登録日:2014/03/27 Thu 23:23:05
更新日:2026/03/20 Fri 11:30:30NEW!
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mtg 緑 インスタント クリーチャー強化 ブーンズ 基本セット常連 巨大化 giant growth
子犬は樹上越しに見下ろした。そこにいたのは、昨日自分を蹴飛ばした男だった。
突然、純粋な喜びが子犬の飢えに火をつけた。
《巨大化/Giant Growth》とは、TCG『マジック:ザ・ギャザリング(MTG)』に登場するカード。
最古のエキスパンションであるアルファ初出の緑のインスタントで、レアリティはコモン。
カード性能
巨大化/Giant Growth (緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
解説
クリーチャー1体への1ターン限定強化。
一見単純ながら、「インスタント・タイミング」かつ「タフネスが増える」という点のおかげで様々な使い道がある。
クリーチャーを対象にしなければならないという点から、後述するブーンズの中では評価は低いのだが、その使い道は他4種類と比しても幅広く柔軟性に富む。
しかもコモンなのでかなり頻繁に目にするカードであり、このカードの使い道ひとつで真面目な戦略記事が書けてしまうほど。
以下では、《巨大化》をはじめとしたパワー/タフネスを強化する*1カードについて、様々な使い道を紹介する。
なお、当wikiはあくまで様々な事柄をネタも交えながら書いてゆく単にオタクがフォカヌポゥしたいだけwikiなので、戦略を事細かに書いた記事にはしない。
1.相手のライフを削りにいく
クリーチャーの打点を上げるという単純な使い道。トドメの一撃で対戦相手の計算を狂わせるというのが目当てになる。
環境が許す限り質の高いカードを入れ放題の構築フォーマットではほとんど見かけることはないが、ゆえに不意打ちとして炸裂しやすい。
また「二段攻撃」「感染」などの能力を持つカードと組み合わせると実質1マナで6点の打点を上げるようなもので、火種にするクリーチャーも打点がそこそこ高いものを選んでいるはずなので、
《巨大化》1回でライフ換算にして8~10点ほどの損害を一気に与えていくことがある。対戦相手が「今は素通ししよう」と思っているタイミングで致命傷を与えてしまおう、という使い方。
クリーチャーの質がまだ低かったマスクス・ブロック時代やラヴニカ・ブロック時代は、当時としては打点が高かった緑のクリーチャーにこういうカードを使うことで一気に打点を加速させる「ストンピィ」と呼ばれるデッキで用いられた他、「感染デッキ」などでもたびたび用いられた。
亜種になるが、かの【Super Crazy Zoo】などでも用いられており、適切に使われたこれらのカードは単純ながらバーンのそれにも匹敵する速度をデッキに与える。
そして後述のテクが使えるとさらに変化自在の動きができるようになる。
2.クリーチャー同士の戦闘の優劣をひっくり返す
チャンプブロックやチャンプアタックに見せかけたもので、対戦相手のクリーチャーを討ち取るという使い方。
MTGではこれを「コンバットトリック(バットリ)と呼び、特にデッキの質が非常に低くなるリミテッドでは重要視される。
たとえばこちらは2マナのクリーチャーで攻撃。対戦相手が返り討ちにしようと、サイズが上回る4マナのクリーチャーをブロックに出した。
そこに《巨大化》を使って相手のブロッカーを討ち取れば、合計3マナの分割払いで4マナ一括払いのクリーチャーを返り討ちにした、あるいは1マナのカードで4マナのカードを討ち取った、という結果が残る。
質の高いクリーチャーを、質の低いクリーチャー+軽い呪文で返り討ちないし相打ちにするという「弱者が知略で強者を討ち取る」という点、つまり「強いやつは何をやっても強いので強いものを集めていれば勝てる」では必ずしも終わらなかった点が当時の娯楽としては画期的であり、これはTCGを流行させた原因でもある。
一見面白そうに見えるのだがMTGの戦闘が非常に複雑化しやすい要因でもあり、MTGの敷居の高さにもつながっている難しい点のひとつ。一度これをかまされると、不快感のあまりそこからやめてしまう人も少なからずいるというMTG布教の大きな障壁のひとつ。
2010年代以降も生き残っているTCGがだいたいルールレベルで攻撃側が有利なのは、ひとえにこの戦闘のルールを分かりやすくしているからというのもある。
3.タフネスを参照する除去に合わせて使う
当wikiでも記事があるものでいえば《稲妻》のようなダメージ系の除去、《四肢切断》のようなマイナス修正。
たとえば《悪斬の天使》《ファイレクシアの抹消者》のようなカードに対して《四肢切断》を使えば簡単に除去が可能だが、《巨大化》を合わせられると事実上打ち消しのような結果が得られる。
それがもし攻撃のタイミングに合わせたものなら、対戦相手は《四肢切断》を無駄にしたことを承知の上で次の手を考えなければならなくなる、というわけ。
対戦相手の《紅蓮地獄》や《地震》に合わせて使うというのも単純ながら効果的であり、対戦相手からすれば「一番残したくない相手を残してしまった」という最悪の結果になる。
単純ながら結構鬱陶しい使い方であり、後述する《変異原性の成長》があった頃のスタンダードでは「事実上0マナの除去《はらわた撃ち》や、無色1マナの除去《四肢切断》に対する0マナの回答」として、主に上級者が除去に対するカウンターのように用いていた。
中級者以下にとっては案外盲点というか、「リミテ用のテクを構築で使うのはばかげている」という偏見もあって結構炸裂しやすい。特に対戦相手のタフネスを参照しやすい【バーン】が相手の時には本当によく炸裂し、初心者が握るバーンを上級者が居丈高にこのカードで分からせるという風景は当時の【ゴブナイト】戦でもよく見られたものである。
亜種に該当するカードの場合はタフネス以外の除去耐性を与えることもあり、「対戦相手の除去を不発に終わらせる」という打ち消しとしての役割は優秀な亜種が存在する環境でならよく見たかもしれないが、
ミラディンの傷跡~イニストラードのスタンダード時代は「0マナでタフネスが2増える」というカードがその役割を果たしていたのだ*2。
4.対戦相手のクリーチャーに向けて使う
《巨大化》はクリーチャーなら対戦相手のものを対象にとってもいいため、《卑屈な幽霊》《幻影の像》などの「対象に取られるとデメリットを持つカード」を簡単に咎めることができる。
この2枚は当時のスタンダードでよく見かけたため、《巨大化》ないしその亜種を使ってエコな除去とすることができた。《巨大化》がデッキに入ってる時点でおかしいというのは密に、密に*3
亜種の場合は、たとえば「自分のものを含めてすべての呪文・能力の対象にできない」能力(基本セット2011までの「被覆」能力時代に多い)の場合、対戦相手の単体強化などを透かすなどの用途にも使える。あまり見かけることはないものの、この使い方が顕著だった《巨森の蔦》というカードは特例でエラッタ対象から外された。
なお理論上は《深淵の迫害者》のような常在型能力によるデメリット持ちのカードを「守護」するために使うこともできるが、この使い方をされているところを見たことがあるプレイヤーはほぼいない。もしいたらwikiに特筆されるレベルのトリックプレーである。
このように様々な使い道のあるカードだが、大前提としてクリーチャーがいなければ何の役にも立たない。
さらにたとえば《ラノワールのエルフ》のチャンプアタックに際して《悪斬の天使》をブロッカーにされたら手札の《巨大化》なんて単なる無駄牌である。このカードが活躍できる盤面は、実はかなり限られる。
さらに《巨大化》は適切に使わなければ、最初の使い道だと「1:0交換」、それ以外もこれらの使い方を看破されて「質の低い1:1交換」にされることもしばしばある。
確かにタフネス参照の除去には強いかもしれないが、こちらが《巨大化》を唱えたのに合わせて《四肢切断》《稲妻》を撃たれる、つまり順序が逆だと対戦相手に「質の高い1:2交換」になることもしばしばある*4。
タフネスを参照しないインスタント除去は大敵であり、《恐怖》系の定番の除去はもちろんのこと、スタンダードの範囲でさえバウンスの《排撃》、攻撃してきたクリーチャーをしとめる《糾弾》《残骸の漂着》あたりには非常によく苦しめられた。
これらの点から手札に腐りやすく、構築ではあまり使われるカードではないので主戦場はリミテッド(=お互いに手札が腐りやすい環境)になる。それ以外の場合は速度全振りの特殊なデッキ用に用いられることが多く、その知名度に反して構築で緩く遊ぶだけのプレイヤーだと「名前は聞いたことがあるが見たことがない」なんて人もしばしば。
基本セット2014以降ははスタンダードでも使用できない環境が多かったことや、3マナ以上のクリーチャーの質が向上しすぎたせいで《巨大化》一発では状況を打開できないことも多くなったことから、この手のバットリや「緑の打ち消し」としての使用方法に縁のない人も結構多いだろう。
この点、緑の《巨大化》より【スライ】系のデッキで使いやすい赤の亜種は比較的構築戦で見かける場合も多い。具体的には《巨怪の怒り》とか《巨怪の怒り》とか《巨怪の怒り》とか。
黎明期のカードは強すぎるor弱すぎるとして再録されない事も多い中で、長く基本セットに留まり続けてきた。
大蜘蛛と共に生き残ってきたが、『基本セット2012』で後述する剛力化と入れ替わり、ついに脱落。
『基本セット2013』でも再録されなかったが、『ラヴニカへの回帰』で再録されスタン復帰。『基本セット2014』では剛力化と再交代で基本セット入り。
そして『灯争大戦』でこれまた久々に再録。基本セット2021期までスタンダードで剛力化と共存する。その後『兄弟戦争』で3年半ぶりに再録され、『イクサラン:失われし洞窟』時点では剛力化と共存してスタンダードに存在している。
亜種
かなり基本的なカードなので亜種は多数あるが、意外なことに「純粋な上位互換」が存在しない(タイミング次第では弱くなるがそのタイミングをプレイングやデッキ構築で完全に潰せるもの、つまり「実用上では上位互換」は存在する)。
これは黎明期に作られてなお現代MTGでさえ通用するほどバランスが取れたカードであるというのもあるが、
後述する「MTGにおける初めてのサイクル・カード」なので聖域化しているという理由もある。
超巨大化/Monstrous Growth (1)(緑)
ソーサリー
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+4/+4の修整を受ける。
ポータル(インスタントでのやりとりが存在しない初心者向けMTG)向けに作られた《巨大化》。
1マナ増えて修整量も1増加。「超」なんてついているがソーサリーになっているので、上述の強みがまったく生きない。
現代MTGで使うなら、《剛力化》はもちろんのことオーラなども採用候補に入れて考えることを強く推奨する。本当にそれくらい使い道がない。
「超巨大化」と訳されているが、原語だと別にそんなに関係のある言葉ではなかったりする。
剛力化/Titanic Growth (1)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を受ける。
インスタントの超巨大化。超巨大化の立場が無い。最近はスタンダードでのかつての巨大化の立ち位置にいるが、下環境では一長一短というより「2マナになったことによる短」の部分が目立つ。
特にモダン以下ではダブルシンボルになる代わりにほぼ上位互換の動きができる《巨森の蔦》の存在のせいで見向きもされない。
樫の力/Might of Oaks (3)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+7/+7の修整を受ける。
4マナで使う《巨大化》。バットリとしてはかなり強力であり、《さまようもの》でさえ《甲鱗のワーム》を返り討ちにできてしまう。
素通しすると突然ライフの1/3分をごそっと削ってくるという奇襲性も売りのひとつだが、4マナとかなり重いことに加え、ローウィン以降はクリーチャーの質がインフレしておりまったくついていけていない。
ほとんど使われることのなかったカードだが、リミテッドや地雷デッキを中心に使われたほか、
そのインパクトのあるイラストやテキストからたびたび「白い《樫の力》*5」「青い《樫の力》*6」などの比喩表現にたびたび用いられた。
現在でも「巨大化したリス」のイラストがよく使われる(直近では《非常識な図体》のプロモ版など)のは、この《樫の力》のイラストのインパクトがあまりにも大きかったからである。
Stonewood Invocation / 岩石樹の祈り (3)(緑)
インスタント
刹那(この呪文がスタックにあるかぎり、プレイヤーは呪文を唱えられず、マナ能力でない起動型能力を起動できない。)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+5/+5の修整を受けるとともに被覆を得る。(それは呪文や能力の対象にならない。)
《樫の力》の亜種。修整値は小さくなったが、被覆のおかげで強化先に対する除去が効かず、刹那のおかげで通常の手段では割り込むこともできない。
つまり1ターンだけ確実に被覆をつけられるというもので、「時のらせん」ブロックの頃は破格のカードだった。
最初こそ《樫の力》と同じネタ枠としてみなされていたが、ストンピィの弱点だった「強化先を除去される」ということに対する回答として機能してトーナメントでもたびたび見られるようになった。
同期に強いカードが多かったこともあり、「時のらせん」時代に【ストンピィ】を成立させる原動力にもなったカード。
現在では修整値が取り除かれた代わりに1マナになり、様々なメリットを得た亜種《Legolas's Quick Reflexes》がレガシー環境で使われている。ここまでくるともう《巨大化》の原型が残っていない。
Blossoming Defense / 顕在的防御 (緑)
インスタント
あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受けるとともに呪禁を得る。
「1マナかつインスタントタイミングで呪禁を付与しつつタフネスをあげることができる」というカード。上述の2.や3.の使い方をしやすいこともあり、当時のスタンダードで非常によく用いられたカードだった。
小型のクリーチャーに使えば《巨大化》のように使えるが、《原初の飢え、ガルダ》などの別に強化する必要がないほどのサイズを持つカードであっても単体除去からすんなりと守ってくれる。
早い話、カラデシュ・ブロックはこれと《英雄的介入》により「緑に打ち消しがある時代」でもあり、カラデシュ・ブロック時代の緑の人気を大きく支えた。
《巨大化》亜種の中ではもっとも取り回しが良いのでスタンダード人気は高かったものの、爆発力には大きく劣るので速度勝負になりやすい下環境ではほぼ使われない。
カルドハイムでは、修整が+1/+1カウンター1個になった亜種《蛇皮のヴェール》が登場。以降はこちらが再録の際に基本カードとなっている。
Vines of Vastwood / 巨森の蔦 (緑)
インスタント
キッカー(緑)(あなたがこの呪文を唱えるに際し、あなたは追加の(緑)を支払ってもよい。)
クリーチャー1体を対象とする。このターン、それはあなたの対戦相手がコントロールする呪文や能力の対象にならない。この呪文がキッカーされているなら、ターン終了時まで、そのクリーチャーは+4/+4の修整を受ける。
キッカーを使うことで「2マナで+4/+4、疑似呪禁」という破格のカードになる。1マナで使っても除去をやり過ごせる上、2マナで使えば「除去をやり過ごした上でバットリ」も可能という柔軟性の高いカードになる。
《岩石樹の祈り》や《顕在的防御》のいいとこどりのようなカードであり、パウパー、モダン、レガシーなどの【感染】デッキのド定番。
なおキーワード能力として呪禁が制定された時、このカードは特例として呪禁へのエラッタ対象から外された。このカードは対戦相手のカードに使うことで、オーラをはじめとした単体強化を対象不適正にするというテクが登場当初から使われており、「対戦相手からの呪文のみをシャットアウトする」呪禁では機能変更になってしまうため。
たとえば対戦相手が《怨恨》を自分の《さまようもの》に使う場合、呪禁(《さまようもの》のコントローラーの呪文は素通しする)を与える場合だと何の意味もないが、このテキストだと「《巨森の蔦》を唱えたプレイヤーの対戦相手がコントロールする呪文」をシャットアウトするので《怨恨》は対象不適正で打ち消される、という理屈。
キーワード能力が「一方通行能力」から「呪禁」へ移行する最後の時期に産まれたこともあり、かつてのMTGの名残を色濃く残したカード。1~4すべての使い方ができるので《巨大化》系のカードでもっとも柔軟性に富み、パウパーでも使用可能ということもあってもっとも成功したカードのひとつと言える。
激励/Invigorate (2)(緑)
インスタント
あなたが森(Forest)をコントロールしているなら、あなたは、この呪文のマナ・コストを支払うのではなく、「対戦相手1人は3点のライフを得る」ことを選んでもよい。
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+4/+4の修整を受ける。
剛力化のピッチスペル版。対戦相手がライフを回復してしまうため、上述の1.の使い方がほとんど意味をなさないという異色のカード。
しかしクリーチャー戦においては「マナがない状態から突然+4/+4修整が飛んでくる」という動きが凶悪であり、2.や3.の使い方をする場合は無法の一語。
ライフは回復されても一時的なサイズで完全に相手を圧倒できるという性質や、0マナでありながら《巨大化》さえ上回る効率から、当時の【ストンピィ】などでたびたび用いられた。
さらに「二段攻撃」「感染」と組み合わせて使えばデメリットはほとんど帳消しになり、特にライフ回復が意味をなさない上に実質パワー修正を倍として扱える【感染】との相性は抜群。
レガシーでは現役で活躍し、パウパーでは暴れすぎた結果禁止された。
Might of Old Krosa / 古きクローサの力 (緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。あなたがこの呪文をあなたのメイン・フェイズの間に唱えた場合、代わりにそのクリーチャーはターン終了時まで+4/+4の修整を受ける。
1マナで《巨大化》を上回る修整を受けられる可能性がある呪文。その条件は「自分のメイン・フェイズに唱える」、つまりインスタントなのにソーサリー扱いすることによる恩恵。
条件付きで《巨大化》を上回るという、「相互互換(ほぼ上位互換)」カードの先駆けとも言える存在。
このダメージ効率のおかげで当時の【ストンピィ】でよく用いられた。当時は《シラナの岩礁渡り》のように強化の種火に使いやすいカードがあったことや、《ティンバーメア》《地怖し》のような赤のタイムシフトカードのおかげで攻めっ気の強いデッキが組めたことが原因。
さらに感染デッキの登場後は「当時出ていた他の亜種に比し、序盤から終盤にかけて常に+4できる」という点から4枚積まれることが非常に多かった。
後に「ラヴニカの献身」におけるアゾリウス評議会(白青)の「附則」という能力の元ネタになったカードの1枚であり、その中でも最も成功したものである。
なおこのカードを用いるデッキは基本的にクリーチャーが小粒なため、とにかく前のめりに攻めていきたいことや、タフネス参照の除去から守るという用途で使うのが難しいのもあってインスタントとして唱えることはほとんどない。インスタントってなんだよ(哲学)
亜種には土地を出したターンのみの《地うねり》、アーティファクトを3つ以上コントロールしている時のみの《ミラディンの血気》などがあるが、前者は終盤に腐りやすく、後者はデッキ構築を縛られる。
どちらもスタンダードで【感染】デッキを組む際に選択肢として用いられたが、大成はしなかった。
初期のモダンでは《地うねり》が追加の《古きクローサの力》として入れられることが多かったが、これはあくまでも「他に候補がないから仕方なく」。この不安定さが嫌われて本家《巨大化》を選ぶ人もいた。
Go Forth / 勇往邁進 (緑)
インスタント
以下から1つを選ぶ。
- あなたのライブラリーから基本土地カード1枚を探し、公開し、あなたの手札に加える。その後、ライブラリーを切り直す。
- クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+2の修整を受ける。
ファウンデーションズ・ジャンプスタートで登場したコモン。《古きクローサの力》《顕在的防御》のような、1マナ+2/+2に《巨大化》にはないオマケがついてくるタイプのカード。
《削剥》などの成功後のMTGに非常に多くなった「相互に関係のないモードを持つことで腐りにくくしたカード」であり、《巨大化》に比べるとその利便性をどう評価するかというところが眼目になる。
パウパーの感染デッキの基本装備であり、土地事故を防ぎつつ打点をあげるというワイルドカード的な動きによって運の下振れによる敗北を防ぐために用いられ、プロ志向の強いプレイヤー(スパイク)が好む。
一方ティミー気質のプレイヤーは「事故なんて恐れてんじゃねぇ!」とばかりに打点重点の《でっかく》などを好む。どちらが正しいという話ではなく、オマケによって好みすら変わってくるのだ。なんだか食玩みたいな話じゃないか。
Gaea's Might / ガイアの力 (緑)
インスタント
版図 ― クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それはあなたがコントロールしている土地の中の基本土地タイプ1種類につき+1/+1の修整を受ける。
基本土地タイプの種類が3つあれば《巨大化》で、最大+5/+5を得られる。
フェッチランドや《ナイレアの存在》などで基本土地タイプを5つそろえてさっさと殴りぬけるデッキで用いられ、【ドメインZOO】という一勢力を築いたカード。
エクステンデッドではかつての【緑ストンピィ】を超高速化させたデッキ【アグロドメイン】のキーパーツとして活躍したが、パウパーでは《ナイレアの存在》登場時のカードプールに安定性のある他のバットリが非常に多かったこともあり、あまり使われない。《ナイレアの存在》がなければ《巨大化》の下位互換になる点がキツかった。
ちなみに同型再販で《アラーラの力》というカードもあるため、現在では8枚体制が可能なのだが、《ナイレアの存在》がなければ《巨大化》の下位互換になるカードが8枚あってもしょうがないので全然使われない。
ちなみにこの2枚が存在する頃のスタンダードにはショックランドのような「基本土地タイプを持つ特殊地形」は存在しなかったため、《不屈の自然》《ナイレアの存在》のようなカードでせこせこ増やしていく手段を取らざるを得なかった。この辺がスタンダードでの評価の低さにつながっている。
Become Immense / 強大化 (5)(緑)
インスタント
探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+6/+6の修整を受ける。
6マナだが探査を持っている。最大1マナで+6/+6という破格の効率を誇るが、素打ちや連打が難しいので単純なバットリとして採用することはまずできない。
このカードは0マナで墓地に送れるカードがどれだけ環境に存在するかによってその価値を大きく変えるので、リミテッドだと弱いが特化したデッキだと強いという何とも言えないカード。
【Super Crazy Zoo】の最大の屋台骨であり、このカードで1マナにしてパワー5以上のクリーチャーを確保した上で《ティムールの激闘》《頑固な否認》などの獰猛条件を達成していくという動きが眼目になる。
感染との相性は実際には良し悪しであり、《ギタクシア派の調査》禁止以降は典型的な上振れカードという評価となり、人によりかなり評価が分かれることとなった。
でっかく/Embiggen (緑)
インスタント
ブラッシュワグ(Brushwagg)でないクリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは特殊タイプやカード・タイプやサブタイプのうちそれが持つ1つにつき+1/+1の修整を受ける。
ジョークセット「Unfinity」のカードだがエターナルで使用可能なコモン。《_____ Goblin》以外のカードもちゃんと活躍しているんです。
「タイプ欄にいろんなタイプを多く持つやつ」ほどでっかくなる。一見するとかなり分かりづらいカードであり、ほとんど参照しない性質を突然参照するカードなので慮外の不意打ちが起きやすい。
たとえば《灰色熊》なら「クリーチャー — 熊」なので2つ(クリーチャー、熊)。
《覇者、ジョー・カディーン》なら「伝説のクリーチャー — 人間 戦士」なので4つ(伝説の、クリーチャー、人間、戦士)。
自身の能力でクリーチャー化した《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》なら、「伝説のプレインズウォーカー — ギデオン 人間・兵士・同盟者・クリーチャー」なので7つ(伝説の、プレインズウォーカー、ギデオン、人間、兵士、同盟者、クリーチャー)。
このように対象のクリーチャー次第では《巨大化》を上回る効率を誇るのが最大の利点。
元々クリーチャーでないパーマネントがクリーチャー化すると修整値が跳ね上がる。最近は「クリーチャー・タイプをフレーバー要素として残す・変更する」カードが多いので機能的に複雑化しやすい。
なお一番このカードの恩恵が少ないのは《Nameless Race》のタイプ「クリーチャー単」の+1/+1となる*7。
こうやって例示しておくと非常に分かりやすいのだが、なぜかこういう例示を「初心者向けの記述である。比喩なんて並べたらキリがなくなる。理解できない人がバカなのだ」という風潮で好まない人も多いという、MTGのバットリという「上級者と初心者の大きな壁」という闇が可視化されやすいカードでもある。というかおそらく現代MTGだと一番可視化されやすい。
つまり早い話、わかりづらいとおもったらわかりやすいサイトで解説してもらおう。エラッタなどの影響も受けやすいため、使用する際には揉めないような話術やジャッジの判断も必要だ。MTGのジョークカードってこんなのばっかだ
使うクリーチャーごとに修整値が異なるというのも使いづらく、かなり癖が強い。慣れるまでにはかなり時間がかかるカードである。慣れるまでにどうか飽きないでください、面白いゲームなので……。
さて、上の例を見れば分かるだろうが、「クリーチャー」を対象にし、さらにほぼすべてのカードにはクリーチャー・タイプ(部族、同族)が設定されているので最低でも+2/+2が保証されている。
「伝説の」や「プレインズウォーカー」のようにほとんど参照しない性質さえ参照して強化するためかなりの爆発力があり、適切にデッキを組めば《巨大化》の上位互換として扱える。
現在ではレガシー・パウパーの感染デッキの新戦力として活躍している。特に感染持ちのクリーチャーは「機械兵団の進軍」の頃に「ファイレクシアン」というクリーチャー・タイプを得たため修整値が増え、《巨大化》の上位互換として扱えるようになった。
特にレガシーにおいては《墨蛾の生息地》に使えば1マナで+5/+5*8という他の《巨大化》亜種よりはるかに効率のいい強化が可能となり、爆発力が跳ね上がった。
《激励》《狂暴化》と組むともはや異次元の速度で、《ぎらつかせのエルフ》が2ターン目に毒殺してくる心温まる風景はレガシーならでは。
パウパーでは《胆液爪のマイア》とも相性がよく、2マナのクリーチャーに+4/+4修正を与えられるのでより一層キルターンが縮まってくる。これらは「ファイレクシアン」の追加がメリットとして働く例である。
逆に《でっかく》が存在しないモダンでは「ファイレクシアン」の追加は《疫病を仕組むもの》などの部族対策カードに引っかかりやすくなっただけでデメリットの方が大きく、怨嗟の声をあげられたのだった。ヴォーソスめ余計なことを。
ブラッシュワグ*9のくだりはインクの染みに見えるかもしれないが、この一文がないと多相を対象にこれを唱え、超強化された多相で殴るだけで勝ててしまう。「多相持ちに唱えられないようにする」ための安全弁として機能している。
一応《群れ率いの人狼》を多相化し、《人工進化》で起動型能力の「ターン終了時まで、群れ率いの人狼は基本のパワーとタフネスが5/3でトランプルを得て、人間ではない」の人間をブラッシュワグに書き換えることによってこの制限は乗り越えることが可能、Unfinity発売当時の時点で+280という無法な力を得られる。…そこ《無限の精霊》とか《ジャボテンダー》でいいとか言わない。
「でっかく」という投げやりな日本語訳だが、これは実は「公式による仮訳」扱い。しかし同じくジョークセット出身なエターナル使用可能カード《切断マジック》がカード名として正式に翻訳されたため、おそらく日本語化したらこの名前になるのだろう。
なんにせよ遊戯王でいえば「植物族・シンクロ・効果」の部分を参照して修整値が上がるような感じなので、あんまりスッキリするカードではない。デジタル処理で思ってた値と違う上がり方をして困惑したりとか。《_____ Goblin》以外のカードもちゃんと問題を起こしているんです
Blitzball Shot / ブリッツボール、オーラカシュート (1)(緑)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受けトランプルを得る。
ワッカの笑顔がまぶしいFFとのコラボセット用カード。ハッキリ言うとお話にならないレベルで弱いのだが、《ジャボテンダー》という相方に恵まれて一時期活躍。
《ジャボテンダー》はパワー1万で攻撃することができるが、他に能力を持たない。そのためチャンプブロックに弱いのだが、トランプル(貫通能力)の付与によってチャンプを踏みつぶして相手を即死させることができたのだ。
その戦略自体は1993年の頃から存在していた素朴なものであり、これまでのMTGではせいぜいパワー10程度のものでありうるかも、【感染】デッキなどの特殊なデッキなら要警戒、程度に過ぎなかった。
だが何気なくブロックしただけなのにライフ20の状態から即死という今までの常識では絶対にありえないことが現実になったため、当時は大いに話題になった。テキストのインフレと複雑化が進む現代MTGにおいて、昭和感あふれる素朴なMTGへの回帰ができたのだ。まさに温故知新。
さすがに炸裂しすぎたためバレバレになってしまったため、現在ではワッカはストレージの中で眠っている。
「ワッカさんで死ぬんだよ」
力の印章/Seal of Strength (緑)
エンチャント
力の印章を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
生け贄にすることで修整を与えるエンチャント版。「先置きできる《巨大化》」として使える。もちろん実質ソーサリーの《巨大化》のように使うのも可。
修整値こそ同じだが、使用できることが相手に見えることやカードタイプの違いから使い勝手が少々異なる。
亜種が少なかった時代は普通に併用されることも多く、《タルモゴイフ》登場後などは墓地にエンチャントを能動的に落とすためにも用いられた。1マナのエンチャントという点からエンチャントレスなどでも用いられる。
一方、弱点は奇襲性が一切ないこと。先払いができる性質を利用したり、対戦相手の除去ににらみを利かせるために使われる。
似たようなカードでありながら、使えるタイミングをずらすことでまったく異なる評価を得たというカード。この印章サイクルは「元ネタと同じマナ・コストとほぼ同じテキストを持っているのに評価がまったく違う」という、MTGが面白がられる点のひとつである。
Llanowar Augur / ラノワールの占い師 (緑)
クリーチャー — エルフ(Elf) シャーマン(Shaman)
ラノワールの占い師を生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+3の修整を受けるとともにトランプルを得る。あなたのアップキープの間にのみ起動できる。
0/3
生け贄にすることで修整を与えるクリーチャー版。「先置きできる《巨大化》」として使える……というより、パワーが0なのでほぼその使い道しかない。
だというのにアップキープ(ターン開始時)限定になってしまい、即効性も奇襲性も完全に失われたというへっぽこカード。トランプルを得るだけでなぜ除去されやすくなって次のターンまで待たなきゃいけないのだ。
しかしこのカードはパウパーの感染デッキではド定番。他の亜種に比べると、「トランプルを得られる上にコストに対する修整値がでかい」という点が評価されている。
このカード自体には一切の奇襲性がなくなったとしても、その奇襲性は他の亜種がつけてくれる。除去されたところで本命が除去されたら同じことだし、本命を除去してくれるのに合わせて《蛇皮のヴェール》などを合わせるのも定番のプレイング。
弱点は防御的に使うことができないことだが、そもそも守りを捨てたデッキで使うのだからあまり問題はない。
除去を満足な量取れないことが多いリミテッドでもそこそこ強く、特定のカードをパンプアップすることでそのターンだけ戦闘を優位に進めることができる。
しかしここまでくると「亜種ではあるんだがもう原型ないやん」という評価になってくる。《巨大化》は本当にそれくらい基本的なテキストなのだ。
変異原性の成長/Mutagenic Growth (緑/Φ)
インスタント
((緑/Φ)は(緑)でも2点のライフでも支払うことができる。)
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+2/+2の修整を受ける。
Φマナ版の亜種。Φマナなので緑以外のデッキでも採用可能である。巨大化よりも修整は控えめだが、フルタップからでもライフのみを支払うことで唱えることができるので奇襲性が高い。
……というよりこのカードの使い道だけで普通に記事が1つ書けるレベルで奥深いカード。単純な打点強化に使えるのはもちろんのこと、当時存在していた《はらわた撃ち》《四肢切断》に対する0マナの回答としても機能したため、白ウィニーのようなデッキでさえそれらのカードを重く見た場合に「0マナの打ち消し」としての役割を期待されてデッキに投入された。
つまりこのカードが存在していた時代は青がタフネス参照除去に対する0マナの打ち消しさえ持っていたという時代でもあったのだ。何気にデルバーなどとの相性もよく、ますます青ゲーが加速していった。
カジュアルではほとんど見られなかったが、プロシーンではこのカードの使い方ひとつでプレイスキルが分かるほどであり、頻繁に見たにもかかわらず解説記事がまったく書かれなかったせいで《四肢切断》や《精神的つまづき》、後世では《ギタクシア派の調査》ばかりが話題になってしまったというカード。
割を食ったのは「色の役割を取られた」緑と、タフネス参照除去の多い黒や赤。得をしたのはもちろん青。ひどい時代もあったもんだよ。
粗暴な力/Brute Force (赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで+3/+3の修整を受ける。
赤にタイムシフトしたカードで、当時のバーンなどで用いられた。
逆に緑には《治癒の軟膏》が《治癒の葉》としてやってきた。いらねぇ!
一見強そうに見えるが、ほとんどの場合において《稲妻》の方が効率がいいことに気づくと興奮が冷めてくる、そんなカード。
赤には二段攻撃持ちが多いため、そういう意味では結構相性はいい。当時のスタンダードでは《致命的な激情》もあったため、うまくハマれば相手のライフをごっそり削ってくれる。
立腹/Infuriate (赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+3/+2の修整を受ける。
基本セット2020初出の、粗暴な力の調整版。
赤単信心などで時たま使われ、ゼンディカーの夜明け期以降のスタンダードではサムトの疾走などのスタン落ちから採用率が少し伸びた、らしい。
この時期はスタンダードから《稲妻》が消えていたため、ダメージの加速を見込んで採用されることも多かった。
スタンダードで活躍するこの手の呪文は緑よりも赤の方が多いが、これは「果敢」「二段攻撃」などの赤のカラー・パイとされる能力との相性がよいため。
Monstrous Rage / 巨怪の怒り (赤)
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+2/+0の修整を受ける。怪物(Monster)・役割(Role)トークン1つをそれについた状態で生成する。(あなたがコントロールしている役割がすでにそれについていたなら、その役割を墓地に置く。エンチャントしているクリーチャーは+1/+1の修整を受けトランプルを持つ。)
《立腹》をさらに調整したカード。「使用したターンは+3/+1修正+トランプルを受け、さらに+1/+1修正+トランプルのオーラが残り続ける」という趣。ここまでくると《巨大化》の亜種というには原型がほとんど残っていない。
スタンダードで禁止された。
Righteousness / 高潔のあかし (白)
インスタント
ブロック・クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+7/+7の修整を受ける。
たった1マナの、白い《樫の力》。もちろんそんなうまい話はなく、ブロックするときにしか使えない。つまり返り討ち専用カード。
ダメージの加速手段にするべく《投げ飛ばし》とのコンボが毎回提唱されるが、実際には3枚コンボなので全然強いわけではない。
こんなカードが第10版の頃までレアだったのだからげんなりする話であり、基本セットの売り上げを減衰させた原因でもあった。
Colossification / 著大化 (5)(緑)(緑)
エンチャント — オーラ(Aura)
エンチャント(クリーチャー)
著大化が戦場に出たとき、エンチャントしているクリーチャーをタップする。
エンチャントしているクリーチャーは+20/+20の修整を受ける。
《巨大化》とは動きがまったく異なるカードなのでここで挙げるのは相応しくないのだが、イラストは実によく似ている。
どんなクリーチャーも「ワンパンすれば人が死ぬサイズ」にするという、ありそうでなかったカードというより「一線を越えてしまった」カード。
代わりに「さっさとつけて殴る」という単純なフィニッシュムーブができないように、つけたターンにはタップ状態になる=うまく使わなければリーサルが次のターンまで伸びるというデメリットがついており、このデメリットをどう出し抜くかを考えるためのカードである。
インスタント・タイミングでつけることでデメリットを回避できるため、《奥義の翼》というミライシフト・カードがたびたび用いられる。面白ネタカードと未来予知のネタカードを組み合わせた動きなのでカジュアル人気が高いが、さすがにもうどちらも時代を感じる。
これまで踏み倒しオーラとしては《エルドラージの徴兵》が有名だったのだが、攻撃より前につけた方がメリットの大きい徴兵と、攻撃より後につけた方がメリットが大きいこのカードで一応棲み分けはできている……はず。
以前の版では《巨大化》亜種とされていたが、これが亜種なら本当に何でもアリになってしまう。
Preposterous Proportions / 非常識な図体 (5)(緑)(緑)
ソーサリー
ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+10/+10の修整を受け警戒を得る。
やはり《巨大化》とは動きがまったく異なるカードなのでここで挙げるのは相応しくないのだが、イラストは実によく似ている。というより《樫の力》がイラストの元ネタだし。
たまにMTGに出てくる《踏み荒らし》というカードの亜種。与える能力はトランプルではなく警戒なのであまり強いとは言えないのだが、「1体でも素通しすると死が見え、2体素通しすると死ぬ」というプレッシャーをかけるためのカード。やっぱり《踏み荒らし》の方が強い。
以前の版では《踏み荒らし》も《巨大化》亜種とされていたが、あれが亜種なら本当に何でもアリになってしまう。
本項では特筆性の強い亜種のみに絞って書いたが、この他にも様々な亜種がある。
イラストだと《樫の力》亜種や《オーラカシュート》が強いと述べたが、たとえばティファのおっぱいがまぶしい《リミットブレイク:ティファ》なんかも割とそっち系。
逆に機能面だと1マナで+3/+3を与えるがデメリットを持つオーラの《不安定性突然変異》《焼き尽くす熱情》なんてものもある。
緑1マナの戦闘補強という意味では《狂暴化》というカードもある。
非常に単純な部分に単純な干渉をするだけのカードなので、《巨大化》ないしその亜種を眼目に据えたカード以外にも「単純に似てしまった」「亜種の亜種をさらに調整した」なんてカードもあるので実にキリがない。
どこかに面影があるという理由で載せていくと本当に「目が弟に似ている」とか「福山雅治のそっくりさん」とかで埋め尽くされていきかねない。
余談
ちなみに、巨大化を含めアルファから存在する1マナのインスタント達はブーン(Boon:恩恵)と呼ばれるMTG最古のサイクルである。
いずれも1マナのインスタントで、何かを3することが出来る。
- 治癒の軟膏/Healing Salve (白、3点回復or3点ダメージ軽減)
- Ancestral Recall (青、3枚ドロー)
- 暗黒の儀式/Dark Ritual (黒、3マナ追加)
- 稲妻/Lightning Bolt (赤、3点火力)
- 巨大化/Giant Growth (緑、+3/+3)
値段もテキストもぶっ壊れており調整版が禁止になることもしばしばあったAncestral Recall、環境の高速化やソリティアの片棒を担いでしまう暗黒の儀式、一時期再録されたものの環境に与える圧が大きすぎるとしてまたスタン落ちした稲妻、リミテッドでさえ役立たずである治癒の軟膏。
5枚の中でとはいえもっともバランスが取れているのは間違いなく巨大化と言えるだろう。
先述したように聖域化しているサイクルでもある。聖域化というとなんか嫌な感じだが、要は「無粋な上位互換で台無しにするのはよくないよね」というオールドファンを大切にしたパフォーマンスでもある。
散々ゴミ扱いされている《治癒の軟膏》でさえ、『ドミナリア』にて登場した《治癒の恩寵/Healing Grace》(クリーチャー若しくはプレインズウォーカーもしくはプレイヤーへのダメージを3点軽減したうえで3点のライフを得る、つまり軟膏の選択項目を一度にこなす)が登場するまで長らく上位互換が出ていなかった。
スタックルールを学ぶ上で、一番基本にされるのが《巨大化》と《稲妻》(または《ショック/Shock》)と《灰色熊/Grizzly Bears》(パワー/タフネスが2/2で能力を持たないクリーチャー)というのはお約束。
- 《灰色熊》に《巨大化》→対応して《稲妻》を撃ったらどうなりますか?
- 逆に《灰色熊》に《稲妻》→対応して《巨大化》したらどうなりますか?
という物。
正解は、最後に唱えた呪文から解決されるので
- 前者は2/2の《灰色熊》に3点ダメージが入る→《灰色熊》死亡→《巨大化》は対象を失うため立ち消え。
- 後者は《巨大化》が解決され《灰色熊》が5/5に→《稲妻》が3点ダメージを与える→3点ダメージを受けた5/5の《灰色熊》が生き残る。
となる。
《巨大化》《稲妻》《灰色熊》の3枚は、上記以外の余計な能力が描かれておらず、スタックルールの説明にはもってこい。
時代が変わっても《灰色熊》は《ルーン爪の熊/Runeclaw Bear》にはならないし、《稲妻》《ショック》が《炎の斬りつけ/Flame Slash》にもならない*10。
ちなみにこれを逆手に取ったネタに、
「でも普通《灰色熊》なんか《巨大化》で保護しないよね」
というものもある。
今となっては《灰色熊》自体の型落ちに加えて俗称としての「熊」もいなければ《巨大化》もほとんど使われず、すっかり時代を感じるようになってしまった。
遊戯王の《巨大化》とはあらゆるテキストが異なっており、元ネタと言えるのはおそらく原作の名前だけ。
原作では速攻魔法のような扱いで使われていたが、OCGにおいてはそもそもカードタイプさえ違う全くの別物である。
MTGの《巨大化》は、遊戯王でいえば《突進》《オネスト》などが近い。突然のダメステ処理、どうかお許しいただきたい。
逆に遊戯王の《巨大化》は、MTGに該当するカードがほぼない。せいぜい2020年に登場した《著大化》が役割的に近い程度。
たとえ元ネタにされていても、その動き自体はまったく異なるのだ。
「アニヲタはしょっちゅう知識をひけらかしたがるんだ。項目を丸ごと追記・修正することもある。」
――ジアン・ヤングー
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▷ コメント欄
- 熊やショックと一緒に新米プレインズウォーカーを指南する人 -- 名無しさん (2014-05-17 02:53:07)
- 「あ、じゃあ巨大化しますね^^」初心者「ずるい!」 -- 名無しさん (2014-11-19 13:38:03)
- フレーバーテキストに感じる無垢な狂気 -- 名無しさん (2014-11-19 13:53:53)
- ダイナミックで野生的な魔法である一方、火力・除去・保護と使える柔軟性とただ使うだけじゃ効果が薄い難しさを内包した初心者緑ボーイ達を悩ませる奥深いカード。 -- 名無しさん (2018-03-28 19:58:06)
- 灯争大戦で再録されたがM21再録ならず ゼンディカーの夜明けではどうなる事か -- 名無しさん (2020-08-05 01:14:21)
- 昔は緑が「自然・成長の色」って扱いだったから違和感なかったけど、今は「受容の色」とかいう扱いになってるから、一時強化の役割は不自然だな。 -- 名無しさん (2021-04-14 19:01:39)
- ↑一時的なパワーアップは「良くも悪くも感情に任せ力や技を引き出す」赤が一番似合って、緑はクリーチャーと最も深く関わるのは否めないとしても「永続的な強化の方が似合う」って感じ? -- 名無しさん (2022-06-22 20:48:58)
- どうでもいいけど最後の喩えで炎の斬りつけはソーサリーだからいかんでしょ -- 名無しさん (2022-12-09 16:30:10)
- 緑でLunaticって無かったっけ?パワー2倍にしてトランプル付けるやつ。 -- 名無しさん (2022-12-09 19:40:36)
- 兄弟戦争でもう一度スタンダードへ復帰 -- 名無しさん (2023-01-28 15:34:50)
- 漫画遊戯王のマジック&ウィザーズがマジギャザのパロディだった事がよくわかるカードの一つ。次戦位から独自路線になっていくけど。 -- 名無しさん (2025-12-06 12:15:06)
#comment
*2 こういうのは本当に上級者じゃないと使いこなせないため、wikiなどでは「エアプの江戸しぐさ」呼ばわりされやすい。しかしこの「上級者と初心者の間に、色の役割なんてあったもんじゃないテクによって不快極まりない溝を作る」というのはファイレクシア・マナが最大級に問題視された原因のひとつでもあり、ファイレクシア・マナ持ちのインスタントがほとんどスタンダードに戻ってきていない理由でもある。
*3 ただし《幻影の熊》《幻影のドラゴン》などを《巨大化》亜種のカードでで咎めることはあった。《幻影の熊》は1マナなのでさほどの問題なかったが、大型クリーチャーになる《幻影のドラゴン》は非常に不安定なカードであり、【青単イリュージョン】でもあまり使われることはなかった。
*4 これはリミテッド以外でも、モダン以下の「感染」対策として重要なテクであり、初心者が中級者以降に羽化していくにあたる最初の壁でもある。
*5 《高潔のあかし》。後述
*6 【サイカ】系デッキにおける《嘘か真か》のこと。手札3枚以上+捨てた手札とうそまこを含めた墓地の6枚を使えばインスタント・タイミング4マナで+6/+6以上の修整を受けられることから
*7 「名無しの種族」というクリーチャー名通りに、クリーチャー・タイプを持たないという秀逸なフレーバーを持つ。
*8 土地・アーティファクト・クリーチャー・ファイレクシアン・ちらつき蛾。
*9 MTGオリジナルの種族(部族、同族)。ハリネズミのようなトゲだらけの体と丸い胴体を持っている。当時1種類しか存在しなかったにも関わらずローウィンの大規模エラッタ(クリーチャー・タイプ再編成)の際にもまったく触れられなかったことから、以降はドマイナー種族の代名詞にされている。最近はそのドマイナーっぷりでプレイヤーを喜ばせるためにたまに登場している。
*10 中途半端に昔のカードよりも最初期の歴史的なカードの方が新しい人にもむしろ通じやすいのかもしれない。特に《灰色熊》は2020年代にバニラクリーチャーなんてほとんどいないし。
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