筆者の一人称は「_ぼく=」「_わたし=」。幼少時代は「‾う'ち」を多用していたが、小学校中学年の時に「女子みたい」と言われてやめた。思春期には安定せず、「_こっち'」や「苗字」まで使う迷走ぶりであった。思春期以降、やや改まった場面(職場の先輩との会話など)で「_じぶん=」も多用するようになった。男性の一般的な人称である「_おれ=、‾おれ=」はついぞ使わなかった。なお、筆者は「‾う'ち」という発音に馴染みがあるが、従妹は「_うち=」と発音する。
祖父は「_わし=」、祖母と母は「_わたし=」(「_あたし=」に近い発音の時もある)を使う。小学校時代に一人称が「_わて=」の同級生が一人いたが、やはりというか、周囲からからかわれていつしか使わなくなっていた。「わい」は聞いたことがない。
二人称は「_あんた=」で安定している。「‾あ'んた」は馴染みがなく、東京的な発音と感じていた。男性の場合、「_おまえ=」を使う人が多いが、筆者はほとんど使わない。筆者自身はあまり使わないが、「おまえ」よりも柔らかい表現である「_おまん=」も祖父母や母がよく使っていて馴染み深い。「おまん」よりも和らいだ表現として「_おまはん=」もあるが、「おまん」よりも耳にする頻度は落ちる。かなりくだけた表現として「_じぶん=」を使うこともたまにあるが、祖父母や母は使わず、大阪方面の人とやりとりするなかで身に付いた言葉という感覚がある。なお、ここまで取り上げた二人称の表現は、いずれも親しい間柄や目下相手の会話で使うものであり、実際の会話では「~さん」「~くん」「あだ名」「役職名」などで呼びかけることが多い。
三人称には主に「_あのひと=」を使い、年下の人物を指す際には「_あのこ=」も使う。共通語の影響からか「_あの'ひと」「_あの'こ」とも発音する。また、「どの人?」「あの人」のように強調して言う場合には「‾あのひ'と」と発音することもある。傍らにいる人物を指す場合には「このひと」「このこ」、既に話題に出ている人物を指す場合には「そのひと(ほのひと)」や「そのこ(ほのこ)」と言うこともある(アクセントは「あのひと」「あのこ」に準ずる)。「_あいつ=」「_ほいつ=(そいつ)」「_こいつ=」という表現も存在するが、粗野に感じられて筆者は使わない。「あいつ」に近く皮肉がこもった表現として「あのじん」もあるが、筆者にとっては理解語彙であり、アクセント内省がおぼつかない(「‾あのじ'ん」か「‾あ'の ‾じ'ん」だったとは思う)。
筆者が使う親族名称は共通語とほぼ同じで、特に面白いものはない。「_おと'ーさん」「_おか'ーさん」「_おじ'ーちゃん」「_おば'ーちゃん」「‾ひーおじ'ーちゃん」「‾ひーおば'ーちゃん」「‾おっちゃん=」「‾おばちゃん=」。母は「_おと'ーちゃん」「_おか'ーちゃん」と言っていた。筆者は一人っ子なので兄姉を指す言葉を日常で使う機会がないが、「_おに'ーちゃん」「_おね'ーちゃん」になると思う。筆者の子供時代、祖父母が「‾ねーちゃん=」「‾ねーさん=」という言葉を使っていて「アクセントが(共通語と違っていて)面白いな」と思った記憶がある。
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