銀河英雄伝説で使われたクラシック曲

ページ名:銀河英雄伝説で使われたクラシック曲

登録日:2020/08/18(火) 01:30:25
更新日:2024/05/20 Mon 13:54:51NEW!
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1988年よりOVAで製作された銀河英雄伝説、俗に言う石黒監督アニメ版では、全編にわたってBGMに有名なクラシック音楽が用いられた。



【解説】

何故、OVA銀英伝がクラシックを使うようになったのかというと、OVAのパイロットフィルムとして作られた劇場版第一作『わが征くは星の大海』に遡る。
本作のクライマックスである第四次ティアマト会戦において


「ボレロみたいなBGMをバックに流した戦闘シーンにしたい」


という要望を入れた所、


「それじゃあ、いっそのことボレロを使おうよ」


という流れになった。
OVA製作当時の徳間書店は関連会社にレコード会社の徳間ジャパンがあり*1、劇場版やOVA製作にも参加していた同社は東ドイツの『シャルプラッテン』*2というクラシックのレーベルも扱っていたため、大量の音源が手元にあったためである。


石黒監督も快諾したために自然と他のBGMもクラシックを使うようになった結果、
艦隊戦から白兵戦、さらには平和な日常のシーンでもクラシック音楽が使われるのが当然となった。
なおシャルプラッテンのアーカイブで足りない場合は新日本フィルハーモニー交響楽団によって新たに演奏したクラシック音楽を導入し、さらには完全オリジナルのBGMもクラシック風にされている。



BGMの選曲や使い所も上手く、特に銀河帝国側の世界観に非常に親和性が高くすんなりと馴染んだため、スペースオペラに相応しいリアリティに満ち溢れた名場面が多数、生まれることになった。


普段、クラシック音楽に興味が無い人もこのOVA版を視聴して自然と銀河英雄伝説の世界に引き込まれると共に、関心を持つようになった者も多い他、別の場所で聞いたクラシック音楽が「あ、これは銀英伝のあのBGMだな」と想像したりすることもあるという。


このOVAの影響から銀河英雄伝説を題材にしたゲームなどでもクラシック曲をアレンジしたものが利用され続けているが、劇場版『黄金の翼』や新アニメ版では残念ながらクラシックは使われておらず普通のアニメらしいBGMになっている。


ニコニコ動画などではわざと旧OVA版と同じクラシック音楽に差し替えられたMAD動画がちらほら存在する。




【一覧】


※()内は作曲者名。緑字は同盟側、赤字は帝国側になります。


◆ワルキューレは汝の勇気を愛せり

「指向性ゼッフル粒子を――」


「主砲、発射!!」


本作オリジナルのクラシック風音楽で、作中ではゴールデンバウム朝銀河帝国の軍楽曲とされている。
ラインハルトの元帥杖授与式の際に流れる他、アムリッツァ星域会戦のクライマックスにおいてキルヒアイスがゼッフル粒子で機雷源を突破する鮮やかなシーンでも使われる。



◆自由の旗・自由の民、レボリューション・オブ・ハート

Oh hail! Liberty Bell!おお、吾ら自由の民


True freedom for all men吾ら永遠に征服されず


上と同じく本作オリジナルのクラシック風音楽で、自由惑星同盟の国歌。原作に登場した国歌の(日本語の)歌詞と大意は同じながら、同盟公用語(英語)のオリジナル歌詞となっている。
アニメ版制作前のイベントで参加者が合唱したものが実際のアニメ版でもアスターテ会戦後の戦没者慰霊式典などで使われた。一方、その直後にはジェイソンっぽい覆面の憂国騎士団が低音の鼻歌でこれを歌うというほとんどホラーな使われ方も。



◆交響曲4番『不滅』第4楽章(ニールセン)

「艦長、恒星アムリッツァに融合弾を投下してくれ」


「ローエングラム伯にいつぞやのお返しをしてやろう。多少、アレンジしてね」


劇場版第一作の記念すべき初の艦隊戦・惑星レグニッツァ上空戦で使われた。
また、OVA本編のアムリッツァ星域会戦本戦においても同様に使われ、ヤンの奇策がBGMと合わさってレグニッツァのリスペクトという憎いオリジナルの演出となった。



◆ボレロ(ラヴェル)

「左翼艦隊、前進せよ」


「何故、中央も右翼も出て来ない!? このままでは我が艦隊は敵の餌だ!」


劇場版第一作の第四次ティアマト会戦においてフルで使用された。銀河英雄伝説がクラシックを使うきっかけとなったBGM。
最初は静かだが、徐々に盛り上がっていく曲調が大変にマッチしている。



◆交響詩『禿山の一夜』(ムソルグスキー)

「まったくいい加減にしてくれないかなあ。私のような無害な人間に嫌がらせをして何が楽しいんだか、聞いてみたいもんだよ全く……」


キュンメル事件における憲兵隊と地球教徒の戦闘シーンで使われる他、終曲部分が退役して平和な年金生活を送るヤンとフレデリカの日常シーンで流れた。



◆交響曲1番・第4楽章(シベリウス)


「皇帝ラインハルトの御許にあって幾度も戦場を往来し、陛下の雄敵を悉く倒してきた我らだ! 何をもって実績なしと放言するか!(怒)」


「卿らの実績とやらは、よく承知している。卿ら三名あわせて、ヤン・ウェンリーひとりに幾度、勝利の美酒を飲ませるに至ったか。私だけでなく敵軍も……」


「貴様ああぁっ!!(怒)(怒)」


中盤部分がオーベルシュタインの草刈りに抗議しにやってきた3人の提督に対して皮肉と嫌味をぶつけてきたオーベルシュタインにビッテンフェルトがブチ切れて殴りかかる場面で使われた。
ビッテンフェルトの怒り具合を実に明確に表現しており、同時に滅多に見られないオーベルシュタインのブチギレ顔も見もの。



◆交響曲6番・第1楽章(シベリウス)


「皇帝ラインハルトとの戦いで死ねるのだ……。満足して死にかけている人間を、いまさら呼び戻さんでくれんかね……」


「またこの先、いつこういう機会が来るかわからん……


「なに……そう嘆くような人生でもあるまい……何と言ったかな……そう……伊達と酔狂で、皇帝ラインハルトと戦えたのだからな……


「卿にも苦労をかけたが、これからは自由に身を処してくれ……


冒頭部がシヴァ星域会戦にてメルカッツが戦死する場面や、皇帝となったラインハルトの誕生日を祝福する場面で使われた。



◆交響曲4番・第4楽章(シューマン)

「全艦、円錐陣を取れ! 敵の防御陣の間隙を縫って突撃!!」


「――いけええええっ!!」


「老人め、やる!」


マル・アデッタ星域会戦においてビュコック率いる同盟軍が恒星風を利用し大軍の帝国軍を突破してブリュンヒルトに迫るシーンで使われた。
老提督の最後の意地に相応しい勇戦と、ギリギリ後一歩の所でブリュンヒルトに届かない悲愴に溢れたシーンが見もの。


また、後半部分が要塞対要塞において援軍で帰ってきたヤンとケンプ艦隊の戦闘シーンに使われた。
フィッシャーとはまた違うヤンの巧みな艦隊運用が見ものとなる。



◆交響曲3番・第4楽章(シューベルト)

「不愉快だなあ。どうも……」


「何がです?」


「何がって、地球と言い、ここと言い、床に足をつけて戦うことに慣らされてしまった。こんな不愉快なことがまたとあるか」


ヤン艦隊によるイゼルローン要塞再奪取作戦における白兵戦で使われた。
また、終端部分が要塞対要塞の始まりであるガイエスハーケンの発射や、マル・アデッタ星域会戦前半のカールセン艦隊の強行突破成功といったクライマックスに相応しいシーンで使われた。



◆火の鳥(ストラヴィンスキー)

「突撃だ! ミッターマイヤーに朝食をとる時間を作ってやろう!」


回廊の戦い前哨戦、及び第二次ランテマリオ会戦にてビッテンフェルト率いる黒色槍騎兵艦隊が戦闘を開始する際に使用されており、黒色槍騎兵艦隊のテーマという印象が強い。



◆シンフォニア・ダ・レクイエム-鎮魂交響曲・第2楽章(ブリテン)

「……これだ! ……これでなくてはな!!」


「ロイエンタール! 俯角30度、2時方向に火線を集中させよ! 敵の艦列に穴が空いたら、そこを圧迫して突き崩せ!」


回廊の戦い前哨戦におけるヤン艦隊本隊の戦闘開始時、および本戦中盤のクライマックスで縦横無尽な艦隊運動でブリュンヒルトに迫るシーンで使われた。
静かながらスピード感と緊迫感に満ちた曲調が特徴で、ヤン艦隊の生きる航路図ことフィッシャー提督の巧みな艦隊運用が帝国軍を圧倒する場面が印象的。



◆交響曲3番・第4楽章(ブラームス)

「……おい、よせよ。ここは演劇学校の練習場じゃない」


「悲劇の舞台役なんぞ、やりたくもないぜ……!」


地球教徒に襲撃されたヤンを救出するべくレダⅡに突入したシェーンコップがユリアン達が持ち帰ってきたヤンの遺体と対面するシーンで使われた。
ヤンの死という絶望感溢れる場面にマッチし、犯人である地球教への怒りを燃やすシェーンコップ達の心情をも表している。



◆交響曲4番・第1楽章(マーラー)

「あなた……!」


「命の差し入れ……ありがとう」


主にフレデリカの回想シーンなどで使われ、フレデリカのテーマとしての印象が強い。



◆交響曲1番『巨人』第4楽章(マーラー)

「あの小才子めが……! どうやら最初から、この機会を狙っていたと見えるな」


「反撃だ! 小賢しい背信行為を許すな!」


「卑怯者め! 手をつかねて貴様に功を貪らせるものか!」


「道連れにしてやるぞ! ヴァルハラで戦死したクナップシュタイン閣下に詫びさせてやる!」


第一次、第二次ランテマリオ会戦の各クライマックスやバーミリオン星域会戦の開始時に使用される。
ちなみにこの曲が使われるシーンでは何故か帝国軍の大将が2名、特に第二次ランテマリオでは処刑必至な重罪をやらかしている。



◆交響曲2番『復活』第1楽章(マーラー)

「貴様が民主共和政治を愚弄しようと、国家を食い潰そうと、市民をたぶらかそうと、そんなことは俺の感知するところではない」


「だが……だがその穢らわしい舌で、皇帝の尊厳に汚物をなすりつけることは赦さん」


「俺は、貴様ごときに侮辱されるようなお方にお仕えしていたのではないし、背いたのでもない!」


アスターテ会戦やマル・アデッタ星域会戦で敗走する同盟軍のシーン等で使われる他、
ロイエンタールトリューニヒトを射殺するシーンでも使われた。



◆交響曲2番『復活』第4楽章(マーラー)

「遅いじゃないか、ミッターマイヤー……卿が来るまで生きているつもりだったのに……間に合わないじゃないか……」


「疾風ウォルフという……大層なあだ名に恥ずかしいだろう……」


「マインカイザー……ミッターマイヤー……ジーク……死……」


冒頭部がロイエンタールの死の直後に使われた。



◆交響曲2番『復活』第5楽章(マーラー)

「してやられたか……! 勝ち続けて……勝ち続けて、最後になって負けるのか……!?」


「キルヒアイス……俺はここまでしか来られない男だったのか……!?」


中盤部分がバーミリオン会戦においてヤン艦隊の策にハメられてラインハルトが窮地に陥るシーンで使われた。
ヤン艦隊が反撃を開始して一気に優位に立つ展開はまさに『復活』と呼ぶに相応しい盛り上がりを見せる。


また、前半部分がロイエンタールの死に間に合わなかった親友ミッターマイヤーが黄金獅子の旗を手向けるシーンで使われている。



◆交響曲3番『復活』第6楽章(マーラー)

これは星屑のように光る英雄たちの中の、小さな星の始まりにすぎない。


二人の英雄の戦いは、ここに始まる。


劇場版第一作・わが征くは星の大海のスタッフロールや、前半部分が死の淵にあるロイエンタールが我が子と初対面するシーンで使われた。



◆交響曲5番・第1楽章(マーラー)

「閣下! 工作艦の展開を終了しました! 次のご指示を!」


「早速、始めてください」


「少女を相手に喧嘩を売るとは情けない限りですなあ」


カストロプ動乱においてキルヒアイスが指向性ゼッフル粒子でアルテミスの首飾りを全滅させるシーンや、シェーンコップが初登場する場面で使われた。



◆交響曲6番『悲劇的』 第1楽章(マーラー)

「ヤン・ウェンリーには悲劇の英雄などという役柄は似合わない」


「観客としては、シナリオの変更を要求したいわけです。場合によっては力ずくでね」


「もっとも……既に場合によっていますかな?」


不良中年こと、シェーンコップ率いる薔薇の騎士連隊ローゼンリッターのテーマとも言うべきBGM。
主にローゼンリッターが登場したり活躍する場面で使われる。



◆交響曲6番『悲劇的』 第2楽章(マーラー)

「貴様ら平民がいくら来ようと、死体の山が増えるだけだぞ!? この臆病なネズミめ!」


「所詮、あの軟弱な小僧の軍隊などこんなものよ!」


主に白兵戦や陸戦などで使われるBGM。
特にミッターマイヤーですら「すっ飛んで逃げる」と称する石器時代の勇者ことオフレッサーの野蛮な戦いぶりが見もの。



◆交響曲10番・第5楽章(マーラー)

「リンチ少将。人は些細なことから人生を誤らせることもある」


「だから、九年前のエル・ファシルの時の貴官への評価は必ずしも妥当なものだとは思っていなかった」


「なればこそ、今回は名誉回復の機会と思っていたのに……!!」


「俺は世間の評判通りの男さ。そんなことも分からんとは、あんたも人を見る目がないねぇ」


救国軍事会議のクーデターで敗北が確定したことを認めたグリーンヒルがリンチに射殺される場面で使われた他、同盟政府に謀殺されかけたヤンが自殺したレンネンカンプを連れて宇宙へ脱出しようと準備する場面でも使われた。



◆白鳥の湖『スペインの踊り』第3幕(チャイコフスキー)

「おい、何も指揮官が自ら白兵戦に参加することもなかろう。ここにいてくれ」


「少し運動してくるだけです。すぐ戻りますよ」


要塞対要塞におけるイゼルローン要塞表面でのローゼンリッターの白兵戦で使われた。
流体金属の海の上という、原作には無いアニメオリジナル要素によって事実上の水上での白兵戦が唯一描かれ、シェーンコップが海賊さながらに縦横無尽に敵機に乗り移る勇姿が見もの。



◆交響曲4番・第1楽章(チャイコフスキー)

「退くな! 退くなと言っておるだろうが!」


「退く奴は構わん! 退く奴は構わんから、王虎の主砲で吹き飛ばしてやれ!!」


「卑怯者として生き延びるより、遥かに武人の本懐だろうよ!!」


中盤部分が第二次ランテマリオ会戦にてロイエンタールの罠に嵌って殺されかけたバイエルラインがミッターマイヤーに救出される場面で使われ、後半部分が同会戦で苦戦する黒色槍騎兵艦隊にビッテンフェルトがとんでもない檄を飛ばす場面でも使われた。



◆交響曲4番・第4楽章(チャイコフスキー)

「ファイヤー!!」


「ファイエル!!」


マル・アデッタ星域会戦の開始時に使用される。
途中、恒星風によって一旦戦闘が中断されるのに合わせてBGMが鳴り止み、戦闘再開と同時にBGMもまた再開される演出が一品。



◆交響曲6番『悲愴』第3楽章(チャイコフスキー)

「猪突猛進こそ、我らが本領よ! 敵にいかなる奇計、奇策があろうと力で討ち破ってくれるわ!」


ライガール、トリプラ両星系間の戦いにおけるヤン艦隊が敵をブラックホールに追い込むシーンや、マル・アデッタ星域会戦で黒色槍騎兵艦隊が到着するシーンで使われる。
主に全面攻勢を仕掛けるシーンで使われる頻度が高い。



◆交響曲6番『悲愴』第4楽章(チャイコフスキー)

「ヴェスターラントを忘れたか! たった3年前の惨劇をもう忘れたのか!?」


「俺の妻と子は、ヴェスターラントでブラウンシュヴァイク公と貴様のために生きたまま焼き殺されたのだぞ!」


ヴェスターラントの遺族がラインハルトを糾弾するシーンで使われる。
他にも悲劇的な場面でも使われることが多い。



◆序曲・オセロ(ドヴォルザーク)

「もう少しマシな女かと思ったがな。興味が失せた。さっさと出て行って、お前にふさわしい男をさがせ」


「権力と法律が、甘い生活を保障してくれた時代を懐かしむだけの能なしをな。……だが、その前に一言言っておく!」


「この世で最も卑劣で醜悪なことはな、実力も才能もないクセに、相続によって政治権力を手にすることだ!」


「それに比べれば簒奪は1万倍もマシな行為だ! 少なくとも権力を手に入れるための努力はしているし、本来それが自分のものでないことも知っているのだからな!」


前半部分がエルフリーデに対して独白するロイエンタールや、ラングを射殺しようとブチ切れたミッターマイヤーをケスラーが制止する場面などで使われた。
どちらも登場人物が曲調に相応しく滅茶苦茶激怒しているのが特徴。



◆チェロ協奏曲・第3楽章(ドヴォルザーク)

「要塞そのものに艦砲は通じない。稼働中のエンジンを狙え!」


「進行方向左端の一基に全艦で集中砲火! ――撃て!!」


要塞対要塞のクライマックス、イゼルローン要塞に体当たりを仕掛けてきたガイエスブルグ要塞にヤン艦隊が集中砲火で破壊するシーンで使われた。



◆交響曲5番・第2楽章(ドヴォルザーク)

「まいったな……うちの生きた航路図が死んだ航路図になってしまった……」


「これからうっかり森へハイキングにもいけんぞ……」


回廊の戦いの最終局面、黒色槍騎兵艦隊の猛攻を凌いだ直後にヤン艦隊の生きた航路図ことフィッシャー提督が戦死した場面で使われた。



◆交響曲6番・第3楽章(ドヴォルザーク)

「行けーっ! 敵を挟撃する好機は今ぞ!」


「伏兵だと!? 小癪な真似を!」


マル・アデッタ星域会戦においてファーレンハイト艦隊にカールセン艦隊が奇襲を仕掛けるシーンで使われた。



◆新世界より・第1楽章(ドヴォルザーク)

「全艦隊、凹形陣に展開! 一隻たりとも通すな!」


「強行突破だ! 生きて帰れずとも皇帝に一太刀浴びせずにおくものか! 全艦突撃!!」


マル・アデッタ星域会戦においてカールセン艦隊とミュラー艦隊がぶつかり合うシーンで使われる。
また、帝国領侵攻において同盟軍が現地の住民と衝突する場面でも使われた。



◆新世界より・第3楽章(ドヴォルザーク)

「氷です! 巨大な氷が、光速に近いスピードで直撃しました!」


「全滅……アルテミスの首飾りが、一つ残らず一瞬に……!」


救国軍事会議のクーデターのラスト、ヤン艦隊による防衛衛星「アルテミスの首飾り」の破壊シーンで使われる。
また、アムリッツァ星域会戦のラスト、殿を務めるヤン艦隊の活躍でも同様に使用された。



◆新世界より・第4楽章(ドヴォルザーク)

補給線を断たれ、窮地に陥った同盟軍を殲滅すべく、帝国軍は一挙に反撃に転じた。


アムリッツァ星域会戦の前哨戦においてフルで使われており、同会戦を象徴するBGM。
キチガイ参謀の無謀な作戦によって侵攻を仕掛けた帝国領はまさに同盟軍にとって『新世界』と呼ぶに相応しい未知の世界であることを表している。



◆交響曲5番『運命』第4楽章(ベートーヴェン)

「撃つが良い! ラインハルト・フォン・ローエングラムはただ一人で、それを殺す者も一人しか歴史には残らないのだからな。その一人に誰がなる!?」


ウルヴァシー事件においてラインハルトが暗殺者達を前に堂々と覇気で圧倒するシーンや、皇帝となった直後にゴールデンバウム王朝の全史を確認しているシーンでも使われている。



◆交響曲6番『田園』第4楽章(ベートーヴェン)

「一個連隊はいそうですな」


「銀河帝国の皇帝と上級大将が2名、それを害するのにたかだか一個連隊とは安くみられたものだ」


ウルヴァシー事件におけるカーチェイスシーンで使われた。
意外にも銀河英雄伝説ではこうしたカーチェイスは非常に珍しい。



◆交響曲7番・第4楽章(ベートーヴェン)

「ははははははは! こいつはいいぞ! どっちを向いても敵ばかりだ!」


「狙いをつける必要もない! とにかく撃てば敵に当たるぞ!!」


ドーリア星域会戦、および要塞対要塞における要塞主砲の撃ち合いで使われた。
スピード感溢れるBGMと、上記のグエンの愉快な名言が笑いを誘う。



◆ピアノソナタ第14番・第1楽章「月光」(ベートーヴェン)

「まだ、夢を見足りない? ラインハルト……」


「いえ……もう充分に見ました……誰も見たことがない夢を充分すぎるほど……」


「姉上……これを……もう私には必要がなくなりました……姉上に差し上げます……そして、キルヒアイスもお返しします……」


「ずっとお借りしっぱなしで申し訳ありませんでした……」



「ジェシカ……帰ったら結婚式だ……帰るよ……必ず……」


病により死の淵に立ったラインハルトがアンネローゼに看取られる場面や劇場版三作目のアスターテ会戦でラップが戦死する場面で使われた。
この曲が使われるのは両者共に死の寸前であるというのが共通しているのが特徴。



◆交響曲5番・第1楽章(ブルックナー)

「ローエングラム侯! 我が主君の仇、とらせていただく!!」


冒頭部分がリップシュタット戦役終結直後の戦勝記念式でアンスバッハがラインハルトにバズーカを発射する場面などで使われている他、バーミリオン会戦終結直後、ラインハルトとヤンが初めて対面する場面でも使われた。



◆交響曲5番・第2楽章(ブルックナー)

「「卿にはぜひ一度会ってみたいと、長いこと思っていた。ようやく望みがかなったというわけだ」


「恐れ入ります……」


「「卿とはいろいろ因縁《いんねん》がある。三年前になるが、アスターテ星域の会戦をおぼえているか」


「閣下から通信文をいただきました。再戦の日まで壮健なれ、と。おかげさまで悪運づよく生き永らえております」


「「私は卿から返信をもらえなかった……」


「非礼の限り、申しわけございません……」


バーミリオン会戦終結直後、ラインハルトとヤンが会見を行い、お互いの政治思想などについて語り合う場面で使われた。



◆交響曲7番・第1楽章(ブルックナー)

「ラインハルト様……宇宙を……手にお入れください……」


「それと、アンネローゼ様にお伝えください。ジークは、昔の誓いを守ったと……」


ラインハルトの無二の親友にして半身、ジークフリード・キルヒアイスの死の場面で使われた。
他にも救国軍事会議のクーデターを鎮圧後、首謀者となって生き別れた上にそのまま再会することもなく死に別れたフレデリカの回想でも使用される。



◆交響曲7番・第2楽章(ブルックナー)

「ロイエンタール元帥……余は近いうちに今一度、このような形で敵将に対面することとなりそうだな」


バーミリオン会戦においてラインハルトの策をユリアンが見破るシーンやマル・アデッタ星域会戦の終結後、行軍する帝国軍の敬礼するシーンで使われた。



◆交響曲7番・第3楽章(ブルックナー)

「数で圧倒する! 小細工は無用だ! 撃て!」


「遠いわ……間合いも分からんか……?」


キフォイザー会戦、バーミリオン星域会戦で使われた他、ヤン艦隊による惑星シャンプールの制圧シーンでも使われた。



◆交響曲7番・第4楽章(ブルックナー)

「もう嫌だ! どうしてこいつら、向かってくるんだ!? 死ぬことに恐怖は無いのか!?」


地球教本部内における装甲擲弾兵と地球教信者たちの白兵戦で使われた他、救国軍事会議のクーデターにおいて首謀者がグリーンヒルであると判明する場面でも使われた。



◆交響曲8番・第2楽章(ブルックナー)

「ホクスポクス……以下、省略!」


地球教徒による柊館炎上事件において、ケスラーが強行突入するシーンで使われた。
また、シャーウッドの森艦隊が破棄作業中の同盟艦隊を強奪する場面にも使われている。



◆レクイエム・第1楽章(ヴェルディ)

「ビューロー、皇帝陛下にお伝えしてくれ。忠臣名将相次いで失われ、さぞご寂寥のことでしょう。次はミッターマイヤー元帥の番ですか、と!」


「功に報いるに罰をもってして王朝の繁栄があるとお思いなら、これからもそうなさいと!」


第二次ランテマリオ会戦終結後、ロイエンタールの死に続いてその腹心ベルゲングリューンが自殺する場面で使われた。
敬愛する上官を二人も陰謀によって失ったベルゲングリューンがラインハルトに遺した痛烈な批判が本人の無念と絶望を表わしている。



◆交響曲101番『時計』第4楽章(ハイドン)

「正面の敵には構うな! 全巻、反転してワーレン艦隊に向かう!」


「おのれ、みすみす……!」


第11次イゼルローン攻防戦の中盤においてユリアンの作戦が功を奏し、ヴァーゲンザイル艦隊を要塞主砲トールハンマーで追い払う場面で使われた。



◆交響曲102番・第4楽章(ハイドン)

「空戦隊、発進せよ!」


「行くぜい!」


「こちらもワルキューレを出せ!」


第11次イゼルローン攻防戦の開戦で使われる。
軽やかな雰囲気が空戦部隊同士のドッグファイトを印象付ける他、ヤン亡き後に後継者となったユリアンの初陣やカリンら新人の若手たちの活躍など初々しい印象を与える。



◆交響曲1番・第2楽章(ショスタコーヴィチ)

「お見事ですなあ。シェーンコップ中将」


「いや、一度やってみたかったのさ。子供の頃からな」


中盤部分がシヴァ星域会戦におけるブリュンヒルト内のローゼンリッターの戦闘シーンで使われた。
ローゼンリッターとシェーンコップの最後の戦いに相応しく談笑しながら片手間で敵を仕留めていくのが見もの。



◆交響曲1番・第4楽章(ショスタコーヴィチ)

宇宙歴800年、新帝国歴2年11月、宇宙は帝国軍の双璧と謳われた二人の稀代の用兵家のために存在しているかのようにすら見えた


終端部分がロイエンタールに叛意の噂が流れた場面や、地球教徒に嵌められて反逆を決意したロイエンタールが無二の親友の説得をも振り切って戦いに出向く場面で使われた。



◆交響曲5番『革命』第4楽章(ショスタコーヴィチ)

「怯むな! 前進しろ! 無理矢理にでも接近戦に持ち込めば勝機はある!」


「混戦に持ち込んで戦況がヤンのコントールを離れれば、ヤン艦隊など寄せ集めの弱兵に過ぎん!」


「昨年のバーミリオン会戦のことを思い出してみろ! 貴様ら帝国軍は惨敗・大敗・完敗の挙句、宇宙の塵と成り果てるはずだった!」


「それをお情けで助けてもらったくせに、恩を忘れて再侵略してくるとは! 貴様らの皇帝は顔が綺麗なだけのロクデナシだ!」


「奴ら、ただではすまさん! 全艦、敵艦と刺し違えてでも倒せ!!」


回廊の戦い前哨戦において黒色槍騎兵艦隊が窮地を脱そうと突撃を仕掛けるシーンで使われる。
上記のビッテンフェルトとアッテンボローのオープン会戦による悪口合戦が見もの。



◆交響曲6番・第2楽章(ショスタコーヴィチ)

「この戦法、メルカッツ提督か……」


「よろしい。本懐である……!」


回廊の戦い前哨戦のクライマックス、ヤン艦隊に包囲されて脱出困難に陥ったファーレンハイトがアースグリムの波動砲、通称『本懐砲』で突破を図るシーンや本戦の終盤でラインハルトが物量作戦を仕掛け始めたシーンで使われる。



◆交響曲6番・第3楽章(ショスタコーヴィチ)

「前後、左右、上下、いずれの方角を見ても我が軍の艦影で埋まっている!」


「にもかかわらず、我が軍が劣勢であるのはどういうわけだ!?」


回廊の戦い開始直前、ヤン艦隊がメックリンガー艦隊をハッタリで戦わずして退けたシーンや本戦で戦線が膠着する場面、
さらに第二次ランテマリオ会戦においてロイエンタールが神懸かり的な用兵によって戦場から撤退するシーンで使われた。



◆交響曲8番・第1楽章(ショスタコーヴィチ)

「ご老体の充実した生涯と冥福に……!」


「では何か形見をください! 命に代えても皇帝の元にお届けしますから!」


「分かった……形見をやる。お前の命だ……! 生きて皇帝にお目にかかれ。死ぬなよ……いいか……」


冒頭部分がビュコックの死を知らされてショックを受けるヤンやシェーンコップたちが喪に服して哀悼する場面で用いられた他、
終盤部分が重傷を負って死に瀕したファーレンハイトが従卒に遺言を伝える場面で使われた。



◆交響曲8番・第2楽章(ショスタコーヴィチ)

「よせよ、痛いじゃないかね……」


「ヤン提督はどこにいる!? 言え!」


「もはや……この世のどこにもおらぬ……!」


レダⅡに侵入してきた地球教徒の暗殺者との戦闘シーンで使われた。
まともに戦える者が誰もおらず、仲間たちが次々と敵の手にかかっていく悲劇とヤンが最大の窮地に陥っている緊張と焦燥感をはっきり表している。



◆交響曲8番・第3楽章(ショスタコーヴィチ)

「皇帝のおでましだ! 花束の用意はいいか!?」


「皇帝の御前である! 無様な混乱を見せるな! 陣形を立て直せ!」


回廊の戦い本戦の開始時においてミッターマイヤー艦隊との戦いで使用される。
ちなみに冒頭部分がキチガイ参謀アンドリュー・フォークが地球教に拉致されたり、襲撃&出オチなどでも使われており、フォークのテーマらしい不穏なBGMとなっている。



◆交響曲10番・第1楽章(ショスタコーヴィチ)

「敵は手薄だ! 動きも鈍い! 一気に突破するぞ!! ……何っ!?」


「駄目です! これではブリュンヒルトが危険で攻撃できません!」


シヴァ星域会戦においてブリュンヒルトへの突入シーンで使われる。
最後の戦いに相応しく、最初で最後のブリュンヒルトが被弾する場面が特徴。
また、開始部分が会戦終結後、ラインハルトが不治の病に倒れたことを知らされたビッテンフェルトが文句を叫ぶ場面にも使われた。


◆交響曲10番・第2楽章(ショスタコーヴィチ)

「前面に弾幕を張れ! 敵の攻勢を左翼方向へ逸らしながら戦線を縮小! 左翼部隊には敵の側面を突かせろ!!」


「ひたすら撃ちまくれ! エネルギーが尽きるまで撃って、何としても奴らの進行を抑えろ!!」


回廊の戦い本戦のクライマックス、黒色槍騎兵艦隊との戦いで使われる。
徐々に曲調が激しくなっていくのが、既に疲労も頂点に達しようとしているヤン艦隊が限界であることを表している。



◆交響曲10番・第4楽章(ショスタコーヴィチ)

「人は運命には逆らえません、から……」


回廊の戦い終盤、アイゼナッハ艦隊との戦闘やシヴァ星域会戦のブリュンヒルト内での戦闘、さらにヤン艦隊の象徴である戦艦ヒューベリオンが撃沈されるシーンで使われる。



◆交響曲ハ長調 ・第1楽章(ワーグナー)

「カイザーラインハルト陛下、わしはあなたの才能と器量を高く評価しているつもりだ。孫を持つなら、あなたのような人物を持ちたいものだ」


「だが、あなたの臣下にはなれん。ヤン・ウェンリーもあなたの友人にはなれるが、やはり臣下にはなれん。他人事だが保証してもよいくらいさ」


「何故なら、偉そうに言わせて貰えば、民主主義とは対等の友人を作る思想であって、主従を作る思想ではないからだ!」


「わしはよい友人が欲しいし、誰かにとってよい友人でありたいと思う。だが、よい主君もよい臣下も持ちたいとは思わない。だからこそ、あなたとわしは同じ旗を仰ぐことは出来なかったのだ」


「ご厚意には感謝するが、今更あなたにこの老体は必要あるまい」


「民主主義に……乾杯!」


マル・アデッタ星域会戦の最後、敗北が確定し生き残った味方を逃がすために殿となったビュコックがラインハルトと最初で最後の交信を行う場面で使われた。



◆パルジファル(ワーグナー)

「マイン・カイザー……あなたの御手から元帥杖を頂くお約束でしたが、かなわぬことのようです……」


「お叱りはヴァルハラでいただきますが……どうか、それが遠い未来のことでありますよう……」


ウルヴァシー事件にて地球教のテロリストからラインハルトを逃がすために殿を務めたルッツが死ぬ場面で使われた。



◆ジークフリート牧歌(ワーグナー)

「宇宙を手に入れたら……みんな、で……」


不治の病に倒れたラインハルトが崩御する際や少年時代の回想などで使われており、タイトルからしても同じ少年時代を過ごした無二の親友にして半身、キルヒアイスを象徴している。



追記・修正はクラシック曲を作業用BGMにしながらお願いします。


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  • 銀英のイメージが強いからか、Stellarisの動画でもクラシックが使われている物が幾つかあるね。 -- 名無しさん (2022-11-27 12:47:31)

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*1 現在はDAMやビックエコーで知られる第一興商傘下
*2 正式にはVEB Deutsche Schallplatten Berlinで「人民公社ドイツ・レコード・ベルリン」の意。東独の人民公社の例に違わず東西再統一後に売却され現存しない

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