく''質量推力比のバランスが狂っていて一般兵では制御しきれない''というケースも少数ながら存在する。
こちらはワンオフ機に見られることが多い設定というのもあり、扱える技量を持ったパイロットの手に渡ればそれまでのじゃじゃ馬っぷりは鳴りを潜めることが多い。


この他にも、一見して何の問題・欠陥もなく高速化できた機体でも「機体特性が従来の同クラス機と大きく異ったために、パイロットが従来機の感覚で扱った結果、死亡事故が頻発した」なんて話もある。
現実では例えば同クラス機に比べて着陸速度が速めに設定された飛行機、創作では推力調節のシビアな高推力機などが、よくこのケースに出くわす。


最後にフィクションで見られるパターンとして、「仮想敵の火力があまりにも高過ぎて、装甲で固めようが一撃食らえば終わりなので、機動性に極振りした方がマシ」というものも見られる。
これはある意味合理的な設計思想と言えるかもしれないが、そもそもそこまで戦力差がある相手に挑む事自体がある種の死亡フラグと言えるので…。


高攻撃力化・ステルス性の確保など一芸特化

こちらは「先んじて敵を倒せば防御も回避も不要」とばかりに、とりあえず攻撃だけ及第点にしてしまおうと言うもの。


例えば「戦線の後方から圧倒的な長射程で火力を投射する」「各種偽装やステルス技術で敵に見つからないまま攻撃する」事でとにかく先制攻撃で倒してしまおうという考え方だ。
こういう「滅多に敵と殴り合わない兵器」であれば、例えば自走砲のように装甲も機動性も(戦車ほどには)重視しないという事もありうる。
……とは言え性能に見合った運用体制が構築できず先制攻撃に失敗したら相手の反撃にはとても耐えられない。


やり過ぎれば「自分の放つ攻撃の衝撃に耐えられない」「攻撃手段が無くなった所を伏兵に襲われてジ・エンド」になりかねない。
もっともそこまで行くと特攻機の領域に近いが。


活動時間・巡航性能の過剰強化

実戦において活動時間や巡航性能は重要な要素である。

  • 活動時間が長いと時間切れを気にせずに余裕を持った戦闘が出来る
  • 巡航距離が長いと複数の発進基地から出撃させた多数の友軍機を一戦場に集中させて数の暴力で敵を押し潰せる
  • 母艦や基地を敵の攻撃射程外に置きつつほぼ一方的に攻撃出来る
  • 哨戒や護衛・監視範囲を拡大出来る
  • 何より、侵攻作戦での運用が柔軟に出来る

しかし、活動時間や巡航性能の強化には燃料タンクの拡大や軽量化がつきものなので、防御を省略されたり隙が出来たりし易い。
二番目のパターンだと「緊急時にも直ぐに加勢をしてくれる味方が居る」事が前提なので、想定通りに使われていれば比較的危険は少ないが、「遠方の敵拠点への逐次投入」の様な想定外の用途に転用されると悲惨な事になり得る。そして運用が柔軟に出来るという事は、得てして想定外の使い方をされ易くもなるのだ。
また長距離巡航前提の作戦ともなれば、長時間狭いコクピットに押し込まれたパイロットが余計な疲労や負担を抱え、結果的にパイロットのポテンシャルを殺す結果に繋がる。



③野心的な新技術・新理論を用いた設計

これもまた現実でよくあるもの。
研究の進み始めた新しい技術や理論を設計に盛り込み、さらなる高性能化を目指そうとするという動きは現実・フィクション問わずよくある話ではある。
が、これは実は相当な博打で、研究が未成熟な時期に技術や理論の特性をよく知らない・吟味しないまま設計するので非常に危険。
その結果、機体用途と理論・技術の特性が噛み合わず事故が多発という例は多々ある。
フィクションでは更にパイロットの精神への働きかけや人間の感知能力を超える情報を提示するなど、戦闘の最適化のためにパイロットに過大な精神負担をかける新技術・新理論が投入され、パイロットが精神崩壊を起こすということもある。


また、開発当時の技術レベルや工業レベルでは新設計機器の制御が難しく、安全性が確立できない事もある。
そのせいで機動性・運動性などを発揮しにくい「人類には早すぎる機体」になってしまったというのもよくある話。
こちらは後年に新たな別理論・技術でのフォローにより、高性能機に生まれ変わるなんてことも。


フィクション特有の「素性不明な超技術」(謎の太古の機械だの異星・異種族・異世界の技術だの)もこの枠に収まるケースであろう。いや現実にも存在するぞ!


④パワートレインの非力・構造的問題

要は出力不足。現実では嫌というほど実例のある話で、「動く棺桶」が生まれる原因のトップの一つ。
開発時の工業水準の限界でエンジン自体が非力だったり、間に合せで不適当なエンジンを積んだりした結果、機動性が低下したり、出力不足による性能低下を補うために上述の極端な軽量化に走ることとなる。
加えて「出力不足が原因の死亡事故の多発」なんて例も現実でも存在したりする。


またエンジン自体の構造に問題のあるケースもよくあり、重大な欠陥を持つエンジンによる事故は勿論のこと、
「真っ当なエンジンではあるが特定条件下で構造的問題から突如停止する」
「設計が凝りすぎていて生産や品質維持が難しく、想定性能を満たせないまま出荷」
「現場の整備士や前線の設備では整備しきれず、性能低下や整備不良が多発」
「部品や素材、燃料等の周辺技術の進歩を前提とした設定だったのに、それらが供給出来ないor値段高騰した」
「そもそも開発当時の工業・技術水準で扱いきれない」
などなど、枚挙するだけでも暇がない。


そんな兵器しか作れないならまず戦争なんて手段を取るな、と思うかもしれないが、政策決定者や悪いときは国民全体がアレのパラドックスに陥ることも多々ある訳で……


⑤仮想敵・戦場の想定の失敗

先進国を自認する国で時々実例がある。
敵国の技術力や人材育成能力を侮り過ぎた結果、想像以上に強力な敵に蹂躙される。
信頼性や操作性の面では大きな問題は無くとも、戦場での性能はあくまで相対的なものであるので精鋭が操る高性能機部隊にぶつかれば余程の数の差が無ければ普通は負ける。
他にも陸上での邀撃戦闘に偏重して設計した高速戦闘機が海上に誘き出されて巡航性能と低速での操縦性に勝る艦上戦闘機に蹂躙されるように、『本来想定していない戦場』に駆り出されて性能や特性を活かせずに惨敗街道まっしぐらと言う例もある。


⑥実用化の遅れ・後継機開発の失敗

此れも実例がある。
開発開始時の仮想敵には充分対抗可能だったものの、いざ完成→量産配備したら想定より遥かに大火力、高機動の敵が跋扈する戦域に放り込まれてしまうもの。
一度生産ラインが本格稼働してしまうと部品工場も含めて早々切り替え等出来ないので、メーカーが問題を理解していても出荷され続ける事態に陥ってしまう。
逆に、開発時に拡張性を重視した機体だと、後付けの火力強化や重装甲化等で何とか対応できてしまう事もある。


また、カタログスペック自体は敵に伍し得ても、前線からの増派要求に屈した上層部が操縦性や信頼性の確認を怠った状況で無理矢理に戦場に出した結果、敵前で深刻な故障を起こしたり、碌に操縦できなかったりでスペック倒れに終わるのもこの派生と言える。



⑦そもそも搭乗員の戦死が前提

もはや論外。
搭乗者の生命エネルギーなど何かしらの代償を求めてくるものや、何らかの副作用などで乗る度にパイロットが死に近づいていく等。
場合によっては生体パーツ扱いであったりなど、根本的な何かが狂ってるとしか思えない明らかにヤバい代物。
これでも物によっては「敵に対抗できる技術が他に無いため仕方なく使う」という背に腹は代えられず使う事情があったりする。
また「一応、通常運用の範囲内であれば危険が及ばないようリミッターをかける」など最低限の良心が感じられるものも多い。
だが酷いケースでは「最初から搭乗者に死んでもらうことが目的」という敵を都合よく使った事実上の処刑装置と化しているものも…。


もちろん創作上にしか有り得ないケースであり、現実にこういったケースの兵器は実際には制作されていない…はず。あってたまるか。


本項においては上記の通り「動く棺桶≠特攻」とはしているが、特にこの思想で開発されたタイプは特攻機にかなり近い分類と言える。
ここでは「攻撃せず帰還すれば生還の可能性があるか?(乗っているだけでもリスクがあるか?)」で違いを分けるものとする。
いずれにせよ「あってはならない開発思想」であることには違いないのだが。


⑧揶揄・文字通り

作中の人物に「棺桶」あるいはそれに類似する不名誉な呼び方をされている。
またはそもそも機体の設計上「棺桶」として扱われているなど。
ほとんどの場合は上記①~⑦に当てはまるから呼ばれるのだが、そうでない例外も極稀に存在する。





【動く棺桶たちの一例】

記事の長大化を防ぐため、まず原則として架空の兵器のみを取り上げるものとしている。
実在兵器については創作上の元ネタ等「解説に必要な範囲のみ」とする
追記基準としては以下のいずれかを満たすようなものとしている。

  • ≪追記基準≫
    1. 『特攻用』ではない*1架空の搭乗兵器(※ただし人型に限らず)
    2. 作中の人物に「棺桶」あるいはそれに類似する不名誉な呼び方をされている
    3. 何らかの欠陥を抱えているなど、単なるやられ役に留まらないレベルでその兵器の損耗率・戦死率の高さが示唆されている
    4. 駆動エネルギーなどにより搭乗者の生命を直接削るものなど「撃破以外の要因で搭乗者が死亡する可能性」が明示されている
    • 上記1に加え、2~4のいずれかに該当し、棺桶としての理由を【なぜ動く棺桶が生まれるのか?】の①~⑧の何れかで説明できる

一方で作風などの関係で兵器の撃墜描写には作品ごとに差異があるため、撃破数や破壊された描写が多いだけの場合は掲載しないものとする。
単に「やられ役として多数撃破されているが、設定上はまとも」な機体については量産機などを参照のこと。
その兵器に搭乗して戦死した名有りのキャラクターが存在するとしても、それだけでは数えきれないほどいるので棺桶とは数えない。
またパイロットの意識の問題であって機体の問題ではない場合(死に急ぎ、機体に愛着があって見捨てられない等)も除外とする。
参考基準としては最後尾の【厳密には動く棺桶ではないもの】を参照されたし。


機動戦士ガンダムシリーズ


ボール(機動戦士ガンダムほか)

  • 棺桶Type-①・②・⑧

名前通りのまん丸ボディが愛嬌のある、ガンダムシリーズにおける棺桶代表。
ジムの援護用として、作業用ポッドをベースに長射程の180mmキャノンを搭載し兵器化した急造設計の低コスト量産機。
操縦が容易で、また砲自体はMSを一撃で仕留めるに充分な威力をもつが、それ以外の難点が非常に多い。


ボール全体の直径はジムの胴体よりも大きいが、装甲厚は不明(コックピットの大きさ自体はジムと同じ)。もっとも厚く頑丈という設定は皆無で*2、装甲材質にも問題があるらしく防御力は低い為、被弾はまず命取りになる。またアームはついているもののAMBACが取れず機動性も低い。回頭性の低さも相まって、MSと殴り合うにはあまりに無謀。
更に言えば簡単に吹き飛ばされるので、例え機体が原型を留めていても中の人は無事ではすまない。


劇中ではサッカーの如く蹴り殺されたりと相方のジム共々散々なやられっぷりを見せた。
小説版『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』では連邦の兵士から「丸い棺桶コフィン・ボール」「一つ目のマトワンアイズ・ターゲット」などと陰口を叩かれ、
ファーストガンダムのリメイク漫画『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』ではカイ・シデンにも「決戦兵器が聞いて呆れる」「超安上がりメカ」「棺桶もどき」とボロカスにこき下ろされた。
なお武器を換装した派生機の中には、下記のオッゴ相手にすらまともにダメージを与えられないものも。


元が作業用だっただけあり、兵器化後も汎用作業機代わりに補給物資搬出やソーラーシステムの展開などに従事する様子も見られる。
欠点に関しては連邦側もある程度は認めていた様で、運用法も「前衛をジムに任せ、後方から数と連携を活かし援護射撃」という想定だった模様。
そのくせジムより前に出てきたりするけど。中にはあのビグ・ザムに戦いを挑んでいる奴までいる


しかしながらこの弱さが逆にパイロットの強さを引き立てるためか、後々エースパイロットとして活躍することになる人物が搭乗することもあり、
特にシロー・アマダはこれの先行量産機*3で手負いとはいえ改造型ザクⅡとサシでやり合い相討ちにまで持ち込むという機体の性能差を考えれば大金星と言える戦果を残している。
また生き残る為に工夫を凝らした者もいた模様。


この他にもガンダムシリーズには後述のオッゴや61式戦車など「モビルスーツより下のカテゴリ」が一定数存在しており、アナザーではメビウスなどが散々なやられっぷりを見せている。


●オッゴ(機動戦士ガンダム MS IGLOO)

  • 棺桶Type-①・②・⑧

一年戦争末期にジオンが開発したモビルポッド。外観は横倒しにして2本のアームを備えた巨大なドラム缶。
連邦兵からは「ジオンのゴミ箱」「ドラム缶の化け物」などと散々な呼ばれ方をしているが蔑称どころかかなり正しい表現
このドラム缶部分、本当にスチール製のプロペラント(燃料)タンクであり、なんと中央の熱核反応炉の真上にコクピットが乗っている
地球で使えなくなったザク地上仕様などのパーツを流用した有り合わせの兵器で、MS用の手持ち武器を撃てるという以外の機能はない。

  • ザク・マシンガンなど多種多様な武器を装備できる
  • 装備武器を360度回転させ全方位を攻撃できる
  • 既存品流用のため製造コストも安い
  • 燃料タンク直付けなので推進力が高く稼働可能時間が長い
  • 簡素な構造ゆえに操縦訓練は手っ取り早く済む

などの長所はあるものの、そんなものは連邦のボールと比べても誤差みたいなもんであり、しかも援護射撃用のボールと違ってこいつはバリバリの近距離用
しかも急造品故に品質も低く、劇中でも突貫作業故の工作制度の低さが原因と見られる不具合が遠因となり、反撃に失敗し撃墜された機もあった。
カタログスペック上はボールを凌駕するとの事だが、話を聞いたワシヤには「スペック比較はジムとするべきだ(意訳)」と呆れられた。


加えて、この劣悪な機体込みで「精鋭」との触れ込みで配備されたのは促成訓練が済み次第に投入された学徒兵*4
その悪夢のダブルパンチを見て、このようなとんだ「精鋭」達を部下に配された隊長のカスペン大佐は絶句した。*5
だが、志願兵である彼らは士気が高く、予想を超えて健闘。
オリヴァー・マイは彼らが乗り込んだオッゴに対して「予想を超えた性能」と驚嘆し、カスペン大佐からも心の中で「最高の部下」と評されるほど奮戦……したもののジオン敗戦間近では焼け石に水。
配備された35機の内、生き残ったのは9機だけであった。*6


しかし学徒兵達は自らに与えられたオッゴを愛機と見なしており、生死を共にするに値する機体と見ていた。
これは「自分たちの訓練時間ではMSは扱えない」という悲痛な事情ありきのものでもあったが、
それでも彼らは、力のない自分達が愛する家族や友に向けられる銃口を減らす手段としてオッゴに搭乗しており、オッゴを「欠陥兵器」とは決して思っていなかった。


ヅダ(機動戦士ガンダム MS IGLOO)

  • 棺桶Type-②・③・④

ジオンの開発した推力などの機動性においてザクを上回る運動力を発揮する高機動型モビルスーツ。
劇中でも最大速度だと、ジムでも追いつけないほどのスピードを発揮している。
ザクの開発元のジオニック社とは別の、後にドム系で名を馳せるツィマッド社が作った機体。
だが原型機のEMS-04は量産機選定のコンペにて機体が空中分解を起こしパイロットを死亡させてしまう不運があり、最終的にザクに敗れている。
またコストパフォーマンスもザクに劣っており、ヅダ一機でザクの1.8倍の金がかかる。
いくら性能が良かろうと、エンジンの信頼性が致命的に悪い上に高コストとなれば、ザク相手のコンペに敗れるのも当然と言える。
しかし、一年戦争中に全面改修が行われ、EMS-10へとリネームされたヅダがテスト運用開始……と、表向きにはなっている。


実際はEMS-04の外装と中身を多少手直しして「新型機」と喧伝している状態であり、エンジン出力を一定以上に上げると暴走し、加速が止まらず最終的に機体がバラバラになるという原型機の欠陥はそのまま


ではなぜそんなものを大々的に宣伝しているかというと、実は新型ヅダの話は最初から真っ赤な嘘として作られているから。
この話は全て戦況が悪化しつつあるジオン公国が自国民への戦意高揚や、この頃から開発が始まっていたであろう本物の新型機であるゲルググから連邦の目を逸らすために用意したプロパガンダなのある。
実際、連邦軍はこのヅダの裏事情を知ると、嬉々としてヅタを徹底的にこき下ろすプロパガンダを返している。



なお内部構造の欠陥性はあれど、防弾性や機体剛性などの点で柔いという訳ではない
また危険域まで加速させなくとも実用には耐えるため、試験機の中には終戦まで活用された機体もあった。
そしてヅタは作中で明確に撃墜されておらず、失われた機体は全てエンジン暴走によるものである。

また片腕を失うほど被弾してもほぼ問題なく動いていた事からダメージコントロール機能も優れているらしく、件の欠点さえなければむしろ棺桶にしては頑丈な方である。
もっともヅダに限らず片腕失う程度で制御不能になる描写がある機体はほとんどないが、それでもイメージ程脆くはない証拠と言えよう。


だがいくら活躍しようとも「一定以上加速するとアウト」というのは常に運用上の問題となっており、
パイロットはその辺りも意識しながら戦うか、暴走臨界点の管理を外部のオペレーターに任せるしかない。
前者はエースパイロットでなければ難しいし*7、後者は命を他人に預ける事になる。逆に言えば後者が出来るということは確実な絆があるという事の証明でもあるが、どちらにせよ多数の人間が扱う量産兵器としてはリスクが大きすぎるだろう。
実際作中に出てくるヅダの殆どが半ばエースが乗るワンオフ機のような扱いがされている。


ブルーディスティニー1号機(機動戦士ガンダム外伝 THE BLUEDESTINY)

  • 棺桶Type-②・③・⑤・⑦

地球連邦軍に亡命したクルスト・モーゼス博士が連邦で開発した実験機群の一番機。ジム頭だがこれでもれっきとしたガンダム
アルフ・カムラに「ジャジャ馬」と言われる程の機体で、戦闘力は抜群に高い。
それならどこが「動く棺桶」なんだ、と思われるだろう。


問題はEXAMシステムというイカレたマッドOS。
ニュータイプ(NT)の動きをデジタル化することにより、常人でもNTに近い動作を可能にしてくれる。
だが開発者は「NTに旧人類が滅ぼされる」という妄執に憑りつかれており、対抗する為の「NT殲滅システム」がこれ。
NTの存在を感知すると勝手にリミッター解除して暴走を引き起こし*8、搭乗者の意思を無視してNTに対抗するための殺戮機械と化す。
味方NTの判別もしない(できない)し、NTがいなくても多数の人間の死と殺意を感知するだけで発動(暴走)し、停止もままならない。
おまけにパイロットは謎の幻影・幻聴といった精神汚染を受け、システムの破壊衝動の影響で性格までも狂戦士化しはじめる。
更にEXAMはNT殲滅や頭部(EXAMシステム入り)の保護を優先するので、パイロットの安否を無視して人体が耐えきれない様な無茶な機動を行ったり、頭部を守る為に避けた攻撃がコクピットに直撃したりする
まさに「動く棺桶」…しかしコックピットが破壊されパイロットが死亡しようとも、本機の暴走が止まる事は無く、機体が壊れる事も厭わず暴れ狂う。
これはそもそもEXAMシステムが『NT少女を人柱にし、意識(魂)を転送・コピーする』という狂気の産物であるため。
少女は意識不明となりシステムに囚われ、EXAMシステム自体が実質『NT少女*9の魂で動く棺桶』となったのである*10
その圧倒的な性能と、それを以て敵も味方も自身のパイロットさえも殺し尽くす姿から、連邦兵士の間ではいつしか「蒼い死神」の二つ名*11で呼ばれるようになった。


本編では暴走を抑える代わりに性能を50%しか発揮できないリミッターをつけて運用した。それでもなお、同じEXAMシステム搭載機や強力なNTの感応波を検知すると暴走してしまう。


ガザC(機動戦士Ζガンダム)

  • 棺桶Type-①・②

機体そのものは悪く無かったが、生産戦略のミスによって棺桶化してしまった例。
ジオン残党勢力のアクシズの主力MS。
「素人や作業員でも扱い易い作業メカをベースに大火力と高性能照準器を装備する」と、ほぼボールと同じ設計思想。
フレーム技術でエゥーゴやティターンズに劣っている為、接近戦能力こそ低めなものの、一応はビームサーベルを振り回して格闘戦に対応出来、装甲は当時最新のガンダリウムγ製なので強度は優秀と、ボールの欠点を大幅に緩和している。
何より、その生産性と操縦性は敵対勢力にとって脅威であり、大出力の主砲ナックルバスターによる一斉射撃は錬度に勝るエゥーゴやティターンズの第一線部隊にとっても侮れず、決して「棺桶」と言う代物ではない。
中近距離戦に長けた前衛や敵の連携を崩す攪乱担当と連携するならば。
グリプス戦役ではガルスJドライセンといった前衛機体や攪乱役のズサの量産配備が間に合わず、格闘戦性能において劣勢を強いられるガザCは密集しての遠距離攻撃弾幕に頼らざるを得なかったのだが、高出力ビーム砲の不意打ちによりやっとの事で集めた熟練将兵諸共に数十機(少なくとも50機以上)が爆散。
一度の失敗ではあるが、小所帯のアクシズにとってこの時失われた熟練将兵は取り返しがつかない致命傷になってしまった。


ジェムズガン(機動戦士Vガンダムほか)

  • 棺桶Type-①・④・⑤・⑥

アナハイム・エレクトロニクス(AE)社が造った地球連邦軍の量産型モビルスーツ。
ヘビーガンの後継機にして、ジムの血を引くRGM系MSの末裔でもある。
当時の地球圏においては大きな戦乱も無かったため、機体の単一性能よりも平時におけるメンテナンス性の方が重視されていた。
懐事情*12が芳しくない連邦が少しでも予算を浮かせる思惑もあって「小型で生産性・整備性が高い低コスト機」を求めた結果がコレ。
なんと30年前の骨董機ジェガンを小さくシンプルにした軽自動車ならぬ軽モビルスーツ。*13配備当時にまともに使える装備はビームサーベルしかない。
小型化に際し腰部ハンドグレネードはオミット、ビーム兵器全盛の時代に旧式機の実体シールドなんて盾の役目を果たさない、ライフルに至ってはサブグリップもオプション装備も全廃し、挙げ句に出力不足で飾り。


連邦は「大きな戦争なんて起きんだろ」、AE社は「小型MSは儲からない(から開発に消極的)」といった両者の思惑の産物なので、戦闘力は度外視。*14
「度を越したコスト・資源の節約」「仮想敵・戦場の想定の失敗」「実用化の遅れ・後継機開発の失敗」の三本柱を満たした上、初期型は不具合多発で出力もマトモに上がらない始末。
現場のパイロットやメカニックからは「ジェガンのほうがマシ」と不評の嵐で、初期型は月面に配備されるものの出力不足から地上部隊に押し付けられる有様であった。
当時の平和ボケしたパイロットにさえ「モビルワーカーの間違いだろw」と揶揄された。
そのまま平和が続いていれば笑い話で済んだだろう…。


しかし宇宙世紀120年、オールズモビル戦役勃発。
続いてコスモ・バビロニア建国戦争木星戦役ザンスカール戦争と長期の戦争期に突入。
支援機だったボールと違い、本機はヘビーガン共々最前線に主力量産機として投入される。
戦車に軽自動車が勝てる訳もなく、先行配備された機体は木星軍の前にあえなく全滅。
ヤバイと思った連邦はエンジン改良・ビームシールド追加など無いよりはマシなアップデートを施しつつ、改良型のジャベリンを用意。
しかし軍上層部が新MSの採用に積極的ではなかった為か、ジャベリンの配備や後継機の開発は遅れ、結局は先にコスパの良いコイツを量産。
本機はその後50年以上に渡って量産・使用され続け、数十年型遅れのスペックで勝てるはずもない戦場で戦う羽目になる。
ちなみに配備されていたはずの『機動戦士ガンダムF91』本編には一切登場しない。出番すら貰えないとは…*15
ザンスカールの最新鋭機に割と善戦出来た弟ジャベリンと違い戦力としてはカウントされず、出撃すれば全滅、『V』で大人しく巨大なスコップを持って飛行場の整備をしている姿が哀愁を誘う。
…もっとも撃墜される姿すら省略されがちなので、同作で劇的に死ぬシュラク隊ガンイージの方が棺桶の印象が強いだろうが、こちらは同時期の連邦軍のMSを上回るレベルで機体性能が高く、棺桶にはあたらない(そもそも『V』で死亡率が高いのはシュラク隊に限った話でもない…)。


但し、ジェムズガンが整備性とコストパフォーマンスに関して優秀だったのは事実であり、原付のスーパーカブの様に息の長い運用に適している。
地上部隊においては整備性の高さが幸いし、僅かな改修で地上の全領域に対応可能という面で重宝されていたようである。


そして50年以上後のU.C.0169年、『機動戦士クロスボーン・ガンダム DUST』においても登場。
時は宇宙戦国時代技術レベルが一年戦争時代以下に退行し、MSの新造すら困難な時勢
そんな悪条件下においても再設計して運用されるという驚異的な扱いやすさを発揮している。さすがに性能はオリジナルよりも多少落ちているが、実弾系の武器を携え、SFS代わりにMAのハンブラ-Bと連携することでフォローはされている。
また、この時代のMSは旧世代の大型機のレストア品やミキシングビルド機が主流なので、オリジナルの時代よりは幾分か性能差は小さかったものと思われる。


ガルグイユ(機動戦士Vガンダムほか)

  • 棺桶Type-④・⑤

ザンスカール帝国が開発した、試作型水陸両用MS。もっとも、他の機体とは異なりまともな試験もせず(出来なかった?)実戦投入されている。
地上戦の能力は高くないが、代わりに水中で高速移動出来るモビルアーマー形態に変形可能、武装もビーム・ガン、魚雷、ミサイル、クローと水中戦で有効になり得る物が多い他、フレーム自体は同じく試作機の宇宙用可変MSアビゴルのものを流用しているため、開発費も比較的安く抑えられ、生産ラインも流用出来る。
これだけ見れば「試作機のフレームを使った局地戦特化型試作機」だが…
なんとこの機体、水陸両用なのにコクピットに浸水する程気密性と耐圧性が悪いのである。
なので長時間の水中活動を行うと、いずれコクピット内で溺死しかねない。
対策としては短時間で母艦に帰還するなり地上に上がってハッチを開けるしかなく、長時間行動と広大な航続距離がウリの水陸両用機の長所を潰してしまっている。
かといって沿岸での戦闘も地上と同じく不得手で、水中の方が戦えるだけマシという有様。


ガンダムシリーズの他の水陸両用機には浸水したという設定はないし、そもそも水陸両用機ですらないザクⅡすらも短時間なら水中活動できる設定があるため、この機体の耐圧性は一年戦争のMS以下という事である*16


まぁ、攻撃性能と可変形態の巡航姓は優秀なのは事実で、後に欠陥を直した機体が少数が生産されたのか『機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴースト』では三機運用されていて、『DUST』でも宇宙で盗賊集団の機体として使われている。
第一、ザンスカール帝国技術部的な存在であるベスパの母体「サナリィ」ですら水陸両用機はガンダムF90の換装型(マリンタイプ)の1機だけだし、そのベスパも拠点がコロニーなのでそもそも水中用MSのノウハウがかなり少ないのだが…。


ちなみに連邦軍には水陸両用機自体がかなり少ない。アクアジム/水中型ガンダム(ガンダイバー)、接収したザク・マリンタイプ、その後継のザク・マリナー程度か。(フィッシュアイ?あれは水中専用機だ。)


トールギス(新機動戦記ガンダムW)

  • 棺桶Type-②・③

アフターコロニー(A.C.)において、初めて開発・生産された戦闘用のモビルスーツ。
「あらゆる戦況において、単独で完全な勝利を実現する兵器」を目指し、後のガンダム開発者によって当時の最高の技術を詰め込まれた。
凄まじい大火力を誇るドーバーガンとあらゆる攻撃を弾く重装甲を持ち、そして機体を大推力で自在に動かす為に搭載されたバーニアによって圧倒的な機動力と運動性を実現し、正に最強と呼ぶに相応しいモビルスーツとなった。


…但しその機動力が狂っており、常人には乗りこなせない欠陥機である事を除けば。
両肩部に搭載されたスーパーバーニアの推力は最大15G以上アポロ計画の大気圏突破で生じた慣性力の約2倍)もの加速を生み出す為、それだけで搭乗者に命の危機をもたらすのだ。
劇中でもOZのテストパイロットが乗るだけで重傷を負い、その後に再搭乗して死亡。外伝作品でもレプリカ機に五飛婚約者が搭乗したが、やはりGに耐え切れずに死亡している。


この欠陥によりトールギスの量産は行われず、一般兵でも乗れる様に性能をデチューンしたリーオーが代わりに量産されることになる。
そして乗れる人間がいないトールギスは封印されていたが、20年の眠りを経てゼクス・マーキスという相応しい乗り手に巡り会うこととなる。
しかしそんな彼も初搭乗時は「殺人的な加速だ!」と扱いに苦心していた。


尤も、装甲強度や構造強度は優秀な部類で、後継機のガンダムタイプと比べて明らかに劣っているのは操縦席周りの構造程度*17
其の為、先のOZテストパイロットの負傷事故後に整備スタッフは「安全性重視の制御プログラムを組めば何とかなるのでは?」と考えた。
実際に初期の本機はそのプログラムを用いて運用され、ゼクスが操作に慣れた時点でお役御免になっている。(実際にGで負傷は当然、死亡者もででいる以上本領発揮時は「慣れ」でどうにかなる範疇ではないと思われるが…)
リーオーの開発者であるセイス・クラークも「リーオーの高機動型を作るよりもトールギスを量産した方がマシだった」と主張している。
セイスの主張通り、加速の切れを同程度にするならリーオーよりもパワーと装甲強度・構造強度に余裕が有るトールギスの方が生還率と戦果、そして武装の拡張性が期待出来る。
プログラムを始めとしたソフト面を改良すれば、腕利きの熟練パイロット用高性能量産機として十分成立するだろう。
まあ人命軽視・性能重視のガンダム開発者達や人命軽視・コスト重視のロームフェラ財団がそんな優しい事を考える訳が無かったので、封印される羽目になっていたのだが。


なお、終盤で登場したトールギスⅡは色を塗り替えて顔をガンダム風に改めただけのものであり、中身は全く変わっていない。
つまり殺人的な加速も健在な訳だが、同機に乗り込んだトレーズ・クシュリナーダ涼しい顔で完璧に乗りこなしていた
まあ閣下なら仕方ない


ウイングガンダムゼロ(新機動戦記ガンダムW)

  • 棺桶Type-②・③・⑦

上記のトールギスに続き、5人のガンダム開発者が設計した機体。ガンダムWの世界で最初の「ガンダム」であり、トールギスの反省を活かして開発が行われた。
…なんて事は一切なく、実用性も生産性ももはや完全に度外視し、既に過剰性能と言われていたトールギスから更にひたすら高性能だけを追い求めて開発した「最初にして最強のガンダム」


機動力ももちろんトールギスの殺人的な加速を軽く上回るレベルなのだが、それすら前座。
本当にヤバいのが「パイロットを完璧な兵士にする」という触れ込みで搭載されている本機独特の「ゼロシステム」
これは周囲の戦況の推移を分析、予測した結果やそれに対する選択肢をパイロットの脳に直接伝達するというシステム。
簡単に言えば「勝つためにはこうしろ」とリアルタイムで伝え続けてくるというものだが、何が問題かというと、「自機の勝利」が最優先なこと
パイロットの事情や感情など一切考慮せず、ただただ目の前の敵を破壊する事のみを考えるのである。
敵が人質を取った場合、それが友軍や恋人だろうと容赦なくまとめて撃ち抜けと言ってくる。
勝つ為なら今すぐに自爆しろなど、パイロットの生命も自機の保全も考慮しない様な無謀な攻撃も提示してくる。どちらも考慮しないなんて『ナイトライダー』のカールよりひでぇ*18
加えて導き出した行動をパイロットに強制させようとする為、そうそう無視も出来ない。
また選択肢だけでなく予測した結果も伝達されるので、常に「最悪の結果」も見続けて戦わなければいけない。
更に機体の機能をダイレクトにパイロットに伝える為、感覚そのものが通常ではあり得ないほど拡大される*19
他にも脳内の各生体作用をスキャンし、活動状況からパイロットのコンディションを読み、脳そのものに刺激を与えドーピング的な身体強化を行う事も可能。
これによって衝撃や加重など刺激情報の伝達を緩和、あるいは欺瞞する事で、トールギス以上というもはや人間の限界を超えた機体制御を可能としている。


まとめると

  • 脳に送り込まれてくる大量の情報(しかも望ましくない情報も大量)による精神負荷
  • ドーピングで無理やり和らげているだけの凄まじい身体負荷

これらと戦いながら操縦する事になる。
常人では当機の操り人形と化してしまい、周囲はペンペン草も残らない惨事となりかねない。
パイロット自身が最終的にどうなるかは言うまでもないだろう。
事実、作中では搭乗したOZのトラント特尉がゼロシステムに耐えられず死亡している。
後半主役機にもかかわらず複数人が搭乗したという珍しい機体だが、結局最後まで乗り続けけたのは主人公ヒイロのみ。


ガンダムシリーズ中屈指のマッドサイエンティストである5博士すら「コイツはヤバい」と実機の建造もせずにデータも封印していた機体なのだが、それも尤もである。
だったら設計図も作るなよ、と思ってしまうものである


フォビドゥンブルー(機動戦士ガンダムSEED MSV)

  • 棺桶Type-②・③・⑧

ザフトの水陸両用MSグーンゾノに対し水中戦で大きく遅れを取っていた地球連合軍が開発した水中戦用MS。
後期GAT-Xシリーズの一機フォビドゥンガンダムをベースとした派生型量産機の試作機に当たる。


フォビドゥンの特徴である、ビーム兵器を通常の対ビームシールドの様にコーティング剤で『弾く』のではなく磁場で『捻じ曲げる』特殊装甲「ゲシュマイディッヒ・パンツァー」が、ビームを防ぐだけでなく水圧の影響も低減できるという点に着目して作られており、
耐圧殻や抵抗の少ない形状を持たないにもかかわらず、海中の圧力と水の抵抗を受けずに活動できるという珍しい水泳部MS
しかしそれは同時に水中での活動、延いては水圧対策を全てゲシュマイディッヒ・パンツァー(とTP装甲)に依存しているという訳である。
つまり海中でバッテリー切れやゲシュマイディッヒ・パンツァーの故障が起きた場合、水深によっては瞬時に圧壊する危険がある。
このためパイロットからは機体名を捩ってフォビドゥン・コフィン禁断の棺桶と通称されたという。
後の制式量産機であるディープフォビドゥン、フォビドゥン・ヴォーテクスにはコクピットに耐圧殻が装備されているためこの危険は解消されている。
このため、これらはガンダムでは珍しい「欠点が解消され試作機から順当に性能が上がった量産機」となっている。


性能そのものは後発ということもあって優秀で、グーン・ゾノを圧倒している*20という、これまた珍しい「本家より高性能な水泳部MS」でもある。
陸上でもあのソードカラミティ互いの中の人に迷いがあるとはいえ張り合う場面があるほど高スペックぶりを披露している。



ティエレン(機動戦士ガンダム00)

  • 棺桶Type-⑧

三大勢力の一つである人革連の主力MS。
素スペックが棺桶である機体とは異なり、動きこそ鈍いものの鉄人ティエレンの名の通り堅牢かつパワーにも優れ、生存性も高く大きな欠陥も無い。
他勢力の最新鋭機と比べて整備性は非常に高く、またその登場により若干旧式化しつつあるがそれ故に信頼性も高いため量産機としての質はかなり良好
宇宙仕様に至ってはティエレン系の弱点である「大重量故の鈍さ」が大幅に軽減されるため、他勢力からは大きな脅威と見做されていた程。


なのに棺桶呼ばわりされるのはコックピット構造が原因。
まずコックピットにはモニターが一切無く、ほぼ真空状態
情報表示は専用ヘルメットのヘッドディスプレイ任せ、生命維持機能もそのヘルメットと気密服頼り。
更に身体を預けられる器具は背もたれだけで、座席やシート等の類はなく、直立で操縦する。搭乗の際も上から吊り下げて貰う方式のため、緊急時には自力での機体脱出も困難を極める。(なおコックピットの仕様を座席型に換装する事は可能)
このため00系はおろかガンダムシリーズ全体を通してもトップクラスに居住性が悪い


結果として鈍重な動きに加え「暗いコックピットに直立」「搭乗手順がまるで納棺」という運用方法のせいで、他国兵士から「生きた棺桶」と揶揄される羽目になってしまったのである。


とはいえこれはあくまで「他勢力からの蔑称」という話。
人革連では何だかんだ愛されており、地上・宇宙両方に派生機も多く作られている。
セルゲイ・スミルノフは自国機とはいえこの機体を高く評価しており、パイロットからも好評だった模様。
太陽炉搭載機へと主力機が移行するにつれ第一線からは引いたが、後のGNドライヴ搭載型高級量産機アヘッドにティエレンの設計が組み込まれていたり、
局地対応機が警備用として連邦正規軍で引き続き運用されているなど、兵器として優秀であることは間違いない。


余談ではあるが、設定資料集であるG-ROOMSでは人革連のMA『MAJ-V34 ジャーチョー』に乗り込んだ新人パイロットが、市街地戦を想定した操縦訓練中に階段から落下する事故のワンシーンが描かれている。
その際のスタッフ同士の談話では、コクピットに入るにはうつ伏せに入るしかなく*21救助も引きずり出すようにして行われた、とティエレンに限らず人革連の兵器が全体的に搭乗者の居住性を重視しない方針である事が示されていた。
ただ、MS/MAともに操縦系統の統一が図られているので、様々な機体を乗りこなすにあたって機種転換訓練は短期間で済むという利点がここで公開されている。


Gエグゼス(機動戦士ガンダムAGE(小説版))

  • 棺桶Type-②・③

MS鍛治の名門マッドーナ工房が開発した、「白い狼」ことウルフ・エニアクルの専用機。
同じくマッドーナ工房が手がけた汎用MS「シャルドール」をベースとしているが、性能は段違いに高く、武装もDODSライフル並みの威力を誇るビームライフルや、バクトの電磁装甲すら紙のように切り裂くビームサーベルなど強力なものを取り揃えている。
原作であるTV本編においても高性能過ぎてウルフ以外には扱えない機体とされていたが、
実際は「ウルフ並みの技量がなければ性能を発揮しきれず持て余してしまう」という、よくあるエース専用機の範疇を出ないものであった。


しかし、小説版ではそこから更に踏み込み、フットペダルやスロットルの操作を少し間違えるだけでもたちまち推進剤やエネルギーが底をつき、最悪の場合そのままプラズマ反応炉のオーバーロードで木っ端微塵に砕け散るという上級者向けすら通り越した自殺志願者向けMSと化してしまった。
ディーヴァ艦長のグルーデック・エイノアも一度は簡易量産を検討したものの、同艦MS隊のラーガン・ドレイスがシミュレーター上で動かした所、30分の戦闘で19回も戦死判定になりそのうち12回は単なる自爆という結果から流石に断念せざるを得なかった*22
なお、この極端過ぎるセッティングはなんとウルフ本人の要望によるもの
開発を担当したムクレド・マッドーナも「お前の注文はピーキー過ぎる」「一歩間違えれば反応炉ごと火の玉」と調整に苦心していたことを語っており、恐らくウルフの要求を満たす範囲で限界まで安全性を高めた上でなおこんな状態なのであろう。
にもかかわらず、本機を慣らし運転すらせずに初見で使いこなしてみせたウルフは一体…
整備性も最悪で、内部は部位ごとにメーカー違いの部品で溢れかえっている上、1回出撃しただけでどこかしら不具合が生じてオーバーホールが必要になる。Gエグゼスがなければ普及量産機のジェノアスが数個中隊運用できる程だという。
性能の高さ自体は確かなものの、はっきり言って純軍事的に見れば紛うことなき欠陥品である。
とはいえ、DODS兵器の量産体制が整っていない中では本機とガンダム位しかUEに対抗できるMSがなかったこともあり、ディーヴァも上記のコスパの悪さに悩まされながらも運用し続け、結果として本機の活躍で目覚しい戦果が記録されている。


なお、アセム編でウルフが搭乗していたGバウンサーは連邦の次期主力機コンペでアデルに敗れた試作機をベースに開発されたもの*23なので流石にGエグゼスよりはマシと思われるが、ウルフの台詞から察するにこちらも相当ピーキーな調整なのは確かなようだ。


モビルワーカー(機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ)

  • 棺桶Type-①

ガンダムシリーズでは「モビルワーカー」と呼称される作業用メカが時折姿を見せるが、『鉄血』においては三脚タイプの車両型機動兵器として登場した。
件の「モビルスーツより下のカテゴリ」の中でも特筆すべき棺桶っぷりを発揮しているのがコレ。
機体設計そのものはマトモで、性能こそMSには遠く及ばないが遥かに低コストで調達でき、エイハブ・リアクターを搭載していないため市街地でも気兼ねなく使用可能。
対人戦や同じMW同士であれば十分な戦力であり、現実で言う所のジープや装甲車の要領であらゆる組織に配備されている。
……しかし、この「安上がりで取り回しがいい」という点こそ、運用面から動く棺桶と化した最大の理由でもある。


『鉄血』世界は貧富の差が激しい上に治安も悪く、生活の為に兵士にならざるを得ない少年や、「ヒューマンデブリ」と呼ばれる金で売買される奴隷がそこら中にゴロゴロといる。
おまけに(法律違反の非人道的技術ながら)パイロットと兵器を直結しての操縦が可能になる「阿頼耶識システム」なんて物もあり、育成の手間もかからない。
安上がりな兵器と人員+即席パイロット育成技術」のセットにならず者や民兵団が目をつけないはずもなく、結果として作中ではMWに乗せられた少年兵がわずかな訓練だけで危険な前線に放り込まれ、そのまま無惨に戦死という光景が日常茶飯事となってしまっている。
当然、雇い主からすれば代わりの機体と乗り手は幾らでも調達できるので死なれた所で痛くも痒くもなく、MS相手に使い捨ての鉄砲玉として放り込まれる事も珍しくない*24
そうなると、元々MSとの交戦など想定していないMWでは装甲も保護機能も意味を成さず、MSに蹂躙された挙句脱出もままならずに機体ごと火葬されてしまい、阿頼耶識システム接続用ピアスしかパイロットの痕跡が残らないなんて事も珍しくない。



GUND-ARM(機動戦士ガンダム 水星の魔女)

  • 棺桶Type-③

『水星の魔女』の設定における「ガンダム」
作中世界に存在する元素・パーメットを用いた身体拡張技術「GUND」をモビルスーツ操縦に応用した「GUNDフォーマット」を搭載したMSの総称。簡単に言えば上にある阿頼耶識と似たようなもの。
従来のMSを遥かに凌駕する操縦性・運動性を発揮出来るが、バカでかい機械を脳に直接繋ぐためパイロットへのパーメット流入量が尋常ではなく、常人が操縦すれば機体から送り込まれる膨大な情報量に神経を犯され、普通に戦闘しても短時間で疲弊、パーメット流入量を上げれば廃人化、最悪死に至る
開発元であるヴァナディース機関としても搭乗者を殺す兵器なんて世に送り出すわけにはいかないため、健全性を証明すべく「ノーリスクで動かせるガンダム」として試作機ガンダム・ルブリス開発に着手していたものの、ガンダムを手っ取り早くアピールしたい親会社オックス・アースの意向でGUNDフォーマットの危険性を排除できないままルブリス量産試作型を建造という本末転倒な行為を余儀なくされてしまう。*25
結果として世間からの猛反発を受け、遂にはモビルスーツ開発評議会によりGUND-ARMの技術はヴァナディース機関ごと抹消される事態に陥る。


しかし、実際には水面下で様々な組織がガンダムの開発を継続しており、ヴァナディース機関消滅から21年後にシン・セー開発公社のガンダム・エアリアルとペイル社のガンダム・ファラクトの2機が、それぞれガンダムであることを隠してMS開発競争の最前線アスティカシア高等専門学校に送り込まれた。
…が、ファラクトの方は強化人間をパイロットにして強引に耐えているだけで欠陥自体は全く解消されておらず、しかもその強化人間ですら乗り続ければいずれ限界を迎えて死ぬ。そのためペイル社は貧民層から市民権を餌にして徴用、整形手術で同じ顔にした強化人間を限界が近づいたら順次使い捨てるという非道極まりないやり方でファラクトの欠陥を隠蔽している*26
一方エアリアルは欠陥の解消に成功しているが、やはりこちらも建造の背景に何かが存在することは仄めかされており、「なぜエアリアルはノーリスクで動かせるのか」という謎は物語の鍵の一つとなっている。


●ガンダム(GUNDAM 0079 THE WAR FOR EARTH)

  • 棺桶Type-存在自体

ドンドンドン
カンカンカン
ボーン
デーデーデー


地球連邦軍は、RX-78ガンダムと同時に貴重な実戦データを失った……


(スラング的な意味で)「黒歴史」なことでお馴染みの実写ゲーム版に出てくる主人公機。
他作品での強さはどこへやら、本作が伝説と化している原因の約半分はガンダムの弱さだと言っていい程には弱い。

  • ザク・マシンガン弾けATでも無いのに爆発四散する脅威の紙装甲。ザクのパンチにすら耐えられない。
  • 原作では平気なザク破壊時の爆発に巻き込まれて爆発四(ry
  • ケツアゴシャア専用ザクに力負けする低ゲインな出力
  • 低くはないが、ザクとそこまで変わらない機動力
  • そもそも起動方法からして非常にややこしい

などと、とてつもない低スペックである。唯一優れていると思える点は片足が破壊されたまま大気圏突入しても平気な耐熱性位。
一応武装にはこれといった欠陥は見当たらないものの、パイロットの腕が悪いのかシステムが悪いのか火器は頭部バルカン以外マトモに命中せず、ビームサーベルもシーンによっては自滅の原因になる。
この有様で原作よろしく『連邦軍最高機密』とか『最強のモビルスーツ』とか呼称されている。ハーブか何かやっておられる?


その上、大型対空砲ソア・キャノン破壊任務においては、破損中の下半身をガンタンクの下半身(キャタピラ)に換装し、それまで悪くはなかった機動力すら皆無になったガンダムタンクへと退化する。しかもそのまま地雷原の突破までやらされる。
地雷を踏めば当然爆死するし、武器のハイパーバズーカも活躍することはなく、目的地に辿り着くまでにうっかりザクやセントリーガンに出くわそうものなら反撃すら出来ずオロオロしながら蜂の巣にされて爆散するのみ。
せめてガンキャノンの脚をよこせ。


しかし本作のガンダムが動く棺桶になったのは、上記のクソスペックのせいだけでは無い。
このゲームは当時珍しいQTE方式を取っているが、ノーヒントかつ入力のタイミングが不明、そして失敗した瞬間に即ゲームオーバーという理不尽難易度の死にゲーであるからという面もある。
この初見殺しにも程があるQTE操作だがなんとこれ、パイロットに合わせて最適化されたインターフェースなのである。


連邦軍士官「操作は簡単だ。戦闘コンピュータを起動させるだけで良い。コックピットに乗り込むと、インターフェースが自動的に君の反応能力に合わせて、全ての機能を最適化してくれる」
大嘘つくなや


こんな死にゲーっぷりを見たユーザーから、「連邦の白い棺桶」「巨大な動く食玩ダム」「起動せんしヤンナル」等の不名誉な渾名がつけられているのである。





蒼穹のファフナーシリーズ


マークドライ(小説版蒼穹のファフナー)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

作中の主だった敵対勢力である「フェストゥム」に対抗すべく第一アルヴィス「竜宮島」で建造された第三世代モデルファフナー「ノートゥングモデル」で、近接戦闘を担当する3番機。
冲方丁氏による小説版のみの設定ではあるが、何故かドライのみ戦闘での損耗率が異様に高く、パイロットが「いなくなり」やすいことと機体のカラーリングに引っ掛けて、7人のパイロットを屠った「黄色い棺桶」という異名を持つようになってしまった。
フェストゥムは接近するだけでも死が近付くため、必然的に近接戦型の機体や壁役の機体に搭乗するパイロットは同化現象に対する耐久率の高いパイロットが選出されている傾向が強いにもかかわらずである。
更に戦闘中に同化されしまったパイロットを介錯・処断をしていた4番機(マークフィアー)の春日井甲洋*27が「味方殺しの甲洋」と呼ばれる一因になってしまっている。


そもそもファフナー自体が搭乗するだけでも諸々の事情から死が近付く機体であり、撃墜を除くと個人差こそあるが基本的に長期間搭乗し続ければ待っているのは同化現象の末期症状を引き起こして「いなくなる」か、パイロットを引退出来たとしても何かしらの後遺症が残る恐れがある。
実際、TVアニメ第1期から劇場版『HEVEN AND EARTH』までの間に末期症状一歩手前の昏睡状態から回復した2人は、片や深刻な運動障害が残り車椅子での生活を余儀なくされ*28片や機体がかなり特殊である事と諸事情もあって視力が著しく低下した上に色彩が失われていた上に、TVアニメ第2期『EXDUS』では残りの寿命はあと2年にまで擦り減ってしまっていた。


これらの事情故に、作中の登場人物の心無い言葉を敢えて使うなら「パイロットは(取り換えの利く)電池」である。
主人公サイドでも「電池切れ」という自嘲の言葉すら使われたため、電池という認識は勢力を問わず広まっているのかもしれない。
因みに、主人公サイドは機体が高性能であることに加えて、生まれながらファフナーへの搭乗適性を意図的に付与されて生まれてくる試験管ベビーめいた出自を抱えている*29ことが殆どであるため、この世界ではまだ恵まれた環境にある。
何しろ二期まで完全な敵対関係ではないにしろ険悪な間柄であった人類軍では、後天的にファフナーへの搭乗適性を付与する手段を得たものの、戦力の大幅増強の代償として「後天的にファフナーへの搭乗適性を得たパイロットは30代まで生き残る事が出来ない」状況であった。
フェストゥムが質も量も兼ね備えた物量作戦を学んでしまったため、凡そ29歳の誕生日を迎える前に撃墜されて「いなくなって」いそうではあるが…



ティターンモデル(蒼穹のファフナー RIGHT OF LEFT)

  • 棺桶Type-⑥・⑦・⑧

TVシリーズ第一期の前日譚に登場した、L計画の要となる第二世代モデルファフナー。
全部で4機建造され、フェストゥムの読心能力対策にジークフリードシステムを搭載していたが、その代償として同化現象の進行が加速。最大搭乗時間は15分(交代時間を差し引くと約10分)が限界で、これを過ぎた場合結晶化する。
そのため計画に参加した8人のパイロットが交代式で乗る必要があるが、搭乗する度に同化現象が蓄積・加速することは変わらず、次々と参加者達が「いなくなった」。
当時は同化現象に対する治療法が確立されておらず、末期症状手前の昏睡状態に陥ってしまった場合はそのまま見殺し同然にベッドに横たえさせて放置するしかなかった。
仮に帰投する前に15分が近付いた場合は交代要員とメカニックが生身で一撃必殺の威力の攻撃が飛び交う戦場を猛ダッシュして機体に接近して搭乗するしかなく、劇中では実際にフェストゥムの攻撃からパイロットを庇ってその真横で「いなくなった」メカニックも出てしまった。


因みに、後継機であるノートゥングモデルも1期後半以降はジークフリードシステムを搭載しているが、第一次蒼穹作戦参加の4機は1つのジークフリードシステムを4分割するなどの可能な限りの同化現象対策を採っており、
その後にジークフリードシステムが搭載された機体に関しても対策を講じているが、ティターンモデルに関してはそういった対策は一切なく、ジークフリードシステムを1機につき丸ごと1つ搭載している。
一応、ノートゥングモデルにはない利点としてコックピットブロックの格納位置が胸部のため、頭部を吹き飛ばされても有視界での戦闘続行が可能*30という点があるが、ファフナーとパイロットは一種の神経接続を行っているため、頭部を吹き飛ばされる=自分の頭が吹き飛ぶという状況である以上利点とは言い難い。


4機の中でも、特に2番目に使用不能となった機体のパイロットであった村上剛史と、それより前に結晶化して砕け散った船橋幸弘の末路ははまさに「棺桶」である。
後者は戦闘終了までは耐えていたが救助に駆けつけた将陵僚が倒れ込んだ彼を抱き止めた瞬間にコックピット内で末期症状を発症して「いなくなり」
前者は精神を極限まで擦り減らした末に同じように極限状況に限界を迎えつつあったパイロット達を巻き込むトラブルを起こしてしまい、その後の戦闘でコックピットを本人諸共吹き飛ばされる形で「いなくなった」上に、まだコックピット(棺桶)内に遺っていたであろうその遺体を海鳥に貪られるという凄惨な末路を辿った。*31


最終日には2機が残ったが、海中に現れたフェストゥム相手に末期症状を発症していた僚がフェンリルで機体ごと自爆し、傍らの生駒祐未が「いた」機体も巻き込んだため両方ともロスト。
この自爆の約2時間前にL計画の生存者を乗せた潜水艇も撃沈されており、これを以てティターンモデルもパイロットの子供達を含めたL計画の参加者も全て「いなくなってしまった」


なお、ティターンモデルは『ROL』以前に建造されていた機体だが、ファフナー搭乗適性付与開始世代のパイロット達はこの機体での実機訓練を行わされた結果、同化現象の末期症状によって3人を残し壊滅しており、この機体を使った戦闘で「いなくなった」人数よりも同化現象で「いなくなった」人数の方が圧倒的に多い。
そしてそれをやらかしたのは、シリーズを通して関わるとロクな事が起きないことで定評のあるミツヒロ・バートランドである。


●ゼロファフナー(蒼穹のファフナー HEAVEN AND EARTHおよびEXODUS)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

ティターンモデルより更に前身にあたる第一世代ファフナー。正式名称はエーギルモデル。
動力には核融合炉とフェストゥムのコアを用い、ティターンモデル同様ジークフリードシステムを搭載した結果約100メートルという巨体に仕上がったが、出撃の度にその圧倒的な火力を見せつけた。
技術が未成熟な状態で建造されたためなのか機体制御が複雑化。それをカバーする目的で複座式となっている。
が、実際はジークフリードシステム搭載というティターンモデルの悲劇の引き金となった手法により同化現象の進行速度が増している事に加え、フェストゥムのコアを搭載しているためかどんなパイロットだろうが1回の搭乗が限度とされる程に同化速度が常軌を逸しており、
先述の複座式となった理由も実際は二人で同化の負担を分割しなければ数分と経たずにパイロットが「いなくなって」しまうためである。


実際、起動実験では『HAE』以降の主要人物である西尾姉弟の両親がテストパイロットとして搭乗したが、起動直後に発生した本機の暴走により「いなくなって」しまい、水面下にあるアルヴィスの一部をワームスフィアで抉った上に多数の犠牲者を出し、目の前で両親を喪った息子の西尾暉はショックから心因性失声症に陥ってしまった。
この大惨事を受けて、建造に関わった西尾行美は娘夫婦を喪った事もあり第一線を退いて隠居してしまい、テスト運用もこの1回きりのためティターンモデルに至るまでに本機の欠点の解決はコアの変更と機体の小型化以外殆ど行われなかった。
これがティターンモデルにジークフリードシステムが継続して搭載される原因となり、多くのパイロットを死の淵へと追いやる事になってしまった。


その後はアルヴィスの補助システムとして運用されていたが、劇場版にて改修を受けて表舞台に立つ。何の因果なのか、パイロットには当時乗機を失っていた西尾姉弟が選出された。TVシリーズ第二期最終盤に実行された第四次蒼穹作戦でも決戦戦力として投入され引き続き西尾姉弟が搭乗。
発現したSDP(超次元現象)もあって火力が大幅に上がっていたが、西尾姉弟はそれぞれ同化現象に蝕まれた体に鞭打って出撃しており、作戦の舞台となった海神島を直接同化せんとする巨大な同化柱をパワーに物を言わせて受け止める。
しかし、その最中に西尾里奈が同化現象の症状である意識障害を引き起こし、とっさに暉が里奈側の機体との接続を遮断して本来2人で分割してやっとという莫大な負担を一身に引き受けた事で里奈は命拾いをするが、
シュリーナガルからの脱出行の過程で同化現象の末期症状一歩手前まで追い込まれていた暉にその負担を耐え切る余力は既に無く、同化柱と相討ち同然に「いなくなった」。
これにより、西尾家にとっては家族を3人も奪った動く棺桶、或いは死神のような機体になってしまった。


全くの余談だが、『HAE』が参戦した『スーパーロボット大戦UX』でゼロファフナーの存在を知り、初の戦闘を経て興奮状態になっていた暉にこの人が釘を刺す場面があるが、彼がいなかったら暉は早いうちに「いなくなって」しまっていた…のかもしれない。


その他アニメ原作作品


アーマードトルーパー(装甲騎兵ボトムズシリーズ)

  • 棺桶Type-①・②・⑦・⑧

こちらも棺桶としてまず連想される代表的機体。
何気に兵器カテゴリ丸々棺桶呼ばわりという珍しい例。


機体サイズは身長4mと、ロボットアニメでも屈指のコンパクトさ。
但し機体の扱いは他作品とは一線を画しており、主人公がよく乗るスコープドッグでさえ文字通りの量産機に過ぎず、壊れたら躊躇無く打ち捨てられる。
とはいえその分気軽に調達できて整備も操縦もし易く、小改造で様々な環境に対応できて汎用性も高い。
歩兵用強化装甲や空挺用装甲車としてみるなら非常に優秀。詳細な解説は個別ページを参照のこと。


…しかし、最前線で殴り合う軍用ロボットとしては人命軽視としか言いようがない代物である。
装甲厚は戦車より薄く、自機の武装どころか大型重機関銃相手でも防御できるか怪しい。
生命維持装置や脱出装置の類は基本的に皆無で「エアコンがついてれば御の字」とすら言われる。
おまけに、機体の駆動を司る全身の人工筋肉(マッスルシリンダー)が引火性・爆発性の高い動作液のポリマーリンゲル液で満たされており、手足にかすり傷でも負ったら大爆発なんてザラ*32
そのため携行火器や爆弾であっけなく爆散するのは日常茶飯事、大型車とぶつかっただけで木端微塵、運が悪いと転んだだけでもドカンという事もあり得る。あまりの脆さから生身の人間でも装備と技量次第では十分に対抗可能で、スピンオフでは生身でパイロット諸共ATをしとめるのが平常運転な主人公が出る始末。
だというのに当然のごとく消火装置もオミット
作品名に違わぬ「最低の兵器」である。


ちなみに、スコープドッグの前世代機スペンディングウルフはここまで人命軽視ではなく、生命維持装置と自動消火装置を搭載し高い生還率を誇っていた。
しかしながらこの「狼」は高コストであり少数生産に留まっていた。
より生産性を高める為にそれらを取っ払ったのが「スコープドッグ」という「犬」なのである。


余談だが同じサンライズ製作であり、かつ実際にボトムズのオマージュ的要素も含むコードギアスシリーズのナイトメアフレームも、
死角からロケット弾を撃ち込まれたり、大砲や大型の機銃の集中砲火を受ければ撃墜の危険はあるが、歩兵用の小銃程度では掠り傷すら付かない防御力と、旧式機のグラスゴーの時点で戦車程度は軽く翻弄する運動性を持っているため、
やはりまともに戦う分には歩兵や在来兵器を圧倒できる性能となっている。
一部の特殊な機体を除いて脱出装置も完備されているため、ATと違いカテゴリごと「棺桶」呼ばわりされるような兵器ではない。



●43式航空偵察艇(GODZILLA3部作)

  • 棺桶Type-①・②・⑦・⑧

アラトラム号に搭載された2人乗りの小型ホバーバイク。乗馬用の鞍のようなデザインが特徴。
劇中では専ら「ホバー」と呼ばれ、「怪獣惑星」にてゴジラ討伐作戦のために遊撃隊が使用した。
正式名称は前日譚にあたる外伝小説「プロジェクト・メカゴジラ」で判明。同作で、メカゴジラ建造の時間を稼ぐためにゴジラを内陸に誘き寄せる陽動作戦「オペレーション・ロングマーチ」に合わせて開発されたことも語られている。


飛行のために最低限必要な設備のみをフレームと申し訳程度の装甲で覆ったシンプルな外見が特徴で、見た目通り機動性能は中々のもの。コストが安く信頼性も高いのも強み。
…が、見た目通り防御力はほぼ皆無な上、武装もまがりなりにも対怪獣兵器でありながら20mm機銃1門のみと、コスト面と機動性以外に犠牲にされた要素はキリがない。
勿論ゴジラ相手にはほぼ無力であり、基本的には周りを飛び回って気を引く位が関の山。
但しこの紙装甲は「ゴジラの攻撃力を前にはどんな重装甲も無意味」という判断であり、軽量化による機動性向上という恩恵もあった。
加えてあまりの弱さからゴジラはホバーに対しては熱線攻撃をあまり使用せず、また航空機としては低速なためゴジラの気を引きつつ逃げるのには適している。
ゴジラの陽動という点では非常に効果的な兵器と言える。
が、本作ではゴジラ以外の怪獣も跋扈しており、ゴジラと戦う前に小型怪獣に捕食され、なす術なく命を落とした兵士も多かった模様


ビルサルドの技術で建造されたハイテク兵器の数々が長い消耗戦の中で次々と動作不良を起こす中では「壊れにくい」という点は確かに大きな利点だったものの、
上記の人命軽視ぶりから現場の兵士からの評価は言うまでもなく最悪であり、オペレーション・ロングマーチに参加したハンター医官からははっきり「クソバイク」と唾棄されてしまっている。
また、同作戦ではあまりの損耗率の高さからパイロットも次第に不足しており、なまじ操縦が容易なだけに現地の戦災孤児に恩を売った上で徴用し、ホバーに乗せてゴジラと戦わせるという行為まで行われていた。
脱走防止装置の類は特に搭載されていないため、彼らにはそのままホバーで逃げ出す選択肢もあったのだが、誰もが「良くしてれた恩返しがしたい」と次々にゴジラに挑んでは死んでいき、正規兵達もそんな彼らを捨て石にする罪悪感に苦しんでいたようだ。


映画における人類の兵器がこれの他には四脚戦車G-HEDと作業用パワードスーツ位しかなかったのに対し、最初の外伝小説「怪獣黙示録」ではシリーズ旧作に因んだ多彩な超兵器の数々が登場しており、「映画と小説で描写が違いすぎる」としばしば突っ込まれていたのだが、
そんな中で判明したこんな貧相な兵器にでも頼らざるを得ない位人類が疲弊していたという真相はファンを大いに納得させたのであった。


●パラメイル(クロスアンジュ 天使と竜の輪舞

  • 棺桶Type-①・②・③・⑦・⑧

「アルゼナル」が保有する対D.R.A.G.O.N.用兵器。
エアバイクのような巡行形態と人型の戦闘形態を切り替えて移動と戦闘を行うが、とにもかくにも生存性・安全性が低い。
本機のパイロットは「メイルライダー」と呼ばれる。


巡行形態は正にバイクの如くパイロットは吹き曝しのサドルに跨って操縦する格好であり、
装甲は勿論、風防はおろか航空兵器なのにシートベルトすら無いため、
巡行形態で空を自在に飛び回るドラゴンに襲われればそのまま食われるか串刺しにされて死ぬ
そうでなくてもコクピットに留まる手段は両腿と握力だけが頼りであるため、ドラゴンに体当たりを受けたり接触するなど僅かな衝撃でも振り落とされて転落死の危険が大きい。
人型形態は流石にコクピットは装甲に覆われるが気密はされていないため、水没すればコクピットにどんどん水が入り込んでくる。
ついでに専用パイロットスーツもあちこちスリットだらけで、エロいデザインと引き換えに防護性能など無いも同じ。
また、逃亡防止の為に燃料も出撃一回分しか搭載されておらず、航続距離・稼働時間も短い。
脱走防止策とはいえ、燃料漏出時やダイバート時の立て直しも困難という事である。


パラメイルのパイロットはいずれも「ノーマ」と呼ばれる一般社会では一切の人権を認められない被差別民であり、
ノーマである事が確認され次第直ちに拘束されアルゼナルに送られる身分である。
出生時の診断は勿論、平時もノーマがいないか当局が目を光らせているためノーマである事を隠して一般社会で生活するのは困難であり、
アルゼナルで戦っているのも仕事ではなく事実上の終身刑囚として、メイルライダーとなり死ぬまで戦い続ける以外に生きる術が無いためである。
一国の王女すらノーマと判明し連行されようとする子供を庇おうとする母親に「諦めて今度はノーマでない子を産め」と言い放ち、
また自身もノーマと判明した瞬間に自国民からの人気が地に落ちるような世界であるため、
おそらくノーマなんぞの為に最低限以上に安全配慮してやる必要自体が無いと見做されているのだろう。
多くの人々にとって、ノーマはどうせ替えの利く上に死んでも誰の心も痛まない人材である。


……と、何から何まで人命軽視とノーマ蔑視の極まった兵器であるが、一方でかなり自由度の高い改造が許可されており、
武装や装甲の変更・追加、ルプスやバラエーナストライクシールドの搭載、カラーリング変更と、
資金さえあれば「ブラジャーから列車砲まで」揃うとされるアルゼナル内のショップにて自由に好みのパーツを購入・改造する事ができる。
これは、「パラメイルはノーマの棺桶故に、全て奪われたノーマにも棺桶を好きにカスタムする(=自分好みの棺桶の中で死ぬ)自由だけは認められる」という考えに因んでいる。


人命軽視の極まった兵器である事に加え、正しい意味でもパイロットにとっての棺桶でもあるという珍しい例と言える。


ただ、パラメイルの原型機「ラグナメイル」もパイロット吹き曝しなのは大体同一仕様な様子。強奪された機体はともかく、それ以外はどういうことなのエンブリヲ…


●KG-6スレイプニール(ALDNOAH.ZERO)

  • 棺桶Type-①・②・③・⑧

火星のヴァース帝国が保有するスーパーロボットであるカタクラフトに対抗して地球連合軍が開発した人型機動兵器。
機動力・運動性は高いが、後継機のKG-7アレイオンと違い装甲の上半分がスッカスカであり、胸部はインテークが剥き出しという有様。
メカニックデザイナー曰く「火力は高いが背が高い棺桶」。
これは開発予算不足により全面装甲に出来ず、(暴徒鎮圧用に)下部の防御を優先したため。
アレイオン配備後は主力の座を譲り、練習機として各地の高校等に配備されていた。


しかしながら、本機に乗った主人公はその機動力を活かしてヴァース帝国のカタクラフトと互角に渡り合っていく。
主人公が正式に軍属となった以後も「火星のカタクラフトの攻撃には多少装甲があっても意味がない」という考えで、
装甲強化した分機動力が落ちるアレイオンよりも本機に好んで乗り続け、最終決戦には魔改造されたスレイプニールで出撃する事になる。お前のような練習機がいるか


設定では動く棺桶でありながら、主人公の活躍により全く棺桶に見えなかったという珍しい例。
というか登場する度に火星のカタクラフトに次々と撃破されていたアレイオンの方が余程動く棺桶に見えていた。



●ザルク(アルジェントソーマ)

  • 棺桶Type-③・⑧

敵であるエイリアンの動力理論を解析した「エイリアンモーター」を搭載した高性能可変戦闘機。
重力推進と慣性制御により直角に曲がる事も可能で、主武装のザルクライフルも高火力。人型形態に変形することで格闘戦・拘束も可能。
但し人型とは言うものの「胴体直上部に頭部は存在せず母艦との接続スロット穴がある」「操縦席は左肩に据え付けられている」という異形である。
数機が集まって連携することで特殊攻撃も可能であり、作中の世界観では間違いなく最高性能の機体と言える。
あまりに高性能すぎるため普段はリミッターが設けられており、リミッター解除状態ではパイロットの圧死すらありうるスピードを発揮する。


だがそれらの基幹となる「エイリアンモーター」の正体はエイリアンの死体を封じ込めたもの。
そもそも名前からしてドイツ語で「棺桶」であり、尚且つ基地の名前と機体整備所がそれそれ「フューネラル(墓場)」「モルグ(死体安置所)」である。
指揮官を除く主人公たち部隊員には一切真実が明かされておらず、判明するのは後半、一機のザルクのエイリアンが覚醒した事による。
実は頭部が無い異形なのは「頭部に相当する部位があると不活性化できない」という理由であり、つまり「上層部は暴走の危険性を認識していた」という事である。
さすがの様々な理由で覚悟ガンギマリ揃いな部隊員たちも「エイリアンの死体に乗せられていたの?」と驚愕していた。


後継機という触れ込みで追加配備された「トート(独:死神)」も同様で、こちらも終盤でエイリアンが覚醒。実質的なラスボスとして主人公たちを基地ごと消滅させる寸前まで追い詰めた。
最終的に本来の自我を取り戻したエイリアンの一体フランクが全てのエイリアンを吸収した際にザルクとトートのエイリアン達も吸収され、地球を去って行った。
その後、残された研究成果を元に純地球製のエイリアンモーターが完成され、棺桶ではなくなった。


ヴァルヴレイヴ(革命機ヴァルヴレイヴ)

  • 棺桶Type-②・③

中立国家ジオールによって開発され、同国のモジュール77地区で建造された「霊長兵器」と呼ばれるロボットであり、少数で大軍と渡り合う事を想定して開発された代物。
本編中ではモジュール77がジオールから独立して生まれた新生ジオールによって運用された。
1号機と2号機は「原動機レイヴ」と呼ばれる永久機関、3号機以降はその複製品「ミラーレイヴ」で稼働する。
そのコンセプトが示す通り性能は非常に高く、機体によっては&bold(){200年後に第一線で戦う姿も確認されている。


しかし、その実態は認証登録を行うと特殊な薬液を注射され、仮に適性があった場合は「神憑」と呼ばれる人ならざる存在に作り変えられてしまうという外道兵器*33
そもそも裏で糸を引いていた者達にとって、兵器となったのは単に軍がスポンサーだったからに過ぎず、本質的にヴァルヴレイヴとは人間を神憑に変えるためのマシンである
神憑となったパイロットは不死身に極めて近い生命力と長い寿命を持ち、純粋に生物として見た場合は人間よりも強力な存在に変わっているが、ヴァルヴレイヴを操縦するにあたっては自身の記憶などを形作る情報物質「ルーン」をレイヴの燃料として消費しており、消耗が激しくなると最終的には生命維持に必要な情報すら消費して自分が誰かも分からない状態になって死ぬ。
(作中では新生ジオールがヴァルヴレイヴを運用したため行使はされなかったが、本来ならその他生殺与奪も行動の自由もその気になれば"機関"が自由にできる模様)


一応、ルーンの消費自体は緩やかなのか、通常の戦闘で使い尽くすことはそうそうなく、他者からの補給も一応は可能。
…しかし、物語中盤、主役機であるヴァルヴレイヴⅠ・火人に「アーダー・グリップ」と呼ばれる追加装備が搭載されたことで事情は変わってくる。
これは原動機レイヴのエネルギー流量を調節することで稼働時間を倍以上に延長し、更なる出力アップも図れるという優れもの…なのだが、勿論そんなものを搭載すればルーンの消耗も激増。
結果、ヴァルヴレイヴⅠは普通に乗っているだけでもじわじわとルーンを吸われ、いずれは死亡するというとんでもない代物になってしまった。
テストパイロットであった野火マリエは中盤で本機に再搭乗した結果、一度の戦闘で全てのルーンを吸い尽くされて死亡*34しており、正規パイロットの時縞ハルトも最終回で遂にルーンを使い果たし命を落とした。
新生ジオールは元々ジオール本国がモジュール77地下で秘密裏に建造していたヴァルヴレイヴを棚ぼた的に入手して使っていたためこの辺りの事情を一切把握しておらず、真相に気付いた時には既に手遅れの状態であった。


なお、ハルトとマリエに限らずヴァルヴレイヴに搭乗した咲森学園の生徒達は遺伝子操作などによって生まれる前から神憑になる適性を高められており、ヴァルヴレイヴにゆりかご以前から墓場まで付きまとわれる生涯を送ることとなった。


STAR WARSシリーズ


TIEファイター

  • 棺桶Type-①・②・③

銀河帝国軍の主力スターファイター(宇宙戦闘機)にして、映画界、そして海外における棺桶代表。
機動性を追求するために限界まで無駄を省いた結果、気密処理もシールド発生装置も緊急脱出装置も超光速巡航装置ハイパードライブも無いという狂気の機体に仕上がった。
生命維持装置についてもパイロットスーツ頼み(宇宙服兼用)など、恐ろしく割り切った設計である。


これは、殆ど似たような仕様の機体であるイータ2アクティス級ライトインターセプター*35を母体として設計されたのが理由。
とはいえイータ2が色々割り切った設計なのは「フォースの感応力で敵の弾を避けられるジェダイ」用の機体だからこそ。
そんな超能力者用の「当たら(ry」を一般兵にも強要したのが当機なのである。


このあんまりにもあんまりな仕様と帝国軍の徹底した教育体制のせいでパイロット達も変な方向に吹っ切れ、偏向シールド等といった防御装備を「臆病者が使う物だ」と見なす悪習が蔓延していたという。
それらが完備されたTIEアドバンストX1と、それに搭乗するヴェイダー卿は彼らの目にはどう映っていたのだろう?
また、機体側面に備えたソーラーパネルのせいで横方向の視界が狭い*36欠点もあり、おかげで撃墜ではなく事故で殉職したパイロットも相当多かった模様。


しかし色々犠牲にしただけあって機動性・生産性は凄まじく、実際に劇中でもその物量や旋回性能をもって多くの戦闘で同盟軍を大いに苦しめている。
一般兵とはいえパイロットも数合わせの捨て駒ではなく、銀河中から選り抜かれた精鋭中の精鋭であり、機体とともに敵からは畏怖、味方からは羨望と尊敬の目で見られていたという。
そのためか、上の棺桶たちとは違い脱出性能そのものはそれなりに確保されている*37らしく、撃墜されながらも宇宙遊泳でどうにか母艦に拾われ、生還できたパイロットも意外に多いとか。
この辺りはちょっとやそっとの対艦攻撃では動じない堅牢なスター・デストロイヤーを母艦とした連携運用が前提であるが故の利点とも言える。
搭乗を許されるのはパイロットとしては最大級の栄誉という、この手の動く棺桶としては珍しい立ち位置にある兵器である。


ちなみに本項目末尾に詳細は譲るが、同盟軍のスターファイター「Xウイング」の方も「動く棺桶」とまで呼べないものの、生還率はTIEファイター並みに低かったりする。もうやだこの宇宙


なお、銀河帝国の残党軍ファースト・オーダーでもTIEファイターは運用されているが、こちらは性能をさらに高めつつ生命維持装置とシールド発生装置を標準搭載し、
機種によっては重火器やハイパードライブも完備するなど、空飛ぶ丸い棺桶からは脱却することに成功している。



●TYEウイング

  • 棺桶TYPE-①・⑧

「アグリー」(ジャンクパーツから組み上げられたスターファイター)の一種であり、上述のTIEファイターに、反乱同盟軍のYウイングのパーツを組み合わせて建造されている。
Yウイングは「鈍足な旧式機だが、充実した武装と強力なシールドを装備」というTIEファイターとは正反対の機体であり、この2機を組み合わせることで両者の欠点を補い合った強力な戦闘機に…なればよかったのだが、世の中そう旨い話はない。


その実態はTIEファイターのコアパーツにYウイングのエンジン・ナセルを取り付けた代物であり、早い話がTIEファイターの紙装甲とYウイングの鈍足を悪いとこ取りした掛け値なしの欠陥品。
元がジャンクパーツなので価格は安く、またアグリーとしては比較的標準化されていたため、海賊や自警団といった懐事情の厳しい組織ではそれなりに使われていたようだが、勿論被撃墜率は滅茶苦茶高い。実際に乗せられたパイロットからの評判も言うまでもなく最悪で、結果付いたあだ名が「DIEウイング」「WHYファイター」


なお、TIEファイターとYウイングを掛け合わせたアグリーとしては他にY-TIEという機種もあるが、こちらはYウイングの本体にTIEファイターのソーラーパネルとイオンエンジンを搭載したものであり、足は遅いが火力とシールド強度には定評がある。また鈍足と言ってもTIEファイターの強力なエンジンのおかげでTYEウイングよりはかなりマシな模様。



その他実写原作作品


コヨーテ・タンゴ(パシフィック・リム)

  • 棺桶Type-③・④

怪獣用人型機動兵器「イェーガー」のひとつであり、日本所属の第1世代機。
機体そのものは真っ当な砲撃機であり、背中のモーターキャノンと両腕のプラズマキャスターによる火力が自慢。
機動性が低い上に装甲が薄かったりと性能面での問題点もないわけではないが、これ自体は棺桶呼ばわりされるほどの酷さではなく、2体の怪獣を倒す実績も上げている。


真の問題点は動力源である原子炉の放射線対策が不十分で、長時間乗るとパイロットが被曝すること。
故に短期決戦で済ませづらいタフな怪獣と戦うのは他の機体以上に高い危険を伴う。
実際に堅牢なカニ型怪獣オニババと東京で戦った際、パイロットのタムジン・セビアが重度の被曝でガンを発症し、戦闘中に気絶。相棒スタッカー・ペントコストの単独操縦により、3時間もの戦闘の末なんとかオニババには勝利できたが、彼も被曝と操縦負荷*38のダブルパンチで深刻な健康被害を被り、タムジン共々引退を余儀なくされた。


その後放射線シールドが改良されて棺桶ではなくなり、後任パイロットを迎えて継続運用されたが、結局セント・ローレンス島の戦いで破壊され、本編時点では既に失われている。


●APU(マトリックス

  • 棺桶Type-①・②

「Armored Personnel Unit(装甲兵員ユニット)」。油圧式の戦闘用パワードスーツ。
人類の地下都市「ザイオン」を襲撃する機械の戦闘兵器群に対する防御策として運用されており、本編『リローデット』『レボリューションズ』時点までに12万機が製造された。
武装は両腕の30㎜機関砲で、戦闘機械「センチネル」の装甲を十分貫通できる威力を持つ。操縦はハンドルとペダルで行うため未熟な兵士でも容易に操縦可能であり、頭数を揃えやすいのも利点。


……と書くと汎用性に長けていて使いやすい兵器のように思えるが、実のところザイオンで本機が主力として用いられている場面はない。
その理由は実際に映画なりフィギュアなりを見て頂ければ一目瞭然で、パイロットを守る装甲が皆無なのである。「薄い」のではなく「無い」。風防のガラスすら無い。
幾ら慢性的な資源不足とはいえあんまりである*39
ザイオン側も本機の脆さは十分承知しているのか、ザイオンに侵入してきたセンチネルに対しては隊列を組んで一斉に弾幕を張る事で接近させない戦術を取っていた。
一応その戦法は功を奏していたがそれでも多大な損耗は避けられず、最終的に残ったのは12万機中僅か350機のみ。生存率0.003%


機械と人類の最終戦争を描いた前日譚『セカンド・ルネッサンス』でも国連軍仕様のAPUが登場。
こちらは全体が装甲で覆われ、背部のスラスターで飛行も可能など、明らかに後のザイオンで運用されている物よりも高性能だった。
しかしこちらはこちらで一人で乗り降り出来ず、何よりパイロットの四肢を機体に固定するため緊急時の脱出が不可能という致命的な欠点が存在。
事実、劇中では大型機械「ハーヴェスター」のケーブルで手足を拘束された状態でハッチをこじ開けられ、身動きも取れないままパイロットが引きずり出される光景が描写されていた。スタッフ曰く「エビの殻剥き」。
さらに言ってしまうとそこまで武装しても機械の攻撃から完全に身を守る事は出来ず、結局ハーヴェスターのケーブルの一撃で呆気なく破壊されてしまっていた。


……装甲などあっても無くても同じだとすれば、ザイオン製APUの仕様で正解なのかも知れない。


小説/ライトノベル原作作品


ジャガーノート(エイティシックス)

  • 棺桶Type-①・②・④・⑤・⑦・⑧

サンマグノリア共和国がギアーデ帝国の駆る無人機動兵器群「レギオン」に対抗すべく建造・投入した多脚機甲戦車フェルドレス型の「有人搭乗式無人機」
……何言ってるかわからない?正直書いてる方もさっぱりわからないがひとまずそれは後述。


一般的に「動く棺桶」と俗称されるメカとて、火力や機動性など一定の長所はあるものがほとんどだろう。(コスト面とかもいるが)
だがコイツは全方位欠陥だらけで褒めるべき点が見当たらないという特筆すべきダメっぷりを誇る、作中の文句通りな「掛け値なしの欠陥機」。
しかもこれ、主役機です。
具体的には…

  • 手持ちナイフで切り刻めるほどペラペラなアルミ装甲
  • 哨戒型の敵兵器位しか正面から貫けないくせして、機体と不釣り合いに大きい上に旋回砲塔も付いておらず、一発撃つのも一苦労な主砲
  • 未熟なプログラムのせいで4脚がやっとのうえ設置圧が高く貧弱な脚(作中の機動兵器は6本脚以上が基本)
  • この仕様で補助武器は接近格闘戦用のブレード(決死の突撃が必要)か、自走地雷掃討用の重機関銃(対レギオンには火力不足)の2択

などなど、早い話が攻撃力、防御力、機動性全てがてんでダメなのだ。
しかもこの兵器のダメっぷりは性能面に留まらない。
本来は無人機として開発予定だったものがAIの開発に頓挫した結果、人を乗せざるを得なくなったという経緯がある。ここまではいい。
しかし国民感情を考慮した結果、人間扱いを認められていない人種を強制的に徴発し処理装置という名目で搭載。
そして「『人間』は乗っていないので無人機」と言い張る
というトンデモ詭弁兵器と相成った。そうはならんやろ
つまり、あくまでも『無人機』のため脱出装置や乗員保護機能は当然のごとく非搭載という許されざる暴挙の産物。
あげくこの機体には更に碌でもない思惑が込められており…
劇中では出撃すれば毎回誰かしら死者を出すほど損耗率・戦死率が高く、最終的に徴兵任期を生き延びたのは僅か5名。
兵役には市民権を剥奪した人種を毎年10万人強制入隊させているが、1年後の生存者は千人に満たない。
主人公はこれで敵を遥かに圧倒する高速機動を行い数も質も圧倒的不利な中戦い抜いているが、これは主人公が万に一人も引き出せない機体のポテンシャルを限界まで引き出しているからである。
フェルドレスには生存性を高める為に重装甲が求められがちで軽量高機動という概念が無くかったため、このペラッペラな機体がリミッターを完全解除した際の機動力には目を見張るものがある。
ただし、ただでさえ脆い脆い言われている機体がそんな負荷に耐えられる筈もなく、一回出動して敵機を2、3機撃墜するだけで足回りはほぼ自壊寸前のオシャカになる始末である*40
このように、余りにも無惨な欠陥機ではあるが、主人公が編み出した軽量さを活かした高機動戦闘が人類戦力の発展に繋がるとは、作中の誰も予想だにしていなかったであろう。



●Gu190征空戦闘機(アイゼン・フリューゲル)

  • 棺桶Type-②

主人公がかつて所属していた王冠中隊クローネンシュタッフェルに配備された特殊仕様レシプロ機。
現行主力機と比べて加速性で二割増し、格闘性能三割増しという驚異的な高性能を謳っている機体である。
但しその要求性能を満たすために装甲板を省略して軽量化を図っており、僅かな被弾が命取りになる設計に仕上がっている。
エースパイロットのみを集めた王冠中隊クローネンシュタッフェルにこれが採用された訳は、『撃たれる前に撃ち落とせば良い』という軍部の方針である。
他の作品の機体に比べるとこの人命軽視はまだ有情に見えてくる不思議


この機体の脆弱性に加え、劣勢を打破するために激戦区を選んで隊員は駆り出されたがゆえ、損耗率は半端じゃなく高く、隊員は減っては補充される。
9か月後の休戦まで生き延びた隊員は全36名の内、僅か2名しかいない。



●ディオニュソス(ヘヴィーオブジェクト)

  • 棺桶Type-⑦

作中に存在するオブジェクトの一種。
世界を四等分している四大勢力の一つの『信心組織』(様々な宗教団体の集合体。思想が合理性を超えて存在する)に所属する機体。メチャクチャに金がかけられて作られているのだが、設計思想そのものが狂気に至っている。
基本的にオブジェクトとは、堅牢な装甲に包まれており生半な手段(大型水爆でも)では貫く事ができないのだが、これはなんと、装甲を破壊される事を前提に作られている。
装甲が破壊されようが、爆発反応装甲めいてそれ以上の破壊を押しとどめるという常軌を逸した設計かつ、中心部が空っぽ*41であり、装甲をズタボロにされようとも致命傷だけは避ける機体である。
何度も大破されようが、不死鳥めいて戦場に舞い戻る事から兵士や民衆に希望*42を与えるのを主としている。


パイロットもパイロットで脳まで含めた全器官をバラバラに保管されたまま、必要になったら組み立てて機体に詰め込まれている。
なので、機体と一心同体ゆえに本当に破壊されたらその瞬間にオダブツというありさま。


●ヴォーダン(ヘヴィーオブジェクト)

  • 棺桶Type-⑦

無数のブレインミサイル*43を装備し、550mの巨体をマッハ2で飛ばす地面効果翼機。
機体に張り巡らされた微細なチューブから発生する超音速分子ビームにより、極めて強いファンデルワールス力を生み出し、無数の複合装甲を一つの塊として異様に強靭な装甲を作り出している。
500億ドルもの大金を使って生み出された超大型兵器。
…なのだが、実は破壊されて大敗する事を目的に開発されている。


作中世界の主流となった兵器であるオブジェクトに撃破される事により、これだけの兵器でもパワーバランスを変える事はできないと世間に認識させる事で、利権の温床たる『北欧禁猟区』を守るためだけに開発された捨て石なのである。
機体のパイロットは当然のごとく生還を望まれていない。*44

ウォーハンマーシリーズ


ドレッドノート(ウォーハンマー40K)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

〈人類の帝国〉に所属する超人兵士「スペースマリーン」の戦団に所属するロボット兵器。その見た目はまさに棺に手足が生えたような見た目をしている。
何百年も戦争に明け暮れるスペースマリーンがその生命を維持できないほどの致命傷を負った場合、通常であれば医術官アポシカリーと呼ばれる衛生兵から安楽死がもたらされる。
しかし、中にはとりわけ強大な英雄が致命傷を負ってもなお、まだ戦いを求める場合がある。
このような英雄が持つ戦闘技術、知識、そして闘争心は、戦団の財産である。
よって例えその姿形が変わろうとも、死をも越えて戦団に仕え続けるべきだと考えられている。
そしてスペースマリーンの英雄はドレッドノートへと納められて、第二の人生を歩むのだ。


ドレッドノートには強靭な装甲で包まれており、並みの対人兵器では歯が立たないほど高い耐久力を持つ。
更に、腕には巨大なガトリング砲やレーザー兵器、対物兵器などを装備でき、通常のスペースマリーンよりも高い火力を叩き出すことができるのだ。


と、ここまで聞けばいいことずくめだと思うが、ドレッドノートには以下のリスクが伴う。


  • ドレッドノート搭載の棺桶へスペースマリーンが埋め込まれる際は、問答無用で四肢を切断されてしまう
  • 埋め込まれた者の肉体は単なる生体組織の集合体となってしまっており、生命維持装置であり墓でもあるドレッドノートから二度と切り離すことはできない
  • 棺桶内では半ば委縮した組織が生命維持水槽の中でのたうっており、年月が経つにつれて正気を保てなくなる

といった、あまりにもパイロットの扱いが酷い倫理無視の兵器なのである。
だが当のスペースマリーンにとっては、ドレッドノートとして蘇って戦えることは大変名誉なことであり、機械化した英霊として誇り高く戦い続けている。


●ヘルブルート(ウォーハンマー40K)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

〈帝国〉を裏切り、渾沌の神々に忠誠を誓ったスペースマリーンであるケイオススペースマリーン版のドレッドノート。
上記のドレッドノートと同じく負傷したスペースマリーンが搭載されているが、ヘルブルートはドレッドノートとはその扱いや特徴が大きく異なる。
スペースマリーンの中ではドレッドノート入りは名誉とされるが、ヘルブルートは逆にケイオススペースマリーンの中では拷問扱いとして見なされている。
悪魔的な技術で作られた血肉と鉄でできた機体には、不祥事を起こしたケイオススペースマリーンが搭載され、〈歪み〉の力によって肉体は完全に融合を遂げてしまう。
そうなったら最後、ヘルブルート化した者は完全に死ぬこともできず、冷たい牢獄の中に幽閉されることなど、吐き気を催すほど嫌悪すべき末路に他ならない。
ほとんどのヘルブルートは完全に錯乱しているが、それは“操縦者”がいずれも生死の中間のような状態で幽閉され、その精神が狂気と絶望によって喰らい尽くされてしまうためだ。
そのため、ケイオススペースマリーンたちの中でもヘルブルート入りするぐらいならば死んだ方がマシだと考えられている。


戦場においてヘルブルートは厳重に鎖で動けない状態から解き放たれ、目の前の敵へと一心不乱に殺戮を行う。
武装もドレッドノート同様の強力な対物兵器を搭載しており、特殊な爆発弾頭を高速で打ち出す「ヘヴィボルター」や高温で爆発するプラズマ弾を発射する「プラズマキャノン」、敵を粉砕するエネルギー力場を持つ戦鎚「サンダーハンマー」などを装備可能。
ヘルブルートは敵にとっても厄介な存在であるが、その狂気に侵された精神は時に味方の軍勢にも襲いかかる危険性も孕んでいる。


●ペニテント・エンジン/モーティファイア(ウォーハンマー40K)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

〈人類の帝国〉に所属する部隊の一つである修道女軍隊「アデプタ・ソロリタス(修道聖女会)」が有するロボット兵器。またの名を「贖罪兵器」。
神たる皇帝陛下への恩寵を忘れた聖職者、あるいは仲間の死を招いた不届きな修道女達が贖罪のために搭乗する。
色々とヤバい設定が盛り込まれてる本作のなかでもトップクラスで残酷なる扱いの兵器で、以下の特徴を持つ。


  • ペニテント・エンジンに接続される事となった哀れな罪人である操縦者の神経細胞には「拷問増幅器トーメント・アンプリファイア」が接続され
    脊髄には化学物質を投与する注射器が埋め込まれる。
    それ以降、哀れな贖罪者は果てしない極限の苦しみにさらされる。
  • 機体にはパイロットを守る装甲が存在しない。
  • 肉体的な痛みと精神的な罪悪感しか感じないように精神を分離され、その痛み自体がペニテント・エンジンの作動装置とサーボに動力を与える。
  • 敵を目前にすると、操縦者に注ぎ込まれる化学物質と神経情報が変更され、操縦者から見た敵の顔が自分の顔へと自動変換
    つまり戦闘のたびに自分を殺すか自分に殺されるかの感覚を味わわされる
  • パイロットは一度ペニテント・エンジンに接続されたら死ぬまで戦い続ける事となり、戦い続ける事が皇帝陛下に対する贖罪となる。

と、このようにパイロットを残虐非道に扱うという本作の中でもマジキチな兵器として描かれている。
「penitent(悔悟者)」の名を冠するだけあって死んだ方がマシな代物と言えるだろう。


そして上位版の「モーティファイア」は棺桶が増設されており、搭乗者は動く事も話す事も聞く事も死ぬ事もできない。
神経苦悩装置ニューロ・アゴナイザーアレイ」と「誹謗増加装置オボロクイル・エンハンサー」により激痛と外界遮断に加え自己否定と自己嫌悪で生き地獄を受け続ける。
棺桶に納められたパイロットは外的要因で死ぬ事無く、さらなる責め苦にもがき苦しみながら戦い続けるのだ。



その他電子ゲーム/アナログゲーム原作作品


●アイオーン(デモンベインシリーズ)

  • 棺桶Type-⑦

魔導書に記されている巨神のイメージを魔力によって物質化させた鬼械神デウス・マキナの一体。
機体のスペックは特上であり、装甲だけに至っても世界に対して強力な存在力*45を持つがため、物理的な手段で破壊するのは極めて困難
機動力も50m級の巨体では、有り得ない速度で推進し、有り得ない角度で急上昇するなど正に「最強の魔導書アル・アジフ」が持つ「最強の力」と言っても相応しい。


しかし鬼械神の燃料はパイロットの生命力である(より正確には魔力と精神力*46)。
しかも乗っていると異界の論理で精神が侵されるので発狂の危険もあるというオマケつき。
作中には数多くの鬼械神デウス・マキナが存在するが、その中でも最強のこれは燃費も桁外れに悪い。
そのうえで術者の生命力を魔力に変換する霊燃機関「アルハザードのランプ」が強制的に術者の命を削って魔力を絞り出すため、長期間乗り続けると確実に死ぬ。
外伝小説におけるアル・アジフの契約者マスター・オブ・ネクロノミコンたるアズラッドはこれに数分乗っただけでもかなり消耗、限界を超えた結果干からびたミイラと化して死亡


鬼械神デウス・マキナ本質は人外の論理で出来上がっている物であるがために完全に乗りこなしをするのは、自らも人間を止めて人外化する必要があり、人間は消耗して死ぬしかないとある。
そのため作中の魔術師達は鬼械神に適応する為に、魔導書の力で人間を辞めたりして対応している。
だがアイオーンは『己と契約した魔術師の魂の燃焼を以って、人類に仇なす魔を焼却する』という魔導書アル・アジフの強固な一文があるのでそうはいかない。
爆発的に魂を消費して瞬く間に死ぬか、数十年を彷徨して擦り切れて死ぬの二択というありさまであった。
術者を消耗部品にして成り立っているという「術者殺しの鬼械神」である。


ちなみに鬼械神のデッドコピーにあたる主人公機デモンベインはパイロットの人間が消耗する事なく稼働できる。
但し一般的なロボットと同じく物理的な機械で構成されているため、ダメージを受ければ当然修理が必要である等、アイオーンとは別の意味で機体に問題がある。
外伝小説である軍神強襲において、火星全体を転送陣にして召喚されたデモンベインが存在するが、
大きさは10倍の500mかつ、7000万km離れた地球の状態を一瞬で把握魔力弾一発で火星人の群れを掃討地球の時間を逆転させ、火星人に破壊された都市や殺された人類を修復と正に神の如き力を発揮するが。
デモベインからパイロットに流れていく魔力は、意識を消し飛ばさんばかりの速度と圧力で体内を流れていく
しかも機体自体が、意思を持って回転する超巨大な超論理の歯車という危険性があり、魂の欠片すら残さずに噛み砕かれる恐れがある。実際に前搭乗者の覇道鋼造は、デモンベインの巨大かつ複雑な論理構造に飲み込まれ、感知すらできない領域に消えた


●エンディミオンFRSマークIIおよびマークIII、アストライアーFGAマークI(アインハンダー

  • 棺桶Type-⑦

23世紀の未来、月面国家「セレーネ」と地球唯一の現存国「ゾードム帝国」が争う時代にて、セレーネが編成した「特別機動隊」として地球に降下する3機の新型戦術戦斗機。
ゲーム本編となる最後の降下作戦の2年前から同様の機動隊による奇襲作戦が実行されており、局地的ながら多大な被害を何度も受けたゾードム軍からは、敵地で武器弾薬を強奪補給する特徴的な一本腕を指して「アインハンダー隊」と呼び恐れられるに至る。
しかしその作戦の実態は、短期決戦の方針を転換したセレーネ軍が新たな戦略を確立するまでの時間稼ぎであり、恩赦目当ての流刑囚や延命希望の改造兵士など大半がワケありのパイロットを乗せて700回以上に渡り降下作戦を実行した結果、説明書のモノローグにて「限りなくゼロに等しい生還率」と評されるほど損耗が激しい部隊でもある。*47
そして性能こそ低くないが、任務が任務なので脱出装置非搭載という潔さを見せ、設計からしてパイロットを絶対に逃がさない意思を感じさせてくれる。


ここまでの話だけなら「特攻機とどう違うんだ」とツッコまれると思うが、この機体の真に恐ろしい所は「拠点攻撃任務の成否に関わらず、パイロットの確実な死をセレーネ上層部から望まれている」という点にある。
短期決戦の方針を転換した時点かそれ以降のタイミングは不明ながら、国民の不満を逸らすのにうってつけな「聖地・地球の奪還戦争」自体がセレーネ上層部の目的と化しており、国民の目から荒廃した地球の実態を隠匿し続けている。
そのため、降下作戦を運良く完遂して生還出来たとしても、地球の実情を知ってしまったパイロットには不都合な真実の生き証人として抹殺される未来が待っている。


ゲーム本編のパイロットプレイヤーに至っては、ゾードム軍の多数の兵器と死闘を演じた末の褒美として、今回の作戦で完成した戦闘データを搭載した最新鋭無人戦斗機の最終テスト標的に選抜すると通告された。
「死後には二階級特進の上にシリウス勲章が授与される」という指令衛星からの空々しい賛辞と共に、ここまで生き延びたパイロットにセレーネからの無数の無人戦斗機が襲い掛かる……。


+ とまぁ、セレーネ軍は本気で殺しに来た訳だが…-

なんとパイロットはこの絶望的な状況を生き延びた上に、一ヶ月潜伏したのちに月に逆侵攻して無人戦斗機の群れを撃墜しつつ戦略コンピューター搭載した防衛無人衛星を破壊。トドメとばかりに指揮官を失ったセレーネ軍もボコボコにして単騎で月と地球の戦争を終結させた……化け物かこいつ?


+ ■要相談■-
  1. 【棺桶扱いではない、性能が普通に優秀、また特攻機は「動く棺桶」とは別です】
    1. 性能こそ高いですが、「死亡率の高い任務に就かせつつ、任務の目的とは別の思惑でパイロットの確実な死を望まれている」という点ではエイティーシックスに通じる部分があり、仮に完遂・生還しても同じ任務をやらせるどころか抹殺を図るあたり、殺意の高さではエイティーシックスをも超えていると考えます。
    2. ↑抹殺を謀るのであれば戦死を前提にした特攻機に当たると思われます。また86は「棺桶」と明確に呼ばれているので本項目に該当し、兵役を終えれば放逐(あとは知らん)なので特攻機にはなりません。
    3. ↑うろ覚えだったから念のため確認してみたけど、86においても「5年の兵役が終わるタイミングで死亡率100%の『特別偵察任務』に送って実質的に廃棄処分にしてる」との話があります。というか、86にしろアインハンダーにしろ「危険極まりない任務に就いてもらうが、生還すれば解放あるいは褒美を出す(建前)」「生き延びて欲しくないので確実に死んでもらう(本音)」と、兵士の扱いにおいてほぼ同質のスタンスを取っている以上、運用面からの評価で86が特攻機じゃなければこちらも特攻機じゃなくなりますよ。
    4. ↑各所で調べてみました。最新鋭無人戦闘機『EOS』を作り上げる為に用意されたので機体の性能は高く、86と違い機体そのものはやはり優秀です(単騎で月と地球の全軍を蹂躙できるほど)。謀略の為に動員された有人機を「動く棺桶」にした場合、類似したケースの戦闘に参戦した機体が全て該当してしまうのではないでしょうか?
      1. ↑たしかに死が前提の謀略が棺桶要素の主軸になってる兵器に関しては、コメント欄での議題としていろいろ考える余地はあると思います。ですが…
      • ①そもそもコメント欄でも明確に除外対象とするかの議論が進んでる訳でもない段階で、独断でここのコメントアウトをまたも実行。
      • ②そのコメントアウトをした理由も、「(概要の初版からある「特攻機は攻撃手段が戦死前提」という文面に抵触する)味方に抹殺されるなら特攻機」「(兵役が終わる前に特別偵察任務で死にに行かされるのに)ジャガーノートは特攻機じゃない」というもの。特に後者は条件の解釈違いでもなく、該当作について少し調べればわかる内容。
      1. ↑ジャガーノートについては「棺桶」と呼称されているので、動く棺桶として優先される条件の為です(そうでないと上の「ティエレン」や下記の「コフィンシステム」は条件に当てはまらない)
      • 仮に「棺桶呼ばわりの兵器でも『動く棺桶』認定しない」という方針なのであれば、そういう議論を成すべきですし、その場合はティエレンとコフィンシステムは除外されます。
        • そしてアインハンダーについては、本機が「動く棺桶」となると、謀略など類似したケースの有人機全てが棺桶ということになってしまうのですが、どうなのでしょうか?

●飛鉄塊(斑鳩

  • 棺桶Type-⑦

作品世界における、空中兵器の名称。パイロットは「鉄塊乗り」と呼ばれる。
特に主人公二人の乗る機体は、陽(白)と陰(黒)、2つのエネルギー属性を一体化させた世界初の機体であり、属性切り替えさえ間に合えば同属性の敵弾や光線等を無傷で吸収できる。さらに吸収したエネルギーで「力の解放」として強力なホーミングレーザーを放つこともできる他、一回のみだがリミッターを解放すればレーザーを連射することも可能。
ちなみに敵機も小型機は飛鉄塊、一方でボス級等の大型機は仏鉄塊と呼称される。


しかし機体の加速や衝撃に耐えるために、パイロットの体には『箍』という部品が埋め込まれ、これが体に負担をかけて寿命を削る
しかもそれに加え機体との神経接続により、パイロットの神経細胞の破壊が進み、遅かれ早かれ死を迎える。これが鉄塊乗りの宿命である
戦い重ねた主人公の体は最終戦近くでは限界を迎えたが、最後は精神力のみで戦い抜いた果てに『石のような物体』*48は破壊された。


●R戦闘機(R-TYPEシリーズ)

  • 棺桶Type-②・③・⑦

侵食能力と圧倒的増殖力を持ち、通常兵器では一切効果がない外敵「バイド」に対抗するために開発された戦闘機群。


最初に開発されたR-9A アロー・ヘッドは特にこれと言って後ろ暗い所もない超高性能戦闘機*49
その後の機体群もパイロットの四肢を切断だのパイロット幼体固定疑惑だのと物騒な背景設定こそ持っているが、
なんだかんだで一定以上の保護設備を備えており、性能も非常に高いものであった*50


…が、100機以上のR戦闘機が実装された『R-TYPE FINAL』になると状況は一転。


  • パイロットをコクピットごと交換することで「機体から自力で降りられなくなる問題」を解決したR-9W ワイズ・マン/R-9WB ハッピー・デイズ*51
  • パイロットの生体エネルギーを抽出して波動砲の弾*52にするR-9WF スウィート・メモリーズ
  • 戦闘機のくせにパイルバンカーで超接近戦をやらされるR-9DP ハクサン系列
  • フォースのバイド係数が高過ぎて有線制御でもフォース暴走必至R-13B カロン

などと、安全性などハナからかなぐり捨てた問題機が次々に登場。
挙げ句の果てに、侵食能力を持つはずのバイドを文字通りそのまんま利用したバイド系R戦闘機まで誕生してしまった。それも何機も
中でも、装甲維持用に劇薬を搭載しているB-1A ジギタリウス系列や、最低限の生命維持装置だけ身につけた状態でバイド由来の物質に直接浸かって操縦させられるB-3C2 セクシー・ダイナマイトⅡは特にヤバい機体として悪名高い。


一応、量産には至らなかった実験機止まりの機体も多いのだが、バイド系に関してはそもそも実機が建造されている時点で既に何かがおかしいと言わざるを得ない。


これらの鬼畜戦闘機を作り上げてしまった技術者集団TEAM R-TYPEは、ファンからは畏怖と愛着を込めて腐れ開発チームと渾名されている。
因みにこの集団、他にも可変機、ドリル戦車、偏執的なまでの長距離射撃特化型、貴金属をふんだんに使った空飛ぶ金食い虫といった色物、
挙句の果てに自然災害を再現できる波動砲を搭載した機体戦闘機として出撃できる慰霊碑など、人命軽視とは別ベクトルでトチ狂った機体も色々と手がけていたりする。


●コフィンシステム(エースコンバットシリーズ 他)

  • 棺桶Type-⑧

主にエースコンバット(AC)シリーズに登場する航空・航宙機向けコックピットインターフェース。コフィン棺桶の名は俗称ではなく正式名称である。*53
なお、最も未来にあたる『AC3』のシステムについては、厳密にはシリーズ他作の同名システムとの関連性は不明である。が、ここでは一緒くたに扱う。


その大きな特徴は、従来のガラスあるいは樹脂製の透明キャノピーが廃されて装甲に置き換えられており、パイロットが外界と隔絶されていること。
外界の情報は機体各所に設置されたセンサー類で収集され、パイロットにはコックピットのモニターやHMDを通して提示される。
更にAC3では操縦系統も一新されて神経接続による思考操縦が可能となっている。このため従来型の操縦システムは排除されており、パイロットはコックピットに横たわった体勢で搭乗する。
コフィンの名はそうしたパイロットを機体に閉じ込める様相から名付けられた。
また、軍民問わずあらゆる航空機がコフィンシステムを装備するようになったAC3の時代では、危険な戦場に赴く戦闘機はエアロコフィン空飛ぶ棺桶とも呼称されている。


さて、そんな名前も見た目も棺桶な代物ではあるが兵器としての欠陥は如何様なものかというと、特ったする…
従来型コックピットと比較した時に挙がる明確なデメリットはコストがかかること位であり、致命的な欠陥は特に設定されていない。
ヤバ気な雰囲気漂う神経接続についても主流は生体信号を外部から読み取る方式であり、パイロットになにか悪影響がある訳ではない。まあ何事にも例外はあるのだが。
むしろ、基本的にコフィンシステムは状況認識性*54や操縦性、防護性能、空力特性など多くの面において旧来のコックピットを凌駕している上に目立った欠点も見当たらない。ちなみに衛星通信ネットワークを通してパイロットが直接機体に乗り込むことなく遠隔操縦することも可能だが、パイロットの大半はタイムラグを嫌って有人操縦にこだわっているという。
こんな名前でなければまずここでは取り上げられなかったであろう一品と言える。
AC3以外のシリーズ作品ではむしろ強機体のアイコンであり、どちらかと言えば敵を棺桶にする側である



●R-311 レモラ(ACE COMBAT 3 electrosphere

  • 棺桶Type-②・⑤

全ての航空機が上述のコフィン棺桶システムを採用しているエスコン3において、とりわけ性能・運用面での棺桶度が高い機体。
ニューコムが開発した、高高度からの奇襲を目的としたパラサイト・ファイター(母機に搭載されて作戦地域まで輸送され、そこから切り離される戦闘機)である。
その外見は申し訳程度の主翼が付いた有人ミサイルといった感じであり、特攻用の機体と見間違えかねない。ちゃんと機銃もミサイルも搭載されているので戦闘機としての体は守っているが。
機体性能は最高速度に極振りしてそれ以外の全てが壊滅的という機体形状みたいな尖りっぷり。
高高度での空戦を前提とした設計とは言え、機体速度に旋回性能と安定性が全く付いて行けてないので低高度域での操作性は劣悪の一言。高高度域では敵無しなのだが…


プレイヤーがこの機体を操作できるのはニューコムルートのミッション「ニューコムの力」。
制限時間内に高高度域にてゼネラル・リソースの迎撃戦闘機2機を撃墜した後、急降下して地上の空軍基地に奇襲をしかけるという物。
…勘の良い方なら気付いたかも知れない。このミッション最大の敵は迎撃戦闘機でも基地の地対空ミサイルでもない、激突死であるという事に…
速度に対して旋回性能が低すぎるのと、雲海と地表(氷河地帯なので一面真っ白)の区別が付きにくいという二つの理由から、降下時の速度が速すぎたり減速や旋回のタイミングを誤ると機体が簡単に地表に突き刺さって死ぬ
制空権を獲ったらあとは爆撃機でも差し向ければ良いんじゃないんですかニューコムさん


だが世の中にはこの機体で例のトンネルを爆速で飛び抜ける変態パイロットもいるのだからたまらない。



●突撃上陸用ポッド(メトロイドプライム3 コラプション)

  • 棺桶Type-①・②・⑧

スペースパイレーツに所属する最底辺の戦闘員「メタパイレーツ」が操縦する軽突撃艇。
その運用は爆発物を詰めた衝角で敵艦に体当たりし、開けた穴から内部に乗り込むと言う狂気の方法。そして乗り込み後は、旧式ビーム銃などの型落ち武器で敵艦内での白兵戦を行うのである。
しかも最底辺の戦闘員が乗り込むだけあって設計も劣悪であり、スペースパイレーツの基準を持ってすら作りは粗雑
爆発する衝角で体当たりというだけでも危ないと言うのにボディ部分は人員輸送ユニットの物を、移動の要となるスラスターは老朽化している物を転用している。
ふざけた設計に加え危険すぎる運用を強いられる事から、周りからは「棺桶」の異名を与えられている。


ちなみに突撃してきた後の機内をよく見ると、肉のような内壁に目玉のような器官が付いていており、ビームで撃つと反応する。キモい。
生体部品が用いられているか、もしくはリヴァイアサン戦艦のようにフェイゾン生命体を改造して作られたものと思われる。



●HEV(HALOシリーズ)

  • 棺桶Type-②・⑧

国連宇宙軍UNSCの海兵隊特殊部隊ODSTが使用する、1人乗りのティアドロップ型降下ポッド。
正式名称は「Human Entry Vehicles」。
衛星軌道上の艦艇から敵地に直接投下され、通常の海兵隊では困難な環境や任務にODST隊員を送り込む。
武器弾薬や物資も搭載されており、最長なら2週間は補給なしでの作戦行動が可能になる。


作中において、軌道上からの降下は降下艇で行うのが一般的であり、ODSTも当初は「アーマード・アサルト・ボート」という航空機を使用していた。
しかし、ODSTが投入されるほどの激戦区においては低速かつ大型で被弾しやすい降下艇は地表にたどり着く前に撃墜され、搭載した戦力が丸ごと失われてしまうリスクが高かった。
そこで考案されたのが、小型高速で対空砲火をすり抜けやすい1人乗りのHEVであり、万一撃墜されても犠牲者は1人で済む。
流星群が多く見られる平安星での預言者暗殺作戦においては、その小ささを活かして隕石に紛れ込み地表に潜入、という運用法も見られた。


しかし、乗組員を保護する設備は最低限のものしかなく、大気圏突入時の断熱圧縮によって機内は凄まじい高温になる。
姿勢制御装置も同じく最低限であり、おまけに落着前にはエアブレーキと逆噴射による僅かな減速を行うのみでパラシュートすら非搭載*55
なので僅かなアクシデントで姿勢制御もままならなくなり、そのままあの世行きとなってしまう。
先述した預言者暗殺作戦においても、1名の隊員が隕石に接触して大気圏突入の角度調整に失敗し、HEVごと燃え尽きてしまった。
また、母艦側でも投下ポイントは定められ、ある程度は乗組員による制御も可能なものの、基本的には重力に任せた自由落下となるため、
運が悪いと安全な場所に落着できず、減速し終える前に崖に叩きつけられたり、湖や沼地にまっすぐダイブしたり、落着の勢いでそのまま谷底に転がり落ちるというケースも。
生存性を高めると言うよりも、あくまで強襲降下の際の撃墜リスクを分散させるための装備であり、一般兵の通常任務であれば降下艇を使った方が確実。
身一つで大気圏突入して地面に叩きつけられても気絶や軽傷で済むスパルタンですら滅多に使わない代物である。


加えてODSTの任務の性質上、降下後も「危険地帯の真っ只中で満足な補給もなしに少人数で作戦遂行」という更なる試練が待っている。


そのため、ODSTは志願制を採用しており、候補者達の中から厳しい選抜によって選り抜かれたエリート中のエリートによって構成されている。
UNSCにおいて、ODSTは危険なポッドに乗り込んで死地に赴く命知らずの集まりとして「ヘルジャンパー」の異名で恐れられており、
彼ら自身も精鋭としての誇りを込めて、自らの命を預けるHEVを「棺桶」、その射出区画を「地獄の待合室」とあえて呼んでいる。


なお、UNSCの敵対勢力であるコヴナントも似たような降下ポッドを使用しているが、こちらに関しては詳細な情報が殆どないため、HEVのような危険なものなのかは不明。



●ドラグーン/イモータル(Starcraft)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

高度な異星人種族「プロトス」が運用する歩兵支援兵器。『1』と『2』で名称・デザインが異なるが、基本的にはどちらも同じもの。
四足歩行の蟹を思わせる外観の兵器で、武装は機体上部の反物質砲。
一見ロボットのようだが、その実態は重傷を負ったプロトスの戦士を制御装置として内蔵した一種の強化外骨格。
選ばれた戦士は、胴体部に搭載された無菌培養液入りのタンクの中で一生を過ごす事となり、二度目の戦死を迎えるまで戦い続けるのである、まさに文字通りの「棺桶」。
事実、メインストーリーでは致命傷を負って戦線離脱したネームドキャラが、後半ドラグーンとなって再登場する展開も。


『2』では敵種族「ザーグ」にプロトス母星が制圧された事でドラグーンの再製造が不可能となったため、生き残りである強化版の「イモータル」が登場。こちらは反物質砲を左右二門装備し、さらにより強固で高密度なエネルギーシールドを搭載するなど重武装化している。
イモータル、即ち「不死者」という名は半死半生となってもなお種族のために戦う果敢な戦士へ贈られる尊称としての意味を込めたもの。


ゲーム的には対地・対空攻撃が可能な間接攻撃ユニット。
火力自体は高いが射撃速度が遅く、また巨体の割に耐久力もさほどではないため、小型ユニットの群れに取り囲まれるとあっという間に袋叩きにされてしまいがち。
したがって、両腕にブレードを装備した歩兵ユニット「ゼ―ロット」が前衛として敵を引きつけ、その後ろから支援砲撃を行うのが基本的な運用方法となる。コストも決して安くないので大事に使って行こう。



●フラジール(ARMORED CORE for Answer

  • 棺桶Type-②・③・⑦

X-SOBREROをベースとしたネクストAC。分類としては軽量二脚機体なのだが、全体のシルエットは人型からあまりにもかけ離れており、正面から見たら「」の字にも見える。
アスピナ機関の試作機という位置付けで、徹底的に空力特性を突き詰めた超高速機体。奇怪な機体形状は空力特性を突き詰めた結果に過ぎない。
そのスピードはゲームのレギュレーションによって異なるが、概ねクイックブーストによる瞬間的な加速一発で音速を超えるほど。


まずネクストACという物は円滑な機体制御のためにAMS(アレゴリー・マニピュレイト・システム)という物を搭載している。
ざっくり説明すると搭乗者の脊椎や延髄を介して機体と搭乗者を物理的・電子的に接続し、ネクストACの複雑な戦闘機動を一人の搭乗者の操作のみで可能にするという物。
…この手の機体制御技術では半ばお約束だが、AMS適性という先天的な才能によって個人差はあるもののAMSは搭乗者の脳や精神に少なからず負担を与える。
しかもAMSによる負荷は機体形状が人型からかけ離れるほど重くなるらしく、異形な上に高速戦闘機動を旨とする本機の搭乗者にはかなりの負荷がかかってしまう。
機体が大きなダメージを受けるとそのフィードバックが搭乗者に跳ね返り、最悪の場合死に至る事すらあり得る。


そしてネクストACの戦闘力を支えるもう一つの重要な要素が美しい緑色に輝くコジマ粒子である。
ネクストACの攻守走全てに関わるこの粒子は重大な環境汚染源であり人体にも有害で、ネクストACの搭乗者リンクスは常にコジマ粒子に曝されるリスクを背負い総じて短命(稀に長生きしてる人もいるが)。
上記のAMS適性が非常に高くて精神的負荷が問題にならないレベルの天才リンクスがいたとしても、ネクストに乗り続けていれば徐々に肉体を蝕まれていく事になる。


…と、ここまでは程度の差こそあれ全てのネクストACに共通する危険性である。だがフラジールにはその先がある。
本機は空力特性と速度を突き詰めるために装甲が極めて薄い。高火力の武器なんぞくらったら一撃で死にかねないレベル。「フラジール壊れやすい」の名は伊達ではない。
コジマ粒子を利用した防壁「プライマルアーマー」での防御に頼ろうにも、本機に搭載されているジェネレータはコジマ粒子を生成する出力が非常に低いので
ひとたびプライマルアーマーが消失したら再展開に時間がかかってしまうのもマイナス。


そんなこんなで本機は「極端な制御負荷から、多くのリンクスを潰してきた」と紹介されているが、作中での搭乗者「CUBE」は全く負担を感じさせない淡々とした態度をとる。
抑揚のない声で常に余裕を感じさせる台詞を話し、ひょっとして人間じゃないんじゃないかとまで思わせる彼ではあるが、被撃破時にはAMSからの過負荷により壮絶な断末魔の叫びを上げて散る事になる。
字幕では「ギャァァァァァッ!」だが、実際の音声はいかにもAMSの過負荷で脳を焼かれたような感じで一聴の価値あり。



漫画原作作品


●ジアース/ぬいぐるみ(ぼくらの)

  • 棺桶Type-⑦・⑧

基本は500m級の巨体のロボット。各機体に性能差はあるものの…


  • 脆弱なコア(艦橋に相当する搭乗場所)ですらもメガトン級の核爆弾の直撃で無傷*56
  • 通常の装甲部分は更に強固で、人類の科学ではどれだけ時間をかけても掠り傷一つ付けられない
  • 格闘性能はその装甲を容易く破壊し、更に機体によっては特別攻撃能力もある*57
  • 生命体を感知する機能があり、知り合いなら確実に位置が分かり、見たことも無い人でもどこに居るかは漠然と分かる

などなど、凄まじく性能が高いロボット。
但し動力はパイロットの魂性能が高いロボで、動く棺桶系ってのはこれがお約束だよね。
それも操縦中に徐々に消耗するのではなく、一度戦闘になって勝った瞬間に完全消費して死ぬ。*58
勝敗はパイロットの死亡でのみ決着するので、戦闘になればどの道死ぬ。


「じゃあ戦闘を拒否して逃げ回ればいいんじゃ?」と考えても無駄。
一連の戦いは平行世界の宇宙同士の存亡を賭けたバトルロワイアルで、48時間経っても決着がつかなければ戦ってる両者の宇宙が消滅する未来が待っている。
まとめると、勝っても負けても引き分けても、全てが死に繋がる逃げ場が全くない絶望的な状況なのである。*59
ちなみに、コア部分に自分の遺体を安置する事を望むパイロットも居て、その点では本当に動く棺桶めいてもいる。
しかも性能は操縦者の能力や魂の若さに依るが、実は別に魂が原動力である必要性はなく「高次元の者達がそう設定しただけ」である*60


グレートマジンガー(真マジンガーZEROvs暗黒大将軍)

  • 棺桶Type-③・⑦

俺は戦闘のプロだぜが搭乗する火力、装甲、機動力全てが高い次元で整った偉大な勇者たる人型ロボ。
作中の別世界線においては、更なる進化を遂げて[[偉大な勇者を超えた偉大な皇となり>グレートマジンカイザー(機体)]]、[[終焉の魔神>マジンガーZERO(機体)]]にプロ勇者……そして人間の意地を見せ付けた。
このように素晴らしいスペックをしている本機だが、人間はその機動に耐えられないという致命的な欠点があるですよね


試乗テストした兜剣造は肉体の大部分がGで破壊された結果、サイボーグになる事を余儀なくされている。
ミケーネ帝国の襲来者との実戦においては、 パイロットの剣鉄也がダース単位で戦死する事となった。
なお、この漫画の独自設定としてこの時の「剣鉄也」は量産型クローン人間*61であり、グレートを動かす為の生体パーツのような扱い*62
終いには、コックピットがピンポイントで破壊されて剣鉄也が死んだ瞬間に、戦域内でブレーンコンドルに乗って待機している他の剣鉄也が交代、戦闘を続行する。
もはやパイロットは機体のおまけのような扱いだが、ここまでして無人化しないのは、前作でのドクターヘル軍団との戦いで最新鋭無人兵器が容易に奪われたせい。
グレートマジンガーの活躍っぷりを見せたせいで、終焉の魔神がブチ切れて覚醒し、人類を滅ぼして地球を破壊したりもあった。


●女子攻兵(女子攻兵)

  • 棺桶Type-③・⑦

本作において主人公達が搭乗する17m程の女子高生型巨大ロボ
生体メカであり、体には血や内臓がある上に、飲食や排泄すら行う。
防御能力は絶大で、ダメージを与えるには同種の兵器による格闘攻撃か、特殊弾頭「次元弾」が必要。
運動能力も、女子高生をそのまんま大きさ相応にしたような軽やかな動きができるなど、スペックはかなり高い。


では何が問題かと言うと、長く乗り続けるとパイロットの精神が汚染されるのである。
中度までの汚染ならば、言動が女子高生の如くなるだけで済む(イマジナリーフレンドに携帯をかけて駄弁ったりする)。
だが、それを超えて汚染が進むと発狂して暴走。同僚を殺害し、民間人を虐殺して脱走までやらかす。
その為に、作品内の軍隊には暴走した女子攻兵を狩る専門の部署が存在する。
特殊な精神安定剤で汚染を遅らせる事も可能だが、完全な抑制は不可能。なので、パイロットは少ない志願兵と多くの懲罰兵で構成されている。





【厳密には動く棺桶ではないもの】

一見「動く棺桶」のように見えなくもないが、実際の所はちょっと違う、そんな存在。項目に一度追記されたが協議の結果省かれたものを記載する。


なお念の為注釈するが、あくまでも「本項に挙げる基準には沿わないもの」という意味合いであり、以下に載ったからといって本項目外での棺桶呼びを禁止するものではないことには留意。
※尚、これは「一度提案され却下されたものが再度追記されないため」「追記する際に記載していいかのボーダーラインの判断材料にするため」の参考資料として残しています。


▼クリックで開閉

  • パブリク突撃艇(機動戦士ガンダムほか)
    • 敵陣に突入し二発の大型ミサイルをぶっ放して帰還するという一撃離脱の宇宙艇。カイ曰く「ミサイルを抱えた不細工なの」。
      ソロモン戦では勝利に大きく貢献したが、続くア・バオア・クー戦で真っ先に狙われるハメになり、出撃したパブリクの殆どが未帰還であった。
    • ※CO理由→戦果も挙げており、敵勢力が戦法に気付いて戦略を立てただけ
  • アッガイ(機動戦士ガンダムほか)
    • ジオン軍の水陸両用モビルスーツ。他の水陸両用MSより廉価で高いステルス性を持つ隠密行動&破壊工作用の機体。
      アムロの乗るガンダムにあっけなく破壊されたが、これでも格闘戦で陸ガンの頭を一撃で潰したりと割と強い。
      オリジン版では「戦闘用MSというよりは工兵機材に近い機体」と評されている。
    • ※CO理由→投入時期が悪くて棺桶化したとは言えず戦果も挙げており、他の事例ほど極端でもない
  • ゾディ・アック(ガンダム・センチネル)
    • アクシズの試作型MA。メガ粒子砲がメイン・エンジンに挟まれている上、エンジン前方に推進材タンクが設置されている。
      そんな構造のため自慢のメガ粒子砲を撃ち続けよう物なら、推進材が熱せられ機体は自爆してしまう。
      勿論そんな兵器が採用される筈がなく、大気圏突入テストなどの後廃棄される予定だった。
    • ※CO理由→単なる未完成品を残党に厄介払いしただけ
  • ペズ・バタラ(機動戦士クロスボーン・ガンダム)
    • 木星帝国の主力量産型MSバタラの一種で胴体が丸ごとビームアックス。これで突艦して出来た破壊部に更にミサイルを撃ち込む。
      攻撃手段自体は戦死を前提としたものではなく、理論上は生還可能とされている。但しMSを失って生還したパイロットは軍規違反者として公開処刑される。
    • ※CO理由→主人公補正で生き残ってるだけで色々な文献・資料でも特攻機扱い
  • ペルグランデ(機動戦士ガンダムSEED MSV)
    • 地球連合軍が開発した宇宙空間における拠点防衛用MA。運用するのに類い稀なる空間認識能力が必要とされており、一般人には運用できない。
      そのためパイロット達に外科手術を施して脳を直結、同調させてそれぞれにX軸、Y軸、Z軸の制御を行わせている。
    • ※CO理由→パイロットが改造されているというだけで、特に具体的な負荷やリスクが描写されていない
  • ガガキャノン劇場版 機動戦士ガンダム00-A wakening of the Trailblazer-
    • 余っていた特攻専用機にビーム砲をくっつけただけの急造機体。出撃した機体の生還率は1割未満。
    • ※CO理由→改造元が特攻機とはいえ性能面の問題は少ない*63。加えて他の機種に比べて極端に生還率が低かったのか判断材料に乏しい。*64
  • ジェノアス機動戦士ガンダムAGE
    • AGE」の地球連邦軍主力量産型MS。UEのMSに蹂躙されるだけのやられ役。
      但しあくまでも装甲や武装の火力が足りないだけであり、潜在的スペックはUEの機体にも劣らない連邦の傑作機と言われる。
    • ※CO理由→単にやられ役でむしろ生還率は高く、敵も撃破してるし性能も申し分ない
  • マークフュンフ(TVシリーズ版蒼穹のファフナー)
    • ドライと同じ第三世代ファフナーであり、壁役を担う5番機。TVシリーズ第一、二期を通して奮戦した本機だが、2人のパイロットが「いなくなった」。
      マークフュンフ系列機を担当するパイロットには衛お手製のゴウバインヘルメット*65が受け継がれており、一種の死亡フラグとして恐れられている。
    • ※CO理由→「死亡例2件」「悲惨な最期を遂げがちなジンクスがある」というだけ
  • ガオガイガー(勇者王ガオガイガー)
    • 外宇宙からもたらされたテクノロジーによって開発された対地球外知的生命体用決戦兵器。
      事あるごとに搭乗者諸共ズタボロになり、必殺技は主人公の寿命を削り、合体に失敗すれば死亡するリスクがある。
    • ※CO理由→概ね演出でそもそも死者を出していない
  • タイタン・エンジン(Magic the Gathering)
    • インベイジョン・ブロックのストーリーに登場する人型兵器。全身を強力な装甲と武装で覆っている。
      搭乗者の生命力を破壊力に転換する兵器「魂爆弾」と、魂爆弾にエネルギーを充填するために搭乗者を処刑する機能がある。
    • ※CO理由→性能的問題なし、「搭乗者の命が爆弾=戦死を前提にした攻撃」は特攻機
  • カガクゴー(空想科学大戦!)
    • 科学の壁という作品世界特有の現象*66をクリアすべく開発された巨大人型ロボット。中身がスッカラカンのハリボテで動かせない。
      死ぬような出来事も起きるが本作がギャグマンガなのでパイロットは無事。また耐久面でのスペックは普通に高い。
    • ※CO理由→誰も死なないしむしろ機体自体は頑丈
  • Xウイング(STAR WARS)
    • STAR WARSに登場する反乱同盟軍の主力戦闘機。
      TIEファイターに比べあらゆる面で優れており、劣っているのは機動力とコストパフォーマンス位*67
      ただパイロット達が愛機に情が移り過ぎて見捨てられず、墜ちる時は脱出せず一緒に心中してしまう為、生存率が非常に低い。
    • ※CO理由→運用やパイロットの意識の問題であって機体の問題ではない*68
  • 登場する戦闘機・攻撃機全般(エリア88)
    • 上述のXウィングと同じくパイロットの心情的な理由で動く(空飛ぶ)棺桶と認識されているケース。
      外人部隊であるエリア88所属パイロットの多くが様々な事情で死に急いでいる。
      「紙切れより薄い己の命」「燃え尽きるまで僅か数秒」とコックピットを「棺桶」と認識している事が度々示唆されるが明言はない。
    • ※CO理由→作中では性能的問題なし*69、単に死に急いでいる者達を描く作劇の話なので対象外
  • MB-14(エリア88)
    • 本作オリジナル機体。作中で「空飛ぶ棺桶」「バスに羽を括り付けたほうがマシ」等と散々こき下ろされている旅客機*70
      案の定、エンジンの発火が原因で乗客乗員全員死亡という事故が発生し本当の棺桶となった。
    • ※CO理由→「動く棺桶」と明言はあるものの「兵器」ではないため対象外



棺桶に乗って生還できた方は追記・修正をお願いします。



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*1 例えばガガのような「機体そのものを質量弾とした、超高速での体当たり攻撃のみを主眼に設計された機体」を特攻機、一方でジャガーノートは意図的に搭乗員が戦死するよう設計されてはいるが、攻撃手段はあくまでも火砲など常識的なものであり自爆や体当たりなどは念頭に置かれていない。こうした形で「運用方法」ではなく「攻撃手段」に視点を向けた分類とした特攻機は基本的に本項では扱わないものとする。
*2 むしろ装甲がはがれやすいという後付け設定さえもある
*3 より正確にはK型と呼ばれる機体。武装が通常型と異なる他、ウインチやサブアームといったTV本編に登場した機種には無い装備を持っていたり、ザクマシンガンの直撃にある程度耐えるなどTV本編に登場した機体よりも性能が段違いに高い。
*4 なんとその訓練時間200時間以下、中には宇宙での戦闘訓練が不足していたのかまともに動くことすらままならず「溺れる」者もいるという有様だった
*5 なおカスペンが絶句したのは精鋭と言いながら素人を押し付けられた事ではなく、「戦場に子供を出すこと」に対して嫌悪感を覚えた為である。しかし彼らの覚悟を知り「大人」として扱う事を決意するのであった。
*6 なお最終戦ではオッゴの支援機能を内蔵していたビグ・ラングがオッゴ部隊と共に出撃していた上でこれである。ビグ・ラングがいなければオッゴは満足な補給も受けられずに文字通り全滅していたであろう事は想像に難くない。またビグ・ラングに加えてカスペン搭乗のゲルググやヅダもオッゴ達を文字通り「死守」したのも大きい。
*7 更に管理したとしても意識をそちらに回さなければいけないのでポテンシャルは落ちる
*8 稼働部や動力部に多大な負荷を掛け機体性能を限界まで引き出すが、機体のオーバーヒートを誘発してしまう。
*9 14歳の少女、マリオン・ウェルチ。貧しい宇宙移民の子だったが、クルスト博士に引き取られ育てられた。すなわち博士の義理の娘とも言える。
*10 ちなみに4つに引き裂かれた魂がNTの脳波や殺気を感知して自己防衛をして暴走が起こる。この4つのEXAMシステム搭載機を破壊する事で、マリオンはようやく意識を取り戻している。
*11 しばしば誤解されるが、これは機体に対するもので、最終的に本機のパイロットとなったユウ・カジマのそれは「蒼い稲妻」
*12 只でさえ収入の目減りに歯止めが掛からない一方で、頻発するテロと戦争により削りに削れない軍事費、戦後の復興費用が膨れ上がり火の車となっていた。
*13 ジェガン:U.C.0089年採用→ジェムズガン:U.C.0119年採用
*14 一応、本機の開発中に別枠で行われていた次期主力機コンペにてMSA-0120がサナリィのF90に惨敗を喫したことで流石にAE社も危機感を抱いていたが、シルエットフォーミュラプロジェクトの成果を投入して改良はしたものの、根本的な使えなさは変わらなかった。
*15 …というのは当たり前で、ジェムズガンの設定が出来たのは『V』の1993年。『F91』はその名の通り1991年公開で、当時はまだ影も形も存在しなかったから。
*16 因みに、後の時系列では『G-SAVIOUR』のブグや『Gのレコンギスタ』のジャイオーンが水圧に耐えられずコクピットに浸水する場面があるが、これらの機体はどちらも宇宙用であり、耐圧処理がされていないのは当然なので欠陥とは言い難い
*17 小説版ではガンダムの操縦席は「内殻を浮かばせた二重殻構造」になっていてトールギスより操縦者の体感加速度が若干緩和されている事を言及している。尤も、小説版のトールギスは初めてガンダニュウム合金を多用した「初代ガンダム」であることに留意。
*18 スーパーカーの搭載AI。主人公の相棒キットが人名重視なのに対し、プロトタイプのカールは自己保全重視。
*19 例えば機体のカメラに肉眼では視えない赤外線などを捉えられるものが装備されていた場合、パイロットもそれを自分の視覚で「視る」事が可能になる
*20 設定上、プラント側が水中用MSを開発すると地球側に「侵攻の意思あり」と判断される恐れがあるという理由で水中用MSの開発に二の足を踏まざるを得ないという事情もあって、ザフト側は水中戦用MSの新規開発で後れを取りがちだった
*21 それ故にティエレンに乗ると「あ、コクピット広い」となるらしい
*22 こう書くと単にラーガンがヘタクソだったように見えるかもしれないが、彼もガンダムの元正規パイロットであり、支援に徹していたとはいえDODSガンなしのジェノアスでUEとの過酷な戦いを生き延びてきた凄腕である
*23 こちらも小説版の独自設定
*24 宇宙海賊ブルワーズなど、少年兵にMSを使わせている組織もない事はないが、彼らもあくまで行動指針上MSの方が都合がいいか、あるいは単に資金に余裕があるからMSを調達できているに過ぎず、少年兵の命が機体より軽いのはMW乗り達と変わらない
*25 同時期には「パーメット流入を抑えるフィルターが一切搭載されていない」ガンダム・キャリバーンという更に危険な機体も開発されていた為、それよりはまだマシな機体ではあるのだが
*26 作中で実際に殺処分されたパイロットは4号と呼ばれていたため、過去にも最低3人がファラクトの犠牲になっていると思われる
*27 ファフナー搭乗中は味方を冷静に処理する性格に豹変する
*28 作品が進むに連れて運動障害自体は回復傾向にあるが、『EXODUS』の時系列になっても日常生活に杖が欠かせず、立ち上がる為に誰かの手を借りなければならないため、1人の時は椅子に深く腰掛ける事が出来なくなっている
*29 本来ファフナーへの搭乗適性がある者の出生率は10万人に1人とされるほど低く、作中で自然分娩での誕生かつ先天的な搭乗適性持ちは数人しか登場していない。更に作中世界の日本人の殆どが受胎能力を失っており、子孫を残すこと自体が絶望的な状況であった。
*30 ノートゥングモデルのコックピットブロック格納位置は人間で例えると子宮に当たる部分であり、更にパイロットは機体正面に対して上下前後が反転した胎児の姿勢に近い状態のため有視界戦闘自体が不可能
*31 当該機の背後の防壁には赤い飛沫がこびり着いており、ファフナーの表面装甲の下に充填されている液体金属とは全く異なる色である。
*32 この設定は後付けであり、シリーズ第1作では弾が掠めるどころか手脚が吹き飛んでも平然と動くATもしばしば見られた
*33 因みに適性がない場合は薬液によって死亡する。恐らく強奪防止のためのセキュリティも兼ねていると思われる
*34 マリエはルーン搾取に対するリミッターを持っておらず、ルーン消耗が特に激しい「欠陥品」体質だったため
*35 アストロメクドロイドの搭載と気密処理はされていたが、シールドはオミット、ハイパードライブは外付け機器で対応
*36 となっている(後継機でそれを理由にパネルの形状が違うものもある)が、実はこのパネルは視界に一切悪影響を与えておらず、むしろ窓が狭くて前方しか見えないのが視界悪化の原因。証拠としてTIEファイター内部から見ている場面で一切左右にパネルの端が見えない。最も「パネルが邪魔だから広く設けても無駄」と窓を設計された可能性もあるので、この辺は「鶏と卵どっちが先か?」のレベルになるが。
*37 先述の通り脱出装置自体はなく、脱出は乗降用ハッチを手で開けて行う。例外として、爆撃機タイプのTIEボマーのみ射出座席を搭載しているとのこと
*38 イェーガーは2人のパイロットが意識を共有した状態で操縦し、神経接続の負荷を分散させることが前提になっているため、単独操縦はパイロットに重大なダメージを与える
*39 メタな事を言えば、完全に装甲で覆ってしまうと「機械VS機械」の絵面になって観客からすると敵味方が紛らわしくなってしまうため。
*40 設定を踏まえて常識的に考えれば1戦闘こなす前に自壊しないとおかしいので、意外と頑強だった模様
*41 動力炉やコクピットなどの生命線が内側を移動している
*42 あれだけ破壊されても戦えるんだから、自分達だって何とかなるという錯覚
*43 機銃やミサイルを装備しており、敵の迎撃にはチャフやフレアで迎撃を振り切り、航行不能になると全炸薬と燃料を着火して爆発を起こす大型AIミサイル
*44 医療装置に繋がれ、外からの電気信号で動かされる生体コンピュータ扱い
*45 高密度の魔術情報の顕現ゆえ
*46 鬼械神は「機神招喚」と呼ばれる魔術で魔導書に記されている「巨神のイメージ」を魔力によって物質化させたもの。魔術師が自身の魔力で操縦・顕現の維持をする。才能がある魔術師であるほど莫大な力を操れる。
*47 事実、自機の一つであり時系列上で最も新しく作られたエンディミオンマークIIIは、度重なる特攻で発生した練度の高いパイロット不足という問題への対策で、操作系統が簡略化されたモデルとして開発された経緯を持つ。
*48 全ての文明を破壊し、人類の歴史を1からやり直させる超存在
*49 強いて言うなら設計思想と作戦が「ほとんど特攻」と言える内容ではあるがそれ自体は搭乗者の生還を否定するものではなく、むしろそれほど過酷な任務であっても「実際に帰還した機体があった」と設定されていることはその性能の証明でもある
*50 加えて、前者はまだ細かい設定が固まっていなかった時期に移植版の説明書で語られていた設定であり、現行最新作の『R-TYPE FINAL2』では全く言及されていないため、現在ではなかったことにされている疑いが強い
*51 それぞれ「脳への過負荷による重度の憔悴」「脳内物質の過剰分泌」を引き起こす機体
*52 特攻機と違い何発でも使えるが、その抽出のためにパイロットを恐怖や悪夢に陥れて命を削る。
*53 AC3のみ「Connection For Flight Interface System」が正式名称ではあるが、公式の略称としてコフィンシステムの名が使われている
*54 従来不可能だった下方・後方を含む全方位視界の確保、機体状況や作戦情報の統合表示など
*55 小説版第2巻「ザ・フラッド」では、まだそこまで設定が固まっていなかったのか、パラシュートを開く描写がある
*56 ぬいぐるみをよく知っている人曰く「猿が引っ搔いて戦車に穴が開くかよ」
*57 主人公機のジアースだと地球の地殻を完全に貫通して、日本からハワイまで直線で貫通するビームを放つ
*58 なのでパイロットは複数居る。当然ながらそれが原因でパイロット間のいざこざも起きる。
*59 但し一切操縦しなければ動力=魂を使用していない扱いになるのか、アニメ版では逡巡している間に相手パイロットが自殺し、不戦勝扱いからの連続登壇した回がある
*60 アニメ版では最後の引き継ぎ戦のパイロットに限り、死亡する事はないという独自の設定になっている。また、アニメ版では死亡したパイロットであっても、その魂をコエムシに移す事で(人ではなくなるとは言え)生き延びさせる事もできたり、ロボットそのものを解体する事でゲーム自体から降りる事ができる
*61 兜剣造が自分の遺伝子から産み出した量産クローン人間。遺伝子操作や年齢操作なども行われており、記憶の引き継ぎも行われているため、本人には自覚はなかった。
*62 なお剣鉄也本人はストーリーにおいてそれを知るのだが、落ち込む所か死を超越した存在となったと分かって大喜びしていた
*63 実際の所、同作に登場した機動兵器の中でガガキャノンの火力・機動性は決して低くはない。他機種に対して明確に劣っている点は「極端に装甲が薄い」「緊急脱出不可」といった部分だが、これらは敵の性質と作戦内容が特殊であるためほぼ無視できる要素。
*64 生還率の低さは敵の強さと作戦内容による部分が大きく、なおかつ同じ作戦に投入された他の機体の生還率が不明で比較できていない
*65 衛の父親が「大粒あんこ」というペンネームで連載していた漫画『機動侍ゴウバイン』のファンアイテムで玩具のヘルメット。幾度の戦いを乗り越えたせいでヘルメットの中はかなり臭いらしく、年頃の女の子の美三香は一時消臭に力を入れていた
*66 移動してる最中に音速を超えるとソニックブームで体が削れて死ぬ……など、現実と同じ問題が発生する現象。なお、お話の都合でたまにそれが発生しない時もあるけど。
*67 但し寡兵戦力の万能機が故に母艦を持たず戦闘機のみで単独長距離運用されるなどバックアップが不十分で、スター・デストロイヤーとコンビで運用されるTIEファイターに比べると不利な状況やコンディションの下で戦う場合が多い
*68 これを認めてしまうと際限なく該当する機体が出てきてしまう
*69 現実でウィドウ・メーカーとあだ名なされた機体も登場しているが、作品の趣旨から外れる上、実在機なので詳細記述不可
*70 安全関係の装備を50t分も削り安全性は規格スレスレ、更にエンジンが異常加熱しやすく信頼性・耐久性に深刻な問題があるとされるなど厄満状態であった

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