ヘレディタリー/継承

ページ名:ヘレディタリー_継承

登録日:2020/02/13 (木) 23:14:20
更新日:2024/05/16 Thu 12:39:30NEW!
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完璧な悪夢


緻密に張り巡らされた恐怖の罠。“フィナーレ”まで瞬きさえ許されない。






概要


『ヘレディタリー/継承(Hereditary)』とは、2018年公開のアメリカのホラー映画。
低予算インディペンデント映画を主に製作しているスタジオ、A24が製作した。
監督は本作が初の長編映画監督作品となったアリ・アスター。


本作は、ある4人家族が、祖母の死をきっかけに常軌を逸した怪奇現象に巻き込まれる様を描いている。
…が、開始30分で当初の予測は大きく裏切られ、物語は二転三転。しかもそれは、考えうる限り一番悪い方向へと転がっていく
観客の考える「最悪」を軽々と飛び越える展開の数々に、多くの観客は緊迫感に苛まれ続け、そして最後には一周回って最高のハッピーエンドとも考えられる最悪の結末を迎える
全編に渡って張り巡らされた伏線も秀逸で、一度見たら二度見たくなること間違いなし。
批評家からも「現代ホラーの頂点」「ホラーの常識を覆した傑作」と絶賛。
これ以上ない「邪悪」なストーリーを生み出したアスター監督への称賛の声が後を絶たない状況だ。
出演陣の演技も凄まじく、特に主演のトニ・コレットの顔芸にはトラウマになること必至。


日本では、ファントム・フィルム配給・PG12指定で公開され、そのカルト的人気から応援上映も企画されたが、本番ではほとんど誰も声を発していなかったという。









ストーリー


グラハム家はどこにでもいる普通の家族だ。
ミニチュア職人の母・アニー。仕事にかかりっきりなカウンセラーの父・スティーブ。根暗な長男・ピーター。そして何を考えているか分からない長女・チャーリー。
そんなある日、アニーの母のエレンが死んだ。アニーは複雑な想いを胸に抱きながら葬儀を進める。エレンは生前、奇妙な言動が目立ち、他の家族も変死を遂げたのだ。
そんな中、彼らの周囲で奇妙なことが起き始める。暗闇に現れるエレンの影、荒らされる墓、そしてチャーリーの奇妙な言動…。
…そしてある夜、ピーターがチャーリーを友達のパーティーに連れて行った日、決定的な出来事が起こる。
それを境に、グラハム家に起こる信じ難い出来事の数々。崩壊する家庭。
やがて物語は、信じられない結末へと家族を導くのだった…。





登場人物


  • アニー・グラハム

演:トニ・コレット/吹替:藤貴子
ミニチュア製作が仕事の主婦。
夢遊病を患っていた時期があり、そのせいで息子のピーターからは恐れられ、親子仲は冷え切っている。
彼女なりに家族を愛しているものの、決して良好とは言えなかった母との確執によって息子や娘との距離が掴めずにいて持て余し気味。

チャーリーの非業の死以来精神のバランスを崩していき、やり場のない怒りをピーターにぶつけたりして家庭内でも孤立する。
セラピーで出会ったジョーンに勧められた降霊術を無理矢理行ってからはますます言動が悪化。しかし、それ以来チャーリーの霊らしき気配を感じるようになり…。


  • ピーター・グラハム

演:アレックス・ウルフ/吹替:小田柿悠太
陰キャ気味な長男。高校生。
友達はそれなりにいて同じクラスの女子に恋もしている普通の少年だが、夢遊病を患ったアニーにシンナーをかけられて以来、母に心を開けずにいるため仄暗い雰囲気を漂わせる。
実はアニーがエレンから「無理矢理産ませられた」子供で、彼女自身も重荷に感じていたようだが…。

友達のパーティーにチャーリーを連れて行った際に彼女がアレルギー発作を起こして病院に連れて行こうとした矢先に事故を起こし、彼女を死なせてしまう。
以来、家庭でも気まずい思いをし、心のバランスを崩していくアニーに恐怖心を増大させていく。


  • チャーリー・グラハム

演:ミリー・シャピロ/吹替:小若和郁那
無口で人付き合いが苦手な長女。小学生。
常に不機嫌そうな顔をして絵を描いたり、死んだハトの首を切断する奇妙な一人遊びに熱中している。「コッ」と舌を鳴らすのが癖。
庭にあるツリーハウスがお気に入りで、冬であるにもかかわらずよくそこにいる。
エレンからはとても可愛がられており、よく彼女からは「男の子が良かった」と言われていた。

ピーターに連れていかれたパーティーでナッツアレルギーの発作を起こし、ピーターによって車で病院に連れて行かれるが、道中で暴れ回った挙句車の窓から身を乗り出し、電柱で首を撥ね飛ばされ死亡
半ばパニックになりながらも、何事もなかったかのように帰宅したピーターがベッドで朝を迎え、庭からアニーの絶叫が聞こえた直後に映る蟻がたかった彼女の生首は本当に怖い
彼女を失った悲しみを拭いきれないアニーによって降霊会が催され、以来グラハム家にはチャーリーの影がちらつくようになるが…。


  • スティーブ・グラハム

演:ガブリエル・バーン/吹替:仲野裕
精神カウンセラーの家主。
仕事にかかりきりで家族にはあまり構っていられないが、ごく一般的な常識の持ち主。

娘の死以来、精神を病んでいく妻を気遣うが、やがて家庭事態も崩壊していったため、彼女を「病気」と恐れるようになる。


  • エレン・リー

アニーの母。物語開始前に脳梗塞で死去する。
生前は数多くの友人と一緒に怪しげな宗教に浸かっており、娘のアニーからは敬遠されていた。
また、息子に奇妙な行動を加えた結果彼を自殺に追い込み、アニーにはピーターを近づけさせないようにしていた。
反面、チャーリーは懐いており親しく接している時もあったという。最期は認知症が酷くなり、前後不覚な状態だったようだ。


  • チャールズ・リー

アニーの兄。
アニーが小さい頃に、母エレンから上に乗りかかられ、「何かを入れようとした」として彼女を恐れ、精神崩壊の中首吊り自殺した。


  • ジョーン

演:アン・ダウド/吹替:仲村かおり
アニーがグループセラピーで知り合った未亡人。
母と娘を亡くしたアニーを気遣い、彼女が経験したという本物の降霊術を紹介し、孫の霊を召喚する実演をしてみせる。







キーワード


  • エレンの手紙

アニーに宛てられた、生前書き残したと思われる手紙。
「私を許して」「失うことを悲しまないで。犠牲は恩恵に変わる」という趣旨が書かれてあった。


  • 玄関マット

ジョーンの部屋の前に敷いてある玄関マット。ジョーンの名前が書いてあり、手作りのようだ。


  • 謎のマーク

今作に至る所に登場するマーク。
エレンのネックレス、壁紙、そして電柱…。それが意味するものは?







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我らは三位一体を拒み―――
偉大なる王ペイモンの為に祈る


秘密なるものすべての知識を授けたまえ


名誉と富 良き“使い魔”を与えたまえ


人々を我らに従わせたまえ


我らが今も永遠の時も―――
あなたに従うが如く








ペイモン万歳!



ペイモン万歳!


ペイモン万歳!


万歳!!






  • エレン・リー

実は地獄の王の一人である悪魔「ペイモン(別名パイモン)」を信仰する邪教の教祖「王妃リー」であり、今作における全ての黒幕
生前は数多くの信者たちに囲まれ、ペイモンの現世降臨を夢見ていたのだ。
そして、彼女は自分の家族をその生贄に使うため、数々の策を遺していたのである。
最終的には信者たちの手によって墓を荒らされ、ペイモン召喚のために首を捧げられた。


  • チャールズ・リー

ペイモンの「器」の候補としてエレンから無理矢理その準備をさせられたが、そのことに勘付き精神を病み、自殺した。
そして「チャーリー」とは「チャールズ」の愛称でもある。


  • スティーブ・グラハム

アニーの語る母の陰謀にも全く聞き耳を持たず、彼女を警察に渡そうとしたが、アニーがチャーリーのノートを焼いた際にペイモンの呪いによって焼死。
男性だがエレンの血族ではないため、ペイモンの器には選ばれなかった。


  • ジョーン

実はエレンの信者の一人。エレンとは会ったことがないと話していたが、エレンから手作りの玄関マットを贈られる*1など深い交流があった様子。
アニーに降霊術を吹き込んだのも、チャーリー=ペイモンの魂を呼び寄せるために仕組んだ罠だったと考えられる。


  • チャーリー・グラハム

その正体は「ペイモン」の宿主。彼女の異様な雰囲気や趣味はペイモンの趣向そのものであった。
しかし、器となる肉体は男でなければならなかったため、エレンからは「男が良かった」と言われていたのだ。
そしてエレンの死を機に、信者らの手によって呪いをかけられ、事故を誘発させられて死亡し、ペイモンの魂は肉体から解放されたのであった。
ちなみに、電柱で轢断された頭部は信者らに回収されたのち、ラストシーンでペイモン像の頭部として再利用されるという、ペイモンへの敬意と信仰*2が一周回って悪意にしか見えないレベルの扱いを受けている。


  • アニー・グラハム

母の術中にまんまと嵌り、精神を病んで家族から孤立した挙句、降霊術に手を染めてペイモンの魂を呼び寄せ、悪魔復活の下準備をしてしまった。
そのことに気付いたが後の祭り。自分が呪い殺される覚悟でチャーリーのノートを燃やしたが、逆に夫が焼き殺され精神が崩壊。
完全にペイモンの支配下に置かれてしまい、人間離れした不可解な挙動でピーターを屋根裏に追い詰めた挙句、自らワイヤーを首に巻いて切断し生贄となった。


  • ピーター・グラハム

本作における最大の被害者。
降霊術以降徐々に精神を衰弱させていき、最終的には恐怖に追い詰められ、ペイモンの新しい男の器として「チャーリー」に完全に乗っ取られた。





…こうして、地獄の王「ペイモン」は見事地上に再臨を果たしたのである。




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  • ミッドサマーも楽しみ -- 名無しさん (2020-02-14 12:53:29)
  • アリー・アスター監督の新作「ミッドサマー」、2020年3月には日本でも公開。継承と同じかそれ以上に「嫌な気持ちになる映画」として自殺者が出るぞと警戒されている(…) -- 名無しさん (2020-02-14 13:26:13)
  • ミリー・シャピロちゃんの将来が心配です -- 名無しさん (2020-02-15 10:43:56)
  • 仮面ライダーで良くあるショッカー復活パターンをやられてる方の視点でライダー無しでホラー描写だけでやるとこの映画の展開の8割近づく。 -- 名無し (2020-05-06 07:28:06)
  • 日本特撮の復活物を悪意100倍でヒーロー無しでやるとこうなる。 -- 名無し (2020-11-14 01:48:17)
  • ストーリーとネタバレ見ると救いようのないロクでもねぇ話だな。 -- 名無しさん (2020-11-26 20:46:53)
  • 実はアニーが買い物に訪れたショッピングモールの駐車場で『ミッドサマー』のクリスチャンとペレの二人とニアミスしてる。 -- 名無しさん (2020-12-04 23:35:41)
  • ↑確認してみたくなったけどもう一回この映画観たくねぇよ……。 -- 名無しさん (2021-01-24 02:50:11)
  • チャーリーが亡くなった後日、家族三人で取る夕食のシーンが一番キツイ(トラウマ的な意味で) -- 名無しさん (2021-02-07 23:46:58)
  • 母ちゃんの吹き替えが伽椰子。声優としても活躍しとる人だけどキャスティングに意図まで感じてまう(笑) -- 名無しさん (2021-10-15 04:02:02)
  • アニーが真夜中にスティーブとピーターをたたき起こして家族3人で降霊術を強行させているとき、スティーブが「ダメだ、付き合ってられねぇ」ってばかりに「ピーター(部屋へ戻って)寝なさい。」と息子に気遣っている父親をしている場面は不謹慎ながらも笑ってしまった -- 名無しさん (2023-07-03 02:17:03)
  • ママは悲壮な覚悟なのに奇行にしか見えなくて、いい加減キレたパパがノートをひったくって暖炉に投げ込んだ瞬間、パパが呪いで大炎上(物理)するシーンは地獄すぎてさすがに笑うしかなかった -- 名無しさん (2024-02-15 19:38:36)

#comment

*1 物語中盤、このマットを初めて見たアニーが「母の作ったマットと意匠が似ている」と話すシーンがあり、この時点でジョーンの正体の伏線が張られていた
*2 ペイモンは男性の体に女性の頭部を持つと言われているので、件のペイモン像はその姿を忠実に再現していると言える

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