パルデアの大穴/エリアゼロ(ポケモン)

ページ名:パルデアの大穴_エリアゼロ_ポケモン_

登録日:2022/11/26 Sat 05:07:10
更新日:2024/06/27 Thu 13:00:49NEW!
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パルデアの大穴の中には エリアゼロと呼ばれる不思議な世界が広がっている。


人間が生活するに適さないその地には 誰も知らない何かが眠っているだろう…




概要

パルデアの大穴とは、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット(以下ポケモンSV)』の舞台、パルデア地方の中央にぽっかりと開いたクレーター状の巨大な空洞である。


大穴の中の空間は『エリアゼロ』と呼ばれる外界とは隔絶された空間が広がっており、その奥底にはこの世の全ての価値がある財宝が眠ると古代より信仰されていた。
度重なる探索の結果、現在ではオーリム博士(スカーレット)/フトゥー博士(バイオレット)が滞在する研究所『ゼロラボ』が設立されている。


しかし、その実態は「一般人が踏み入ってはならない」として禁足地に指定された超危険地帯
主人公が所属するアカデミーの生徒は原則立ち入りが禁じられている上、大穴の中へと向かうエントランス施設『ゼロゲート』への道は門で封鎖され入る事が出来ないようになっている。


正規ルートがダメならば無理やり大穴周辺の崖を登って侵入しようとするとどうなるかというと、大穴上空に旋回するジバコイルガブリアスといった強力かつ狂暴なポケモンに襲撃され、並大抵の腕前のトレーナーでは目の前が真っ暗にされるか最悪死ぬだけである。
加えて主人公の従えるライドポケモンコライドンミライドンはこの大穴の中に入る事をなぜか嫌がっており、そのためか必要のないタイミングで大穴に飛び込むと元居た場所へ戻されてしまう。


上空には分厚い雲がかかっており何が存在するのかを外側から観測するのは不可能。航空写真やタウンマップでも内部構造をうかがい知れない、正にパルデアに残された最後の秘境と言っても過言ではない場所である。



歴史

パルデアの大穴は100万年以上も前から存在するとされており、どのようにしてこのような地形が発生したのかという起源は不明。


本編の2000年前にはパルデア地方にかつて存在した帝国が、強大な隣国への対抗手段を求めて大規模な探索隊を派遣するも、派遣された冒険者は誰一人として最深部および噂された財宝に到達することが無かったという*1


200年前、バトルや学問など各分野のエキスパートを集結した『エリアゼロ観測隊』が結成され、当時の最新技術を利用してエリアゼロの探索を開始。このチームが初めて大穴の最深部へと到達したとされている。


140年前、エリアゼロ内部にて不思議な光を放つポケモン…すなわちテラスタルした姿のポケモンが発見される。このポケモンは捕獲されエリアゼロの外に連れ出されたものの、能力を喪失してしまい普通のポケモンになってしまったため謎の現象とされていた。


少しずつ調査が進められ、87年前にはエリアゼロの中継施設が内部に作られている。


そして本編より10年前、エリアゼロ内に研究所を構えたオーリム博士フトゥー博士の研究チーム*2がポケモンをテラスタルさせる結晶を発見。これが現在使われているテラスタル用の道具テラスタルオーブへと利用され、テラスタルの技術は一般的な物となった。



スカーレットブック/バイオレットブック

最初にエリアゼロを踏破したエリアゼロ観測隊の一員である生物学者ヘザーは、帰還後にその体験を記した『スカーレットブックバイオレットブック』を出版。
折しものブームに乗っかる形で大ベストセラーになったものの、あまりに奇怪な内容から事実かどうかを疑われる羽目になり現在では奇書の類として扱われている。



謎の文明痕跡
エリアゼロのある地点に、何者かが意図して描いたとしか思えない円と直線で描かれた幾何学的な地上絵が残されている。
また、いかなる道具でも傷すら付けられない未知の金属からなる、謎の文様と言語の刻まれたプレートがまるで最深部への道を塞ぐように埋もれていた所が発見された。



生息する生物たち
穴の上層部には外界でも見ることのできる普通のポケモンたちが生息している。
しかし下層部へと探索を続けるに従い、いままで見た事のない奇妙なポケモン…かどうかすらわからない謎の生物が姿を見せ始める。


スカーレットでは大型で狂暴な、バイオレットでは小型で残酷な生物が跋扈する危険地帯となり、
その中でもドンファンに似た謎の生物に隊員が攻撃を受け、チームが一時退却せざるを得ない状態まで追い込まれた。


また、この謎の生物の特徴を参考に「もしもエリアゼロに幻のポケモンが居たら?」という想像上のスケッチが残されているが、
その姿はなぜかスカーレットではスイクンエンテイライコウの3匹、バイオレットではテラキオンコバルオンビリジオンの3匹という、関連のある伝説のポケモン3匹の特徴をすべて足して1匹にしたような奇妙な造形となっている。



秘伝スパイス
探検隊により発見された、食べればたちまち元気になる不思議な植物。
外界に持ち帰り栽培や量産が試みられたものの、育てている最中のそれを野生のポケモンが食べ、あまりにも強大に成長し手が付けられない『ヌシポケモン』と化してしまったため放棄せざるを得ない事態に。


ポケモンSVのメインルートの1つ、レジェンドルートの最終目的はこの秘伝スパイス。
とある事情を抱えた主人公の先輩ペパーと共に秘伝スパイスを独占するヌシを倒し、スパイスを利用した料理を作るために冒険を繰り広げることとなる。


ちなみに「秘伝」という名称は、過去の「秘伝マシン」に由来すると思われる。
作中ではこのスパイスを入手することで、フィールドの探索範囲が広がるわざを使える様になる。



失われた記憶と欠落した記録
著者であるヘザーは探検中、チームからはぐれて遭難した後に気を失って倒れているところを発見された。
その際、気を失う前に未知の場所で何者かと話をしたおぼろげな記憶と、何かの数式や図形を走り書きしたメモを持っていたというものの、その内容については全く覚えがないという。


さらにヘザーはポケモンどころか生物なのかすらわからない、六角形で構成された外殻を持ち、宝石よりも光り輝く謎の円盤状物体と遭遇している記録を残している。



大穴に眠るもの




ザ・ホームウェイ



パルデアをめぐる課外授業、その大きな目的である『チャンピオンロード』『レジェンドルート』『スターダスト★ストリート』の3つを終え、ネモ、ペパー、ボタンという頼もしい友達を得た主人公は、オーリム博士フトゥー博士の「研究所まで来て欲しい」という依頼に応える形でついにエリアゼロへの侵入を果たす。
この依頼はレジェンドルートをクリアした時点で聞く事ができるが、「エリアゼロに跋扈する危険なポケモンにも負けないバトルの腕に覚えがある助っ人」と「調査隊が遺した機械装置が点在するためメカに強い人材」が要求されるため、残る2つのルートをクリアしてネモとボタンの協力を得られるようになるまで準備が整わない。


仲間を集めてエリアゼロに突入すると、そこに広がっていたのは奇書やおとぎ話とされていたスカーレットブックバイオレットブックに記されていた内容がそっくりそのまま現実となった、幻想的ながらどこか恐怖を覚える世界であった。


内部構造は中心に向かって下っていくすり鉢状となっており、内壁伝いにどんどん降りていく事で徒歩でも最下層まで到達できるようになっている。
また、横穴のような小洞窟がいくつか存在し、中には巨石や地形に隠れて分かりづらいものも存在する。先述の通りパルデアの大穴内ではいかなるマップシステムも動作しないため、隅から隅まで散策するのは至難の業である。
そもそも、初めて訪れた時はコライドン/ミライドンにライドする事ができず徒歩での移動しかできないため、侵入できない個所もある。
徒歩でも崖を飛び降りれば一気に下までショートカットできるように思えるが、と言うより特定の操作をすれば飛び降りること自体はできるが、飛び降りても崖上まで強制的に戻されてしまうため、地道に歩いて降りなければならない。


上層部から最下層に至るまでの4か所にかつての探検隊が86年前に設置した観測ユニットが設置されており、この内部に入ってロックを解除すれば最下層に存在する研究所への侵入が可能となる。
また、観測ユニット内にはワープポイントも設置されており、こちらもロックを解除することで各観測ユニットおよび、大穴の淵に建設された入口となる施設ゼロゲート間の相互ワープが可能。


ここでのBGMは、Toby Fox作曲(編曲は一之瀬剛)によるもの。



上層部

上層部は穏やかな丘陵地帯と岩肌の露出した崖が点在する平原となっている。また、水の湧き出る小規模な水源や、そこから流れ落ちる滝、小川といった豊かな自然が形成されており、一目では地形が入り組んでいるものの居心地の悪くない環境の様に思えるだろう。
また所々に落ちているアイテムにはピチューのけやオボンのみに混じってチイラのみやカムラのみなど、大穴の外では入手できない希少なきのみが入手できる。


しかし、上空を分厚い雲が覆い尽くし、大気中にはテラスタルエネルギーと思われるキラキラと輝く粒子が飛び交い、生えている木々は根元から結晶状の物体に侵食されている…と、外界ではありえない光景が美しさと異様さを際立たせている。
外界からの観測を遮断する程分厚い雲に覆われてはいるが、内部は問題なく照らされており、真昼のように明るい。外界が夜でも関係なく常に明るいところを見るに、この明るさもテラスタルエネルギーに由来するものである可能性がある。


ここではアーマーガアモルフォンといった天敵の居住する外界では見ることの少ないポケモンや、ワタッコライチュウなどのこれまで見てきたポケモンの最終進化系のレベルが高い個体が闊歩しており、迂闊に戦闘を挑むのは非常に危険。
さらに既存のポケモンに似た全く別種の何か…パラドックスポケモンがその中に紛れてうろついている。これらは下へ進むにつれ徐々に数を増やしていく。
一番下の河原付近で進化前のものと共に群れているキリキザンハラバリーは、まるでそれらに怯えて暮らしているかのようにも見える。


パラドックスポケモンとは、本来この現在という時間軸上にいるはずの無いポケモンを指す総称である。
現在のポケモンから見て、スカーレットでは古代の姿バイオレットでは未来の姿とされるポケモンがそれにあたる。
例えばスカーレットブックバイオレットブックに記されたドンファンに似た生物は、

  • スカーレットでは古代の姿のドンファンにあたる、現在の種よりも大きな牙に赤い鱗や棘を持つ仮称『イダイナキバ
  • バイオレットでは未来の姿にあたる、全身が金属質になり顔がLED表示板の様になった仮称『テツノワダチ

といった具合。
ここまで読んでピンときた人も居るかもしれないが、実はコライドンミライドンもそれぞれ、今作で初登場したモトトカゲのパラドックスポケモンに当たる存在である。



下層部

入り組んだ構造のため日の光が届かない下層部は外界における洞窟と同じ環境となっているが、至る所からテラレイドバトルの入口に似た六角柱の光り輝く結晶が生えている光景を見る事ができる。
洞窟を降りていくにつれ結晶はその大きさを増していき、最下層近くでは外界の民家と同じほど、あるいはそれ以上の大きさを誇る巨大な結晶が洞窟内の一面に形成されている。
上階層からひと繋がりになっているため、ライドアクションを使えば最上部から一気に最下部まで飛び降りたり、逆に最下部から最上部へ登ることも可能。


洞窟内に唯一設置された観測ユニットはとある理由で損壊状態となっており、さらに半ば結晶体に侵食されている。
博士が待つ研究所ゼロラボは超巨大な結晶体にほとんど取り込まれた形となっており、取り付けられたハッチの中から侵入することとなる。


このあたりにはノコッチ種やダグトリオといった洞窟ならではのポケモンが生息するほか、テラスタル現象と密接な関係を持つと噂されるキラーメ、キラフロルの大量群生地となっている。
と同時に徘徊するパラドックスポケモンの割合が地下へと進むほどどんどん増えていき、研究所周辺には大量のパラドックスポケモンが縄張りを作っている。



テラスタルとその研究

観測所内に残されたオーリム博士フトゥー博士が記述したと思しき日誌には、未知なる力であるテラスタルがいかに発見されたのか、そしてその後博士は何を研究していたのかが記録されている。


博士はエリアゼロの観測中、仮称███と表記される謎の存在に接触。この仮称███の六角形で構成された外殻の構造がエネルギーを結晶化させることを発見し、この現象をテラスタルと命名。


そしてエリアゼロから採取された結晶化エネルギーを利用し、ポケモンを『テラスタルの姿』に変える道具テラスタルオーブを発明した博士はさらなる資金融資を獲得。いよいよ本命の研究である楽園の制作に乗り出すことになる。


この楽園は恐らくスカーレットブックバイオレットブックに記された幻の生物が現在の生物と同居する地を指すと思われ、「あの人」*3や研究中の同時期に生まれた我が子と共に、そこで3人で仲良く暮らすことを夢としていた。


その夢に憑りつかれ、狂気に飲み込まれてしまうまでは…


その顛末はこちらの項目を参照のほど。



残された謎(~藍の円盤まで)

紆余曲折の末、主人公は相棒や友達たちと共にタイムマシンに関わる事件を解決した。
しかし、解決したのはあくまでオーリム博士フトゥー博士とタイムマシンに関わる事柄のみであり、エリアゼロに残る不可解な謎はまだ残されている。以下はその一例である。


  • なぜタイムマシン完成前にパラドックスポケモンの目撃例が存在するのか?

タイムマシンの完成が原因で現代に古代/未来のポケモンが召喚されたのであれば、それ以前に執筆されたはずの書物にその存在が記載されているのは説明がつかない*4
この件は作中でも事件解決後のイベントでペパーが指摘しているため、メタ的な話をするとシナリオ作成時のミスではなく意図的に設定された伏線であると考えられる。
生物学者ヘザーがパラドックスポケモンを目撃していたなどの状況証拠から考えて、元々エリアゼロには別時代からの時間転移を実現する「何か」があり、タイムマシンは一から作られたものでは無く、その「何か」の能力・現象を科学技術的に再現したものであった可能性が浮上している。
時間転移による召喚を可能とするほどの力を持つ存在としては、時間を司るディアルガや時空の裂け目を引き起こせるギラティナが存在する(実際にヒスイ地方では神々の影響で過去や未来のポケモンが時空転移に巻き込まれる現象が発生した)が、エリアゼロでは両者が干渉したと思われる時空の歪みなどの痕跡は確認されていない。
そうなると、ウルトラホールを通して出現した可能性もあるが、しかしウルトラホールが時間移動すら可能なのかについては未だ不明。


  • 地上絵やプレートの記号は何を意味しているのか?

エリアゼロ探索中、実際に幾何学的な地上絵や記号の刻まれたプレートを発見することができるが、これが何を指すのかは不明である
ただし地上絵に関してはパルデア地図と重ね合わせた時、各交点の位置が今作の準伝説系ポケモンが封印された祠の位置と一致するという発見が報告されている。
今作の準伝説系ポケモンの設定は一見してエリアゼロに全く関係ないように思えるが、果たしてこれは偶然の一致なのだろうか?


そして記号の刻まれたプレートには、現在のパルデア地方のマップとほぼ同じ形の大陸図が記載されている。果たしてこれが意味するものは一体何なのか?


  • 円盤のようなポケモン、仮称███とは何なのか?

生物学者ヘザーが出会い、博士がテラスタルを着想する原因となった、六角形の多層構造をした外殻を持つ円盤のようなポケモンとは一体何なのか?そもそもポケモンなのかすら分かっていないが、メタ的にはポケモンだろう。
現時点でエリアゼロにそのようなポケモンが棲息している様子はないが、テラスタルの大元となる結晶はエリアゼロ中に散りばめられている。
さらにペパー曰く、このポケモンについて記述された記録物は例外なく滲んで完全な解読が不可能になってしまうらしく、観測ユニット内の手記はおろか、大量印刷されたスカーレットブックバイオレットブックの全ての版に至るまで同様の現象が発生しているという。
また、このポケモン自体の謎ではないが、この記述が「本の一番後ろ」にされているのも気になる所。その前の2ページは「協賛」と「著者の情報」という後書きとして書かれるべき内容である。仮にもエリアゼロ内で発見した立派な記録であるのにも関わらず、まるで見られたくないかのように最後のページに記されている。果たしてこのポケモンが持つ真の力とは一体何なのだろうか…



これら全ての残された謎は、追加コンテンツでの伏線回収が期待されていた。



余談

  • タイトルにある『ホームウェイ』とは『家路(≒帰り道)』という意味がある。

  • 本編以前にペパーのマフィティフが大怪我を負ったのも、このエリアゼロで何者かに襲われたのが原因だったという。その時は命からがら逃げだした後に、そらとぶタクシーへ無理を言って救助してもらったとのこと。
  • 上記の秘伝スパイスはエリアゼロの中で見つけたと言われているのだが、ゲーム中の探索可能な場所の中には見当たらない。オリジナルがもうないのか、探索していない範囲が他にあるのだろうか。
  • 今作ポケモンSVのタイトルロゴにはそれぞれコライドンミライドンを模した飾り枠があしらわれているが、その飾り枠の四隅に描かれたマークは全てエリアゼロ関連のものとなっている。
    • 左上:エリアゼロ内のプレートに描かれた三角形が縦に2つ重なった謎のシンボル
    • 右上:エリアゼロ内の洞窟に描かれた地上絵の簡略版
    • 左下:テラスタルやエリアゼロの共通モチーフである六角形
    • 右下:コサジ灯台の研究所やゼロラボ内のホワイトボードに描かれたグラフ
  • 宝物伝説のあるエリアゼロに向かうということは、課外授業のテーマが「宝探し」であるのを考えると、ストーリーの最後のルートにあたることを序盤から考察できる。

DLC「ゼロの秘宝」の後編「藍の円盤」で、再びこの地へと来ることになる。


ブライア先生の手引きでゼイユスグリと共に訪れるのだが、それまでの最下層のゼロラボはロックが再度かけられ、
以前と異なり内部から手引きする博士がいないため、一度訪れた事のある主人公をもってしても開けられなくなっていた。
だがオモダカから事前に受け取っていた用途不明の「あおのディスク」を持っていることを装置が検知すると、
差し込むことで再度ロック解除が可能なこと、そしてエレベーターの行き先がタイムマシンの部屋から変更になることを告げられる。
ディスクによってロックを解除し、ゼロラボに到達した一行は、エレベーターで下層に降りる。
そして、そこは以前に博士AIに案内されたタイムマシンよりもさらに下の未知なる地へと続いていた。



ゼロの大空洞

生前の博士がタイムマシンを作る以前に研究をしていた真の最深部。
タイムマシンの動力だったと思しきテラスタル結晶が点在する、狭く入り組んだ洞窟になっている。
その地層は200万年前、それまでに埋めつくす程にあった何かしらの物質が突如消滅した事で出来た空洞であることがうかがえる。


奥へ進む道中にはキラフロルやパラドックスポケモン、キョジオーンといったポケモンが「ステラ」と仮称される特殊なテラスタルをした状態で散見される。
中にはエリアゼロに生息していないオンバーンのステラテラスや、テラスタルこそしていないがそもそもパルデア地方での生息が確認されていないメレシーが野生で登場する。
エレベーターがないと出入りできない場所だが、どういう訳かこの最深部からでもそらとぶタクシーは呼べる。


そして、大穴の最奥部には、ブックに仮称███と読めない状態で記載された、「仮称ステラ」ことテラパゴスが、
博士のレポートの通りに六角形の結晶体となって休眠状態となっていた。
それは、本来は遥か古代のパルデアに生息していた固有種であったが、大規模な地殻変動によって絶滅したと考えられていた存在だった。
しかしここで、直前に主人公に敗れ、どんな手を使ってでも勝ちたいという執着を捨てられなかったスグリが、
眠っていたテラパゴスの結晶を無理矢理掘り起こし、マスターボールで捕獲。それで勝負を仕掛けるという暴挙に出る。
以降の顛末はテラパゴスの項目を参照のこと。


断片的に明かされた謎

断片的ではあるものの、観測隊が見たとされたパラドックスポケモンの謎については、一連のDLCで一応の回答が提示されている。


タイムマシンが明らかに関与していない大空洞には、エリアゼロに生息していないポケモンのテラスタルや、
メレシーのようにそもそもパルデア地方での生息が確認されていないものも存在していた。


パルデアから遠く離れたキタカミの里の「てらす池」にはここのように高濃度のテラスタル結晶があるのだが、
上記のイベントクリア後、この場所で何と死んだはずの博士と出会えるイベントが発生する
ただしコライドン/ミライドンに驚く一方で子供が一人いるという発言は本編での博士の日記と矛盾する*5ため、本人も言及するように別の次元で異なる歩みを遂げた博士である可能性が高い。
そこで博士から、「高濃度のテラスタル結晶は、同じものが存在する別の場所・時間同士を繋ぐゲートになり得る」という考察を聴ける。


もしこの考察の通りであるなら、大空洞、ひいてはパルデアの大穴全体は元々は(同じ結晶のある)別の場所・時間同士を繋ぐ特異点であったが、
地殻変動によってさらに分断されてしまった空間ではないかと推測できる。
大空洞内部にエリアゼロ、ひいてはパルデア地方そのものに生息していないポケモンがいるのも、これなら説明がつく。
このため、「かつて観測隊が見た怪物達」は、結晶の作用により元いた時空・時代から一時的にエリアゼロへと迷い込んだ個体が当時の人々と接触したのではないかと見られる。
同時に普通のテラレイドバトルで出現するポケモン達も同じ理屈で、パラドックスポケモン程には乖離していないどこかの時代・時空から結晶を通じて舞台の世界へ迷い込んでしまったポケモンである可能性が高い。
その根拠に、テラレイドバトルで戦う場所の地形は特異点の中心と思われるゼロの大空洞と一致している。
例えるのなら、ゼロの大空洞が結晶を通じて転移する時は必ず経由するゲートとも言える竜宮城で、結晶の力で転移したポケモン達はさながら浦島太郎のような別時間から来た遭難者と言える。


なお、ポケモン世界におけるパラレルワールドの存在は過去作でも触れられており、『ORAS』のヒガナがその存在を仄めかしていたり、『SM』『USUM』のリラはウルトラホールを通って『エメラルド』の世界から飛ばされてきたことが示唆されている。


追記・修正は、本当の「宝物」を見つけてからお願いします。


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*1 おまけに探索に力を注ぎ過ぎた帝国は衰退し滅亡してしまい、周辺国と統合される形で現在のパルデア地方となったとのこと
*2 現在のアカデミー校長、クラベル先生も同じチームで研究する科学者だったらしい
*3 恐らく博士の配偶者を指す
*4 古代のポケモンなら、閉鎖環境である大穴の中で現代までそのままの姿で生き延びていた可能性もあるが、未来のポケモンの場合は完全に説明がつかない
*5 初めて転送されてきたコライドン/ミライドンにそう名付けた後に子供=ペパーが生まれている

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