ジム・スパルタン

ページ名:ジムスパルタン

登録日:2023/09/15 Fri 16:59:24
更新日:2026/05/30 Sat 11:22:28NEW!
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他の2人の無事を確かめたグレイの瞳はジャングルを焼き尽くす友軍のナパームの炎が映っていた。


「せっかく増えた森とオランウータンを」


視線をずらすと、旧世紀のプロペラ機らしき残骸が目にとまる。ゼロ・ファイターだ。


「それより、眼前の敵を撃てってか?」


彼にとって、真の敵はジオンなのだろうか。




ジム・スパルタンとは、ガンダムシリーズに登場する機動兵器モビルスーツ(MS)の一種である。





【性能諸元】

型式番号RGM-79S
所属地球連邦軍
カラバ
全高18.0m
重量43.6t
全備重量61.7t
装甲材質チタン・セラミック複合材
出力1,250kW
推力67,800kg
武装ミニガン
ハンドガン
WAMM(有線式対MSミサイル) ×2基
ハンドグレネード ×3発
ヒートナイフ
ビームサーベル ×2
ミノフスキー粒子散布ポッド
スモークディスチャージャー
カモフラージュジャケット
シールド
主なパイロットグレイ大尉
レナート・ジェルミ中尉
地球連邦軍一般兵
カラバ一般兵

RGM-79Sは、RGM-79SPジム・スナイパーIIの陸戦転用型であり、熱帯・湿地帯での運用を前提に脚部シーリング強化、胸部二重装甲化、赤外線遮断シートなどの特殊装備を追加した隠密特化型ジムである。
推力・出力は同時期のジム系としては高水準で、重装甲化による機動性低下を補うためにジェネレーター強化が行われている。


【機体解説】

RGM-79Sジム・スパルタンは、地球連邦軍が一年戦争後に直面した
「熱帯地域における長期的な治安維持・ゲリラ掃討」
という新たな軍事課題に対応するために開発された機体である。


一年戦争末期、連邦軍はアジア・南米を中心とした熱帯雨林地帯で、
ジオン残党軍によるゲリラ戦に悩まされていた。
これらの地域は高温多湿で、MSの故障率が極めて高く、
従来のジム系では十分な運用が困難であった。


特に問題となったのは以下の点である:
湿地帯での脚部ユニットの浸水・泥詰まり
高湿度によるセンサー系の誤作動
ジャングルによる視界不良と索敵困難
ゲリラ戦における奇襲・待ち伏せの多発
これらの問題を解決するため、連邦軍は
「ジャングル戦に特化した“隠密陸戦MS”」
の必要性を認識し、既存のジム・スナイパーIIの設計を流用して
開発期間を短縮する形でスパルタンを生み出した。


ジム・スパルタンは、ジム・スナイパーIIの“ゲリラ戦思想”を継承しつつ、ジャングル戦に特化した装備を追加した派生機である。
特に赤外線遮断シート、有線式ミサイル、湿地帯対応脚部などはスパルタン独自の装備であり、同時期のジム系では唯一の“ステルス陸戦MS”として位置づけられる。
また、頭部モノアイ可動範囲はザクIIに匹敵し、視界性能は連邦系MSとしては異例の広さを持つ。
ジム・コマンドをベースに開発された局地戦用MS。
亜熱帯地域の密林における陸戦を主眼とした機体である。
同じG型ジム系列のジム・スナイパーⅡはほぼ同時期に開発が進められていた影響から本機に設計の一部が流用されており、実質的な兄弟機に当たる。


湿地帯やジャングル等など障害の多い地域での戦闘を想定している為に近接戦闘に重点を置き、武装は実弾やナイフといった取り回しが良く環境に左右され難い実体系が中心、更にカモフラージュジャケットやミノフスキー粒子散布ポッドなどの隠密装備といった重装備でガチガチに固めた、さながらコマンド部隊のような様相を呈しているのが特徴。
装甲は木々の生い茂る密林での戦闘を考慮して上半身を中心に重装甲化、下半身も爆発反応装甲を備えるなど陸戦用ジムジム・ストライカー等の地上戦用ジムの特徴も併せ持っている。ちなみにソール部のみ陸戦用ジムからの流用。
当然だが重装甲・重装備ともなれば機動性は自ずと低下してしまうので、ジェネレーター出力と推力を強化することで対応した。



ジャブローの熱帯雨林で試験運用された後は多くがアジア方面に配備され、高い戦果を挙げたとされる。
この他、北米でも反抗作戦に投入された特殊部隊に配備され、中でも腕は一流でも性格に問題のあるパイロットばかりを集めた「ブラックドッグ隊」は高い戦果を挙げつつも悪逆非道な戦い方で敵味方から恐れられた。



その評価の高さから一年戦争後もスナⅡの生産ラインを流用する形で10機程度が生産され、グリプス戦役時にはカラバのMS隊に本機の姿も確認されているなど、それ程生産数は多くないながらも長く愛用されたようだ。




【装備】

  • ミニガン

アサルトカービン型の実弾装備。
「ミニガン」とは本来アメリカ軍が開発したガトリング砲の代名詞的存在であるM134機関銃*1の事だが、その名の通り銃口が3本の銃身を束ねたガトリングとなっていて高い速射性を持つ。
予備マガジンはリアアーマーに2つとミニガンに1つ懸架しておく事が可能。
ジャングル戦では湿度・泥・砂によるジャムが発生しやすいため、実弾兵器の中でも信頼性の高いガトリング方式が採用されたとされる。


HGUC版ではオリジナルギミックとして後部側面にマガジンアームが追加されており、撃ち切ると自動で予備マガジンを装填してくれる。



  • ハンドガン

ミニガンの下部に横向きにマウントされている拳銃。
グリップにロングマガジンが装填されており、これ自体がミニガンのフォアグリップとして機能する。
スパルタンは近接戦闘を重視しており、ハンドガンは静音性の高い近距離射撃としてゲリラ戦で重宝された。


  • コンバットナイフ / パルスナイフ / ヒートナイフ

バックパック左側面にマウントされている近接戦闘用のナイフ。
MS用の実体剣にしては珍しく鞘に収まっている。
ジャングル戦ではビーム兵器の熱が周囲の植生を焼き払い位置を露呈するため、実体刃の需要が高かった。スパルタンのナイフは静かに仕留めるための装備として重要視されていた。


媒体によって名前も設定も異なり、初出となるB-CLUBのレジンキャストキットではコンバットナイフ(特に設定なし)、『マスターアーカイブ』ではパルスナイフ*2、『Code Fairy』ではヒートナイフとなっている。
パルスナイフはヤシマ重工製で刀身を超音波振動させる事で切断力を増すとされるが、ヒートナイフはジオン軍のそれと同様のヒート兵器とされる。
ちなみにガンプラではヒートナイフ扱い。



  • WAMM(有線式対MSミサイル)

リジーナ重誘導弾やミサイルエレカなどと同様の対MS用の有線式ミサイル。
有線誘導はミノフスキー粒子下でも命中精度を維持できるため、ジャングルの遮蔽物越しに敵MSを狙撃する用途で極めて有効だった。
射程3kmは同時期の連邦製MS兵器としては異例の長射程である。
右肩部に2発搭載され、ワイヤーによる有線誘導で対象を追尾する事が出来るが、命中するまで自分も動けないという欠点も抱えている。
その為か、『マスターアーカイブ』では「戦術的価値を見出せない」とか「MSに搭載されたという記録は見つからなかった」とか存在を否定されているが、『Code Fairy』に登場したブラックドッグ隊機は普通に装備しているのでやはり実在していたようだ。



『マスターアーカイブ』で新たに設定された装備で、本機では貴重なビーム兵器。
マウントラックを介して肩部または両前腕部のラッチに装備される。
ジム・スナイパーカスタムのボックスタイプビームサーベルの様に腕部に装着したままでも使用することが可能。
スパルタンのビームサーベルは発熱量を抑えた低出力型とされ、ジャングルでの延焼リスクを軽減するための仕様とされる。


  • ハンドグレネード

手投げ式の手榴弾。右サイドスカートに3発装備。
ジャングル戦では視界が悪いため、敵の足止め・威嚇・退路封鎖に多用された。


  • ミノフスキー粒子散布ポッド

バックパック中央に装備されているミノフスキー粒子散布装置。
母艦でチャージしたミノフスキー粒子を戦域に散布するというものだが、あくまで簡易的なものとされており有効範囲は半径1km程度。
スパルタンは単独で戦場の電子戦環境を作り出せる数少ないジム系であり、これにより敵の索敵網を乱し、隠密行動をさらに強化していた。


  • スモークディスチャージャー

頭部左側面に装備された発煙弾発射装置。
福地版では2発、瀧川版では3発とデザイナーによって装備数に微妙な違いがある。
赤外線遮断シートと併用することで、スパルタンは完全に姿を消すことが可能となり、ジオン軍からニンジャと恐れられた。


  • カモフラージュジャケット

偽装用の赤外線遮蔽シート。
素材はジャック・ハンマーでも噛み切れないことで知られる(?)アラミド繊維で、肩部のマルチラックに装備して機体全周をカバーする事が可能とされる。
赤外線遮断+迷彩処理により、ジャングルでは肉眼でも発見困難となる。
スパルタンの隠密性を象徴する装備であり、ジオン軍偵察隊が次々と行方不明になった原因の一つとされる。


  • シールド

肩部吊下式の小型シールド。
他のシールドの部材を転用しており、左肩部に固定して扱う。
肩部固定式は両手を自由に使えるため、ナイフ戦・ミニガン戦において有利だった。
普通の手持ち式シールドも装備可能だが、接近戦ではデッドウェイトとなるのであまり装備しなかったとされる。



その他、地球連邦軍製の装備は概ね使用可能。



ブラックドッグ隊の装備

  • 90mmブルパップ・マシンガン

通称ジム・マシンガン。ヤシマ重工製100mmマシンガンと並ぶオーソドックスな連邦軍MS用火器。



  • ハンドビームガン

携行性に優れた折り畳み式小型ビームガンを2挺装備。リアスカートにマウント可能。
本来はジム・スナイパーカスタムのサイドアーム。



  • ショートビームライフル

速射性を重視した短銃身型のビームライフル
ジーライン(スタンダード)用に開発された物だが、未完成の本家に先んじてレナート中尉専用機に配備された。



他にもビームライフル(陸ガン用)、ハイパーバズーカなど多彩な武装を使用している。




【バリエーション】

ブラックドッグ隊仕様

北米方面軍所属の特殊部隊ブラックドッグ隊が使用した機体。
カラーリングがダークグレーに変更されており、多少ながらステルス性能を持つが、それ以外の点は一般仕様と同一。
ブラックドッグ隊仕様は、スパルタンの隠密戦思想をさらに強化した特殊部隊向けカスタムであり、北米戦線での対ゲリラ戦・対MS戦で高い戦果を挙げた。


ジム・スパルタン(RG)

ブラックドッグ隊隊長レナート・ジェルミ中尉の専用機。「RG」は「Renato Gerumi」の意味。
外見は概ねブラックドッグ隊仕様と同じだが、頭部がV字アンテナとデュアルセンサーのガンダムっぽいものに変更されている。
……が、デュアルセンサー両端の上下に切れ込みが入っており、レナートの残虐さを表すかの様な悪人面となっているのが特徴。
この為か、見た目はガンダムでもジムとしか扱われていない。言わばガンダムもどき


白兵戦に重点を置いて運動性の向上が図られており、装備もジム・マシンガンとハンドビームガン2挺と腕部の2連装ビームサーベルの軽装備。
途中からは新兵器のショートビームライフルを装備して火力の底上げを図った。




【主な活躍】

初出は1989年に雑誌『模型情報』に連載されたメカニックデザイン企画『F.M.S.(福地モビルスーツステーション)』第2回。
U.C.0079年12月2日にボルネオ島での戦闘が描かれ、第17機甲海兵師団第2特務小隊の隊長グレイ大尉の乗機として登場。
ボルネオ島での戦闘は、スパルタンのステルスMSとしての完成度を証明した戦いであり、ジオン軍偵察部隊が次々と姿を消したことから、現地ではジャングルの亡霊と呼ばれたという記録も残る。
グフ・ハンター率いるジオン軍MS小隊と交戦してこれを撃破するが、目の前で焼き払われていく豊かな自然を前に勝利を収めたはずのグレイ大尉の胸中は複雑であった……


というイラストストーリーが描かれたのみで、この時は詳細な設定はおろか下半身のデザインすらも詳細不明であった。



それから月日は流れて『F.M.S.』は忘れ去られ、スパルタンも歴史の闇に消えようとしていたが、2015年、26年の時を経て書籍『マスターアーカイブ モビルスーツ RGM-79 ジム Vol.2』にF.M.S.登場MSの中では唯一掲載され、新たに全身のデザインや設定が明らかとなった。
なんなら僚機ジム・スカウトの掘り下げもはよ


そして2021年、ゲーム機動戦士ガンダム バトルオペレーション Code Fairy』にて久々の登場。
本作では特殊部隊「ブラックドッグ隊」の下にて、悪役としてノイジー・フェアリー隊の前に立ち塞がる。




ガンプラ

2022年9月にプレミアムバンダイ限定通販でHGUC化。初出から実に33年の時を超えてまさかのガンプラ化である。
デザインはマスターアーカイブ準拠の瀧川デザイン版だが、ミニガンやWAMMなど装備はF.M.S.の物も含まれている。
一部関節などにジム・スナイパーⅡのパーツが使われているが、大部分が新規造形。
可動・色分け共に良好。
HGUC版はスパルタンのジャングル戦特化という設定を忠実に再現しており、赤外線遮断シートやWAMMなど、スパルタン独自装備が多数付属する点が高く評価されている。



【余談】

  • 元デザインは福地仁氏によるもの。
    その後マスターアーカイブに掲載された際に瀧川虚至氏によってリデザインされ、以降はそちらが使われるようになった。

  • スパルタンのデザインはリアルミリタリー系ジムの代表格として再評価されており、ジム系の中でも異色の特殊部隊MSとして人気が高い。

  • 設定が固められたのが遅かった為か、型番の「RGM-79S」が指揮官用ジムと被ってしまっている。
    但し、指揮官用ジムが一般機とは違う独自仕様*3なのはゲーム『ギレンの野望』シリーズのみなのであちらはより怪しい立場なのだが。

  • 地味な点だが、スパルタンが瀧川版デザインでプラモ化したことで陸戦用ジムもソールだけプラモ化を果たしている。
    一応、これまでも武器だけは立体化していたが……

  • 「スパルタン」「メインカラーが緑」「リアルミリタリー系デザイン」ということから、本機はしばしば『HALO』シリーズのマスターチーフに似ている、としばしば評されるが、世に出たのはこちらの方が先である。

  • 『F.M.S.』にはこの他にも数々のMSが登場したが、やはり設定どころか全身図さえわからない機体ばかりである。




追記・修正は、ジャングルの中で戦ってきてからお願いします。



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  • 知る人ぞ知るマイナー機だったのが一気に知名度上がって遂にはキット化した凄いやつだ -- 名無しさん (2023-09-16 01:00:37)

#comment(striction)

*1 20mm機関砲M61バルカンを7.62mmにスケールダウンした為にミニガンの愛称が付けられた。
*2 あくまで俗称で正式名称ではないとのこと
*3 サーベル2本差しの指揮官機は正史にもいるが、ダブルサーベルに加えてアンテナ・装甲も追加されていて型番まで違うのはギレンの野望版オリジナル

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