ソールオリエンス(競走馬)

ページ名:ソールオリエンス_競走馬_

登録日:2023/05/28 (日曜日) 17:29:14
更新日:2024/07/05 Fri 13:47:22NEW!
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ソールオリエンスとは、日本の現役競走馬である。



データ


生誕:2020年4月4日
父:キタサンブラック
母:スキア
母父:Motivator
調教師:手塚貴久
馬主:社台レースホース
生産者:社台ファーム
産地:北海道千歳町




父キタサンブラックは、言わずと知れた演歌歌手北島三郎の持ち馬で、GⅠ七冠のアイドルホース。初年度産駒より年度代表馬イクイノックスを輩出しており、ソールオリエンスは2年目の産駒に当たる。
母スキアはフランスより輸入された繁殖牝馬であり、自身もフランスのGⅢフィユドレール賞を勝っている重賞馬。そんな母が産んだ半兄は富士ステークスや、「なに!?シベリアンタイガー!?」で有名な三年坂特別の勝ち馬であり、ドバイターフでも2度の好走を果たしたヴァンドギャルド。そして母父Motivatorは、凱旋門賞馬Montjueの初年度産駒であり、2005年にイギリスのエプソム競馬場で行われるダービーステークスで勝利しているGⅠ馬。メロディーレーン・タイトルホルダー姉弟の母父としても有名である。
2020年4月4日に、日本有数の競走馬生産牧場である社台ファームで生まれた『スキアの20』は、150万×40口の6000万円で社台レースホースにて募集。父と同じく菊花賞を勝ち、天皇賞(春)を連覇した名ステイヤーのフィエールマンや、オークス馬のシロイアレノムスメユーバーレーベンなどの名馬を手掛けた美浦の名門、手塚貴久厩舎に預けられる事となる。


迎えた早朝、そして大胆な初日の出


11月13日に東京競馬場の新馬戦でデビューしたソールオリエンスは、レーベンスティールに対してクビ差で勝ち、その次は2歳GⅠには向かわず、共同通信杯へ向かう事が有力視される。だがオーナーサイドの意向で、1月に開催される京成杯へ向かう事となる。
さて1月15日、鞍上の新馬戦の戸崎圭太から、横山武史に変更したソールオリエンスは、4枠4番より重賞初挑戦。レース当日に中山競馬場の馬房で寝ているなどその大胆な様子を見せていた彼は、衝撃のパフォーマンスを見せる事となる。
1000m62秒2というスローペースでレースが展開する中、序盤から後方でレースを進めるソールオリエンスは、4コーナーにて危うく逸走するかという程に大きく膨れるも、最後の直線にて末脚を発揮。先頭の馬群を一気に差し切り、見事初重賞挑戦で勝利を収めた。
その走りはまるで2015年皐月賞でのドゥラメンテをも髣髴とさせるものであり、「またキタサンブラック産駒からドゥラメンテみたいなのが生まれた」と話題になった。


親父の忘れ物を取りに


ともあれ重賞を勝利し、賞金も十分に積んだソールオリエンスは、クラシック三冠のトライアルレースとして知られる弥生賞ディープインパクト記念や、祖父ブラックタイドや父が勝利したスプリングステークスに向かわず、そのまま皐月賞へと直行する。そのレースでは弥生賞を勝ったサトノクラウン産駒のタスティエーラや、スプリングS勝ち馬のベラジオオペラも参戦しており、加えて2歳GⅠ馬のドゥラエレーデ(ホープフルステークス勝ち馬)やドルチェモア(朝日杯フューチュリティステークス勝ち馬)が不在である事もあって、大混戦が予想された。
内の荒れた重馬場、前走のドリフトっぷりから内での出走が不安視されたにもかかわらずよりにもよって1枠1番での出走。しかも1枠1番で勝ったのはナリタブライアン・コントレイルなど三冠馬のみという前例もあって、共同通信杯馬のファントムシーフに1番人気を譲る形となった。
レースは重馬場にもかかわらず前が58秒5という高速戦になる中、最後方に位置することに。4コーナー通過順は18頭中17番目、更にある意味期待通りに逆手前でドリフトをかまし、万事休すかと思われたが、縦に伸びた馬群を活かして静かに外へと持ち出すと、最後は外から勝利目前まで迫っていたタスティエーラを上がり3ハロン35秒5という豪脚で強襲して差し切り勝ちを決めた。
一気に同父の先輩イクイノックスがなし得なかった史上最短キャリアの3戦、かつ無敗でクラシックを制覇した。事実上これ未満の出走数でクラシック制覇は不可能である為、今後この記録が並ばれることはあっても更新されることは無いだろう。
京成杯馬が皐月賞を制するのは史上初。クラシック全体に広げて見ても2010年ダービー馬のエイシンフラッシュ以来2頭目、グレード制導入前からの前身『京成杯3歳ステークス』を含めても5頭目である。
なお前週の桜花賞もドゥラメンテ産駒のリバティアイランドが大外から豪快な差し切りを決めており、『先週見た』と話題になった。


こうして父やイクイノックスの成しえなかった春クラシック勝利を決めたソールオリエンスは、5月28日に90回目の節目を迎える日本ダービーへ挑戦。この時ソールオリエンスは過去のクラシック三冠馬(ディープインパクトオルフェーヴル・コントレイル)が入った3枠5番に決まり、前走で争ったタスティエーラやベラジオオペラに加え、ホープフルS勝ち馬のドゥラエレーデに、同父で青葉賞を勝ったスキルウィングと、2015年クラシックを争った馬の子供たちの激しい勝負が予想された。
さてレースがスタートした直後、なんとドゥラエレーデが落馬。パクスオトマニカが逃げてペースを作る中、そのアクシデントに構わず、ソールオリエンスは中団やや前からのレースを進める。そして4コーナーで内側より他の馬が加速を始める中、ソールオリエンスも差し切りを狙う。
…が、その時、後方に位置していたタスティエーラが、前走での意趣返しで借りを返さんとばかりに急加速。一気に前に位置し、粘る。そして大接戦の果てにハナ差の2着と敗れる。
確かにソールオリエンスの走りは強かった。しかし、前走で2着に敗れたタスティエーラのリベンジに対する執念はそれを上回る、大波乱のダービーとなったのである。


菊への挑戦、しかし…


春はダービーを最後に休養、次走は菊花賞の前哨戦セントライト記念を選択した。
本命の菊花賞が目標ということもあり仕上がりも完ぺきとは言い難かったが実績が抜けていることから1.6倍の圧倒的1番人気。
2番人気には新馬戦で負かした相手であり、ここを落とすと後がないという事情を抱えたレーベンスティールの姿があった。*1
スタートはまずまず、後方からレースを進め足を溜めて最後に爆発......したが、中団でレースを進め既に上がり最速の末脚を炸裂させていたレーベンスティールに僅かに届かず。*2
これにより新馬戦で負かした相手に逆襲される形となってしまった。


迎えた菊花賞では23年ぶりに皐月賞馬・ダービー馬が揃って出走する豪華さもあって盛り上がりを見せており、前哨戦で負けたレーベンスティールの不在・タスティエーラがダービーから叩きなしで菊花賞に出走・そしてここまで馬券を外したことがない安定感といった要素から2.7倍の1番人気に支持された。
レースではいつも通り後方からレースを進めていたが、同様に後方からレースを進めると予想されたドゥレッツァが大外からハナを奪いに行く予想外の展開。
この波乱で普段序盤のハナの奪い合い以降終盤まで動くことが少ない菊花賞で中盤に入れ替わりが激しくなるイレギュラーな状況の中、ソールオリエンスはいつも通り後方で抑えて足を溜めて様子をうかがった。
そして最後の直線で大外に出して末脚を炸裂させたが、中盤抑えて足を溜めていたドゥレッツァが上がり最速の脚、タスティエーラもそれに次ぐ末脚を出したことで3着に入るのが限界であった。
こうしてソールオリエンスによる皐月・菊の2冠、鞍上にとって同一馬での皐月・菊制覇の夢も夢に終わってしまった。
菊花賞では距離的に限界があったかのように見えただけに、今後どのような路線を歩むか注視したいところである。


高い高い壁の向こうへ


3歳のラストは暮れのグランプリ、有馬記念へタスティエーラ共々出走。
同世代の三冠牝馬リバティアイランドや世界最強のUMAイクイノックスこそ居なかったものの、2世代上からはダービーとドバイシーマクラシックを制したシャフリヤールと菊花賞他GI3勝のタイトルホルダー、1世代上からは朝日杯とダービーを制したドウデュースに2冠牝馬スターズオンアース、春天を制したステイヤージャスティンパレス。ここに香港ヴァーズも勝った3世代上の牝馬ウインマリリンも加え、古馬GI馬合計6頭。間違いなく、今の時代を代表するに相応しい古馬が立ち塞がることとなった。
ソールオリエンスは菊花賞から鞍上を川田将雅騎手へ変更。枠番が最内枠の1番を引く幸運に恵まれたこともあって最終的に単勝4番人気で出走した。
しかし本番では幸運枠のはずの内枠が牙を剥く。スタミナに不安が会ったこともあってか出たままに経済コースを通ってレースを進めるが、狭い進路を取りすぎたことが災いしてかそのまま直線で内詰まりを起こしてしまう。加えてやはり暮れの中山2500mはこの馬に厳しかったか、そのまま見せ場を作ることも無く8着敗退。初の掲示板外な上、ライバルのタスティエーラの後塵もみたび拝すこととなった。
そのタスティエーラですら道中不利があったとはいえ6着。一応GI馬以外には前を譲らず意地は見せたと言えるものの、彼らにとって古馬の壁は極めて高いものだったこともまた確かであった。


年が明け彼もまた古馬となった。
高い高い先達の背中を超えるべく、そしてまた新たな年のクラシックを湧かせていくであろう3歳馬達に今度は自分達が高い壁となるべく、新しいシーズンへ向かって走らねばならない。
その最初のレースとして陣営は中山記念を選択。過去もハイセイコー、ヴィクトワールピサ、ドゥラメンテといった皐月賞馬が活躍したこの舞台で再起と新章の開幕を誓う。


余談


2023年のG1からジョッキーカメラが導入され、承諾を取れた陣営の馬の騎手に装着、レース後公開される制度が実施された。
皐月賞では横山武史騎手も装着しており、レース後どのような映像が見られるかファンは心待ちにしていた。
…ところがそこに写っていたのは当時重馬場によって馬場が荒れていたことで飛んできた芝が付着、しかも後方からのレースだったことでその量も半端なく
開始10秒過ぎにはボケて殆ど見えなくなり、1分過ぎには真っ暗になる放送事故状態
JRAもこのままではまずいと思ったのかレース映像も編集して付け足す事態となった。
なお動画は勝利したジョッキーカメラの場合はレース後まで公開されていたことで、惜しいレースが続き特にG1では1年以上勝てなかった鬱憤を晴らすような
「しゃあぁぁぁぁ!!!さすがやお前!!」と喜ぶ声が音割れで収録されていたことでファンからは武史ASMRと言われる程度には好評であった。


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  • 登録日とかラスト部分を作らないで放置するのってどうなのさ -- 名無しさん (2023-05-30 10:18:43)
  • 今回の宝塚見るかぎり、やはり重馬場巧者なのでは? -- 名無しさん (2024-06-23 19:21:21)

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*1 レーベンスティールはこの時点では2勝クラス、特に前走のラジオNIKKEI賞を3着で収得賞金が加算できておらずここを落とすとOP入りまで時間がかかる可能性があり、ケガで数か月棒に振ったこともある陣営にとってはここを落とすわけにはいかず仕上げてきていた
*2 なおレーベンスティールは菊花賞への優先出走権を得たが陣営が馬の状態を見て回避、香港への遠征を視野に入れている

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