最終章 伝統的な沖縄語名護言葉で
うりや、わにから ひち、世の中(ゆんなは)んてぃ いっちん くらーはん あーい、いっちん きむしからーはぬ 眺(ながー)みゑーさをー。なまさきぬページに有いしとぅ、ゆぬ眺(ながー)みるゑーしが、にったんがてぃ ゆー 見しーぶはーとぅ※1、なー 一回(すけー) 描(は)ちゅかをー。あぬばーぬ王子くんが、地上んがてぃ 現(あらわ)りてーしや、ふま。あんちから、消(きゃー)てーしん、ふま。
しかっとぅ、うぬ眺(ながー)み 見っちとぅらーしんそーりよー。むし、いちーか にったが、アフリカぬ 砂(しな)びかーる あいぬめー※2 旅ひちゃぬとぅき、うまが ちゃんとぅ わはーいぬぐとぅ。あんちから、むし、ふぬまんぐらー 通(とぅー)いぬとぅきぬあいねや、頼(たぬ)まりーるわ※3、立ち止(どぅ)まーてぃ、星(ぷし)ぬ下(しちゃ)んてぃ、うっぺー 待(ま)っち とぅらーしんそーらんなー?※2 むし、うぬとぅき、一人(ちゅい)ぬ わらーいが にった前(め)んがてぃ っちーから、からからーひち 笑(われー)てぃ、黄金色(ふがーにいる)ぬ 髪(はらーじ)ひちゅい、にったが 何(ぬん)がら とぅーてぃん いれーてぃ とぅらーさんきねや、うりが 誰(たる)がゑーら わはーいらぱじどーをー。あんちなくとぅぬあいねや、いきゃーしん! わにが うみしき きむしかーらは ひちゅし けっちがら ひち とぅらーしんそーるわ。しぐ、わぬんがてぃ、手紙(てぃがみ) 書(は)っち とぅらーしんそーるわ。ありが 帰(けー)てぃっちゃんどー、んでぃち……
[注釈]
※編集者注:同人誌版では第27章と最終章の注釈番号は通し番号ですが、Wiki版では章ごとに注釈番号を振っています。
- 沖縄語には「~してもらいたい」という表現が見当たらないので、「きみたちによく見てもらいたいから」→「あなたがたによく見せたいので」、「ちょっとまってほしいんです」→「ちょっとまってもらえないですか?」と言う表現にしました。
- 「砂漠」→「砂しかないところ」と表現しました。
- 「おねがいですから」→「頼まれてください」と表現しました。
[翻訳者紹介]
思原 仁兎(うむいばる・にと)
Website: https://blog.tullbye.life
1994年沖縄県名護市生まれ・育ちの会社員。父は沖縄県本部町健堅、母は沖縄県名護市の出身。成人してから地元のことばに愛着を強く持つようになり、沖縄語について学び始めたところ、父が親戚と話すときに使っている耳馴染みのある言葉が、どうも一般的な沖縄語《ウチナーグチ》と違うことに気付く。それ以来、沖縄語(マイノリティ)の中の方言(マイノリティ)である沖縄北部のことばに魅了され、SNSで方言を使ってつぶやいたり、公民館を借りて方言講座を開くなどの小規模な活動を続けている。
[伝統的な沖縄語名護言葉について]
名護言葉[※1]は、沖縄県名護、特に「名護三箇(東江・大兼久・城)」で伝統的に話されてきた言葉です。沖縄島北部は沖縄語の中でも特に言語の多様性が豊かな地域であり、集落の数だけ言語があるとも言われます。
近代以降の標準語励行の影響はもちろんのこと、名護言葉を含む沖縄島北部諸方言は「沖縄語内方言としての地位」が低く、主流派の方言の影響を受けて方言固有の特徴が急速に失われていくという二重の危機に瀕しています。
今回の翻訳ではなるべく純粋な名護言葉での表現を目指しました[※2]が、これらの話者は高齢世代に限定されており、もはや町中で日常的に聞くことはかないません。それでも、特徴豊かな名護言葉を残していくことが、地域の人々の心と文化を豊かにするものと信じています。
- UNESCOの分類に従い、”国頭語”とされることもありますが、自分は共に活動をしている言語学博士ハイス・ファン=デル=ルベ氏の見解に則り”沖縄語”としています。
- ハイス氏が名護市城の話者の方から聞き取った名護言葉の表現。不明な表現は名護言葉以外の辞書も参照しました。

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