わしら純情放火団(特救指令ソルブレイン)

ページ名:わしら純情放火団

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更新日:2026/03/06 Fri 10:30:43NEW!
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後味の悪いオチ 特救指令ソルブレイン メタルヒーロー メタルヒーローエピソード項目 扇澤延男 ※日曜朝8時です。 問題作 賛否両論


誕生、老人放火団
世間への復讐か?老人パワーを全開してあちらこちらに火をつけまくる
神出鬼没の犯行を、ソルブレインは一体どうやって防ぐのか?
老人達の怒りの炎が燃え上がる
特救指令ソルブレイン『わしら純情放火団』


『特救指令ソルブレイン』の10話。


■登場人物
◆西尾 大樹/ソルブレイバー
◆樋口 玲子/ソルジャンヌ
◆ソルドーザー
ソルブレインの主要メンバー。今回、ドラマ面での活躍は薄め。


◆増田 純
行動隊部隊員。階級は警部補で上記三名の部下にあたる。今回の実質的主人公。


◆正木 俊介
前作『特警ウインスペクター』から引き続き登場の本部長。ソルブレインの司令官ポジション。


◆岡田 松太郎
今回の中心人物の一人。
会社を定年退職して再就職先を求め「あけぼの社」の面接に行こうとしたところ、増田と出会う。
二人合わせると「ますだおかだ」になるが全く関係ないというかそっちの方が後発
演じたのは今西正男。偶然か意図したものか不明だが、本作の当時ちょうど60歳であった。


◆須藤 正明
今回の中心人物の一人。
左の頬に火傷の痕があり、左足も不自由。その上ある病を抱えている。
見たところ30代といったところで、若い彼がどうして老人の想いを煽り、率いているのか……?


◆桜木 賢蔵
今回の中心人物の一人。
不動産王で、数多くのマンションを所有しているが、その財を成すために数々の悪行に手を染めたという噂がある。
何故かあけぼの社(老人放火団)の標的に選ばれるのは、彼の所有物という共通点があった。
演じた河合弦司は『ナショナルキッド』時代から東映特撮や数々の時代劇に出演する大ベテランである。



■あらすじ
深夜、顔に火傷の痕を持つ男一人と老人三人のグループが、プレハブの小屋に火をつけているところから始まる。
「明日、四人目のお仲間が面接にいらっしゃる予定です」
その仲間が決まれば「老人放火団」が誕生と喜ぶグループ。


そして場面が変わり、ある老人がバイクの若者数名に追い立てられていた。
それを偶然発見した増田は、警察手帳を見せて若者を追い払い、老人を助ける。
老人は再就職のため面接に向かう途中で、履歴書がその騒ぎで台無しになってしまい、増田と共に喫茶店で書き直すことに。


岡田という名のその老人は、40年間無遅刻無欠勤で勤め上げた会社を定年退職したと聞いた増田は「功労者ですね」と彼に尊敬のまなざしを向けた。
しかし、岡田は明るい顔を見せなかった。彼の会社は定年退職者に厳しく、送別会も上げられなかったという。
「若い連中には知ったことじゃないんだろう。私たちが昔、どんなに苦労して会社を育ててきたか。
 『ごくろうさま』の一言も言ってもらえなかったですよ……私の40年は何だったのか」


本部に帰った増田は、哀愁漂う岡田の姿が気がかりだった。社会があまりに老人に冷たいと、いつか反乱が起きるのではないかと。


あけぼの社で岡田を待っていたのは、先の火傷の男・須藤と老人たち。


「我が社の仕事は放火です。日本中を焼け野原にするのが仕事です」


面食らう岡田だが、今の日本の若者たちが老人を蔑ろにしていること、その原因は終戦当時の苦労を知らないからでは?
一度、彼らに自分たちと同じ苦しみを与えることで、腐り切った日本をもう一度奮い立たせる必要があるのではないか?
そう唆されると、先ほどのバイクの若者の姿が脳裏によみがえり、あけぼの社こと老人放火団への加入を決意するのであった。


「わ、わ、わしらは老人放火団
マッチ一本愛の鞭
恨みに燃える真っ赤な炎
腐った日本を焼き尽くせ! オォー!」

その後、三日間に7件の放火事件が相次いで発生する。
この連続放火事件を受けて出動したソルブレインは、放火現場の周辺で楽しそうな老人の目撃情報を手に入れる。
老人の所業ということを一度は疑うが、現場付近で撮られた写真に岡田の姿を発見したことで、あけぼの社を捜査。
あけぼの社は既に引き払った後だったが、テナントのオーナーから須藤の情報を聞き出すことに成功する。


本部の調査により、放火された物件が「桜木不動産」の所有物だと知ったソルブレインは、社長の桜木に接触。
老人に恨まれる心当たりなどない、と主張する桜木だが、須藤の顔には見覚えがあることが判明。


そして老人放火団も、放火に疑問を持ち始めていた。
どうせ狙うなら、もっと社会的に影響がある建物を狙う方がいいのに、須藤が狙うのは何故かマンションなどの建物。
須藤に真意を問いただした老人放火団は、そこで須藤の本当の目的を知る。


須藤が桜木不動産だけを狙った理由は、家族の復讐のため。
桜木は強引なやり口で須藤の父の財産を奪い尽くし、それにより須藤家は自宅に放火する形での一家心中を図った。
須藤は奇跡的に生き抜いたが……両親と妹を亡くし、顔には火傷、さらに左足を失ったために、表社会に出られず生きるしかなかった。


須藤は桜木への復讐にただ老人を利用していたということを詫びるが、老人たちの決意は固まっていた。
須藤のためではなく、自分たちのため……腐り切った日本を叩き直すという、自分たちが集まった目的のため放火団を続けること。
そして、その「腐り切った日本」とは、桜木のことなのだと。
ソルブレインは須藤を連続放火事件の主犯と定め、さらに捜査を続けていた。
そしてその中で、須藤は心臓病を患っていて余命いくばくもないことが判明。
もしも須藤の目的が桜木で、さらに余命まで覚悟しているなら、次は放火では済まないかもしれない。


次の目標と思われる、桜木が住む高級マンションで警備するソルブレイン達。
老人放火団は桜木が外に出たところを見ると突撃し、放火と桜木の誘拐を同時に実行。
放火に回ったメンバーは逮捕され、放火自体もソルジャンヌとソルドーザーに阻止されたが、岡田の率いるグループが桜木を誘拐する。


テナントを引き払った後の放火団はある倉庫を拠点としており、そこに桜木は連れ込まれた。
そして、桜木と須藤は互いを手錠で繋ぎ、倉庫には火が放たれる。


まじめだけが取り柄だった親父も、優しかったおふくろも、素直でかわいい妹も、
みんな炎の中に消えたんですよ!


これでやっと、20年遅れでみんなの所に行ける……あなたを連れてね!}


現れるソルブレインに対し、岡田は火炎ビンと竹槍で対抗し、須藤の復讐を助けようとする。
しかしソルブレイバーの光線に火炎ビンを叩き落とされ、、竹槍も通じず、倉庫は消火される。


倉庫からソルブレイバーたちは、須藤と桜木を救出。
桜木は火災によるガスを吸って軽症ながら命に別状はなかったが、須藤は心臓病で息絶えていた。


「桜木だけが生き残った……腐りきった日本の象徴だけが」 }


増田は再び、戦後の日本を築き上げた自分たちを認めない若者たちに対する不満を岡田から聞き、彼の功労を改めて尊敬するが、それでも行いは間違っていると断じる。
本部長からの指示もあり、増田は自ら手錠を岡田達にかけるが、岡田達は自分を認めてくれた増田に救われたのか、安らいだ表情で特に抵抗もしなかった。


「本部長、真っ当に生きてきたこの人達が、なぜ俺に手錠を打たれなけりゃいけなくなっちまったんすか!」
「誰が、何が、この人達を、追い詰めちまったんすか?!」


――手錠をうった純の心に、やりきれぬ、苦い思いが残った。
その苦さが、どこから来るものなのか。増田純、22歳の春の、辛い犯人逮捕だった。

■エピソードの評価
若い世代に蔑ろにされ、行き場を失う老人たちの悲哀を描くエピソードであると同時に
本当の意味での「腐り切った日本」とは何かを問いかける、超問題作
その描写の過激さと、善悪の割切りが非常に難しい複雑な人物描写と物語の構図、救いのない結末などから
暗くハードなエピソードが多い『ソルブレイン』の中でもトップレベルに重たいエピソードであり、
見えない巨人(特捜エクシードラフト)』と並んでメタルヒーローシリーズ屈指の鬱&問題回と称されることも多い。


脚本は扇澤延男。監督(演出)は小西通雄。
扇澤は先の『見えない巨人』も執筆しており、氏の「レスキューポリスで胸糞悪い脚本を書く人」というイメージの原因の一つであろう。
このコンビは後年『ブルースワット』でも同じく社会から除け者にされる老人の悲哀を描いたエピソードを担当しており、見比べると本作と重なるところがあるだろう。


本放送当時から時世の変化も相まって、現在では岡田の態度(誇れるのが無遅刻無欠勤だけ、というのは有能な社員と言い難いのではないか)に対する疑問を投げる人や
現実に岡田に暴力を振るった若者がいるとは言え、最終的に若者ではなく岡田達より上の世代である桜木を「腐った日本」と称することから
岡田達老人放火団を「ただ自分たちの不満を晴らすためのお題目が欲しいだけ」と解釈する視聴者も見られる。


須藤も同情する理由こそあれど、実際に行ったことは桜木を殺すこと(未遂)とそれに直接関係しない若者たちも被害を受ける放火であり、
老人放火団が桜木を悪と認めたから追及されていないものの、復讐のために老人の感情を利用したのもまた事実である。


そして当の桜木については前述の通り、財を為すために須藤たちを食い物にしてきた、まぎれもない悪人である。
須藤の外見年齢から推測すると須藤の父は岡田達と同じ世代(生きていれば60歳前後)の可能性も高く、その点から言えば岡田達にとっても桜木が悪の象徴と見られることに不自然は無いだろう。
とは言え、劇中では須藤家の件以外に露骨に悪行と呼べる行いをしてはおらず、良い印象のシーンもないものの「日本腐敗の象徴」と言う大きな肩書を乗せるほどのものなのかという疑問も浮かんでくる。
また老人放火団も、須藤の存在から桜木を認識したという経緯から、そもそも若者への不満を煽られなければ桜木を見過ごしたままの可能性が高い。


以上のように人物描写については非常に緻密に色々な事項が絡まっており、曖昧に終わらせていて判別がつかない部分も含め、解釈の余地がいくつも見受けられる内容となっている。
増田の「誰が、何が、この人達を、追い詰めちまったんすか?!」の叫びの通り、単純に「若者が」「須藤が」「桜木が」などの一つの原因で片づけられないのがこのエピソードの難解な部分と言えよう。
この人物描写の巧みさと、岡田たちの感情の変化の描写のテクニカルさなどから、脚本としての本エピソードの完成度を評価する声も多い。


しかし最大の問題点としては、ソルブレイン設立の目的は「命だけではなく心も救う」ことであるにも関わらず、
今回のエピソードで救われたのは岡田たちだけで、主犯の須藤は命も心も救われていないというところであろう。
というより、そもそも今回ソルブレインが須藤に対して何もしていない。
須藤が凶行に走るきっかけは『ソルブレイン』という作品(ひいては『レスキューポリス』シリーズ全体)のテーマであり、
終盤でそこについてある犯罪者との対決の末にこれまた苦い結末を迎えるのだが、今回はそもそも対決すら成っていないのである。
この点も今回のエピソードが後味が悪いと称される一因であろう。


余談だが、『ソルブレイン』の時代設定は1999年(前作『ウインスペクター』の時代設定)より未来のはずだが、
岡田は劇中で「中学生当時に終戦」とした上で今回の定年退職とされており、つじつまが合わない。
仮に1999年に60歳なら、終戦の1945年は6歳になるはずで、中学どころか小学校に入学する年齢である。
スタッフが設定を失念してしまったのか、今回だけ特別に当時の1991年の年代設定(これならつじつまが合う)にされたのか、それは不明である。




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