登録日:2020/06/26 Fri 05:09:11
更新日:2024/05/20 Mon 11:07:10NEW!
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ウルトラマン ウルトラセブン ウルトラマンレオ ウルトラ怪獣 怪獣ボール 円谷プロ ウルトラシリーズ カプセル怪獣 特撮 怪獣 ロボット メカ モロボシ・ダン ドラム缶 寝ぼけ眼 ウルトラ怪獣擬人化計画 隠れた強キャラ ゆるキャラ ウルトラマンz ストレイジ ロケットパンチ 特空機 福原かつみ 不遇→優遇 大出世 主人公機 セブンガーファイト 真の主人公 まさかの再登場 元不遇 みんな大好き セブンガー アシュラン ウルトラ兄弟永遠の誓い 富岡二郎 特空機1号 鋼芯鉄拳弾 戦え!セブンガー 梶川賢司 \マーカーセーテー!/
(・)皿皿(・)
セブンガーとは、ウルトラシリーズに登場する怪獣(巨大人型ロボット)の一体。
▽目次
【プロフィール】
別名:怪獣ボール
身長:ミクロ~58m
体重:0~3万3千t
出身地:M78星雲・光の国
【概要】
初登場は『ウルトラマンレオ』第34話「ウルトラ兄弟永遠の誓い」。
ウルトラアイが損壊し、変身して戦えなくなったモロボシ・ダンことウルトラセブンのために光の国から贈られたロボット怪獣。
普段はラグビーボールのような楕円形の小さなボール「怪獣ボール」(書籍『ウルトラ怪獣全百科』では「ボール怪獣」という表記も)に収められているが、
必要に応じて投擲されると爆発と共に中から出現・巨大化し、対象の怪獣に向かって戦闘を開始する。
その名からも分かる通り、セブンガーを使用出来るのはセブンのみで、言わばウインダム・ミクラス・アギラ達カプセル怪獣の後輩分に当たる。
【特徴】
武器らしい武器は持たず、戦法はもっぱら殴る・叩くの肉弾戦オンリー。
ロボット怪獣特有の堅牢な装甲を持つが、外見はドラム缶のような寸動体型で、カエルのような顔つきに、セブンの目元を模したのであろう黄色いパッチリお目目がチャームポイント。
スタイルは全体的にずんぐりむっくりであり、愛嬌が強すぎてお世辞にもカッコ良いデザインとは言えず、あまり強そうにも見えない。
また、ガメロットと同様に設定では鋼鉄ボディなのだが、撮影用スーツの素材の都合で*1初登場の時点で既に着ぐるみがヨレヨレのしわくちゃであり、見た目の情けなさに拍車が掛かっている。
更にカプセル怪獣の諸先輩方の戦績が良くなかったイメージもあって、初見の人はまず「すぐに負けそう」と思うだろう。
……が、驚くことなかれ、このセブンガーは見かけによらずポテンシャルが高く、実は滅茶苦茶強い。
劇中では(片手に握っていた怪獣ボールを守っていたために全力を出し切れなかった)ウルトラマンジャックが苦戦し、ウルトラマンレオとジャックが2人掛かりで戦ってやっとだったアシュランの攻撃や光線技をことごとく跳ね返し、意外なほどの俊敏な動きと圧倒的パワーで一方的にボッコボコにした。
正に「人は見かけによらぬもの」である。……ロボットだけど。
しかしながら弱点として活動の制限時間は1分間だけ。時間が来るとピタッと立ち止まり、爆発と共に強制的に怪獣ボールに戻ってしまう。
しかも、一度戦うと50時間(2日と2時間)のインターバルが必要という致命的な燃費の悪さを誇る。
同じく変身後にインターバルが必要となるウルトラマンジードですら活動時間3分・インターバル20時間である事を考えると、いかに燃費が悪いか分かるだろう。
何故こうなってしまったかについて理由は明かされておらず、これに関して書籍『心にウルトラマンレオ』では「その強力さを理由に、敵に奪われて悪用されないようインターバルを設けたのでは」と推測する記述があるが、あくまでも同書籍独自の見解である事に注意。
【活躍】
ジャックの手により、怪獣ボールの状態で光の国から地球に移送されていたが、それを狙ったアシュランの襲撃を受け、ジャックは深手を負ってしまう。
ジャック=郷秀樹は命からがら地球にたどり着くも、海岸に怪獣ボールを落としたまま意識を失い、スポーツセンターに搬送されてしまう。
にしてもジャックの[[昭和期での客演>ウルトラ戦士の客演(昭和ウルトラシリーズ)]]は[[磔>エースキラー]]や[[ブロンズ像>ヒッポリト星人]]は言わずもがな、単独客演も[[アンチラ星人>ザイゴン/アンチラ星人(ウルトラ怪獣)]]の[[偽物>にせウルトラマン(ウルトラシリーズ)]]、[[手袋とブーツが赤い>一文字隼人/仮面ライダー2号]]上に作戦とはいえ[[ドロボン>ドロボン]]に[[カラータイマー>カラータイマー]]を奪われたのに続いて、
今回はナレーターに[[ウルトラ兄弟5番目の戦士>ウルトラマンエース]]と間違えられた上に腕に着けている[[ブレスレット>ウルトラブレスレット]]が[[タロウ>ウルトラマンタロウ]]のものとなっていて、
郷は[[前作>ウルトラマンタロウ(作品)]]で[[ハヤタ>ハヤタ・シン]]が着ていた[[初代>ウルトラマン]]のサインが刻まれた服を着ていたりと、[[隊長>ゾフィー]]に勝るとも劣らないレベルで不遇である。
紆余曲折を経て怪獣ボールを玩具と思って遊んでいた子供達からかつて目の当たりにした残虐な事件のごとく投石を受けつつも奪還すると、何とかダンの元へ届けられる。
起動したセブンガーはその機動力の高さを存分に発揮し、アシュランを圧倒する。
空手チョップで打ちのめしては取っ組み合って投げ飛ばし、馬乗り状態にされても怯まずドラム缶体型を活かしてゴロゴロ転がりながら追い討ちをかけて、アシュランをグロッキー状態にまで追い込んだ。
しかし、あと一歩というところで制限時間に達してしまい怪獣ボールに戻ってしまった……。
惜しい!あと10秒、時間があればアシュランをやっつける事が出来たのにねぇ……
その後、50時間のインターバルに入ってしまい、アシュランとの最終決戦にセブンガーが出撃する事はなかった。
セブンガーの出番終了。
劇中における出番らしい出番も登場から退場までたった1分11秒ちょっとであった。
更にもっと言うと弱点が痛すぎるからか、その後セブンガーが使用される事も、ましてやその後のエピソードで「よし、セブンガーを使おう!」といった展開もなく、
タイショーとの遭遇、アトランタ星人戦、スペクター&マザラス星人戦、今回客演したジャックが一切弁明しなかったババルウ星人戦を経て、すぐに「恐怖の円盤生物シリーズ」へと物語が突入し、
そして肝心の使用者であるダンが行方不明になってしまうため、セブンガーの出番は本エピソードでの1分11秒が最初で最後になってしまった。
【その後のウルトラシリーズにおけるセブンガー】
ぶっちゃけ不遇。上述の出番の短さもあり、知る人ぞ知るマイナー怪獣の部類*2。
映像作品ではカプセル怪獣の諸先輩方が『平成ウルトラセブン』『ウルトラマンメビウス』『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』などで再登場して活躍する中、
セブンガーは全くと言ってお呼びが掛からず、半ば存在を忘れられた扱いを受けている。
その他映像作品以外の媒体でも登場・活躍しているかというと別にそうでもなく、指で数える事が出来る程度。メイン怪獣であるアシュランどころか、郷がアシュランに付けられた鉄のマスクのほうが先に後の作品でオマージュという形で再登場した。
- 内山まもる版『ウルトラマンレオ』
漫画版では微妙に擬人化されており、「ケケケ」「キキキ」と変な声で笑う。
ババルウ星人戦でも登場し、ババルウ星の本拠地に向けて出撃・奮戦するも、レオ達が駆けつけた頃には破壊されてしまっていた。
セブンガー「みなさんぼくの事なんて忘れてるんですね」
セブン「わ、忘れるもんかセブンダー」
新装版のおまけ漫画に登場。セブンとウルトラマンゼロとカプセル怪獣の家族パーティーに呼ばれなかった上に、名前まで間違えられた。
挙句、セブン達から「影が薄いのはジャックの成分が移ったからだ」とまで言われてしまう……。
KADOKAWA版に登場。デザイナーは富岡二郎氏。
ピンクのグラデージョンがかかった青紫色のツインテールの少女が堅牢な装甲を纏った姿となっている。
よく見ると髪留めが怪獣ボールと同じデザインになっているなど、小ネタも豊富。
原作設定に準じて活動時間は1分間で、活動後は50時間の休眠が必要という健康面が心配になる生活サイクル。
案の定アニメ版『怪獣娘』には未登場。他のカプセル怪獣3人組が主役級の扱いだっただけに残念。
漫画版『ウルトラ怪獣擬人化計画 ギャラクシー☆デイズ』ではカプセル怪獣3人娘の後輩というそこそこ美味しい扱いで登場するものの、1分間しか活動できないのでやっぱりすぐに出番終了。
物語終盤に怪獣娘達を襲ってきた敵との戦いでは3人娘と共に果敢に立ち向かったが、次のページで怪獣ボールに戻ってしまっているという有様だった。
悪名高き迷RPGでは超万能アイテムであるカプセル怪獣の最上位アイテムとして怪獣ボールが登場。
使用するとセブンガーが登場し、あのミクラスを上回る性能でゲーム終盤まで大暴れする。
……ただし没データ。ゲーム中では入手不可能。ここでもやっぱり不遇。
結局、公式からの愛さえ知らずに育った怪獣・セブンガーが平成の世に輝かしい活躍をする機会が訪れる事は最後まで無かった。
令和の世が訪れるまでは……。
【『ウルトラマンZ』版】
画像出典:『ウルトラマンZ』(2020年6月20日~) 第1話「ご唱和ください、我の名を!」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京
別名:特空機1号(対怪獣特殊空挺機甲1号機)
身長:55m
体重:3万8千t
タイプ:パワー型
装甲材質:超硬質合金S型
動力:クリーンインフィニティバッテリー
出力:345000kw
出身地:地球
パイロット:ナツカワ ハルキ、ナカシマ ヨウコ、イナバ コジロー
CV:福原かつみ(AI担当)
2020年放送の令和ウルトラマン2作目『ウルトラマンZ』において、まさかの復活!
本作では防衛チームである「対怪獣特殊空挺機甲隊・ストレイジ」によって作られた、特空機1号という戦闘ロボという形で登場。
戦闘に限らず、瓦礫の撤去作業などでも手広く運用される。
ストレイジのエンブレムにもその顔が描かれている事から、1号機という設定も相俟ってストレイジを象徴している存在と見られる。
同作の防衛軍は世界規模の組織であるが、ロボットという形の戦力を配備しているのは日本地区だけ。
厳密には『レオ』本編に登場したものとは別個体であり、遠隔操作による自律稼働だった本家に対し、こちらはコックピットから隊員が操縦するタイプで、バッテリーのスペアを常備しているため、活動時間も3分間とパワーアップしている。
戦闘時ではない通常モードならもう少し長時間稼働可能らしい。
また、激しい戦闘活動以外のミッションに従事する時は長期活動用の給電ケーブルを用いている。
……しかしそのケーブル捌きは非常にシビアで、セブンガーが移動しながらの作業に入るとそれに合わせて陰では数十人単位の裏方スタッフが総動員でケーブルが切れないようにアシストしており、現場は怒号飛び交う前線に勝るとも劣らぬ修羅場と化す。
機体の追従性能はあまり高くはなく、ビルの谷間をちょこちょこと逃げ回る自機の半分程度のサイズのゴメスをなかなか捕まえられず、高層ビルに倒れ込んであろうことか怪獣以上の被害を出してしまう*3など、
『怪獣災害に対応するためには不可欠だが、使い勝手が良い道具でもない』というどうにも悩ましい存在となっている。
飛行戦闘という程の機動こそ取れないが、ミッション地区への移動は燃料を用いての背部からのロケット噴射で空中を移動し、降下時は避難アナウンスが流れる仕様。
これに加えて1分ごとに背中のバックパックから電池ボックスが排出されるため、周囲に人がいないか考慮しながら動かなければならないのも難点。
ボディはかなり頑丈だが、電装系の防備は脆弱であり、第2話でネロンガの電撃を受けた時は一撃でダメージ率が40%に達し、次同じ攻撃をもらえば終わりというピンチに追い込まれている。
しかし、それでも特空機として配備・運用されるだけはあり、本編開始前にヨウコが搭乗した分だけでも
……といった面々を撃破、ないし捕獲していた事が判明している。
また、児童誌では実戦配備された当時日米防衛軍が全く歯が立たなかったナメゴンを撃破した事が判明した(この世界における初の30m級怪獣撃破である)。
ちなみにこの記事は劇中にも小道具がサラッと登場しているため(闇の風呂上がりのシーン)、本編でも反映されている設定である。
ちなみに表情が変わったり、瓦礫の撤去作業を行うシーンがシュールだったり、戦闘時に「マーカーセーテー!」と聞こえるような独特の駆動音が発せられたりと、無生物ながら愛嬌のある場面が多く描かれており、一部からは『Z』屈指のゆるキャラかつ萌えキャラとしても愛されている。
特に表情は戦闘に必要ない機能のくせによくコロコロ変わり、戦闘モード移行時にはキリっとした目つきになったり、ダウンした場合には何故かバッテン目になったりと非常に感情豊か。
画像出典:『ウルトラマンZ』(2020年6月20日~)
第1話「ご唱和ください、我の名を!」 第4話「二号ロボ起動計画」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京
戦闘能力
難点や欠点こそ明確であるが、原典同様というべきか上記の数多い欠点を補って余りあるパワーこそがセブンガー最大の持ち味。
得意とする「単純な力と力によるぶつかり合い」という土俵に持ち込めば、50m級の怪獣相手にも全く引けを取らないばかりか、ウルトラマンゼットと対等に共闘出来、50m級怪獣をも圧倒しうる程の力を発揮できる生粋のパワーファイターである。
第2話では口部分に射撃用の兵装を搭載し、そこから攻撃しているなど拡張性もそれなりに高い。
しかし3分という極端に短い活動時間故、じっくり作戦を考えたり熟慮しながら操縦することはかなり苦手。
そういう意味では操縦者のアドリブセンスがかなり試されるマシンになっており、そこを鑑みれば直感センスの優れているハルキやヨウコにはピッタリの性能といえよう。
どうしても初期型故に後のウインダム・キングジョー ストレイジカスタムと比べるとスペックでは見劣りしてしまうが、扱いやすさや汎用性という点は特空機随一。
武装
- 電解放出弾
第2話で搭載された対ネロンガ用装備。
ネロンガが体内に蓄積した電気を体外に放出させられるが、時間の都合上1発しか撃てなかった。
- 硬芯鉄拳弾
画像出典:『ウルトラマンZ』(2020年6月20日~) 第3話「生中継!怪獣輸送大作戦」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京
第3話で搭載された、整備班の尽力でハルキがかねてから申請していた新兵器。
いわゆる一種のロケットパンチだが、推進力が尋常ではなく、命中したギガス(体重1万5千t)をその状態のまま押しまくり撃破するほど。
開発者の「バコさん」ことイナバ コジローも「凄い威力だから気をつけろ」と釘を刺す程の必殺武器。
実用性をしっかり提示した結果か、その後もセブンガーの正式な武装として実装されている。誰が呼んだかセブンガーZ
ハルキはこの装備を有効活用しており、第4話では至近距離からテレスドンに向けて発射してアッパーを食らわせ、
続く第5話ではハルキ自身が機外に出ている間に自動発射を行い、怪獣を攻撃しつつ安全を確保している。
なお、後の『セブンガーファイト』に登場した後継機・宇宙セブンガーには未搭載。
- ウルトラ・カブキアタック
第3話で披露。武装というよりも戦闘用のマニューバに近い攻撃。
あえて機体の重心を崩す事で対象に全重量を預けて圧し掛かり、地面に叩きつけるという荒業。
技名は位置調整の為に片手を前に突き出し片脚でけんけんをするような独特のカブキめいた動作を見た地球防衛軍事務次長が感動して命名したもの。実は完全なアクシデントがたまたま有利に働いたのを見る側が良く受け取ってくれた偶然の産物である。
- セブンガー波乗りスペシャルクラッシュ
画像出典:『ウルトラマンZ』(2020年6月20日~) 第22話「それぞれの明日」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京
第22話で披露。
爆走するレッグキャリアーに乗って幻界魔剣ベリアロクを構え、すれ違い様に斬りつける。
戦闘中に足のバランサーに異常が出てしまった際に咄嗟に繰り出した技。誰が呼んだかエウレカセブンガー
- 特空機支援火器 40ミリ汎用機関砲
『セブンガーファイト』第3話に登場。
対エレキング戦で鳴り物入りで導入された銃火器……だが、不発に終わってしまい、エレキングに奪われてしまう。
そのくせエレキングが使用した際には普通に使えていた。なんたる理不尽。
……が、最後はまたもや不発になったところをエレキングが銃口を覗き込んだところで暴発。結果的にエレキングの掃討には成功する事となった。
- 二〇式多用途電磁警棒
『セブンガーファイト』第6話に登場。
正確にはオリジナル機体ではなく、その後継機として開発された宇宙セブンガーの装備。
見た目はシンプルな金属製の警棒で、とある惑星での戦いでこれによってエレキングとガゾートを殴り倒した。
- 20式銃剣2型
『セブンガーファイト』第8・10話に登場。
スフラン島凍結作戦に際して動員された巨大なナイフ形武器。ぶっちゃけレッドナイフ
「ライトアーム破損!」「構わん!」(最終話ネタバレ注意)
- 超硬芯回転鉄拳
超硬芯回転鉄拳、装着!!
画像出典:『ウルトラマンZ』(2020年6月20日~) 第25話「遥かに輝く戦士たち」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京
よぉし!行ぃくぞぉぉぉぉぉぉっ!!
最終話にて登場したセブンガーの新強化装備。心なしか、AI音声もいつもより気合が入り気味。
硬芯鉄拳弾発射後の拳を失った右腕にドリル型のアームを自らの手で換装して使用した。
流石に相手が悪すぎたか、劇中ではその掘削能力を存分に発揮する事はなかったものの、ロケットパンチの次はドリルアームという男のロマンをたっぷり盛り込んだその雄姿に多くの視聴者が興奮した。
そして、当然ながら搭乗しているバコさんの姿も合わせてあのロボット兵器のデジャヴを感じた人が続出した。そしてバコさん演じる橋爪淳氏もTwitterで「右腕を例のロボットの物に差し替えたセブンガーの写真」(例のロボットもチラッと後ろ姿が映っている)を投稿する始末である。もはや隠す気ゼロである。『Z』の聖地として勝手にタイアップを行なっていたビックカメラ京王調布店に至ってはバンダイのソフビシリーズでロボット人気投票を実施し、バコさんがカッコよかったから友情出演であるとして例のロボットもしっかりと投票先に加えられていた。
劇中での活躍
◆第1話「ご唱和ください、我の名を!」
冒頭、突如街中に現れたゴメスの対処に出撃したのが初登場。
ゴメスのサイズがセブンガーより一回り以上小さいということもあり、難なくパンチで無力化するが、
退避が遅れていたハルキを庇おうと咄嗟にビルの方向にゴメスを殴りつけてしまった事でビルを倒壊させてしまった。
その後、飛来したゲネガーグを追ってきたゼットと共闘し、映像では初のウルトラマンとセブンガーの共闘が実現し、ファンを喜ばせたが、
ゲネガーグに苦戦し、最後は避難所をゲネガーグの攻撃からゼット共々庇った事で機能停止してしまう(この時ハルキも死亡してしまったが、同じく窮地に陥ったゼットと一体化して復活した)。
◆第2話「戦士の心得」
ネロンガと二度にわたり交戦。
一戦目ではハルキが乗って挑むも電撃と透明化に苦戦を強いられ、最終的に機能停止しネロンガに逃亡されてしまう。
続く2戦目では電解放出弾を装備した状態でヨウコが乗り込み出撃するが、以前よりも強化された電撃を受けて大ダメージを受けて倒れてしまい、ピンチになるがゼットに救出された(この時、お姫様抱っこされた状態で救出されている)。
その後は電解放出弾をネロンガに当ててダメージを与えた上、隙を作ってゼットの勝利に貢献した。
◆第3話「生中継!怪獣輸送大作戦」
新開発の硬芯鉄拳弾でギガスを撃破。同じくらいの大きさかそれ以上の怪獣に限れば、歴代初の白星を挙げた。
ただ、事前にヘビクラ ショウタから「近くに観測所があるから巻き込んで壊さないよう気を付けろ」と注意されていたにもかかわらず、
硬芯鉄拳弾を喰らって吹っ飛んだギガスは狙いすましたような軌道で観測所に激突。
折悪くクリヤマ サブローが予算捻出の根回しに奔走した結果がようやく花開くかというタイミングでの大不祥事であり、
ストレイジは大顰蹙を買い、セブンガーを操縦していたハルキは大目玉を喰らう羽目になってしまった。
更にエピソード後半では、地球防衛軍事務次長の前で予算確保目的のデモンストレーションとしてゴモラの輸送を実施。
ゴモラが目覚めるというアクシデントにより急遽戦闘モードに切り替えたが、ここでは大きな戦果を挙げるには至らなかった。
……はずだったが、バランスを崩した時の動きを事務次長が「ウルトラ・カブキアタック」として大層気に入ったため、結果的に予算は確保出来たのだった。
◆第4話「二号ロボ起動計画」
ハルキが搭乗して出撃。
テレスドンとの格闘戦で近距離から硬芯鉄拳弾を放ち、強烈なアッパーカットを喰らわせたが、あまり効果がなかったためハルキはこれ以上の戦闘が困難と判断。
ベータスマッシュに変身してセブンガーを飛び出した。
◆第5話「ファースト・ジャグリング」
ウインダムがパイロットのヨウコごと氷漬けになった際、ウルトラゼットライザーを怪しい魔人(=ジャグラス ジャグラー)に奪われたハルキが窮余の策としてセブンガーで出撃。
ブースターを使って空中で体当たりを行いペギラを吹っ飛ばし、更にブースターの炎で氷を溶かし、硬芯鉄拳弾の自動発射でもう一度ペギラを吹っ飛ばした。
ハルキはその隙にセブンガーから脱出して、ウインダムの中からヨウコを無事に救出した。
ペギラを倒す事こそ出来なかったが、セブンガーがいなければウインダムの救出は不可能であったため、果たした役割は非常に大きい。
しかし無断出撃だった為、描写はされていないがハルキは分厚い始末書を書く羽目に……
◆第6話「帰ってきた男!」
冒頭でハルキの乗るセブンガーとヨウコの乗るウインダムで模擬戦を行っていたが、途中でラストジャッジメンター形態のギルバリスが乱入した上、ギルバリスによって機体の制御を狂わされてしまい、
硬芯鉄拳弾を誤ってストレイジ整備班らのいるテントに向けて発射してしまった。
幸いにしてテントの手前の地面に着弾したため、負傷者は出ずに済んでいる。
◆第14話「四次元狂騒曲」
5年に及ぶ戦闘のダメージで機体やパーツが老朽化し、後継機であるキングジョー ストレイジカスタム(以下キングジョーSC)が功績を挙げて晴れてストレイジの制式採用された事も含めて退役が決定。
博物館に寄贈され、今後はストレイジのPRとして使用される事となった。視聴者には「最終決戦で近代化改修されて復活するフラグ」と言われていたが
◆第22話「それぞれの明日」
視聴者の予想通り、最終章に入った第22話にて遂に復帰。
展示物になっていたが、ストレイジ解散で手が空いていたバコさんが整備していつでも出撃出来る状態になっていた為、ヨウコが搭乗して再びゼットと共に並び立った。
ベータスマッシュとのパワフルコンビでバロッサ星人(三代目)と交戦するが、ゼスティウム光線のデータを取りに来たキングジョーSCとその手助けをする為にヘビクラが変身したトライキングの乱入で戦況が混乱。
バロッサ星人相手に単独で立ち向かう事になり、途中、激しい戦闘で足のバランサーに異常が出て膝を付いてしまうものの、やる気をなくして突き刺さっていたベリアロクを挑発して手にして反撃。
更に機動力確保の為、ゼスティウム光線を喰らって合体が解除されていたキングジョーSCのレッグキャリアーに載り、コアシップからの遠隔操作で爆走。
すれ違い様にベリアロクで斬りつける「セブンガー波乗りスペシャルクラッシュ」で見事バロッサ星人の撃破に成功し、久し振りの白星を勝ち取った。
◆第25話「遥かに輝く戦士たち」
【ネタバレ注意!】
セブンガー!?
\マーカーセーテー!/
画像出典:『ウルトラマンZ』(2020年6月20日~) 第25話「遥かに輝く戦士たち」より
©円谷プロ、「ウルトラマンZ」製作委員会・テレビ東京
骨董品だってな、まだまだ役に立つんだよ。
デストルドスとの最終決戦にも登場。
なんとバコさんが搭乗*4し、硬芯鉄拳弾でウィンダムとキングジョーSCを救う形で参戦。
新兵器の超硬芯回転鉄拳を携え、ウインダムの追加バッテリーも用意して遂に特空機3体揃い踏みの決死の救出作戦が開始した。
デストルドスの怪力に弾かれながらも必死に食らいつき、ペダニウム粒子砲でデストルドスの装甲を破壊してコックピットを引きずり出すアシストをした。
最終的には行動不能に陥るものの、バコさんがいなければヨウコの所在は分からないまま特空機2体を失って、作戦は失敗した事を考えると影のMVPと言える。
なお、Blu-ray BOX収録のメイキング「ウルトラマンZ 徹底解剖大大作戦」にて田口監督が語ったところによれば、「最終回でバコさんがセブンガーに搭乗する事は脚本に関係なく決まっていた」とのこと。
◆その後
『セブンガーファイト』
第6・7話分では、新造機体「宇宙セブンガー」という形でまさかの続投。
キングジョーSCからのフィードバックで大幅に機体性能が上がった他、大容量バッテリーで稼働時間を伸ばして宇宙空間に対応している。
ただし、硬芯鉄拳弾については上述の通り、宇宙空間で使うと回収出来なくなるという理由で搭載されていない。
『ウルトラマントリガー NEW GENERATION TIGA』
第7話冒頭にこの宇宙セブンガーが超硬芯回転鉄拳を追加で装備して登場(テロップにもしっかりと正式名が記載されている)。
キングジョーSCを強奪したバロッサ星人(四代目)を追って、ゼットと共に宇宙空間で追撃戦を繰り広げていた。
ゲーム『バイタルブレスキャラクターズ』
オリジナル形態として「特空機1号セブンガー(ダブルドリルアーム)」が登場。
両腕に大型ドリルを装備し、金色に塗装されている。やっぱりこれってモゲ…
更にゲーム内での戦闘力はあのギルバリスやデストルドスと互角に設定されており、セブンガー最終形態という風格が漂う。
ゲーム『ウルトラ怪獣モンスターファーム』
初期から育成できる怪獣として登場。『Z』の特空機ベースで原作で使われていた技はほぼすべて使える。
技の構成はなんと対怪獣弾以外のダメージ技のすべてがちから技という、レッドキングやゴモラ以上の超絶脳筋仕様。
合成素材にするかフルモンを目指してでもいない限りかしこさを上げる意味はほぼ無い。
ちからと丈夫さの伸びが良く、命中や回避も平均的に伸びるとなかなかに優秀だが、原作の活動時間の短さを反映してかライフの伸びが最低。
なぜかサブにバルタン星人やメトロン等かしこさを補強する組み合わせが多く、技の脳筋っぷりとかみ合ってないことが多い。
特徴は隣接技の威力が上がる「格闘型ロボット」。公式戦で相手のセブンガー種に接近戦で痛い目を見せられた人も多いだろう。
購入特典で「セブンガー光の巨人ペイント」が手に入った。通常プレイでも難度は高いが合成で入手可能。
『ウルトラマン ニュージェネレーション スターズ(2024)』
あ~~~思いつかない……。
何にも思いつかない!
はあ~……。
簡単に言ってくれるよなあ……。
もうセブンガーに強化の余地は残ってないってのぉ!
上層部の命令でセブンガー強化案に四苦八苦するユカは、これまでの戦闘記録を振り返っていく。
このシリーズにて、「鋼芯鉄拳弾がハルキのアイデアによるもの」「超鋼芯回転鉄拳がペダニウムと人工ダイヤモンドの合金製」「現役が長い分宇宙セブンガー以前に水中戦闘装備・耐火装備も実用済み」だということが判明。
さらに、セブンガーの脚部をタンクにするかバロッサ星人(三代目)戦やエレキング戦のように武器を持たせるか様々な案を考えるが、いずれもダメだと判断。そこへ別次元からの来訪者であるマウンテンガリバーII-Vとリシュリア星人イグニスが現れて……。
【余談】
- セブンガーの誕生経緯について、当時『レオ』を視聴していたファン達(後の『怪獣倶楽部』のメンバー)からの『セブン』本編でダンが自分で戦えない時に怪獣カプセルを使っていたから、『レオ』でも同じようにカプセル怪獣を活躍させたらどうだ」という意見を受けた熊谷健プロデューサーが、一種のテコ入れとして導入した事がマイナビニュースの特集で明かされている。
だが、上記のように肝心の『レオ』本編での活躍は一度きりに終わり、『Z』で再度日の目を浴びるまで不遇の時期が続く事に……。 - なお、『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』のDVDメモリアルボックス / Blu-ray収録のオーディオコメンタリーにて、『レオ』ファンの坂本浩一監督が明かしたところによれば「カプセル怪獣3体が活躍するシーンで、セブンガーも登場させるアイデアがあった」という。
後に『Z』にてウィンダムとは共闘するが、仮にこのアイデアが実現していれば、その後のセブンガーの歴史は今とは違うものに変わっていたかもしれない。
- セブンガーの撮影用スーツについて、『レオ』ではヨレヨレのしわくちゃボディだったが、『Z』では細かいモールドが施された真っ当に金属っぽいメカメカしい造形になっている。
これはメイン監督・シリーズ構成担当の田口清隆監督曰く「昭和版のしわしわボディを現代的解釈としてディテールに置き換えた」とのこと。
他にも、両腕も平手から握り拳を作れるデザインへとリファインされている。
なお、円谷プロダクションの竹内純氏が手掛けたデザイン画はメカ的ディテールの追加のみならず昭和版スーツのシワとまったく同じ位置に傷や亀裂があるという執念すら感じる非常に凝ったものだった*5が、これを全て造形すると流石にボロボロに見えてしまうため、実際のスーツでは汚し塗装で雰囲気を出すに留められている。
- 上記の通り、第1話ではゼットの初陣のために初の黒星を喫してしまったものの、45年越しにウルトラ戦士とセブンガーが肩を並べて戦う姿が明確に描かれ、ファンを喜ばせた。
一方でセブンガーのスーツを新造したせいか、第1話オリジナル怪獣用スーツの予算がなくなってしまい、「どうせ再登場してもかませ犬になるくらいなら改造した方がいい」という判断でマガタノオロチをゲネガーグに改造した事も明かされている。
- YouTubeで配信された『ウルトラマンゼット&ゼロ ボイスドラマ』の第4回にて、ゼロがセブンガー(『レオ』版)を紹介したのだが、ここでなんと「レオが怪獣ボールを使って呼び出す」というミスをやらかしてしまった。
当初は脚本家のミスかと思われていたが、後の第22回においてゼロが間違えて覚えていたという事にされ、このせいでゼットが宇宙警備隊の入隊試験を1問間違えるというオチがついた。
なお、ウルトラ族から見てもセブンガーのビジュアルはゆるキャラっぽく見えているらしく、それぞれゼットから「なーんかヘンな顔ッスねー」、ゼロからも「見た目はともかく、結構高い戦闘力を持ってるんだぜ」と評されている。
- そのゆるキャラのような外見と健気な戦いぶりは人気を集め、『Z』有数の人気キャラクターとなった。
バンダイ側はこの人気は想定外のものだったようで、ほぼ唯一のセブンガーのグッズであったソフビ人形は爆発的な勢いで売れ、「店頭で見る事が出来ない」との声がネット上に溢れた程。
この人気を受けてセブンガーの立体商品が次々と企画され、劇中サウンド・目の発光ギミック・ロケットパンチを搭載した光る!鳴る!DXセブンガーを皮切りに、ミニプラセブンガー、超動セブンガー、S.H.Figuarts セブンガーなどが続々と発売。
更にはセブンガーのシルバーアクセサリーが発売されたり、前日談としてゼットが地球に来る前のストレイジを描いた漫画『戦え!セブンガー』やショートドラマ『セブンガーファイト』が制作されるなど、それまでの不遇ぶりが嘘のような扱いを受ける事となった。
- 2022年の全ウルトラマン大投票では、ウルトラホーク1号やガッツウイング1号といった人気メカ、当時の現行作であったナースデッセイ号、ガッツファルコンといった並み居る強豪を破り、見事ウルトラメカ部門第1位を獲得した。
ちなみに怪獣部門ではジャグラス ジャグラーが2位、ウルトラマン部門ではゼットが3位の座に就いた。
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*2 ただし、仮にも味方怪獣という事で、怪獣図鑑などではカプセル怪獣達と共に通常の怪獣とは別枠で紹介される事もあるため、1話限りの登場怪獣としてはまだ知られている部類ではあった。
*3 当然、この不祥事でストレイジは大目玉を食らう羽目になったが、ヘビクラ ショウタが平謝りして事なきを得ている。予算の緊縮の一因がセブンガーの操縦ミスによる余計な物の破壊……らしい。
*4 この時被っていたヘルメットに「TEST7」と書かれていた事から、バコさんに「セブンガーのテストパイロット」という可能性が浮上した。
*5 ちなみに竹内氏はデザインを担当するまでオリジナルのセブンガーを全く知らなかったとのこと。
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