登録日:2015/01/08 (木) 19:57:27
更新日:2023/12/21 Thu 14:00:28NEW!
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プロ野球 戦力外通告 npb テスト 賛否両論 自由契約 トライアウト 12球団合同トライアウト 独立リーグ ラストチャンス
0.000何%か知らないですけど、諦めなければ可能性は消えない。
だから、絶対に諦めません!
【概要】
12球団合同トライアウトとは、2001年からプロ野球球団全12球団が合同で行う、自由契約選手を対象としたテスト。
毎年多くの戦力外通告を受けた選手たちがここでプロ野球への再挑戦への希望を託すのである。
近年は戦力外選手が番組で特集されるなどの機会も増えたため、開催し始めた当初より注目度が上がっている。
【第一回開催までの経緯】
NPBでは、球団が保有する選手との契約を次年度も希望する場合、11月末日までに日本野球機構に契約保留選手として提出する。
この名簿は大体12月の初頭に公示されるという流れが行われる。
逆に言えばここで引退希望選手以外に翌シーズンの契約を結ばない選手がいるわけだ。
残念ながら12月頃の公示から外された選手は、戦力外通告をされた自由契約選手となる訳である。
自由契約となった選手は、他の球団の入団テストを受けに行くだろう。
或いは、野球人生に幕を閉じて第二の人生を歩むかもしれない。
だがよく考えてみてほしい。
12月は来シーズンへの準備があるため、各球団の戦力編成など終了している。
しかし戦力外の選手を12月まで残しておくわけにはいかない。
何故なら、自由移籍や再入団などの選手契約の弊害となってしまう。
そこで各球団はシーズン終了後に先に戦力外通告を行う事がほとんどであった。
ここで問題が発生する。
この場合、戦力外を通知するタイミングは球団側に任しっきりの状態だった。
だが、日本シリーズに出場した球団などは、当然戦力外通告が遅れることが多かった。
そういった遅れの出た球団の戦力外通告を受けた選手は、色々と遅れが生じるわけである。
例えば、他球団の入団テストを受けようとしても、他球団はほぼ戦力編成を完了してしまったので意味が無い。
ここにおいて、球団の動きの違いによって戦力外通知を受けた選手の間で『不平等』という問題が起きるようになった。
そこで2001年に日本プロ野球選手会は戦力外選手の機会均等を求めて球団側と協議することとなる。そして
- これまで各球団毎に行っていた球団テストとは別に12球団合同のトライアウトの実施
- 入団テストなどが開催される以前に戦力外通告を行うこと
が認められた。これがトライアウトの初まりである。
【開催場所のルールとテスト方式】
開催場所
基本的に開催場所は東西1箇所ずつ2箇所でトライアウトが行われる事となっている。
ただし2006年は、以前に起きた球界再編問題の煽りを食らい例外的に仙台と千葉で開催された。
2006年のような事態は、今後起きる可能性もあるかもしれない。
2015年からは静岡での一回のみの開催体制へと変更になった。
実は静岡が近年の番組特集によるトライアウトの知名度向上に伴い、この合同トライアウトに力を注ぎこもうとしているという話も一時期出ていた。
トライアウトの際には一般人もスタンドからその様子を観戦できる。
開催球場を本拠地にしたチームから戦力外を受けた選手が参加した際には、スタンドからトライアウトとは思えないほどの歓声が上がることも。
このように一般人でも観戦が容易な一方、戦力外の選手からサインを貰おうとする一般人の行動もあって、このような行為には批判意見も多い。
勿論サインに応じてくれる参加者もいるが、自重した方が良いかもしれない。
また、日本のプロ野球球団以外の野球関係者や野球に関係ない別のプロ競技関係者も参加できる。
日本競輪学校は、競輪選手になった元プロ野球選手の松谷秀幸選手などの例もあり、トライアウトに力を入れていたこともある。
ただ当然ではあるが、多くのトライアウト参加者は他競技への転向は嫌っているんだとか。
一方で社会人野球などへの転身を考えている場合はアピールになるため、NPB復帰以外の可能性を目論んでいる参加者にとってはありがたいとも言える。
雨天などで室内練習場で行われる場合は一般人には非公開となる。
室内練習場での様子は、後日ニュース番組などでその様子を確認することとなる。
後述するが、室内練習場での開催は問題点も多く指摘されたためか、2015年からは雨の場合は翌日に順延するというルールに変更された。
ルール
打撃も投球もテストはシート打撃形式で行う。
ただし守備は配置されるので、そこでトライアウト受験者が守備を担当する。
この際の守備もテストに影響するとされている。
なお人数が足りない場合は球団スタッフが守備についたりもすることもあるが、このケースはそこまで多くない。
ルールは厳密に決められていない。
時間の都合上、カウント1-1からスタートしたり3アウト制ではなかったりするなどという事例が見られる。
試合ではないからか、塁審もつかない場合がほとんどである。
最近のルールでは、打者は投手最大7人・投手は打者3人程を相手にシート打撃を行うという形式が一般的。
走者としての能力を確認したいなどの関係者の要請があれば、打者の打撃の結果に関わらず走者を行ったりする。
室内練習場で行う場合は、このような走者や守備の機会は無い。この状態は、足の速さを自慢にする選手などにとっては残酷である。
また、室内練習場での打撃の場合、ヒットか凡打か判断しにくいという問題点もある。
参加条件
参加条件は「過去にNPBの球団に所属した経験がある」者。
一般人は参加できず、NPB未経験のアマチュアや独立リーグ所属の野球選手などは参加不可能となっている。
逆に言えば、一般人と化している状態や独立リーグや社会人の選手でもNPBの野球選手だった経験があれば参加可能。
勘違いされがちだが、基本的に年齢制限は存在しない。
単にベテラン選手は参加を避ける傾向があるというだけで、10代だろうが40代だろうが参加できる。
例えば2006年に日本ハムを引退し任意引退選手*1として公示されていた新庄剛志*2が現役復帰を目指すために2019年に自由契約選手として公示され、翌2020年のトライアウトに参加したという事例もある。
1回目のトライアウトで合格にならなかった選手は、2回目のトライアウトに参加出来る。
だが残念なことに、2回目で合格する例は滅多に見られない。
このような背景や様々な事情も重なって、近年では2回目のトライアウトは実施されていない。
2019年からはトライアウトの参加回数制限が施行され、2回までとなった。
そのため、2回目参加でNPBに復帰できなかった選手はトライアウトを経由しての復帰の可能性は消滅という事になってしまう。
この回数制限実施の詳細な理由は語られていないが、「いつまでも参加して第二の人生に進めない選手がいたからでは?」などの邪推がある。
また、実績のある選手が現役続行希望ながらもチームを戦力外となり、その後のトライアウトを受けない選手もたまにいるが、これらの選手に対し、傲慢や勘違いだと評するファンやOBもいる。
【これまでの開催場所と主な合格者】
※トライアウトに参加するも翌シーズン終了以降に他球団に移籍及びNPB復帰となった参加者は合格者としては記載していない。この例としては三家和真*3や中村勝*4が挙げられる。
2001年
開催日 | 場所 |
10月30日 | ナゴヤ球場 |
11月26日 | 読売ジャイアンツ球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
吉田好太 | 近鉄 | 横浜 | 史上初のトライアウト合格者 近鉄所属選手としては初のトライアウト合格者と同時に最後のトライアウト合格者 |
2002年
開催日 | 場所 |
11月6日 | 横須賀スタジアム |
11月26日 | 阪神甲子園球場 |
※残念ながらこの年には合格者は出なかった。
2003年
開催日 | 場所 |
11月5日 | 広島市民球場 |
11月21日 | 明治神宮野球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
宮地克彦 | 西武 | ダイエー |
2004年
開催日 | 場所 |
11月9日 | 西武ドーム |
11月24日 | 雁の巣球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
井出竜也 | 巨人 | ソフトバンク | |
宇野雅美 | 社会人・リースキン | ヤクルト | 社会人野球選手として初のトライアウト合格者 |
河本育之 | 日本ハム | 楽天 | |
酒井忠晴 | 中日 | 楽天 | トライアウトに参加後、無償トレードでの移籍として記録されている |
代田建紀 | ロッテ | ロッテ | 2003年自由契約後に1年の浪人からの復帰 |
富岡久貴 | 横浜 | 西武 | |
野村克則 | 巨人 | 楽天 | |
林孝哉 | 日本ハム | ロッテ | |
福井敬治 | 巨人 | 広島 | |
三澤興一 | 巨人 | ヤクルト | |
吉井理人 | オリックス(合併前) | オリックス(合併後) | 戦力外後、オリックスが球団合併によって球団体制及びチーム名が変更となった状態での再契約 |
2005年
開催日 | 場所 |
11月7日 | ファイターズスタジアム |
11月25日 | 神戸総合運動公園サブ球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
石橋尚至 | 広島 | 阪神 | |
岩下修一 | オリックス | 日本ハム | トライアウト後の日本ハムの入団テストに合格 |
上田佳範 | 日本ハム | 中日 | |
小倉恒 | 楽天 | 楽天 | 楽天と再契約*5 |
小島昌也 | 楽天 | オリックス | 楽天以前の所属球団がオリックス(球団合併前)だったため、事実上の復帰 |
佐久本昌広 | 阪神 | 横浜 | トライアウト後の横浜の入団テストに合格 |
芝草宇宙 | 日本ハム | ソフトバンク | |
田上秀則 | 中日 | ソフトバンク | |
鳥谷部健一 | 西武 | 中日 | トライアウト後の中日の入団テストに合格 |
仲澤忠厚 | 中日 | ソフトバンク | |
瑞季 | ソフトバンク | ロッテ |
2006年
開催日 | 場所 |
11月6日 | フルキャストスタジアム宮城 |
11月27日 | 千葉マリンスタジアム |
※上記でも述べたように、この年は東西1箇所ずつでトライアウトを行うという慣例を破っている。
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
石橋尚到 | 阪神 | 西武 | |
内田和也 | ヤクルト | 西武 | |
遠藤政隆 | 中日 | ヤクルト | |
大須賀允 | 巨人 | 広島 | トライアウト後の広島の入団テストに合格 |
川岸強 | 中日 | 楽天 | トライアウト後の楽天の入団テストに合格 |
定岡卓摩 | ソフトバンク | ロッテ | |
高波文一 | 西武 | 楽天 | トライアウト後の楽天の入団テストに合格 |
高橋光信 | 中日 | 阪神 | トライアウト後の阪神の入団テストに合格 |
坪井智哉 | 日本ハム | 日本ハム | 日本ハムと再契約 |
三澤興一 | ヤクルト | 中日 | トライアウト後の中日の入団テストに合格 |
横山道哉 | 日本ハム | 横浜 | 以前に横浜に所属していため、復帰 |
吉田修司 | ソフトバンク | オリックス | トライアウト後のオリックスの入団テストに合格 |
吉崎勝 | 日本ハム | 楽天 | トライアウト後の楽天の入団テストに合格 |
2007年
開催日 | 場所 |
11月7日 | 読売ジャイアンツ球場 |
11月27日 | ナゴヤ球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
石川賢 | 中日 | 楽天 | |
小関竜也 | 巨人 | 横浜 | |
川口容資 | ソフトバンク | 巨人 | 育成選手契約/トライアウト後の巨人の入団テストに合格 |
木村一喜 | 広島 | 楽天 | トライアウト後の楽天の入団テストに合格 |
斉藤宜之 | 巨人 | ヤクルト | |
斉藤秀光 | ソフトバンク | 横浜 | |
谷中真二 | 楽天 | 西武 | |
田村領平 | 阪神 | ロッテ | 育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
萩原淳 | 日本ハム | ヤクルト | |
三浦貴 | 巨人 | 西武 | |
吉川元浩 | 巨人 | ソフトバンク | 育成選手契約/トライアウト後のソフトバンクの入団テストに合格 |
2008年
開催日 | 場所 |
11月11日 | 横浜ベイスターズ総合練習場 |
11月26日 | 広島市民球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
上原厚治郎 | ヤクルト | 西武 | |
大西正樹 | ソフトバンク | ソフトバンク | 育成選手契約/ソフトバンクと再契約 |
小山桂司 | 日本ハム | 中日 | |
加藤康介 | オリックス | 横浜 | |
歌藤達夫 | 日本ハム | 巨人 | トライアウト後の巨人の入団テストに合格 |
木興拓哉 | ロッテ | 阪神 | 育成選手契約/トライアウト後の阪神の入団テストに合格 |
ユウキ | オリックス | ヤクルト | 育成選手契約 |
中村泰広 | 日本ハム | 阪神 | 育成選手契約 |
森岡良介 | 中日 | ヤクルト | |
吉本亮 | ソフトバンク | ヤクルト |
2009年
開催日 | 場所 |
11月11日 | 阪神甲子園球場 |
11月25日 | 明治神宮野球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
今岡誠 | 阪神 | ロッテ | トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
西谷尚徳 | 楽天 | 阪神 | 育成選手契約/トライアウト後の阪神の入団テストに合格 |
的場直樹 | ソフトバンク | ロッテ | トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
山田秋親 | 福岡レッドワーブラーズ(ソフトバンク) | ロッテ | 2007年にソフトバンクを戦力外となってから、独立リーグを経てロッテに入団テストで合格。 独立リーグからプロ野球に復帰する初めての例となった。 |
2010年
開催日 | 場所 |
11月10日 | 西武ドーム |
11月24日 | ヤフードーム |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
荒川雄太 | ソフトバンク | 西武 | |
大城祐二 | 阪神 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
大西宏明 | 横浜 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
木下達生 | 日本ハム | 中日 | 育成選手契約 |
小林雅英 | 巨人 | オリックス | |
多田野数人 | 日本ハム | 日本ハム | 日本ハムと再契約 |
松坂健太 | 西武 | 日本ハム |
2011年
開催日 | 場所 |
11月24日 | ほっともっとフィールド神戸 |
12月5日 | QVCマリンフィールド |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
阿部健太 | 阪神 | ヤクルト | |
木下達生 | 中日 | ヤクルト | |
紺田敏正 | 巨人 | 日本ハム | 巨人所属以前に日本ハムに在籍していたため、復帰 |
加藤大輔 | オリックス | 楽天 | |
中谷仁 | 楽天 | 巨人 | |
石井義人 | 西武 | 巨人 | |
小林高也 | 中日 | 巨人 | 育成選手契約 |
2012年
開催日 | 場所 |
2012年11月9日 | 日本製紙クリネックススタジアム宮城 |
2012年11月21日 | ファイターズスタジアム |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
星野智樹 | 西武 | 楽天 | |
大立恭平 | 巨人 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
蕭一傑 | 阪神 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
柴田亮輔 | オリックス | ソフトバンク | 育成選手契約 |
松本幸大 | ロッテ | オリックス | |
林啓介 | ロッテ | 阪神 | 育成選手契約 |
2013年
開催日 | 場所 |
11月10日 | 静岡県草薙総合運動場硬式野球場 |
11月22日 | ナゴヤ球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
岸敬祐 | 巨人 | ロッテ | 育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
金森敬之 | 愛媛マンダリンパイレーツ | ロッテ | 育成選手契約/トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
工藤隆人 | ロッテ | 中日 | トライアウト後の中日の入団テストに合格 |
細山田武史 | DeNA | ソフトバンク | 育成選手契約 |
勧野甲輝 | 楽天 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
有馬翔 | ソフトバンク | 楽天 | 育成選手契約 |
松冨倫 | 巨人 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
2014年
開催日 | 場所 |
11月9日 | 静岡県草薙総合運動場硬式野球場 |
11月20日 | 読売ジャイアンツ球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
佐藤祥万 | 日本ハム | 広島 | |
八木智哉 | オリックス | 中日 | |
梅津智弘 | 広島 | 楽天 | 育成選手契約 |
東野峻 | オリックス | DeNA | |
田中大輔 | 中日 | オリックス | |
矢地健人 | 中日 | ロッテ | |
堂上剛裕 | 中日 | 巨人 | 育成選手契約 |
陳冠宇 | DeNA | ロッテ | |
森越祐人 | 中日 | 阪神 | |
北方悠誠 | DeNA | ソフトバンク | 育成選手契約 |
井野卓 | 巨人 | ヤクルト |
2015年
開催日 | 場所 |
11月10日 | 静岡県草薙総合運動場硬式野球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
金伏ウーゴ | ヤクルト | 巨人 | 育成選手契約 |
鵜久森淳志 | 日本ハム | ヤクルト | |
白根尚貴 | ソフトバンク | DeNA | |
田中靖洋 | 西武 | ロッテ | |
山内壮馬 | 中日 | 楽天 | トライアウト後の楽天の入団テストに合格 |
2016年
開催日 | 場所 |
11月12日 | 阪神甲子園球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
榎本葵 | 楽天 | ヤクルト | 育成から支配下として契約 |
柴田講平 | 阪神 | ロッテ | トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
久保裕也 | DeNA | 楽天 | トライアウト後の楽天の入団テストに合格 |
2017年
開催日 | 場所 |
11月15日 | MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
田代将太郎 | 西武 | ヤクルト | |
山崎憲晴 | DeNA | 阪神 | |
大隣憲司 | ソフトバンク | ロッテ | トライアウト後のロッテの入団テストに合格 |
2018年
開催日 | 場所 |
11月13日 | 福岡タマホームスタジアム筑後 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
中井大介 | 巨人 | DeNA | |
廖任磊 | 巨人 | 西武 | |
成瀬善久 | ヤクルト | オリックス | トライアウト後のオリックスの入団テストに合格 |
山下亜文 | ソフトバンク | 巨人 | 育成選手契約/トライアウト後の巨人の入団テストに合格 |
2019年
開催日 | 場所 |
11月12日 | 大阪シティ信用金庫スタジアム |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
森越祐人 | 阪神 | 西武 | |
田中豊樹 | 日本ハム | 巨人 | 育成選手契約 |
八百板卓丸(卓丸) | 楽天 | 巨人 | 育成選手契約 |
2020年
この年は新型コロナウイルス感染拡大により非公開にて実施。
開催日 | 場所 |
12月7日 | 明治神宮野球場 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
宮國椋丞 | 巨人 | 横浜 | |
風張蓮 | ヤクルト | 横浜 | |
宮台康平 | 日本ハム | ヤクルト | 育成選手契約 |
田城飛翔 | ソフトバンク | オリックス | 育成選手契約 |
小澤怜史 | ソフトバンク | ヤクルト | 育成選手契約 |
2021年
前年同様、新型コロナウイルス感染拡大により非公開にて実施。
開催日 | 場所 |
12月8日 | メットライフドーム |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
古川侑利 | 巨人 | 日本ハム | 育成選手契約 トライアウト合格経験者として史上初の現役ドラフト移籍選手*6 |
2022年
2019年以来となる公開実施。
開催日 | 場所 |
11月8日 | 楽天生命パーク宮城 |
合格者 | トライアウト前 | トライアウト後 | 備考 |
三ツ俣大樹 | 中日 | ヤクルト | |
西巻賢二 | ロッテ | DeNA | 育成選手契約 |
渡辺佑樹 | 楽天 | ソフトバンク | 育成選手契約 |
上野響平 | 日本ハム | オリックス | 育成選手契約 |
【トライアウトの難点】
この合同トライアウト、問題点も多い。
出来レース化
ここ最近で批判対象となっている問題点は『出来レース』と化しているという部分である。
元選手や球団関係者の証言によると、球団側との繋がりなどがないと合格は厳しいとしている。その証言などで推測するには
戦力外通告予定選手は夏頃から球団側にリストアップされる
↓
その時に他球団と話し合いをし、相手球団側から該当選手を2軍戦に出すよう要請される
↓
そこで高評価を得れば、戦力外通告を受けた際にトライアウトへの出場要請を選手は受ける
という流れが行われているようである。
この流れは『戦力外選手の実力をお披露目する』というよりも『選手の状態を確認する』という状態になってしまっている。
トライアウトは『テスト場』というよりも『最終チェック場』と化してしまったという反発も多い。
まあ、獲得しようとしている選手の状態をチェックするという行為はある意味『テスト』ではあるが…。
実際なところ、トライアウトでは内容がボロボロだった選手が、何故かいち早く移籍が決定するという妙に不自然な出来事もある。
これで一番批判される部分は『戦力外告知前にチェックしていた選手以外は最初から調査する気が無いのでは?』という所だろう。
とにかく、このことに関しては今後も議論する必要性があるかもしれない。
トライアウト前からの獲得
他にトライアウトで挙げられている問題点としては『トライアウト前から獲得しようとする動き』に関してか。
そもそもトライアウト実施以前から、トライアウト以外の入団テストを実施させないという決まりは存在しなかった。
つまりトライアウト以前に個別に入団テストを実施する球団も多かったのである。
2004年に起こったプロ野球再編問題において、選手会側はこの問題にも触れる。
この時期は12球団合同トライアウト実施前に各球団が独自の入団テストを行わないことを申し合わせた。
ただし、選手会と球団側の間でこの問題は解決されなかった。
再編問題以降も、トライアウト前に秋季キャンプに練習参加させるなどの実質上のテストが行われていった。
そして2006年の横山道哉選手の、トライアウト開始以前の獲得報道の際にはこの問題が本格的に表面化した。
この獲得報道の時に「合同トライアウト前に各球団が独自で入団テストを行わない」という決まりに反するという意見が選手会から出た。
結果的に、選手会と球団側で激しい議論が行われたのだった。
上記で述べた『トライアウトの出来レース化』はこの問題を避ける面もあるものだと思われる。
その他の難点
以下のような、テスト方法や監視に来た球団関係者に関しての批判がある。
- 戦力外同士の対戦ではその選手の実力が判断しにくい
- トライアウトの試合すら目に入れず、雑談だけしているスカウトの目撃
過去には以下のような批判もあった。
- 雨の際の振り替え日が無い(室内練習場でのテストは特定の選手には不利)
この難点に関しては、上述したような振替日の導入などによって改善されている。
【トライアウトは引退試合】
一部では、トライアウトは『野球人生にケジメを付ける場所』とも称されたりする。
トライアウトで最後に野球を行うことで、戦力外の選手の実力不足を確認させて諦めさせたり、高齢選手にとっての引退試合の代わりになったりすることがあるからだ。
実際にトライアウトを引退試合のような感覚で出場する選手も多い。
そういった面を考えると、トライアウトは一概に再挑戦の場とは呼べない部分がある。
トライアウトを過剰な「ショー」化させる近年の風潮に対しては批判も多い。
しかし、トライアウトに出る選手の大半は正直言って、無名の選手や有名ではあるが諸々の事情でここまで来たという人々でもある。
このような選手は一般的に想像されるような「有名野球選手の栄光」とは縁が遠いと言わざるを得ない。
トライアウトは、そのような選手達が多くの観客に囲まれる最中で試合を行い、全国メディアに取材も受け、大きく注目される舞台となるのだ。
つまり、トライアウトで野球人生が締められるのは悲劇であると同時に「華やかな引退試合」としての性質が強くなってきている。
華やかな引退セレモニーが出来る選手はプロ野球全体でも少なく、引退試合に至ってはほんの一握り。
「引退試合のようなイベント」をさせることで、引退試合を出来る程の選手になりたかったという無念を少しでも和らげる効果がある事も否定できない。
引退試合としてトライアウトを考えるのならば「ショー」となってしまう性質も肯定されるべき事柄との見方も出来る。
追記・修正はトライアウトに合格してからお願いします。
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▷ コメント欄
- ほんと、プロ野球選手は大変だな… -- 名無しさん (2015-01-08 21:00:39)
- ↑大金稼いでるのなんかごく一部だしな。高校時代に怪物扱いされてた選手が芽も出ないまま解雇される厳しい世界 -- 名無しさん (2015-01-08 23:31:35)
- トライアウトで拾われてから一番活躍したのって誰なんだろうな -- 名無しさん (2015-01-08 23:50:28)
- ↑森岡じゃない?1軍のスタメンに名を連ねることが多いし -- 名無しさん (2015-01-09 03:28:35)
- 追記修正の難易度が高過ぎる -- 名無しさん (2015-01-09 08:32:08)
- ただの一人だけ個人記事のある選手が居るな -- 名無しさん (2015-01-09 18:42:31)
- ↑数人なんだよなぁ… 多田野はまさにコストカット再契約の為の出来レース戦力外だったよなぁ。今年は本当にダメだったけどね -- 名無しさん (2015-01-09 22:37:10)
- 鵜久森がヤクルトのクリーンアップを打つようになるとは…涙がで、出ますよ -- 名無しさん (2016-09-19 01:19:22)
- トライアウトも育成選手契約も夢を繋ぐ場所であって、夢を諦める場所でもあるんだなあ -- 名無しさん (2017-10-06 15:00:38)
- 毎年SASUKE→戦力外通告された男の流れが印象的 -- 名無しさん (2023-05-07 21:30:17)
#comment
*2 後に2021年に日本ハム監督に就任。
*3 2013年に広島東洋カープを戦力外後に2013年トライアウトに参加するも不合格、独立リーグを経て2016年に千葉ロッテマリーンズの入団テストに合格してNPB復帰
*4 2019年に北海道日本ハムファイターズを戦力外後に2019年トライアウトに参加するも不合格、オーストラリアのクラブチームやメキシカンリーグを経て2022年春季キャンプにてオリックス・バファローズの入団テストに合格して育成選手としてNPB復帰
*5 なお、この年に楽天監督に就任したばかりの野村克也は、トライアウトでの小倉の投球を目の当たりにした瞬間、「何であいつをクビにしたんだ!?まだ充分使えるやろが!!今すぐに再契約しろ!!」などと、同行した球団スタッフを物凄い剣幕で怒鳴り散らしたそうな。
*6 2022年シーズン開始前に支配下昇格、2022年シーズン終了後に開催された現役ドラフトによってソフトバンクに譲渡。
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