登録日:2012/04/11 Wed 18:10:58
更新日:2023/08/18 Fri 17:00:34NEW!
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どうして… どうしてなのよ…?
私に言い寄る男はこんなのばっか…
恨むよ神様…
「園子のアブない夏物語」は名探偵コナンのエピソードの一つ。
単行本22巻に収録。テレビアニメでは第153話・第154話として、1999年7月19日・26日に放送され、2010年7月31日と8月7日にはデジタルリマスター版として再放送された。
公式YouTubeチャンネルでも2020年6月13・14日に投稿され、高い視聴回数によるものなのか配信期間が終了した後もずっと見ることができる回でもある。
毛利蘭の親友である鈴木園子がメインの話であり、今回で園子の運命の人が登場している。
以下、ネタバレにご注意ください。
◆あらすじ
男漁りを目的に、コナンと蘭をつれて伊豆にやって来た園子。
声をかけてくる男性の目当てが蘭ばかりで園子は不機嫌だったが、浜辺で遊んでいる最中に道脇正彦と名乗る大学生に声をかけられた。
「園子に一目惚れした」という道脇の言葉に園子はすっかり舞い上がる。
それと同時に茶髪の女性ばかりが殺害されるという事件が起きている事を知り、同じ茶髪の園子は恐怖を覚えた。
そんな中、園子は旅館の部屋に忘れ物を取りに行った所、暗がりの中で男が園子の荷物を漁っている場面に出くわしてしまう。
園子は揉み合う際に毛深い二の腕に噛みつくことで男は逃げ出したが、園子が襲われ荷物を漁られていたのかは謎であった。
コナンは園子のカメラに原因があるのではないかと写真を見せてもらうが、特に変わった写真は無く、犯人の目的も不明のままだった。
だが、今度は何者かが園子が眠っていた車の鍵を開け、サイドブレーキを解除し車諸共園子を崖下に落とそうする事件が発生する。
蘭の活躍もあり、園子は何とか難を逃れたが、明らかに園子が何者かに狙われていると確信する。
園子殺人未遂に加え、茶髪女性連続殺人。複数の事件が関連し怪しい男の影もちらつく中、ついに犯人が正体を現す……。
◆事件関係者
- 道脇正彦(みちわき ただひこ)
CV.平田広明
浜辺で園子に声をかけた青年。米花大学の学生。
彼女にひどいフラれ方をし、失恋旅行と題して伊豆にやって来た。
見た目からして軟派臭く、口説き文句もチャラい。
- 京極真(きょうごく まこと)
CV.檜山修之
園子たちが宿泊する瓦屋旅館の主人の息子。海の家の手伝いもしている。
無愛想で態度が悪い上に、園子たちの行く先々に現れる怪しい眼鏡男。
だが時折分かりづらい優しさを見せている。
蘭は京極をどこかで見たことがあるらしいが、思い出せないでいる。
- 寺林省二(てらばやし しょうじ)
CV.宝亀克寿
人相の悪い恰幅のいい男。
海の家などで園子たちを監視したり、尾行するなど怪しさ全開で、体毛が濃い中年。
蘭たちは、この男が事件の犯人なのではと疑いをかける。
◆主要人物
ご存知主人公。
事件で使われたトリックや園子を狙った理由は推測できたが、直接の活躍はあまりない。
蘭姉ちゃんの水着をクイっとした尻を見て顔を赤らめていた。
また、ナンパされた園子に対して、
「バ、バカな…、園子に限ってそんなはずはない…」
「きっとこれには何か…、裏に隠されているはず…」
などと非常に失礼な事を考えていた…が、後に違った意味で的中する羽目に。
更にはアニメの後編で冒頭のナレーションで
「伊豆で海水浴に行った俺と蘭は真夏の珍事を目撃した」
と園子がナンパされている状況を珍事と称した。園子は怒っていい。
ご存知蘭姉ちゃん。
ある意味園子の恋のキューピッド。
今回は崖下に突き進む車から園子を助ける時に車窓を飛び膝蹴りで破壊した。
ご存知蘭の親友。今回のメイン。
男に声は掛けられないわ、殺害されそうになるわでろくな目に合ってない。
『空想科学読本12』では柳田理科雄氏からも「いくらなんでもここまで酷い目に遭えば筆者なら人生を諦めかねない」と同情されていた。
だが、そんな彼女にもついに春が訪れて……?
ご存知静岡県警の刑事。
アニメでは園子にはあまり頼りにされてなかったが、コナンには「小五郎のおっちゃんよりは頼りになる」と思われていた。
【以下、事件のネタバレ】
おまえの様なチャラチャラした女を見ると、無性にハラワタをえぐってやりたくなるのさァ!!
オレをどん底に陥れたあいつと同じ、茶髪の女を見るとなァ!!!
- 道脇正彦
園子殺人未遂の犯人にして、茶髪女性連続殺人事件の犯人。
恋人に酷いフラれ方をした事が極度のトラウマとなり、彼女を血祭りにあげてもなお飽き足りず、
元恋人と同じ茶髪の女性ばかりを狙って刃物で無惨に刺し殺してきた。
園子に接触する前夜も、林の中で累計4件目の殺人を行ったが、犯行中の背後を電車が通り過ぎた際のパンタグラフの発光をカメラのフラッシュと思い込み、
偶々花火大会の帰りでカメラを持って林の側を通る園子に「殺しの現場をカメラで撮られた」と勘違いし、口封じのために近づいた。
荷物を漁ったのも、車ごと園子を崖下に落とそうとしたのも、園子のカメラを処分する為である。
また、車ごと園子を崖下に落とそうとした時には、レストランに入る前に車のタイヤをクサビ形の氷で固定しておき、
サイドブレーキを解除しておくことで、自分がレストランにいる間に氷が解け、勝手に車が崖まで突き進むように細工してアリバイを確保しようとしていた。
その際、車のロック開けの道具を道の途中に落としておくことで、捜査をかく乱しようとしていた。
ちなみに寺林によると車泥棒の前科があるらしく、今回のトリックも、車の知識があったからこそのものだったのだろう。
ちなみに園子が揉み合って噛みついたのは二の腕ではなく、道脇のふくらはぎだった。
林の中へ逃げる途中に、サンダル履きの道脇が枝を踏んで痛がっていたため、園子は道脇の靴下を脱がそうとした。
だが、園子は道脇のふくらはぎに自分がつけた歯形を見つけてしまい、道脇も歯形を見られたことで本性を現した。
林の中、道脇に馬乗りにされ絶体絶命の園子。
振り下ろされるナイフに涙しながら恐怖に震えるが…。
アニメでは上記の台詞の一部が放送する上で表現的に相応しくないと判断したためか、「無性に〜」の部分が「無性に腹が立つのさァ!!」に台詞が変更された。
園子と道脇の間に割って入り、園子を守る様に道脇のナイフを右腕で受ける。そしてナイフが刺さったままの状態であっと言う間に道脇をK.O.した。
そして何事も無かったかのようにナイフを抜いて捨てた。出血は微々たるものだった。(なお、現実でナイフが腕に刺さった場合必ず下手に抜こうとせずそのまま病院に行くこと。)
実は京極は杯戸高校空手部主将で「蹴撃の貴公子」との異名を持つイケメンだった。
蘭が海の家以前に何処かで京極を見たことあると言ったのも、空手の試合会場だったのである。
京極は以前、空手の試合で蘭の応援に来ていた園子に一目惚れ(その様子は後にこの作品にて描かれた)。
園子が何者かに狙われていることを知ると「ストーカー呼ばわりを覚悟で」園子を道脇から助けたのだった。
そして茫然と座り込む園子にこんな言葉をかける。
必要以上に男を挑発する下着のような格好は、できればやめるのをお勧めしたい…
もちろん、あなたに好意を寄せる幾多の男の内の一人の戯れ言として、聞き流していただいても構いませんが…
この言葉に園子の乙女心がK.O.されない訳が無く、二人は良関係になる。
だが京極は事件が終わった後は「もっと強い奴を探す」と単身海外へ旅立ってしまった。
園子はこの事件以降もイケメン探しを続けているが、実際のところは京極一筋である様子。
ちなみにこのように強者っぷりを初登場から見せつけた彼だが、
一方で蘭ねーちゃんが走行中の車の窓ガラスを蹴り破るという離れ業を見せたのもありまだおとなしい方ではある。この時点ではまだ。
- 寺林省二
蘭たちから怪しまれていた男だったが、正体は千葉県警の刑事。
過去3件の殺人事件で容疑者にリストアップされていた道脇を車泥棒として別件逮捕したが、殺人に関しては証拠不十分で釈放せざるをえず、他県の伊豆で似たような事件が起こったことを知って独自にマークしていた。
また、コナンがクサビ形の氷のトリックを説明した時も一瞬でトリックを理解するなど、頭の良い刑事であることを伺える。
地味にトリックの解説をしている時などの真剣な表情も格好良い。
余談だが、アニメにおいて彼が警察手帳を見せたシーンでは寺林と名乗りつつも名前が寺森となっているミスがある。
ちなみに台詞こそ無いが、『漆黒の追跡者』において、久々に再登場している。
◆余談
この話で登場した「京極真」はこの事件の後に準レギュラーとなり、幾度か登場している。
その際、海外からわざわざ日本に帰国して、園子の危機を救ったりしている場面もある。
イケメンで強いのね! 嫌いじゃないわ!
後々彼は片思いが実り、園子と付き合うことになるが、上記の通り彼は「俺より強い奴に会いに行く!」な人なので、
クリスマスイヴ等に日本に居ず、「よみがえる死の伝言」では園子が京極のことを愚痴ってたりする。
また、登場する時に大半厚着をしていたり、ちょっとした外見変化をしてるので本人と気付かれない。
「真さん!?」と、園子が驚く事も何度か。ちゃんと挨拶くらいしようぜ。
なお、京極さんはこの後ドンドン強くなっていく(該当項目参照)ので、
ミスリード要因の1つとなった「この事件の前日に酔っ払いに絡まれて怪我をした」という劇中の台詞に対し、
「こんな京極さんにケガさせる酔っ払いはどんだけ強いんだよ」とネタにされることがしばしばある。ただし、格闘技経験者は下手にやり返すと「凶器を使ったのと同じ」と見なされ過剰防衛扱いになってしまう*1。京極さん程の凄まじい腕力であれば尚更であり、その辺りは本人も自覚しており迂闊に手出しができなかったとも考えられる。そもそも相手は曲がりなりにも客であるため、店側としては腕力で解決するというのはまずいであろうし、他の客を巻き込む可能性もあるため手を出せず…といった可能性は高い。それでも彼が無傷で制圧できなかった時点でかなりの強者といえよう。
『名探偵コナン』において、今回の道脇のようなシリアルキラーは原作やアニオリを含めて非常に珍しく、今回の事件以外だとアニオリ回『未亡人と探偵団』の真犯人など数は少ない。
この事件の真犯人・小森朋子は、婚約者の男性を次々と殺害し、婚約指輪をコレクションにしていた。
なお、同じアニオリ回である『言えない目撃者』に登場した真犯人も道脇と同様の理由で人を襲っていた。
この事件の真犯人・立花志乃は、道脇と違って悲惨な過去を持っているわけでもなく、「チャラチャラ遊び回るから世の中が汚れる」という偏見だけで人を無差別に襲っていた。
追記・修正は蹴撃の貴公子にお願いします。
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