さよならイカロス(ウルトラマンR/B)

ページ名:さよならイカロス(ウルトラマンR_B)

登録日:2021/06/25 (金) 02:33:32
更新日:2026/02/25 Wed 21:25:33NEW!
所要時間:約 10 分で読めます



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※推奨BGM:「戦い 優勢」



手作りの機械で空を飛ぼうとする、二宮ユウハ。
あだ名は『イカロス』。


彼女の夢の為にも、お前の風を見せてやるんだ、イサミ。


ああ。新たなクリスタルよ、俺たちに力を!



次回 ウルトラマンRB



さよならイカロス



俺色に染め上げろ!ルーブ!!




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※推奨BGM:「ウルトラマンロッソ フレイム」



カツミ「えっと、先週の話だっけ?」


イサミ「新たな三つのクリスタルを手に入れたじゃん、カツ兄の恩師の監督さんから!」


カツミ「そう、熊城監督の家に伝わっていたルーブクリスタル! ウルトラマンが監督のご先祖様の夢枕に立ったのか……」


イサミ「えっ? じゃ俺たちが変身してるウルトラマンは、俺たちが変身する前誰だったのさ?」


カツミ「あっ……そっか。そうだよな!」


イサミ「まあ俺たち的には、新しい必殺技をゲットで『ラッキー♪』でいいじゃん。他のクリスタルも使ってみてえ~!」


カツミ「どう考えればいいのか……」



「さよならイカロス」とは、『ウルトラマンR/B』第5話のタイトル。
初回放送日は2018年8月4日、脚本は「乙一」こと安達寛高、監督は田口清隆


ホラー・ミステリー作家としての面が強い乙一氏だが、『失踪HOLIDAY』『きみにしか聞こえない CALLING YOU』『失はれた物語』といった、どこか奇妙で切ない抒情的な話も得意としている。*1
「中田永一」名義の青春・恋愛小説から、乙一氏を知った人もいるではないであろうか。


今回は前作『ジード』では諸事情で描けなかったオムニバス形式のエピソードであり、
湊兄弟の兄・カツミではなく、弟のイサミの視点とモノローグで描かれる珍しい話でもある。




【あらすじ】


彼女のことを知ったのは、入学して間もない頃だ。


二宮にのみやユウハ。


実家は地方の名家で、いわゆるお嬢様の変わり者。


手作りの機械で空を飛ぼうとする、あだ名は――『イカロス』。



湊イサミが通う大学で偶然見た、『イカロス』と呼ばれる女子大生・二宮ユウハ。
ある日、ユウハの研究室に上がり込んだイサミは、彼女が『人工筋肉と外骨格の応用』をテーマに飛行支援型人工翼を開発しているのを知る。


最初はユウハを『イタい奴』と思ってたイサミも、ウルトラマンのように空を飛びたいと願う彼女の熱意に共感。
宇宙考古学を研究する身でありながらもイサミはしぶしぶ彼女の『助手』となり、研究に協力することになる。


どうしてみんなみたいに私を笑わないんです?


う~ん……頑張ってるから? 嫌いじゃねえかな、それ。


【登場人物】
湊イサミウルトラマンブル
今回の主人公的存在にして語り部。
偶然『イカロス』ことユウハの研究室で彼女が研究している人工翼を見たことが縁の始まり。
偶然手にしたスクラップは20万ほどかかる特注パーツだったため、うっかり壊してしまったことから強制的に助手を務めることになった。
やがて、彼女の真実を知ったイサミは彼女の力になろうとその研究に尽力するようになる。



二宮ユウハ(演:須藤叶希)
今回のゲストヒロイン。
鳥のように空を飛ぶことを夢見る変わり者。
彼女の研究室は航空力学・ドローンの本だけでなく「墜落の歴史」と称したスクラップが箱に収められている。
また、天井にはカイトやら木製の飛行機や開かれた傘など、空にまつわる複数の模型がぶら下がっている。
同期からは太陽に近づきすぎて蝋の羽根が燃えて墜ち果てた者にちなんで『イカロス』という縁起でもないあだ名をつけたが、ユウハ本人は「自分の翼を信じている」とさほど気にしてはいない。


しかし、「良家の子女が通う所ではない」と実家の意向で近いうちに大学を中退し、見知らぬ海外の富豪と結婚することを強要されている。



湊カツミウルトラマンロッソ
前回は暑苦しい面を見せた湊兄弟の長兄も、今回は語り部役をイサミに譲る。
笛鳴山の飛行実験に失敗したユウハを気遣い、彼女の無謀な研究をやめさせようとイサミに提案するが、結局二人の熱意に負けて見守る側になる。



湊アサヒ
カツミと共に笛鳴山に来訪。
複数の亀裂から生じる風を見て無邪気そうに振舞う。
そんな彼女も愛染が仕込んだクッキー型盗聴器を間違えて食べてしまうが、当のアサヒはイサミの悪戯かと思っていた模様。



湊ウシオ
ユウハの身を案じるカツミと彼女の努力を嫌いになれないイサミの空気を読まず新たなシャツを見せびらかす。
今回、彼が作ったTシャツの柄は「親知らず」。
『親の心子知らず』……というニュアンスがこもっているかどうかは不明。



愛染マコト
湊親子の漫才する前に偶然上がり込んできた珍客。
ウシオのセンスを評価するものの「私は買わないと思いますが」とバッサリ切り捨てる一方で、ディスプレイ用の風来坊風の黒ジャケットを見て即小切手で購入する。
あまりの高額に驚く湊一家の隙をつきクッキー型の盗聴器を仕込んでいく食えない面も見せた。
15年前と変わらないクワトロMの風景に感嘆し、行方不明のミオを知っている素振りを見せるが……?
クッキーにはコーヒーより紅茶派な模様。



【笛鳴山】

ユウハとイサミが人工翼の実験地に選んだ山。
ウルトラマンと怪獣が戦った影響で地面に亀裂が生まれ、そこから草木が舞い上がるほどの風が吹き起っているらしい。
雑草を引き抜き風向きと強さを確認したユウハは、「その風に乗れば、目標飛行距離10キロを超えるでしょう」と推測。
早速飛行実験に乗り出すが失敗に終わってしまう。


山を後にする際、イサミは自身の所持するルーブクリスタルが共鳴反応を目にする。
そしてこれらと同じバイブス波を検知し、1300年前に第三のクリスタルが山中に埋まってそこから風を巻き起こしているのではないか、と分析する。




【登場怪獣】



出でよ!グエバッサー!


\グエバッサー!/


アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ、アン・ドゥ・トロワ!



グエバッサー


データ

別名:猛禽怪獣
身長・体重:マガバッサーと同じ
SA:石川真之介


クッキー型盗聴器をアサヒに壊される直前で新たなクリスタルの所在地を知った愛染が、
それを探すためにアイゼンテック社屋上でAZジャイロで「嵐」の怪獣クリスタルから召喚した、白い怪鳥型怪獣。


姿形は前々作『ウルトラマンオーブ』第1話に登場した風ノ魔王獣 マガバッサーと全く同じ。
ただし、青を基調としていたあちらと違い、羽毛は白を基調としている。
他にも、翼と角の端が赤で縁取られている上に嘴も黒く、全体的に「トキ」を彷彿とさせる。
名前の通り「グエーッ」とも聞こえる鳴き声を上げる。


流石にマガバッサー程の驚異的な戦闘能力は持っていないものの、マガ衝撃波に似た「バサバッサー」は最大風速90mにもなる暴風。
ひと羽ばたきだけで高層ビルを吹き飛ばすそれは、ウルトラマンのパワーを持ってしても前身すらままならないレベルで強力な技である。
また、両翼から羽をミサイルの様に飛ばすことも可能。








↓以下、本編のネタバレを含みます












徹夜で翼の修理が行われた。



俺は強度の計算をやり直す。



『折れない翼を』――が、合言葉だ。



そして……俺たちの翼は完成した。




【もっと高く! Take me Higher】

いずれ鳥籠に閉じ込められた鳥のように不自由な身となるであろうユウハ。
彼女の真実を知ったイサミは、綾香市を去る際に悔いが残らぬよう人工翼の調整に力を入れていく。


そして、再飛行の日。
笛鳴山でカツミとアサヒが見守る中、再び飛行に挑む前に二人は互いの本心を打ち明けていく。



今回は、絶対飛べるよ。


……イサミさん。


なに?


綾香市ほど、素敵な街を私は存じません。来てよかった。


俺な……二宮のこと、尊敬してる。


……私を? 理由をお聞きしてもよろしいかしら。


ほとんどの奴らは、『夢』を持ってても『挑戦』しようとはしねえ。
でも、お前はそうじゃねえ。
俺は……二宮から勇気をもらってる。


二人乗りの飛行機を作ればよかったですね。
一緒に空を飛んでみたかった。


……そうだなあ。



しかし、そこへ巨大生物出現のニュースが発生。
アサヒにユウハを任せ、機材を持ってから後で行くと避難させたイサミはカツミと共にウルトラマンに変身する。



ロッソフレイムとブルアクアはアサヒとユウハを守るように白い怪獣の行く手を阻む。
その場を去る二人を見て安心したブルは白い怪獣に立ち向かうが、巨大な羽に攻撃をはじかれてしまう。
ロッソは指先からフレイムダーツを放ちブルを援護、複数の羽を飛ばし迎え撃つ白い怪獣。
同時攻撃を繰り出し間合いを取るロッソとブルだが、白い怪獣は幾度も翼をはためかせ嵐を巻き起こす。
蝶のように舞い、泣きっ面に蜂!


嵐は次第に強さを増していき、ユウハをも巻き込んでしまう。
それでもユウハはチャンスを逃すまいと人工翼をはためかせ、懸命に羽ばたこうとしていた――そう、さながらイカロスのように。



俺たちの翼は簡単に折れない……そうだな、二宮!


カツ兄! 風のクリスタルを使おう!


風には風をか……
でもクリスタルは地面の中だろ!?


この間の水に火をぶつけるヤツで!!


水蒸気爆発か……よしっ!!
}



ユウハの姿に答えるかの如く、突風に耐えながらブルアクアはアクアジェットブラストを放つ。
目標は以前見た笛鳴山の亀裂だ。そこへ立て続けにロッソフレイムが一球入魂と言わんばかりにストライクスフィアをヒットさせる!
巻き起こる水蒸気爆発。そこへ紫色の輝きがブルアクアの手元に宿り……風のクリスタルへと変わる。



セレクト! クリスタル!



\ウルトラマンティガ!/



【風】



まとうは風! 紫電の疾風!




ウルトラマンブル!


ウ イ ン ド !!



第三のクリスタルを手にしたイサミはその力でブルウインドにクリスタルチェンジ!
白い怪獣の突風を物ともせず飛び掛かり、ルーブスラッガーブルで立ち向かう。
「私は買わないと思いますが」風のクリスタル~!!また先に使われた~!!}}


嘴と爪、さらに無数の羽に怯みながらも、ロッソフレイムの援護に助けられる。
そんな二人の巨人をあざ笑うかの如く、白い怪獣は上空を時計回りに旋回。巻き起こる竜巻で飲み込んでいく。
嵐に次ぐ嵐の猛攻の中、竜巻の中でも懸命に人工翼を羽ばたかせるユウハを見たイサミは、初めて笛鳴山で見た風の様子を思い出す。
嵐には嵐を……ブルウインドはルーブスラッガーブルに紫の閃光を宿し、逆時計回りの方向で高速回転。竜巻の中で巻き起こる紫の瞬く間に嵐は消滅した!



消えた……!


逆回転の竜巻だ。力は打ち消し合う!


この機会を逃すまいとカツミはロッソアクアにクリスタルチェンジ。ルーブスラッガーロッソにゼロクリスタルをセットし、ゼロツインスライサーを繰り出す。
ブルウインドもまた、閃光の嵐・ストームシューティングを放ち、白い怪獣にとどめを刺した!




やがて嵐が終わり……綾香市に再び青空が広がっていく。
ほどなくして人々は、空に翼を広げた女性に目を奪われた。
まっさらに、どこまでも広がる青空を飛ぶ『イカロス』と呼ばれた乙女。
そこへ紫色の巨人が寄り添うように飛んでいき、乙女に目をやる。



――ごきげんよう!



自身を見た紫の巨人を恐れずに、乙女は満円の笑みで応えて共に空の旅を堪能していった。




彼女は風に乗り、長い時間飛んでいた。


それから少しして、彼女は大学を辞めた。


家の都合で、海外に留学するためだ。


綾香市を去る際、彼女は笑顔だった。



【余談】

  • Youtubeの円谷チャンネルで配信されている監督コメントによると、第5話はイサミの話にしようと決めていたようで、イサミが現役の大学生だという設定を活かし、「イサミの大学生活」を重視した回となっている。
    ユウハのあだ名は田口監督が好きだった「みんなのうた」の「勇気一つを友にして」がイカロスの歌だったことから名付けており、そこからイサミがどういう関係を築くか?という流れになっている。

  • 今回のゲストキャラである二宮ユウハ役の須藤叶希氏はアサヒのオーディションを受けている。
    田口監督も審査員として出席していたが、須藤氏の素がお嬢様喋りをこなせるキャラだったため、「ユウハをやれるのはこの子しかいない!」と抜擢した。
    そして、本編の撮影前にイサミとユウハの交流シーンを数時間かけてリハーサル。二人の関係性をスタッフ一同が納得できるまで撮影している。
    そんなユウハは後に劇場版『セレクト!絆のクリスタル』にて再登場することになる。

  • 今回の怪獣であるグエバッサーの描写は、激しい嵐を巻き起こすだけでなく周囲が暗転するようなものになっており、オリジナルのマガバッサーよりも恐ろしくなっている。これは撮影した田口監督が意図しないうちにそうなったとのこと。
    また、火や水に比べると風は非常に視覚化しづらく、現場的にも長時間吹かし続けるのが大変な模様。
    さらに、今回登場のブルウインドが風属性なため、「いかに風を切って飛んでいくか」「ワンカットでどこまでいくか」「オーブ第1話のマガバッサー戦をいかにして超えるか」をハードルにしている。
    特に、ブルウインドとグエバッサーの戦闘シーンは田口監督お得意のワンカットでブルウインドから主観に移り、グエバッサーの猛攻が見ているだけで「痛そう」な雰囲気が伝わっている。現場でも丁寧に素材を集め、納得するまで追い込んだと称しただけのことはある。



俺たちの追記・修正は簡単に折れない……そうだな、二宮!}



[#include(name=テンプレ3)]












『グエバッサーのクリスタルを回収し、帰還しました~!』


ありがとう。愛してる!


『ミートゥー♪』




ブルウインド=イサミとユウハがランデブー飛行をする一方で、サイズに見合わぬ風来坊風のジャケットを強引に着込んだ愛染の元に小型ドローン・ダーリンが舞い降りる。


ダーリンは、白い怪獣を呼び出したクリスタルを愛染に届ける。


「岩」のレッドキング。
「嵐」のグエバッサー。
「炎」「氷」の名が記されたクリスタル。
そして中央にはめ込まれた、歪な縁が施された「剣」のクリスタル。


中央部のクリスタルを手にした愛染は、音程のずれた口笛を吹きながらクリスタルを磨いていく。
これらはやがて、漆黒の巨人の力の一端となり湊兄弟の前に立ちはだかることになる……。



  • 脚本や特撮が注目される回だけど、シチュエーションそのものがR/Bで求めていたものだから好き。こういう路線で積み重ねてほしかった。 -- 名無しさん (2021-06-25 04:50:41)
  • ティガの力を宿す形態の初陣が鳥怪獣なのがまた… -- 名無しさん (2021-06-25 08:47:16)
  • あんなに奇をてらった盗聴器の仕掛け方する人初めて見たよ -- 名無しさん (2021-06-25 09:13:22)
  • 最近作成されたページのすぐ上がポケモンの項目だったのでさよならカイロスって見間違えた -- 名無しさん (2021-06-25 10:32:00)
  • ↑仲間がいた -- 名無しさん (2021-06-25 21:52:03)
  • 二宮ユウハさんは劇場版で再登場した唯一の本編ゲスト。 -- 名無しさん (2021-06-26 00:52:26)
  • ルーブにはしっちゃかめっちゃかな話(いい意味でね)が多いので、こういう切ない青春活劇的内容はすごい珍しい。 -- 名無しさん (2022-01-18 12:48:28)

#comment

*1 これらの切ない話を手がけている時は「白乙一」、その一方で残酷で淡々としたホラー・ミステリーを手がける際は「黒乙一」と称されることもある。

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