登録日:2022/11/14 Mon 16:55:00
更新日:2024/06/27 Thu 11:26:19NEW!
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kh kingdom hearts 第3の主人公 レプリカ 偽者 腰ミノ 宮野真守 かわいそう コピー 何故かなかなか立たなかった項目 com 真ⅹⅲ機関 嫉妬 哀しき悪役
※注※
この項目はKINGDOM HEARTSシリーズの重大なネタバレを含みます
なんなんだ お前は!?
驚いたか? そりゃそうだよな
自分と同じ顔だからな
リク=レプリカとはKINGDOM HEARTSシリーズの登場人物。
初登場はシリーズ二作目のKINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES。
そして同シリーズ屈指の哀しい男である。
概要
名前の通り、レプリカという技術によって忘却の城にて作られたリクのコピー。
ⅩⅢ機関のヴィクセンによって作られた。
見た目は初代KH並びにCoM時点でのリクと全く同じ。
ただ、本物と異なり自称「闇を恐れていない」ため常にDモードの闇の腰ミノ姿のことが多い。*1
武器もリクと同じソウルイーター。
CVもオリジナルのリクと同じ宮野真守。
所謂、偽者キャラ。
しかし、本人は作られた存在である自覚はあるものの「偽物」と言われると激昂するなど、コンプレックスに思っている。
性格は闇に囚われていたリクそのものの。
ちなみに、過去のリクの記憶は持っていない。
当初は本物のリクを超えることで自分の存在意義を確立させようとしていたが…
KINGDOM HEARTS CHAIN OF MEMORIES
本来はソラ編→リク編とプレイすることで彼の全容がわかるようになっているのだが、本項目ではわかりやすいよう時系列順に解説する。
リク編序盤
ヴィクセンがリクとの戦いを通じて収集したデータをレプリカに抽出したことによって誕生。
この過程でソラを模した試作レプリカも誕生したのだが、それはまた別の話。
闇に拒否感をもつリクの前に現れ、彼を「闇を恐れる臆病者」と罵倒し、戦いを挑むも経験の差かこの場は敗れる。
しかし、闇の力を使いリクを弾き飛ばし、生まれたばかり自分はこれからもっと強くなることをリクに伝えて撤退する。
その後のヴィクセンにも「あんな怖がりすぐに超えやる」「本物のリクもソラも俺の敵じゃない」と大口を叩いていた。
この時は上記のように昔のリクのような自信家かつ本物を越えることを目標にしていた。
その後ヴィクセンに連れられ、ソラを倒すために城の地上へ向かう。
ここで彼に悲劇が訪れる。
アクセルたちにソラを困惑させられるようナミネの力を使い、自分を本物と思うよう記憶を作り変えるよう提案される。
リク=レプリカがリクを超える理由など一切考慮してなかった。あくまで自分の成果物を試したいだけだったヴィクセンもこれに反対せず。
必死で抵抗するも生まれたばかりの彼では機関員のラクシーヌに勝てるわけもなく、「たかが偽物」「負けた記憶だってナミネが消してくれる」「ステキな思い出ができる。嘘の思い出だけどね」と散々に尊厳を踏みじられた挙句、記憶を作り変えられてしまう。
ソラ編
「自分はリク」「流星群の夜にナミネを守ると誓い、彼女に星型のお守りをもらった」「ソラはナミネを傷つけた」という偽りの記憶を与えられたリク=レプリカは今までとは一変。
愚直なまでにナミネを守る一途な性格となっていた。
ソラをナミネと合わさないようにするために、ソラと何度も戦いを繰り広げる。
見た目は全く本物と同じなため、ソラたちも当初は本物のリクが城の力で記憶を失い思い出した結果心変わりしたものと思い込んでいた。
しかし、ソラを倒すことはできず、機関からも離れ単独行動を取るようになる。
余談だが、ヴィクセンはこの責任を取らされる形でソラたちの前に現れることとなる。
ヴィクセンが滅んだ後、ナミネを守る約束をしたこと、彼女からお守りをもらったことを話すも、ソラも同じ約束をし、同じお守りを持っていたことに困惑する。
最終的にソラのお守りは偽物と判断し戦闘となる。*2
敗れたリク=レプリカはお守り…記憶操作でお守りに見えていたカードを残して撤退する。
その後、デスティニーアイランドで自身の記憶を疑い始めたソラと彼に真実を伝えようとしたナミネの前に現れる。
ソラの記憶をデタラメ・偽物と言い放ち、ナミネを守るため死力を尽くして戦うも敗れる。
だが、自分を心配して近づいてきたソラを不意打ちで攻撃し、とどめを刺そうとする。
ナミネに制止されても攻撃をやめなかったリク=レプリカはナミネの力によって記憶をバラバラにされ心が壊れてしまい、廃人同然になってしまった。
この後ラクシーヌによってソラにも彼がレプリカであることが明かされる。
その後はナミネに見守られていたが、奇跡的に復活。城の主マールーシャに捕らえられたナミネを救い出す。
俺の体も心も偽物だ
なくすものなんて 最初から何もなかった
でも なくしたくない記憶はあった!
たとえ嘘だったとしてもだ!
幻の約束でも構わない
俺は ナミネを守るんだ
全てが偽りとわかっても、リク=レプリカはナミネを守ろうとしたのだった。その後、マールーシャとの戦いに向かうソラからナミネを守るよう頼まれる。
マールーシャが倒されたものの、ソラたちと異なり元々の記憶がほとんどないリク=レプリカは記憶の再生ができなかった。
偽物とか そんなのもう関係ないって!
ここにいるお前は 他の誰でもない
おまえだけの心を持ってるんだろう
おまえの思い出は おまえだけの
ものなんだから 大切にしろよ!
ソラに励まされたリク=レプリカは「その気持ちは本物だって偽物の俺でもわかる」と感謝の言葉を言い残しどこかへ去っていった…だが…
リク編後半
立ち去ったはずのリク=レプリカだったが、アクセルと遭遇。「リクにない力さえ手に入れればリクとは別人になれる」と惑わされてしまい、ゼクシオンを襲い彼の力を吸収してしまう。*3ゼクシオン不遇伝説の始まりである
しかし、彼の中では何も変わらなかった。
リク=レプリカは記憶のトワイライトタウンにて再び本物のリクの前に立ちふさがる。
ふん おまえ変わったな
前に会った時は自分の闇を怖がってたのに*4
なぜわかる
俺はおまえだからさ
俺は俺だ
俺は俺── か
うらやましいな 本物は
偽物の俺には絶対に言えない台詞だ
そうだ 偽物なんだよ俺は!
俺の姿も記憶も気持ちも全部!
それに この新しい力も!
新しい力を手に入れたら おまえの偽物じゃ
なくて 別の誰かになれると思った!
だけど何も変わらない──
空しいままだ!
やっぱりみんな借り物なんだ
おまえが存在する限り
俺は永久に影なんだッ!
半狂乱になったリク=レプリカは武器を構え、リクもそれに答える。
そのような精神状態で成長したリクには勝てる道理はなかった。
滅びゆくリク=レプリカは偽物の自分には消えるのも怖くはない、気持ちだって嘘だからと嘯く。
彼は「自分が滅んだ後に自分の心はどこへ行くのか」と考えていた。
どこかへ行くさ
たぶん 俺と同じ場所だ
ちっ――そんなところまで
本物の真似かよ
まあ いいか
最後まで誰にもなれず消えていった*5自称偽物をリクは悲しげに眺めるのだった。
戦闘において
ソラ編では4回、リク編では2回戦うことになる。
これだけの回数戦うことになるのはシリーズでも珍しい。
ストック技も本物のリクと同一だが、ダークブレイクだけ微妙に性能が違い名前も兜割りになっている。
ソラ編では最初はあまり強くないが、回数を重ねるごとに強くなり、ストック技も積極的に使うようになり、四戦目ではラスボスに並ぶ強さとなる。
倒すと「リク」のカードがもらえる。…まあ、彼との最終戦後はまだ正体がわかってなかったので仕方ない。
リク編では一戦目はこっちが最強の忘却の城デッキが使えることもあり、まず苦戦しない。
問題なのは二戦目でこっちは使いにくいトワイライトタウンのデッキになっているのに向こうは凄まじい強化をされている。しかもGBA版では王様のカードが使えず回復もほとんどできなかった。
ラスボスより強いという意見もあるほど。
自分の数字の低めのカードをストックで消しつつブレイクを狙う戦法が有用。
また、ナンバープラスで0のカードを自ら封じるのでその場合は数字が高めのストック技で攻めよう。
CoMのまとめ
可哀想なやつである。
生まれからして微妙に可哀想なやつなのに、完全にモノ扱いされ「本物を超える」という願いすら上書きされてしまう。
偽物の記憶に踊らされ相手を偽物呼ばわりするその姿は完全に道化。
ナミネを思う気持ちは本物とは言うものの、記憶を弄り、彼を一度廃人にしたのもナミネである。
ソラの言葉でささやかな安心を得たが、根本的な解決には至らず、最後は自殺同然に本物に挑み、負けて消えていくと救いがほとんどない。
CoMはやや渋い作風なのだが、その原因はこの男と言っても過言ではない。
また、リク編はリクが自分の闇を見つめ直し受け入れ自分を定義していくアイデンティティ模索の面を持つの話なのだが、最後まで自分自身を偽物としか見れなかった彼は自分を見つけられなかったもう一人のリクとも言える存在であり、誰かの分身的な存在だが、選ばれなかったという点ではもう一人のロクサスとも言える存在である。
本物と偽物、光と闇といったCoMのテーマを体現した存在でありアルティマニアでは「第三の主人公」と称されている。
小説版
研究成果やオモチャ呼ばわりされるなどモノ扱いされた際には困惑していたり、ナミネに書き換えられた記憶の詳細が書いてありなぜソラを嫌っていたかわかるようになっていたりと彼の心情が細かく描写されている。
やはりソラにかけられた言葉に対して少し救われていたことも明らかにされている。
マンガ版
今作では、リクを連れてこようとするも逆にボコボコにされたヴィクセンが代わりに作ったという描写になっている。
ほぼゲーム準拠だが、ソラ編ラストのマールーシャ戦で助けに来るシーンがカット。
しかも単行本描き下ろしではラクシーヌの食いかけの肉をお守りにしたり、リクの影に寄り添ってみたり、ヴィク=レプリカに付き纏われたりとネタキャラ化していた。
擁護しておくと漫画版は連載期間が短かったため、すべてのキャラに見せ場を入れるのは不可能だったため仕方ない面もある。
一応、最期は生きて自分探しの旅に出たためその点では救われてると言えなくもない?
その後のシリーズにおいて
上記のようにロクサス、シオンなど似たポジションや関連人物は登場したものの本人は滅んでしまったため登場することはなかった。
χや、Uχでカードやメダルが出ていた程度。後にDRでも登場した。
余談だが、これらのシリーズでは珍しい私服姿のリク=レプリカのカードもあった。
どう見ても消えたはずだったが、3Dでの過去のシリーズを見れる項目に「立ち去った」と表記されファンの間で物議をかもした。*6
が、HD版では「闇の中に消える」と無難な表現に直されていた。
また、同作でモンストロにてリクが自分と同じ顔の黒コートの男を見た際に「形を変えて現れる自分の闇の部分」の一人としてリク=レプリカのことを思い出している。
ということで完全に消えてないのではという意見が出てきており…
KINGDOM HEARTSⅢ
まさかの再登場。
闇の世界でアクアの行方を探るリクと王様の前に現れたハートレス「デビルズタワー」はかなりの強敵であり、一度は倒されるもののリクを飲み込んでしまう。
苦しむリクに何者かが語りかける。その声はリクと同じ声だった。
目が覚めたリクは一度体勢を整えるため戻ることにするのだが、その際に破損したキーブレード「ウェイトゥザドーン」を「もう一人の俺のため」に残していく。
さらにアンチ・アクアとの戦いにて、リクにウェイトゥザドーンを構えたKH1の頃のリクが重なるという演出があった。なお、この後ウェイトゥザドーンは一切出てこない
そして物語終盤。
真ⅩⅢ機関との決戦を前にデスティニーアイランドで休養をとるソラ、カイリ、リクだったが、リクは一人砂浜で座っていた。
いつお前の中にいると気付いていた?
そんな彼に語り掛けたのは、消えたはずのリク=レプリカだった。
肉体が滅んで心だけになり、闇の世界をさ迷っていたようでデビルズタワーに苦戦するリクたちと奇跡的に邂逅し以降リクの心の中に潜んでいたのである。*7
このまま闇に溶けるくらいならリクの中がいいと語っており、長い年月を得ての再開のためか、その態度は非常に柔らかい。この時「お前たちと別れたあと肉体が朽ち果てた」って言ってるから立ち去ったことが前提でシナリオが書かれている気がしないこともないが気にするな!
リクも憎からず思っていたのか「ゆっくりすればいい」と答えている。
だが、最後にやることがあるとも言っており…
※注※
この項目はKINGDOM HEARTSⅢの重大なネタバレを含みます
俺が本物だ――
俺が本物なんだ――
キーブレード墓場での最終決戦にて明らかになる事実。
それは過去のリクを自称していた「ダーク・リク」の正体は過去のリク=レプリカであったということ。
ダーク・リク
真ⅩⅢ機関の一員。
アンセムに憑依されていた頃のリクがレプリカで活動していた…と思われていた男。
見た目は初代KHのリクと同じだが、真機関員らしく金の瞳をしている。
当初は黒コート姿も披露しているが、戦闘時にはいつもの闇の姿となる。
ソラやマレフィセントはもちろん、リク本人ですら本物のリクと思い込んでいた。
ベイマックスの世界「サンフランソウキョウ」で人形に心を宿す実験のため暗躍していた。
ハートレス「ダークキューブ」を利用し負の感情を集め、心を戦闘チップに再現させ、回収した初代ベイマックスのボディに2つを纏わせることで「ダークベイマックス」を誕生させた。
キーブレード墓場では闇の巨人を呼び出してハートレスの群れを召喚する特殊能力を披露している。
墓場での決戦ではシグバールと余り物コンビを組みソラとリクを迎え撃つ。
近接攻撃だけでなくトラップやアンセムの真ダークバイトも使うので意外な強敵。
消滅間直に上記のセリフを言ったことで正体を見抜かれる。
その時、リクの心の中のリク=レプリカがダーク・リクに突撃。彼の体がレプリカであることを見抜く。ちなみにこのシーンはリクの顔をしたやつが3人もいるややこしい絵面に
彼は新たな器を手に入れる時を待っていたのだ。
リク=レプリカに引き抜かれたダーク・リクの心。後にはレプリカのみが残されていた。
おい 何やってるんだ
復活するんじゃないのか?
俺?
俺はもういい おまえがいる
まだ助けないといけない子がいるだろ
その器を使え
おまえ ナミネのために
頼んだぞ
どことなく誇らしげにほほ笑んだリク=レプリカは闇となったダーク・リクと共に光となって消えていったのだった。
その後、レプリカはデミックスにより賢者アンセムの元に届けられ、ナミネの復活に用いられている。
リクはリク=レプリカの言葉に従い、復活したナミネをエンディングでエスコートしている。
Ⅲのまとめ
可哀想なやつである。
CoMの時と異なり、自分への執着がなくなったことが悪い形で出ている。
Ⅲのコンセプトには「今までの登場人物の救済」があるのだが、自己犠牲で消えたことでそれから外れてしまった。
レプリカ研究の第一人者のヴィクセンが裏切っていたため、自己犠牲自体が無意味の可能性があるというのが救いがない。
シリーズの根底には「例え分身やコピーでも、自分は自分として生きていい」という物があるがその点に反してしまっている点でも可哀想。
リクに託すのではなく、ナミネをリク=レプリカ本人にエスコートさせてあげてほしかったという意見は多い。
2022年現在、googleのサジェストに「リクレプリカ かわいそう」と出てくるくらいにはかわいそうな奴である。
逆に言うと今後のシリーズでの再登場並びに救済が最も期待されているキャラでもある。
リク=レプリカの明日はどっちだ。
追記・修正は本物にお願いします。
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▷ コメント欄
- 架空の世界で再登場できませんかね… -- 名無しさん (2022-11-14 17:57:17)
- お前は作られた模造品だ! -- 名無しさん (2022-11-14 20:56:07)
- 本人の心理的には十分救われていたのだろうが……その結果が貧乏くじ担当だったというな。 -- 名無しさん (2022-11-14 21:36:44)
- ↑ほっといてもハッピーになれたのに貧乏くじを自ら作っちゃった感があるのが可哀想な点だと思う。 -- 名無しさん (2022-11-15 22:12:07)
- タグを消した方がいいかというと微妙かもしれないけど、正直シリーズ全体通してもマイナーな方に入るキャラだし、「何故かなかなか立たなかった項目」どころか項目が立ったこと自体がビックリなレベルなキャラだと思う… -- 名無しさん (2022-11-16 01:38:15)
- Ⅲのテーマの一つである自己犠牲の悲劇的側面を担ったキャラ -- 名無しさん (2022-11-17 09:00:49)
- ラクシーヌがリク=レプリカに「偽物の人形」と言うシーンをDaysのPVのネタ(シオンが「勝手なこと言わないで!」と激高する)を組み合わせるという奇策やったら本気で笑えないことになったという裏話があるとか。 -- 名無しさん (2023-05-13 20:55:42)
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*2 Re:CoMでは戦闘前に記憶が作り変えられたような演出が入る
*3 Re:CoMではソラ編エンディングでアクセルと会うシーンが追加されている
*4 シナリオ上でリクは既に自分の中の闇を受け入れている。
*5 ちなみに消える演出がRe:CoMで変更されついる。CoMでは体が透けるように消えていき、Re:CoMでは自ら産んだ闇の中に溶けるように消えていく
*6 Re:CoMの演出ならなんとかセーフだが、CoMの演出だと完全にアウト。
*7 実際、これは心の中の会話であり、リク以外にリク=レプリカは見えていない
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