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快刀乱麻_5-7_一蓮托生_戦闘前
チェンは昏睡状態から目を覚ました。ホシグマが崩れた壁と瓦礫からかばったおかげでチェンは救われたが、しかし二人とも怪我を負ってしまう。 迫り来る敵を前に、二人はいつものように武器を振り上げた。
[チェン] ぐっ……。
[ホシグマ] 本日三回目のお目覚めですね、おはようございます。
[チェン] どれだけ気を失っていた?
[ホシグマ] ほんの数十秒です。
[チェン] ――ホシグマ、どけ。私がその上の瓦礫の塊を切り裂く。
[ホシグマ] それは無理そうです。いま少しでも盾を支える力を緩めれば二人共ぺちゃんこです。小官は大丈夫ですから。
[チェン] だがお前の腕は……。
[ホシグマ] この程度、問題ありません。
[チェン] 何が問題ないだ! 二階分の瓦礫が盾に乗ってるんだぞ!
[ホシグマ] 確かに長くは保ちません。隊長が早めに目覚めてくれて良かった。屈んで、いつでも飛び出せる体制をとってください。
[チェン] ――
[ホシグマ] コノォォォォォ、どれだけ重かろうが――
[ホシグマ] ――ここで屈するものかぁぁぁぁ――
[ホシグマ] ――こんな重さなどないのと同じだ!! ガアアッ!!
[チェン] お前……。これだけの瓦礫を力任せにひっくり返せるとはな…。
[ホシグマ] はあっ、はあっ……クソッ、瓦礫を吹き飛ばしただけで、両腕に力が入らなくなるとは……。
[チェン] またお前に救われたな。
[ホシグマ] 何度でも助けますよ。他人行儀な言い方はやめてください、小官はあなたの部下なんですから。
[ホシグマ] ただ少しだけ、休ませてください。全身の骨がきしむようです……たまには戦場で横になってもいいでしょう。
[レユニオン構成員] ……クソッ、ここまでやってもまだ近衛局を殺れないのか!
[チェン] 残念ながら、横になるのを私が許しても、敵は許してくれないようだな。
[ホシグマ] 仕方ありませんね。もう少しだけ無理をするとしましょうか。
[ホシグマ] 隊長、先に離脱して部隊を掌握してください。ここで足止めをされるわけにはいきません、それこそ敵の思うつぼです。
[チェン] なに、こいつらを片付けてからでも遅くない。
[ホシグマ] この崩落で怪我をした隊員がほかにもいるかも知れません。どうかそちらに向かってください。
[チェン] 傷だらけのお前をここに残し、たった一人でレユニオンと戦わせるとでも?
[ホシグマ] チェン隊長、あなたはご自身の責務を忘れないでください!
[ホシグマ] 二年前、下水(かすい)エリアで賊を追ったときのことは覚えていますか? 小官は脚を負傷しましたが、チェン隊長は小官に一人で戦うことを許可してくださった。
[チェン] あのときお前はよく三時間も一人で奮戦できたものだ。
[ホシグマ] ええ、ですから今回だって十分にやれます。どうか小官を信じてください。
[チェン] 別に疑ってなんかいないさ。
[チェン] さぁ、レユニオンども! まとめてかかってこい!
[レユニオン構成員] クソッ、挑発しやがって!
[ホシグマ] 何故ですか! 小官はまだ戦えます。近衛局奪還はこれからです。こんなところで立ち止まっている暇はないはずです。
[ホシグマ] 数年前と同じです。チェン隊長にはチェン隊長がなすべきこと、隊長にしかなし得ないことがあるはずです。
[ホシグマ] 先程のモクカ倉庫でも感じました。いつの間にそんな合理性を無視した情を掛けるようになってしまったんですか!
[チェン] 仲間を暴徒の袋叩きに合わないようにするのは、不合理な話しではないさ。
[ホシグマ] どうしたんですか? 以前の強い隊長なら、そんな事は言わなかったはずです。
[チェン] 確かに以前の私は感情など無視して合理性だけで動いていた。だが今の私は……お前がさっき言っていたように――
[チェン] アーミヤを廃都市に置き去りにしたことを……良くなかったと私自身の情が訴えているんだ。
[レユニオン構成員] 今のうちだ! 感染者の怒りを味わわせてやる! いけっ!
[チェン] もしかすると本当に私は変わったのかもな。だから龍門への不満が減り、私のことを信頼してくれる者たちが増えたのかも知れない。
[チェン] お前ももうただのホシグマ督察官などではない。お前は私の友人であり、パートナーのホシグマだ。
[チェン] お前の盾がいつも私を守ってくれた。たまには私にもお前の盾をやらせてくれ、ホシグマ。
[ホシグマ] ……まったく…そんな恥ずかしい台詞をよく真顔で言えますね。
[チェン] *龍門スラング*
[ホシグマ] ハハハ。
[ホシグマ] 了解しました。では改めて相棒としてこの身をお預けします。
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