総合病院殺人事件(名探偵コナン)

ページ名:総合病院殺人事件_名探偵コナン_

登録日:2016/08/27 Sat 07:05:00
更新日:2024/05/05 Sun 13:50:00NEW!
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そういやあ時々記憶がなくなるもんな俺…


その間に殺人を犯しちまったってことも十分…



『総合病院殺人事件』とは、『名探偵コナン』において、江戸川コナンが解決した事件の名称である。
1997年12月1日にテレビアニメ第83話として放送された、原作には無いアニメオリジナルエピソードである。
幽霊船殺人事件』の時と同様に、今回も小五郎に殺人の疑いがかかっている。



※以下ネタバレが含まれますので、未視聴の方はご注意ください。


【ストーリー】
とある事件で犯人を確保しようとした際に足を骨折し、米花東総合病院へ入院する事となった小五郎。
だが、入院して3週間が経った頃から、小五郎は夜中に奇妙な光景を何度も病室から目撃する事となる。
その光景とは、北病棟の一室で刃物を持った人物が人を刺し殺す場面であったが、小五郎が問題の部屋に駆けつけた時には犯人と死体は忽然と消え失せていた。
小五郎の主治医である白井光雄は「数々の事件に関わったストレスが高じて見えた幻覚」だと診断するが、この話に興味を持ったコナンは独自に捜査を開始する。
それにより、これは救急訓練用の人形と窓ガラスの反射を使った鏡のトリックだと見抜き、犯人の目的を暴くために小五郎の病室に泊まる事にする。
そして午後11時30分頃、コナンと小五郎は例の光景を目撃。コナンは犯人がいると思われた倉庫へ向かうが、そこには誰もおらず人形が使われた形跡もなかった。
その直後に犯人の狙いに気づき、小五郎が向かった部屋へと急ぐコナンだったが、そこでは小五郎と、背中をナイフで刺されて死亡していた外科医・江藤勝利が倒れていた。
現場の状況から小五郎に疑いの目が向くが、疑いをかけられた小五郎は「記憶がなくなっている間に殺人を犯してしまったのかもしれない…」と思い詰める。
だがコナンは、病室での怪しい行動から真犯人は白井だと睨み、彼のアリバイを崩すために行動を開始する……



【事件関係者】

  • 白井光雄(しらい みつお)

CV:小川真司
米花東総合病院の外科医で小五郎の主治医。40歳。
大の甘党で、コーヒーを飲む際にはほぼ必ずスティックシュガーを3本も使用している。
小五郎のファンであるようで、夜に彼の病室を訪れては彼の解決した事件の話をコーヒーを飲みながら訊いている。
だが、小五郎の病室を訪れる際には毎回、夜なのに窓のカーテンを全開にしたり、目覚まし時計を真夜中にセットしたりと怪しい行動をとっている。
小五郎が殺人の瞬間を目撃したと騒いだ際には「事件によるストレスで見た幻覚」だと診断し、実際に殺人が起きた際には「こんな事を引き起こす恐れがあるのではと心配していた。」と漏らしていた。
ちなみに事件当夜は宿直で、事件のあった時刻には自分の部屋で匿名の苦情電話を受けていた。その際に沖田とドア越しに会話をしていたため、アリバイは完璧だと思われたが……
中の人は後に2代目遠山銀司郎を演じる。

  • 江藤勝利(えとう かつとし)

CV:福田信昭
米花東総合病院の外科医。40歳。
口が悪い男だが腕はいいらしい。
白井とは医大時代の同期。しかし、白井とは折り合いが悪く、度々感情的にぶつかっている。コナン達の前に現れた時にも「オレが殺されたら白井が犯人ですよ。」と悪い冗談を言っていた。
小五郎が殺人の瞬間を目撃したという話を全く信用しておらず、「名探偵さんはお疲れのようですな…」とイヤミまで言う。
だが、その翌日に北病棟の一室で何者かに背中を刺され、殺害されてしまった。
遺体には二箇所の刺し傷があったが、二箇所目には生活反応がなかった事から止めを刺すためにもう一度刺されたと考えられる。
そして、凶器のナイフから小五郎の指紋が出た事により、小五郎が一番の容疑者となってしまう。

  • 中山和美(なかやま かずみ)

CV:茂呂田かおる
米花東総合病院の看護師。26歳。
小五郎の病室に食事を運んだ時に、看護師の間で小五郎が噂になっている事を話す。

  • 沖田恵子(おきた けいこ)

CV:岩居由希子
米花東総合病院の看護師。
事件当夜、白井の部屋にカルテとコーヒーを運ぶ。
その際に白井と会話をしていたが、半開きになっていたドア越しでの会話だったので、白井の姿を見ていなかった。



【レギュラー陣】

ご存知主人公。
小五郎の話に興味を持ち、彼が目撃した光景は窓ガラスの反射を使って見せられたものと見抜くと、その現場を抑えるために小五郎の病室へ泊まる事にする。
だが、その夜には本当に殺人が起きてしまい、疑いをかけられた小五郎の無実を証明するべく、白井のアリバイを崩そうとする。

ご存知蘭姉ちゃん。
殺人の瞬間を目撃したと言って何度も騒ぎを起こす小五郎を心配する。
そして事件が起きた際には、自分の記憶に自信が持てず弱気になっている小五郎を見かねて「しっかりしてよ!」と思わず胸倉を掴みかかっていた。

ご存知迷探偵。
事件で足を骨折し、米花東総合病院へ入院する事となるが、3週間ほど経った頃から夜中に北病棟の一室で何者かが刃物で人を刺す光景を窓から目撃する。
しかしその部屋はただの空き部屋であり、犯人どころか死体や犯行の痕跡すらなかったので「ただの見間違い」で片付けられてしまう。
その後も毎日のようにその光景を目撃するが、やはり同じように部屋がもぬけの殻であったため、次第に病院の人間や警察に信用されなくなっていった。
それでも見間違いではないと言い張り、翌日にはコナンと一緒に例の光景を目撃。元気を取り戻し、一目散に現場の空き部屋へ向かうが、そこで何者かに襲われ気絶している間に江藤殺しの濡れ衣を着せられる事となる。
これまで何度も目撃した犯行の瞬間を「幻覚」だと一蹴されたうえに、最近は記憶がなくなってしまう事が時々あるため、事件発生後はとうとう精神的に参ってしまい、疑いをかけられた際には「記憶がない時に殺人を犯したのかもしれない… 」と弱気な発言までしてしまう。

ご存知警部殿。
小五郎の事は信じていたものの、捜査に私情を挟まずに小五郎に疑いの目を向け、コナンの目撃証言も「キミの証言は毛利君をかばっていると見なされ裁判で採用されない可能性が高い。」と説明する。
その一方で、江藤と度々衝突していた白井の事も疑い、彼の事件当時のアリバイを確認していた。

ご存知高木君。
江藤の遺体に二箇所の刺し傷があった事と、その1つに生活反応が見られなかった事を目暮に報告する。



【その他】

ある事件の犯人で、コナンと小五郎に追われていた。
小五郎との揉め合いで逆に彼を押さえ込むも、後から来たコナンの蹴り飛ばしたジュースの空き缶が頭部に直撃して倒れた。
押さえ込まれた際、小五郎の右脚が床に転がっていた鉄パイプと男の膝で挟まれ、それで骨折する事となった。



以下、事件の真相。さらなるネタバレにご注意ください


























何てことだ…


証拠を残さないためにはめた手袋のせいで、
証拠を残すなんて…


  • 白井光雄

今回の事件の真犯人。
来月に米花東総合病院の外科部長が定年退職するため、その後任として彼と江藤が候補に挙がっていた。
その際に江藤に辞退するよう要求されるが、彼に弱みを握られていたため、大人しくこの要求を呑むしかなかった。
江藤に握られていた弱みとは、医大に裏口入学していた事。裏口入学の際、とある教授に大金を渡していたのだが、その教授が江藤の父親であったため、その秘密を息子である江藤に知られてしまっていたのである。
そのため、江藤に逆らえなくなっていたのだが、どうしても外科部長の後任になりたかった白井は彼の殺害を決意。江藤を殺害してその罪を小五郎に被せる計画を実行した。


犯行の数日前から例の窓の反射のトリックを使い、人が刺殺される光景を小五郎に何度も目撃させ、精神的に追い込んだ。
芝居をする前に彼の病室を訪れ、窓のカーテンを開けて真夜中に鳴るように目覚まし時計をセットしていたのは、確実に小五郎に目撃させるためである。


そして犯行当日、11時過ぎに自分の部屋の電話から携帯電話に電話をかけ、スピーカーをONにして現場の部屋に向かい、そこに呼び出した江藤を刺殺。
11時半になると、これまでの芝居と同じ動作で江藤をもう一度刺し、同じ頃に自分の部屋を訪れていた沖田と携帯電話を使って電話越しに会話をした。
その後は現場にやってきた小五郎を背後から殴って気絶させ、彼にナイフを握らせ指紋をつけた後で自室に戻り、スピーカーモードになっていた電話をOFFにした。


これでアリバイが出来たと安堵するが、沖田が気を利かせてコーヒーを持って来ていた事で計画に狂いが生じる。
コーヒーを飲んだ事にしておかなければアリバイを疑われる恐れがあったため、大急ぎでコーヒーを流しに捨ててカップをすすいだ。
しかし、これに気づいたのは鈍器をまだ持っていた時であり、指紋をつけないように手術用の手袋をしていたため、つい手袋をしたままカップをすすいでしまっていた。
そのため、「カップの取っ手に後から触ったはずの白井の指紋が無く、最初に触った沖田の指紋だけが残っている」というどう考えても不自然な証拠が残る事となり、自分の指紋が残っていない理由を説明する事が出来ず、自分が犯人だと自供する。
そして「私は何のために、大金を払ってまで裏口入学したんでしょうね…」と虚しく呟くと、小五郎(コナン)に「つまり、不正や犯罪は割が合わないって事なんですよ先生…」と厳しく言われ、警察に逮捕された。


白井がなぜわざわざ名探偵で通っている小五郎を目撃者&スケープゴートに選んだのかは不明だが、恐らく窓の反射のトリックで一番目撃させやすい部屋に入院していたのが小五郎であったためと思われる。
しかし、今回の動機はそもそもが自分の蒔いた種も同然であり、スケープゴートに選んだ小五郎は全く無関係であるうえに、何食わぬ顔で彼に罪を着せようとしていたため、同情の余地はないと言っていいだろう。


  • 江藤勝利

次期外科部長の候補を辞退しろと白井に迫った事で彼に殺された被害者。
これ以前にも何度も白井と衝突していたため、その事も殺される要因となった可能性がある。
最初のほうで冗談のつもりで言っていた「私が殺されたら白井が犯人」という言葉が奇しくも本当の事となってしまった。
しかし、そもそもの発端である裏口入学をしていたのは白井の方であり、ある意味では次期外科部長の候補の辞退を求められても仕方ない立場にあった、とも言えるため、彼を言いなりにしていたといっても、殺されるほどの非があったとは考えにくい。
もっとも、裏口入学の件で外科部長を辞退するよう強要していたのなら、脅迫と思われるので、それはそれで罪だろうが。


  • 毛利小五郎

白井の罠にはまり、精神的に追い込まれて殺人の罪まで着せられそうになるが、コナンによる眠りの小五郎の推理ショーのおかげで真犯人が白井だと分かり事なきを得る。
目が覚めた際には「もう嫌だ!眠りの小五郎は廃業だ~!!」と頭を抱えながらわめくが、蘭に「どうして?見事に事件を解決したじゃない!」と言われると思わずポカンとする。
そして「ヤッパリな!この眠りの小五郎は健在だー!!」といつもの調子を取り戻し、コナンに「懲りねえオヤジ…」と呆れられるのだった。



【余談】
アニメ版『強盗犯人入院事件』ではこの事件についてちょっとだけ触れられており、小五郎がまた足を骨折して米花総合病院へ入院していると知った目暮は「よくよく運のない男だ」と呆れ気味に言っていた。



追記・修正は、真夜中に殺人の瞬間を目撃した後でお願いします。


  • 事件の日にコナンが倉庫に寄らずおっちゃんと一緒に現場行ってたらどうなってたのだろうか -- 名無しさん (2018-04-20 23:10:59)

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