登録日:2009/08/16(日) 04:22:01
更新日:2023/12/07 Thu 13:57:34NEW!
所要時間:約 4 分で読めます
▽タグ一覧
世界樹の迷宮 世界樹の迷宮ⅱ ロリ 新・世界樹の迷宮 メディック 世界樹の迷宮職業リンク 衛生士 殴りメディ めでぃっく!めでぃーっく! 4にて復活
医術でパーティーの治療回復を担う衛生士。
戦闘能力は持たないが傷ついた仲間の為に一人は入れておきたい。
概要
アトラス社のRPG世界樹の迷宮シリーズのメイキングキャラの一つ。
医術で仲間を回復させる衛生士。
武器は杖。メスとかではない。
登場作品
登場作品は「世界樹の迷宮」「世界樹の迷宮Ⅱ 諸王の聖杯」及びそのリメイク版である
「新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女」「新・世界樹の迷宮2 ファフニールの騎士」。
そして「世界樹の迷宮X」。
性能傾向
後衛・回復特化型とあるが、Ⅰ・Ⅱ共に前衛に立たせて攻撃に参加させる事も可能(通称、殴りメディ)。攻撃スキルを持っていたり、Uでは殴りメディ用の杖(HP+など)があるため、PTの火力が低いならオススメする。
ただし火力はあっても所詮は後衛職なので前衛を任せるには非常に頼りない耐久力。
殴り特化する際は耐久関係のパッシブスキルを取得しつつ、装備にも気を使い、パラディンやペットなどに守ってもらおう。
回復特化というだけあって、その点に関しては登場作品において右に出るものは存在しない。
ただし「回復」という行為そのものが登場作品次第で評価が変わるので、その影響をメディックはモロに受けやすい。
グラフィックについて
一つ目は大きなあほ毛にしましまニーソの女の子。
ししょーのある意味名付け親。
通称、ロリメディ
二つ目は長い金髪のお姉さんみたいな雰囲気の女の子。
通称、メディ姉、あらあらうふふ
三つ目は赤みがかかった髪に眼鏡をかけた男性。
通称、眼鏡メディ。単に眼鏡とも
四つ目は唯一赤いカバンにオールバックの男性。
通称、玉ねぎ
リマスター版で追加された五つ目は前髪に白いメッシュが入った片目隠しの少年。
君は彼を男だと思ってもいいし、少女だと思ってもいい。
一番人気はロリメディだと思われる。
また、ロリメディはデコパラと共に初回特典のミニサントラの漫画にも出演している。
各作品でのおおまかな性能
Ⅰのメディック
唯一の回復職であるためそれだけでも引っ張りだこ。
その上、味方全員の全耐性を上げる医術防御があったり、前衛で普通に殴れたりするチート職。
特に医術防御は性能は後述するがシリーズ屈指のぶっ壊れスキル。封印、低Lv運用する人も少なくなかった。
状態異常や封じも回復できるが、だからといって薬を持たないでいると、頭を封じられたり戦闘不能になったときにどうしようもなくなる。
糸だけじゃなく薬もちゃんと確認しよう。
Ⅱのメディック
医術防御廃止。殴りの火力も落ち、さらに燃費が悪くなったりとかなり弱体化された。
さらに回復持ちのドクトルマグスの登場により今作では不遇かと思われたが、高い回復力は健在で相変わらずの人気っぷり。
前作が強すぎただけだった。
またメガザルな捨て身の医療が追加されたり、フォーススキル「超医術」などむしろ回復力は増えたかもしれない。消費TPが多すぎるせいで気軽にSPを振れないが……
しかし、Ⅰでもそうだがいかんせん足が遅い。
大抵行動は最後の方になるため、回復しようとした仲間が戦闘不能になったり回復する前にメディックが戦闘不能になることもよくある。その点では剣の速度補正で素早く回復出来るドクトルマグスには劣る。
だが、石化治療や蘇生はメディックにしか出来なく、回復力もドクトルより高いため、ドクトルよりメディックを選ぶ人は多い。
また、後半になるほどドロップ素材確率を上げられる「博識」の有無の差は大きく響いてくる。
このように、Ⅰ・Ⅱ共にPTに一人は入れるのが定番だが、あえて薬で全て済ませる人もいる。その際、メディックがいないため戦闘職や補助職を一人多く入れられるという利点がある。
が、やはり薬は大量にいるためオススメは出来ない。ちゃんと回復はメディックに任せよう。「回復なんざいらねぇんだよ!」というくらい尖った場合は別。
Ⅲのメディック
Ⅲでは全職総入れ替えされてるため、他職と同じようにリストラ。
しかし、メディックに攻撃スキルを追加したような感じのモンクが登場している。
Ⅳのメディック
グラフィックはそれぞれ、
1.群青色のポニテの眼鏡の少女。だから腐女子じゃねぇって!!
2.黄緑色の髪に太眉な女の子。タレ目に丸い口と天然っぽい見た目。
3.白衣で薬瓶を咥えた渋いお兄さん。片目が隠れているのが格好良い。
4.一見して気弱そうな優男。無理すれば♀として見れる…かも?
名前は同じだが見た目も性能も別物となったソードマンと比較してこちらは普通に従来通りのメディックに近い。
ただ、Ⅲから引き続きさらに火力のインフレを起こしているうえに、他のヒーラーとしても動ける職がみらいちゃんなミスティックに器用万能にも程があるダンサーなど、世紀末な環境ではぶっちゃけ地味。
弱くはないのだが周りが色々とおかしすぎるのである。
サブクラスについて
メインメディックの専用スキルの関係上、どうしてもアタッカーとしても補助としても他職に劣る感じは否めない。
ただ、休養するだけで様々なニーズに応えられるのでパーティー構成や冒険の進行度に応じて色々なサブを試してみると良いだろう。
攻防両面が安定したサブで堅実な強さを持つ。盾が装備できるようになるのもポイント。
ウリはやはりヴァンガードで最速状態になってから放つスタードロップ。
先駆けの功名の効果で命中補助も自前で行える、スタドロ特化型の組み合わせである。
- ダンサー
暇な時に踊って補助しようという組み合わせ。速度ブーストで行動が速くなるのも良い。
そもそもダンサー自体がアタッカーにヒーラーから補助までやれる万能型なので、似たような傾向にあるメディックとは相互互換性がある。
リフレッシュorリカバリワルツで医者の不養生にならないのもありがたく、ヒーラーとして安定した立ち回りをしたいならコレ。
地味ーな組み合わせ。しかし堅実ではあり弓技で手空きの時に攻撃に参加できる。
またⅣメディックが習得しない博識互換スキルのスカベンジャーを習得可能であり、従来のメディのポジションを任せられる。
防御デバフのイーグルアイに、命中バフの観測等もあるため攻撃面の補助もしっかり可能。
世紀末環境のⅣではあるが、こういう堅実オブ無難な組み合わせが弱いというわけではない見本のような組み合わせ。
陣回復にもメディックの医術師の心得が乗るので、かなりのHP量が毎ターン勝手に回復してゆく。
TECも高いので破陣系スキルの数字も良い。
ただしLUCが低いので陣のバステ封じには期待できない。
本職ミスティックと組んで破陣スキルばかり使ったり、本職ミスが他の行動で忙しすぎる時にとりあえず陣を張っておくなどそういう連携を意識したい。
新1のメディック
医術防御は当然弱体化された。
だが新技ディレイヒールとバステ付与のドラッグスキルを引っさげて帰ってきた。
本作ではバステ封じの成功確率判定に依存するステータスがLUCではなくTECになっているため、TECの高いメディックはバステ付与スキルを上手く使える。
また転職というステータスそのままに別職へと切り替えられるシステムが追加されたため、概ね水準並かそれ以上のステータスを持つメディックはこの転職システムに大変噛み合っている。
TPの多い前衛職、硬めの後衛職、バステ封じ付与もお手のもの。
だが肝心の回復スキルに関してはレンジャーのエフィシエント(回復アイテムの効果増強)の存在から「新世界樹の真のヒーラーはレンジャー」と呼ばれることに……。
細やかな回復などはグリモアでそれこそメディックのスキルを使えばいいということもあり「メディックそのもの」の存在感に関しては疑問が投げかけられている所は少なくない。
ただ、自前のスキルで大体のものが揃っているので逆に他職のスキルのグリモアを上手く使って運用すればいいという見方もできる。
とりあえず初期メンバーにメディックを入れて、後々気に入らなければ転職させてしまう運用が無難。ただし博識とキュアのグリモアは置いていけ。
ストーリーモードではサイモンがメディックに就いている。
その活躍
……のだが上記の評価や、ストーリーパーティーが「ハイランダー(アタッカー兼バッファー)」「パラディン(盾)」「ガンナー(紙アタッカー)」「アルケミスト(紙アタッカー」「メディック(回復)」というかなりのストロング仕様から大体真っ先に転職させられる苦労人。
カースメーカーで「冒されろ」と呟いたりダークハンターでエクスタシーさせたりレンジャーで前に立たされて「サイモォン!」と叫ばれたり、ストロングな皺寄せを一身に受けて正す男、それがサイモンさんである。
ある意味この立ち位置は次作のフラヴィオに引き継がれた。引き継がれてしまった……。
新2のメディック
器用さを捨てて、歴代最高に回復特化してしまった!
……なお新2というゲームのゲームバランスに関しては「いかに必要なタイミングで必要な火力を出せるか」「いかに敵の攻撃を潰したり防ぐか」という点が重要になっている。
…………はっきり言ってしまうと後手後手に回復するということ自体が泥沼の戦況を呼び寄せることになる。
他にもグリモアがより便利になったことから「メディックの必要なスキルはその都度つまみ喰いで良い」という事情もあり「シリーズでもっとも不遇」とすら言われて……いた。
研究が進んだ結果、後手の回復にならないよう先手の回復ができる新技「オーバーヒール」、それに繋がる火力技「バイタルヒット」もあり、クセは強いが使いこなすとちゃんと強い。
転職の素材としては相変わらずLUCは低いがそれ以外は良い感じなので中々のもの。
ただ、前作と違いバステ封じ付与の依存ステータスはLUCに戻っているのでこの薄幸っぷりは色々な面で響いてくる。
ちなみに性能とは全く関係ないが、本作ではNPCのメディックが登場しグリモアを交換できたりする。
彼女たちはお年頃らしくカロリーを気にしている節があるが、苺大福や茶巾絞りといった和スイーツに目がなかったり、なんとも微笑ましい一面を見せてくれる。
Ⅴのメディック
職業のメディックこそないが、DLCでメディ子のイラストを使用できる。
ハーバリストで回復特化してもいいし、杖で殴ってもいい。衝撃セスタスにして拳で殴るのも自由だ!
Xのメディック
普通に使いやすくて普通に強い普通の回復職に落ち着いた。
新シリーズと比較してかなり瞬間火力が出にくくなるよう調整された本作は長期戦になりやすい傾向にある。
このため「普通に使える回復職」であるメディックは「普通のパーティーでこそ非常に強い」。
瞬間火力が命!というようなインペリアルやナイトシーカーなどとはちょっと付き合いにくいが、粘り強く戦えるハイランダーやヒーローとはかなり相性がいい。
後述するフォースブーストによるTP回復が増強されているのも長期戦が得意という点に拍車をかけている。
「とりあえず入れておけ」という枠ではないが「普通に戦いたい」というパーティーにはぴったりな、シリーズを通して落ち着くべき所に落ち着いた職業である。
サブクラスについて
Xのサブクラスは従来のそれと比較してサブで習得できるスキルLvでは本職に敵わない面がかなり強い。
メディック自身の強みを忘れずに、サブで強みを拡張したり少し選択肢を増やすといった方向性になる。
ただ、メディックのステータス水準の高さをようやくここで本領発揮できるという点もあるので、サブ習得の恩恵は他職より大きめ。
とにかくプリのパッシブスキルが全てメディの性能と噛み合っており、サブ習得前の動きをそのままするだけでもグッと強くなる。
プリのパッシブは要約すれば「習得者を中心にパーティー全体の耐久力を上げる」なので、メディ本職の動きに余裕が出てきてバフを撒くプリの仕事にも手を出せるようになってくる。
バッファーとしての仕事はそこそこにヒーラーをしつつ、機を見てラストオーダーで一気に攻める準備をするという選択肢も有り。
メディをそのまま強くしたいなら迷わずコレである。
分身してヒーラーが二人になれば万全の体制を整えられる。そういう組み合わせ。
ディレイヒールを交互に使う、片方がバステ封じで行動不能になっても片方が動ければOKなど回復において隙がない。
ただ、とにかく回復に偏りすぎている感が強くここまでの過剰な回復力はクリア後の強敵戦でもなければあまり出番がない。
逆に言えばガッチガチの長期戦パで裏ボスに挑む場合、メディ/シノは高い安定感をもたらしてくれるということでもある。
硬くなるうえにサブ性能でもなお強力なバフが使えるようになる。その分反動ダメージを背負うが、それを治療することこそメディックの役目。
目的としてはサブプリに近いのだが、動きは全く異なる。パーティー次第でどちらが相性がいいかは変わるだろう。
総合性能は高いが、装備武器があまり増えないのが難点。ただ、槍の武器スキル自体は光るものが多い。
仲間との連携を強く意識する必要のある組み合わせ。概ね仲間を陣スキルで動かし「装備武器:仲間」的な感覚で使うことになる。
とくに乱れ竜の陣は消費は重いものの使用者の攻撃力や配置を参照せずに安定したダメージソースになるので、暇な時のメディックが使う攻撃技としてはぴったりハマる。
大武辺者や刺客寄せなども強いのだが、何かにつけ補助職としてはクセが強く、ヒーラーとして伸ばす面もないのでとにかくパーティーを選ぶ。
ヒーローやハイランダーなど、持久力と攻撃力のバランスに優れたメディックと相性のいい職業がそのまま良い手駒になるので運用としての噛み合わせは悪くない。
- パラディン、ドクトルマグス
両者共に「ヒールデジャヴを書き換えないで済む範囲回復技持ち」として共通する。
回復量も多く、杖を装備したままサブクラスの技も使えるためメディックの動きを殺さない。
本職のイメージ通りサブパラだと防御力はパーティー全体で劇的に上がるが火力が上がらず、サブドクだと攻防両面が堅実に上昇するが地味な傾向にある。
良くも悪くもあまりパーティー間の連携を深く考えずに純粋に強くできるのでプリと並んで使いやすいサブではある。
Ⅳ時代から変わらず、陣による回復スキルとメディックのヒーラーとしての役目が噛み合う。
本作ではヒールデジャヴの存在から陣を用いた回復の需要はさらに上がっているし、LUCも改善されているので本気でLUC特化装備にすればそこそこの成功率となる。
ただ、暇な時に何かするという選択肢が増えておらず、物理攻撃力を上げる手段もないので一転攻勢を仕掛けるのが苦手。
行動速度と耐久を一手に引き上げられる瘴気兵装がメディックの役割とばっちり噛み合う。まぁリーパー自体が補助回復役なので当然と言えば当然だが……。
ただ、瘴気兵装はサブクラスだと安定して維持し辛く、また攻撃力が上がるわけでもないためどことなく中途半端な印象も。
鎌だけでなく剣も装備できるので、状況次第では二刀流してサブウェポンのスキルを使うのも手。あんまり調子に乗ると黒き衣の上からでも死ぬので程ほどに。
- ファーマー
解体マスターと博識でドロップ上昇担当。大自然の恵みで経験値上昇も美味しい。
ヘッドドロップ→収穫祭とメインスキルからサブスキルへのコンボが柔軟に行えたりもする。
クセの強い運用になるが、短剣と槍と銃と鎌と装備武器が一気に広がるので武器スキルを的確に使用すれば運用の幅が広がる。
パーティー全体を冒険の過程全体で強くするという、マクロで戦略的視点で強くするタイプの組み合わせと言える。
- 闇の眷属化
隠しアクセサリの「赫き魔眼」を装備すると闇の眷属となり、フォース性能が変わりステータスが底上げされる。
メディックの場合「死なない」というのは重要であり、フォースブレイクは一応眷属でも全員復活はさせられるので場所さえ間違えなければメディックらしい運用感覚のまま使える。
全体的なステータスの底上げはヘヴィストライクを撃ちやすくなるということもあるので、殴りメディ向きかもしれない。この場合、サブはハイランやマグスやシノビにソードマンなどが無難。
サブクラス解放前のメディはどうしても手持ち無沙汰になりがちなので、これを装備して殴りやすくするという運用もアリだろう。
シリーズを通して……
このように見てきたが、いかがであろうか。
筆者個人の主観が否めない所もあるかもしれないが、優遇職から徐々に不遇へと低下し、最新作ではバランスの取れた評価へと着地している。
メディックの歴史はそのまま世界樹シリーズの回復職の歴史でもある。
最初は【冒険】という点からヒーラーはやはり必須で定番だったのだが、やがて回復軽視火力重視となり、最終的に回復職を使うならばそれに適したパーティー構成、使わないならばやはりそれに適した構成センスが問われるようになっている。
このシリーズのゲームバランスの取り方の変遷を、メディックという職業を通して見ることもできるだろう。
その歴史の中で、時に医術防御したりメガザルしたりサイモォン!されたりHPドーピング殴りして潜り抜けてきた激動の軌跡を、少しでも思い出していただけたのなら幸いである。
代表的なスキル
回復スキル:緑色
補助スキル:紫色
攻撃スキル:赤色
その他:黒
と区分けしています。
- ''キュア/エリアキュア''
- HPを回復。
もっとも基本的な回復スキル。エリアキュアは仲間全体を回復する。
ヒール系スキルと同時に登場している場合、こちらは発動速度が速く燃費に優れるかわりに回復量が控えめという特徴になっている。
概ねこちらの方が使いやすい。
- ''ヒール/ラインヒール/エリアヒール''
- HPを回復。
効果はキュア系と同じだが、作品によってどちらかしか登場しなかったり、同時に登場しているケースがある。
それぞれ単体、列、全体回復スキル。
3DS作品になってからはパーティー位置を行動消費なしで入れ替えることができるようになったため、列回復のラインヒールがとくに使いやすい。
- ''ディレイヒール''
- 次ターン開始時にパーティー全体のHPを回復。
新1から登場し、それ以降メディックの定番となった回復スキル。仕様上戦闘中にしか使えない。
そのターンは待機し、次ターン万全のパーティーを万全の状態に整えるためのスキル。敵の行動を読む必要があるがコスパが良い傾向にある。
登場するたびに相対的にパワーアップしているスキルで、新2ではドクトルマグスの反魂(ターン開始時と終了時にそれぞれ蘇生を行う)や庇う系スキルが充実していることから、肉盾にした仲間を即完全復活させるコンボが成立するようになった。
Xではオーバーヒールの仕様が変わったことにより、擬似的で1ターンのみのHPドーピングスキルになっている。本作でも反魂、庇う系スキルはあるため肉盾復活コンボは引き続き可能。
仕様自体は変わっていないが、環境が変わると評価も変わるという好例。
- ''オーバーヒール''
- 新2:次ターン行う回復スキルの回復量を増加し、そのターンのみHP最大値を超えて回復する。
- X:医療系スキルで回復する際、そのターンのみHP最大値を超えて回復する。
新2とXでそれぞれ効果が違うスキル。新2は一種のチャージスキルで、Xではパッシブ(常時発動)である。
いずれにせよHP最大値を超過して回復することにより、擬似的に1ターンだけHPを水増しして耐久力を増やし、多少のダメージを帳消しにするためのスキル。
基本的に考え無しで使えるXの方が便利なのだが、新2は後述する「バイタルヒット」と重要なシナジーを生むコンボスキルになっている。また、チャージする分超過量は新2の方がはるかに多く最大2倍にまで伸びる。
- ''リフレッシュ/バインドリカバリ''
- それぞれ状態異常、封じを治療。
メディック十八番のバステ封じ治癒スキル。Lvを上げて行くごとに効果範囲が列→全体になる(Xのみ列止まり)。
世界樹の毒はヤバいと有名なように、とかくこのシリーズ搦め手をザコもボスも多用する。
それを迅速且つ範囲治癒できるというのは大変優位なこと……だった。
メディック不在だったⅢの予防の号令(バステを一回だけシャットアウト)、介護陣形(ターン終了時HPバステ回復)の登場から始まり、予防や自動治癒スキルの台頭が始まったのである。
医者の不養生を地で行くメディックのLUCの低さも災いし、バステ封じ治癒役が真っ先に落とされるという事態が頻発するのも向かい風だった。
グリモアで他職が使えることもあり、新シリーズのメディックの不遇さを間接的に象徴するスキルである。
ただしXでは範囲が列止まりになったにも関わらず、メディックを採用する大きな理由の一つになっているくらい存在感の強いスキルである。
特にXのサブクラス相当のレベルでは効果範囲が単体で止まってしまうので、多人数の状態異常の面倒を見たいとなればメインメディにお呼びがかかるだろう。
- ''キャンプ処置''
- 戦闘中使用不可能。パーティー全体のHPを割合回復。
戦闘中は使用できず、その名の通りキャンプ(メニュー画面)でのみ使用可能なスキル。
「最大HPに対しての割合」のため、最大Lv10まで上げても40%……つまりHP100のキャラはHP40までしか回復できないという、完全な死にスキル……だった。
リマスター版では超絶なパワーアップを受け、Lv5でマスター可能。Lv3で全快且つTP消費はたったの3。Lv5まで来るとTP消費1で全快にさせてしまう強スキルへと変貌した。そして後述する戦後手当の存在意義を奪った。
ただでさえ強い初代のメディックがよもやよもやの強化を受けたわけだが、キャンプ処置を早期習得するべきか、医術防御を早期習得するべきかとビルドを悩ませる結果となり、
さらには「そもそもザコ戦で受けたダメージを低燃費で全快できるなら『殺られる前に殺れ』というパーティー構成を組みやすくなり医術防御への依存度はグッと下がったので、かえってゲームバランスが良くなった」という声も。
- ''医術防御''
- パーティー全体の全属性耐性を上昇。
世界樹シリーズの中でも五本指に入るであろうぶっ壊れスキル。
Lv1の時点はダメージカット率が15%なのでまだいい。
極めたLv10で60%カット。そしてそれをさらにブーストした実質Lv15なら85%カットする。
Lv10の時点で防御するよりダメージを軽減し、ブースト使用なら本来100喰らうダメージを15にしてしまうのである。
初代世界樹でメディックが強いと言われた理由の大半がコレである。
おかげで本来はパーティの防御の要になるはずだったパラディンは完全に食われていたと言える。*1
ヤバすぎて次作の旧Ⅱでは存在自体削除。新1で再登場したが耐性上昇は炎・雷・氷のみに留まり、軽減率もまともな数値に落ち着いた。
- ''スリープ/パライズ/ポイズンドラッグ''
- 敵一体をそれぞれ睡眠、麻痺、毒状態にする。
新1のみ登場した純粋なバステ付与スキル。ある種Vのハーバリストのコンセプトを生み出したスキルである。
成功確率依存ステータスがTECになっているためLUCが高くないメディックでも使いこなすことが出来、ストーリーモードでは数少ない搦め手になっている。
とくにポイズンドラッグの毒ダメージが凄まじく、状況次第ではメインダメージソースになることすらあるほど。
スリープドラッグもピンポイントで止めたいザコの動きを止めたり、強敵戦ではバフデバフを積む時間を作り出すなど上手く使えば強い。
……なお、TECが成功率に依存するということはアルケミストやカースメーカーがより上手く使えること、「重苦の呪言(バステ効果時間を延ばす)」と併用したいことからグリモア化した後サイモンが転職させられる理由の一端でもある……。
- ''ヒールデジャヴ''
- パーティー全体に「最後に受けた医療スキルの効果をターン終了時に発動する」強化を付与。
Xのみ登場したバフスキル。効果としては前作Vの慈悲深きハーバリストの「残り香」と全く同じ。
効果ターンが最初から5ターンと長く、やや扱い辛いものの「ターン終了時に自動的にバステ封じが治癒される」という状態にできるため、パーティーが非常に崩れにくくなる。
反面普通の回復スキルで回復しにくくなるのだが、そもそもXではプリン(セ)スの「リインフォース+ロイヤルベール」、ミスティックの「陣回復」、ヒーローの「シールドアーツ+鼓舞」などHPを「ついでに回復する」スキルが非常に多い。
それら「ついでに回復」は古くはⅢの時代から世界樹の回復職の立ち位置を脅かし続けてきた手段だったのだが、このスキルで遂にシナジーを獲得したのだ!
ただ、バフ枠は喰ううえに準備ターンが必要なので短期決戦パーティーには使いにくいスキル。そういう意味でもXメディックは長期戦運用に向いている。
- 博識
- 敵が素材をドロップしやすくなる。
稼ぎ用パッシブスキル。
効果が地味で実感が湧きにくいため世界樹初心者ほど侮りがちなスキルだが、どんな装備でも素材から生まれるのでパーティー全体を間接的だが確実に強化するスキルである。
仮にドロップした素材がパーティーメンバーが使えない装備になったとしても路銀にはなる。
また素材ドロップ率は階層が進むごとに低下していくため、5層、6層ともなればこのスキルの有無でドロップ率は大きく変わる。
解剖用水溶液のような便利なアイテムが無かったDS版の時代は、3DSの時代よりさらに重要なスキルだった。
- 戦後手当
- 戦闘終了後パーティー全体を回復。
初期の作品と後発の作品で立ち位置が変わっていったスキル。
初期の作品ではとにかくザコとのエンカウント率が高く、抜け道が少なめだったり見つけにくいことからザコ戦での消耗を抑えるのは重要なポイントだった。
一方最近の作品になるにつれて抜け道がわかりやすく、挙句フロアジャンプシステムまで追加されたのでザコ戦での消耗を以前ほど気にする必要が薄くなっていった。
結果、初期の作品ほどありがたく、最近の作品ではどちらかというとゲームプレイのテンポを良くするスキルになっている。
ただ最新作のXのみ固定値回復ではなく、WIS依存になっているので回復量が低Lvでも高く、SPコスパに優れる。
- ''ヘヴィストライク''
- 敵一体を杖で殴打(壊属性)。スタン付与。
ただ単に杖でブン殴ってピヨらせるだけの技なのだが「メディックの代名詞」「伝家の宝刀」などと呼ばれるメディックを代表する技。
初代では下手なアタッカーの攻撃スキルより倍率が高く、殴りメディを多く生み出した罪深いスキルである。
習得可能な時期のブレ幅が大きい技でもあり、4や新2ではSP1で覚えられるのにそれ以外ではかなりポイントを振る必要がある。Xに至ってはLv40でやっと解禁。
同時に習得が重いほど威力が高い傾向にもあり、効果は同じなのに扱いにずいぶん差がある。
Vではメディックは登場しないがこのスキルだけは登場している。エフェクト、威力、解禁時期全てにおいてぶっちぎり。
- ''スタードロップ''
- Ⅳ:敵一体に壊攻撃。そのターンのみ後続のダメージ上昇。
- X:敵一体に壊攻撃。3ターン物理防御低下。
ⅣとXでは似て非なる技。Xは単なるデバフスキルで手空きの時にとりあえず撃っておく、扱いやすいがリターンの少ない技。
問題はⅣの性能で
「先撃ちしなければ意味が薄いのに行動速度に若干ながら遅延補正」
「杖と槌にも遅延補正」
「メディックはAGIが半端(なので命中率にもやや不安がある)」
と三重苦を背負っているがそれを差し引いても瞬間火力を上げる重要なスキル。
そもそもⅣはかなり火力のインフレが激しい作品で、正直スタードロップが無ければⅣのメディックの評価はかなり低くなってしまう。
それほどまでに火力を出すターンに火力補助を行えるということは世界樹において重要なことなのだ。
手っ取り早く使うのなら「クイックステップ(効果はアザステ)」か、サブソードマンの「ヴァンガード(耐久低下火力上昇最速行動)」を使ってからぶっ放つと良い。
- ''バイタルヒット''
- 敵一体に壊攻撃。パーティー全体のHP割合が高いほどダメージ上昇。
新2にのみ登場。色々と規格外の杖殴りスキル。
まずSTRを参照する通常の物理スキルと違い、参照ステータスがTECとVIT。
本来のHPより多ければ威力が上昇する。
なのでファフニールやペットのフォースブーストによってHPを上げたり、オーバーヒール→全体回復スキルで一時的にHPをドーピングしたりすることで威力が上がるのである。
威力を出そうとすれば専用構築が必要になるが「HPは耐久力に直結している」ことと、メディックはバステ封じ治癒のスペシャリストでもあること、そしてこの特化バイタルヒット自体の威力が凄まじいことからちゃんと機能するパーティー構成だったりする。
どれくらい凄まじい威力が出るかというと旧カンストダメージの「59630」を越える。
もふもふペットに医者ばっかのパーティーだと思ったらFOEみたいなHPになって裏ボスみたいなダメージで殴ってくる恐ろしいパーティーなのだ。
新2メディックは不遇という評価をピーキーながら覆す、起死回生の一撃のようなスキルである。
- フォースブレイク【超医術】
- パーティー全体のHP、状態異常、封じ、戦闘不能を回復。
旧IIのフォース、新2とXではフォースブレイクとなったメディックの切り札。
パーティー全体を完全復活させ、容易に立て直すことができる。
だが「戦闘不能から治癒したキャラクターはそのターン行動できない」という当然の仕様があるため、本当に追い詰められた時に使っても間に合いきれない切り札でもある。
意外と切るタイミングが難しいのだ。
名前の元ネタはアトラスが発売したDS用ゲーム「超執刀 カドゥケウス」から。
開発時期が比較的近かったからか、初期の世界樹にはキタザキ先生やツキモリ先生が居たりとこのゲームのネタがちらほらあったりする。
- フォースブースト【集中治療】
- 医療スキルの回復効果上昇。TP半減。行動速度上昇。
新2とXでは同じ効果のようだが細かい仕様が違う。
新2ではとくに上述のバイタルヒットとオーバーヒールとの組み合わせで真価を発揮するフォースブースト。治療=攻撃だ。
Xでは行動速度上昇が全てに適用されることを悪用し、サブクラスのガンナーのチャージショットをノーリスクでぶっ放したり希少種を追い抜いてトドメを刺したりする。治療ってなんだ。
なおXではなぜかTP回復消費アイテムの効果まで1.75倍されるため、これがかなり効く。
Xは長期戦になりやすいため、TP回復アイテムの効果を引き上げられるこのフォースブーストの存在はメディックの存在感を大きくしている。
とくに序盤ではメディックの火力が低いために長期戦になりやすいのだが、そのツケをメディック自身が貴重なハマオやアムリタの効果を引き上げることで払えるのでお釣りが来るくらい。
追記、修正お願いします。
[#include(name=テンプレ2)]
この項目が面白かったなら……\ポチッと/
#vote3(time=600,4)
[#include(name=テンプレ3)]
▷ コメント欄
- ヒーラーであるためどのシリーズでも一定以上の活躍はしてくれる。
特にIとIIでは裏ボス攻略でお世話になった人も多いのではないだろうか。 -- 名無しさん (2013-12-03 06:39:56) - 4のメディックはバランスのいい能力であり、サブクラスは何にしてもそこそこできる。バランスよくパーティを組むなら、いると便利だと思う -- 名無しさん (2017-07-20 20:16:37)
- 新1~Xまでのメディックの紹介を書いてみました。 -- 名無しのボウケンシャ (2019-10-02 21:54:53)
#comment
コメント
最新を表示する
NG表示方式
NGID一覧