aklib_story_光冠残蝕_10-4_砲声の警告_戦闘前

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光冠残蝕_10-4_砲声の警告_戦闘前

ロンディニウムの城壁の上で、サルカズの将軍マンフレッドが腹心のヘドリーと共に眼下の混乱を眺めている。彼は時宜を見計らい、都市防衛砲を起動した。


a.m. 9:27 天気/曇天

ロンディニウム サディアン区 外壁上

[サルカズ戦士] 三〇九番ゲートで騒ぎが起きています!

[サルカズ戦士] ……将軍閣下へご報告いたします。巡回隊が反乱軍の消息を発見しました!

[サルカズ戦士] は、反乱軍だけではありません! 巡回隊は現在複数の勢力と衝突し交戦中です――

[サルカズ戦士] 応援を送り込みますか?

[マンフレッド] ……必要ない。

[マンフレッド] それよりも進捗は?

[サルカズ戦士] あとおよそ十五分ほどで調整を終えます……

[マンフレッド] 八分。

[マンフレッド] 八分以内に終えなさい。我々に余分な時間は用意されていない。

[???] 俺が下りて見てくるか? もちろん、ただの提案だ。

[マンフレッド] 私が失敗するのではないかと心配しているのか?

[???] まさか。あなたの計算に狂いが生じたことはない。

[???] そして俺の仕事は、我々が勝利に至る道を描く際の変数を減らし、固定することだ。

[マンフレッド] その定義に則れば、君はもう十分よくやってくれているよ、傭兵。

[マンフレッド] こちらへ来なさい。実験を正式に始める前に、君にもこの壁の下の状況を見せておきたい。

[ヘドリー] ……

[ヘドリー] 賑やかだな。

[マンフレッド] カズデルの戦場と比べて、いかがかな?

[ヘドリー] ……目新しさはない。

[ヘドリー] しかし……少なくとも命の奪い合いをしている当事者が両方ともサルカズという状況ではない。

[マンフレッド] 君もカズデルにいた頃、獣を狩ったことがあるであろう。

[ヘドリー] 狩りか? 常時野外に身を置く傭兵からすれば、それは腹を満たすための必要な選択肢だ。

[マンフレッド] 狩猟に親しんでいるのならば、私がなぜこれらの出入り口を残した意味もわかるだろう。

[ヘドリー] ……獣は時に待ち受けているものが罠だと理解しながらも、踏み抜いて進むのだ。そこが必ず通るべき道であるがために。

[ヘドリー] だが道が一つもないとき、奴らは却って狩る側の予測が不能なほどに逃げ回り、人を割いてそれを食い止めなければならなくなる。

[マンフレッド] うむ、それは荒野での法則だ。だがそれだけではない。

[マンフレッド] 我々の足元にあるこの都市を眺めてみるがいい。まさに鋼鉄が群生する荒野のようだ。

[マンフレッド] 広く無秩序な荒野の道をすべて封じることができる者がいるか? 視界の悪い密林を隅々まで、葉の揺れ一つ漏らさず把握できる者はいるだろうか?

[マンフレッド] 私はそのようにうぬぼれはしない。

[ヘドリー] それであえていくつかの隙を残し、そこに網を張って獲物が飛び込んでくるのを待っているというわけか。一番効率のいい方法だな。

[マンフレッド] しかし一定のリスクもある。

[ヘドリー] リスクを冒さず、どうやって肉を得る?

[ヘドリー] もし俺があなたの立場なら、きっと同じ選択をする。

[マンフレッド] 素晴らしい。優れた傭兵のリーダーは、必ずや秀でた狩人でもあるはずだ。

[マンフレッド] だからこそ、私は王庭のご老体方よりも、君と肩を並べて戦う方が好きなのだ。

[ヘドリー] ……どうやら、今日の収穫は豊富なようだ。

[ヘドリー] 反乱軍に加え、ダブリンも……

[ヘドリー] 待て、あの術師には見覚えがある。確か以前訪ねてきて休戦協定を結んだのではないか? あまり真剣に取り合ってはいなかったかもしれないが。

[マンフレッド] 彼女を知っているのなら理解しているだろう。ああいう者は、自分がいつ立ち止まるべきかなど知らぬのよ。

[ヘドリー] あなたは初めから、場を乱すあの者を排除したいと考えていたな?

[マンフレッド] 状況は変化するものだよ。殿下の計画が大詰めを迎えている今、不必要な混乱が生じれば、真の脅威を見逃すことになりかねない。

[マンフレッド] 大公爵たちは、壁の向こうからこのロンディニウムへ虎視眈々と視線を向けている。我々はそちらに重きを置いて警戒すべきだ。

[ヘドリー] それなら、俺を向かわせればいいじゃないか。

[マンフレッド] あれを排除するだけなら、君の手を煩わせるほどのことではない。

[ヘドリー] まさか他にも懸念が?

[マンフレッド] ……例の「ウェリントンのアイアンガード」だ。

[ヘドリー] つまり……

[マンフレッド] 彼はいまだにロンディニウムと距離をとっている。

[マンフレッド] そして彼が態度を明らかにしない限り、貴族たちにも安寧はやってこない。朝目が覚める度に部下を呼び出して鉄公爵が立場を明確にしたかどうか聞き続けるだろうな。

[ヘドリー] なるほどな。

[マンフレッド] それゆえに、我々はまだダブリンとの関係を公に悪化させることはできない。

[マンフレッド] もちろん、万一先ほどの彼女が耐えきれなくなり、自ら約定を破るような真似をするのであれば――

[マンフレッド] サルカズにとっても奴らを容認するような理由はないがね。

[ヘドリー] その基準なら、下で起きている衝突では確かにまだ足りないな。

[マンフレッド] ああ。我々には今少し……ダブリンを始末するための名分が足りていない。

[マンドラゴラ] ……急に湧いてきたこいつら何者なの?

[ダブリン兵士] 不明です……上官、こいつらの使う武器とアーツは見たことありません!

[マンドラゴラ] サルカズとも戦ってるけど……魔族の援軍じゃないってこと?

[マンドラゴラ] まあいいわ、邪魔してくる連中は全員排除してやる。

[インドラ] おい――

[インドラ] おとなしくそいつを返しやがれ!

[ダブリン兵士] お……お前!

[インドラ] お、見覚えがあるツラだな? 朝ボコってやったのじゃ足りなかったか?

[ダグザ] 後ろにも注意して――

[ダグザ] 戦場じゃ敵は前から殴られにくるばっかりじゃないから。

[インドラ] 何言ってんだ。後ろはお前がいるだろ?

[ダグザ] 少しは自重しろ。敵をボコって吠え面かかせることより、救出任務が優先だ。助け出したらすぐに撤退するんだぞ。

[インドラ] わーってるよ。

[インドラ] 要は拳をもっと速く振りゃあいいんだろ?

[マンドラゴラ] 何ですって……今朝あたしたちからターゲットを奪ったのはこいつらなの?

[マンドラゴラ] こいつらの顔を覚えておきなさい。

[マンドラゴラ] いや、待って……一人くらい生け捕りできるか試してみましょう。ロンディニウムに紛れ込んだ新勢力なら、きっとリーダーが興味を示すはず。

[ロドスオペレーター] えっ……突然石が出てきたぞ?

[シージ] ……

[シージ] 気を付けろ。まだ壁の中も踏み入れてないんだ、ドクターはこんな早く負傷者が出るのを見たくないだろう。

[ロドスオペレーター] おう……君たちも気を付けてくれ!

[マンドラゴラ] ……ハンマー一振りであたしの岩盾を粉々にした!?

[マンドラゴラ] こいつ……ヴィクトリア兵と同じくらいウザいわね!

[マンドラゴラ] あたしも別に本気じゃなかったけど……これを食らいなさい!

[ロドスオペレーター] シージさん、よけろ!

[シージ] ……何者かが撃ち落としてくれた?

[シージ] バリン、誰か見えたか?

[ロドスオペレーター] いや、あまりにごたついてるもんで見えなかった。

[シージ] アーミヤ、戦場にまだ別の何者かがいる。

[シージ] 私たち、ダブリン、それからサルカズ以外の……

[シージ] しかも、私たちの敵ではないようだ。

[ダブリン兵士] 戦況は優勢とは言えません……その、上官ならできませんか。この壁を……

[マンドラゴラ] この壁ね……フッ……何度も想像はしたけどね……

[マンドラゴラ] まあいいわ。いつかその日が訪れて、リーダーがいらしたら、チャンスがないわけじゃないもの。

[マンドラゴラ] 今は現実味のない戯言を言ってる場合じゃないの。もうしばらく耐えなくちゃダメ……

[マンドラゴラ] あんたたちも聞きなさい。手を出す時はちゃんとセーブするのよ。付け入られるような証拠を残しちゃダメ。こっちの準備ができる前に、マンフレッドが来たら厄介なんだから。

[マンフレッド] 四分。我々はあと四分待たねばならない。

[マンフレッド] ちょうどよい、我々の戦士はまだ戦いに飢えている。ロンディニウムのような都市の防衛は、荒野でラテラーノの商隊を襲うのに比べたらはるかに退屈だ。

[ヘドリー] 以前は知人と顔を合わせるにも警戒が必要だった。相手が自分の首を狙っているかどうか気にしなくていい生活が不満だなんて、言えた身分じゃない。

[マンフレッド] 自分をほかの傭兵と同列に論じるのはよしなさい。

[マンフレッド] 君のように小さな家に閉じ込められて、本を読むだけの生活に耐えられる傭兵はいくらもいない。

[ヘドリー] あなたが俺をその生活から引っ張り出し、剣を返してくれた時、確か俺は感謝を述べた。

[マンフレッド] よい、君を傍に置いているのは、そんな話を聞くためではない。

[ヘドリー] ……わかっている。

[ヘドリー] 傭兵が必要なのだろう。それも一度や二度気まぐれに使うだけではない類のだ。

[マンフレッド] ああ……そして君はその中でも、最も優れた傭兵だ。

[マンフレッド] ちょうど、最近またいくつかの傭兵団が我々に加入した。そのうちの何人かはスカーモールでの君の昔馴染みだ。

[ヘドリー] 摂政王が提示する額ならば、拒否できる傭兵はめったにいないだろうな。

[マンフレッド] あの者たちが求めているのは、もはや一度や二度の契約を果たして得られる程度の報酬ではなくなっている。

[マンフレッド] 我々が摂政王に従ってカズデルを去った時、戦士たちが所持していた武器はどれも異なっていた。つい先ほどまで敵が着ていた鎧を身につけている者すらいた。

[マンフレッド] だが今はどうだ?

[マンフレッド] 君も見ただろう。ロンディニウムの工場は昼夜を問わず防具や武器を生産している。我々の部隊は新たな規律により統制され、統一された号令により動く。

[マンフレッド] 今この時、サルカズはかつてないほど団結しているよ。そしてこの団結は、我々を今までよりも強大にするだろう。

[ヘドリー] そうだな、全ヴィクトリアが……いや、全テラがそれを目の当たりにしている。

[ヘドリー] これもすべて摂政王の計算のうちか。

[マンフレッド] 一年前、他の者たちは愚かなことにロンディニウムの軍隊が無敵であると信じ、我々がどこぞの公爵が雇った傭兵に過ぎないと勘違いしていた。

[マンフレッド] ――今に彼らは知るだろう。傭兵の行動原理が利益から離れ、信仰心の行く先が金銭でなくなったとき……我らサルカズに何が為せるのかを。

[ヘドリー] ……金に忠誠を尽くさなくなった傭兵は、傭兵と言えるのか?

[マンフレッド] 我々がこうした同胞に傭兵の身分を捨てろと言わないのは、彼らが摂政王に付き従う理由を見つけたからだ。

[マンフレッド] 彼らは摂政王がサルカズの生活を変えるものと信じている。居場所のない略奪者や他族の権力者の道具となる以外の道が開けると……サルカズにも新たな立場を勝ち取る機会があると信じているのだ。

[ヘドリー] ……家のある者だけが、身分がある。

[ヘドリー] 「サルカズが戦争を望むその時、我らはすなわち戦争そのものである――」

[マンフレッド] 「――そして戦争が終わるごとに、サルカズは帰ることができる場所を得る。」

[マンフレッド] これは摂政王からロンディニウムのサルカズに向けた言葉だ。当時は君も拝謁の列にいて、あれが私たちの初めての顔合わせだった。

[マンフレッド] あの日、私は君にこの言葉をどう思うかと聞いた。

[ヘドリー] 「カズデルの廃墟から這い出てきた戦士で、この理想を拒絶できる者がいるか?」

[マンフレッド] 前回その回答を聞いたのは、もう三年も昔のことだ。

[マンフレッド] 今の君はもうあの小さな家から抜け出し、私のそばに立っている。

[マンフレッド] 君の考えは……それでもあの時のままなのか?

[ヘドリー] マンフレッド、あなたはすでに俺の忠誠を得ている。

[マンフレッド] ……

[マンフレッド] 左目は、まだ痛むか?

[ヘドリー] 一年が経ったんだ、とっくに治っている。

[マンフレッド] 君に……わかってほしい。あの日から、私は我々の友情を疑ったことなど一度もない。

[マンフレッド] だが私の言いたいことはわかるであろう。

[ヘドリー] ……聴罪師たちが傭兵への警戒を放棄することはありえない。それが誰であってもだ。これは彼らなりの摂政王への仕え方だからな。

[ヘドリー] そして俺は……俺の仕事は誰かに忠誠心を証明することではない。そんなものは、戦場で剣を抜く際の邪魔になるだけだ。

[マンフレッド] つまり君の答えはやはり「ノー」か。

[マンフレッド] ……それもいいだろう。

[マンフレッド] 将校と友人……私も時には友人を強く必要とする時がある。そのためなら、しばらく将校が一人減ることくらい、カズデルは許してくれるであろう。

[サルカズ戦士] 将軍、準備ができました!

[マンフレッド] よろしい。

[マンフレッド] 巡回隊に伝えなさい、即時撤退だと。

[マンフレッド] 自動照準システムを起動し、遠距離攻撃目標を入力しろ――

[マンフレッド] ――座標、サディアン区、三〇九番ゲート。

[マンフレッド] 我々のここ数ヶ月にわたる努力の結晶が、ようやくお目見えだ。

[マンフレッド] ヘドリー、起動ボタンを押す役目に興味はあるか?

[ロンディニウム市民?] 中尉、ダブリンが勝ちそうですよ。

[ホルン] ……ダブリンが勝利しそうという状況ではないけれど、それは重点ではないわ。

[ホルン] 誰が負けて誰が勝つかはどうだっていい、重要なのは彼らが互いに牽制し合うことよ。

[ホルン] それこそ私たちが今必要としている局面なの。あなたたちが、前方に突っ込んでいけるような状況になってほしいのよ。

[ロンディニウム市民?] 前に突っ込む……?

[ホルン] ええ、彼らの注意が他にそれている間が、この都市を抜け出す絶好の機会なの。

[ロンディニウム市民?] いえ……それはできません!

[ホルン] えっ、ロッベン? どういうこと?

[ロンディニウム市民?] 中尉、私は行きたくありません。

[ホルン] あなた……

[ロンディニウム市民?] ここに残ります。

[ホルン] でもこれがロンディニウムから逃れる唯一のチャンスかもしれないのよ!

[ホルン] このような騒動が起きた以上、明日にはこのゲートはサルカズに封鎖されるでしょう。

[ホルン] 見つからないように武器を隠して、前方で逃げまどっている一般群衆に紛れ込みなさい! さぁ、前に向かって進むのよ!

[ロンディニウム市民?] ……このまま逃げるべきではありません。

[ロンディニウム市民?] 中尉、私たちはまだ戦えます。

[ロンディニウム市民?] 見ましたか? 私の矢がダブリン兵を一人射抜きました! 二人のサルカズにも傷を負わせました!

[ロンディニウム市民?] このクロスボウは……とても雑な作りですよね。我々が使い慣れている制式軍用クロスボウとは全く異なります。

[ロンディニウム市民?] ご自分で作ったのでしょう? 武器すら自前でなんとかしなければいけない状況で、共に戦う味方が必要ないとは言いませんよね?

[ホルン] 私が必要としているかどうかの問題ではないの……いいわ。

[ホルン] 行きたくないというのなら、私も強制はしない。

[ホルン] ……戦場に残りたい兵士を、無理やり離れさせるのはもうやめた。

[ロンディニウム市民?] 中尉……

[ホルン] 今はこの話はいいわ。

[ホルン] すぐにでもここから離れなければならないの。

[ホルン] これが最良の機会よ。今を逃せない。あなたたちが前進したくないならそれでいい、一緒に後退するわよ!

[アーミヤ] ドクター、サルカズ兵たちが戦場を離れています。……少しおかしな感じでしたね。

[アーミヤ] ダブリンや私たちとの混戦がこれだけ長く続いたのに、都市から援軍が送られてくることもなくて、彼らにダブリンを全滅させようという姿勢も感じられませんでした……

[アーミヤ] これは私たちがよく知るサルカズの戦士の戦い方ではないです。Wさんがレユニオンに連れて行った傭兵の方が真面目に戦っていたくらいです。

[ドクター選択肢1] 妙だな。

[アーミヤ] ドクター、私たちは罠にはまってしまったのでしょうか?

[アーミヤ] この衝突は、出来すぎなくらい突然起きました……まるで誰かが私たちを一か所に集めて、それで……

[アーミヤ] ええと、この罠は本当に私たちに向けて用意されたものなのでしょうか?

[アーミヤ] シージさんが言うには、戦場で私たちと同じように、一般市民に紛れる人たちを見たとのことです……しかもどうやら市民の味方をしているようだったと。

[アーミヤ] その人たちこそが、サルカズ兵が捕えたかった相手ではないでしょうか?

[ドクター選択肢1] 戦闘員はすぐに交戦エリアから撤退だ。

[ドクター選択肢2] 偵察チームは戦闘員および一般市民の撤退を援護して。

[ドクター選択肢3] 全員、付近の物陰に隠れて撤退準備だ!

[シージ] ……ドクターが撤退命令を下した。

[インドラ] あ? もうちょっとで市民の救助が終わるってとこなんだぞ!

[シージ] きっとドクターには考えがあるんだろう。行くぞ。

[インドラ] ……チッ。

[ロンディニウム市民] イ、インドラさん! ぼ、僕はここです――

[インドラ] トーマス?

[シージ] 行くな!

[インドラ] あ……

炎が一瞬にして全員の視界を満たした。

押し寄せる灼熱の熱波は、触れるものすべてを溶かしたようだ。

完全な破片が飛んでくることはほとんどなかったが、それでも強烈に伝わる震えは、死と限りなく近付いたことを生存者たちに肌で感じさせていた。

そして、その脅威はまさに頭上から襲いかかってきていた。

[インドラ] ……何事だ!?

[インドラ] 爆弾が降ってきてんのか? 誰かが落としてんのか? 地面に……突然……こんなでけぇ穴が!?

[インドラ] トーマス……ゴホゴホッ、煙がすごくて、何も見えねぇ!

[ダグザ] インドラ!

[ダグザ] 聞こえてたよね。シージがやめろって。

[インドラ] わかったよ。またお前に助けられたな。

[ダグザ] わかればいい。さっさと行くぞ――

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