登録日:2018/04/21 Sat 15:26:12
更新日:2024/02/19 Mon 13:57:18NEW!
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ロボットのうち、「巨大」で「人型」をしている「戦闘兵器」のこと。
どこからどこまでを「巨大」とするかは人によるが、大体等身大よりも高めの3、4m以上からが該当すると思われる。
概ね人が操縦し、完全に覆われたコックピットを持つ。さすがに人の手足をロボットの手足の中に通す様な構造にはしていない。
改造人間(サイボーグ)・パワードスーツ・パワーローダーよりも機械による人の拡大が大きくなったものとも言える。
なお巨大人型ロボット兵器に対して銃や戦車などの在来型兵器を「通常兵器」と呼ぶことが多い。*1
▽目次
長所
- 器用
まず、なんといっても、これである。人の形を模しているが故に、人間の兵器をスケールアップさせたものがそのまま使えるのだ。
遠距離戦では多数の銃器を持ち替え、近距離戦では剣やナイフ、果ては格闘技までこなす万能性は戦車や戦闘機にはない長所である。
マシンの強度にもよるが、しゃがんだり寝転んだり必要に応じた体勢が取れるのも特徴。
指先のパワーコントロールが優れていれば、人間を害することなくつまみあげたり、
落下・無重力浮遊で身動きが取れない等の人間を手でキャッチして救助する事もできる。
モーショントレース形式や筋電計形式の操縦法ならば、人間に出来る動きをする分には
「操縦方を訓練する期間を短縮できる」というメリットもある。
- 高い汎用性
縦に長いゆえに空を飛ぶためのブースターを追加装備して空を飛んだり、足にローラーつけてすべるように移動したり、各部からのバーニアでホバー移動したりと戦車・戦闘機双方の役割も出来る。
実際ガンダムの世界などではMSが短期間に発達しすぎたせいで純粋な造りの戦車の需要が消えて配備されなくなっている。
変形して戦闘機になったり、巨体故になんかこう…バリア発生装置を積んで無敵になってみたりもする。
「戦車が人型に進化して空を飛ぶようになった結果、従来の地を這う戦車はブリキ缶」とまで形容される扱いになったSSのゲーム「ガングリフォン」等も存在する。
巨体な分、武器を沢山搭載する事も可能。
スーパーロボット物に多いが、内蔵火器が山盛りで戦闘継続力や対応レンジが幅広いという「武器のデパート」状態ともなれば、1機で複数の敵を相手取ることも可能である。
内蔵火器の少ないロボでも、充実した外付けオプションで火力を底上げでき、撃ち尽くした兵器を切り離せば身軽になれる。
人間は装備が過剰だと身動き取れなくなるが、バーニア等で無理やり高機動移動させられるのはメカならでは。
水中・地中・溶岩中などの珍しい地形で運用できるマシンがあるなら、
奇襲効果は抜群だし、たとえ敵に察知されても視線の届かぬ方面への警戒を強いる事が出来る。
人型故に水中での戦闘や移動は水の抵抗が激しく得意分野とは行かないだろうが、上陸後もそのまま基地や街を攻撃出来てしまえるのは割りと脅威である。
もう生身の兵士がゴムボートから海岸に接岸して泥沼にはまりながら前進する必要はなくなる訳だ。
また戦車は戦争が終わればお役御免だが、巨大人型ロボットはそうではない。
その有り余る腕力を生かして、クレーンや重機の代わりができるのだ!
おまけに人間や重機が立ち入れない危険な地形にも踏み込める。
戦後復興にまで役立つとは、実に仕事の場を選ばない仕様である。
- 突発的状況への対応度
人型ロボットであれば操作を身体の延長として行うことができる。
そのため人型ロボットは突発的な状況に柔軟に対応することができる。
特に人間の体の動きを反映させる、所謂トレースシステムのロボットであれば尚の事である。
- 段差に強い
多少の段差で立ち往生してしまう戦車と違い、こちらは人間と同じように「またいで通る」という突破方法が通用する。
戦車では絶対に通れない場所でも強引に押し通り、敵陣にたどり着けてしまうのである。
バーニアで空を飛ぶ機能もあれば従来の地形による天然の城砦が意味を成さなくなり
「人型の物体が地形を選ばずどこにでも移動出来てしまう」
という、攻められる側としては新たな対処が求められることにもなる。
- 示威性
ある日突然、相手の陣地に巨人が立っていたらどう思うだろうか?
敵軍はその巨体が動いて襲い掛かって来ることに恐怖しか覚えないだろう。
結果的に相手の降伏を速めて、両軍の死傷者を少なくすることもできる。
つまり、人類全体への利益に繋がるのである。
等身大のガンダムが作られて飾られたが、
18mもある物体が走って向かってきたりバーニアを吹かして急接近してくる姿を想像してみてほしい、恐怖以外の何者でもない。
東静岡で飾られた時は市街地だったため、実際の建物との対比が見られた*2。
ちなみにマジンガーZは新幹線より早く走れる。悪魔ダァ…
空想科学世界では兵器ではないし人も乗ってはいないが1834年の小説『統一世界、詩、57冊の本』に「アンドロイド」なる「人型の巨大エンジン」が登場し、
1868年の小説『草原の蒸気男』に「人が後ろで操作する巨大人型蒸気機関」が登場し、
1897年の小説『宇宙戦争』に「宇宙人が搭乗する宇宙人型ロボット」という侵略兵器が描かれ、
紙芝居では戦前の『黄金バット』に敵の部下が操縦する「大人間タンク(怪タンク)」、*3
漫画では1936年の『Federal Men』に反乱軍「Invisible Empire」の兵器として操縦型巨大人型ロボットの一団が登場した(うち一機を主人公が奪取するので、主役機と呼べないこともない)。
これに合わせた訳ではないと思われるが、1943年の日本の「新日本漫画家協会」の機関誌『漫画』に掲載された『科学戦士ニューヨークに出現す』では日本国旗を付けた巨大なロボットが出現してニューヨークの街にアメリカ軍をなぎ倒している。
主役サイドが操縦するロボットの例としては1880年の小説『蒸気の家』や1940年の短編漫画『デンキダコ』に動物型ロボットが登場し、
漫画では1939年にブラジルの『Audaz, O Demolidor』、1948年に日本の『原子力人造人間』、アニメでは1952年にフランスの『やぶにらみの暴君』において地球人の手による巨大人型戦闘ロボットが登場した。
巨人の項目にもあるように小さな人間が巨大な怪物を倒すという一種の様式美がある為か当初は敵としての登場が多く、
『原子力人造人間』の後、日本では味方サイドもしくは敵味方双方の兵器で巨大戦を繰り広げ、
欧米では従来通り敵サイドの兵器で悪役が等身大の主役を一方的に蹂躙するという傾向がみられ、
欧米人がデザインした∀ガンダム(MS)の初期案が主役機らしくなく敵メカのスモー(∀ガンダム)に転用されたというこのギャップが表面化した逸話がある。
日本では一ジャンルを成し、巨大人型戦闘ロボットのみから成る戦略SLG『スーパーロボット大戦シリーズ』というゲームも誕生した。
残念ながら、現在の科学技術ではASIMOを作るのが精いっぱいであるが、これだけ多数の長所を備えた巨大人型戦闘ロボット。
実現した暁には、必ずや戦場の主力となることだろう。
追記・修正お願いします。
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「だからミサイルの一発でも積んでいれば……」
「だったら人型ロボの意味ないじゃん」
「STM鋼を切り裂くレーザー砲よ!」
「こいつがあれば敵ロボットは難なくバラバラにできるわ!!」
「馬鹿もーん! 飛び道具で勝てるならロボットなんかいらなくなるじゃん!!」
「巨大ロボット侵略作戦はどーなる!? 侵略者のプライドは!?」
「だから~新型のロボットにこいつを搭載すればいいんじゃないですか~っ!!」
「巨大ロボット戦の醍醐味は巨体同士がガップリ組み合う迫力と興奮だろうが!!」
――以上、空想科学大戦3より抜粋。
……うん、まぁ嘘ではない。
一応、本当に「巨大人型戦闘ロボット」が実現したら、上記のようなメリットがあることは間違いないだろう。
だが、少なくとも現代の科学力や、既存の兵器との戦闘や実際の運用においてはそれを遥かに上回るほどの困難が山積みである。
下記の短所が短所たりえないほど技術が発達し、かつ戦争や戦闘の概念に変化が起きない限り「示威」以外の目的で実現することはないと思われる。
前述の通り100年以上前から空想される概念ということで巨大人型ロボットやそれが戦闘すると言う事に関しては昔から考察が盛んであり、
下記のような事はよく槍玉に上がる事が多い。ある意味、考察も含めてそれだけ人気のジャンルと言える。
●目次
2乗3乗の法則
巨大ロボットと直接関係はないのだが、大きなサイズのものを扱う時に避けて通れない「2乗3乗の法則」というものがある。
長くなるので見たい人だけ見れるよう格納するが、
体高15m以上のロボットが戦う作品ではこの法則を無視して描写するか謎のエネルギーや技術で解決するしかない代物だ。
2乗3乗の法則とは工学や生物学で使われることが多い法則で、このページで必要なことだけざっくり解説すると
「モノのサイズが大きくなるということは、いわゆる縦・横・奥行きの3次元が全て大きくなっていく(3乗で大きくなる)。
そうなると大きくなったモノに関与する物理法則やらの作用も著しく変わるのでそれを踏まえないといかんよ」というもの。
具体例で説明すると
身長170cm体重50kgの男性がいます。彼をドラえもんのビッグライトで身長を10倍の1700cmにしました。さて彼はどうなるでしょうか?
身長という一面だけで見れば170cmを10倍にしただけだが、先述の通り実際は縦・横・奥行きの全てが10倍になっているので、体積は10×10×10の1000倍になっている。
そして質量つまり体重も1000倍になっている。
そして単純にサイズを大きくしただけなので人体を構成する物質そのものの強度は変わっていない。
よって体重を支える骨や筋肉の「同条件での強度」は170cmだろうが1700cmだろうが全く同じ。
さて普通の人間は二本の足の裏の部分だけで全体重を支えて立つ事ができる。
だが身長17mの人間は、170cmの時と比べて足の裏の面積は10×10の100倍しか広くなっていないのに、それで支えるべき体重は1000倍になっている。
言い換えると筋肉や骨が耐えられる強度は変わってないのに、そこへ圧し掛かる負荷は10倍になっているということ。
170cm50kgの人間に換算し直すと、450kgの重りを背負って体重500kgにした状態で2本足だけで立っているのと同じ。
立っているのも厳しいと思うが、これで自分の腰の高さから落ちて2本の足だけで着地したらどこかが砕けるだろう。
分かりやすく言えばバケツサイズのプリンを通常サイズのプリンと同じ配合レシピで作ると自重で自壊してしまうのと同じである。
遠心力も同様で、ボールを全力で投げたら手の先に100kgくらいのウエイトをつけて投げたのと同じことになる。
つまり人間が17mのサイズになると腰の高さまでのジャンプもできないし手足を全力で振り回すこともできない、やったら体が砕けるのだ。
ロボットならば人間の骨より強靭な金属で造られているだろうが、そういう合金は重量もあるのでぶん回した時の負荷はもっと増える。
高さ数十mの大型クレーンはアームをぶんぶん激しく振り回したりはしないし出来ない(わざわざそうする意味もないが)。
恐竜やその類の竜達の中でも30mを越えるような大型動物は激しく動いたりしない生態が多かった。
さて、これを考えればガンダムのような20m近い人型の機械が銃を構えて発砲するのはまだしも
飛び回って殴りつけたり格闘をするのはかなり無茶をさせてるということがわかってもらえただろうか。
これに関してはロボットの大きさを制限することである程度誤魔化しは効くようにはなる。
と言っても人型搭乗ロボであれば等身大の人間サイズには出来ないので、最低でも人間の2~3倍ぐらいの大きさにはなってしまうのだが…
運動性
2乗3乗の法則を乗り越えて、身長比の3乗の出力を手に入れたとしても、その段階では速度と加速の積は人間と同等である。
ハッキリ言って、被弾面積の増大を補うには鈍重に過ぎるのだ。
2022年当時の100m走の世界記録保持者であるウサイン・ボルト氏のダッシュのデータを見ると
「加速開始6.3秒でトップスピードである12.3m/sに到達し、9.58秒まで12m/s強で疾走」
となる。
この「秒速12m」を「1秒間で身長の6倍進む」と置き換えて巨大ロボットの動きを考えると、人間のような動きを巨大ロボットにさせるには「速度を身長比と同等の倍率に増大」「加速開始から同じ時間で最高速度に達する為には加速も身長比と同等の倍率に増大」させる必要がある。
従って、最終的に出力は「身長比の5乗」だけ必要になる。
ガンダムの放送当時の設定や小説版では「出力65000馬力」となっているが、身長が18m=人間の10倍強、全備重量60t=常人の1000倍弱である事を考えると、必要な出力は10の5乗で凡そ10万倍。
此れとロンドン大学が発表したウサイン・ボルト氏(身長198cm、体重94kg)の体重当たりの出力25W/kgと言うデータを照合するとおよそ「1.05馬力で80kgの体重の人間が動く」となり、ボルト氏のダッシュ時の4割相当の動きが出来る計算になる。
オリンピックメダリスト級の動きは出来ないものの、人間に擬した動きを一応出来るとなるとこの程度は必要だろう。
脚部等の断面積は2乗しか増えないので、人間の骨格とは段違いの強度の構造材と筋肉を大幅に上回る動力が必要になる。
此れは巨大ロボットのみならず巨人も同等であり、ウルトラマンが劇中で核爆弾の爆発に巻き込まれたり、超音速での引き起こしに失敗して地面に激突しても大したダメージを受けないのも、「巨大かつ機敏に動けるので身体強度が並外れていなければならない」と言う必然に起因している*4。
「ロケットエンジンやジェットエンジンで加速や操舵の補助を行う」なら、脚部への負担は減少するが、その代わりに燃料タンク・配管や燃料タンクの防御設備を身体の各所に配さなければならない。
足にタイヤを付けて走行させるなら歩行させるよりは運動性は向上し、強度の問題もある程度解消する。
しかし今度は重心が高すぎる為に急停止、急発進する際に転倒する危険性がでてきてしまう。
足を前後に開いて走行させれば前後に転倒しづらくなるが、斜め方向に転倒しやすくなってしまう。
現代科学の観点
- 巨大で重い物体が二足歩行
いつの時代もまずこれが槍玉にあがる、最初にして最大の鬼門である。
大体マジンガーやガンダム等の18~20Mクラスを想定されることが多いが
今の技術力、というか現実的に巨大ロボットに使用できるであろう素材では足腰が持たずに、一歩歩いただけで重さが支えられずにこけるだの足が壊れるだの言われる。
また重武装するとそれだけで接地圧が高くなり、地面に足がめり込んでしまう。地面を抉るということは舗装路や泥・砂地に弱いということである。
足を増やせば問題は改善するが、もはや「人型」ではなくなってしまう。
- パイロットがシェイクされる
これまた18m級の搭乗型ロボを想定されて言われるが、コクピットが上半身の胴体にある場合、
パイロットは歩くたびに直下型地震もかくやという衝撃に「毎回」襲われる。
人間が特に意識せずに歩くと一歩につき上半身が平均5,6cmほど上下動する。
走った場合は個人差や走行フォームによるが7,8cmは上下に移動する。*5
これを身長10倍の人型ロボに置き換えると、上半身にあるコクピットに座っている操縦者は
歩くだけでコクピットがまるごと1秒につき50〜60cmほど上下に1往復する。
走った場合は70〜80cmを1秒で2往復以上ガクンガクンされる。まっすぐに上下方向だけでは済まずランダムに横へのベクトルも加わるためまさしくぶん回されると言っていい。
たまにテレビ番組の検証などでその模様が簡易CGで作られることもあるが、
狭いコクピットで人間がピンボールのように跳ねるほどの衝撃で描かれる*6。
相撲や歌舞伎のようなすり足を使って上半身を動かさない歩き方を心がければマシになるが
それだとかっこ悪い速度が出せない上に不整地や段差を越えにくくなる。というかそれなら車輪での移動に勝てる要素が無くなる。
歩くだけで大変だが、戦闘ともなれば格闘戦や流れ弾の被弾、不整地での転倒等はつきものだが、その度にパイロットが受けるダメージは計り知れない。
巨大人型ロボの元祖的存在である鉄人28号は遠隔操縦型なのでこのような難点は無いが、マジンガーZ(漫画)にて「車」から発想された後続の巨大人型ロボは殆ど搭乗型が主流になり、意図的に無視するかそれでも搭乗するメリットを理屈付けしたりと、遠隔操縦で解決するパターンは滅多に無い。
このせいかは微妙だが、『ゴジラ S.P』のジェットジャガーは最初有人機として制作されたものの、実戦を2回経た後AI内蔵の自立機に改造されてしまった。
- 機動力
何とかして歩けるようにし、かつパイロットへの衝撃をなんとかしたとしよう。
普通にモニュメントとして運用する分にはもうこれで十分すぎる結果を出しているだろうが、
戦車・戦闘機、ヘリ、ミサイル、地雷、ゲリラ歩兵が入り乱れる戦場に送り出した場合にはまだまだ足りない。
のったり歩くという以上の、少なくとも人間と同等の動きを瞬時にこなし
飛んでくるミサイルを自力で迎撃・回避し、でかい故にどうしようもない被弾面積の多さをなんとかする装甲の分厚さ、回避する運動能力等々、クリアすべき課題が急増してしまうのだ。
そうなると「歩く以上」を実現する相当強靭な足腰を実現する技術力が必要になる。
「人型巨大ロボなんか戦場で使えないッとっととそんな夢はあきらめることらぁ」
等といわれたこともあるロボオタも多いだろう、現状言われるのは大体こんな感じである。
巨大な人型であるが故の欠点
よしんば上記の科学的な問題をまるっと解決し、戦場に送り出せたとしよう。
すると、今度は上記のように戦場に対応するための運用が求められるのだが…
- 巨体故の被弾面積の多さ、弱点の露出、強度問題
人型で二足歩行をするということは縦に長い構造物であるということである。
ビルが歩いているようなもんで、当然良い的である。
また腕や脚を動かすために関節がある訳だが、スムーズに、かつ稼動範囲を広げようと思えば
そこはどうしても重装甲で覆うと訳には行かなくなる、ゆえに弱点が常に露呈しているようなもんになる。*7
歩く・走る以外に「ジャンプ」「着地」等にも耐えられる素材で足腰を造る必要が在るのだ。
そしてその重さゆえに歩くだけで相当な振動が発生し、敵の歩兵はともかく味方の歩兵のジャマになりかねない。
また、重心の問題もある。
スケールアップしたアサルトライフルなどを撃つとしても、適当な姿勢で撃てば反動でこける可能性が出てくる。
無反動のバズーカなどを装備すれば反動は相殺できるが、巨大にしたバズーカの反動を相殺するだけの発射ガスの威力がすさまじいことになる。
そしてこの「こける」という可能性自体が、主に市街地での被害を懸念させてしまうのだ。
そのため「せめて昆虫みたいな多脚にしたら?」とよく言われる。
もちろん「人型」なので、生身の人間のように伏せて戦う事で被弾面積や安定性を改善させる事は可能。
匍匐前進だと速度が落ちるなら、生物ではなく機械であるため腹にキャタピラを付けるなどして補える。ついでに手足や顔を無くして背中に旋回砲塔でも装備すれば諸々の問題点は一気に解決する。
- 製造・整備のコスト問題
上記の問題をクリアし、戦場でも活躍できるようになったとする。
しかし人の形をしているという事は内部構造を複雑にせざるを得ない
特に人間同様に動き、戦果を出せるほどの高性能な物になると、そのコストは現状でもアホみたいに高い戦闘機を上回ってしまう可能性が高い。
また人体を模しているという事は関節などのパーツ数も多く、整備の手間も従来の機動兵器のそれを軽く上回るだろう。
「戦闘機に変形させよう」とすれば更に内部機構が複雑になり、人型の時には使わないパーツも内蔵する事になり、コストと整備班の負担がますます増すことに。
- 複雑な操作性&パイロットへの負担
戦車や戦闘機などの既存の機動兵器もコ・パイとかいう補助要員や役割分担要因が居るが*8、万能を求められる人型ロボともなると操縦の負担は相当だろう。
市街地で戦えば周囲に与える被害などへの想定を考慮した戦闘等を考えながら戦わねばならない。
ゆえにレーダー手だの火器管制チェック担当だの複数人の要員は欲しいところだが、「軍が作る兵器」である以上、なかなかそうもいかない。
コストの兼ね合いでそんなに1つの兵器に人材を避けなかったり、あるいは内部にもメカや兵器を詰め込んだ場合、一人乗りになってしまう可能性が高い。
人型巨大ロボを1人で動かすのは相当な苦労だと思われる。
また戦闘機の役割を持たせようとバーニアで空を飛んだり、高速移動しようとホバー移動したり
なまじ変形等で違う形になればそれに応じた操作も慣れなければならない。
- 現代の戦争の形態を考えると活躍の場がほとんどない
昔の世界大戦や国VS国という大規模な戦闘がドンパチにぎやかに行われていた頃に投入されていれば、それはもう大変な存在感だったろう。
だが現在は、こまごまとしたテロ組織や反政府組織の拠点に「無人爆撃」をかましたり、威力のすごいミサイル撃つぞと脅したり、細菌兵器をばら撒いたりと、
巨大なロボットが介入してどうにかなる or 人型でなければならない場面はすこぶる少ない。
進軍してきたら敵は降伏したくなるだろうし、複雑すぎるであろう操作系統からマシンの強奪や乗っ取りも不可能に近いという安心はあるだろうが、それも威嚇の役割は戦車や戦艦などで事足りているし、「乗り込んでいきなり動かせる機動兵器」というものもそう多くない。
また、その巨大さゆえに建物に入れないため、歩兵の代わりにはなりきれない。
建物に入れないということはそこに潜む敵を排除できないということで、至近距離からの致命的な攻撃を許してしまいかねない。
結局、生身の人間(または人間サイズの何か)で建物内部を制圧する、もしくは多大な労力や各方面からの批判覚悟で建物ごと破壊するしかない。
こうなると巨大な人型を活かせる場面が如何に限定的か分かるだろう。
歩兵の代わりとするのなら等身大の人型ロボットの方が建物に入れるし人間サイズの武器をそのまま流用できるなど、「巨大」にする必要もなくなってしまう。
- 白兵戦という魅力的戦法の無意味さ、危険さ
人型兵器を運用するにあたりメリットと呼べそうな戦法としては、白兵戦用武器を持たせた上での接近戦が挙げられる。
金属塊ががっぷり四つに組み合い、手にした巨大な刀剣がぶつかりあって火花を散らす。創作においては花形でありこれぞ巨大ロボットの存在意義と称しても過言ではない。
だが、現実的に考えてしまうと、はっきり言って益は無い。というよりも害しかない。
まず人型機動兵器で接近戦を演じるという行為に需要が生じるケースとしては、対象めがけて高速飛行し、すれ違い様か衝突の瞬間に攻撃を加える、といったアプローチだろうか。
……言わずもがな、人型兵器がそんな負荷に耐えられる訳が無い。
Wiki篭り諸君が猛スピードでカッ飛ばす車の窓から身を乗り出して、手にした金属バットや斧ですれ違い様に対向車を殴り付ける場面を想像してみると良い。
凶器が手から叩き落とされるだけなら僥倖。衝撃で腕の骨がへし折れたり、弾かれた凶器が自分目掛けて飛んできて自滅するのが関の山である。
どれだけ補強しようとも、超重量の金属塊めがけて故意に衝突事故を起こし特攻している状況以外の何物でもないのだから。
よって、人型兵器で近接戦闘を演じる場合には、負荷で自壊や自傷をしないようにスピードを殺して慎重に殴りかかる必要がある。
しかし、そんなおっかなびっくりの攻撃が厚い装甲で覆われているだろう敵方の機動兵器に通じるのか?と考えると、有用性があるとは言い難いだろう。
- 「巨大な人型」以外の形状を取れない
定義上の問題として、形状をある程度自由に設計できる機械であるにも関わらず、形状が「巨大な人型」に限定されてしまう。
戦車などは「菱形をやめて上に旋回砲塔を付ける」「旋回砲塔を無くして車体に固定砲を付ける」など形状が大幅に変わっても戦車だが、
人型ロボットの場合は「大きさを抑えるために上半身を廃して砲塔に」「安定性を増すために下半身を無くしてキャタピラに」などすれば人型ロボットでは無くなってしまう。
ガンタンクなら実用性はあるか下半身がキャタピラなので人型ロボの範疇には含まれない。
そもそもの話、二足歩行生物の最大のメリットは「歩行に使わない前脚を手や翼など別の器官として使える」という点にある。
身体の基本的な構造を容易に変える事の出来ない生物なら、手や翼を得るためには前脚を歩行器官として不向きな形態にして二足歩行する必要があるが、構造を自由に変えれる機械ならその必要は無い。
これは人型生物にとっての最大のメリットを他の形状でも使えるという事を意味する。人型が可能なら普通は「4足歩行+腕」という複数の生物の要素を取り入れたキメラ型も可能であろう。
仮に二足歩行に有効性を見出したとしても、胴体に相当する部分を腰の上に垂直に設置する必要は無い。鳥や恐竜のように腰と水平に設置することもできる。
こちらは重心や高さの面で垂直二足歩行より優れている。人型にしたいのであればあえて胴体を腰に垂直に付ける理由が必要になる。
人間が地上でここまで発展できたのは小器用で自由に使える手と、高度な知能を持つ頭脳があったからである。
直立二足歩行が遅いからそれを補うためにキャタピラやタイヤを開発し、人の手は破壊に適していないから、それを補うために武器を作っている。
人型に固執しても兵器とするにはあまりにも向いていないのである。
結論
技術的な壁、運用の壁、コストの壁と3重の分厚い壁が立ちはだかっている
戦車や戦闘機が現在、既存の車や飛行機という存在に戦闘能力を付加して作られている
「枯れた技術の水平線」である、定着したカテゴリであるのに対し、
巨大人型ロボットを兵器にしよう等とすれば、人の形であるが故にある種の万能を求められるが故に、どうしても現状の科学力ではあちこちで無理が出てしまう。
「技術力アピールのモニュメントを作りたい」「観光アピールとしての銅像的な物を作りたい」
と企業が国に打診すればアニオタな官僚や大臣が「良いよ」とは言ってくれる可能性はあるだろうが
「巨大人型ロボット兵器を作りたい!」と言っても、「おまえは一体何と戦っているんだ?」な顔をされるだけだろう。
仮に実用に耐えられる巨大人型ロボットを作れる技術があっても
「そのすごい技術ですごい戦車と戦闘機作ったら?」と突っ込まれる。そして等身大の人型ロボットなら問題点なにもないねと返される
現状では、ロマンの塊というのが現在の結論となる。
逆に言えばここまでに挙げた難点や疑問点は「現在の常識の範囲内」での話であり、今となってはおなじみの戦車や戦闘機でさえ、
実際に作って使ってみるまでは「本当に使えるの?」と疑問視されていた。
故に今後思いもよらぬ経緯で人型ロボットの出番がやってくる可能性も無いとは言い切れない。
もちろん、戦車や戦闘機もそれぞれ初期のものと現在では外見や仕様がまったく違っているため、
人型ロボットも登場して早々「人型」ではなくなる、という事もありうる。
フィクションとは違い、現実では別に「その形でなければいけない」というのは無いのだから。
そしてこうした数々の突っ込みにどう対応するか、というように
下記の様な「巨大人型ロボが活躍する理由」も日々考案、検証されている。
主な理由付け
大きく分けると「デカいロボが歩いたり走ったり殴ったりできる理由」と「巨大ロボットが戦闘で活躍できる理由」に分類できるのだが、
前者については基本的には人類の現代技術や現実に存在する素材がその実現を難しくしているということなので、それをフィクションの力で乗り越えてやるだけでいい。
つまり、「超硬くて(或いは柔軟性に富んで)しかも超軽い」素材と、「巨体を運動させるに十分な超高出力の動力源」(ただしこちらは軽視されることもある。中にはガソリンで動くような奴もいるし)、「それを20m前後の躯体に収められる技術」をその世界に用意してやればいいのだ。
なので巨大ロボ兵器が普及している世界では、それを可能とする技術や常識が存在していることは大前提となる。
巨大ロボが存在するというのは超技術が発達し、半ばファンタジーな超エネルギーや既存兵器を使用不可能とする技術・環境などが存在する未来や異星、或いはパラレルワールドといった、
今まさに我々の住む地球とは異なる世界の物語なのである(もちろん『Robotics;Notes』*9など例外はある)。
現代の地球の技術や常識だけを基準にして物語中の巨大ロボの実用性を批難したり、あまつさえ巨大ロボの前提となっている超技術や常識まで必要以上に否定するのはナンセンスだろう。
勿論、未来にはそういう素材や動力炉が実用化される可能性だってある。巨大ロボを歩かせたり走らせたりするだけなら絶対実現不可能という訳ではないのだ。
巨大ロボットがフィクション作品で登場するようになった当初は科学技術の発展が大いに持て囃されたこともあり、「新素材」「新動力」と言ったフレーズで巨大ロボを動かす動機としては十分であった。
光子力(エネルギー)と超合金(素材)で動く、最初期の搭乗型ロボットであるマジンガーZが分かりやすいだろう。*10
マジンガーZによってロボットアニメが一大ムーブメントを築いた日本では、巨大ロボットが縦横無尽に動くというだけで視覚的インパクトが強く、その後は素材や動力源も玩具の解説レベルにとどまる程度の、まぁ細かいことはいいんだよ!と言わんばかりの状態になっていた。
そして「それだけの技術があるのに、なぜわざわざ不合理な(少なくとも我々の目からそう見える)兵器を作るのか?」(byシギント)という、上でいう後者の理由について切り込む人も少なく、SFブームの勃発によって巨大ロボットはいわばファンタジー的な側面で見られるようになっていく。
だがそこにSF的説得力を持たせようとしたのが『機動戦士ガンダム』のMS(モビルスーツ)であり、最初期こそ違えど後付けで「MSが優れた兵力として(その世界で)扱われる理由」がどんどん付与されていき、これによって「兵器としての巨大ロボットとその意味」を重視した、所謂リアル系ロボットと呼ばれる作品群も多く現れるようになった。
それによって視聴者の目も肥えていき、いわゆる「スーパーロボット」であってもそのロボが何故(その世界では)人型をして活躍できるのか、という理由付けがなされるようになっていく。
非常に大雑把ではあるが、代表的な理由付けは概ね
A.機動性・運動性の高さ
B.汎用性の高さ
C.採用している操縦系・エネルギー・装備との相性
D.宗教・伝統・儀礼的な意味、目的
E.運用上の事情
F.パワードスーツの延長である
といった具合に大別できる。
ファンタジー系の作品(スーパーロボットとは限らない)なら
「実はロボットじゃなくて古代から受け継がれた守り神」
「ゴーレム作成技術などの応用で、ロボットの方が作るのが簡単」
「元々巨大魔獣に対抗するために巨人を作る試みから技術が発展していった」
「人造物ではなくそういう身体の人であるトランスフォーマー*11や勇者シリーズや一部のスーパー戦隊シリーズ」
「人間大で作っていたはずが正義の意志に目覚めて巨大化した」
「人型をしている神的存在を模して(或いは複製して)造られた」
「他所から持ち込まれた技術体系で、戦車や戦闘機に応用できるほど使いこなしている訳ではない」
「そもそも発掘品をそのまま使用しているだけなので、何故人型なのかなど(現在の運用者には)知る由もない」
「↑の派生で、人型ロボットとしてすでに発展していて運用もしているが、昔過ぎて人型になった歴史は不明」
「人間と感覚を一体化させて戦闘力を増大させるシステムであるため、人体と構造が同一な方がより一体化して真価を発揮し易い」
「先に巨大人型ロボット兵器を導入した敵に土俵を変えられたために巨大人型ロボット兵器を使わざるを得ない」
「自分と同じ形をして尚且つそれより大きいものを見てしまうと戦意を失う。完全喪失まで行かなくとも冷静でいられない」
など説明はいくらでもできるので、まだ説明は楽である。
あとは、低重力下での運動性があげられるだろうか。
低重力下では、人間の動きは水の中のように頼りなくふわふわとしたものになる。
これがある程度以上の質量とそれに見合った出力を持っていれば、地球での重力下と同じように活動できる。
もちろんこの場合も車両・航空機型の兵器を作ることに越したことはないが、歩兵の代替としては出番があるだろう。
また、低重力下であればそこで生まれた生物・人類もまた大型であることが予測されるので、彼らを制圧するための兵器として導入される可能性はあるかもしれない。
代表的なのはマクロスなど。
逆に、前述の通り15~20mクラスになると兵器としてはデカすぎるという問題を考えるならば、体高をギリギリまで小さくして、「デカい歩兵」ぐらいの扱いにするというのも考えられる。
結局のところ敵や拠点を制圧するのは最終的には歩兵なので、いかに近代兵器が幅を効かせようと歩兵がいらなくなることはない。
この場合ロボットのヒロイック性はともかく消耗品(生身よりはマシ、程度)としてのリアリティが得られ、外連味を持たせつつよりリアルな描写に繋げられるかもしれない。
動力源に何らかの超エネルギーを使用している場合、「最も効率的にエネルギーを活用できる形態がたまたま人型だった」というものもある。
操縦が複雑じゃないのか、という突っ込みに対し「考えただけで思い通りに動く脳波感知システム*12」や「あらかじめ人間のような挙動や柔軟な挙動が出来るように前もってOSやAIに教え込んでおく*13」
などで巨大ロボ兵器が一人乗りだったりする理由を造っている物も数多い。
またこの場合、考えただけで思い通りに動く=それを効率的に動かすには人体と全く同じ構造であった方が都合がいい(現実で言う義手や義足の延長線上としてロボの手足があるという感じ)ということになり、操縦系の設定をすると同時に人型ロボである理由付けまで出来てしまう。
このような設定をベースに、そのロボが活躍できる理由を付けることで世界観を成立させている作品は数多い。
何れにしても、「巨大ロボ兵器が有用である理由」は、どうしてもよく考えれば不自然であったり多少の無理があったりするものである。
当然であろう。我々の世界には巨大ロボ兵器が有用である理由も、それを支える技術も無いのだから。
繰り返すようだが、根拠として示されその世界で受け入れられている設定を「いやそんなのはあり得ない!」と必要以上にケチを付けるのは、無粋というものであろう。
巨大ロボが戦場で幅を利かせている理由を全て不合理と頭ごなしに否定していては、そもそもの物語が始まらない。
それは吸血鬼退治の物語に、吸血鬼など存在しないのでこの物語は非現実的と言っている様なものである。
フィクションはフィクション、現実ではあり得ないかもしれないが、その世界では可能であり、現実的であり、常識的であり、実用的なのだ。
そしてエンタテイメント作品である以上、一番重要なのはそれによって面白くなるか?である。
例えば巨大ロボットものの始祖・鉄人28号は兵器にあるまじき認証機能のガバガバさを特徴としており、それが敵味方の白熱したリモコン争奪戦という見どころを生み出していた*14。「リアルじゃない」などと言ってリモコンに鍵でもつけようものなら面白さも半減である。
先に挙げた欠点も「それを描くことで面白くなる」と判断されれば作中でネタにするのもアリということになる(『マジンガーZ』*15『パワードール2』*16等)。
そこから更に考察したりするのは個人の自由だが、それで他人に迷惑をかけるのは野暮な行為と言える。
◆既存兵器の無力化
人型(巨大)ロボットをヒーローではなく兵器として描く場合、避けて通れないのは「既存の兵器との競合にどうやって打ち勝ったのか?」という部分である。
もちろんフィクション故にふしぎな力が働いたとかは当然あるのだが、(それ自体が現実の尺度から見て大嘘であっても)その世界において納得の行く「既存兵器を圧倒できる」理由が付けられていることは決して少なくない。
一方、逆に「既存兵器ほど優れてはいない」前提で存在している巨大ロボットも多く、必ずしも既存兵器を無力化しないとリアルな兵器ロボとして成立できない訳ではない。
モビルスーツ(宇宙世紀ガンダムシリーズ)
この手の説明としては一番有名な部類になるだろう。*17
「ミノフスキー粒子」の発見が最大の理由となる。
ミノフスキー粒子により従来のレーダーが無力化された戦場では、
かつての長距離戦闘型兵器は全て役に立たなくなり、近接格闘型の人型ロボットが主流になった……という設定。
更に動力源など諸々の問題もこれの関連技術で解決しているが詳細はミノフスキー物理学(ガンダムシリーズ)参照。
また、後付けとして「AMBAC」という姿勢制御システムが考えられたことも有名。
これは「手足を振り回すことで姿勢制御する」という理屈で「巨大人型ロボット」が存在する説明付けになっている。
同時に戦闘時以外での方向転換の際に推進剤を節約するため、と追加の説明が入る場合もある。
ちなみにこの姿勢制御方法に関しては理科の教科書にも載ってるレベルの理屈であり、現実でも宇宙飛行士が船外活動で活用している*18。
試しに回転いすに足をつけず座って腕や足を動かしてみるといいだろう。
一応、人間が大まかな操作を行い、システムで細かい制御を行って安定させるというのは理にかなっており、フライ・バイ・ワイヤなどに代表される電子制御技術も現実に存在する。
但し、上述の宇宙飛行士は、急激かつ大きな動作を要求される戦闘を行っている訳ではないし、コンピュータ制御についても既存の航空機などとは勝手が異なるであろうことは想像に難くない。
もっと根本的なことを言うと、人間の宇宙飛行士は腕や足が2本づつ生えてる肉体に生まれた状態で宇宙に進出したから手足を動かして姿勢制御しているだけで
人の形が船外活動や姿勢制御に最適だからそうなっているという訳ではない。
但し、自分がMSにどんな挙動をさせると、数秒後にはMSはどうなっているか等といった
「正確な未来を予知して直感で行動選択出来る能力」を(人間かコンピュータかは別にして)持っている場合は実現性に一考の余地があるかもしれない。作中のモビルスーツパイロットは殆どが予知能力なぞ持たない一般人だからそこでつつくと余り関係無いけどね。
「アホ毛を振り回す戦闘機*19じゃダメなの?」とか言ってはいけない。というか実際、作中の幾つかの機種はスタビライザーなど「振り回すためのアホ毛」を生やしてたりする。
……と、上述したように本来宇宙戦闘機の部類に入るMSが陸上でも使われるようになった理由に関しては、
作品によって様々な理由付けがなされている。
上記のように一人で機動兵器を扱いなんでもかんでもしないといけない操縦の困難さについて
「パイロットの脳波を感知して機体のAIやCPUが連携してすばやい対応をする」
「むしろ全部脳波コントロールでいちいちコンソール弄る手間を省いて考えるだけで攻撃する」
等の技術が発達していくという設定が増えていくことになる。
もちろんモブが乗る量産機にそんな上等な物は無い訳だが。
監督の富野由悠季がフジテレビ『鉄腕アトム誕生前夜祭』に出演してアトムとガンダムの比較を求められた際に
「ロボットではなくモビルスーツ」「人の思い通りに動くから服」と発言しているが、
番組名の通り本題は鉄腕アトムだったので、MSについてはあまり掘り下げられず、この設定について他の場でも言及されないので、
単に自在に動かせるという意味か脳波コントロールなどで思考を読み取っているのかなど、詳細は不明。
尚既にファーストガンダムの頃から「MSは無敵の超兵器」ではなく「歩兵の延長線上の存在」であり
「運用する戦場を限定し、特定の環境・戦法に特化した武器と姿を与えられたモビルアーマーの方が圧倒的に強い」
という描写や設定もある*20
同じ技術を使った戦闘機や戦車も既にあったのだが、玩具は売れたのに製作サイドに嫌われて冷遇されている。
ちなみに
「ミノ粉でレーダーかく乱しなければザクは敵の戦艦に近づく前に打ち落とされて戦争にならなかった」
というのは割と昔から公式サイドの媒体等ではっきり言われており*21
アニメではちょこまか動いているが、設定上ではザクは地上だと思った以上に動きが鈍くなり、高高度からの爆撃にめっぽう弱いとも公言されていた。
そこで採算度外視の規格外な計画で作ったガンダムが地形を問わず無双したことがその後の歴史に大きな影響を与え、以後の宇宙世紀のMSは「ミノ粉を撒いて奇襲する兵器」から「最先端の技術を形にした兵器」へと変貌することになった。
また一年戦争時期の外伝には、開発当初のMS=人型兵器を動かすことに着目した描写も見られた。
「なまじ動かすパーツは人間そのものなのに細かい部分では人間(パイロット)の思い通りに動かない」という悩みが書かれる事もあった。
そういった細かいズレは普段なら気にならないが、ひとたび気にしてしまうと少なくないもどかしさを感じスランプに陥るパイロットも存在していた。
小説版ガンダム戦記のラリー・ラドリーはそのせいで得意としているはずの遠距離射撃に失敗、射撃と共に討ち入る予定だった戦友を怪我させてしまう事となった。
なお、制作当時は人類が宇宙で生活できるほど科学技術が進んだ未来なら巨大ロボットを作ることも可能だろうという設定でストーリーが展開されていた。
◆器用
単純な戦力で既存の兵器に劣っていて(或いは既存兵器を駆逐できなくて)も、他の兵器にはできない器用さを発揮することで台頭したというケースも多い。
モビルスーツ(西暦)
『機動戦士ガンダム00』の世界では、カーボンナノチューブの20倍の引っ張り強度を持つという極めて頑強な素材「Eカーボン」が開発されており、
これが兵器の装甲や構造材に採用された事によって兵器の防御力が極端にインフレを起こし、
Eカーボン装甲を打ち破れるだけの攻撃力向上が求められた結果、兵装とそれを積む兵器が巨大化していった。
その上で「Eカーボンの装甲」と「Eカーボン装甲を撃破可能な大型火器」を装備させた、本来は作業機械であったワークローダーが高い性能を発揮した。
また、この時代は軌道エレベータやスペースコロニーを急ピッチで建造しなければならず、
他陣営が軌道エレベーターを完成させないように戦闘を仕掛けて妨害する事例も多数あった。
その事態に対処すべく「精密なマニュピレータで建造作業をしながら、緊急時には大型火器で自衛も出来るワークローダー」が求められた。
これが発展してモビルスーツになったとされる。
因みに、劇中に登場した資料によると先述の「軌道エレベーター建設に用いる人型作業機械」の概念はイオリア・シュヘンベルグが初めて提唱したとされ、
また同資料によると一部には彼こそがモビルスーツを発明した人物とする向きもある様である。
余談だが『機動戦士ガンダム00』の世界では核兵器のような大量破壊兵器がほぼ撲滅されており、それがMSを戦場の主役として成り立たせる理由付けにもなっている。
イェーガー(パシフィック・リム)
パシフィック・リムに登場する怪獣(KAIJU)は、ただ倒すだけなら巨大ロボに頼る必要は無いのだが、
◆既存兵器は核兵器レベルでないと決定打にならない
◆血液が有毒で、飛散させてしまうと周囲に深刻な土壌水質汚染が起きる
といった問題があり、なるべく裂傷を追わせない様に「巨大な人型兵器で殴り殺す」戦法が考案された。
元々戦闘機用に開発されていたという神経接続システムを応用したマスタースレイブ方式で操縦され、脳や神経系への負荷は2人のパイロットが意識を共有した状態で接続することで分散している。
また、これに関しては人型とは関係ないが、マスタースレイブを使っている関係で従来のボタン入力は出来ないので、武器使用には音声入力、つまり必殺技の掛け声が必須という、なんともこだわりを感じさせる設定も。
因みに最初に案を出した人は「案が思いつかず疲弊してる時に、息子のブンドドを見て思いついた」との事。やっぱりロマンも大事。
ただ、長引く戦いの中で怪獣がどんどん強化されたことでイェーガーの損耗率も激しくなっており、物語冒頭にて「イェーガー開発は中止して対怪獣用防壁の建設に移行する」という無情な判断が下されてしまった。
この辺りは人型兵器のコストパフォーマンスの悪さを踏まえた設定でもあるだろう。まぁその壁もあっさり破られたんですけどね
戦術機
「地中に巣を作り、航空機はレーザーで撃ち落とし、レーザーを撃つ巨人が歩兵や戦車を殴り殺してくる」様な敵「BETA」に対抗する為の回答。
その心は、『戦闘機並の速度で地上を走り、複雑怪奇な地形になった敵の拠点をぴょんぴょん飛び跳ねることで攻略できる巨大ロボ』であった。
あくまで対BETA殲滅に極振りの兵器であるため、BETAとの戦争が終わればそれまでの存在であり、(同じ尺度で進化していった現実の)戦車や戦闘機などと相対すれば普通に負ける、という設定になっている。
ただ、最新の設定ではその後BETA戦が宇宙に移ったとはいえ本編では第3世代だったものが第7世代(約50年後)まで続いており
そこまで行けば機能も荷電粒子砲やバリアは当たり前でワープ機能を持ち10年間無補給で活動可能・惑星間を単体で移動可能というスーパーロボットになってしまった。
BETA戦がメインであり続けたため、結果的に戦闘機などの台頭を抑えた(既存兵器の無力化を行った)パターンと言える。
レイバー(機動警察パトレイバー)
汎用作業機械として発展した例。
ロボット物なのだが現実的な解釈を盛り込んだ結果、
作業用の不恰好な物はそれなりのコストで見合った働きをするが、主人公機のイングラム等は作中の技術や「日本の警察の予算」では、
「大型の人型ロボなのに手先や足回りが器用な反面パーツの磨耗が酷く、装甲も脆いおかげで、出動する度に2機のマシンを数十人がかりで修理整備や点検する」
という非常に金と手間の掛かる存在にされた。*22
余所のロボアニメから来たんじゃないかと言いたくなるデザインのグリフォン(但しこれは完全に趣味で作られた産物である)等や、ブロッケンなど軍用のレイバーも居るが……。
実写版の世界ではレイバーが発達した要因の国家プロジェクトが終わったうえ、それまでの好景気から一転し不景気に転落。
コストも手間もかかるレイバーは軍民問わずお払い箱になり、それに比例してレイバー犯罪も激減、技術継承名目で辛うじて運用部隊が存続。
更に一度老朽化で一線を退いた機体が現役復帰、しかし製造元がパーツ生産をやめたため碌に修理も出来ず、動かす度に何処かが壊れるという有様だった。
尚、短編アニメの「ミニパト」では巨大ロボットが市街で使う武装についての考察だの、アニメシリーズのOPアバンの台詞に自分で突っ込みを入れるだのカオスな事になっていて非常に見ごたえがある、
と同時にロボオタの夢を粉砕してくれる。
但しこのミニパト自体既に20年前(ゲーム版でVHSの3倍録画などという台詞が出るくらいには昔)の物なので、
今後新技術が出てクリアされる問題もあるかもしれないので希望を持とう。
士魂号(高機動幻想ガンパレード・マーチ)
さて、それでは授業をはじめましょうか。今日は予告した通り、機体についての説明です。
……あなた方、戦車兵が乗る機体。
その名を士魂号といいます。英語名を、スピリット オブ サムライ。侍の魂と言います。
あなた方はこの巨大な人工筋肉に包まれたサムライの魂として、戦場に現われることになります。パイロットとしてね。
走る速度は車以下、的の大きさでは戦車以上。
使える武器の大きさは重量比で、いかなる車両にも劣る。
それが、あなた方が乗る最強の兵器の能力です。
(「それでは弱いのではないか?」と言われて)
いいえ。強いですよ。教えたはずですよ。強いのは、性能ではありません。戦術だと。
例を話しましょう。我々人間は、チンパンジーより握力が弱く、ライオンのように牙もなく、ヒョウよりも遅い。
だが、今地上で一番繁栄しているのは、彼らではありません。われわれ人間です。それはなぜでしょうか。
まあ、性格が一番悪いからだと、シャレにならない冗談もありますが、ね、
(中略)
武器を使うという戦術を含む、数々の戦術を人間が使えたから、人は強いのです。
たとえ素手でも沼に引きずり込み、岩場に引きずり込み、奇襲し、そこにある石でトラップを作ったとしたら……
たとえ相手がライオンでも、幻獣でも勝てる……それが、人間、あるいはサムライと言う戦闘兵器の強さです。
同じこと。まったく、同じこと。
この士魂号が最強なのは、原形である人と同じように、他を圧倒して多彩な戦術が使えるからです。本物の、サムライのように。
戦車は動いて射撃するしか出来ません。
武器を捨てて接近しキックすることも、横にジャンプすることも、壁を昇ることも、後ろに剣で攻撃することも出来ません。
それだけです。
いいですか、この人型戦車、士魂号が強いかどうかは、この圧倒的な種類の戦術をどれだけ多彩に使いこなすかにあります。
覚えておきなさい。あなた方サムライは、性能で戦うのではない。戦術で戦うのです。
いきなり在来兵器と比べての欠点を並べ立てられるという衝撃的な紹介がなされた機体。
性能だけ見れば戦車よりずっと弱いが、それでもなお士魂号は最強の兵器であるとする解説にはコアな人気がある。
また、「鋭い爪も牙も厚い皮膚も持たない人間が何故地上の覇者なのか」はガンパレに限らず多くの作品で問われるテーマである。
ガンパレードマーチの世界は一見現代日本だが生物工学が非常に発達した世界で、
士魂号も機械ではなく人工筋肉を使った生体ロボットであり、クローン再生した巨人族を改造している。
同じく人工筋肉を使ったパワードスーツと同系列の兵器であり、機械の戦車や戦闘機に駆動系の技術を流用する事は不可能。
燃料には人間でも摂取できるような流動食が使われる。人間用の流動食でも代用できるため、不足気味な化石燃料を使う車両より融通が利くというメリットもある。
パイロットは最先端の生物工学で作られた戦闘用に大幅に強化された人間であり、
更にはパワードスーツも着用しているため、居住性が劣悪でもある程度は耐えられると思われる。
また、パイロットと兵器は特殊な器官により神経接続されており、それを用いて操縦する。
纏めると上記の人型ロボットの短所はいくつか解消されているのだが、
「メチャクチャ運用に手のかかる割に、得られるメリットが小さすぎる」という結論は覆らず、軍の主力には戦車等の従来兵器が使われている。
それでもエースパイロットが乗って活躍もしているので、「戦術を使いこなせれば最強」という評価に偽りはない。
また、裏設定としてはガンパレードマーチは複数の世界が存在する世界観なのだが、
魔法が発達した世界では科学が使えなくなり、科学が発達した世界では魔法が使えなくなるなど、違う世界で使う技術には制限がかかる。
そして人型ロボットはどの世界でも使用可能という特性があるため、性能は他の兵器に劣っていても様々な世界で使われている。
特に複数の世界に跨って活動する組織に人気。
モーターヘッド/ゴティックメード(FSS)(ファイブスター物語)
物語の主な舞台となる架空の星系「ジョーカー太陽星団」においては、戦争は主に「国家間の領地の奪い合い」を目的として起こるため、いわゆる「大量破壊兵器」にあたる兵器は「星団法」と呼ばれる国際法によって使用が禁じられている。
そもそも土地の価値を無くす様な手段は、用いられる事自体が滅多にない。
一方、ジョーカー太陽星団の住民にはごく稀に「騎士」と呼ばれる超人が生まれてくる。
彼らは常人(及び常人が操る兵器)では「絶対に勝てない」と言ってもほぼ過言ではない絶大な身体能力を持っており、その身体能力を最大限に活かす剣技をもって戦う。
巨大人型兵器「モーターヘッド(MH)」は、その様な騎士の動きを忠実にトレースする為の兵器であり、星団における決戦兵器にして各国家の象徴となっている。
(※設定改変後はゴティックメード。以下、便宜上MHのみを挙げる)
星団が生み出した究極兵器は人間大の超人類であり、その力にゲタを履かせる道具がMHなのである。いわばパワードスーツの延長上にあるといえよう。
複数のレーザー連射を避けたり切り払える騎士の反応速度の前には通常兵器を当てる事すらままならず、なおかつMHは優れた防御力の装甲と、エネルギーを消費するがワープ機能を持っているため、
基本的には騎士の優れた技量によって繰り出される剣技のみがMHの装甲を突破できる威力と騎士の反応速度を超える速度を併せ持つ有効打となり、
「近接戦武装によるMH同士の剣戟戦」がジョーカー太陽星団の戦争の要となる。
これらの点では上述の長所である
- 目視戦闘への対応度
- 示威性
を踏まえていると言えるだろう。
しかしMHには構造上、「転倒してしまうと自重で破損してしまう」という弱点もある(騎士の操るMHは機体の挙動が亜光速レベルなのも破損の後押しとなる)。
また、騎士とは別にサブパイロットとして、制御用の生体コンピュータとなる人造人間「ファティマ」が必要。
MH・ファティマ共に整備性も大きな困難が伴い、マイト又はマイスターにしか行えない(特にファティマの製造・維持には巨額を要する事が強調されている)。設計・開発に至ってはマイト限定である。ちなみに「マイスター=極めて優れた技術者」「マイト=星団の住民の中にごく稀に現れる超人的な頭脳の持ち主」の事。
これらの点では上述の短所である
- 操作性の悪さ
- ものすごく低い整備性と高騰するコスト
をそもそもMHというのはそういう兵器であると位置付けていると言える。細部まで作り込まれた設定がウリのFSSだからこそ通用する手法だろう。
なお、MHは構造こそ複雑とはいえオーソドックスな人型なのだが、GTMの方はディスクブレーキ状の関節が無数に集まって人型のシルエットを形成しているという異様な外見であり、シルエットが人型というだけで構造も挙動も人体のそれとは根本的に異なる。
「人型兵器だからと言って機体構造も律儀に人体を模す必要はない」という、なんとも思い切りのいいデザインだが、それを本当に理論立てて形にしてしまったことにも同作の真骨頂があると言える。
アーマード・コア ネクスト(AC4・fa)
設定が曖昧な部分があるACの中で、4系のネクストは比較的設定が固まっている。
まずネクストは走攻守のあらゆる面に用いられるコジマ粒子と、操縦系に採用したAMSよって超絶的な性能を誇る戦略級の兵器である。
単機で大部隊を相手取る事も可能だが、その真価は圧倒的機動性、耐久性、火力によって敵中枢を一瞬で叩く強襲兵器としての側面にあると言えよう。
人型を取る理由は操縦に用いられるAMSにある。
詳しくは項目を参照してほしいが、パイロットの脳とロボット兵器を直接繋げる事で機体の運動や各部の制御を担う技術である。
AMS無しだとネクストの制御には「完璧な連携のとれた数十人のチームが必要」と言われており、ネクストの高性能はAMSあってのものなのだが、パイロットが動作をイメージし易い様に人型の機体にする必要があった*23。
つまり人型なのは取り回しの為であり、その点以外では特に人型にするメリットは無い*24。
但し、指や脚を持たない武器腕やタンク型脚部等は、AMS適性の低いパイロットでも操縦できるというメリットがあり、逆に素質次第では異形でも制御が可能なので人型以外のネクストも存在する。
AMSを使えるのは適性を持つ極々一部の人間であるため代替できず、強大な力を個人に委ねざるを得ないこと、コジマ粒子による深刻な汚染を引き起こす…など高性能だが致命的欠陥も多く在り、結果としてネクストを所有する企業群は後に自ら対抗策となる巨大兵器アームズフォートを開発・配備する様になる。
サロゲート・エイコーン
蒼空のフロンティア、及び三千界のアバターで展開されるリブート版の『蒼空のフロンティアRe』において使用されている人型兵器。
劇中では専ら『イコン』と呼称されており、とてもマイナーゲームのロボットとは思えない程バリエーション豊か。
出土品の転用でもあるため何故人型なのかは分かって無いが、状況に応じて武器を持ち替えられる器用さ故に重宝されている。
ちなみに並みの人型兵器なら生身でも破壊できる『契約者』と呼ばれる存在(詳しい説明すると長くなり本題を反れるので、とりあえず前述された『騎士』の様な物だと思って頂きたい)が、二人セットで揃う事で生じる絆の力(誇張抜き)によって始めてまともに動く代物。
それを踏まえて『パイロット二人が生身で戦った方が良い』とならない程の出力があるため、『契約者ではない人間』(要するに普通の人間)が通常兵器を使ったのでは相手にもならない。
なお蒼空のフロンティア(とそのリブート版)の世界観は現代だが『契約者』の存在により(厳密にいえば語弊があるのだが長くなり本題とずれるためここではそう表記させて貰う)、
通常兵器は現実よりも強化されており『契約者』が使えば『イコン』を撃破する事があることも付け加えさせて貰う。
◆巨人の複製
何かしらの理由で「その世界に存在する、或いは存在した」巨人を複製或いは模倣したというもの。
ファンタジック・オカルトな前提であるが、現実においてもUMAなど巨人に関する噂は後を絶たないので割とすんなり受け容れやすい。
また、作中世界の根幹にかかわる設定になっているのでその事実は視聴者やロボに乗るパイロットには伏せられたりしている事も……
エヴァンゲリオン
元々がロボットとして作られた訳ではなく、''敵の空間に唯一侵入できる巨大人造人間を無理矢理人間が操れるようにした''存在なので仕方ない。
語弊を含むが、「怪獣の脳みそをくり抜いてそこにコクピット突っ込んで有人兵器に仕立て上げたデカブツ」といえばだいたい合ってる。構成素材が肉であるという点が重要なので、作中ではパイロットの代わりに機械を突っ込んで無人兵器化を試みたタイプや、(操縦が大変だったらしいが)微妙に人型から外れたタイプも登場した。
カガクゴー(空想科学大戦!)
記事冒頭の抜粋からしても明白なことだが、上述の疑問に対してあえて(一部は無視しながらも)ツッコミつつ徐々に強化されていった超装甲ロボット。
開発者のネッケツ・サワグ博士が完成前に急死したため発見当初は未完成であったが、
どういう訳か内部はがらんどう、ハリボテ同然だったため、
猫柳田博士はボトルシップの如く内部に捻じ込むようにして機械類を装備・改造させ、少しずつ進化して行く事になる。
まるで鉄人28号やマジンガーZからのロボットアニメの歴史をたどるような無茶なカガクゴーの試行錯誤っぷりは見ていて微笑ましい…かな?
前述した通り空想科学大戦シリーズのお約束として「巨大人型ロボットは操作も難しいし、燃費も悪いし、できることが限られるしでお世辞にも褒められた兵器ではない」という大前提のもとに改造が進められている。
「なぜ巨大人型ロボットを兵器として運用するのか」という疑問に対しては、博士のスポンサーである研究所の所長の娘も、敵対侵略者であるモドキングも「人型ロボットに肉弾戦をやらせるロマンが大事」という共通認識のもとに戦っている、という潔すぎる理由付けがある(そして毎度毎度、科学の壁のせいで敵味方共にヒドイ目に合う)。
このシリーズはロボットに限らず全編こんな感じだからしょうがない。
しかしなぜ当初のカガクゴーは人型だったのか、なぜ中身ががらんどうだったのか……その本当の理由は、そもそも人型「ロボット」などではなかったからであった。
即ち、ネッケツ博士は巨大な人型の外殻の内部に培養した人工筋肉を充填、それを電気信号によって操作する事で巨大人型ロボの実現を試みたのが真相であった。
猫柳田博士のライフワークである「人体を巨大化させる研究」の別のアプローチの産物だったのである。
劇中では敵の持ち出した全長400mの超巨大ロボに対抗すべく用意された超巨大巨大外殻を使用し、
全長500m、重量170万tの「真なるカガクゴー」、キングカガクゴーという形で『本来のカガクゴー計画』は実現した。
タクティカルアーマー/メタル・フェイク(ガサラキ)
流れ的にはエヴァンゲリオンと共通する所がある。古代の巨人を現代技術で複製し、それを実際に使ってみる事で巨人の製造の秘密を掴もうとしたという事例。
高度な技術開発と特許で大企業になった「豪和エレクトロニクス」は、豪和家に代々伝わる巨人甲冑「骨嵬(くがい)」をその技術力で分析し、複製して現代風の二足歩行型ロボット兵器「タクティカルアーマー」を開発した。
伝承によればこの骨嵬(くがい)は、「嵬(かい)」というシャーマンの資質を持つ人間が「ガサラキ」という謎の力を呼び出す事で生まれたという。
豪和家の人々は現代に見つけた嵬(かい)をこのタクティカルアーマーに乗せて、ガサラキ召喚を再現しようとしたのだ。(なお、その結果何が起きるかはまったく考えてない)
◆人型を必要とする動力
何故か人型にしないと動力源が効率よく動いてくれないので結果的にそうなった、というケース。
これも割と作中世界の尺度では道理のある理由が付けられている事が多い。
アーム・スレイブ(フルメタル・パニック!)
本来なら存在しないはずの人型ロボット。
なぜ戦車や戦闘機ではなく、この様な「不合理」な武器が戦場の主役になったのか?
そこには、ある秘密が存在していた……
リアルな「戦場」とファンタジーな「ロボット」を融合させた理屈付けが見事。
またこちらは既存兵器の無力化はしておらず、戦車の方が優位になる場面についてもきちんと説明がなされている。
更に作者の(変態的な)拘りにより、操縦システムや方法、その他様々な面で物凄く細かな設定が成されている。
それら一つ一つの技術は、全て現実でも再現可能なもの。
その細かさは短編において、上述の「乗って、立って、歩いて、撃つ」という基礎訓練だけでシナリオが書かれた程。
上の「器用さ」も複合しているパターンである。
……さすがに上述した人型になった理由の理論の方は、
作品に出した理由と作者の本来の好みもあってどう折り合いをつけるか相当難儀したようだが。
その後のすでに人型ロボット運用技術が根付いた世界を描いたのが、
もともとはメカ主体の企画が続編作品にまで発展した『フルメタル・パニック!アナザー』となる。
ガンメン(天元突破グレンラガン)
グレンラガン世界に於いてあらゆる生物は螺旋力という力を秘めており、これを最も効率的に利用できる形状が人型であるため、
螺旋力をエネルギー源とする上で最も性能を発揮できる形状として人型のマシンとなった。
そもそも人が「人型」であるのも「最も螺旋力を上手く扱える形態」を目指して長い時間をかけて進化して獲得した姿であり、
他の多くの生物もいずれは収斂進化的に「人型」になるとされている。
SDF-1 マクロス
本来はロボではなく巨大宇宙船であるが、巨大ビーム砲「マクロスキャノン」発射時には、艦内構造をも組み替えながら人型に変形する。
正確には「人型」を狙った訳ではなく、エネルギー伝達系を直結させる為に各部を変形させた結果、偶然人型になった。
ただ初回変形時には、艦内に避難民が構築していた市街地区域に壊滅的な被害をもたらしてしまう。その後は変形を考慮した街づくりを行い、建物内やシェルター内なら安全になった。
以降に建造されたマクロスは、初代マクロスへのオマージュとその活躍にあやかろうという意図により、初めから人型への変形を前提に設計されている。
エネルギーの面と儀礼的な面の両面の派生形と言える。
ちなみに「マクロス」には他にも人型機動兵器が出てくるが、そっちはそっちで別に人型である理由が付けられている。詳しくは後述。
バトルメック(「バトルテック」シリーズ)
『同じ技術で戦車や戦闘機を作った方が効率的で強い』という常套句に対する一つの回答。
「バトルテック」はアメリカで元軍人達が中心となって制作したボードゲーム。「メックウォリアー」の名義でTRPGやビデオゲームにもなっている。
バトルメックは元々作業機用に普及していた人工筋肉*25を使用した戦闘用ロボット。
打ち続く戦争でロストテクノロジーと化した結果、メックは古いものを発掘したり敵から奪うのが主な調達手段。後に技術が再現されて再び製造できる様になったらしい。
デザイン上は鉄骨を組み合わせた様な腕だったり関節部分にモーターやリベットらしきものが見えていようが人工筋肉である。イイネ?
人工筋肉と核融合炉の恩恵により自重の約9倍(!)の武装・装甲を身に着けても意にも介さず歩き回れるという圧倒的な馬力を誇り、
それがもたらす「積載量」が他の兵器に対する大きなアドバンテージとなる。
無骨な見た目通り力強く堅牢な作りになっており、その部位が装甲に覆われている間は中にある駆動系や武器といったパーツが壊されることはほとんどなく*26、中枢耐久値*27は戦車をも上回る。*28
ビーム兵器やミサイル、戦車砲や電磁砲等の強力な武器とそれらに耐える装甲、人口筋肉の馬力により徒手空拳でも自身の主砲を上回る破壊力の格闘も可能。
更には起伏の激しい地形や森林などの障害物のある地形も進むことができジャンプジェットを装備すればある程度の障害物を飛び越えて移動でき、完全防水で水陸両用*29。
……と、ブリキのオモチャの様な見た目からは想像も出来ないハイスペックなロボット。
最大の難点として脳波コントロールシステムを採用した事に由来する操縦難度の高さが挙げられる*30。
また基本的に装甲と火力を活かした被弾上等の戦い方になる為に維持費が非常に高く付く。試合に勝って勝負に負ける事も少なくない。
ゲーム上でも、パイロット(プレーヤー)が育つまでは転倒するわ攻撃外すわで苦労するが、
パイロットのレベルが上がってくると「いくら速く動いたってビームや弾丸は避けきれまい」というよく考えたらすごく当たり前な理論で命中率が伸びていく。
航空機相手は移動力の差で難しいが、長射程兵器があれば優位に立ち回る事は十分可能…といった具合になっている。
とはいえこのシリーズには各カテゴリにものすごい数の機体が存在するため、相性がものを言う部分がありいつでも無双できる訳ではない。
加えてビーム兵器やジャンプジェットを多用すると機体に熱が籠り、一定値を超えると熱暴走(機体中枢ダメージ、最悪強制停止)を引き起こしてしまうという、他のロボット物ではあまりお目にかからない(かつリアルな)リスクもある。どこぞの連邦兵よろしく「倍返しだあぁぁア!!!」「銃身が焼きつくまで撃ち続けてやる!!!」などと叫びつつ全兵装斉射を無計画に乱発するのは禁物。戦場における適切な熱管理こそ、優れたメック戦士の嗜みと言えよう。
そしてこの世界には同じ技術を使った戦闘機や戦車がちゃんと存在する。
・▽気圏戦闘機
メックに使われているものと同様の技術によって莫大な出力と耐久力を持ち、従来の戦闘機とは比べ物にならない圧倒的な火力と加速性能、大気圏内ならば無限に近い航続距離を手に入れた航空機。おまけに単独での大気圏離脱・再突入に加え宇宙戦も可能。
メック相手なら勝ちにこだわりさえしなければ負ける事は無い。
しかしその大出力を活かして推力を得る為+宇宙でも使えるように熱核ロケットエンジンをメイン動力にした為に推進剤が必要になり、燃費はかなり悪い。
そしてパワーアップの要の筈のメック用核融合炉は出力比こそ高いものの基本重量が重く、その大出力を活かす為に目一杯武装と装甲を積んだせいで運動性が死んでしまい、
メックからすれば蚊トンボ同然のはずの通常の戦闘機相手に不利が付くようになってしまった。
耐久力にしても「航空機としてはとても頑丈」という話であり、当たりさえすれば通常の戦闘機に搭載できる火器で撃墜できる程度でしかない。
・▽戦車
メックのフレームと同じ構造材で作られ積載量が増し、積載量に優れたキャタピラ・機動力に優れたホバー・安価な車輪の3つから選べ、メックを破壊できる火力を持ったものもいるため油断は禁物。
とはいえ全体としてメックに勝る部分がコストと操縦難度以外ほぼない。まずエンジンが安物のICEと呼ばれる内燃機関式動力は同クラスの出力のメック用エンジンの倍の重量、メックと同じ核融合式でも鎧装や変速装置を追加せねばならずメックのそれに比べて1,5倍の重量になってしまうため積載量で負けている。また、ビーム兵器を積むには搭載したそれらが1ターンに全力発射した時に排熱できるだけの放熱器を搭載せねばならず、ICEだとそれに加えてビームを撃つための補助動力まで積まねばならない。更にはメックの方は骨格がむき出しにならない限りは脚に被弾したところで移動に支障が出る事態はまず起こらないのに対し、車輛は剝き出しになっている駆動装置に被弾すると移動できなくなってしまう。つまり単純に火力と装甲で負けるということで、この時点で同重量クラスの真っ向勝負では勝ち目がない。
更には車輪やキャタピラタイプだと上記の通りエンジンの差で移動力出大きく水をあけられ起伏ある地形や森林の走破性もジャンプジェットのないメックにすら劣る。しかも追いつかれたら高威力且つほぼ必中の格闘で踏み潰される。*31
ホバー戦車なら水地の上でもすいすい動けるなど機動力では勝てるが、積載量を割かれる為、火力差が更に悪化する。
唯一勝っているコストも人工筋肉やバランサー用の精密なジャイロがいらないうえに内燃機関エンジンにすればその分コストが浮くというだけで、エンジンを核融合タイプにしたりそれ以外の装甲・武装に使われている資源は同重量のメックと同様に消費してしまう。キャタピラ駆動系内燃機関タンクだと四分の一ぐらい、キャタピラ駆動核融合系タンクだと大体同クラスのメックの半分ぐらいのコストはする。
そのためおいそれと物量攻めもできず、バトルテックの世界では車両は主に索敵や輸送などの補助的な役割を担っているとされている。
また別の一面として、戦車に使われるホバージェットや気圏戦闘機が推進切れの際に使う熱核ジェットの技術もメックの補助装備として応用されている。
武装も対メック戦用の散弾砲を作ったらこれもまたメックに搭載され、輸送機や気圏戦闘機相手に猟銃の如く使われ、当然歩兵等にもえげつない威力を発揮する。
総じて「ロボットを作れる技術を戦闘機や戦車に付けたら相応のデメリットも引き継いでしまう」「戦車や戦闘機の技術もまたロボに活かされる」「対ロボ用の新兵器を作ったとしても、時にロボの方がその兵器を使いこなしてしまう」という、
「巨大ロボ兵器の実用性の疑問へのアンチテーゼ」的なマシンとなっている。ゲームバランスとっただけで開発の人達そこまで考えてないと思うよ
ゼノギアス
当該作品の重大なネタバレになるので曖昧にしつつも必要な事だけ記述すると、
かつて高度な文明がすごい兵器群を作成し、それと共にゾハルというものを作り出した。
ゾハルを簡単に説明するとエネルギーを0からいくらでも生み出す上に、そのエネルギーを効果範囲内(惑星をすっぽり覆えるサイズ)のどこにでも転移させられるすごい奴である。
例えると東京に設置したゾハルがその気になれば、アメリカやブラジルに置かれた自動車の空のタンク内にガソリンを出現させられるという事である。
兵器群はエネルギーをゾハルに依存しており、ゾハルは自軍の兵器と認識したらエネルギーを送る設定になっている。
しかし、あるトラブルで兵器群を積んだ宇宙船がある惑星に墜落し、ゾハルを含めた兵器達は地中深くに埋まってしまった。
後に出現した惑星の現生人類が兵器群の一部である人型兵器(ギア)を操作すると普通に起動して驚くのだった。
ゾハルは地中でまだ機能しており、自軍の兵器であるギアが要求したのでエネルギーを転移しただけなのだが、現地人からすればエネルギー源が搭載されてないのにどこからかエネルギーが湧いて動く大型兵器である。
そして基本的な規格を踏襲すれば自分達で同様に作った人型機械にもゾハルはエネルギーを送ってくれる。
こりゃ便利という事で現生人類は(詳細を知らぬまま)ギアを戦闘兵器として活用し出したのだった。
ゾハルは人型でなくても自軍と認識する基準はあるのだが、現生人類はそういった解析が間に合っていないためギアのほとんどが人型で構成されている。
そして、武装その他用のエネルギーまでは送って貰えない(正確には現生人類側が請求コマンドを知らない)為、武装用の弾薬や燃料は現生人類が用意し機体内に積み込んでいる。
実際のゲームでも、ギアで普通にフィールドを飛び回る分には制限がないが、戦闘で攻撃する度に搭載エネルギーを消費し、無くなると攻撃できない。
聖刻1092
メディアミックス企画「ワースプロジェクト」の一つである小説シリーズ。
中世レベルの世界で、巨大ロボ「操兵」にまつわる話を扱っている。
操兵は古代文明の遺産、もしくはそれを劣化複製したもの。
聖刻石を散りばめた「仮面」が操兵の制御中枢にして動力源であり、仮面こそが実質的な本体ともいえる。
この仮面は意思を持つとされ、通常の操兵で意思が表に出る事は無いものの、乗り手との相性が機体性能にも影響したりする*32。
そして、いざ新規の機体*33に仮面を取り付けても、その機体を気に入らないと仮面が抵抗する事がある。また何故か仮面の格が高いほど人型に近い姿を好む傾向がある。仮面の格が低い「従兵機」が首無しの簡易機体である一方、格の高い「狩猟機」が人型に近くなるのはこの為。
DAEMON X MACHINA
当該作品は人型ロボットを使う理由づけがこの記事で言う複数の理由から設定されているのだが、
大きく分けて言うと敵である「イモータル」とエネルギーの「フェムト」がある。
イモータルはどこからか現れた謎の機械生命体。
自分達で生産工場を作って増える他、AIやコンピュータ制御のマシンをハッキングして自分達の精神をインストールできる。
つまりイモータル相手に無人機やAI制御の兵器で挑むのは戦力を献上するだけである。
このため人型機械パワードスーツ「アーセナル」を纏った人間での攻撃が有用となる。
アーセナルにもコンピュータの制御は入っているがあくまで補助で、イモータルがハッキングできない人間の操作がメインとなっている。
人間の神経に直結して動かす為に人間とほぼ同じ稼働をするスーツで、兵器も手持ちして引き金を引く銃や剣が多い。
更に全高6m程度と比較的小型なため2乗3乗の法則を考えても激しい機動戦闘になんとか耐えうる。
一方、フェムトは未知のエネルギー粒子。アーセナルでも動力源として用いており、また「粒子兵装」として一時的な能力Upやシールド展開にも活用している。
フェムトは通常の人間が直接触れたらほぼ死ぬ激毒でもあるが、ごく稀にフェムトに触れても死なないどころかフェムトをある程度操る事ができる人間が生まれるようになり、それをフェムト能力者「アウター」と呼ぶようになった。
つまりこの作品はロボットバトルものだが能力者バトルものでもある。*34
フェムトが満ち溢れている戦場で通常の人間が戦うには防護スーツが必須だが、アウターならその分を他に回せる(敵弾や他の有害物質からの保護は両者とも必要)。
またアーセナルも、どうせフェムトを扱うならアウターが操縦する方が効率が良い
よって対イモータル戦はアーセナルに乗ったアウターが戦うのが最適解であり、
人間同士の戦闘をする場合もアーセナルは他の兵器よりもある程度は優位を保っている。
ダイミダラー(健全ロボ ダイミダラー)
ペンギン帝国のロボット兵器をリバースエンジニアリングして開発された酷いデザインの兵器であり、Hi-ERo粒子ジェネレーターで駆動させるための理想的なエンジン配置を突き詰めた事で人型ロボットとなった。
が、そのため、最初に開発されたダイミダラー2型・孝一は本来なら不要な右腕をとりあえず適当にポン付けして無理やり人型にするという潔過ぎる設計が特徴。対する左腕は同機の武装が全て集約された巨大なものであり、おかげで全体的にものすごくアンバランスな外見になっている。
流石にこれは問題視されたのか、2型をベースにした量産タイプのダイミダラー3型は基本的なレイアウト自体は2型を踏襲しつつも右腕に機銃を追加し、とりあえず戦闘にも使えるようになった。
そして、美容室プリンスの威信をかけて開発された最新型であるダイミダラー6型・霧子では遂にちゃんとした右腕が備わった。ついでに見た目もようやくマトモになった
設定自体はありがちなものだが、右腕を通じてダイミダラーの進化を描いた描写がお色気作品の癖に秀逸なケース。
◆美意識
作中の人物(開発者など)が「人型ロボット」である事に拘ったから人型ロボットにしたというケース。
いささか強引な理由であり、作中でもそれが仇になっている描写が(作劇の妙として)存在しているものも。
一笑に付されるかもしれないが、現実でもどうにかして人型巨大ロボットを作ろう動かそうと考える人は物凄く多いのは上記の通りである。
そんな人物がフィクションの中にいても何の不思議もないのだ。
有限会社地球防衛隊
PSで発売されたマイナーなゲーム。1999年発売。
舞台は現代で時代は2016年、会社のプロジェクトの範囲内で巨大人型ロボットの開発をするのだが、
最初はアイドル活動と平行した客寄せパンダという扱いだった為、1号機は関節が動かない張りぼて。単純作業しか出来ず、作業車等と共に救助活動するしかなかった。
その後予算とメカマンの努力でそれなりに稼動する2号機が出来上がり、メカマンが「今度は関節が動く!」「しゃがめる!」と大はしゃぎ。
更には(評判の良くない)大企業の出資で、「ある程度の戦闘」も可能な、スパロボにでも出て来そうな3号機まで出来てしまった。
「皆がまともにやろうとしなかった事を大真面目に取り組んだらわずか数年で割と形になる物ができる」
という、ロボオタ的には夢のある展開である。
当時はガンダム等の巨大二足歩行ロボットがドンパチやる事に対する考察本があれこれ出回り始める頃合で、巨大二足歩行人型ロボを開発する理由付けが求められていた時代でもあった。
マシンキャリバー(翠星のガルガンティア)
主人公レドが乗るチェインバーを始めとしたマシン。比較的小型で、頭や太腿が大きく頭身の低いデザインが特徴的。
何故人型なのかは明確には語られていないが、
- 運用している人類銀河同盟の前身が「『人の形を捨て去ってでも過酷な環境に耐える』事を選んだ人類」と対抗する組織である。
- その人類銀河同盟のエンブレムがウィトルウィウス的人体図。
- マシンキャリバーの様な機動兵器はおろか戦艦の類さえ人型を模したシルエットをしている。
といった、彼らの「人型であること」への並々ならぬ拘りの現れではないかと思われる。
しかもマシンキャリバーには、パイロット補佐用AIが各機に搭載されているのだが、
劇中の描写からしてAI単独の無人操縦でも十分な戦闘能力を持っている……というかパイロットの負担を無視できる分、パイロットが乗っていない方が強い場合さえある。
人的損耗も避けられる*35技術を持ちながら、敢えて人が操縦する兵器としたのも同じ理由であろう。
ファンタジー系ロボに度々みられる「伝統・儀礼的な意味による人型」の一種と言える。
因みに、人類銀河同盟は人の形を捨てた人類の末裔たる『ヒディアーズ』との闘いに国民皆兵の構えを取っているのだが、
その為にあらゆる娯楽、人類の文化・風俗を捨て去っており、もはや「人類」というより「ヒディアーズと戦う種族」に成り果ててしまっている。
「人の形」に拘った為に人間らしさを喪失してしまうとは、大いに皮肉と言わざるを得ない。
デイダラボッチ(魔法少女プリティ☆ベル)
作中の魔族軍の一つ「東軍」が魔王であるジロウ・スズキの音頭の下作成した人型ロボット。
正式名は「10式汎用歩行戦車」。
東軍の高い技術力に、魔力によるサポートを合わせたことで、攻撃力、機動力、防御力のいずれも非常に高いレベルにまとまっており、
空も飛べるしバリアも張れる、超万能型機体。
但し、人型に無理矢理それだけのスペックを押し込めた代償として、燃費が異様なまでに悪い。
元々、設計企画の段階から実戦で通用するものではないことは明確であり、純粋に東軍技術の誇示と蓄積のためだけに作られた。
「実戦レベルの戦闘力がありながら、実戦配備や量産の予定はない」というある意味珍しいタイプ。
なお、実際にこの機体で培った技術は11式戦車「玄武」や11式汎用戦闘機「朱雀」に受け継がれた。
「機体としては完全な失敗作だが、企画としてはまずまず成功」と言え、これも珍しい。
実際、デイダラボッチの耐久力は確かにその見た目からすると並外れているが、あくまで魔力障壁を使って強引に生み出しているものなので、「玄武」は物理装甲だけで同等の耐久力を発揮できてしまっている。玄武は戦車なのでもちろん空は飛べないが、もともと「朱雀」との連携を前提としており運用で十分カバーできる。
つまり本機デイダラボッチは「万能の戦闘能力」の代償として、「燃費」「継戦能力」「整備性」「量産性」など、兵器として必要な諸々が悉く犠牲になってしまっているという欠陥を抱えていた訳で、「実際に作ったことでその欠陥が完全に白日の元に晒された」ために、完成と同時にデイダラボッチ計画は終焉を迎えたのである。
……本来は「ただそれだけ」の純粋な展示品だったはずなのだが、公開されていたこの機体をとある人物がコピーし、量産したことで……
実は「燃費が非常に悪い」ものの「弱い」訳ではないため、潤沢な魔力を用意し天才レベルのパイロットが乗るなら魔王クラスの実力者ともタイマン張れる位の戦闘力はあったりする。もっとも、そのレベルのパイロット自体が希少種なので、「結局普通の兵器の数揃えた方がいいじゃん」という結論自体は変わらないのだが。簡単に言えば「ルーデルなら操れるから」と37mm対戦車機銃を取り付けたJu87Dを量産するようなモン
バーチャロイド(電脳戦機バーチャロンシリーズ)
見栄えのためだけに人型をしている例。
政府という枠組みに代わって企業がすべてを支配するバーチャロンシリーズの世界では、消費活動や政治的イデオロギーを充足させる一大エンターテイメントとして命がけの戦闘行為を提供する「限定戦争」が興行されている。
一種のエクストリームスポーツがより過激に商業的に、かつ大規模になったものと言ってもいい。
そこで「視聴者は人間同士の戦闘を見たいが、血や内臓等グロテスクなのは見たくない」「巨大人型兵器同士の派手な戦いをウリにすればそういったニーズに応えられてもっと儲かるに違いない」という理論で生みだされた新商品がバーチャロイドである。
この設定故に、バーチャロイドは性能重視かつ華やかさ重視で、近接武器を使った格闘戦も行う。とある勢力が「[[運用の利便性を追求した兵器として正しい『武骨な』機体」>ボック/VOX(電脳戦機バーチャロン)]]一色で戦場を席巻した時は「華が無い」「ごり押しだ」とクレームが殺到する始末。
ひどいのになるとおっさんが幼女の演技をしながら操縦してる設定の機体もある。
…但し、バーチャロイドは人類単独の技術ではなく、月で発見された先進文明のオーバーテクノロジーをろくに調べもせず応用する事で無理やり実用化にこぎつけており、人類は欲の皮が突っ張った行為への大きなツケを払わされる事になる……。
伝説エンターテイメント・ビスマルクコーポレーションのAGS(ラストオリジン)
見栄えのためだけに人型をしている例その2。
本作の世界ではバイオロイド(人造人間)とAGS(AI制御大型ロボット)が共に軍民問わず普及していたのだが、他社と違いこの2企業の作る人型ロボは(作中空間における)実写エンタメ作品に出すためという見栄100%の理由で製作されており、完全AI制御ということもあって作中における扱いは特撮、実写ドラマの役者となっている。
元々ロボアニメなどの文化があったのか突然社員が思いついたのかは不明だが、いずれにせよ胸にライオンを持つものや
鳥型への変形機構持つものなどいい意味でロマン全振りの仕様であり、いかにもロボアニメに出てきそうな外観をしているのが特徴。
一応民間機であるはずなのだが、ロボット技術そのものが著しく発達していた事に加え、エンタメに命を懸けている連中が作っただけあってガチの戦闘能力を持たされており、人類滅亡後の本編時間軸でも主人公らと共にオルカ号の一員として活躍している。
中には人類滅亡から100年近く戦い続けている歴戦の猛者な個体もいる。
またどういう経緯があったかは不明だが量産型と思しき機体が存在している。
モビルスーツ(A.C.)
劇中にて、新機動戦記ガンダムWの世界で最も広く運用されているMSリーオーの開発元であるロームフェラ財団が何故人型の兵器などというものを作ったのかという疑問が呈された事がある。
登場人物の一人は、
「ボタン一つで決着する戦争より、見た目にも恐ろしい、しかし憧れも感じる巨人が人間臭い戦いを繰り広げる方を好んだのだろう」と推測した。
要するに、「ミサイルや無人機より人が操縦する巨大ロボで戦争した方がエレガント」という事である。
ただ、それでもMSがあの世界で『主力兵器』となりえたのは戦闘用MSの始祖たるトールギスの完成度が異常に高かったから、という事情もある。
同時にトレーズ・クシュリナーダによってMS運用論が確立された事も原因なので、マッドな技術者と軍人の双方による技術的・軍事的なブレイクスルーが大きかったのは否めない。
ウォーカーマシン(戦闘メカ ザブングル)
遥か未来の地球である惑星ゾラで、支配階級イノセントによって開発・販売されているマシンであり、いつか2本の足で大地を踏み締めるという願いを込めて2本足がデフォルトで備えられている。
あくまで「2本足」に意味があるということで、人型の枠にとらわれない個性的なデザインのウォーカーマシンも度々登場した。
…が、実際にウォーカーマシンを乗り回していたシビリアン達はむしろホバリングやブーストジャンプによる移動を行うことが多く、その名前と成り立ちに反して「2本の足で歩く」というシーンは実はあまりない。
挙句、番組後半ではとうとう歩行機能を簡略化して長時間の飛行に特化した設計が採用された、ウォーカーマシンとは名ばかりの実質的なただの航空機であるドラン・タイプまで登場し、しかも最終盤までカシム・キング派の主力機として多くの場面で活躍することとなってしまった。
歩行を捨てて制圧力に特化したドランの姿は、人類再生計画に反対し、イノセントによる強権支配を維持しようとするカシム派の思想を象徴するものと言えるだろう。
◆宗教的、儀式的な理由
インペリアルナイト
ミニチュアウォーゲーム兼SF作品である「ウォーハンマー40K」に登場する二足歩行ロボットの一種。〈人類の帝国〉に仕える騎士惑星のパイロットによって操縦される。
元は人類が用いていた惑星開拓用の二足歩行作業機械を祖とする兵器であったが、人類の文明が崩壊した後にそれらの作業機械を駆るパイロットを中心とした封建惑星があちこちに形成される。いつしか二足歩行作業機械は儀式的な意味合いや騎士道精神を宿したパイロットが扱う戦闘機械「インペリアルナイト」として発展していった。
本機は誰でも操縦できる訳ではなく、騎士惑星を治める「騎士宗家」に所属するパイロットによってのみ操縦が可能となる。〈機械の玉座〉に座したパイロットは機体に神経接続される事で、自らの体と同様に自由に機体を操る事ができるのだ。
簡単にまとめると、入植した惑星で使用してた作業用ロボットが、いつの間にか騎士道精神あふれる伝説の鎧的なものとして扱われていたと考えて頂ければ良いだろう。
戦場においてはインペリアルナイトは少数精鋭の部隊を組んで戦場へと馳せ参ずる。腕には様々な武器を換装可能で、巨大なチェーンソーである「リーパー・チェーンソード」や戦車をハチの巣にする巨大機関砲「アヴェンジャー・ガトリングキャノン」などの兵器で〈帝国〉軍の敵に滅びをもたらす。
なお、「イオン・フィールド」と呼ばれるバリア発生装置が備え付けられており、様々な角度からの戦車の砲撃にも耐えうる耐久性を備えている。
◆巨大人型兵器或いは巨人への対応
いずれ敵対する勢力が巨人、或いはデカい人型兵器を使ってくると知っていたので、こちらも対抗して巨大人型兵器を用意する、というケース。
VF-1 バルキリー (超時空要塞マクロス)
地球に飛来した宇宙船ASS-1(後にSDF-1 マクロスに改修)の解析により地球外生命体の巨人(ゼントラーディ)の存在が判明したため、和解あるいは戦闘の可能性を考慮して、それら巨人と同程度のサイズのバトロイド(人型ロボット)として開発されたもの。
機動性を考慮しファイター(飛行機)形態にも変形可能。
どちらかと言えば(対巨人に限定しなくても有効であることが分かりきっている)ファイター形態の方がメインで、バトロイドは巨人への保険という具合か。
なおバトロイド形態基準で機体サイズを決めている為、本機のファィター形態(全長14.23m)は、実はデザイン元である現実のF-14(全長19.10m)よりもかなり小ぶりになっている。
パーソナルトルーパー/アーマードモジュール/特機(スーパーロボット大戦OGシリーズ)
スーパーロボット大戦OGのパーソナルトルーパーを始めとしたロボットは、いずれ敵対するであろう異星人が人型機動兵器を使ってくるであろう事だけはわかっていたので対策として人型をするようになった。
マクロスの設定とそっくりと思うかもしれないがそれもそのはず、この設定の原型はマクロスシリーズが初参戦したスーパーロボット大戦αであり、そちらではマクロスの解析で巨大人型兵器の存在が発覚しバルキリー、パーソナルトルーパーを始めとする人型ロボが……
というクロスオーバーが敷かれていた。OGではその設定をオリジナルに落とし込んだものとなっている(こちらは『隕石』の解析で発覚)。
なお、PT、AMはリアルロボットで、特機はスーパーロボットという認識で大体間違いないのだが、
特機に関しては「敵対勢力に威圧感を与える」アプローチも取った結果、おそらく想定されるサイズよりも更に大きな機体になったり、パイロットの趣味に合わせて何故か馬に変形する(なお馬形態だと戦闘能力が一切なくなる)というものも。
また、PTは「最初期のテストパイロット達が機体を動かすためのモーションパターンを一からOSに教育させていった」という操縦性に関する設定も存在する。
極めるとマニュアル操作の方が強いらしいが。なお、ガチ勢がそのままPTのパイロットとしても通用する程に操作性が同じ市販ゲームが作中世界には存在する
アーマ―ドモジュールは人型からやや外れた外見のものが多いが、これは戦闘機から発展させたが故。
宇宙超商船隊鉄侍カイエーン(銀魂)
宇宙中を駆け回る星間貿易業者『快援隊』の保有する巨大ロボ。旗艦『快援丸』と5隻の宇宙船が合体する事で誕生する。
股間部のビーム砲など武器も装備しているが、本質は商談用のロボである。
人型をしているのも、宇宙のどこかにいるかもしれない巨人型宇宙人とも商談ができるようにという意図から。
人型である事自体に意味があるという、ある意味最も潔い理由と言えよう。
「未確認だが、存在するかもしれない巨人型宇宙人に対応するため」という意味ではバルキリーに近いものがある。
◆段差に強い
車両ではなく人間に近い形状をする利点として(強度問題云々をクリアできるならば)「悪路の走破性が高い」事が挙げられ、それを根拠として巨大ロボが成立できるケース。
上の「戦術機」「バトルメック」もこのケースの複合である。
メタルトレッダー(緑の王 VERDANT LORD)
メガリス社が開発し、アメリカ軍が運用する人型戦闘兵器。
当初は伐採作業用として開発されたが、緑没地帯への適応力の高さからすぐに戦闘用に転用される。
作中では植物が異常な速度で増殖・成長する「植物異常大繁殖(プラントバースト)」という災害が頻発しており、
これによって路面も建造物も甚大な被害を受け、多くの都市が「緑没」して機能を失っている。
緑没地帯の密集した樹木に対して、ブルドーザーなどの根に近い位置から作用する重機では効率が悪い。
しかし人型重機ならば樹木の上部から自重をかけることでテコの原理で効果的に樹木を伐採できる。
また当然ながら緑没地帯は車両の走破性が悪く、木々の合間を縫うように移動できる点も人型の需要を後押しした。
武装は火災のリスクを避けるためにリニアガンや高周波ブレードを搭載する機体が多い。
メタルギア(メタルギアシリーズ)
冷戦時代にアレクサンドル・レオノヴィッチ・グラーニンが提唱し、彼の死後に次々と開発された核搭載二足歩行戦車。
既存のミサイル発射施設や軍事基地に頼らず、悪地形を走破して相手に気取られることなくどこからでも核ミサイルを撃つ、という目的で開発された。
冷戦時代は彼の"戦車に足をつける"という思想は理解されなかった*36。が、時代が進んで1974年のピースウォーカー事件が起こると事情が変わってくる。
キューバ危機のこともあり、共産化が進んで米国の大規模なミサイル施設を作れない中南米、高低差の激しい地形の多いアフガニスタン、大規模な施設を持てない小国などで核抑止、報復核の需要が高まりつつあった。
その後は南アフリカの傭兵派遣会社アウターヘブン、ソ連崩壊後に傭兵達によって建国されたザンジバーランドを皮切りに、シャドーモセス事件などで度々歴史の表舞台に現れることとなる。
但し一つの例外を除いて人型ではなく鳥や恐竜に近い形状。当然腕は無い。そのため二足歩行型ではあっても人型ではない。
唯一の完全な人型としてメタルギア・サヘラントロプスがいるが、諸々の問題を超能力を使って動かすというオカルトな方法で解決している。
ジャンクメタル(JUNKMETAL)
エニックス(現スクウェア・エニックス)によって運営されていたMMOFPSに登場する人型っぽい戦闘、作業機械。
元々は惑星開拓用に使用されていた非武装の作業ポッドが原型で、作業用の腕と悪路を踏み越える2足を備えたために人型に近くなり、それがスタンダードになった。
惑星開拓中に現れた謎の無人自律機械「グール」を排除するために武装したジャンクメタルが登場し始め、プレイヤーはこれに乗って「グール」や他のプレイヤーと戦うことになる。
アーマード・コアのように各種オプションなどによるカスタマイズが可能で、2足に限らず4脚や無限軌道などにもなる。
◆宇宙人の技術
異星から齎されたのがそのまんま人型ロボで、解析も難しい(或いはコストに見合わない)からそのまま使っているというケース。
それだけだと説得力として弱いので他のケースとの複合も見られる。
エグゾフレーム
高橋良輔プロデュース、虚淵玄原案の作品『OBSOLETE』に登場。
大きさは3mと、搭乗型人型ロボット兵器としては最小クラス。パイロットは背中にまたがる様にして搭乗する。
宇宙人ペドラーとの交易で、1トンの石灰岩(価格換算で千円足らず)と交換する事によって地球上の誰でも入手できる、「安い」から使われているタイプのロボット。
操縦についても乗り手の思考を読み取る方式のため訓練などは必要なく、誰でもとりあえず乗って適当に動かせるほど容易い。
宇宙人から貰った時点ではフレームしかなく、地球人は用途に応じて思い思いの装備を追加して運用しているのだが、そのフレーム部分については「機械というより生物に近い」という程度でほとんど解析できておらず「使っているうちにペドラーに洗脳される」といった噂まで飛び交う始末。
当然故障しても修理不能だが、先述の通り安価なので格安の重機・農機具として世界中で使い捨てにされている。
人型兵器の名に恥じず、パラシュート降下、ダイビング、雪原でのスキー、登山など「人間ができること」なら大半できるのが売り。
半面、武装や装甲はあくまで地球産なので、兵器としては戦車等と比べて圧倒的に強い訳ではなく、得意なのは人海戦術と自爆。
何億もする戦車を千円足らずのロボット数台で壊されては話にならないため、安いロボットで対抗するしかない、とロボ同士の戦闘が起きる理由を付けている。
バトルスーツ
ミニチュアウォーゲーム兼SF作品である「ウォーハンマー40K」に登場する二足歩行ロボットの一種。宇宙人勢力であるタウ・エンパイアによって使用されている主戦力兵器である。
タウ・エンパイアに住むタウ族は筋力が人類に比べて貧弱であり、それを補うためのパワードスーツ的な位置づけの兵器として運用されている。基本的には近接戦闘は行わず、高機動力による射撃戦で敵の攻撃を避けつつ弾幕で圧倒する。
バトルスーツはタウ族の誰でも乗れる訳ではなく、「ファイアウォリアー」という生身の歩兵で活躍して生き残った古参兵に与えられるものであり、まさに栄誉の証といっても過言ではない。
なぜ人型なのかという理由は特に説明されておらず、それは宇宙人が考えることは人類には理解できんし、そういうものだということで受け入れよう。
ガオガイガー
そもそも地球外知性体〈ゾンダー〉に対抗するために、外宇宙から飛来したメカライオン〈ギャレオン〉がもたらしたオーバーテクノロジーや各データ、及び無限情報サーキット『Gストーン』を用いて作った機体なので、何で人型なのかは地球人には分からない。
しかも未解明の部分が多い技術を使っているので初期はトラブルが頻発しており、文字通り『勇気で補う』事によって何とかしていった。
レグジオネータ
『青の騎士ベルセルガ物語』シリーズ終盤に登場する、アーマードトルーパー(AT)の原点となる機体。
5000年前の地層から発見された人型兵器で、ATはこれを参考に開発された。
ATがアストラギウス銀河で主力兵器となったのは、人型兵器に対する潜在的な恐怖があり、その原因がコイツと推測されている。
エグザクソン(砲神エグザクソン)
園田健一作の漫画。
1800年前に地球に流れ着いた発掘兵器を解析、改造したもの。
主動力は核融合炉で、重力制御、慣性制御機能をもつ。
他の兵器との決定的な差は、宇宙人の本国でも失われた機関である反物質ジェネレーターを搭載していること。
瞬間的に得られる莫大な電力により無敵の防御力を持つ。
主兵装は胴体に内蔵されている4096mm砲、右腕に46cm機関砲、左腕に88mm6連ガトリング砲を搭載しており、大概の兵器は一撃必殺。
キングジョー ストレイジカスタム (ウルトラマンZ)
元はバロッサ星人*37が操る合体UFOロボ・キングジョー。
バロッサ星人撃退後、鹵獲した残骸に魔改造が施され、特空機(巨大ロボ)3号として生まれ変わったのが本機。
その後は、地球で開発された特空機1号セブンガー、特空機2号ウインダムと共にストレイジの主力として活躍する。
しかし実は他の特空機の技術も、とある宇宙怪獣由来であり、それによる科学技術の歪な発展や地球人の意識変化(未知の技術の兵器利用にも躊躇いが無くなる)の果てに…
◆操縦システムの都合
上でも触れた、「操縦系統がダイレクトなので人型の方が都合がいい」という事例。
人機(ジンキシリーズ)
綱島志朗作の漫画。
「血塊」と呼ばれる物質を動力源とする人型機械。
全身に装着するトレースシステムで操縦されるため、人型になっている。
大艦機(轟拳ヤマト)
飯島祐輔作の漫画。
蒸気機関、内燃機関で動く巨大人型兵器。
列強国の主力兵器であり、第2次大戦での戦艦に相当する位置で運用されている。
先史文明の遺産であるアンドロイドの制御装置を使っているため、人型でないとならない。
機神(機神兵団)
山田正紀作の架空戦記小説。アニメ化もされたが原作とはかなりストーリーが異なる。
エイリアン兵(戦闘ロボット?)の残骸から回収したモジュールによって制御される人型兵器。地球の技術では人間大のエイリアン兵と同じ大きさで再現できず巨大化した。動力は航空機用ガソリンエンジン4基。モジュールに起動信号を送るために真空管を何十本も使用し、そのほとんどが一回で切れてしまう。
フランクス(ダーリン・イン・ザ・フランキス)
先史文明の遺産である生体兵器に対抗するために開発された巨大人型兵器。
複座式で男女ペアで操縦するようになっており、女性が機体と同調するインターフェイス役、男性が機体操作を行う。
女性はバイクに乗るような前傾姿勢で、同調用のパラサイトスーツと呼ばれるスーツに装着されている機材が変形して操縦桿になる。
なので、男性パイロットの目の前には女性パイロットの尻が常時ある。
◆未分類
ガルガンチュア(新旭日の艦隊)
原作は荒巻義雄の仮想戦記小説で、飯島祐輔がコミカライズ。
原作には出てこないコミック版オリジナルのナチスドイツの試作兵器。
本来はパワードスーツ開発を目的としていたが、当時の技術では小型のコンピューターが作れないため、コンピューターが載るサイズで作った結果、巨大人型兵器になった。
なんで人型なのかと言うと、開発者が前世からの記憶をもった転生者であり、転生前に見た日本のASIMOやペットロボットに追いつき追い越したいがために開発を進めた。
タイタン(TITANFALLシリーズ)
軍用強化外骨格から発展した、高さ24フィート(7メートル)の人型兵器。強力な兵器である為、そのシミュレータは無資格に所持をする事さえ重犯罪になっている。
シリーズ名の由来は、パイロットが要請すると衛星軌道上から即座に機体が投下され、空から降ってくる(タイタンフォール)事から。
タイタンに乗るとジャンプ能力を失うものの、人間を凌駕する機動力、火力、装甲はいずれも絶大で、敵の非タイタン兵力の全てを蹂躙可能。よって、航空優勢ならぬタイタン優勢を得ることが基本的に最大の目的となる。
一方、プレイヤーキャラはジェットパックを装備しており、タイタンから降りると立体的な機動が可能。
歩兵・タイタンの各スタイルを使い分ける戦術がゲームの要である。
バイタルスーツ(LOST PLANETシリーズ)
植民地惑星「EDN-3rd」に原生する生命体「エイクリッド(AK)」に対抗するために開発された兵器群。
基本的に4m前後のサイズで小さいものだと2mあるかどうかという機動兵器の部類としてはかなり小さい。
歩兵と戦闘車両の中間的な性質を持つものが多く、陸戦を行うほとんどのVSが脚を備えている。
但し完全な人型と言えるのはごく一部であり、基本的には頭はもちろん腕すらない。武装は側面のアタッチメントに装着する。
特にハードボーラーやトライシードなどの人型のVSは他のVSと一線を画す運動能力を誇り、他にも格闘や跳躍、特殊なもので大気圏再突入や三段変形を可能にするなど最早違うカテゴリの兵器である。
元々EDN-3rdは雪と氷に閉ざされた極限環境でまともな乗り物が機能しない惑星であったことや、その環境に特化した形態と原始的な攻撃手段をとるAKの攻撃への対応などといった要素が重なった結果、このような装甲と脚を備えたロボット兵器になったと考えられる。
ファフナー(蒼穹のファフナーシリーズ)
人類の文明を破壊しつくした宇宙生物フェストゥムに対抗するための兵器として開発された。
こちらは上で挙げた「既存兵器の無力化」「操縦システムの都合」「宇宙人の技術」「巨人の複製・模倣」といったパターンを複合させている。
まず本作世界の既存兵器については、本編開始の半世紀以上前にフェストゥムに悉く無力化されてしまった。理由はフェストゥムの持つ「読心能力」にある。
いくら優れた兵器や軍隊を保有していても、フェストゥムの持つ読心能力によってその軍隊を運用するための戦略が筒抜けになってしまえばもはや意味はなく、敵の思うがままに蹂躙されてしまうのだ。実際、ファフナーの世界ではフェストゥムの読心能力によってほとんどの軍隊や国家が滅亡している。
その対策として「読心能力を防いで戦える」兵器が求められ開発されたのがファフナーである。
主人公らが搭乗するノートゥングモデルを始めとした機体は、パイロットがシナジェティック・コードと呼ばれる脳の理想的な状態を形成し、操縦が行われる。
このシナジェティック・コードによってフェストゥムの読心能力に対する障壁が形成されて、フェストゥムはパイロットの意志を読みとれなくなってしまうのだ。
しかしこのシナジェティック・コードを効果的に形成するには「ファフナーを操縦する」のではなく「ファフナーと一体化して自らがファフナーとして振舞う」必要がある。
人間が一体化するのに人型を外れていては効率よく一体化できないので、ファフナーは人型ロボットの形をしている(ただしどのモデルも人体の構造とは大分離れている)、という訳である。
そしてノートゥングモデルやその原型となった機体群はいずれもフェストゥムの核(厳密には異なるが)を使用しており、パイロットにもフェストゥムの因子が注入されている。
機体サイズも最初は超大型だったが段階的に主力フェストゥムの大きさに合わせて(或いは、人類という存在を学習してフェストゥムが小さくなっていく)ダウンサイジングが進んでいく。つまり宇宙人の技術で、宇宙人を模倣して作ったという側面もあるのだ。
ちなみに本作世界においては半世紀以上に渡って人類存亡をかけてフェストゥムと争っているので、既存兵器も全てファフナーの存在ありきで成り立っている(全ての兵器を置き換えないのは、ファフナーを扱えるパイロット、及びフェストゥムコアを持つファフナーの絶対数が少なすぎるため)。
その為、作中の通常兵器はフェストゥムには明確な対抗手段とならず(作品が進むと弱いフェストゥムぐらいなら倒せるようにはなってきている)、それに対応できるファフナーの方が作中世界においては根本的に強いという描写で一貫している。
また、作中ではフェストゥムコアを使用しておらず、シナジェティック・コードを疑似的に作って誰でも乗れるファフナーも存在しているが、これは原型が前述のファフナーな上に性能が明確に劣る、急場しのぎの機体群である。
エリアル(ARIEL)
笹本祐一作の小説。
「一機で新型戦車と新型支援戦闘機両方を担う」という大義名分の元、天才科学者が夢とロマン(と国の予算)を費やして製造した女性型巨大ロボット。
流石に巨体による自重問題とコクピットのシェイク問題はぼやかしているもののそれ以外は意外に堅実で、
- 女子高生でもすぐに乗れるようになる(但し個人差あり)精巧な操縦システムとそれを支えるスーパーコンピュータ
- 用途に応じて多彩な武器を取り換え振るう器用さ(指からレーザー内蔵)
- 基地からロケットカタパルトで飛んでもある程度大丈夫な頑丈さ
を併せ持ち、戦車の代用として作られただけあってパイロット・砲撃手・行動指示担当の艦長の3人で運用可能な高性能さを誇っている。砲撃手がいないと白兵武器しか使えなくなるが。
また朝日ノベルス版掲載の前日譚では開発秘話が描かれており、有人操作型にした理由や操縦プログラム開発までの苦労等、巨大人型ロボットを成立させるまでのプロセスが補完された。
…但しやはり製造時の莫大なコストはどうしようもなく、本編開始時は宇宙人の地球侵略という非常事態が無ければ廃棄一歩手前まで追い詰められており、劇中でも有用性アピールの為に「試作機を仮想敵に仕立てて現行機で迎撃」なんて事もしている。
なお肝心の対宇宙人戦では、敵の機動兵器に対してさえ火砲もミサイルも大して効かず、荷電粒子砲を浴びせても熱暴走だけを懸念される体たらく。有効そうなのは自基地の建物群を壊滅させる威力の核動力レーザー*38か、敵残骸から削り出した刀程度。ちなみに対宇宙船だと、ギガトン級水爆4発*39を内部各所で爆発させても退却に追い込むのがやっと*40…と、エリアル開発者自身が真っ先に匙を投げる程宇宙側の技術が凄すぎた。
後継機も1台作ったものの焼石に水で、「在来兵器に対してはかなりのアドバンテージを誇るが、宇宙兵器相手には勝てない」微妙な立ち位置となり、終盤はもっぱら移動手段及び索敵用として使われた。
地球が即座に制圧されなかった理由? ひとえに相手側の都合です。
巨大拳士(獣拳戦隊ゲキレンジャー)
正義の獣拳、激獣拳ビーストアーツを用いて戦うゲキレンジャーが操る巨大ロボ*41の総称。
元々ビーストアーツには激気を用いて自身の巨大な分身を生成する「倍倍分身拳」というゲキワザがあり、敵であるリンリンシーもこれに相当するリンギ「邪身豪天変」で戦隊シリーズ恒例の巨大化を行う。
しかし、まだ未熟であり倍倍分身拳を習得できなかったゲキレンジャーは初陣で巨大リンリンシーに対応することが出来ず、拳聖マスター・シャーフーの助けを借りてどうにか命拾いすることとなった。
そして、リベンジマッチにおいてそんな彼らが倍倍分身拳の代わりに編み出したのが、ゲキワザ「来来獣」で召喚される自身のゲキビーストと同化し、それらを三位一体の巨大拳士ゲキトージャに合体させるゲキワザ「獣拳合体」であった。
言ってみるなら間に合わせの巨大化であるが、その後も彼らは拳聖達から授けられたゲキビーストを獣拳合体に組み込むことで倍倍分身拳なしでも強くなっていき、究極の激気「過激気」による新たな巨大拳士ゲキファイヤーへの獣拳合体や、更には敵である臨獣拳士との「呉越同舟獣拳合体」すら成し遂げ、獣拳の歴史に新たな伝説を刻みつけるのだった。
「鍛え上げた己の肉体を武器に戦う拳法がテーマの戦隊で、なぜ巨大ロボットを操縦して戦うのか」という疑問に、「単独での巨大化が出来ないのであれば、仲間と補い合い、3人で1人の巨大拳士となって戦えばいい」という回答を打ち出した戦隊ロボである。
余談
人型兵器のノウハウや支える技術こそあるもののほぼ現代、ないし遥か先ではないちょっとした近未来を舞台とした作品だと、
人型兵器は前線で無双するような存在ではなく、戦車やヘリと連携して戦う「中間」的な存在として描かれ、
「大量に生産されるほどではないしコストも掛かるが、追加武装や付加機能等で新しい戦術や戦略を生み出す存在」
「在来兵器と比べてどちらが強いかは状況・地形による(場合によっては戦車やヘリの方が強い)」
「単純な強さでは在来兵器に劣るが、在来兵器では出来ない任務を行うので運用上大きな問題にはならない」
といった「ミリタリー的に存在する意義」を捻り出している事もある。ファンタジー系だが川上稔作品が好例か。
なお、散々説明したがメタ的な事情としては、人型は玩具やプラモデルで遊べる事を重視している部分もある。
可動部が多く、付属品が多いほうが様々な楽しみ方ができるのだ。
変形や合体の機構まで付いていればなおのこと遊び甲斐がある。
追記・修正は巨大人型ロボットが戦場で活躍してからお願いします。
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*2 どうでもいいが隣に建ってたドコモのビルの方が2倍は大きい、巨大なスーパーロボットだとアレが動く感じになる
*3 「人型なのにタンク?」と思われるかもしれないが、元ネタはハリー・フーディーニ主演の1918年のアメリカ映画人間タンク(原題:The Master Mystery)と思われる。巨大でも兵器でもないため厳密には本項目の対象外ではあるが、ロボット(の初出である『R.U.R(1920年)』より古い作品なので、作中ではオートマトン)と称していたが実は中に人が入っていたという作品。
*4 ウルトラマンの密度は人間より高いので更に強度が必要になるが
*5 自分の体重を上方向に持ち上げる筋力があるならば、それを前に進むか温存する方が「走る効率」でいえば良いためランナーは上下動が少ないフォームで走るがそれでも6cmくらいは動く。
*6 たとえシートベルトをしていてもGですさまじいダメージを受けるとされる
*7 但し実用に耐えられるレベルの質のロボなら常に動き回っているだろう事から、関節を狙い撃ちにするということ自体が高難度ではないかという反論もあるし、敵の歩兵等も容易に近づけないだろうとも言われる。誰だって踏み潰されたくはないだろう。また機種によっては対人用の装備を備えている事もままある。
*8 但し近年、軍事費削減や人材確保の事情といった要求があり、また自動制御などの発達や操作の簡素化などの技術の発達がその要求にに応える形で戦闘行為に必要な搭乗員は減少傾向にある
*9 但しこちらも現実に即しているといえど、科学ADVシリーズという独特の世界観もあってこそではある。
*10 戦闘の衝撃に耐えられるスーツやバイク運転が操縦の下積みだったりというのはある。
*11 劇中では機械型の異星人という扱いである
*12 現実でも医療分野で脳波デバイス研究が進められており「ガンダムより先にサイコミュ兵器が出来そう」等と冗談交じりで言われている
*13 例えばガンダムシリーズでは、アムロやキラ等のコンピュータいじりを得意とする人物が自作した挙動データを愛機に打ち込んだり、ウラキのように不適切な挙動データを入れたせいでピンチに陥ったりといったシーンが出てくる
*14 ご丁寧にも、アニメ版主題歌では「良いも悪いもリモコン次第」「敵に渡すな大事なリモコン」と歌詞に盛り込まれている
*15 有人機ゆえの耐衝撃性の低さを突いてくる敵が出てきたことから、耐G能力向上のためにパイロットスーツの改良が幾度となく行われており、「人の英知の力で進化するマシン」というマジンガーZの特徴描写の一つとして機能している
*16 同作の巨大ロボット・パワーローダーは「関節・センサ類を狙われると脆い」「すばしっこく動き回るため砲撃を命中させることが難しい」という2点から「対戦車用の徹甲弾では当てることすら困難だが、古典的な榴弾と近接信管を組み合わせた榴散弾で破片の噴流を浴びせると倒せる」と設定され、ゲーム中では「作戦立案時に敵兵力情報を参照し、持っていく砲弾の種類・数量を考える必要がある」という悩みどころとしてプレイヤーに面白みを提供している
*17 以下の理由付けは主に放送後に発行されたSF考証本が由来であるが、富野監督の構想では、「宇宙という不安な環境に置かれたジオン公国軍が乗り物型ではなく人型にシンパシーを感じ安心感を持った」という理由付けを考えていたという。
*18 更にヒト以外の生物だと、チーターが走行中の姿勢制御のために尻尾を振り回している
*19 「ガンダム・センチネル」のFF-08WR ワイバーン等
*20 ガンダムでさえ苦戦・破壊されかけた
*21 SFC時代のゲームの攻略本のコラムにまで書かれている
*22 更にガンダムの後番組のアニメであるトライダーG7も零細企業がスーパーロボットを抱えてるために序盤は装甲がデチューンされてたりミサイルを使うなとか言われたりして、ある意味リアルロボットとか言われていた
*23 デザイン段階の、半ば非公式なものながら「腕に副腕を設けて銃器を安定させる機構を持たせようとした所、パイロットが「副腕」を制御できなかったため廃止された」という設定もある
*24 作中でもとある変態玉がその存在意義を脅かしている
*25 この人工筋肉は原子力エネルギーを直接運動エネルギーに変換しているというとんでもないシロモノで、車両には流用できない
*26 例外として命中部位判定で1ゾロを出されると向きに応じた胴に中枢ダメージと致命的命中判定が発生する
*27 ロボットで言うフレーム部分、戦車で言うシャーシ部分の耐久値
*28 数値上でも同重量のメックの半分から三分の一程度で、メックが片腕・片足が捥げて脇腹が抉れても何とかなるのに対し、戦車や戦闘機はパーツ数が少ない為どこかのパーツが吹き飛ぶとそのままエンジンへの被弾やバランスを崩しての地上への激突に繋がる
*29 むしろゲーム上は下半身を水中に浸すと火力の面や機体冷却のメリットがあるので積極的に水場に入ろうとする事が多い
*30 素人では走る事さえままならないとされる程で、熟練パイロットはとても貴重。但し、もとが作業用重機から発展している関係上パイロットの素養と修練次第ではかなり細かい作業もこなせる器用さも持つ。
*31 普通は格闘よりも砲撃の方が当てやすいのでは?と思うだろうが、正確に言うなら格闘は基本的に隣接しなければ使用できず、その距離なら取り回しの悪い大型武器以外なら大抵当たる。その選択肢の中に格闘が加わるだけである。その上、格闘は移動に必要な「操縦技能」を命中判定に用いるため、ちゃんと走れるレベルのパイロットが格闘を外すことはまずない。
*32 乗り手の事を「嫌った」場合は起動が困難もしくは不可能になる事すらある
*33 なお一度仮面を取り付けた機体には、別の仮面を取り付けても相性問題でまず起動しない(同一仮面の付け外しは可)。一方で、機体を失った仮面に対して別機体を新造して与える事は可能。
*34 アーセナルを稼働できるのもアウターのフェムト能力の一環だが、それ以外にも超能力にしか見えないことができる能力者も少数いる。
*35 人類銀河同盟は長きに渡る闘いで疲弊しており、第1話の時点で総人口は約4億人と説明されつつも情報が長らく更新されていない事から実際には更に減っているとされる。熟練パイロットの消耗が状況を悪化させる事は太平洋戦争の旧日本軍を見ても分かる通りであり、有人機より高性能な無人機を量産できるならそれに越したことはないはずなのだが……
*36 作中人物にも「脚を付けると車高が上がって前面投影面積が大きくなり重心も不安定になる」「悪路に強いのがメリットらしいがそれがそもそもよくわからない。無限軌道で十分だろう」と、スタッフの自虐めいたダメ出しを喰らっていた
*37 本作では、本来の持ち主であるペダン星人から奪い取った模様
*38 原爆をチャンバー内で爆発させ瞬間的な大電力を得ている
*39 作中では「人類が打ち上げ可能な最大級の爆弾」とされ、スペースシャトル等で世界各地から打ち上げたものをエリアルで回収・運搬した
*40 しかも退却理由は「スタンドに寄って放射能を洗浄」する為
*41 ゲキチョッパーが操るサイダイン/サイダイオーだけは少々システムが異なるため、巨大拳士にはカウントされない
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