意志 推量

ページ名:意志 推量

意志や勧誘を表す形は共通語とほぼ同じで、五段活用動詞の場合は「‾行こう=」のように「~う」で、一段活用動詞の場合は「_起きよう=」のように「~よう」である。「する」は「‾しよう=」とともに「‾しょう=」という形も使う。「来る」は「[ちょっ]と[見てこう]か(=見てこようか)」のように複合動詞として使う場合に限って「‾こう=」という形も使う。関西の方言らしく「{はよ}[行こう]→{はよ}[行こ]」のように短音化が起こるが、表現によっては短音化が起こらないものもある(後述)。

「~う」「~よう」の後ろには「な」を付けることが多いが、発音によって意味が変化する。「‾行こうな=」のように平板に言うと「行こうね」を意味し、「‾行こ'うな」のようにアクセントを下げると「行こうよ」を意味する。「‾行こうな=」は「‾行こな=」と頻繁に短音化するが、「‾行こ'うな」は短音化しない。また、「‾行こ'うな」の語調を強めたい時は「‾行こ'うや」と言うが、「‾行こうな=」は「行こうや」にはならない。つまり筆者の口語では「行こや」のような形は起こらない。昭和の方言記録では滋賀県湖東地方では「行こまい」のように後ろに「まい」を付けるとあるが、筆者は馴染みがない。

「~う」「~よう」の後ろに「か」を付ける場合、「行こか」「食べよか」のように必ず短音化するが、「しょうか」は「[どないしょ]か([どうしょ]か)」と言う場合を除いて短音化しない(「しよか」は短音化する)。相手への確認の気持ちを含めながら誘う場合は「‾行こ'か」のように下降し、ストレートに自分の意向を伝える場合は「‾行こか=」のように平板に発音する傾向がある。男性層では「か」を「け」に置き換えることもあるが、筆者は使わない。

推量や確認を表す形は「やろう」であるが、実際には「やろ」と短音化させて言うことがほとんどである。「今日は雨が降ろう」「暑かろう」のような形は慣用句以外では使わず、通常「{降る}やろ」「[あ]ついやろ」と言う。東京において「だろ(う)」はぞんざいな印象を伴う場合があり、女性を中心に「でしょ」と言い換える傾向もあるが、「やろ(う)」には(少なくともタメ口の関西方言話者同士では)ぞんざいな印象はなく、男女の差なく使われる。祖父母世代では敬体でも「ます'やろ」「です'やろ(どす'やろ)」のように「やろ」を使う。

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