上海魚人伝説殺人事件(金田一少年の事件簿)

ページ名:上海魚人伝説殺人事件_金田一少年の事件簿_

登録日:2011/05/24(火) 15:00:57
更新日:2024/02/13 Tue 22:58:53NEW!
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君が最後に殺そうとした『冬』は――。



上海魚人伝説殺人事件は、金田一少年の事件簿での事件の1つであり、かつて金田一少年が解決した事件のうちの一件。ノベルズに収録。
アニメ版での容疑者リストは上の段が左から楊王、麗俐、小龍、志保で下の段が李波児、藤堂、達民、人美、友良となっておりバックは黄緑色。


1997年12月13日にテレビドラマ版(堂本剛版)の完結編として実写映画化(監督はドラマ版と同じ堤幸彦)。
テレビアニメでは第90話~第93話として1999年5月24日~6月21日にかけて放送された。


登場する怪人は「魚人」。






以下、ネタバレにご注意下さい。






【事件の始まり】


美雪の元に、上海のとある雑技団に所属しているペンフレンドの少女、麗俐から手紙が届いた。
内容は、「何者かによって父が殺害された。その疑いが兄にかけられてしまった。事件を解決して、兄の無実を晴らして欲しい。」という物だった。
早速美雪は金田一に相談し、共に中国の上海に向かった。
異国の地を舞台に、金田一の謎解きが、今、始まる…!



【事件関係者達】

  • 楊 麗俐(ヤン・レイリー)

CV:湯屋敦子/演:水川あさみ
雑技団員。17歳のポニテ少女。美雪のペンフレンド。たどたどしいながら日本語も喋れる。
父、楊王の死体を最初に発見する。
美雪から一の評判を聞いていたらしく、兄の小龍にかかってしまった父の殺害容疑を晴らしてもらおうと依頼してくる。
アニメ版のみ、一を下の名前で呼ぶ。
なお、中の人は名探偵コナン佐藤刑事の人。
外の人は後の一役の堂本剛の相棒である。


CV:植村喜八郎/演:陳子強
麗俐の義兄であり、楊王の息子。金田一たちよりちょっと年上の青年。
義妹である麗俐に対して密かに恋愛感情を抱いている。
前々から父との諍いが絶えず、また団員で唯一父親の死亡推定時刻のアリバイがなかった事から、上海公安部から目をつけられている。
父親を堕落させた藤堂を憎むあまり、日本人全体に対して敵意を持っている。
そのため喋れるにも拘らず当初は日本語で話そうとしなかった。
事件中、ショーの最中に起こった唐人美殺害の容疑で逮捕されそうになるが、金田一の計らいで逃亡。
彼とは厚い友情を結ぶ。
拳法の達人で、後に殺戮のディープブルー金田一少年の決死行にも登場する。
アニメ版の麗俐同様、一を下の名前で呼ぶ数少ない人物。
因みに中の人は一昔前に一世を風靡した幽幻導師シリーズのチビクロ。
ついでに言うと、アニメ版の中の人が超新星フラッシュマンダイ/グリーンフラッシュ地球戦隊ファイブマン初代艦長シュバリエ


  • 楊 王(ヤン・ワン)、実写映画版では「ヤン・ターレン」

CV:伊藤和晃/演:何子嵐
麗俐の養父、小龍の実父。雑技団団長。気難しいオヤジ。
金田一たちが上海を訪れるよりも前に拳銃で頭部を撃ち抜かれた死体となって自室で発見される。
死体は子守唄に見立てられ水浸しにされ、現場には『春』の文字が残されていた。
アニメ版では金田一達の来訪の翌日に死亡する。
実写映画版では原作同様に水浸しにされた上で呪い唄に見立てられて左耳を削がれ、『春』の仮面をかぶせられていた。


CV:鈴置洋孝/演:修健
上海公安局の刑事。蟷螂拳の達人。
1年前に日本の警視庁に研修に来ており、それが縁で剣持と親しい仲になった。
明智警視とも知り合いらしく、一を強制送還したにも関わらず、推理を披露する為に雑技団に戻ってきた際は強い憤りを感じて彼に連絡を取り抗議しようとしたが、剣持に止められる。
一連の事件の容疑者として小龍を逮捕しようとする。
後に決死行で再登場するが、そちらでは、ドラマ版・アニメ版ともに未登場(前者は舞台が日本に変更されたため、後者はもう1人の李刑事が代役で登場したため)である。
また、後者に関しては、演者の鈴置洋孝氏が亡くなられていることも理由の一つと思われる。


  • 石 達民(スー・タアミン)

CV:松本保典/演:黄以勒
雑技団団員。薄目の青年で、麗俐に思いを寄せている。
頭が薄いのを麗俐からネタにされるが、本人曰く「ヒタイが広いだけ」だという。
アニメ版では剣を飲み込む特技を見せる。
実写映画版ではある理由で魚人の影に怯え、恐慌状態に陥る。


  • 周 友良(チャン・ユーリャン)

CV:中博史/演:顔希賢
雑技団団員。白髪で、何時も笑顔を絶やさない老人。父親が日本人(つまり、混血児)のため、日本語が得意。酔拳の達人でもある。
一連の事件を王美魚(ヨウ・スーラン)の呪いだと考えている。
映画版では日本人を毛嫌いしているのか、はじめと美雪に中国語で「早く日本へ帰れ!!」と怒鳴る描写がある。


  • 幸田裕司(こうだ ゆうじ)

演:橋本さとし
レゲェアーティストっぽい風貌のルポライター。雑技団の裏の顔を調べるべく、事件に介入する。


  • 西村志保(にしむら しほ)

CV:深見梨加/演:佐貫真希子
雑技団団員。日本から来た留学生で、元・体操選手。オリンピックの出場経験もある。


  • 唐 人美(タオ・レンメイ)、映画版では「マルチナ」

CV:山口由里子/演:アダ・マウロ
雑技団団員。年齢は30代前半ぐらいで美人だが厚化粧な女性であり、藤堂の愛人で執念深い。
かつては日本に留学していた体操選手だった。
楊王死亡後のショーの開始直前になって行方をくらますが、魚人遊戯ショーの真っ最中に死体となって水槽の中に落ちてくる。
『夏』の文字は死体の背中に残されていた。
実写映画版では場面切替の為の一瞬の暗転の直後に、突如水槽の中に死体となって出現する。
その死体は舌を引抜かれた上で『夏』の仮面をかぶされていた。
李刑事は暗転中に雷を模した効果音が鳴った瞬間に、軽業が得意な小龍が照明用の足場から死体を落としたと推理するが…
中の人はワンピースのニコ・ロビンの人。


  • 藤堂壮介(とうどう そうすけ)

CV:大竹宏/演:中尾彬
雑技団の相談役で脂ぎった中年男性。
逃亡していた金田一と小龍が雑技団に戻ってきたのとほぼ同時期に射殺される。
死体は子守唄に見立てられ、顔を血染めのバスタブに漬けた(腐った水を飲まされた)状態で『秋』の文字と共に発見される。
実写映画版では右手に蛇の刺青があり、普段は黒手袋で隠している。
唄の見立てにより右目を抉り取られた上で『秋』の仮面をかぶせられていた。
彼が殺害されるシーンはかなり迫力が有って怖い。
演者はネジネジとおしどり夫婦で有名な中尾彬である。


  • 王 美魚(ワン・メイユウ)、映画版では「ヨウ・スーラン」

演:翠玲
かつて雑技団にいた女性。泳ぎが大変上手く、唐人美らに泳ぎを指導して上達させた。
また藤堂は、彼女を見て『魚人遊戯』の演目を考案したという。
水に潜れる時間が非常に長い、アレルギーで水草や川魚しか食べられない、シャワーを浴びた後には生臭い匂いが漂ったり魚の鱗が散らばっていたりしていた、などの『魚人』めいた特徴があった。
それにより周りから段々と敬遠され、遂には団長から雑技団を追放されてしまった。
尊敬していた団長にも裏切られたことに絶望した彼女は、劇場のトイレに『春』『夏』『秋』『冬』の四文字を血で書いた後、
デリンジャーで自身を撃抜き、窓から海に飛び込んで自殺した。
その後の警察の捜索でも彼女の死体と凶器の拳銃は見つからなかったそうだ。
実写映画版では魚人めいた噂はなかったものの、『硫酸が混ぜられた化粧水を肌に塗ってしまい、顔の半分を焼く程の火傷を負う』という原作以上に陰惨な仕打ちを受ける。
化粧水をすり替えた犯人は分からず仕舞いで、彼女は団員達の目の前で「呪いの唄を忘れるな」と言いながら拳銃自殺する。
原作と同様に死体と凶器は見つからなかったようである。
彼女の死後、雑技団には周友良の手により彼女の魂を鎮める『スーラン堂』が作られ、彼女が魚人遊戯で使っていた『春』『夏』『秋』『冬』の仮面が供えられていた。


【レギュラー陣】

毎度お馴染み主人公。
美雪から麗俐の兄の無実を証明してほしいと持ちかけられ、上海に向かう事に。
そしてその先でその小龍と共に、中国公安から逃亡する羽目に。
そして海外での殺人事件に彼が挑むのは原作、アニメ、ドラマ全てで、今回が初めてである。


毎度お馴染みヒロイン。
ペンフレンドである麗俐の手紙で、兄の小龍が殺人容疑をかけられている事を知り、一に事件の解明を相談する。


毎度お馴染みオッサン。
10年前に東京湾のゴミ捨て場で起こったバラバラ殺人事件の捜査で、容疑者として浮かび上がった藤堂壮介を追っていた。
その為、藤堂のいる上海に来ていた所に一たちとばったり出くわす。



【事件関係用語】

  • 呪いの詩

見立ての元となった詩。原作・アニメ版においては古くから上海に存在する子守唄らしい。


春が来ると舟は水に浸り
夏が来ると河は紫に濁り
秋が来ると旅人は腐った水を飲まねばならず
冬が来ると魚は泳ぐのをやめ眠ってしまう


実写映画版ではヨウ・スーランが自殺直前に忘れるなと言った呪いの唄。


体は魚に食べられてしまっても
深い海の底で魂は叫び続ける
春の雷で左耳を削ぎ
夏の炎で舌を引抜き
秋の嵐で右眼を抉り
冬の寒さで肌身を焦がし
劇場を天の炎で焼き尽くし
ようやく死者の恨みは報われる


グロ描写に定評のある堂本版なだけあって唄の内容からして怖い。


  • 魚人遊戯

作中に登場する雑技団の人気演目。
魚人をイメージした衣装を着た団員たちが巨大な水槽の中で舞うように泳ぐ。
藤堂が王美魚が泳ぐ様を見て思いついたらしい。
原作・アニメ版では麗俐、小龍、石達民、唐人美の4人が演じていた。
海の色をイメージしたブルーのスポットライトがこの演目でのみ使われるのが特長。
楊王死亡後のショーでは人美がショーの直前に突如行方をくらませたため、
「3人では中途半端で映えないから」という些細な理由で大トリからトップバッターへと演目の順番が替えられる。
更にそれを勝手に決めた藤堂の横暴さに腹を立てた小龍がボイコットをしたので
最終的には麗俐と達民の2人だけで演じている。
実写映画版では水槽内で泳ぐのは1人だけで他のメンバーは水槽外でダンサーとなって演技をする。
背景となる垂れ幕が場面に合わせて目まぐるしく変化するのが特長。
水槽内で泳ぐ役は当初はヨウ・スーランが、スーランの死後はマルチナが演じていた。
しかし原作と同様に突如マルチナが行方不明になったため
藤堂により密かに練習させられていた麗俐が代理として演じている。






【以下、事件の真相……さらなるネタバレにご注意ください】














アタシは麗俐なんかじゃない!!


アタシはその名前で呼ばれるたびに思い出していたのよっ。10年前の悪夢を!!



  • 楊 麗俐

この事件の犯人「魚人」
実は日本人であり、本名は小林千恵(こばやし ちえ)。
両親は離婚しており、幼い頃は新潟で父・哲治と2人で父子家庭として暮らしていた。
10年前の冬の雪が降っていたある日、父に車で学校に送ってもらう前に寒がりだった彼女は「寒いから車で登校したい」と軽い喧嘩をしてしまい、父を驚かそうと考えて彼が買い物のために車から離れた隙に車のトランクに隠れる(小林家の車はいわゆる「トランクスルー」の形式で、後部座席を動かすと子供の体格ならトランク内に潜り込むことができた)。
しかしそこへ藤堂がやって来て、彼女がトランクに隠れている事を知らず、その車を盗み出してしまう。
異常事態に怯えトランクから出られなくなった彼女は、父の叫び声と車が何かに衝突する音を聞き、そのまま上海へ…。
実写映画版では彼女が車に隠れたのは7年前のクリスマスイブの夜で、隠れたのはクリスマスでも運送業の仕事をしなければならない父をサプライズで祝う為で、そして父に渡すつもりだったプレゼントは藤堂らが荷台に押し込めた父の死体によって、血まみれになって潰されるという原作以上に涙を誘う過去となっている。
上海に渡ったところで、藤堂の協力者である楊王に発見された千恵は、彼の養子となり「麗俐」という名を与えられる。
小学生にしていきなり言葉の通じない異国のど真ん中に放り込まれた千恵は、日本語の話せる楊王の言いなりになるしかなく、楊王に中国語を教わりながら中国人の少女として過ごすこととなった。
事件の1年前、雑技団の公演で日本を訪れた麗俐(千恵)は、これを機に故郷に帰り、そのまま雑技団には戻らないつもりでいた。
しかし自分が盗まれた車と一緒に上海に渡ったあの日、父は車を止めようとして轢き殺されていた。
さらに自分も長年行方不明だった為に、死亡者扱いされており戸籍すら無くなっていた事を知る。
いつか日本に帰って父と再会することを心の支えにしていた彼女は激しい憎しみに駆られ藤堂達に対する復讐計画を練ったものの、無自覚ながらも養父である楊王に対する情が生まれていた為、実行をためらっていたのだが、その楊王が自殺を図ったことをきっかけに計画を実行に移してしまう。
因みに小龍に罪を着せていたのは、あくまで成り行きによるもの。
金田一達を呼んだのも、公安に疑われるであろう小龍を助けてもらう為だった(アニメ版では楊王は金田一達が来訪した翌日に自殺した為、彼女が金田一達を呼んだのは完全に偶然だった)。
逮捕後は日本に帰国した美雪に手紙を送り、遅まきながら養父・楊王に対して、情が芽生えていたことを自覚したことや、実姉・志保や義兄・小龍の為にも罪を償う決意を記していた。


『冬』の文字と遺書を残して麗俐として偽装自殺をし、密かに日本に帰国して戸籍を取り戻す、というのが彼女の最終計画だが、

  • 遺書で真相を全て語ってしまえば、日本に帰った事も当然ばれてしまう
  • かと言って真相を秘密にすれば、「兄をかばう為に無実の罪をかぶって自殺した」と捉えられてしまう
  • 戸籍を取り戻すにしても、上海の事件との関わりを伏せた上で自分の失踪をどう言い訳するのか

などを考えると、その最終計画こそが最も難易度が高いのではないだろうか。


この点から実写映画版では、父親が殺された事件が発生したのは7年前のクリスマスイブの夜に変更され、まだ彼女は死亡者扱いされておらず、戸籍が残っている状態となっていた(震災や風水害等の自然災害や、海難事故や航空機事故等の特別な危難が原因で失踪した場合は、失踪した日から1年経過しても行方不明の場合は死亡者扱いとなるが、それ以外の理由で失踪した場合は、失踪した日から7年経過しても行方不明の場合は死亡者扱いとなる為、彼女が正式に死亡者扱いとなるのは事件を起こした年のクリスマスイブ以降である為、事件発生時(夏)はまだ彼女の戸籍は残っている状態だった)。


  • 楊王(ヤン・ターレン)

本来は心優しい人物であったが貧しい村を救う為に、裏で藤堂と手を組んで盗難車(実写映画版では家電製品や宝石等)の密輸に加担する事で財を成していた。
車のトランクに居た千恵を発見し、藤堂が彼女の素性を知れば口封じで殺してしまうだろうと考え、「知り合いの記憶喪失の娘」と説明し、彼女に「麗俐」の名を与えて自分の養女として育てた。
だが麗俐が成長してからは大病を患ったこともあって激しい葛藤と罪悪感を抑え切れなくなり、ついには自殺してしまう。
しかしその遺体は偶然見つけた娘によって偽造殺人に利用されてしまう…。
藤堂と付き合いを持つ自分を小龍が軽蔑しているという事にも心を痛めており、実写映画版ではせめてもの贖罪のつもりで密輸の証拠と、哲治死亡を報じる新聞記事を小龍にだけ分かる場所に隠していた。
またショーの最中に死ぬ事で、団員に疑いの目がいかないようにしようともしていた。
しかし彼の死によって偶然にも唯一アリバイのなかった息子は殺人犯として追われ、娘は復讐を思い留まる理由を失い殺人計画を実行に移してしまうという最悪の展開を招いてしまう。
彼の死はただひたすら間が悪かったとしか言いようがないが、アニメ版に限ればわざわざ娘の友人が来訪した翌日に自殺したのは配慮が足りなかったと言える。


  • 唐 人美(マルチナ)
  • 藤堂壮介

そんな楊王とは異なり、やっぱりクズだった今回の被害者。
藤堂は雑技団団長という楊王の立場に目をつけ、彼と手を組んで盗難車の密輸を行っていた。
それどころか盗難の折に持ち主であった小林哲治を轢き殺してもいる。
唐人美(マルチナ)はただ秘密を知っていただけに過ぎないが、こっちはこっちで王美魚の追放のために画策していた事が判明。
実写映画版に至っては自分の手を汚さずに石達民を利用してヨウ・スーランを自殺に追い込む等、酷さに磨きがかかっている。


  • 小林哲治

演:保積ペペ
小林千恵の実父で、実写映画版では死亡時42歳。
妻と離婚後、千恵と2人で新潟で暮らしていたが、娘が乗る車を藤堂が盗もうとしているのに気づき、止めようとしたところを轢かれて死亡。
その死体はバラバラに解体されてゴミ捨て場に捨てられた上に、周囲の人間から彼と千恵の失踪は夜逃げだと思われた為(実際、哲治には事業の失敗で少額の借金があった)、9年近くも身元不明死体として扱われるという悲惨なことになっていたが、実写映画版では死体は解体されずに杉並区の空き地に遺棄された為、既に身元が判明している。


  • 西村志保

実は麗俐…いや、小林千恵の実姉。
雑技団の日本公演で母の若い頃にそっくりな麗俐の演技を見て彼女の正体を確かめる為、留学を装って雑技団に入っていた。
ついでに雑技団の裏の顔を探っていた幸田にも協力を仰いでいた。


  • 王 美魚(ヨウ・スーラン)

長い潜水時間やアレルギーは事実であろうが、実は生臭い臭いや魚の鱗は唐人美による偽装工作であった
唐人美は自身の居場所の確保の為に、彼女を『魚人』と思わせて周りから敬遠されるようにしていたのだ。
しかし雑技団の秘密を知る人美を繋ぎ止めておく為、藤堂はもちろん楊王さえも美魚を見捨ててしまう。
結果的には事件本編とは一切無関係であったが、もしかしたら事件は彼女の呪いによる側面もあったのかもしれない。


  • 石 達民

彼は麗俐に好意を寄せていたこともあって、一に彼女が犯人だと指摘した際にはその推理に納得いかず、彼に殴りかかろうとするが、刑事達に制止される。


実は実写映画版でヨウ・スーランを自殺に追い込んだ化粧水すり替え事件の実行犯は彼
マルチナに頼まれた彼は何も知らずにスーランの化粧水を取り替えるつもりで、硫酸入りの化粧水とすり替えてしまっていたのだ。
恐慌状態に陥ったのは、今回の事件をスーランの呪いと考え、次は知らなかったとはいえ、彼女を傷つけて結果的に死に追いやってしまった自分が殺されるはずだと思っていた為。
何だか後の事件の動機のような話だが、見方を変えればスーランへの贖罪のために達民がマルチナを殺す展開もあり得たのかもしれない。


  • 楊 小龍

無実の罪で中国公安に追われるわ、その過程で父親の凄まじい過去を知るはめになる(作中で「俺は親父に裏切られた」と激しく落ち込むシーンがある)わ、義妹が犯人になってしまうわと、散々な目にあった紛れも無い、本作品最大の被害者
金田一の推理によって無実は証明されたが、家族を一気に失う羽目になった。一体彼が何をしたと言うのか…。
実写映画版ではナイフで自殺しようとする麗俐を止めようとして刺されてしまい、救急車に乗せられて病院に搬送される際に麗俐としての遺書を読み上げ、兄を利用してしまったことを詫びる文面があったことで麗俐の名を叫んで号泣した。
しかし後の作品ではショックから立ち直り、一の親友として元気な姿を見せている。



【原作との違い】
実写映画版


  • 虎が熊になっており(熊の名前はタオチー)、事件の決定的な証拠となる「熊が麗俐以外から餌を食べない」ことを教えるのは麗俐本人(原作では周が教えていた)
  • 一と美雪は麗俐の家に泊まる(原作では藤堂が手配したホテルに泊まっていた)
  • 一と美雪が夜中にこっそり劇場に侵入し、そこで魚人に扮した人物に遭遇する場面が追加
  • 唐人美は登場せず、映画オリジナルのマルチナという人物が彼女と同じ役割になり、藤堂と2人の時は英語で会話している。
  • 一と美雪に呪い詩について教える人物を、周から志保に変更。
  • 原作・アニメ版では呪い詩の見立てで壁に血文字(人美の時のみ背中に)が書かれていたが、映画版では美魚(スーラン)が魚人遊戯で使っていた仮面を死体に被せていた。
  • 小龍が初めて日本語で話すタイミングを一との逃亡中に変更。
  • 王(ターレン)の実家に隠されていた物が札束のみとなり、隠し場所が書棚の奥から振り子時計に変更される。また、王(ターレン)の日記が登場せず、王(ターレン)が藤堂の悪事に加担していた事実は、家にいた召使い(原作では河銀(ファーイン)という中年男性)から聞いて知ることになっている。
  • 逃亡中、父が藤堂の悪事に加担していたという事実に絶望して上海に戻らないと言った小龍と一が殴り合う
  • 剣持は李の依頼で一を迎えに行く為に上海を訪れる。剣持と李はここで初対面となっており、明智と李が面識があるという設定もカット。
  • ドラマオリジナルキャラの向井猛男が、死体遺棄事件の資料を警視庁からFAXで上海に送る役目で登場し、ラストにも登場する。
  • 一と小龍が劇場に戻る際、正面からではなく裏口から侵入している。
  • 第3の事件の直後、一が犯人に襲撃される(この時檻の前でうずくまった一に犯人が発砲しなかった事が、凶器の隠し場所に気づくきっかけになる)
  • 小龍が酔拳を使う場面はカット。
  • 第2の事件のトリックを犯人しか実行できないものに変更(それに伴い、真相解明は犯人判明後になる)
  • 一が日本に強制帰還される前に、李刑事に「真犯人を暴くためにもう一度ショーを観たい」と懇願する場面が追加され、一度だけチャンスをもらうが、真犯人までは辿り着けず護送車で空港に送られることに。
  • 一が空港から現場に戻る為の手段は原作ではバスに乗った後、公安から奪った自転車に乗り換えていたが、映画版ではタクシーのトランクに入り、降りた後はそのタクシーに乗っていた日本人観光客の少年の荷物に入っていたローラーブレードを使って現場に向かっている。
  • 虎(映画版では熊)の腹の中に銃が隠されているか、金属探知機で確認するのを原作・アニメでは麗俐が「その必要はない」と言って阻止しているが、映画版では真犯人告発前に確認されている
  • 麗俐の本名を「小林麗美(こばやし れいみ)」に変更。
  • 藤堂達が日本から盗んで密輸した物を自動車から家電製品に変更。
  • 麗俐(麗美)が隠れた場所は原作では小林哲治の車のトランクだったが、映画版では小林哲治が運送業用に運転していたトラックの荷台に変更。
  • 麗俐(麗美)が父の死の真相を知るきっかけが、原作では新潟で食事をしようと入ったそば屋に置いてあった雑誌だったが、映画版では事件の真実を確かめるために入った新潟の図書館で読んだ事件の記事に変更。
  • 小林哲治の死体はバラバラにされておらず、図書館に置かれていた記事には単に「ひき逃げ死体」とだけ書かれており、東京都杉並区の空き地に遺棄されたとされている。なお、ひき逃げ事件が起こったのは原作・アニメ版では10年前だったが、映画版では麗俐(麗美)役の水川あさみ女史の当時の年齢(14歳)に合わせた設定変更により、7年前のクリスマスイブの夜に変更されており、その事件で藤堂が容疑に挙がるきっかけを小林哲治の復顔から藤堂の右手の蛇の刺青に変更。
  • 麗俐(麗美)の復讐の対象は藤堂とマルチナの2人で、王(ターレン)は復讐の対象には含まれていない模様だった。
  • 麗俐(麗美)は真相を暴かれた後、持ち込んだナイフで本当に自殺しようとするが、止めに入った小龍を誤って刺してしまい、公安に連行される麗俐に加えて小龍が救急車で搬送されるという展開となっている。
  • 冒頭とラストに佐木竜太真壁誠が登場する。
  • 美雪は父の転勤の都合で転校するという設定。ラストで一に告白し、一もそれに答えている。尚、実写作品で一と美雪が恋人同士となっているのは、現時点では堂本版が唯一である。


アニメ版


  • 楊王が自殺するタイミングを一達の来訪後に変更
  • 一達が剣持警部と出くわす場所が劇場になっている
  • 一達の宿泊先についてはカットされた
  • 凶器のデリンジャーについて解説する人物が剣持警部に変更
  • 事件の決定的な証拠となった「虎が麗俐以外の人物から餌を食べない」のを教える人物を達民に変更
  • 幸田裕司は登場しない。そのためプログラム変更について伝える役を美雪に変更、麗俐の正体を探ろうとするのは志保のみとなっている
  • 呪い詩の「〜が来ると」という部分がカットされている
  • 石達民が剣を飲み込む芸を披露する。そのため、凶器消失トリックの真相解明時に凶器の隠し場所を推理する際に彼が剣持警部に一瞬だけ疑われている。
  • 一がパスポートを山羊に食べられるシーンはカット。それに伴い、凶器の隠し場所に気づくきっかけが剣持警部が空港のロビーで呟いた「消したり出したり」という台詞になっている。
  • 空港から劇場に戻るまでのくだりはカット。
  • 李が明智警視に連絡を取ることを言い出すシーンはカット。
  • 小林哲治の死体はビニールに詰められ遺棄されていたが、バラバラだったかどうかまでは詳しく言及されていない。
  • 麗俐(麗美)が隠れた場所は映画版と同じく小林哲治が運転していたトラックの荷台に変更。

…実写映画版は、実際の上海で撮影されているのだが、「中国公安部が日本の探偵に(結果的に)負ける」といった内容が問題となってしまった。
結果、中国国内での上映が禁止されてしまった。但し、台湾、香港では普通に公開された。
因みにラストは、ドラマの主題歌「ひとりじゃない」~「kissからはじまるミステリー」のメドレーが使用された他、
「学園七不思議殺人事件」~「墓場島殺人事件」迄のハイライトシーンが流れた(勿論、欠番となった「異人館村殺人事件」のシーンも流れた)。
WOWOWや一部CS放送では普通に放送されていたが、DVD化は長らく実現しておらず、幻の一作と化していた。
しかしドラマ新シリーズ(道枝版)の開始に連動してか、日テレプラスでの放送とHuluにて期間限定配信、これに続く形で2022年8月17日に映画公開から25年の歳月を経てBlu-ray&DVDも発売された。




「はじめちゃんのこと、ずっと好きでした」




「俺もだ」




蟷螂拳奥義…追記・修正…!!…破!!


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  • 昔は金曜ロードショーで観れたがなぁ -- 名無しさん (2013-09-25 13:36:33)
  • 水川あさみが日本語ヘタクソで、てっきり現地の女優さんだと思ってた。 -- 名無しさん (2013-09-25 17:08:30)
  • ともさかさんの美雪のラストの涙が凄く印象的なシーンだった。 -- 名無しさん (2013-10-20 10:24:11)
  • 小龍チビクロだったのか。言われてみれば面影が。 -- 名無しさん (2013-10-20 22:56:13)
  • これ2013年現在だったら撮影の時点で絶対無理な作品だよね; -- 名無しさん (2013-10-20 23:08:20)
  • 団長さん、最期は罪悪感と養女の正体の露見を防ぐために自殺したけど、まさかそれが養女の復讐劇に繋がるなんて思ってなかっただろうな...他二人と違って悪人って程ではなかったみたいだし、窃盗の理由も同情の余地あるし...若干気の毒だ -- 名無しさん (2013-11-15 19:32:34)
  • 藤堂は中尾彬だったっけ?迫り来る魚人に逃げ惑いながら札束を撒き散らすシーンは本文にある通り凄い迫力だった。名優中尾彬の貫禄の名演技だった。 -- 名無しさん (2013-11-19 22:44:51)
  • お父さん、娘を守ろうとして車に立ち向かったんだよな…… -- 名無しさん (2013-12-24 11:15:52)
  • 原作はレイリーの本当のとおちゃんバラバラにされたのかよ -- 名無しさん (2014-01-05 22:12:25)
  • 映画の「バイバイ はじめ」って写真に書き込んだような演出が来るものあったな。これで堂本金田一は最後ってのが伝わってきて。 -- 名無しさん (2014-02-16 18:46:21)
  • 残念ながらの中国の刑法的にレイリーはほぼ100%死刑になることが確定しているんだよな... -- 名無しさん (2014-05-11 19:31:21)
  • 国際司法はよく分からんが国籍は日本なんだし、見方によっては誘拐同然なんだから超法規的措置は取れないもんかね? -- 名無しさん (2014-05-11 20:54:03)
  • 中尾彬がドタマブチ抜かれるシーンは確かに迫力があったな…。 -- 名無しさん (2014-05-11 21:31:20)
  • 新潟で外国人に拉致…首吊り学園といい、金田一って今だとタイムリーな事件が多いな -- 名無しさん (2014-05-24 10:08:55)
  • 某動画サイトで映画の奴見たけど昭和ライダー並に画像暗かった -- 名無しさん (2014-06-01 08:07:51)
  • ちなみに映画だと虎が熊になってる -- 名無しさん (2014-06-15 13:36:45)
  • 蘭と同じ名字ですな -- 名無しさん (2014-07-02 01:40:20)
  • 小龍の再登場を強く望む -- 名無しさん (2014-08-12 23:43:03)
  • アニメじゃ確か最初の団長殺害から金田一たちがいたんだよな -- ??探偵 (2014-09-26 23:51:23)
  • 映画のラスト、小龍が麗俐の名前を何回も叫んでいた所でものすごく泣いた。 アニメ版より堂本版が凄く泣ける -- 名無しさん (2014-10-05 01:18:20)
  • アニメ版ではその後のレイリーが描かれていたことが救いだったな。リー刑事にはむかついたが・・・・。 -- 名無しさん (2014-11-26 21:06:28)
  • 疑問があるんだが 虎(熊)の体内からどうやってデリンジャー取りだしたんだ? 吐かせてか? それとも下剤か何かで・・・ -- 名無しさん (2014-11-27 00:05:37)
  • ↑トリック解明のためのヒントエピソードではヤギにパスポートを食われたはじめに対して小龍が「明日になればフンから取り返せる」とか言ってた気がするのでそれと同じと考えるとたぶん下から。そう考えるとそもそも下剤も使わずに日々の排泄物から取り出してたかもしれない。 -- 名無しさん (2014-12-14 11:18:33)
  • アニメDVDならないかな。 -- 名無しさん (2015-02-10 16:22:51)
  • ↑2つまりウンコだらけの銃を使っていたのか犯人は・・・ -- 名無しさん (2015-06-07 13:56:55)
  • 麗俐の中の人佐藤刑事の人だよね、んで波児はブライト艦長 -- 名無しさん (2015-06-09 14:57:03)
  • この事件の最大の被害者のは小龍と飼い主に利用された虎だよな 虎「キュ~ン(麗俐・・・)」 -- 名無しさん (2015-08-05 13:05:17)
  • 映画だとライトを使ったトリックじゃなくて縄を使ったトリックだった -- 名無しさん (2015-08-06 09:15:41)
  • 藤堂の中の人マジンガーZのボスかよ -- 名無しさん (2015-11-20 01:18:20)
  • 作中に虎は主人からしかエサを食べないように訓練されてるってあったけど、ということは麗俐が逮捕されたあとあの虎が餓死したのかな。 -- 名無しさん (2016-02-05 21:13:35)
  • 堂本剛がこの映画で50pもの鬼畜な台詞量に悪戦苦闘し、撮影中に学校の試験が丸かぶりし、阿鼻叫喚の地獄な思いをしたことはファンの間で有名。 -- G.U (2016-08-14 13:46:50)
  • ↑7 「コナン」では正義側のレギュラーな人が「金田一」では真犯人だったり同情の余地のない被害者役だったりするから面白い -- 名無しさん (2016-12-20 21:52:03)
  • ↑ 墓場島とかもそうだよね(光彦役の人と京極役の人が犯人役) -- 名無しさん (2017-04-11 13:00:41)
  • ↑2、逆のパターンもあるよね
  • デリンジャーを隠した餌を虎に喰わせてウンコにして出すというトリックに無理があるのでは?デリンジャー壊れる可能性があるし、第一排泄物に混じった銃を使うなんて汚らしいだろ。 -- 名無しさん (2017-07-17 19:49:15)
  • 言っとくがデリンジャーはビニールかなんかに入れて食わせてるから別にうんこまみれじゃないぞ -- 名無しさん (2017-07-24 16:34:00)
  • 真犯人の実父にも少しだけ落ち度があったと思う。子供を社内放置+車の鍵をかけっぱなしという今だと問題視されるようなミスをやらかしてしまったし。 -- 名無しさん (2017-07-25 14:55:35)
  • 日本じゃ二人も殺せば死刑だが同情の余地がある場合中国では恩情はあるんだろうか? -- 名無しさん (2017-12-01 10:00:13)
  • 劇場版だとレイリーの本名が変更されている -- 名無しさん (2017-12-08 20:40:53)
  • 偽装自殺は、父が自殺したのは藤堂たちのせいだった、くらいの動機でいいんじゃない? デリンジャーを消すトリックはもう明かしても問題ない(戸籍云々はまた別の話だが) -- 名無しさん (2017-12-17 21:22:26)
  • 見てないで言うのもあれだが硫酸入り化粧水って手に出した時気づかない…? -- 名無しさん (2018-02-22 12:10:26)
  • 野暮かもしれないけど、実写版だとマルチナの死体が落ちて麗俐が悲鳴を上げるシーンが、すご~くわざとらしい。確かに水中だと声が出せないけど、水槽から出て、仮面を外して、わざわざ息を吸い込んでから大声を上げるって、咄嗟の反応じゃない。あそこは普通、大声より震え声になるはず -- 名無しさん (2019-04-12 21:35:37)
  • 千保は全部志保の間違い? -- 名無しさん (2021-03-23 18:21:14)
  • 金田一少年世界では鬼夜叉の例からもわかる通り量刑基準が軽い事で知られているが、それは日本国内のみならず中国でもそうだったという事がわかる事件。 -- 名無しさん (2021-04-23 23:19:01)
  • ↑「鬼夜叉」でなくて「雪夜叉」でした。 -- 名無しさん (2021-05-06 00:22:38)
  • 偽装自殺に関しては楊王の死が自殺であってその原因が藤堂たちにあるってことを知っての復讐ってことにすればいいのではないだろうか。楊王の遺書も添えればなおそれが強固になるしね -- 名無しさん (2021-08-11 21:19:22)
  • ドラマ新シリーズに合わせてかCSの日テレプラスで放送とHuluで配信だとか -- 名無しさん (2022-04-17 18:26:02)
  • CS日テレプラスで放送してたから久しぶりに見たけれど、うーん懐かしい。記事には書かれてないけど、CSでは何度か放送されてたと思う。日本映画専門チャンネルとかでも放送されたことあったような(うろ覚え)。 -- 名無しさん (2022-05-05 02:24:11)

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