Ancestral Recall

ページ名:Ancestral Recall

登録日:2018/03/17 Sat 13:48:59
更新日:2026/04/13 Mon 15:44:35NEW!
所要時間:約 6 分で読めます



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mtg ドロー パワー9 禁止カード 制限カード ブーンズ 高額 パジェロ チート



Ancestral Recallとは、マジック:ザ・ギャザリングに存在するカードである。通称「アンリコ」。
初出はマジック最古のセット、アルファ。
日本語訳は「祖先の回想*1



概要

Ancestral Recall (青)
インスタント
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを3枚引く。


最古のカードゲームであるマジックにおける最古のドローカードのうちの1枚。
既に土地が置いてあるのならたった1マナで1:3交換。更にインスタントなので相手ターンにも使える。
これがたったの1マナ。


個別項目になっていることからも分かる通り、このカードはコスパが完全にぶっ壊れている
ドローの重要性は、特にドローに厳しい制限がかかる遊戯王OCGのプレイヤーを中心に周知されていることであるが、このカードは遊戯王の《強欲な壺》やポケモンカードの《オーキドはかせ》のように、最初期ゆえのやらかしドローソースとしてたびたび語られている。
……のだが、その事情はあきらかに設計をミスっていたこの2枚とはかなり異なる。


カードパワーが高い事は初期から有名だった。というより、2025年11月末までのこの記事では「ドローの強さを理解していなかったがゆえのぶっ壊れ」ともとれるように書かれていたが、制作者のリチャード・ガーフィールド自身が最初にそのことを理解していた
ゆえに1マナで3つの恩恵を与える「ブーンズ」と呼ばれるコモンのサイクルにおいてたった1枚だけレアなのだ。
ガーフィールドは「強いカードをレアにすることで入手しづらくし、そこにアンティ・ルール*2を加えることで、「レアなカードはアンティで分捕られる危険性がある」というリスクによってデッキバランスを適正に保てる」と考えていた。
こういう事情から、アンリコはレアにされているのである。
「確かに強いが取られるリスクもあるし、このカードは単体じゃ役に立たない(引いてくるカードも強くなきゃ意味がない)よ。でも強いカードを何枚も入れたらますます取られるリスクが増すね。さぁどうする?」
という問をプレイヤーに投げかけ、「取られたくないからおとなしくしよう」という判断を下すことを考えたのだ。
現代の観点では奇異に見えるだろうが、小学生時代にお小遣いでカードを買っていた人々は当時のことを思い出してみてほしい。そういう状況においてアンティがあったら、レアカードを取られたくないので自粛するという判断も決しておかしくはないだろう。
そしてこのカードが考案された1993年あるいはそれ以前は、まだTCGという文化さえ生まれていなかった頃。
まさかこんないちボードゲームに過ぎなかったゲームに大枚をはたいてレアカードをバンバンたたきつけるDEATH-T編時代の海馬瀬人みたいなやつが世の中に何十人も現れるとは夢にも思っていなかったのだ。
これを読んでいるTCGプレイヤーだって当時はカード遊びにこんなにお金をかけるなんて思ってなかっただろうが、最初期はガーフィールド自身がそういう思考の持ち主だったのである。


さて、現実にはこの問に「じゃあデッキのカード全部強くすりゃいいよね」というストロングな答えを出す人が圧倒的に多く、このカードの強さは瞬く間に広まっていくことになった。
パワー9の1枚に数えられ、その中でも「ビッグ・ブルー」と呼ばれる3枚の一角を占めていた。当然非常に強いカードだったので、環境の健全化を図るためにも使用制限がかけられるようになっていく。
2025年現在、このカードが使える公式環境はヴィンテージのみで、そのヴィンテージでも制限カード。それ以外では禁止または使用できないカード扱い。
そのためこれだけ強いカードでありながら、実は「コレクション用のアイテム」という需要以外はほとんど存在しない。「持っててもヴィンテージで遊ばない。なら持ってても仕方ない」という考えだ。
ヴィンテージワインやクラシックカーのようなもので、それに価値を感じる人もいれば「ボジョレーとプリウスで十分だ」という実用主義の人もいる。そして世間的には前者の方が話題になるが、絶対数は後者の方が多いのだ。
読者諸兄も、「無料でなら欲しいが、今の相場の値段で買うのはちょっと」という人の方が多いだろう。そういう次元の話である。それでも買わなきゃいけなかった一時期の《タルモゴイフ》とかの方が値段的にはよほど不健全なんだよ!


だがヴィンテージワインが投資対象になって意味不明な値段を叩き出すように、アンリコの値段は2025年現在では7桁の大台に達そうというほどとんでもないものになっている。
これは収録されたセットがアルファ、ベータ、アンリミテッドの初期3セットだけで以降収録されておらず、「カードコレクターの資産価値を保つ」という目的で設定された「再録禁止カード」に指定されているため。
つまり絶対に再録されないという保証があるため、このカードは安心して投資の対象にできる。2010年代からこの事実が非カードプレイヤーにも知られるようになったため、ポケモンカードや遊戯王なども巻き込んで老舗のTCGへの投資熱が加速し、一部カードの値段がとんでもないことになってしまった。
そして展開が終了したTCGにも旧来のファンの需要が燻るため、値段はそこまで下落しないことが明らかになっている。
今後最初期の再録禁止カードの値段が著しく落ちることは絶対にないと考えていい*3


パワー9の中でのカード価格も、流石に《Black Lotus》には負けるがそれを除けば長らくトップだった。*4
コレクター需要もそうだが実用面でもヴィンテージのデッキなら《Black Lotus》と並んで「資産以外の理由で入らない理由がない」カードなのも影響しているだろう。*5


最近「イラストがアレでも強ければ訳の分からない値段になり、そんなものにカードゲーマーはお金を出す」という文脈で語られてSNSなどでよくバズる炎上商法ネタがあるが、
アステカ風のピラミッドの横でオッサンが頭を抱えているアンリコと、どくろが3人で歩いている《Time Walk》のイラストはたびたびその元ネタにされる。
まさかマーク・プール氏も、自分の描いたイラストがこんな形でプレ値がつくなんて思ってもいなかっただろう。ちなみにこの方は2025年現在もバリバリのMTG現役絵師で、直近では《モーニングタイドの光》というカードのイラストを提供している。マーク・ローズウォーター以上の超重鎮、現代MTGにおける伝統の旗手である。


実用面

1マナで3ドローができる。おしまい。


……《強欲な壺》とか《マサキ》の特筆すべき戦略なんてどう語れというのだ。
それなりに真面目な話をすると、《宝船の巡航》全盛期の経験者はあれを思い浮かべてほしい。あれがインスタントになって、最序盤から飛んでくる。
ストームを稼ぐのにも使えるし、ドローを何かに置換する際の種火にも使える。そもそもたやすく手札を増やせるので、青ければデッキに入るのではなく「デッキを青に寄せる理由になる」。
以下に挙げる亜種なら弱点があり、その弱点をどう克服するかということを話せるのだが、アンリコはそもそもそういうカードじゃない。


弱点がないわけではない。
プレイヤーを対象に取る呪文である。
たいていの場合は自分を対象に3ドローだが、たとえば相手のライブラリーが3枚を切った所から「相手を対象にアンリコ」でライブラリーアウトで敗北させたり、多人数戦で他のプレイヤーにドローをさせるという使い方ができる。
同時に《Word of Command》《誤った指図》により相手にドローを奪われるというデメリットにもなる。


ただ、ドローできる枚数が60枚デッキに対してたった3枚。いくらドローソースとして強くても対戦相手に向けて撃つことはほぼない。
アンリコほど軽いならまだしも、後の調整版はもっと重い上にドローソースとして健全にデザインされているため、相手に向けて撃つのは単にリスキーなだけの利敵行為である。
こういう事情から、亜種の中でも対象を取るのはリメイクとしての色が非常に濃い《祖先の幻視》(後述)くらいのもの。
このカードはスタンダードでも《インプの悪戯》というカードでドローを奪われることも多く、対象を取ることの弱点が如実に表れていた。


実用的な弱点なのかって?だったらこんな高値になってねーんだよ*6


テンペストあたりまでのMTGは「一見自分/相手に向けて撃つ意味がない」というカードがプレイヤーを対象に取ることが多く、それが複雑な戦略を生み出すことも多かった。
たとえば《魂の絆》を対戦相手のクリーチャーにつければ「ダメージを受けた後に同値の回復が発生する」という疑似除去として使えたり。
最初期のドロー呪文である《Braingeyser》も同じで、こちらは《天才のひらめき》としてリメイクされると「自分にはドロー、相手にはフィニッシャー」という2つの役割を期待されて【MoMa】などで用いられた。
ただしあんまりよろしいものではなかったようで、基本セット2010あたりからどんどん数を減らしていき、現在ではプレイヤーを対象に取る実用的な呪文自体が減ってきている。



亜種・リメイク

最古のドローソースであり、「定量をドローする」という単純なドローソースすべてが派生カード。
全部あげていたらマジでキリがないので、その中でも特に関係が深いであろうものを紹介する。


Brainstorm / 渦まく知識 (青)
インスタント
カードを3枚引き、その後あなたの手札からカードを2枚、あなたのライブラリーの一番上に望む順番で置く。


通称ブレスト。
1マナインスタントで、3枚引けるところまでは同じ。ただしその後手札を2枚ライブラリートップに置く必要があるため手札は増えない。
事実上の調整版だが、アンリコにはない強みを持ち、ヴィンテージではアンリコと同格の制限指定を受けている。


簡単に言えば「手札の質を非常に上げることができるが、次の2ターンのドローが激烈に腐ってしまう」という弱点を持つのだが、別途用意したシャッフル手段と併用することで簡単に回避することができる。
かつてなら《吸血の教示者》、現在ならフェッチランドなどが代表例である。
こういうカードと併用した場合、「手札の質を非常に上げる」というカードに早変わり。


しかもやたらと小ネタが多い。
たとえばライブラリーから踏み倒すギミックを使う場合は「手札に来てしまった踏み倒し先をライブラリートップに戻す」という使い方もできるし、
ハンデスに合わせて撃てば絶対に守りたいカードをライブラリーに避難させることができる。
奇跡持ちをデッキトップに仕込む、対戦相手のターンにドローするなどでアドバンテージを荒稼ぎすることもできた。
他にももう枚挙にいとまがないほどに小ネタが多く、ブレストの使い方だけでプレイヤーの質が分かってしまうほど。奇跡全盛期の頃はバーンにさえタッチ青で入ることがあった。


レガシー環境はデルバーの登場頃から、そのあまりの青さにうんざりしたプレイヤーが「ブレストを禁止すればいい」と言っては、青使いに「青も使えない貧乏人はスタンでもやってろ。ってスタンも青かったわ!ごめーん!」などと煽られたものだが(現在もたまにそういうレスバトルが起きる)、
ヴィンテージプレイヤーの中には「巷の連中はヴィンテージを世紀末だ無法だ言うけれど、ブレストと《思案》を4枚積めるレガシーの方がよほど世紀末だ」という意見すらあるほど*7


現在でもレガシーをたしなむプレイヤーは、「ブレストが無条件で使える」ことを魅力として豪語する人もまったく珍しくない。本当にそれくらい環境を定義するぶっ壊れカード
ただこのカードの真価は相方ありきであり、無造作に突っ込んでもあんまり強いカードではない。たとえば教示者もフェッチもないパウパーでは、レガシー以上に使い手の質が問われる極めて難しいカード。
リミテッドではむしろ自分の首を絞めることさえあるというかなり難しいカードである。


Ancestral Vision / 祖先の幻視
〔青*8〕 ソーサリー
待機4 ― (青)(このカードをあなたの手札から唱えるのではなく、(青)を支払うとともにそれを時間(time)カウンターが4個置かれた状態で追放する。あなたのアップキープの開始時に、時間カウンターを1個取り除く。最後の1個を取り除いたとき、それをそのマナ・コストを支払うことなく唱える。)
プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを3枚引く。


ルール的に「正規の手段で唱えることができない」カード。
通常の手段では待機経由でしか唱えることができない、つまり「1マナで唱えられる代わりに使えるのは4ターン後」というデザイン。コストはそのままにタイムラグをつけてバランスを取ったもの。
4ターンというのは絶妙な時間であり、初手で唱えればほぼ確実に3ドロー。中盤の場合は「ドローができたところで果たして状況が好転するか?」という状況を誘い、
終盤の場合は「ドローしても絶対唱えるところまでいかないじゃん」とげんなりするという、終盤に近付くにつれてどんどん価値が落ちていくカードである。
このような弱点を持っていてなお長期戦を見越したコントロールデッキ使いを中心に非常に好まれた。


ただし4ターン後にドローが発生することが分かっているため打ち消しに弱いのはもちろん、待機持ちのカードを咎める《ザルファーの魔導士、テフェリー》などを出されて唱えられなくなったり、
当時のスタンダードだと《インプの悪戯》、レガシーだと《誤った指図》などで強奪しやすいという独自の弱点もあり、嫌うプレイヤーも少なからずいた。
それでもなお当時の青の隆盛を支え、レガシーでもミラディン包囲戦あたりの頃まで多かった青系のオリジナルデッキ使いを中心に非常に人気の高いカードだった。
だいたいパーミッション戦略がうまいタイプの青使いが好み、パワーカードを叩きつけるのが好きなタイプの青使いはあまり好まない印象があった。


通常の手段以外で強引に唱えることも可能。このカードは0マナのソーサリーなので、「マナ総量がいくつ以下の土地でないカード」という条件にぴったり合致する。
レガシーでは《渦まく知識》《精神を刻む者、ジェイス》によってデッキトップを操作することが簡単なので、当時圧倒的な性能だった《血編み髪のエルフ》で3マナ以下のアドが取れるカードをめくって「続唱」で強引に唱える【続唱誘導路(RUGカスケード)】というデッキが登場。
《誘導路》*9とともに続唱前提で3ドローを確定させて爆発的にアドを取っていくというデッキで、その禍々しいコンセプトと「カスレアの弱点を「どれを選んでもいやだ」と嘆きたくなるほどのパワーカードで埋め尽くして強引に解消」から当時話題になったものである(ただし《誘導路》と《祖先の幻視》の相性はかなり悪い)。
《断片なき工作員》が登場してからはデッキのブラッシュアップが進み、【BUGカスケード】というデッキで使用された。《断片無き工作員》から引き当てれば、というか《渦まく知識》で積み込めば実質3マナで3枚ドロー+2/2クリーチャーとかなりのコスパになる。
そしてこのカードの恐ろしいところは、当時の環境はまだ比較的ゆっくりしていたので4ターン待ってドローという素朴な使い方も十分通用したという点である。終盤に腐りやすいという弱点は、例によって《意志の力》のコストにして解決すればいい。


このように至れり尽くせりなカードで、アンリコのリメイクの中でも長所と短所が混在した良質なカードとしてレガシーでさえ高い評価を得ていた。


しかしレガシーでは《師範の占い独楽》禁止からの【青白奇跡コントロール】メタ外行きで、奇跡コンへのメタデッキだったBUGカスの立ち位置もついでに下落。その後【RUGデルバー】期を経てレガシー環境が高速化。4ターンも待てない時代の到来や、インフレによるアド取り手段のブラッシュアップが進むとこのカードはデッキから抜けてしまったのだった。


モダンでは当初禁止カードであり、プロプレイヤーを中心に当初から解禁論を説かれることが多かった1枚。
これはコントロールデッキの抑制という理由だが、実際には当時のモダン環境に期待されていた「青ゲーからの脱却」のためというニュアンスが強いものだった。
当時は下環境どころか上環境すら青いことが多かった。まさしく「ギャザの青さを知る人よ」である。全然好きじゃなかった(迫真)
広くなりすぎたレガシーとスタンダードの間を埋めるフォーマットへの需要に加え、このあんまりな青偏重の環境をどうにかしようという考えもあって生まれたのがモダンという環境だったのだ。
青を抑制するために《方向転換》《対抗呪文》をはじめとした当時の青のド定番呪文が、「そもそも使用不可」「制定と同時に禁止」という徹底した弾圧を受けている。


制定当初のモダンは、レガシーに比して青の呪文が本当に弱かった。たとえば【マーフォーク】は、クリーチャーはそろっていても脇を固めるカードがないのでレガシーほどの強さを得られなかったのだ。
旧来の青大好きなプロプレイヤーはこのあんまりな措置におかんむりで、「いくらなんでもやりすぎだ、これじゃ青コン自体が組めないじゃないか」という点から文句をつけていたというわけ。
《祖先の幻視》まで禁止にするのはやりすぎだという意見は、青ゲーの否定派からも出ている意見だった。
その後環境が青抜きでも十分回るようになると、「コントロールデッキの復権」という理由で解禁されたのだが、すでにこのカードは時代遅れのロートルと化していた。


統率者戦ではそもそも4ターンも待つということ自体が現実的ではなく、現在はすっかり安価なカードの仲間入り。
インフレした令和MTGでは4ターン待つことさえおぼつかない。昔の光、今いずこ。


イラストは本家アンリコに描かれていたピラミッドが描かれているというもの。水没しているように見えるが、上半分は「現在の荒廃したピラミッド」、下半分は「在りし日のきれいなピラミッド」になっている。階段の部分を見てみると分かりやすいだろう。
絵師は本家アンリコを担当したマーク・プール氏。「時のらせん」は《ヴェズーヴァの多相の戦士》などをはじめ、リメイク版のイラストをリメイク前を描いた絵師に担当してもらうことが多かった。



Visions of Beyond / 彼方の映像 (青)
インスタント
カードを1枚引く。いずれかの墓地に20枚以上のカードがある場合、代わりにカードを3枚引く。


3枚ドローするのに条件がついた調整版。1マナ1ドローのインスタントというのは、他の色ならまだしも青ならその上位互換がいくらでもあるため、必然的にこの条件を満たせるデッキで採用していくことになる。
その条件は「いずれかの墓地に20枚以上のカードがある場合」。時代が違うとはいえ、スレッショルドの7枚でさえひーこら言ってるようなゲームで何言ってんだって話だ。ドレッジで使えとでもいうのか?


「あったよ、青黒LO!」「でかした!」


自分の墓地が肥えないのなら、相手の墓地を肥やせばいい。
というわけでモダンの【青黒LO】のドローソースとして活躍。勝利を目指す過程で対戦相手の墓地が20枚以上になるので、このカードは中盤*10以降は実質アンリコという無法なカードになる。
最終手段とはいえ、いざとなれば1枚ドローに変換できるというのもポイントだった……のだが、この使い方をしている時点で既に敗色濃厚であり、慣れた相手にはこの1枚ドロー状態を打ち消して徹底的に事故らせてくる。


「ぼ、墓地が20枚に……墓地が20枚になれさえすれば……!」


墓地を追放してしまう《夢を引き裂く者、アショク》などの登場や《ターシャズ・ヒディアス・ラフター》のように墓地を肥やさない切削手段が主流になっていくと、このカードも次第にデッキから抜けていくようになったのだった。


「ちくしょう……ちくしょーーーー!!!」


現在では使われていないだろうが、2010年代の通称は「ウンリコ」。イラストに描かれている男性が和式便所にまたがるような座り方をしていることがその名の由来。
小学生レベルのクソみたいなネーミングセンスだが、その分かりやすさから人口に膾炙したネタである。*11



Jace's Ingenuity / ジェイスの創意 (3)(青)(青)
インスタント
カードを3枚引く。


ジェイスのそぉい! お寒いジョークというわけではなく当時よく使われたネタ。まだジャガーさんが連載真っ最中だったし。
基本セット2011でようやく登場した、純正のアンリコリメイク。マナ総量は5倍、しかもダブルシンボルになってしまった。
ほとんどのデッキでは使われなかったが、当時は青系コントロールデッキが強かった時期。プロプレイヤーやスパイク気質の青使いを中心にスタンダードで1~2枚ほど採用され、中盤~終盤戦を制する重要な役割を果たした。
神ジェイスとその対策のためのベレレンに加えて創意まで入ったデッキはまさしく「ジェイスゲー」のシンボルであった。わきまえろよベレレン。


ただ5マナ3ドローのインスタントは力不足であり、4マナ3ドローのインスタントは逆にオーバーパワー。
そのため、以降のMTGではこの創意に「別のモードをつける」「条件を達成するとおまけがつく」という上位互換化や、「条件を達成するとシングルシンボルの創意化」といった調整版が多く印刷されるようになった。
たとえばスタンダードでも活躍した《予知覚》《銀の精査》《苦悩する学生生活》や、下環境で大暴れした《ロリアンの発見》なんかはその代表例。


なお同じく基本セット2011では、《Timetwister》のリメイク版こと《時の逆転》が登場したが、環境にまったく恵まれず値段が大暴落してしまったのだった。



Treasure Cruise / 宝船の巡航 (7)(青)
ソーサリー
探査(この呪文を唱える段階であなたがあなたの墓地から追放した各カードは、(1)を支払う。)
カードを3枚引く。


項目参照。探査が付きソーサリーになった調整版…………のはずだったカード。
「《精神的つまづき》の対象外*12で、《誤った指図》を喰らわない*13からアンリコの上位互換」「アンリコが5枚制限になった」とまで言われた。



Accumulate Wisdom / 積み重ねられた叡智 (1)(青)
インスタント — 講義(Lesson)
あなたのライブラリーの一番上にあるカード3枚を見る。そのうちの1枚をあなたの手札に加え、残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。あなたの墓地に3枚以上の講義(Lesson)カードがあるなら、代わりに、それらのすべてのカードをあなたの手札に加える。


素では講義になった《予期》であるが、墓地に3枚以上講義があれば《剃刀族の棘頭》のようなドロー対策カードで止められない実質2マナのアンリコに早変わりする。
さらに同じく墓地に3枚以上講義があれば非クリーチャー呪文を(1)軽くできる《ばあば》と組み合わせると…あとはわかるな?そんなことしちゃあ…ダメだろ!
デッキ全体を講義にまとめた際のリターンを保証するカードといえ、登場直後からスタンダードの青赤講義デッキを支えている。



「アニヲタを追記する全てにとって、暇な時間はヲタ語りの時間である。読者はアニヲタがフォカヌポゥしたものを生暖かい目で読んで暇をつぶすにすぎぬ。」



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  • このカードという前例があったのになぜ遊戯王もデュエマもドローの査定を甘くしたのか、永遠の謎やな・・・ -- 名無しさん (2018-03-17 23:03:20)
  • ↑遊戯王はマナ制じゃなかったしそもそもスタートはなりきり遊びであったからでTCGとして確立したのがエキスパートルール以後だからじゃない?デュエマはウィザーズ製なので正直よくわからんな -- 名無しさん (2018-03-17 23:14:02)
  • まぁサイバーブレインもSトリガー除けば4マナ3枚ドローのソーサリー程度だし、って感じだったんじゃない。アストラルリーフは…まぁその… -- 名無しさん (2018-03-17 23:26:21)
  • 蒼ブーンはどうしたらよかったんだろう?(3)マナ払わないと打ち消すでも強すぎるし・・・。 -- 名無しさん (2020-01-27 20:03:52)
  • ドロー軽視は盤面やライフに直接影響を及ぼすわけじゃないからって理由らしいが、そのドローでその手のカードを引き込めばいいって発想は出なかったんだな。 -- 名無しさん (2020-01-27 20:41:23)
  • 見ないうちに改悪されてるような…注釈で江戸しぐさがどうこうとか比喩にしても書く必要ある? -- 名無しさん (2026-02-10 13:24:10)
  • 当該編集者は大規模無断編集でメンバー削除されたので…。 -- 名無しさん (2026-02-10 14:13:48)
  • ↑説明ありがとうございます。であれば編集を以前の版に差し戻してもいいのではと思います -- 名無しさん (2026-02-10 19:18:03)
  • 1週間待って特に反対意見がなければ件の編集以前の版に差し戻そうと思います。 -- 名無しさん (2026-02-14 05:45:59)

#comment
#

*1 オンラインゲームで必要になった際の訳であるため、この名前で刷られたカードはない。
*2 対戦開始前にライブラリーのトップを1枚「アンティ領域」に置き、勝った方がその所有権を得るという昭和時代のメンコみたいなルール。遊戯王のバトルシティ編のアンティの元ネタだが、MTGでは黎明期の公式ルールだった。留意してほしいのは、バトルシティ編はアンティにしたカードを対戦で使うことができるが、アンティの場合はそもそも対戦中はそれを使うことができないという点。
*3 なおゲームのバランスとまったく関係のない商売事情で制定した「再録禁止カード」についてはたびたびMTGプレイヤーの間でも議論の種になっている。たとえばワールド・エンチャントのように「魅力的なカードがあらかた再録禁止になってしまったせいで新録カードが印刷しづらく、過去のものにされてしまったルール」なんてものも存在するため、多くのプレイヤーはいい顔をしていない。……なおたいていの場合は「人口が先細る」VS「貧乏人はやらなくてもいい」というクソみたいなレスバトルに終始する模様。
*4 現在は《TimeTwister》に抜かされている。パワー9中唯一統率者戦で使えるのが影響している模様。
*5 Moxは色が合わないなら入らないこともあるし、他の青呪文もコンセプト次第では入らないこともある。だがこの2枚は極端な話入るだけで仕事をするのである。
*6 正確には「実用的ではあるが、ヴィンテージはパワー9などを存分に使うための環境なので、これらを効率よくいじめるカードはさっさと規制されてしまう。つまりただでさえ強い上に弱点となりそうな相手を環境整備者がやっつけてくれるという、バキ風に言えば「守護された達人」である。
*7 これを言うとヴィンテージを触ったことのないプレイヤーが「ヴィンテージの方がぶっ壊れているのは自明の理。これは江戸しぐさである」という理由で編集したがるのだが、パワーカードを1枚しか使えないことでバランスを取っているフォーマットからしてみれば、オーバーパワーのカードを4枚使えるゲームの方がよほど不均衡に見えるというのは当然の見方であり、値段以外でもレガシー勢とヴィンテージ勢の溝が深い原因でもある。さらに実はレガシーの方が一目で分かるほど不健全だった時代は結構多く、たとえば《時を超えた探索》が使用できた頃のコンボ環境などは有名である。そしてよほどのコンボ環境以外はだいたいブレストが悪さをしていることも付記しておく。コンボは《ライオンの瞳のダイヤモンド》ってやつがだいたい悪い。
*8 色指標。当時のテキストでは「祖先の幻視は青である。」
*9 登場当時にカスレア、ネタレアとして話題になったカードで、条件付きだが3マナで3枚の手札を増やすことができる。
*10 青黒LOにとっての中盤なので実際はかなり早いターンからになる。
*11 こういうのも当時遊んでいないプレイヤーには江戸しぐさ呼ばわりされやすいが、MTGに限らずカードゲームは結構ドギツいあだ名が多い。そしてそういうドギツいネタを許してくれたのが2010年代までのMTGだったのである。金玉や乳首といった下ネタも時期的に近いことから色々察してほしい。ちなみに《叫び盾》の「先輩」っぽいあだ名は単に顔が似ているだけなのでちょっと異なる由来である。
*12 探査でいくら軽減しても点数で見たマナ・コストは8なため。
*13 対象を取っていないので、《謝った指図》の対象にすることが出来ない。

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