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生存難易度 | 1/5 | 階層内は探索するには多少危険ではあるが、生存に必要な物資は簡単に手に入れられる。しかし、欲張って物資を集めようとするのにはリスクが伴う。 |
実体数 | 2/5 | この階層特有の実体が生息していることが分かっているが、それらは簡単に避けることができ、また他の階層に生息している敵対的な実体とはあまり遭遇しないようになっている。 |
安定度 | 1/5 | 所々照明が壊れていたり、天井のタイルが抜け落ちている一部の不安定な廊下を除けば、この階層は比較的安定した階層と言える。 |
総合危険度 | 1.333/5 | この階層を移動するだけなら安全だが、居住できるスペースは限られているため、この階層に住むことはお勧めできない。 |
図1 学校の2階の画像
学校は高校のような建物で、1階と2階に分かれている。ほとんどの放浪者は建物の1階からこの階層に迷い込むようになっている。もし運悪く2階から迷い込んでしまった場合は、出来るだけ早く下の階へ移動できる階段を見つけ出さなければならない。安全で、食料なども確保できる居住可能な階層であることから、学校は「安置階層」とも呼ばれている。物資は2階の方が豊富であるがその分危険なため、2階へさらなる物資のために探索しに行くことは折角の1階の安全さを無駄にすることと同じである。
1,2階共に、綺麗な水が入った冷水機が見つかることがある。冷水機から出る水は安全に飲めることできるが、カーペットフルードなどの未知の物体が出ることがある。そのため飲んだり運んだりする場合は、最初に安全な水が出るかどうかを確認することをお勧めする。学校内部の至る所には監視カメラが設置されている。この監視カメラは赤黒いライトが光っていることから作動しているものと思われるが、カメラが動いている様子は確認されていない。この監視カメラに映った映像はどこでどのようにして確認できるのかは分かっていない。
学校には昼夜サイクルが存在することが分かっている。時間帯が昼の場合は、カフェテリアで無限に近い量の食料が2回補充される。時間帯が夜の場合は、監視カメラのライト、非常口のライト、放浪者自身が外部から持ってきた照明を除く階層内部の全ての照明が落とされ、内部は真っ暗となる。この昼夜サイクルは The Frontrooms に於ける日付変更線上での時間帯と一致していることが分かっており、それぞれの時間帯は12時間周期で入れ替わる。そのため学校内部での1日は24時間で進むということになる。
図2 学校の1階へと続く階段の画像
1階は有限の広さを持っており、職員室や小さなカフェテリア、講堂、その他様々な部屋が存在する。これらの部屋には用務室や会議室、試験室なども含まれる。放浪者がこの階層に移動すると、まず最初にこの階の、特に来校者名簿が置かれた机の隣へ基本的に移動するようになっている。建物の四隅には異なる非常口を見つけることができるが、奇妙なことにそのどれもが開けることができなくなっており、開けたり壊したりして侵入することができなくなっている。床には斑点の模様が散りばめられた白いタイルが張られていて、壁は淡いベージュ色で、壁の一部には黒や赤の壁紙が貼られている。
1階の廊下は大きく4つに分けることができ、長方形の形となるようにそれぞれが繋がっている。長方形の内側のエリアにはカフェテリアと講堂が存在する。カフェテリアにはベンチとテーブルがセットになっているものが数列設置されている。カフェテリアの料理は未知の周期で1日に2回補充される。カフェテリアでは放浪者自身が食べてきた学校の給食と同じような料理が提供される。厨房にはオーブンのような機械はあるものの料理は作られておらず、どこから料理がやってくるのかは分かっていない。講堂には大きなステージと椅子が数百席存在し、どの席からもステージが見えるようになっている。どの講堂も内部は空虚なものとなっている。
外側のエリアには職員室と待合室が存在する。職員室には様々な部屋と教材が存在する。しかし、ここで見つかる教材はコンピュータなどの何に使われるのか分からない教材が殆どである。待合室にはソファと様々なボードゲーム、筋トレ用の器具が設置されている。
図2.1 生徒が描かれているピクトグラムの画像。
2階へは1階にある4つの階段の内の1つを上ることで移動することができる。2階は1階と同じように床には斑点模様が入った白いパネルが張られていて、壁は淡いベージュ色で所々に赤や黒の壁紙が貼られているという一連の廊下と教室が複雑に入り組んでいる無限の広さの迷宮である。ここの廊下は時折不安定化し、「ラグ」があるかのように同じ場所を歩いても少し前の位置に戻されてしまったり、全く別の場所へ移動させられてしまったりする場合がある。また、移動してきた道を引き返そうとすると、元来た道の構造が変わっていたり変わっていなかったりすることがある。2階の教室には様々な物品がある。高さが低い机、黒板、棚やキャビネットなど教室内には大体予想通りのものが設置されている。また、およそ300mごとに1階へ戻ることのできる階段が通っている。一部の廊下と教室には窓がある。この窓は白く曇っていて、外の様子は確認できず、ただ白い光が差し込んでくるだけのものとなっている。時間帯が夜になると外は真っ暗になり、外には何もない虚空が広がっているように見える。
2階には2つの危険要素がある。より深刻な危険要素は、床が放浪者のメタ認知[1]に影響を及ぼすことである。2階に長時間滞在すると放浪者の精神状態がやがて悪化し、The Halls に長時間滞在した際と同じような状態に陥ることになり、場合によっては非常に深刻な状態に陥るようにもなる。情緒が不安定になる、自傷•自殺を図ろうとする、意識の低下、幻覚や幻聴などの症状が発生するとされている。この症状が放浪者を直接的な死に至らせることはないものの、これにより放浪者の判断力や注意力が阻害される恐れがある。この症状は時間帯が夜になるとより危険なのものになることが分かっている。もう一つの危険要素は敵対的な実体が生息していることである。スマイラーが夜にのみ現れ、これは天井のパネルが抜け落ちている所やドアが破壊されている部屋の中で主に出没する。また「生徒」と呼ばれているこの階層特有の実体が時間帯が昼の間に出没する。
1B60CB9F-959D-4166-BD17-6D6B62F43496.jpeg図3 学校内の古いカメラから見つかった、生徒が写っている現状唯一の写真。
時間帯が昼の時に、「生徒」と呼ばれるこの階層特有の実体が廊下を徘徊している場合がある。この実体は敵対的で、一人で活動している放浪者を襲う。生徒はどこか不審な見た目をしており、必ず放浪者から離れた場所から姿を見せる。赤か黒のズボンを履いた人物を見かけたら絶対に近づいてはならない。これは全ての生徒の言える共通点である。もし生徒と思われるものを見かけたら、万が一のため気をつけなければならない。大抵は生徒が放浪者を見つけるのではなく放浪者が生徒を見つけることの方が多いが、これは生徒が別の放浪者に扮して放浪者を触発的に誘き寄せようとする習性のためである。生徒が放浪者を襲う際は、まず放浪者の離れたところから姿を現し、そこから手を振ってくる(この時生徒は必ず右手で手を振る)。生徒が手を振ってきた場合は、あたかも実体というものを見たことがない放浪者であるかのようなふりをしてゆっくりとその場を離れること。生徒がどれだけの知能を持っているのかは分かっていないが、放浪者に扮して放浪者を襲おうとすることと、本物の放浪者のような行動を取ることからそれなりの知能を持っていることが分かっている。しかし、彼らはまだ完璧に人間の行動を真似ることはできないようである。
生徒の後を追ってみると、やがて生徒は放浪者に扮する前の本来の姿に戻る。生徒の四肢はやがて気味が悪いほどに伸び始め、肌の色は淡いベージュ色になり、人の死体を思わせるような容姿へと変貌する。顔のパーツはみるみる内に消滅し、のっぺらぼうのヒューマノイドのようになる。一部の生徒は四つの手足以外にさらなる手足を生やしていたり、手足が二つに裂けているものが生えている。本来の姿の生徒は口を持っていないため、犠牲となった放浪者を生徒は食べたりするのかどうかは分かっていないが、生徒が犠牲となった放浪者の死体を引き摺り回してどこかへ運んでいったという様子が既に目撃されている。奇妙なことに、その時に血痕のようなものは見当たらない。襲われた時に流血したであろう血も見つかっていない。調査をしてもその場に居続けると気分が悪くなると調査員が訴えているため、原因は分かっていない。
特別案内ガイダンス委員会(Special Procedure Guidance Movement=SPGM)は学校で活動をしている団体である。この階層に定住している唯一の団体でもある。安全である1階の広さには限りがあるため、これ以上の大きさのコミュニティーを創ることは不可能とされている。2階は先述の危険性のために定住することは不可能である。この団体はさらにオウギ部門とヒトデ部門の二つの部門に分けることができ、それぞれ違った任務を果たしている。SPGMはThe Backroomsからの脱出を既に諦めている放浪者によって運営されている。この階層が安全であるためか彼らはここに完全に住み慣れており、この階層のことを故郷と呼んでいる。SPGMの運営目的はこの階層に迷い込んだ放浪者にどう動けばいいかを教えることと、休養が必要な放浪者に手当てを施すことである。SPGMは元々3人のメンバーのみで構成される小さなコミュニティーだったが、それ以来SPGMの規模は日々肥大化している。
オウギ部門扇状区域部門は7人のメンバーによって運営されており、1階のみで活動している。少なくとも1人のメンバーが迷い込んだ放浪者を迎え入れるために来校者名簿が置かれた机の近くにいる(2人で迎え入れることはない)。他3人のメンバーはカフェテリアにおり、放浪者が来た時のために料理を整理している。残った2人は講堂のステージ上におり、出口を見張っている。
ヒトデ部門ヒトデ区域部門はSPGMの総勢13人のメンバーの内の残りの6人のメンバーによって運営されており、1,2階の両方で活動している。ヒトデ部門は一つの遠征チームによって構成されており、主に2階の物資を集めることを目的として活動している。これにより新しくこの階層に迷い込んだ放浪者は2階に行くことなく2階の物資を手に入れることができる。ヒトデ部門は時折起きるアクシデントに対応するために新たな人手を募集することがある。 一部の古参メンバーは遠征チームはかつてもっと大きなチームだったと証言している。この古参メンバーは階層の調査員でもある。彼らは2階で物資を集めるための調査をするだけではなく、生徒についても調査をしており、生徒についての全ての情報はヒトデ部門のベテラン調査員によるものとなっている。
この記事は "The School" (Liminal Archives) をにわとりさんが翻訳したものです。"The School" (Liminal Archives) は Avathy が制作したものです。
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