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紅炎遣らう落葉_CF-2_盤石の守り_戦闘後
裏山の洞窟で感染生物に遭遇したものの、爆弾を利用して危機を脱したヤトウとノイルホーン。二人はそこで見つけたものをきっかけに、リオレウスの調査続行を決める。その頃村では村長とある村人――利藤が口論になっており、他方で老狩人はすでに森へと踏み入っていた。
[ノイルホーン] 右だ! 気をつけろ!
[ヤトウ] ハアッ!
[ヤトウ] 上からも来るぞ!
[ノイルホーン] ――ッ!
[ノイルホーン] 間一髪ってとこか……!
[ノイルホーン] にしても、とんでもねえ数だな! こいつら、なんでこんな場所に出てきたんだ?
[ヤトウ] 何年経ってもそういう無意味な質問がやめられないな、お前は……
[ヤトウ] とにかく、これ以上奴らを進ませるな! 村に入られることだけは絶対に阻止するんだ!
[ノイルホーン] ヤトウ、右だ! また来るぞ!
[ヤトウ] ――くっ、刀が……! 無茶をしすぎたか……切れ味が鈍い……!
[ノイルホーン] なんとかしてあいつらを止めねえと……あ! そういや、前回の任務で申請した源石爆弾、カバンに入れっぱなしだったな。これなら通風口の蓋もぶっ飛ばせるんじゃねえか?
[ノイルホーン] リモート式だし、起爆はそれでいいとして、俺たちまで吹っ飛ばされないようにうまいこと使わねえと……
[ヤトウ] 通風口か……
[ヤトウ] あれは洞窟の内壁を貫いて外に通じているはずだ。爆弾で、上方にある通風口の蓋を吹き飛ばせば、そこから脱出できるな。
[ヤトウ] この洞窟にも爆弾を仕掛けておいて、先に蓋のほうを起爆する。通風口から出たら、今度は洞窟内の分を爆破してここを崩落させ、奴らの進行を食い止める……試してみる価値はありそうだ。
[ヤトウ] ただし、上方での爆発も崩落を早める要因になる。脱出までの時間は限られてくるぞ。
[ヤトウ] それに、爆弾を仕掛けている間は誰かが感染生物を食い止めなければならないが……行けるか? ノイルホーン。
[ノイルホーン] 当たり前だろ、しっかり守ってやるさ。代わりにそっちは頼むぜ!
[ヤトウ] ああ。気をつけろよ。
[ノイルホーン] さーて、俺がいるからには一匹だって通さねえぞ!
[ヤトウ] あと少しだ……よし! こちらは終わった!
[ヤトウ] 予定通り、まずは上方から起爆する!
[ヤトウ] 無事退路を確保できたようだな……計画通りだ。
[ノイルホーン] 先に上がっててくれ! 俺があいつらを足止めする!
[ヤトウ] ダメだ、危険すぎる。生き埋めにされてしまうぞ!
[ノイルホーン] ギリギリまであいつらを食い止めとかねえと、村に被害が出ちまうだろ。――俺を信じろって。
[ヤトウ] ……いいだろう。だが、指示はきちんと聞けよ!
[ヤトウ] こちらは登り終えた! ノイルホーン、急げ!
[ノイルホーン] おう、今行く! よっと――
[ノイルホーン] わっ!?
[ヤトウ] どうした?
[ノイルホーン] まずいな、ハシゴが折れちまった……
[ヤトウ] っ、なんだと!?
[ノイルホーン] ヤトウ、落ち着け。俺なら大丈夫だ!
[ヤトウ] 慌てるな、冷静になれ。考えろ、何か方法が――そうだ!
[ヤトウ] 爆風を利用しろ、ノイルホーン! 起爆時の衝撃波を盾で受け止めてその力で上まで飛び上がるんだ!
[ヤトウ] お前の手は私が必ず掴んでみせる!
[ノイルホーン] ははっ、すげえこと言うな。いいぜ、やってやるよ!
[ヤトウ] では、衝撃に備えろ!
[ヤトウ] 今だ、跳べ!
[ヤトウ] よし――掴んだ!
[ヤトウ] 上がって――来いっ!
[ノイルホーン] やれやれ……助かったぜ、お陰さんで傷一つなしだ。
[ヤトウ] ノイルホーン……お前、少しダイエットしたらどうだ。
[ノイルホーン] あー……帰ったらハイビスに健康食のレシピでも聞いてみるか……
[ヤトウ] ……いつの間にか森まで来ていたな。
[学者アイルー] こっち、こっちですニャ! ツノの人たちも無事に逃げられたみたいですニャ!
[鍛冶屋アイルー] 逃げられたニャ! よかったニャ!
[ノイルホーン] そっちもな。しかし、お前らはなんでどっからでも湧いて出てくるんだ……?
[ヤトウ] ……あの肉は間違いなく、洞窟の奥の何かをおびき出すために、誰かが意図して置いたものだった。恐らく、その何かの手を借りて私たちを始末するつもりだったんだろう。
[ヤトウ] だが我々が洞窟から逃げおおせた今、その人物の計画は破綻した。
[ノイルホーン] その人物ってのは……俺らに洞窟の場所を教えたあの人のことか?
[ヤトウ] さてな。まあ、彼であろうとなかろうと、村を壊すことが目的というわけではないだろうし、あの洞窟が封じられた以上はこちらに手を出しにくくなるはずだ。
[ヤトウ] そして仮に、鉱石病の問題がリオレウスと洞窟の両方に関係しているとすれば、この件の解決方法も見えてくる。……要は洞窟の最奥部に辿り着けばいいんだ。
[ヤトウ] 洞窟の構造を見るにそれは必ずこの山脈のどこかにあるはずだが……特定は困難を極めそうだな。
[ノイルホーン] なら、リオレウスを探してみねえか?
[ノイルホーン] 洞窟の中には、リオレウスがいた証拠が色々あった。となれば、あいつはその最奥部まで立ち入ってるかもしれないだろう。
[ヤトウ] そうだな。可能性は高そうだ。
[ヤトウ] 村に戻れば動きが取りづらくなることを考慮しても、我々にできることはただ一つ……
[ヤトウ] 森の奥へ向かい、リオレウスを探すしかない。
[学者アイルー] お待ちなさいニャ!
[学者アイルー] 激しい攻防を終えたばかりですのに、またすぐにリオレウスを追いかけようなんて……ネコ生というのはまったく波乱万丈ですニャ。
[学者アイルー] しかし、ゆえにこそ! お腹を満たすことは大変重要ですニャ! さあさあ、アイルーのスペシャル料理をご堪能くださいニャ!
[ノイルホーン] さっき余り物だとか言ってただろうが!
[学者アイルー] ちっちっ、本当に何もわかってないですニャ。真の美食というのは色褪せぬものなのですニャ!
[ノイルホーン] はあ、もういいや……肉が食いたい、一口くれ。
[ヤトウ] 私ももらおう。
[学者アイルー] それでは、生態調査にしゅっぱーつ! ですニャ!
[鍛冶屋アイルー] 新しい素材を求めてしゅっぱーつ! だニャ!
[ヤトウ] …………
[ヤトウ] リオレウス……待っていろよ。
[滝居應] 利藤。あの二人を勝手に洞窟へ行かせたこと、きちんと説明してもらおうか。
[利藤裕] 簡単な話ですよ、村長。あの二人は怪物とやり合うつもりのようでしたから、チャンスを与えてあげたんです。
[滝居應] 外の人間に、我々の秘密を知られたらどうなるか……お前もわかっているんだろう?
[利藤裕] 当然ですとも。村長の姪っ子さんも、久しぶりにお戻りになった時は秘密を知って随分大騒ぎしてらっしゃいましたしねえ。
[利藤裕] ロドスのような源石を専門分野とする企業に知られたら、なおのことです。
[滝居應] では、この責任をどう取るつもりだ?
[利藤裕] どうもしませんよ。二人は洞窟で死ぬんですから。
[利藤裕] よく考えてください、村長。私は餌を撒いたんですよ。あなたも私も昔は狩人だったんですから、結果はわかっているはずです。獣というのは、血の匂いに抗えぬものだということを。
[利藤裕] 我々の秘密へ辿り着く前に、二人は怪物に遭遇し――死闘を繰り広げることになるのです。
[利藤裕] 彼らが口先だけの人物ならば、怪物に殺されてくれますから、あれこれと憂慮する必要もなくなります。
[利藤裕] その一方、二人が本物の実力者で、あの怪物を倒すことができたとしても、それはそれで我々の得になりますよね? 危険を排除できるわけですから。
[利藤裕] そこで、彼らが洞窟に入ったあと少し時間をおいて、部下に追跡させておきました。
[利藤裕] 怪物と戦えば満身創痍は免れませんし、我々はいつでも彼らにトドメを刺せるというわけです。
[利藤裕] つまり、どちらに転んでも得をするということですよ。
[滝居應] 悪巧みだけは一人前だな。
[利藤裕] 洞窟を封鎖して隠し通すというあなたの方針よりはマシだと思いますがね。
[滝居應] ふん……
[利藤裕] そう怖い顔をしないでください。あなたにも似たような算段があったことはわかってるんですよ。だからこそ、あなたに代わり早めに手を打って差し上げたんじゃないですか。
[利藤裕] 何しろ明がいなくなってからというもの、あなたの一番の補佐はこの私ですからね。
[慌ただしい村人] 村長、大変です! 裏山の洞窟で爆発が!
[慌ただしい村人] 崩れてきた石で、入口が塞がれてしまいました……!
[滝居應] 状況はわかった。後始末を頼む。何人か連れて瓦礫を片付けて、中に入れるようにしてほしい。
[滝居應] すぐに作業を始めてくれ。
[滝居應] ……これもお前の仕業か? 利藤。
[利藤裕] いやいや、さすがに予想外でしたよ。
[利藤裕] ですが、洞窟が崩落したなら彼らの生存は絶望的でしょう。きっと怪物と相討ちになったんですよ。これで、計画には何の支障も出ませんね。
[滝居應] ――今回の件については……
[滝居應] 村の利益と損失を確かめた上で、お前の身勝手な行動の責任を追及するかを決めるとしよう。
[滝居應] あの二人の生死については、人を遣って確認させておく。
[利藤裕] それはいいですね。……では、村長がそう仰るのなら帰らせていただきましょう。まだ勘定仕事が残っていますし。
[滝居應] ……
[滝居應] はあ……
[滝居應] やはりお前が正しかったんだろうな、明……
[柏生義稜] ん……
[柏生義稜] また木の葉が落ちてきたな。
[柏生義稜] もう秋か……
[柏生義稜] ――行くぞ、明。
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