登録日:2021/02/05 Fri 22:34:19
更新日:2024/05/24 Fri 13:45:13NEW!
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勇敢な討死
潔い自害
戦いと死こそが武士の名誉
その少年は
逃げる事で英雄となり
生きる事で伝説となった
『逃げ上手の若君』とは、『週刊少年ジャンプ』で2021年8号から連載されている漫画である。
略称は『逃げ若』など。
作者は『魔人探偵脳噛ネウロ』『暗殺教室』でおなじみの松井優征。
現在11巻まで発売。2023年3月にはアニメ化が発表された。
連載作品が3作連続でアニメ化というのは、大御所クラスの漫画家でもそうそう見られない記録であり、「週刊少年ジャンプで初連載作品から別作品3作連続10巻以上の長期連載達成」という週刊少年ジャンプ史上初の快挙も成し遂げている。
●目次
【概要】
ジャンルとしては歴史もの。『ジャンプ』では『影武者徳川家康』以来18年ぶりとなるであろう、史実上の人物・事件を下敷きとしたストーリー。
時代としては鎌倉時代末期(1333年)から室町時代(1392年)にかけての、所謂「南北朝時代」と呼ばれる辺り。
確かに激動の時代ではある……が、メジャーどころの鎌倉・戦国・幕末ほどクローズアップされることは少ない、良くも悪くも地味というか微妙な時期。
しかしだからこそその分、作者・読者共に既存の人物像に縛られずに楽しむことができ、歴史に詳しい人ならあの事件をどう描くのかという楽しみがあり、そうでない人ならば新鮮な気持ちで読めると思われる。
歴史ものと言うからには、お堅い内容や難しい言葉が出てくるのだろうかと思わせるが、そこは流石の松井優征先生。
氏の得意とする一筋縄ではいかないキャラクター、特にメインの人物である諏訪頼重の強烈過ぎる個性や、700年先を余裕で突き抜ける現代時事ネタやイメージ、例え表現を容赦なくブチ込むフリーダムでカオスなスタイル。
それでいてギャグをギャグで済ませず綺麗にまとめ上げた作りで、ギャグとシリアスとグロテスクが混ざり合った独特の世界観を醸し出している。
その分『暗殺教室』では抑えられていた『魔人探偵脳噛ネウロ』のような怪奇描写は全開で、作画崩壊に見えてしまうコマ*1も少なくない。
基本的な設定考証はしっかりと行われているが、漫画としてのエンタメ性を重視して敢えて南北朝時代になかった要素を混ぜているといった感じ。
独特の濃いキャラ付けで、歴史物にありがちな似たような名前がいっぱい出てきてキャラを覚えづらいという難所をうまく捌いていると言えよう。
時代が時代だけに殺人・裏切りがポンポン描写されるため、『魔人探偵脳噛ネウロ』寄りの癖の強い作風であることだけは注記しておきたい(掲載誌が掲載誌なので直接的な表現こそないが、強姦などを想起させる描写もある)。
滑り出しは軒並み順調といった所で、連載開始と同時にメインの登場人物である「北条時行」「諏訪頼重」が検索ランキングで急上昇した。
尚、史実ものであるが故に深く検索し過ぎるとネタバレになるであろうことや、頼重のほうは同姓同名の戦国武将がいることに注意。教科書レベルの知識で既に察しが付くとか言っちゃダメ。
少年漫画としては珍しく同時代の史料や軍記物を参考にした作劇で、基本的には大元の歴史の流れに忠実かつ、史書の記述や最新の研究に則った人物造形が成されている。
もちろん、漫画としての見栄えの重視のために、日本史の大きな流れに影響がない範囲で意図的にフィクション要素を盛り込んでいる部分もあるが。
また、
- 歴史考証:NHK大河ドラマ『平清盛』のほか、『センゴク』『新九郎、奔る!』といった漫画作品の監修も担当したり『林先生の今でしょ講座』などテレビ番組でも積極的に顔出し出演をされる歴史学者本郷和人氏
- 諏訪監修:伝説のカルト鬱エロゲー『さよならを教えて』のライターで、現在は諏訪信仰研究会の事務局長を務める石埜三千穂氏
が携わっている。
両先生は、本編の前後に組まれたコラムコーナー『解説上手の若君』で、その週のストーリーに連動した「史実で〇〇はどうなっていたか」という歴史解説も執筆されている。あとたまに漫画本編にも出てくる
他には作中に登場する甲冑は途中から株式会社メルタに委託し、3DCGモデリングを製作してもらって作画に落とし込んでいる。これによって、週刊連載漫画としては異例の作画量である鎧姿のキャラクターを仕上げることが可能となった。
こうした拘りの甲冑モデリングは、連載準備段階から第4話までの原稿料くらいの私費を投じて依頼しているという。
また、鬼紹介の文字には書家の前田鎌利氏、単行本装丁には日本画家の朝倉隆文氏を起用するなど、異業種のクリエイターと積極的にコラボレーションしていくスタイルを取っている。
なお今回の単行本のキャラ解説はソシャゲ風パラメーター表記。各種パラメーターの他保有スキル、保有武装が設定されている。
※ステータスの詳細
- レアリティ:その年代における人物の重要度。なのでステータス数値とレアリティが比例しない場合もある。
- 能力面
武力:刀、弓、馬術などの個人戦闘力
知力:知識、機転、戦略などの総合力
政治:内政、調略、権力争いを制する力
統率:政治体制や味方の軍をまとめる力
魅力:善悪に拘らず人を引き寄せる力
- 南北朝適正
蛮性:荒々しい時代を戦い抜く生命力
忠義:高すぎるか低すぎる時に力となる能力値
混沌:次々に変わる環境、状況への適応力
革新:古きに拘らず新しい世界を作る意思や発想力
逃隠:人の眼が行き渡らない時代に適応する能力
2023年3月20日にアニメ化が決定したことが発表された。
アニメ制作はCloverWorks。監督は『ワンダーエッグ・プライオリティ』副監督の山崎雄太、シリーズ構成に『その着せ替え人形は恋をする』の冨田頼子、キャラクターデザインに『劇場版ポケットモンスター ココ』総作画監督の西谷泰史。
同月26日には、時行役に新人の結川あさき、頼重役に中村悠一が決定した。
【あらすじ】
鎌倉と室町の歴史の狭間で、誰にも物語られたことのない逃げる英雄がいた――。
その名は北条時行。足利高氏によって鎌倉幕府を打倒され、家族も地位も失った少年は、地の果てまで逃げ延び復讐を遂げられるか!
(『週刊少年ジャンプ』公式サイトより抜粋)
【登場人物】
CV表記は「アニメ版/ボイスコミック版」とする。一つの場合はアニメ版キャスト。
時行の仲間たち「逃若党」
逃若党の詳細は時行の項目を参照。
- 北条時行/長寿丸
レアリティ (1333年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 6 | 蛮性 | 11 |
知力 | 27 | 忠義 | 80 |
政治 | 4 | 混沌 | 48 |
統率 | 12 | 革新 | 22 |
魅力 | 41 | 逃隠 | 89 |
↓
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 34 | 蛮性 | 18 |
知力 | 47 | 忠義 | 80 |
政治 | 32 | 混沌 | 52 |
統率 | 38 | 革新 | 34 |
魅力 | 69 | 逃隠 | 93 |
CV:結川あさき/大塚琴美
得宗・北条高時の次男坊にして、この作品の主人公。
平穏な鎌倉の街を愛し、戦や政を嫌う優しい少年。
一方で「逃げる」ことについては並々ならぬ執念と才能を持ち、その気になれば家臣の目を2日はごまかせる程である。
「とにかく戦ってなんぼ、負けるぐらいなら死ね」と言わんばかりの鎌倉武士の価値観からは腑抜けも良いところで、北条家の没落も目に見えている時期なだけあって誰からも期待されていない日陰者。
彼自身「お飾りの王に知力も武力も無用」「ただ大好きな鎌倉の街で生きていければそれでいい」と達観、いや諦観しているふしさえあった。
……だが、足利高氏による裏切りと鎌倉幕府の滅亡、父と兄の死、そして自らも死の淵の淵に立たされたことで才能が開花。
頼重から、今はとにかく逃げ延び、やがて痺れを切らした鬼が討って出た所を狙う「鬼ごっこ」による天下奪還を持ち掛けられたことで、彼の戦が始まる。
詳細は個別項目を参照。
※史書に残る北条時行について簡単に
鎌倉末期から南北朝時代の武将。鎌倉幕府最後の得宗・北条高時の遺児(次男)。
鎌倉幕府が滅ぼされ、新たに建武の新政が始まった頃(建武2年/1335年)、旧幕府残党を集めて「中先代の乱」と呼ばれる武装蜂起事件を起こした。
一時は鎌倉を奪還しており、「中先代」の名称もここから来ている(先代(北条)→中先代(時行)→後代(足利)という意味合い)が、
足利尊氏に鎌倉を再度取り返されて乱は失敗に終わるも、時行はその追跡から逃れることに成功。
以降も北条家再興を諦めず、逃走・潜伏と復活・蜂起を繰り返し、時には父を討たせた後醍醐天皇と手を組んでまで足利に抵抗し、
「中先代の乱」を含めて3度鎌倉を奪還しているが、その度に足利に奪い返され、最期は捕縛されて斬首され、その短い生涯を閉じた。
ただし、生存説あり。
ぶっちゃけ、日本史の本流から少しずれたところで何やかやしていた鎌倉末期~南北朝時代初期のマイナーな人物・武将であり、
本作の第一話解説からして「日本史の教科書にあっても一行くらいの記述」「テストが終われば忘れる程度」とか書かれているくらいにはマイナー。
- 諏訪雫
レアリティ (1334年) | ☆☆ | R | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 2 | 蛮性 | 5 |
知力 | 45 | 忠義 | 96 |
政治 | 38 | 混沌 | 26 |
統率 | 49 | 革新 | 41 |
魅力 | 62 | 逃隠 | 28 |
CV:矢野妃菜喜/高木遥香
諏訪大社の長・諏訪頼重の娘であり、巫女。
一党でのポジションは執事*2で出会った時点で、既に頼重の仕事を補佐する立場にいる。
- 祢津 弧次郎
レアリティ (1335年) | ☆ | N | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 63 | 蛮性 | 90 |
知力 | 37 | 忠義 | 95 |
政治 | 5 | 混沌 | 59 |
統率 | 61 | 革新 | 31 |
魅力 | 42 | 逃隠 | 43 |
CV:日野まり/佐藤恵
祢津氏の血縁者で、時行救出の際に頼重が連れてきた部下で刀を振るう小柄な少年。
天性の逃げ上手で「当たらなければどうということはない」を地で行く反面攻め手はサッパリな時行の「刀」となって敵を攻め立て、攻撃のチャンスを作り出すのが主な役回り。
- 望月 亜也子
レアリティ (1335年) | ☆ | N | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 58 | 蛮性 | 86 |
知力 | 32 | 忠義 | 92 |
政治 | 7 | 混沌 | 78 |
統率 | 19 | 革新 | 42 |
魅力 | 68 | 逃隠 | 35 |
CV:鈴代紗弓/綾瀬みゆう
望月氏の庶子で、時行救出の際に頼重が連れてきた部下で薙刀使いの少女。
一党での役職は「便女*3」。
時行や雫とあまり変わらない年齢らしいのだが、自分でも「デカ娘」と自虐するほど頭一つ背が高く、バスケットボールぐらいの大きさの岩石を片手でブン投げる並外れた膂力と身体能力の持ち主。綺麗な顔立ち・背丈から齢10歳ながらも成人女性に見間違えられたほど。
戦では弧次郎ともども主君の「刀」として好機を作りだすのが役目。
- 風間玄蕃
レアリティ (1334年) | ☆ | N | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 11 | 蛮性 | 75 |
知力 | 39 | 忠義 | 18 |
政治 | 2 | 混沌 | 84 |
統率 | 4 | 革新 | 81 |
魅力 | 6 | 逃隠 | 79 |
CV:悠木碧
頼重から時行に「邪道を知る家臣」「盗みの達人」としてスカウトを勧められた、信濃の桔梗が原に悪名を轟かせる盗賊の少年。
詳しい年齢は不明だが、逃若党の中で唯一飲酒している描写がある為、元服済みかつ時行達よりも年上な模様。
ビジュアルは常時狐の面を被った小生意気な少年。ただし素顔は未だ誰にも見せていない。
性格は筋金入りの女好きかつ守銭奴な俗物。
モデルは桔梗が原の民間伝承に登場する化け狐、「玄蕃丞狐」と思われる。
- 吹雪
レアリティ (1335年) | ☆ | N | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 78 | 蛮性 | 76 |
知力 | 84 | 忠義 | 80 |
政治 | 82 | 混沌 | 72 |
統率 | 58 | 革新 | 87 |
魅力 | 50 | 逃隠 | 29 |
CV:戸谷菊之介
時行達『逃若党』の面々よりやや年嵩の少年(初登場時に10代半ばだろうか)。
武芸に長けた二刀流の使い手であると同時に戦術眼・育成能力に長ける優秀な指揮官ユニットであり、現在の逃若党の中では間違いなくぶっちぎりで最強の戦力。
特に優れた戦術眼で人の本質を見抜き、適正に合わせた策を授ける「教育」の能力に秀でており、親を失ったばかりの子供たちに戦い方を授けて何度も悪党を退ける戦果を発揮している。
- 秕
レアリティ (1337年) | ☆☆ | R | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 78 | 蛮性 | 96 |
知力 | 72 | 忠義 | 91 |
政治 | 17 | 混沌 | 46 |
統率 | 51 | 革新 | 85 |
魅力 | 72 | 逃隠 | 16 |
鎌倉近郊の農家の下女。
親指以外の指がすべて切り落とされており、手が不自由な代わりに脚を器用に使う。
正宗から足技の才能を見出されたことで、「脚に固定する刀」を受け取り、試し蹴りで鋭い一撃と、弧次郎が一目惚れするほどの可憐な笑顔を披露する。
諏訪大社
時行に忠誠を誓う親北条派の勢力。
諏訪明神を神とし、「諏訪神党」と呼ばれる一万にも上る武士の戦力を有する。
尊氏並びに小笠原郎党とは対立関係にあり、高時への忠義と恩から時行に協力している。
現在は時行が一人前の将として成長するまでの隠れ蓑としても機能していらが、時行が決起した際はそのまま時行の軍勢として鎌倉攻めに同行した。
- 諏訪頼重
レアリティ (1333年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 76 | 蛮性 | 55 |
知力 | 88 | 忠義 | 93 |
政治 | 85 | 混沌 | 73 |
統率 | 71 | 革新 | 36 |
魅力 | 96 | 逃隠 | 38 |
CV:中村悠一/鈴木将之
信濃国(現在の長野県辺り)出身の諏訪大社を治める神官。
そして「脳噛ネウロ」「殺せんせー」に続く敵キャラにしか見えない味方。
前作の浅野學峯のようなシリアス適性と前々作のネウロのようなギャグ適性を持ち合わせているハイブリッドキャラ。
一見すると線の細い美男なのだが、一言でいえば「胡散臭さの権化」ともいうべき奇人で、感情が昂ると怪しすぎる邪悪な笑みを浮かべながら光り輝くという謎過ぎる体質の持ち主。似たようなオッサン、ネウロに居たよね?
ちなみに帽子の紐をいじると光量を調節できるらしい。
詳細は個別項目を参照。
余談ながら、南北朝時代の「こちらの」頼重とは別に、二百年後の戦国時代にも「諏訪頼重」という人物がいる。
武田信玄に滅ぼされたことでも有名。
- 諏訪盛高
頼重の配下の神官。
胡散臭さ漂う頼重とは対照的に生真面目な性格の人物。
博識な一面もあり、雫曰く「諏訪大社の解説名人」。
有事には諏訪神党の武将として前線に赴く文武両道な一面を持つ。
- 諏訪時継
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 81 | 蛮性 | 54 |
知力 | 79 | 忠義 | 95 |
政治 | 81 | 混沌 | 79 |
統率 | 23 | 革新 | 44 |
魅力 | 67 | 逃隠 | 97 |
※スキル
- 技能:神の瞳
武力20%上昇、夜戦でも防御が下降しない
- 技能:影の戦神
参戦武将一覧画面から名前を消せる
地図上にもアイコンが表示されなくなる
- 何か目立つコメントを
うおおおおおおお
諏訪神党の武将で頼重の息子。
線の細い美青年で、父・頼重よりはおとなしい草食系男子。
一見すると「糸目の美青年」だが、実際は本当にいつも目を閉じている。なんでも、盲目であり目が機能していないらしい。代わりに、父譲りの神力でそこは補っている。
諏訪大社の次期後継者であり、後継者に相応しい頭脳や武勇、神力を有している。
……のだが出しゃばりな父親のインパクトが強すぎるあまり戦場で単騎になっても誰一人仲間が気がつかないレベルで影が薄い悲劇の男。
一応「盲目の剣士」という史実より盛った要素もあるにはあるのだが、「神力で視力を補っているため実質見えるも同然」「結局目が良いだけなので戦い方が地味」「そもそも小笠原貞宗と能力が被っている」といった感じで玄蕃から酷評されており、やはり目立たない。
しかし影の薄さも半ば異能の域に踏み込んでおり、真正面から刀で攻撃しても相手側が時継の存在を認識できず不意打ちと勘違いする一幕もあった。暗殺者になった方が大成する気がする
何故か中先代の乱が進むごとに影がさらに薄くなっていき、身体についた返り血と汚れの方が目立っている始末だったが、それでも尊氏には通じず決死の暗殺に失敗して返り討ちに。
首を刺される致命傷を負うが神力の効果でしばらく持ちこたえ、勝長寿院で頼重らと語らった後、眠るように死亡した。
なお死亡直後に遺体は姿を消したが、実体としてはちゃんとそこにあるらしい。
そもそも史実の時継がそういう人だったようで、時継の個人としての逸話は残っていない。
本作の歴史考証監修の先生に「マジで何もない」*4とまで言わしめる影の薄さである。
- 諏訪頼継
時継の息子。つまり、頼重の孫にあたる少年。
祖父・頼重と父・時継が逃若党の戦に参戦する(=戦死のリスクがある)事から、神職としての家督は彼がまとめて継いでいる。
一見すると愛らしい男の子といった風体だが、北条を失い頼重の元に転がり込んできた(&頼重に担ぎ上げられる)時行にめちゃくちゃ妬いており、子供らしからぬ顔芸をやりながら、あの手この手で時行を失墜させようとする。
時行の側には頼継の立場を乗っ取るつもりはさらさらない為、頼継が一方的に時行を敵視している状態にある。
- 栄・誉・光
第4話で時行を取り囲んで可愛がっていた諏訪大社の巫女たち。この時点では名前は明かされなかったが後に判明。
- 栄が「諏訪大社の母性担当」、麿眉で前髪を切りそろえている娘。かつて貞宗に耳を射られていた。
- 誉が「諏訪大社のフェロモン担当」、紅を刺している
時行に対して明らかに発情しながら「良い事しましょ……」などと囁いていた娘。 - 光が「諏訪大社の豊かさ担当」、たれ目・ツインテール・巨乳な
時行の頭に胸を乗せていた娘
全員非戦闘員ではあるが戦場でも裏方として支援に当たっており、また多対一の状況であれば戦力の一つに換算できるくらいに武の心得もある。
海野の妄想においても度々登場しており、密かに彼のバフの助けにもなっている。
名前の由来は何れも太平洋戦争時に旧日本軍で運用された中島飛行機製航空機用空冷エンジンと思われる。
因みに、栄・誉・光は帝国海軍に於ける呼称である。
- 海野幸康
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 80 | 蛮性 | 80 |
知力 | 79 | 忠義 | 85 |
政治 | 75 | 混沌 | 69 |
統率 | 91 | 革新 | 34 |
魅力 | 83 | 逃隠 | 26 |
※スキル
- 特性:冷静沈着
戦況不利状態でも統率が下降しない
- 技能:操の熱血
様々な状況、精神状態に応じて武力が加算される(重複可)
例
女に「いい天気ですね!」と言われる…武力10%上昇
手と手が偶然触れあう…武力15%上昇
恋文をもらう、戦場で読む…武力30%上昇
戦闘中にあれやこれやと妄想する…武力30~60%上昇
諏訪一族に忠誠を誓う「諏訪神党三大将」の1人。中軍大将。童貞。
隻眼で右頬に古傷の痕がある厳しい顔が特徴の渋カッコいい壮年の男。しかし童貞。
諏訪神党随一の武功を建てた鎌倉武者で、冷静沈着かつ気配りも上手い一見非の打ち所がない好漢。だが童貞。
実態は女性への免疫ゼロな上に生涯を通して一切の性的行為に及んだことすらない真性童貞である。
その内心滾る性欲や女性への興味を鋼の忠誠心で数十年間押し隠し筋肉と闘争心に集中させ数多の武功を挙げてきた歴戦の猛者。本人曰く「鎌倉武士は三十歳まで童貞を貫くと修羅となる」。
その剣技は紙をばら撒き、その紙が地面に落ちる短時間で10人の武者を斬り殺せるほど。そして女子との軽いスキンシップの光景を妄想するだけで性欲を昂らせ、潜在能力を引き出して自己強化できる特技を持つ。
妄想バフの効果は絶大で、怒りで自己強化する渋川を相手取った時には「膝枕」「手を繋ぐ」といった浅い妄想で互角以上に渡り合っていた。
またもっと刺激の強い妄想をすればさらに潜在能力を開放できるらしいが、体に負担がかかるため多用できないらしい。
史実ではドマイナーだが、後に子孫が戦国時代で有名となった武田信玄や真田一族の祖となる割と重要人物。
- 望月重信
「諏訪神党三大将」の1人。左軍大将。
頭に鉢巻、真ん中だけ剃り込んだヘンテコな髪型が特徴な大柄の巨漢。
亜也子の父であり、挨拶感覚で肋骨をへし折る勢いで抱きしめ合うぐらいに関係は良好。
性格は大らかかつ豪胆な性格。
意外にも切れ物な一面があり、国司軍迎撃戦では不利な籠城戦はさっさと諦めて撤退し、本隊との合流を急ぐ市河軍を背後から突く機動戦に転向、といった柔軟な戦法を展開する。
……が、その為に必要な味方勢力への連絡と調整はしてなかったりと実際は雑で大雑把。
その雑さから頼直が苦言を呈することもあるが、何だかんだでいい感じに自陣に有利に働くためそこまで問題になっていない。
なお、郎党は毎回雑な指示の下で動くことを強いられるため、異様に対応力が高くなっている。この妙な統率力の高さから「変幻自在の名将」と謳われる。
戦場では刀以外にも戦場に落ちている岩や丸太を現地調達で拾って武器にするが、これはタダで入手できる以外にも敵の刀を効率的に破壊することができるためである。
史実ではドマイナーだが、後に戦国時代に忍者で有名な甲賀望月氏の先祖となる一族。
- 祢津頼直
「諏訪神党三大将」の1人。右軍大将。
月のマークが印された頭巾が特徴の細身の男。
鷹を常に連れており、鷹の動きを駆使して広域の戦況を俯瞰して把握するずば抜けた指揮能力を持つ凄腕の鷹匠。
いわゆる軍師や指揮官ポジションなため、基本的に他の三大将のように甲冑を着て戦場に行くことはなく、本陣で諏訪陣営の作戦指揮を執る。
妹の忘れ形見の弧次郎には複雑な感情を抱いており、何かにつけて当たりが強いが、それでも捨てることも殺すこともなく影武者としての役割を与えている辺り、それなりの情はある模様*5。
また、妹を妊娠させ、責任を取ることもなく、北条の威光を笠に握り潰した御内人には憎しみを抱いており、三大将の中でも特に北条のために動いているわけではない*6。
史実だと3人の中ではあまり華々しい子孫がいない悲劇の人。一応家系は戦国時代でも生き抜いている。
- 浅田忠広
諏訪の配下の一人。諏訪領の国境付近、浅田庄の領主。
逃若党、並びに吹雪からの要請で兵を率い、征蟻党を迎撃した。弓の腕と指揮能力はそれなりのもの。平成時代辺りで探偵の追っかけやってる子孫が居そうな顔をしている。
- 保科弥三郎
諏訪神党の武将で、北信濃の川中島に居を構える*7。
猫みたいな尖った細い髭が特徴的な男で、頼重から「義理堅く有能な男」と信頼厚い人物。
新任の国司である清原信濃守の暴虐に激怒し、領地こそが武士の命と考え、「例え勝ち目が無かろうが命を捨てても我らが意地を見せねばならぬ!!」「命のためなら死んで当然!!!」という考えのもと自分達に勝ち目がないことを理解しながらも義憤のまま自身の郎党と共に討死前提で挙兵し川中島に陣を立てた。
「小さな戦で死なせたくない」と言う頼重の意向の元、撤退を手伝うためにに遣わされた逃若党のことも一緒に死ぬ援軍程度にしか思わず、あまつさえ「貴方達の死に興味はない」とまで言った時行にキレて刀さえ向けたが、酔い覚ましにぶっかけた酒の匂いで酔っ払った時行のヒップアタックと共に「自分の死に酔ってるだけだ」という説教を受けたことで考えを改め、撤退戦に持ち込んだ。
頭に血が上りやすいが逆を言えば喝を入れさえすれば切り替えることが可能で、冷静になれば合理的な判断の元軍を指揮。乱戦の中でも返り血を顔に浴びることなく敵兵を処理できる優れた武芸を持つ。
彼の率いる保科党はみなキャラの濃い肉食系。
保科党
郎党全員が主君である弥三郎同様に血の気が多く死にたがり。かつ皆ブチギレると鬼のような形相になり、ぶっちゃけ顔がうるさい。
時行の説教で主君同様に価値観を改め、以降は逃若党の心強い助っ人になった。
共闘した弧次郎を特に猫可愛がりしており、会うたびに友達のように絡んでいる。
郎党の名前は全員不明なため弧次郎が呼んだ仮称*8で記す。なお、弧次郎は豹変時と平時で顔の特徴が変わりすぎたり拘りが強すぎる郎党達の呼称に苦労しながらも(名前を憶えていない俺が悪い)と次からは事前に名前を確認するよう反省したが、その後も特に名前で呼ぶ機会はなかった*9。
- 顔面が集中線のオッサン
顔面の中心に向けて集中線のように皺が寄っており、目が消失している郎党。
真顔時は顔面の中心に「・」で表現された目がある素朴さで、ブチギレると自分の顔面が集中線になっている自覚はなかった。
時行も「落差すごいな」と突っ込んでいる。
- 全体的に▢いオッサン
目や鼻や口がモアイ像のように▢で構成されている郎党。
しかし烏帽子を脱いだその髪型は〇であり、自分が全体的に▢である自覚はなかった。
その後、弧次郎からは「▢と〇が混在してるオッサン」と呼ばれた。
- 化け物的な何か
ハゲ頭の天辺に雑草のように複数本の毛を生やし、たらこ唇でアゴがなく人間離れした輪郭の郎党。
他の郎党達が弧次郎に特徴に掛けて呼ばれていることを羨ましがり、自身の名付けを催促したが「知らん!」と一蹴されて雑にこの仮称で呼ばれた。
14世紀当時では彼を具体的に形容できなかったが、現代であればオバQかペッシの一言でバッチリ伝わるだろう。
- ハゲのおっさん
こちらはわかりやすくハゲ頭の郎党。
…と思われたが全てハゲているわけではなく、後頭部は実は生えているのだが全て剃っている。つまるところハゲだろ。
だが、本人としては拘りがあるらしく、ハゲと呼んだ弧次郎に訂正を求めた。
弧次郎もそのあまりの細かさに面倒臭がりながらも、後に「ほぼハゲだけど地毛も残っててその僅かな地毛は剃ったオッサン」と呼んでいる。
- 平和な顔の保科党/結城三十郎
目が「・」の簡単作画で描かれ、凶悪な顔揃いの保科党に似合わぬ穏やかで平和な顔を常に称える、明るい態度で物腰柔らかな男。初登場時には保科党の陣の見張りをしていたので「平和な顔の門番」とも呼ばれる。
……が、平和なのは顔だけで、保科党でブッチギリの危険人物。
平和な顔のまま「臓物ブチまけて笑顔で死ぬぞ!」とブチギレたことを宣うギャップがありすぎる男。
困ったことに有言実行の実力者でもあり、平和な顔を一切緩めないまま
- どんな形で死にたいかという話題で「首だけの状態で敵の尻から侵入し内臓を全て貪り食ってから胸から飛び出し笑顔で死にます」と回答
- 返り血を浴びながら既に息絶えた敵を相手にサクサクサクとオーバーキル
- 退却命令を受けて「はーい」と返答しながらも、なお手を緩めない
- 戦場でお腹いっぱいお肉を食べていることを示唆
- 帰り道の目印として敵から切り取った鼻や耳を並べる
- 生首を3つ腰に提げた状態で戦闘を続けさらに首を斬り落とす
……等の奇行に走っており、もはや勇猛を通り越してサイコパスである。
後に同じく平和な顔(というかほぼコンパチ)でブチギレたことを宣う結城宗広が登場。
彼から、この門番こそ末子の結城三十郎*10であると言及された。
宗広によると真面目な兄2人とは異なり、家族の中で唯一「殺人」という共通の趣味を持っており、毎日仲良く一緒になって無差別に人を殺していたらしい。
しかし、ある時「どうせ殺すなら正義の殺しがしたいのです!」と言って出奔。その後、信濃に流れ着いたようだ。
一応これでいて良識は持ち合わせていた。ついでにこいつを普通に使っていた保科の株が上がった
第1回人気投票では弧次郎を抑えて驚きの9位。
- 四宮左衛門太郎
諏訪神党の武将で保科の隣領を収める。保科とは昔馴染みの関係。世界観が違う保科郎党とは対照的に線の細いひょろっとした相貌で、ブチ切れて血気盛んな保科郎党とは対照的に冷静な人物。
保科の人柄を「冷静な時は仕事も出来る良い奴」と評しており、時行達の保科郎党の撤退作戦に協力的な姿勢を見せている。
ひょろりとした優男のようだが、戦では優れた弓の腕前を持つ武人。
保科から郎党を一本化する提案をされるが、四宮党は草食系男子が多めなので保科党とはやや溝がある。
- 犬甘知光
細眉に鋭い目をした武将。
信濃府中の深志で代官を務めていた。
1335年の北信濃の戦では「南」の深志砦を担当し、海野と共に守り抜くも「中」の戦で敗北したことで常岩と共に山奥に逃走。
中先代の乱以降は北条泰家とよくつるむようになる。
- 常岩宗家
顎に無数のTの字の髭を蓄えた武将。というよりTがトレードマークなのか、頻繁に手でTの字を作る上に兜の前立てもT。
信濃最北部の北条庄の代官で、1335年の戦では望月と共に「北」の北条砦を担当。
防御の弱い砦を敢えて捨てる望月の策で市河軍を翻弄するも「中」の戦で敗北したことで犬甘と共に山奥に潜伏。
中先代の乱以降は北条泰家とよくつるむようになる。
鎌倉党
頼重が秘密裏に信濃に匿っていた、幕府滅亡に際して路頭に迷い、残党狩りから逃れた鎌倉武士達によって組織された集団。
出自故に全員北条家に対する忠義が篤く、幕府復興の日に向けて死に物狂いで鍛錬を積んでいたため戦闘力も高い。戦闘ではまだ未熟な面が残る逃若党をサポートして引っ張るなど、時行を頭とした第二の逃若党と言っても良い。
ただし、時行のことは信濃出立のギリギリまで諏訪大社の衛士・長寿丸と偽られていたため、主君にもかかわらず「全裸逃亡ド変態稚児」と認識しているなどナチュラルに無礼なところがある。
- 三浦八郎
党首を務める若武者。爽やかな見た目に違わず、快活で裏表のない気さくな兄ちゃん。
幕府滅亡後も北条家への忠義を誓う義理堅さを持ち、また匿ってくれた上に再興の道を用意してくれた頼重にも同様に恩義を感じている。だが、頼重に正体を隠していた時行を大将にするよう命じられた時にはこの世の終わりのような顔をしてやる気を失い、鎌倉党一同で鼻をほじっていた。
しかし、時行の大胆で危険な作戦を率先して行う将器や、逃若党の強さに触れたことで奮起。やがて時行を大将として認めるようになる。
時行が正体を現した時はこれまでの無礼な振る舞いを思い起こして動揺し、真剣を鼻に突っ込み脳をほじって詫びようとしたが、全裸逃亡ド変態稚児時行の説得を受け、改めて忠誠を誓った。
その後も活躍を続け、鎌倉奪還後は庇番から寝返った兄の時明と行動を共にするようになる。
かつて放逐されたことから兄に対する心証は最悪で、さらなる裏切りをずっと危ぶんでいたものの、当の兄には軽くあしらわれている。
東海道を進む足利軍に対する防衛戦では高兄弟と今川頼国の連合軍と戦闘。頼国に撥ね飛ばされ、師泰によって殺されかかるも、すんでのところで時明に助けられ脱出。
道中、限界を悟った時明から鎌倉の時行への情報伝達と足利に預けた嫡男の世話を託される。
それでもあくまで北条の元での正義に拘ったが、時明から「個人の正義で守れるものはたかが知れる」と諭され、より大勢の軍を率いての再起を胸に疾走。
鎌倉党での最後の奉公として辻堂の戦いでの頼重救出作戦に尽力し、その後は時明の遺言通り足利方についたものと思われる。
三浦家は執権北条氏に代々仕えた家系であり、宗家が滅びた後も傍流が御内人として仕えている。
彼のモチーフは後に高一族の暗殺に関わる三浦八郎左衛門だろうか。
- 三浦時明
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 87 | 蛮性 | 93 |
知力 | 64 | 忠義 | 14 |
政治 | 68 | 混沌 | 77 |
統率 | 89 | 革新 | 65 |
魅力 | 36 | 逃隠 | 80 |
※スキル
- 技能:闘犬の統率
三浦属性の兵統率40%上昇
- 技能:狂犬の忠義
人生で一武将のみ、忠誠度に拘らず裏切らなくなる
- 技能:不屈の根性
体力が3%以上残っていれば戦闘不能状態にならない
- 技能:超剛毛
帽子・冠・兜が装備できない
- マーキング・パターン
三つ引紋に壺
関東庇番二番組に所属していた武将。三浦八郎の兄。
中先代の乱の鎌倉防衛戦では左翼に陣取っていた。
髪の毛を逆立てた巨漢で性格は短気で粗暴。「義理に欠けすぐ人を裏切る」と八郎に称されたように、幕府滅亡後はあっさり北条を見限り、親北条派の八郎を追放してまで足利についた。
将としては無類の強さを誇っており、純粋な戦の強さなら筆頭クラス。個の武力に加えて、片手間に兵を動かす用兵術が巧く、吹雪をして「将としての総合力が高い」「三大将の強い所を合わせたようだ」と言わしめるほど
しかし、足利一門ではなく頭も悪い(直義評)ため庇番での地位はそこまで高くない。その微妙な立場を狙った泰家の捨て身の調略に応じ、戦の最中に北条方へと寝返った。
鼻をほじっていた弟に対して、こちらは耳をほじるのが癖らしい。
鎌倉奪還後も八郎から裏切りを危惧されていたが、実際のところ時明の裏切り癖は全て家を守るための苦肉の策。
本心では先祖の代からの裏切りと、それに対する罵倒の負の連鎖に疲弊している。
そのため、裏切りを非難するどころか、人質を取ることも忌避して逆に嫡男を足利家に預けるよう命じる時行の優しさ*11には感服し、密かに忠誠を誓っていた。
名越高邦を倒して進軍する高兄弟と今川頼国の軍を相手に八郎と共に迎え撃つが、伏兵を天狗衆に潰されたことで挟撃に失敗。
単身立ち向かうも師泰に片腕を奪われる重傷を負ったため、八郎を連れて辛くも逃亡した。
尚、師泰には惨敗したものの、
- 片腕を切り落とされて激痛を味わっているにもかかわらず、撤退して鎌倉に戦況を報告すべきと冷静に判断
- 殺されそうになっている八郎の窮地を救い出す
- 手綱を握らずに八郎を後ろに乗せた上で戦場を全力疾走する馬術
- 馬に乗りながら残った片腕で刀を握り、追手や迫りくる矢の雨をすべて叩き落し、戦場からの離脱に成功
など、敗れて尚、化け物としか言いようがない武力と才能の数々を見せつけた。
しかし、出血多量の死に体だったため長くは逃げられず、道中の海岸に転がっていた壷の中に隠れ、情報の伝達と足利方につかせた嫡男の世話を八郎に託す。
そして、壷の中で明日生きることに希望を持ちながら静かに目を閉じた。
北条家の人々
- 北条高時
北条一族本家の現当主(得宗)にして鎌倉幕府の先々代執権(作中では鎌倉幕府総帥と表記)。
一応は武士のトップに立つ人物のはずなのだが、その表情には生気がなく、周囲の有力者・自身の直臣たる御内人から言われるがままに動くだけの傀儡。
まあそもそも北条家も初代将軍源頼朝の姻戚から将軍を傀儡にして一族で要職を独占・執権政治を行っていたので、ある意味では因果が巡ったと言える。
ただ、傀儡としての身の上には思うところがあったのか、時行達には「父のようにはなるな」と言い聞かせる側面もあった。
親子としての情もそれなりにあり、足利高氏の謀反に際しては(時代が時代だから、血を残すという目的もあったと思われるが)「幼子を自分と一緒に死なせるのは忍びない」という理由で2人の子を家臣に託し自刃した。
- 北条邦時
高時の長男、時行の腹違いの兄。
側室の子という身分をわきまえて相続を諦めている為、時行との関係は良好。(この作品の描写では時行は正室の子であるようだが、歴史上は不明である。)
北条家を逃げ上手の家系と笑いながらも、時行に対してはその中でも一味違うと称し、頼重の予言を「少し分かる」として信じた。
後に高氏の謀反に巻き込まれ、父が身柄を託した伯父に売り飛ばされて斬首される。
史実では彼こそが嫡子として扱われていたとされる書状があり、邦時の名も当時征夷大将軍として下向していた守邦親王の邦の字を偏諱で頂いているので、後継者は彼であったと考えられている。
- 北条泰家
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 64 | 蛮性 | 57 |
知力 | 86 | 忠義 | 45 |
政治 | 79 | 混沌 | 90 |
統率 | 70 | 革新 | 38 |
魅力 | 67 | 逃隠 | 91 |
※スキル
- 技能:流浪のコミュ力
潜伏地の土地条件を問わず反乱を起こせる
- 技能:権謀術数(己)
政治10%上昇
- 技能:扇動
魅力・交渉15%上昇
- 権力抗争の時の顔
思考が顔に出るが、短時間で目まぐるしく変化するため政敵は読み切る事が出来ない
高時の実弟であり、時行の叔父にあたる鎌倉幕府の重鎮。
幕府滅亡に際しては頼重と通じて時行の保護を手引きした後、自身も新田方の負傷兵に変装して鎌倉を脱出し東北へ逃走*12という、鎌倉武士らしからぬ生き意地を発揮したこの時代屈指の寝技師。
その後は北条家再興を夢見て方々で旧幕府派を扇動、蜂起と敗走を繰り返しながら諏訪へと流れ、時行と再会する。
面長で額が広く、何より額に本音が文字で浮かび上がるという謎の体質の持ち主。
その為調子の良いことを口にしながら、欲や野心が丸見えで隠し事が苦手。ついでに黙っていても「うるさい」と言われる。
……というのはその実本人も自覚しており、本気の嘘をつく時はきっちり下準備を整えた上で、プライドすらもぶん投げた有無を言わさぬゴリ押しや巧みな弁舌で乗り切ろうとする「凄み」を隠し持っている。
基本的にバイタリティに溢れた人物なので、普段は額に「やるぞ」の文字が浮かぶ。
そして真に謀略を企む際は額の文字すら消える二面性も持つ。
この体質は泰家を知る者は熟知しており、「泰家が顔に出る時は嘘はない」と判断する者もいる。
また、なんだかんだで口がうまいことも事実であり、味方武将を巧みに焚きつけて奮起させたり、敵陣に一人乗り込んでは敵将を揺さぶり、巧みに説得したりとかなり曲者じみた活躍も見せる。
時行はそういった側面も含めて彼を尊敬しており、生存本能の強さをはじめ実父・高時以上に影響を受けている模様。
鎌倉奪還後は昔取った杵柄で政治に邁進。その優秀さを見せつけるが、すぐさま尊氏に鎌倉を再奪還されてしまう。
その後、すれ違いから頼重と衝突した時行を諭し、実の叔父の立場から温かい言葉をかけた後、犬甘・常岩を連れてまた臆面もなく何処かへと逃げ去っていった。
その後も不屈の闘志で転戦していたようで、まず信濃で犬甘・常岩と共に挙兵するも小笠原貞宗に阻まれ失敗。続いて鎌倉で挙兵したところ斯波家長を前に敗れ去り、その身柄を捕らえられた。
杉本城の戦いにおいては、家長が時行軍の判断力と戦意を奪うための「秘密兵器」として捕らえた泰家を活用。
長く拷問され続けたことで全身傷だらけでやつれ、髪の毛も色落ち、額に文字が浮かばなくなった悲惨な姿を吊るされて晒し者にされた。
逃若党や顕家の奮戦によって何とか救出され、帝暗殺未遂の罪も不問にされたことで療養に励むも、長い監禁生活で心臓を患ったことで従軍も困難な状態となってしまう。
それでも諦めの悪さ故に無理をし続けるが、その姿を見て「戦いの人生から解放したい」と願う時行によって実母の覚海尼に引き会わされる。
そして、実の母親からの一喝を受けたことで動揺し、時行から意志を引き継ぐ旨を伝えられたことで遂に闘志が砕かれる。
その際、額の「やるぞ」の文字も砕けて、長年心の奥底に秘めていた本音が浮かび上がった。
恐かった 死にたくなかった
降りたかった 逃げたかった
やっと休める
かくして不屈の男の戦いはやっと終わりを迎え、伊豆で母親と共に静かな余生を送ることとなった。
文献は彼の最期を伝えていない。
- “鬼母”覚海尼
高時と泰家の実母。時行にとっては祖母にあたり、現在では足利家の保護のもと、伊豆は円成寺の尼を務めて北条の菩提を弔っている。
中先代の乱の後、伊豆に逃げ延びた時行を匿った。もはや数少ない一族の生き残りである時行の身を案じている心優しき老女で、彼に戦いをやめて穏やかに暮らすことを提案している。
しかし、既に強い意志を宿して尊氏への挑戦を目指す時行にはすげなく断られ、その過酷な運命を涙ながらに詠っている。
高僧・夢想疎石とも親しく、後醍醐天皇とのパイプ役も務めた。
本編では既に一族を喪い失意の中で静かに生きる老婆でしかないが、全盛期は幕府で強い発言力を持ち、高時や泰家が霞む程のゴリゴリの女傑。
牙が抜かれたかのように見えた現在でも奥底に全盛期の激情は隠し持っており、自らの限界を悟らず無理を続けようとする我が子泰家に対して鬼の形相で一喝して諭している。
そのため、味方側の人物にも関わらず例外的に南北朝鬼ごっこの鬼の異名持ち。
※鬼について
仏教を守護する天界の一尊「鬼子母神」の略称。
元は500人にも及ぶ自分の子供を育てるために人間の子供を捕らえて喰らう悪鬼だったが、釈迦に自らの子供を隠され己の行いの罪深さを諭されたことで改心。
以降は子供と安産を司る守り神となった。
ただ、覚海尼の場合は単純に「鬼母」くらいのニュアンスだろう。
その他の友好勢力
中先代の乱での鎌倉奪還後に時行に付き従った諸勢力。
幕府滅亡後、各地に潜伏していた名越流、大仏流、極楽寺流といった北条一族が主だが、中には三浦時明のように関東庇番から寝返った者もいる。
大部分は顔見せ程度のモブで、名越高邦のみがネームドとして登場した。
中先代の乱が20日天下に終わった後は再び散り散りとなったが、逃若党の潜伏先である伊豆へと再集結。新たに加わった伊豆武士と共に時行の主力軍として転戦していくことになる。
- 名越高邦
北条の名門、名越の武将にして、足利高氏の反乱にて戦死した名越高家(北条高家)の息子。
第101話にて時行の軍に弟と6000騎の兵を率いて合流する。
父・高家の戦死時の年齢は不明であるが、『太平記』の記述からまだ若い武将だったと推測され、
そこからの逆算で本作では時行とほぼ同年齢の美少年として描かれている。松井先生の性癖
幼いながらもその立ち振る舞いは凛々しく、当時としては珍しい優れた槍の使い手でもある。
「幼い貴公子」という時行と同じ属性に加えてこちらは武芸にも秀でているため、玄蕃からは「坊より主役」だの「名越が活躍したら大将の座を乗っ取られる」だのと称され、時行はショックを受けた。ついでにもしかしたら内紛が見られるかもとワクワクする雫と亜也子に「内紛は鎌倉名所じゃないからね!?」とツッコミを入れた
鎌倉大仏殿を兵士達の宿舎代わりにしていたが、突如発生した嵐による大仏殿の倒壊で温存させていた兵に多数の死傷者を出し、
それでも進軍を開始した足利軍を遠江に配置した4つの砦で迎え撃つべく出撃する。
……が、完敗。
素通り同然に蹴散らされた様で、再登場時には今川頼国の薙刀に括り付けられた首となっていたというナレ死に近い最期を遂げた。
因みに、彼が伴っていた弟は後に今川氏の養子となる名越高範と思われる*13。
高範の家系は「那古野」を名乗り、後に出雲阿国の付き人で槍の名人として名高い名古屋山三郎を輩出している。
- 長崎駿河四郎
鎌倉幕府重臣の子で、穏やかな表情の優男。
覚海尼と共に伊豆に逃げ延びた時行一行を匿っている。
まだ若く見えるが3年連続で3人の子供を作っており、子供全員の名前を記した着物を羽織るなど子煩悩。
本来なら中先代の乱にも駆け付ける予定だったが、子供が産まれたばかりだったので泣く泣く見送ったとのこと。
1337年以降はもう悔いは残したくないとして、時行軍に同行している。
戦闘では伊豆北条党の先陣を切って突撃するなど勇猛果敢。
だが同時に子供のことを思い出してその名前を泣き叫びながら戦うため端から見たら相当不気味。逃若党はその戦闘スタイルを「子煩悩殺法」と呼んでいる。
足利家
時行の宿敵・足利尊氏が率いる武家集団。
尊氏本人が自分には勿体無いほど心が清そうには見えないほどの悪人面が多くて、智勇に秀でていると言わしめた配下で構成されている郎党から成る。
後醍醐天皇に仕えながらも密かに天下を狙っており、1336年には後醍醐天皇と対立。光明天皇を担ぎ上げて「北朝」を樹立している。
- “縺溘°縺?§鬼”足利高氏/足利尊氏
レアリティ (1334年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 93 | 蛮性 | 85 |
知力 | 92 | 忠義 | ? |
政治 | 71 | 混沌 | 97 |
統率 | 98 | 革新 | 95 |
魅力 | 100 | 逃隠 | 91 |
↓
- 解放された足利尊氏
レアリティ (1336年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 95 | 蛮性 | 88 |
知力 | 91 | 忠義 | 0~100 |
政治 | 69 | 混沌 | 99 |
統率 | 99 | 革新 | 98 |
魅力 | 100 | 逃隠 | 97 |
CV:未定/野澤英義
「鬼神」と謳われる鎌倉一の武士。家臣や市井からの信頼も厚い高潔な人物。
……だったのだが、その裏で先帝・後醍醐天皇と通じ、鎌倉幕府へと反旗を翻した。
後に室町幕府を作り上げる「足利尊氏」その人にして、この作品のラスボスに相当するであろう人物。
冒頭では、時行に柔和な笑みを浮かべながら抱き上げる心優しい人物として描かれていたが、わずか一月足らずで鎌倉を焦土とし、北条家とそれに与する者たちを皆死に至らしめた姿は一変して恐怖の象徴として描かれており、時行の心に影を落としている。
詳細は個別項目を参照。
※鬼について
判読不能。
複数の漢字や記号を組み合わせたような異形の文字(?)となっており非常に禍々しい。
書家の前田氏曰く「書き上げるのにゆうに300枚超」を要した力作となっている。
- “金鬼”足利直義
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 68 | 蛮性 | 33 |
知力 | 99 | 忠義 | 100 |
政治 | 99 | 混沌 | 48 |
統率 | 73 | 革新 | 37 |
魅力 | 84 | 逃隠 | 65 |
尊氏の実弟にして右腕の政務官。
背中に「天知神知我知子知」と書かれた着物を身に付ける。
兄同様に端正な容姿だが、実は目元が対極になっている(直義は吊り目、垂れ眉尻。尊氏は垂れ目、吊り眉尻)。
能力も性質も兄と正反対だが兄弟仲はすこぶる良い。一方で日を追うごとに人間離れしていく尊氏に対して畏怖の念を強くしているが……
詳細は個別項目を参照。
- 足利義詮
足利尊氏の嫡男。焦った時の尊氏と瓜二つな顔つきをしている。
鎌倉倒幕時に僅か3歳だったものの新田義貞に預けられ、尊氏の代理として出陣したように足利方の象徴的総大将。
怪物めいたわけのわからなさを見せてくる父親と比べて、戦術の有効性以上に自身の面目を優先するよう求めたり良くも悪くも俗物。
斯波家長からも「凡庸な幼子」とバッサリ評されている。ただし、この評価が成された1337年時点で7歳ということは念頭に置かれたし。
実際その後家長は遺言にて「凡庸ではあるが暗愚ではない」ともフォローしており、恩を売れば必ず忘れることはないと評していた。
- 足利直冬
足利尊氏と側室との間に産まれた実子。髷をバッサリ斬り落とした後の尊氏と瓜二つな顔つきをしている明るい少年。
尊氏が鎌倉幕府に反旗を翻した際は東勝寺で修業していた小坊主で、鎌倉幕府滅亡の顛末を見届けている。
そのため、実は第1話から既に登場していた*14。
いずれ父・尊氏に仕えて名を轟かせたいと考える一方でいざ逢った時拒絶されることへの恐怖に苦悩。
1337年に時行と邂逅し、幾度も尊氏に立ち向かう時行の闘志がどこから生まれるのか疑問視し、「戦場で死ぬのが怖くないんですか?」と尋ね、その後の時行との問答で勇気づけられ父・尊氏と会う決心を新たにした。
この時元服していないため彼の父親が尊氏であることは時行は一切知らないのだが、家族と父親に深い思い入れを持つ時行は、彼を勇気づける際「拒絶するならその程度の父」「そんな男は無責任で身勝手な人格破綻者だ!」とボロカスに言っていた。
史実では後に足利直義の養子となり、戦場で勇猛に戦った男。
後に父・尊氏と対立し、尊氏から「凶徒」と蛇蝎のように憎悪されながら父と骨肉の争いを繰り広げて南北朝時代を激化させたと伝えられている。
高一族
代々足利家に仕える執事を輩出する一族。*15
政治・武力両面で優れた力を発揮して足利を支える。
- 高師直
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 90 | 蛮性 | 96 |
知力 | 86 | 忠義 | 93 |
政治 | 92 | 混沌 | 98 |
統率 | 97 | 革新 | 100 |
魅力 | 73 | 逃隠 | 43 |
※スキル
- 技能:完璧執事適性
算術・交渉・人心掌握・政策立案・炊事・洗濯・掃除・按摩の複合技能
- 技能:合理剛腕
外様属性の武将忠誠度30%上昇
- 技能:長物打(甲)
長尺武器適性40%向上
- 固有武器:六尺左右長巻「右丞相・左丞相」
武力・防御25%上昇
- マーキング・パターン
蛇に千蛇観音
足利家執事。
見た目は目の下に隈のある陰気な無表情の武士。長髪を結わずにそのまま垂らしている。
尊氏が幼少の頃から仕えている臣下で、京都の幕府軍討伐にも参加。「完璧執事」と評されるほどに尊氏からの信頼も厚く、尊氏郎党の指揮も任されている。
身の回りの世話はおろか、政務・軍事までソツなくこなす器用万能型。
特に料理は得意らしく足利家の今後を話しながら物凄い勢いで刺身を調理したり、果てはうどんの打ち方にまで自信を持ち張り合う子供っぽい一面も。
情報戦の重要性を熟知しており、日本で初めて忍者を用いるなど先見の明もある。
戦闘では二刀を用いる。刀には鍔の部分にそれぞれ「右」と「左」の字が装飾されている。
直義同様に徹底した合理主義の持ち主であり、髪の毛を結わない総髪姿なのも執事業務が多忙であるため手間を省いた結果。
人材登用の面でも合理的で「使えない」とあらば身内にすら冷淡だが、逆に「使える」と判断すれば立場に関わらず重用する。しかし、そこに個人のパーソナリティや倫理観は一切介在しないといったように苛烈を極めている。
また、見た目に反してかなり好色家なようで、道誉ら西国武士とつるみだしてからは派手な女遊びにも手を出している模様。因みに性癖は「人妻」。
第1回人気投票では8位。足利党の中ではブッチギリでトップだった。
投票期間中はどちらかというと脇役としての活躍が多く、そこまで目立つ方ではなかったため主君である尊氏よりも上であることに驚きの声が多く挙がった。
史実では尊氏の側近として仕え、官僚・政治家・歌人も兼任し、それぞれの分野で優れた業績を残した足利方を代表する名将。
一方で『太平記』では神仏をも嘲弄する悪逆非道の男としても描かれている。
- 高師泰
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 90 | 蛮性 | 95 |
知力 | 47 | 忠義 | 79 |
政治 | 38 | 混沌 | 93 |
統率 | 88 | 革新 | 86 |
魅力 | 49 | 逃隠 | 39 |
※スキル
- 技能:婆沙羅大将
武力を20%上昇し、朝廷の干渉を受けない。
素行と金策20%下降
- 技能:武芸百般(甲)
剣術・弓術・馬術の複合技能
- 技能:長物打(甲)
長尺武器適性40%向上
- 固有武器:唐形大薙刀「平和偃月」
武力30%上昇
- マーキング・パターン
鬼百合に夜叉
尊氏郎党にして師直の実弟。
怜悧な見た目の兄とは対照的に、凶悪な面構えをした見るからに豪快な荒武者風の男。
事実、護良親王の反乱の際には誰よりも先んじて鎮圧に臨もうとするなど好戦的だが、師直らと共に政務関係の談義にも加わるなど決して野卑なだけの人物ではない。
戦場では黒い炎のような絵がデザインされた鎧を着用し薙刀で武装。
戦闘能力は群を抜いて優れており、豪傑三浦時明を相手に何もさせないままに片腕を奪うほど。
師直同様に『太平記』では横暴なエピソードが目立つ悪役として描かれる。
また史料によっては師直の兄とされるなど、兄弟関係があやふやだったりする。
- 高師冬
師直の猶子*16。
実の叔父の子だが、師直は義理で結んだ猶子と割り切っており関係性は非常にドライ。
中先代の乱での相模川の戦いが初陣だったが敢えなく戦死。
顔は馬に潰され最早誰だかわからなくなる有様だった。
視界にもやがかかっている
…何だろう やりたい事が……あったような
なんと師直は、戦場で尊氏の神力に当てられ戦意喪失していた吹雪をその替え玉に任命。
足利学校で群を抜いた才を見せていた吹雪には以前から目を付けていたらしく「弱い親族より強い他人」という徹底した合理主義によって抜擢された。
以降は師直から手渡された仮面を被って素性を偽り、「吹雪→冬」という安直な連想から付けられた『高師冬』の元服名で足利方として活動することになる。
あまりに安直な名前と突っ込まれやすいが、実は高一族には他にも「高師春」「高師夏」「高師秋」がいる*17。
- 高重茂
師直・師泰の実弟。
顔の各パーツは兄にそっくりだが、表情が穏やかなので印象は大分異なる。
野心はそれなりにあるものの気質は控えめ。兄2人のことを「オラつきすぎ」と評しており、温度差を感じている。
青野原の戦いでは2番くじを引いて時行軍にあたるものの「必死そうで嫌だなあ」として、陣の交代を申し出た小笠原貞宗に相手を譲っている。
関東庇番
荒廃した鎌倉に赴任した直義が結成した街の復興と治安維持を担う組織。
コロコロ支配者の変わる鎌倉に必要なのは若さと勢いという直義の計算のもと、多くは20代の若き足利一門によって構成されている。
メンバーの詳細は個別項目を参照。
- “阿修羅鬼”渋川義季
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武勇 | 86 | 蛮性 | 78 |
知力 | 75 | 忠義 | 99 |
政治 | 69 | 混沌 | 51 |
統率 | 83 | 革新 | 45 |
魅力 | 70 | 逃隠 | 17 |
一番組筆頭で直義の義弟。
大きな3本の白髪ラインが入ったオールバックの見た目に違わず、真面目で渋い堅物。
戦闘では長すぎて自分一人では抜けないレベルの長さの野太刀「千里薙」を片手で軽々扱い、一振りで複数の兵を屠る膂力を持つ。
「自身の思い描く理想の武士像」を重んじているが、それを相手にも勝手に押し付け、少しでも外れた行動を取るとブチギレて戦闘力が高まる。
- 岩松経家
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武勇 | 84 | 蛮性 | 89 |
知力 | 47 | 忠義 | 72 |
政治 | 43 | 混沌 | 71 |
統率 | 68 | 革新 | 52 |
魅力 | 76 | 逃隠 | 58 |
二番組筆頭でサーファーのような容貌をした浅黒い男。
サーフボード…のような鞘に入れた斬月斬馬刀の如き大太刀「艶喰」を携えており、相手の武器を一方的に破壊する戦い方をする。
強欲かつ病的なまでの女狂いで、攻め込んだ敵地から女性を見境なく略奪する。
- 上杉憲顕
レアリティ (1337年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武勇 | 41 | 蛮性 | 21 |
知力 | 88 | 忠義 | 71 |
政治 | 93 | 混沌 | 94 |
統率 | 37 | 革新 | 77 |
魅力 | 72 | 逃隠 | 90 |
二番組副頭。白黒反転した両目に尖った耳というまるで悪魔かダークエルフかといった容貌の男。
庇番随一の学術知識を有する知恵者だが、祖父の代まで貴族だったことから武士の生態を理解できない。
そのため、武士を解き明かし「学識と理論で最強の武士を造る」ことを命題に掲げ、日夜非道な人体実験を試みているマッドサイエンティスト。
- 長尾景忠
憲顕の実験素材にして部下。
武士を造るための苛烈な実験に耐え得る強靭な精神を持ち、薬物で強化された肉体で戦う。
- 一色頼行
四番組筆頭。
下睫毛に頭に巻いた手ぬぐいが特徴的な美形。
- 石塔範家
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武勇 | 80 | 蛮性 | 73 |
知力 | 77 | 忠義 | 95 |
政治 | 43 | 混沌 | 70 |
統率 | 38 | 革新 | 93 |
魅力 | 49 | 逃隠 | 7 |
五番組筆頭。常に眉根を寄せた武人らしい容貌の男。
ごく普通の出で立ちで敵に「強者」と畏怖されることを重んじており、実際令和風の萌え絵美少女キャラ「白拍子天女鶴子ちゃん」が胴に描かれている痛甲冑を平然と身に付ける強者。
脳内の彼女を高めるごとに自分自身も成長して身に付けた「理想的な太刀筋」で敵を圧倒する。
- 吉良満義
六番組筆頭。斥候やサポートを中心に活躍するいぶし銀。
斥候の際は草を纏っているが、本当に雑草が大好物な草食系武士。
草を食べる際は文末にw(くさ)を生やすなどテンションがおかしくなる。草に草生やすな
- “復讐鬼”斯波孫二郎/斯波家長
レアリティ (1337年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 70 | 蛮性 | 56 |
知力 | 96 | 忠義 | 81 |
政治 | 96 | 混沌 | 73 |
統率 | 70 | 革新 | 45 |
魅力 | 81 | 逃隠 | 49 |
寄騎。敵方に現れた松井先生の性癖美少年にして期待の新星。
年嵩の庇番衆をも言葉巧みに操る知恵を持つ軍師的な存在で、直義からは既に自分をも凌駕する才を持つと見込まれている。
生意気で打たれ弱い側面もあるが、覚悟と将来性を持ち合わせた麒麟児。
中先代の乱から2年後の1337年では元服して斯波家長を名乗り、17歳ながら「北朝奥州総大将兼関東執事」という肩書きを授かり北畠顕家とライバル関係にある。
- “馬頭鬼”今川範満
レアリティ (1335年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 63 | 蛮性 | 92 |
知力 | 18 | 忠義 | 77 |
政治 | 21 | 混沌 | 93 |
統率 | 11 | 革新 | 89 |
魅力 | 39 | 逃隠 | 67 |
寄騎。何故か馬の面を常に被っているツッコミ待ちの男。
「うまだいすき」など何故か片言でしか喋らず不気味だが、見た目や言動に違わず馬の扱いに長けた猛将。
その他郎党
- 岩松四郎
岩松経家の兄。上野国の武士で、進軍する時行軍を蕪川で待ち構えた。
猫のように6本束になった髭や猫耳を模した烏帽子が特徴的で、戦場でも猫を連れて可愛がる無類の猫好き。だが、時に感情の昂ぶりのままに猫の首を絞めてしまうなど扱いは明らかに雑。
関東庇番に選ばれた弟へのコンプレックスもあり、いち早く時行軍を止めて弟に成り代わって出世しようと息巻くが、想定を遥かに上回る軍勢を前にして戦意喪失。
猫を人質にする奇行を経て、猫を奪われた挙句、海野・望月両将に吹き飛ばされて敗北した。
- 淵辺義博
直義配下の武将。鎌倉では護良親王の世話係を担当していた。
語尾を伸ばす癖があり、常ににこやかだが、直義ですら緊張を隠せない親王暗殺の任務を課せられてもその態度を崩さない辺り性格は酷薄。
しかし、親王からその不忠ぶりをねちっこく指摘された際には流石に動揺したのか粗暴な物言いへと変貌。刃を歯で受け止める親王の気迫に圧倒されながらも、暗殺を果たした。
史実では1335年の手越河原の戦いで直義を逃がすために新田軍に突撃して戦死しているのだが、本作では生存して1337年の杉本城の戦いで鎌倉の入り口の防衛を担当。
無敵の護良親王を倒した男と増長して北条軍を侮るも、成長した逃若党の敵ではなく、軍を突破され弧次郎に刃を口に入れられ一刀両断される因果応報な最期となった。
- “牛頭鬼”今川頼国
今川範満の兄で、こちらは牛の面を被っている。もはや何も言うまい。
弟以上に無口で、何を考えて牛面を被っているのかすらわからない。
高兄弟と共に鎌倉に向かって出陣し、小夜の中山で名越高邦を討ち取る。
その後、相模川で逃若党をはじめとする北条軍相手に先鋒として突撃。
川の流れを受け付けない異常密集陣形「馬筏」で渡河したり、「馬鎧」で弓矢を跳ね除けるなど弟同様に馬の運用に長ける。
しかし、庇番衆との戦いを経て成長を重ねた逃若党に戦術の悉くを突破され、亜也子の四方獣によって打ち殺された。
だが何よりも範満のような狂的なまでの馬への執着心のなさから、弧次郎から「庇番衆より格落ち」と明言されるなど、扱いとしては完全にかませ牛であった。
※鬼について
- 牛頭鬼
牛の頭に人間の身体を持つ鬼。そのまんま。
地獄で亡者を責め苛む獄卒の一員であり、馬の頭を持つ馬頭鬼とセットで語られることが多い。
ちなみに頼国に牛関連の逸話は皆無。
京都で貰った「松風」という名馬に乗っていたなど馬に関わる話はあるが、その他は「相模川を渡河中に馬ごと討たれた」というのが史書に残る全てである。
ぶっちゃけ弟が馬頭鬼だから、その対として牛頭鬼になっただけな可能性が高い。
- 赤松
111話で登場した足利一門の武将。
○の中に「心」の文字がある独特のデザインの鎧を着ている凶悪な風貌の禿頭の男。
京都から撤退する足利軍を追う新田・楠木の連合軍への対処の為、4000の兵を預けられて尊氏から新田・楠木軍の足止めの任を与えられた。
以後もちょくちょく登場しており、湊川の戦いの戦いでは尊氏軍のメンバーの1人として同行している。
フルネームは不明だが、名前や鎧のデザイン、登場のタイミングなどから「赤松円心」ではないかと推察されている。
- 桃井直常
ドクロの装飾をあちこちに施し、兜の前立て部分を切り取ってまで突っ張らせたリーゼント*18が特徴的な武士。というかヤンキー。
亜也子と出会い頭に「俺の嫁になれ」と迫るなど見た目に違わぬオラオラ系。1335年の中先代の乱では一兵卒として関東庇番の五番組に所属していたらしく、その時に石塔を撃破する亜也子の姿を見て惚れたらしい。
年収は五百貫、官位は播磨守(従五位下)*19というように意外とエリート。
最終的に乱世の倣いとして略奪する方向に移行したものの、亜也子への想いは「絶対に幸せにするぜぇ!」の宣言通り本気。その点は享楽的に女を略奪し続けてきた岩松とは対極的である。
……が、後に彼女が十二歳の子供だと知ると大変ショックを受けて戦意喪失。
子供の色香に騙された挙句二年もその尻を追いかけ続けていたことを「男以前に人として……」と項垂れてしまったのであった。その辺の倫理観がちゃんと働いている辺り意外と真面目というかなんというか。
時行の面接にも素直に答えるなど、変なところで筋を通す一面もある。
戦闘ではトゲ付きの金砕棒を片手で振り回し、複数の兵を吹き飛ばすなど膂力に優れる。
基本的に猪突猛進の馬鹿タイプではあるものの頭が切れる部分もあり、勢い任せに窮地を軽く突破できるだけの実力を持ち合わせている。
家長は桃井を「まだ無名だが武才は比類ない。近く必ず名を轟かせる」と睨んでおり、直義の護衛役にしようと考えている。
- “羅刹鬼”土岐頼遠
美濃国(岐阜県)に陣取る、目測3m以上はある巨体を誇る人知を超えた武人。
牙を模したような兜や面頬に鎧で全身を武装したその威容はロボットをも思わせ、並列に並ばせた二頭分の馬に跨るなど正に規格外。
反面、面頬の下の素顔は非常に没個性的な無表情であり、純粋な武の強さだけが個性という極端な一面がある。
圧倒的な強さを持つが故に性格は自己中心的で傲慢。
中央で幅を利かせだした師直派の一員でもあるため、派閥外の武士は味方と言えど露骨に見下している。
軍議においても味方の武将を踏み潰しながら着席し、居並ぶ諸将をコケにしながら自分の優位を主張するサマからもその性格の一端が窺える。
とは言え、陣取りはくじ引きで公平に決めるよう提案したり、中国は阿豺の故事を持ち出して団結を訴える*20など、公平さや教養の高さも垣間見せる。
もっとも、前者は「くじを持つ郎党の指を引き裂いて番号を覗き見てから望みのものを取る」、後者は「例えに郎党を使って背骨ごとへし折る*21」という始末なので、結局のところ自分本位なのだが。
そして、郎党達は後述通り認識がバグっているため上記の乱暴狼藉にも真顔。
小笠原貞宗は「自分の世界でしかしゃべっていない」とドン引きして距離を置いている。
そんな様子なので、当然部下思いなわけがなく、「俺1人生き残ればそれが土岐軍」と考えており、頼元も含め自分以外の存在は消耗品の残弾でしかない。
ただその大言通り、武力は人間の限界を超えた化物レベル。長山の鉞の“たかが十倍” の重さの大太刀を手持ちで一番軽いものとして馬上にて片手で軽々振り回すほど。
あまりに理解を超えた強さ故に郎党達の感覚も麻痺しており、上記の強さも大したことがないように思われている。
ナレーション曰く「人の理解を超えた力は人の認識をバグらせる」とのこと*22。
まあ、郎党の言葉を信じるなら「昨日の深酒がまだ残っている」「鍛錬をしていない」とのことなので、本当にまだ本気を出していないらしいが……
戦においてはその規格外の膂力で突撃して敵兵をなぎ倒すほか、部下を刀に吊るしてブンブン振り回して敵陣に向かって思い切り投げつける「人間爆弾」という狂気の戦法を行使する。
投げつけられた人間は着弾先で爆ぜ、飛び散った鎧片が敵に突き刺さる形で殺傷するため、密集陣形に対して多大な効果を発揮する。
そのため、頼遠の基本戦術は密集の中に使い捨ての兵を1人投げつけて20騎倒し、怯んだところに精鋭の騎馬兵を突っ込ませて50騎を倒す「1人の犠牲で70人を殺す」ものとなっている。
普通なら使い捨てられる兵の抵抗や離散によって成り立たない戦術なのだが、土岐党は全員死生観すらバグっている*23ため、頼遠に捕まった時点で生存を諦め真顔で運命を受け入れてしまう。
頼遠自身を叩いて止めようにも、頼遠に勝てる膂力を持つ将がまずいないことが対処を難しくしている。
加えて頼遠が装着している鎧及び面頬は分厚い鋼鉄製であり、並大抵の攻撃など跳ね除けてしまう。鋼鉄製である以上重量が増して普通は動きが鈍ってしまうはずだが、頼遠自身が並外れた膂力を持っているがためにそんなデメリットをも帳消しにしている。
※技
- 美濃骨霰
己の精鋭兵複数人を自身の大太刀でぶった斬り殺害。
そのまま大太刀をフルスイングすることで屍を爆砕させて散弾として扱い、自身の視界全てを薙ぎ払う非道極まりない残虐技。
※鬼について
インド神話におけるラクシャーサ。
黒い体に赤い髪を持つ巨躯の人喰い鬼が基本とされるが、渡海先の説話や仏教との習合により、牛頭馬頭といった獄卒に、羅刹女といった妖怪、仏法の守護者である羅刹天など様々な派生がある。
中でも『ラーマヤナ』におけるラーマ王子の宿敵である羅刹王ラーヴァナは頼遠に最も性質が近く、不死身の魔王であったが自らの傲慢さによって身を滅ぼしたという
史実では婆娑羅大名の代表格として知られる北朝有数の猛将。
武勇もさることながら、酔っ払ってる中目の前を通りかかった光厳上皇の牛車を見て上皇を敬うどころか犬呼ばわりして牛車を蹴り飛ばした挙句牛車に矢を射る超ド級の狼藉を働いたことで一躍名を残した。
- 長山頼元
土岐頼遠の猶子で土岐党の副将的立ち位置の武将。瘤が三つくっついたような特徴的な顎を持つ。
頼遠ほどではないが相当な膂力を誇り、頼遠からは「俺の最も信頼する残弾」と信頼(?)も厚い。
その力量は土岐党随一の怪力無双が人生を賭けてやっと持ち上げられる巨大な鉞を片手で軽々受け取って馬上で振り回すほど。
彼にも認識のバグが発生しており、郎党達からその凄まじさを軽く流されている。
『太平記』においても1352年の武蔵野合戦で活躍した「長山遠江守」という鉞を武器にした武将の記述があるが、実はこの「遠江守」は土岐頼遠の猶子で土岐明智氏の祖である「九郎頼基」とは別人。
本作のようによく混同されるが、猶子の「九郎頼基」は1337年までに既に亡くなっている。
- 細川顕氏
足利の血を引く足利一族の家臣。肥満体の男。
名前が判明したのは1338年の天王寺の戦いの時だが、登場自体は早く5話目には既に心清く智勇に秀でた郎党として顔見せを果たしており、その後も政務談義の席や尊氏の自害を止める役割として度々登場している。
河内での楠木残党との戦に手間取ったことで師直に叱責されており、以降は足利一族とは思えぬ程の高圧的な態度で見下されている。
その待遇に不満を持ち、天王寺の戦いでは師直の命令を無視して独断専行するものの、顕家軍の圧倒的武力の前にあっさり敗北して捕らえられる。
顕家評で「弱将」であり「内紛の火種にでもなれば儲けもの」としてチ×コに「御」と百回刻まれた上で解放された。
天狗衆
神速の体術と潜入技術を兼ね備えた足利直属の忍者軍団。高師直が創設し、全国各地に潜伏しては反乱の予兆などをいち早く伝える役割を果たしている。
教育機関「足利学校」*24で訓練を積んだ特殊部隊であり、鎌倉幕府倒幕の際には迅速な情報伝達を行い倒幕に貢献したとされる。
足の速さや変装や潜伏の技術、そのほか毒を用いた殺し技など、個々の能力は鍛えぬいた武人にも勝るレベル。
一方、技術のみを磨き抜いた弊害か、大局を見据える思考力や複雑な判断は歴戦の武将に比べて劣る一面があり*25、裏をかかれて誤報を伝えることも。
そのため、中先代の乱の予兆を感じ取れなかった失態以降は、高師直自らが運用するようになる。
- 「夏の四」
諏訪に潜伏している天狗衆のリーダー格。
常に天狗面で顔を隠した細身の男で、感情を表に出さない鉄面皮。
最も術に優れているとされ、プロ意識も非常に高い。そのため、玄蕃の技を手品呼ばわりして見下している。
また諜報技術のほか戦闘技術にも優れており、特に小刀を用いた戦いに絶対の自信を持つ。さらに隠れ身の術と併用した奇襲技も披露した。
反乱の可能性が最も高い諏訪で諜報活動を行っていたものの、玄蕃によって発見され報告されてしまう。
その後も監視を継続し、頼重の反乱の準備に制限をかけていたものの、その間に時行が京都に潜伏していたこともあり反乱の「真の目的」を誤認。1335年の諏訪と小笠原の総力戦に対して「反乱の標的は小笠原」という誤報を京都に届けてしまう。
その後、口封じと監視役の排除のために動いた時継と玄蕃と交戦。暗器による牽制や猛毒を付与した小刀でプレッシャーを与えながらの戦いは、武に特化した時継を相手に防戦一方にまで追い込む。
しかし、隠れ身の勝負に移ってなお影が薄い時継が発する凄みに焦った結果、玄蕃の変装と新兵器*26に惑わされ捕らえられてしまう。
その後、時行の名乗りを聞いたことで、自身が誤報を発信したことに気付かされ、完全に面目を潰された。
以降も情報を引き出すため、囚われの身のまま6日間飲まず食わず戦場を連れ回される。
その状態でもなお口を割らなかったため、玄蕃に屁を嗅がされ汚物を至近距離でぶらぶらされる辱めを受けつつ仲間になるよう誘われる。
しかし、縄を緩めたその隙をついて逃走した。
私を捕縛した上あんな汚物を至近距離でぶらぶらと…!!
風間玄蕃…許すまじ!!
その正体は女の子。
天狗面をつけた体は実は「天狗躯体」という動物の健でできた傀儡であり、表情を一切崩さず身体能力が人間離れしていたのもそのため。
囚われていた6日間は体を構成する動物の健を食べて生き永らえていた。
本体は小柄で可愛らしい顔をしており、玄蕃の辱めを前に顔を赤らめるなど表情も豊か。
額には紅葉のような刺青を入れている。
中先代の乱から2年、その勃発を許した責から時行の首を狙うも、紆余曲折の末に逃若党に加入を果たす。
以降の活躍はこちらを参照。
小笠原郎党
足利派の信濃勢力。
領土が諏訪に隣接しているため度々諏訪の領土を奪おうと画策している。
- “千里眼鬼”小笠原貞宗
レアリティ (1333年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武勇 | 90 | 蛮性 | 87 |
知力 | 73 | 忠義 | 72 |
政治 | 67 | 混沌 | 64 |
統率 | 69 | 革新 | 55 |
魅力 | 80 | 逃隠 | 41 |
尊氏に仕える信濃守護。
妙にギョロついた大きな眼の男で、他人に顔を寄せる際も目がとにかく近い。また、松井先生のアレンジとして、着物にはダーツの的のような模様が入っている。
尊氏に対する忠誠心こそ本物だが、敵対する諏訪勢力に対しては非常に高圧的に接する陰険で高慢な性格。
信濃で多大な力を持つ頼重、そして逃若党と火花を散らしあの手この手で諏訪領の簒奪を目論む諏訪大社及び逃若党にとっては一番近くの小癪な敵に当たる。
……のだが、時行に大恥をかかされた翌日にも友達の家に遊びに来た現代の小学生のように手を振りながら笑顔でやってくるシリアスもギャグもいける稀有な存在となり、今では助房共々ライバル枠を兼ねた準レギュラー枠になった。ルパン一味に対する銭形のとっつぁんポジション。
彼とその配下の詳細は個別項目を参照。
足利の協力者
- 佐々木道誉
西国随一の実力者であり尊氏の盟友。
派手な法衣に身を包んだ元祖婆娑羅*27にして教養人で稀代の腹黒策士。
婆娑羅ブームの仕掛け人らしい派手な身なりに反して、表情が全く読めない…というかデフォルトで顔が真っ黒状態の人物。
初登場時に意味深に顔を隠していたワケでなく、日光に照らされても顔は物理的に黒いままなのでこれが素顔と思われる。この漫画、顔面が異常な人が多すぎる…
尊氏曰く「疑り深い人間ほど真っ黒に見える」とのことだが、実の娘にさえ「肚の底が見えない」と言われている。
何事か企みながら万葉集を引用する教養の高さや、宮仕えの女性と関係を持ってパイプを作り朝廷の蔵を無断で漁る暗躍っぷりは実際底知れず、1万騎もの諏訪軍兵士を戦わずして降伏させた尊氏の魔性のカリスマを「流石は尊氏殿の御人徳よ」と軽く流すなど胆力も凄まじい。
物語中でも常に暗躍し続けており、清原信濃守に朝廷の蔵で発見した大量の弩を持たせたり、中先代の乱の首謀者が時行と判明した時には面識があるとして似顔絵を描き手配書を発行した。
果ては鎌倉幕府滅亡時に、新田義貞の進軍を魅摩の神力による潮の干潮を利用して影から操っていた*28。
時行の鎌倉奪還後にはまたしても魅摩を連れて密かに鎌倉に潜入。魅摩の神力を操る力で大仏殿を倒壊させて北条軍に大損害を与えた。
中先代の乱以後も魅摩と一緒に尊氏軍の将の1人として振舞っており、偽装降伏しておいて油断した敵軍に奇襲を仕掛けたり、湊川の戦いの戦いでは錦の御旗対策として光明天皇から授かった2つ目の錦の御旗を掲げたりと存在感を示している。
- 佐々木魅摩
佐々木道誉の1人娘。ビジュアルは露出多めの着物を着たツインテールの婆娑羅…というよりメスガキ。なお父との仲は良好。
取り巻きの美女軍団と共に京都で賭場を仕切っており、賭け双六では神力*29を駆使することで負け知らずを誇る。
風貌に違わず非常に生意気で、誇り高く純朴な存在を汚すことを趣味にしている…のだが若干初心。
また、一度認めた相手には開けっ広げに好意を示し、時行の真面目さも「一周廻って逆に婆娑羅」と気に入っている。
しかし、相手が諜者だった場合、例えそれが好意を持った相手だとしても平然と「殺す」と返答する二面性は親譲りと言える。
神力の総量は雫にも勝る。とはいえ、力としては微力なようで、平時は専らサイコロの確率操作などに利用している。
しかし、水や空気の一粒ずつに力を孕ませることで潮を引かせたり、大仏殿を倒壊させる程に風の勢いを増大させるなど自然現象も合わせることで絶大な威力を発揮させている。
作中では暴風を自在に操り、木片等を矢のように敵に向けて飛ばすなど能力バトル漫画さながらの芸当も見せている。
ただし、あまり使いすぎると体への負担が大きいのか血涙や鼻血を流す描写も見られる。
急遽京を去ることになった時行を最後に見送り、中先代の乱が起きた際もその身を案じていたが、時行こそが乱の首謀者と知ったことで情が反転。
時行の鎌倉奪還後は道誉に連れられ鎌倉に潜伏し、神力を用いた烈風で大仏殿を倒壊させた。
その後、異変に気付いた時行らと対峙。裏切られたことへの怨嗟を吐き、血涙を流しながら神力による攻撃を仕掛けるも雫によって防がれ、道誉と共に撤退した。
尊氏の九州落ちにも非戦闘員ながら道誉と共に同行。そこでも神力を用いた砂嵐で戦闘を補助している。
モチーフは佐々木道誉晩年の書状で、領地を譲られている記述のある謎の存在「ミま」と思われる。
史実での「ミま」の正体は道誉の妻「北」や、孫の「六郎左衛門高久」と諸説ある。
- 小山秀朝
足利派武将。作中では特に言及されていないが下野国の守護。
中先代の乱の鎌倉防衛戦では、吉良の案内によって後方から奇襲を仕掛けるが、救援に駆け付けた倍の敵勢力と三大将相手では流石に分が悪かったようで敗北。
戦闘描写は省かれたものの、重信相手に深手を負わせて「しぶとかった」と賞賛されるなど実力は相当なものだったらしい。
小山自身も武士の意地を示せたことに満足したまま死亡した。
その他の鬼
- “賽の鬼”五大院宗繁
レアリティ (1333年) | ☆☆☆ | SR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 72 | 蛮性 | 76 |
知力 | 37 | 忠義 | 3 |
政治 | 24 | 混沌 | 75 |
統率 | 37 | 革新 | 29 |
魅力 | 15 | 逃隠 | 66 |
※スキル
- 技能:太刀打(丁)
太刀適正10%上昇
- 技能:臆面無用
主君を裏切っても良心値が下がらない
主人公・時行の腹違いの兄である邦時……の母を妹に持つ(つまり邦時の叔父)、高時の家臣。
邦時の護衛を務めており、高氏の謀反に際しても彼を守るよう命じられたのだが、あろうことか懸賞金目当てにその邦時を秒で敵の新田義貞に売るという、フィクションの悪党もビックリのクズぶりを発揮し(※史実)、日本史上屈指の鬼畜武将として名を残した男*30。
しかも彼が出世できたのも邦時の叔父という立場を利用したからだというから相当である。
因みに単行本によれば友達がいないらしい。口癖は「俺の義理の兄の名を言ってみろ!」。
流石の新田方からもドン引きされ、褒美も持たされずに追い出された(※史実ではあまりの不忠っぷりに新田義貞が処刑を決めたのを知って逃げ出した)が、「側室の子じゃ手柄として弱すぎた」と甥と妹のせいにする等クズぶりは止まらず、正室の子である時行を狙う。
――と、テンプレ小悪党としての完成度があまりにも高い反面、剣士としては背後からの不意打ちを振り向きもせずに防ぎ切り、そこにあった木を一瞬でズタズタに出来るぐらいには強く、護衛を任されたのは決してコネや重臣の立場だけではなかったと言い切れる自信と実力を持ち合わせる。そのタイミングでいけしゃあしゃあと「側室の子じゃ手柄として弱すぎた」とかぬかす奴初めてかも。
裏切りを事前に知らされた時行は、自分を庇うふりをして近づいてくるだろうという頼重の予測をもとに待ち伏せ。
時行の「振り出し」と宗繁の「上がり」を賭けた勝負となる。
一見、乱世の戦を描いた本作でなら「裏切り」はまだ弁明できそうに見える(実際、足利尊氏と彼についていった武将たちが北条家にやった行為も「裏切り」である)が、当時の日本では「武士道」という道徳概念を重要視していた上に裏切りにはきっちりとした作法が存在しており、それを無視すると宗繁のように双方から総スカンを食らった挙句村八分も同然の扱いを受けるのである。*31
というか単純に考えて、元主君を手ひどく裏切った挙句その子を拉致ってそれをダシに媚びてきたような男を本当に信用できるのかという話である。まっとうな判断力のある人間なら、「もし俺がピンチになったら、コイツ今度は俺の子を拉致って敵に寝返るんじゃ?」と疑ってかかるはずだし。
実際、史実でも邦時への裏切りが広く知られたことで全方位から信用を失い、誰の助けも得られず野垂れ死にしたとされている。*32ぶっちゃけ全体的に史実より扱いが良い気がしないでもない
※鬼について
- 賽の鬼
親に先立って死んだ子供が賽の河原で受ける刑罰である石積み。その刑罰の最中に現れ、積み上げた石を崩して邪魔する役割を持つ鬼のことと思われる。
宗繁の幼い子供を害する役割と、双六で使われる賽子とを掛けてのチョイスだろう。
- “牛鬼”牡丹
諏訪の山中で遭遇した、人肉の味を覚えた巨大猪。
大きな牙や顔面の突起など普通のイノシシとは異なる、魔獣のような存在として描かれる。
雫曰く、絶滅危惧の古代生物*33の最後の一頭と思われるとのこと。
分厚い皮を持ち、矢も刀もまるで効かない化物だが、結党直後の逃若党の連携で、諏訪名物の天然黒曜石に刺し貫かれ、死亡。
後に雫の祈りと、諏訪明神こと頼重の胃袋に収まった影響か、常人には不可視の信濃の守護獣として転入してきた。
※鬼について
- 牛鬼
牛の形をした妖怪。日本各地に伝わっており、その姿も地方によって多種多様。
その他の武将とその縁者
- 新田義貞
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 91 | 蛮性 | 99 |
知力 | ? | 忠義 | 67 |
政治 | 35 | 混沌 | 41 |
統率 | 97 | 革新 | 34 |
魅力 | 58 | 逃隠 | 73 |
尊氏と共に鎌倉幕府倒幕に力を尽くした東国武士。
ちょっと浅黒い肌にあご髭が特徴のワイルド系イケメン。ただし頭の横に「?」「!?」マークが具現化する脳筋天然キャラ。
なお、この「?」は実際に頭の横に浮かんでいるようで劇中人物たちにも視認可能。コマや吹き出しに隠されていてわかりづらいが、常時「?」は浮かんでいる。
時行にとっては一族の直接的な仇にあたるが、史実に即するならば時代のうねりは彼らを再び数奇な縁で結び付けることになる。
詳細は個別項目を参照。
- 新田徳寿丸
新田義貞の三男*34。浅黒い肌に鋭い目つき、何より宙に浮かぶ「?」など父親に瓜二つ。
1337年時点で10歳未満でありながら配下と共に北畠軍に従軍している。
何もわかっていないというよりも純粋無垢さが際立つ性格で、因縁のある時行相手でも「中先代殿」と呼び慕い抱きついている。
時行も仇敵の息子に尊敬されていることを心中複雑に思っており、彼を「空気が読めない子」と見做している。
後の闘将・新田義興。時行とは長い付き合いの盟友になっていく。
- 楠木正成
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 88 | 蛮性 | 90 |
知力 | 98 | 忠義 | 100 |
政治 | 61 | 混沌 | 100 |
統率 | 99 | 革新 | 94 |
魅力 | 95 | 逃隠 | 100 |
後醍醐天皇の天下取りの原動力となった大英雄。三木一草*35の一人に数えられる。
「日本開闢以来の名将」「軍神」と称される程に軍略に長け、鎌倉の大軍相手に僅かな手勢で何度も撃破を繰り返した日本一の合戦上手である。
その本質は合戦に際して「生存」に最も重きを置く逃げ上手であり、時行も「通じ合うものを抑えきれない」と感じている。
詳細は個別項目を参照。
- 名和長年
後醍醐天皇の寵臣である壮年の武士で三木一草の一人。官位は伯耆守。
主に罪人の捕縛の任にあたっており、謀反の疑いをかけられた護良親王や西園寺公宗を捕えている。
公宗に「栄華は長続きしない」と予言されるが、その1年後の第二次京都戦でその予言が事実であったと認めながら戦死した。
- 結城親光
後醍醐天皇の寵臣の武士で三木一草の一人。糸目の老人。
名和長年と共に西園寺公宗の捕縛に赴いた。
その後、本編での出番はなかったが、史実では箱根・竹ノ下の戦い後に企てた尊氏暗殺に失敗して死亡している。
- 菊池武敏
九州の帝派武将。
九州に逃げ延び多々良浜に上陸する三百騎余りの尊氏軍を相手に、三万の軍で立ち塞がった。
中先代の乱以降の連戦で兵を失い続け、京都での戦で敗走してきた尊氏を相手に余裕を見せるが、「序盤は直義が大奮闘し、砂嵐などの神の加護が多数あったため行動を阻まれ、最後に本陣にいた尊氏が出陣すると敵は皆降伏か逃亡して何か勝ってた。(要約)」とナレーションされたように、尊氏の発する魔のカリスマの前にあっさりと軍勢が瓦解し僅か5ページで敗北。
彼本人は戦死したのか逃げ延びたのか洗脳されたのかは定かではないが、史実では生き延びて自領に帰還している。
朝廷勢力
- 後醍醐天皇
先代天皇*36。御簾越しでの出番がほとんど。
というか御簾越しからでも見えるくらいに眼を爛々と物理的に輝かせていたり、怒りを抱くと御簾にも青筋が浮かぶなど、ほぼ御簾と一体化している。
政権を鎌倉幕府から朝廷に取り戻すべくいろいろと活動していた日本史上でも一二を争うアグレッシブ天皇であり、高氏を引き込んで遂に討幕を為した。第5話の時点で天皇に返り咲いたようで、高氏に偏諱を与えている。
……と、最初期でこそ尊氏にも劣らない底知れぬ人物として描かれたが、最近では
『○○』
「ははぁっ!!」「帝が『○○』と仰せだ!」
という周囲の貴族とのやり取りが天丼化し、大体のことを一言で片づけてしまうキャラが定着しつつある。
……が、物語が進むと戦意を喪って戻ってきた清原に対して気概を語って奮起させるなど、後醍醐天皇もまた比類なき覇気とカリスマを備えた英雄という側面が再び強調されるようになる。
人物像としては「時代を変革しようとする気概を持つ者」をこよなく愛する人物であり、元々下級貴族だった清原信濃守の野心を目ざとく見抜いて国司に選ぶなど、家柄・実績を持たない者であろうと取り立てることを躊躇わない考え方を持つ。
鳴り物入りで始まった「建武の新政」も、露骨な身内贔屓と実情に即さない政策の問題点が露呈して武士の間で不評だが、中には足利政権が参考にする先進的な政策も含まれる。
道誉は後醍醐天皇を「無駄に能力が高すぎて、凡人や無能の気持ちがわからない」と分析しており、彼と民の両方を理解できる賢臣がいれば真の英雄になれると評する。
加えて精神力も高く、尊氏の神の如きカリスマ性にも洗脳されることなく、征夷大将軍の地位に固執する尊氏を不審がって「野心を持たず出陣せよ」と釘を刺したうえで時行討伐を命じるなど、尊氏に踊らされるままでは終わらない傑物としての側面も描かれた。
正成によると現在の逃げる事を辞めた帝は「御簾に隠れてご自身を大きく見せる」ほどに弱体化した姿だという。
回想で描かれた素顔は教科書に載っている髭面の肖像画そっくりであり、本来なら会うことも許されない低い身分である正成が恐縮して震えているところに飛び下り、対等な立場で夢を語って忠義を誓わせる奔放なカリスマ性を魅せていた。
当初は尊氏を信頼していたが、中先代の乱を切っ掛けに尊氏と軋轢が生じ、1336年に起きた尊氏の挙兵と北朝の立ち上げによって王の座からは追い落され軟禁される。
だが、不屈の覇気を以て100㎞先にある吉野に逃亡。自らを王とする「南朝」を立ち上げ尊氏と対立した。
史書に基づけば、後に時行は打倒足利のために彼と組むことになるのだが、果たして――。
- 護良親王
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 83 | 蛮性 | 89 |
知力 | 84 | 忠義 | 71 |
政治 | 65 | 混沌 | 82 |
統率 | 90 | 革新 | 70 |
魅力 | 92 | 逃隠 | 88 |
※スキル
- 技能:太刀打(甲)
太刀適性70%上昇
- 技能:暴れん坊殿下
西国武士・僧兵・ならず者属性の武将忠誠度20%上昇
- 技能:冒険譚の主
潜伏・流浪・不屈の複合技能
- 技能:危険な覇気
魅力10%上昇、権力者からの警戒度50%上昇
- マーキング・パターン
菊の御紋
当時の征夷大将軍。
後醍醐天皇の皇子として、鎌倉幕府打倒の指揮を執った尊氏と並ぶ政権奪取の功労者。
父譲りの利発聡明さとカリスマ性、武芸兵法すら修めた文武両道を体現する主人公と言わんばかりの華やかな経歴を持つ異色の皇子。
尊氏の存在を危険視して暗殺者や刺客を送り続けたが悉く失敗。結果父である後醍醐天皇に切り捨てられ、たった二ヶ月で将軍職を解任される憂き目となった。
劇中では第15話で登場して華々しく活躍するかと思いきやその回で尊氏に惨敗してそのまま失墜するという不遇な扱いを受ける羽目になった哀しき皇子。
第37話で再登場するも、謀反の罪をでっち上げられて鎌倉に幽閉され、さらに尊氏の中に眠る「鬼」をかいま見て怯えるなど不遇な扱いは継続中。
一応罪人扱いとはいえ皇族であるため、牢の中でも自由に書を読むことができ世話係もつけられるなど扱いは丁重。
しかし、中先代の乱で鎌倉防衛が失敗すると「足利を見限った帝が再び親王を重用する可能性」や「鎌倉を奪った時行に正当性を主張するための神輿に担がれる」ことを危惧した直義によって命を狙われることになる。
なお、冷静沈着な直義も流石に前代未聞の皇族殺しに関しては緊張を隠せず、冷や汗を流していたが「太陽が二つあるのは不自然な気がする」という尊氏の後押しを受けて実行に踏み切った。
親王も事前に暗殺の兆しを感じ取ったのか、刺客の淵辺にねちっこくその不忠ぶりを指摘して激昂させ、振り下ろされた刃を歯で受け止めて睨みつけるなど格の高い抵抗を見せるが*37、控えていた鎧武者の数を見て抵抗を断念。
「誇り高い父の子に相応しく潔い死を迎えよう」と覚悟を決めて座を正し「尊氏はいずれ自分の中の鬼に食い殺される」と予言した上で暗殺された。
父と道を違えたことを残念に思いながらも、それでも父を恨むどころか「同じ夢を見るのがたまらなく楽しかった」と述懐。
父の力になる者の到来を望みながらその悲劇の生涯を終えた。
第1回人気投票では時行、頼重に次ぐまさかの第3位。
出番はたった3話のみ。それも主人公である時行とは直接絡まない物語上は蚊帳の外の人物としては異例の人気であり、多くの読者を驚かせた。その短い間に残した鮮烈な悲劇性がインパクトに残ったのだろうか?*38
- 坊門清忠
レアリティ | ☆☆☆ | SR | |
武力 | 10 | ||
知力 | 79 | ||
政治 | 65 | ||
統率 | 21 | ||
魅力 | 19 |
単行本10巻で急に解説されたモブネームドキャラ。登場は5話。
鯰髭みたいな髭をした中年の公家。
帝の忠実なイエスマンらしいが「忠実なだけで実力は疑問符」と酷評気味。
楠木正成の書いた奥義書の編集担当でもあったようで、その下書きの中でも度々名前が登場する。
「企画が弱い」と指摘してはしょっちゅう没にしているらしく、正成から嫌われているが、その愚痴を下書きに記したり、締め切りを破ってくる正成にもだいぶ問題がある。
九州で謎の逆転勝ちをおさめ、攻め上がってくる尊氏に対する正成の「帝を京都から逃がす迎撃策」に対しても同じ調子で没を言い渡しており、正成に内心ブチギレられている。
とはいえ「帝が短期間で2度も逃げることは威信の低下に繋がる」という主張にも一理あり*39、何より後醍醐天皇自らが逃げることを否定してしまっていた。
- 千種忠顕
レアリティ | ☆☆☆☆ | SSR | |
武力 | 31 | ||
知力 | 61 | ||
政治 | 40 | ||
統率 | 46 | ||
魅力 | 49 |
単行本10巻で急に解説されたモブネームドキャラ。登場は5話。三木一草の一人。
丸い鼻をした小太りの公家。名有りで再登場した際には出家しており、よく見ると髪の毛を剃っている。
帝の政権で甘い汁を吸って栄華を極めているが、一応戦闘もできるらしい。戦闘時には派手な鎧を身に纏いキラキラ輝いている。
第二次京都戦で逃げる帝の殿を務め、意気揚々と足利軍に立ち向かったが、師泰のよそ見をしながらの薙刀一突きで首を吹き飛ばされて死亡した。
- “火車鬼”清原信濃守
レアリティ (1335年) | ☆☆☆☆ | SSR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 19 | 蛮性 | 70 |
知力 | 80 | 忠義 | 37 |
政治 | 39 | 混沌 | 46 |
統率 | 20 | 革新 | 86 |
魅力 | 4 | 逃隠 | 21 |
後醍醐天皇の命を受け信濃に派遣された新任の国司。貞宗の上司に当たる朝廷の貴族。
胡散臭さ満点な平安貴族メイクをした痩身の男だが、本性は諏訪の土地を「糞田舎」と吐き捨て、自身が統治する土地を「麻呂世界」と呼ぶ腐りきったアンチ北条派の悪徳国司。
その非道っぷりから、保科からは「貞宗以下の鬼畜生」と唾棄されており、保科郎党の挙兵と反乱のきっかけとなった。
詳細は個別項目を参照。
- 西園寺公宗
大納言の位に位置する公家。
水玉模様の烏帽子を被り、顎が首とくっ付いて見えるような変わった風貌の男性。
北条氏と代々深い関係を築いており、鎌倉と京のパイプ役としてかつては絶大な権勢を誇っていた。
京都での泰家の後ろ盾を務めている北条陣営の協力者。幕府滅亡後、北条家と近かったことで後醍醐天皇に冷遇されたことを不満に思っており、泰家と結託して別荘に招いた帝を落とし穴に嵌めて殺す計画を立てる。
なお、雫は「この計画を続けるとこの場所に金ぴかのお寺が建つ」と予言するが、実際に金閣寺が建ったのは西園寺家の所領内であるため予言は当たっている。
問題は暗殺計画が失敗したことで没収された領地に、足利家が建てたということだが……
頼重の未来視でも失敗する可能性が高いとされた暗殺計画だが、実際に弟による密告によって兵に囲まれ失敗に終わる。
事前に逃げる準備をしていた泰家に一緒に逃げるよう説得されるが「野蛮人と一緒にするな!」「私なりに責任を取るので貴方は野蛮な戦いを続けなさい」と彼なりの激励をかけて拒絶。泰家も公宗の矜持に敬意を払いながら退出した。
その後、雫の予言した「金ぴかのお寺」を見たかったと溢しながらも、身柄を捕らえに来た結城親光と名和長年に対して「三木一草」と蔑み、取り調べに対しても一切口を割らないなど、気位の高さと義理堅さを貫き通して処刑されたことが語られた。
南朝側
- 義良親王
後醍醐天皇の七男で南朝奥州方面の象徴的な総大将。父親似の垂れ目。
1337年時点で9歳と幼いが顔つきは聡明で、ついこの間まで朝敵だった時行に対しても堂々とした態度で帰順を認めるなど威厳がある。
後の後村上天皇であり、鎧を着て戦場を駈けた最後の天皇となる。
- 四条大納言
般若坂へと進軍する北畠軍に向けて後醍醐天皇が派遣した貴族。
権威と地位に胡坐をかいて威張り散らす典型的貴族であり「中納言の顕家が強いのだから大納言の自分はもっと強い」という無茶苦茶な理論を振りかざす。
また、別の中納言と少納言の貴族を追い納言してお供に連れており、大中小合わせて極大納言を名乗っている。
顕家も内心苦々しく「御ボコりたい」と思っているが、一応位は上なので渋々従っている。
実際ロクに弓も引けないほどに非力かつ戦術も甘いが出しゃばりで、そのくせ戦場ではすぐに取り乱すなど絵に描いたような無能である。
彼が引き連れてきたのもほとんどが同レベルの公家であり、北畠軍全体を失望させた。
「一目でポンコツだとわかる顔」とまで評される外見のモデルはプランジネット朝第3代イングランド国王ジョン欠地王。「英国史上最も無能な王」と悪名高く、彼以降にジョンを名乗る王は存在しないほど*40。
南北朝時代に四条家出身で大納言の官職に就いた人物には四条隆資がいるが、隆資が大納言となったのは般若坂の戦いの10年後の1348年なので本作の極大納言とは厳密には異なる。
また史実の隆資は武官としても優秀で、武家に対しても公平で奥ゆかしい貴族と伝わっており、無能とは正反対の人物像である。
北畠家
奥州は陸奥国を拠点にした公家。
見るからに野蛮そうないで立ちの奥州武士が主戦力で、中にはアイヌらしき兵も見られる。また全員体は絶対に洗わない
その上の将は顕家同様に戦う公家から元御家人といった常識人な者から、変態に至るまで充実している。(変態が複数いなかったためしがない)
- 北畠顕家
レアリティ (1337年) | ☆☆☆☆☆ | UR | |
能力 | 南北朝適正 | ||
武力 | 89 | 蛮性 | 82 |
知力 | 90 | 忠義 | 97 |
政治 | 91 | 混沌 | 91 |
統率 | 97 | 革新 | 87 |
魅力 | 96 | 逃隠 | 30 |
「鎮守府大将軍」を豪語し、奥州の守りを固めている若き貴族。1336年時点では19歳。
華奢な体躯と長い長髪を一纏めに束ねた中性的な風貌の端正なイケメン。
「規格外貴族」「傑出した文武に美まで備えた南朝最強の貴公子」と解説されるだけあり、最強の公家。
戦う公家が増えた南北朝時代で武士を超える武力を持つ唯一無二の公家であり化物。
彼と彼の配下については個別項目を参照
- 北畠親房
顕家の父。頭に華やかな布をターバンのように巻き付けたイケオジ。
顕家同様南朝に属し、後醍醐天皇に付き従い献策を行っている。
北朝側
- 光明天皇
後醍醐天皇の朝敵認定を解除するため、1336年に尊氏が擁立した新たな天皇。
元々後醍醐天皇と対立していた彼の擁立により尊氏は「北朝」を立ち上げ、結果日本で初めて2人の天皇が同時に存在する前代未聞の事態となり、「超絶面倒な時代」とナレーションで語られる南北朝時代が真の意味で幕を開けた。
なおこの前代未聞の行為について尊氏は「うん!これでもう朝敵じゃないな!」としか考えておらず、ナレーションにも「当の尊氏は知ったこっちゃなかった」と雑に処理された。
市井の人々
- 夢窓疎石
「夢窓国師」とも呼ばれる高僧。
禅の道では足利兄弟の師でもあり、直義とは仏教に関する対談を行った『夢中問答集』を出版している。
南朝北朝の両天皇とも伝手を持ち、時行の文書を後醍醐天皇に届ける役目を担った。
- 吉田兼好
『徒然草』であまりに有名な兼好法師。各地の有力者とパイプを持っており、時行とは幕府滅亡前からの顔見知り。
和歌四天王にその名を連ね、鎌倉の支配者となった直義に招かれるほどの有名人なのだが、時行は面白い話をしてくれる怪しいお坊さん扱いして親しく接している。
僧でありながら色恋の道にも通じ、時行によると女好きらしい。
- 五郎正宗
鎌倉のはずれに炉を構える刀鍛冶。工房が時行の逃げ場の一つになっていた縁から、「時坊」と呼んで親しんできた。
衣装こそいかにも鎌倉の鍛冶師といった所だが、顔中タトゥー&ピアスだらけというパンクな風貌をしている。
また顎の形が西洋剣の切っ先の様になっている。
後に『天下三作』の一人に数えられる正宗その人であり、吹雪から「武士なら誰もが憧れる名」「噂に名高い刀工の頂点」と言われ、弧次郎も当然のように知っている。
刀工としては一つの境地にたどり着いたことから、普通の刀では満足できず異形の武器を多数試作している他、
過去の失敗から依頼人の性格や適性に見合った武器を作成することにこだわりを見せるようになる。
そのため洞察力に優れており、一目で客の肉体の長所を見抜く眼力が養われている。
あくまで知人として時行を応援してはいるが、関東庇番の持つ武器もすべて彼の作であることから、
本質的には政治的なスタンスは持ち合わせていない生粋のクリエイター。
また、既婚者だが奥さんに出て行かれている(雫は「なんかわかる」と評した)。
どうやらライバル刀工の国行*41に寝取られたらしく、彼の刀に対しても怒りを滲ませて対抗心を露わにしている。
比較的頻出する用語抜粋
※一覧
- 神力
諏訪頼重や雫を筆頭に、一部の人物達が用いる異能。所謂神通力。
強力なものになると未来視や洗脳、局所的な天候操作などが行え、小規模なものであれば賽の目を良い出目にする程度の些細な事象を引き起こす。
他にも肉体の活性効果もあり、例え致命傷を負っていても短時間ならば延命できる効果もある。
頼重曰く「人の目が届かない所に存在できる力」。
人口が増え、文明が発達し、土地の開墾などで人の手が加わり土地が開発されるほどこの力は弱体化していくが、それは自然の摂理のようなもの。
人の領域が増えるにつれ弱まるというのは、今まで「神」に集約されていた"神力"が、"生命力"に形を変えて「人間」へと分散していく事を意味しており、言わば「神の世」が「人の世」へと移り変わる事に他ならない。
南北朝時代はまさにその過渡期であり、神力が活躍できる最後の時代であるとされる。
神秘の力と秘匿の比例の設定に関してはこちらの魔術に近しい部分がある。
- 鬼ごっこの「鬼」
本作における敵達。鬼ごっこの鬼に見立てられる。
前々作のアイツらのような異常者のオンパレード…もとい異形のイメージで描かれ、松井先生のセンスが光るボス演出が見どころ。
前作や前々作同様、能力バトルのような特殊能力を持つ人物は基本的におらず、人間の能力や素質を極端に突き抜けて尖らせることで各人物の特殊技能として描いている。
- 武器
主に日本刀、薙刀、弓矢が基本。
鎌倉時代では刀・弓・薙刀といった全ての武器を1人で扱えることが必須であり、鎌倉時代と地続きなこの作品でも兵種の分業はまだ先の話。
戦国時代では定番と言える槍も南北朝時代の頃は珍しい武器扱いであり普及はしていない模様。
そして現代ではポピュラーといえる「複雑な技術を用いた剣術」はこの時代ではまだ開発されておらず、「力任せに叩き切る剣術」がこの時代では主流。
また元寇の際に戦死した元軍の兵士の武器の要素を取り入れた、奇抜で異様な専用武器を擁する豪傑もちらほらいる。
- 鎧兜
所謂大鎧。あまり注目され難いが、この漫画では堅牢で厄介な防具として活躍。
「面」は兜で、「胴」は鎧で、「小手」は篭手によって防ぐことができるため、通常の刀剣ではまともに打ち合うとダメージを与えることはできない。
加えて戦法も「敢えて攻撃は躱さず大鎧を盾のようにして受けて防ぎ、カウンターの如く攻撃を加える戦法」が主流。
有効にダメージを与えるには装甲の隙間を狙うしかないが、そこを狙って迎撃するのが手練れである。
ナレーションでも「鎧武者同士が刀で戦えば6~7割は決着がつかない」と解説されている。
- 郎党
武士社会における主家の一族や従者の総称。
作中における軍勢を意味し、「○○党」と呼ばれることが多い。
この時代の軍は小さな武士団の集合体なので統率が緩い一方で、他家同士がアドリブで連合チームを組んで戦況を打破することもしばしばあったとされる。
- 土地
武士が統治する領地のこと。
武士にとっての土地とは財産そのもので、税となるお米の産出も行う。
なので領地の有無は武士に取っての死活問題であり、国司に理不尽に税をむしり取られた挙句土地まで奪われかけた保科党はブチ切れて反乱を起こし、
若かりし頃の瘴奸も相続される筈の土地を貰えないことに逆上して「領地のない武士など武士ではない!」と怒り狂い悪党にまで堕落してしまった。
- 馬
所謂軍馬。名馬ほど武士にとって極めて貴重な財産にしてステータスになる。
日本在来馬の最高速度は約40㎞とされ、その速度はプロボクサーのパンチの最高速度と同レベルだとか。
なのでナレーションでは馬に乗った武士が刀を振り回して突撃するだけで「プロボクサーのジャブの速度でバカでかい刃物が飛んでくる」と形容される脅威の攻撃になりうる。
歩兵に対して極めて有利なアドバンテージを取れるため戦場での影響力はとても大きい。
弱点は「馬の脚が止まる事」。
馬の脚が止まるだけでただの歩兵となり下がるため、戦場では騎兵の動きを封じたり馬から引きずり下ろすのが定石。
実際作中でも馬の動きを封じられた結果形勢が逆転し敗北に追いやられたキャラクターは度々出てくる。
力による戦いではなく、隠密行動と破壊工作を得意とする職種。
劇中では玄蕃や天狗衆が該当。
南北朝時代は初めて忍者の存在が資料に記述された時代であり、高師直が石清水八幡宮の焼き討ちに「忍び」を使ったのが元祖だという。
- 悪党
土地を失い野盗化した武士や、税を納めず独立天獄を築く武士の総称。
武士の戦闘力を備えた賊の集団であり、通常の賊とは比べ物にならない戦闘経験、戦術、組織力を備えている。
なお、この場合の「悪」は「命令や規則に従わないもの」を意味しており、身分の低いならず者というニュアンスは必ずしも伴わないが、征蟻党のように現在のイメージに近しい意味での「悪党」も少なからず存在する。
- 建武の新政
鎌倉幕府滅亡後、政権を取り戻した後醍醐天皇自らの手で始めた肝入りの改革政策。
北条に近い武士や貴族を徹底的に排除し、天皇からの綸旨(命令書)を絶対とする体制を整え、これまでの土地所有権を倒幕の功績に基づいて再分配。
民事裁判所である「雑訴決断所」を設けて、土地争いの問題を審理と綸旨によって解決しようと試みた。
鳴り物入りで始まった改革ではあったが…
- 帝お気に入りの公家や武士は厚遇されたが、大半の武士は冷遇か放置。
- いざ武士全ての領地を決めようとしたら、量があまりに膨大すぎて自ら決めるには現実的ではないとして前言撤回(曰く「めんどい」)。結局、北条氏以外の領地は現状維持に。
- また、恩賞を主張する武士のほとんどが手柄を盛るかそもそも嘘をついており、その真偽を調査する必要も生じたため、取り消しの綸旨を出すまで肝心の政務がまるで進まなかった。
- 裁判の手続きが煩雑な上、いざ裁決が出ても従わずに土地に居座る武士が続出。雑訴決断所の存在意義が実質なくなる。
- 師直曰く「あの裁判の仕組みはゴミ」「武力が保証する裁決でなければ誰も従わん」、師泰曰く「一番強い奴しか裁く権利がないなら、そいつはやっぱり帝じゃない」。
- 身内贔屓の人事や不公平な恩賞が横行して全国に不満が渦巻く中、大内裏の新築のために増税。足りない資金は紙幣を刷って補填(ただし猛反発を受けたため頓挫)。
といった現場を見ない政策が連発する数々の問題点が露呈。特に全国の武士を中心に不信感が蔓延した。
ただし、改革の中には紙幣経済の浸透を目指すなどの先進的な政策もあり、後世になって評価されるものもある。
作中では高師直が、現実的だったが時代の変化に対応できなかった鎌倉幕府の統治と比較して「先進的な政策もあるが無駄が多く現実に即さない」と評している。
- 太平記
主にナレーションで頻繁に引用される同時代のことを記した歴史文学。
後醍醐天皇の即位から2代将軍足利義詮の死去まで*42を全40巻*43で語る、日本の歴史文学の中では最長の作品とされる。
成立時期や作者には諸説あるが、直義が読んだとの記録が残り、直義死後の室町幕府2代将軍足利義詮のことまで記されていることから、南北朝争乱時期から数十年単位で複数の作者によって記されていったものだと思われる。
本作のタネ本と言ってよい書籍で、また通俗的な南北朝時代のイメージの由来となっている書籍だが、あくまで「歴史文学」であり「歴史資料」ではないことには留意が必要。
他の一次史料と比較して年月が誤っている部分は多々あるし、エンタメ性を重視しているのか兵の数は桁数を増やすくらいには盛る。
また、作者が複数いることや写本の数も多いことなどから、後世に印象操作のために付け加えられた謂わば後付けや捏造の箇所も目立つ*44。
他に記述の傾向として、わけのわからないことは大体天狗や怨霊などの人外のせいにしてどうにかしようとすることがあり、逃げ若においてはそうしたファンタジーな部分を「天狗衆」といった形で肉付けしたり、逆にそのままお出しする形で脚色している。
ただし、資料的価値が全くないというわけではなく、それが書かれた当時の思想や価値観を窺い知る上での参考となる。
また他の一次史料が絶対的に正しいわけでもないため、『太平記』の記述を同時代の他の資料と比較することが研究の一助となることも多い。
余談
松井先生式の誇張、現代ネタがあちこち見える今作だが、週刊連載を維持するため鎧にはデフォルメを加えて簡略化している部分もあると単行本で語っている。
なので今作の描写を丸々鵜吞みにするのはあまりお勧めされず、作者本人も推奨していない点には注意が必要。
wiki籠り、貴方の目的はなんだ。この作品の項目を作って何の利益がある
全てはアニヲタwikiへの忠義のため!…とインチキ立て主が言った所で信じますまいな。
いずれお話致しましょう。貴方様が…この項目を追記、修正したその時に
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▷ コメント欄
- 1/25から連載じゃないの?今の記述通りだと1週間ルールに引っ掛かるし -- 名無しさん (2021-02-05 22:49:02)
- ↑ジャンププラスの公開日とごっちゃになってました。修正ありがとうございます -- 名無しさん (2021-02-05 22:55:57)
- 時行様の首がスッ飛ぶシーンが速く見たいなぁ -- 名無しさん (2021-02-05 23:13:17)
- 純粋に少年漫画としても評価され、数少ない南北朝時代を扱った創作物としても注目され、ショタコンからも評価の高いというなんかすごい漫画 -- 名無しさん (2021-02-05 23:20:09)
- 幕府を開いた尊氏は実は変装してすり替わった時行だった!とかでもない限り少なくとも高氏の首を取って復讐を果たすエンドにはならないのは確実なんだがどう出るやら。松井先生特有のクセの強さがどう活きるか楽しみ -- 名無しさん (2021-02-05 23:23:08)
- ドラム缶の亜種な女子高生→ナニがついてる女子中学生→中性的な低学年の男子小学生 -- 名無しさん (2021-02-06 03:38:02)
- 頼重がキモすぎて嫌なんだけど 殺せんせーみたいな可愛げもないし -- 名無しさん (2021-02-06 04:34:08)
- ↑3史実の尊氏が実は結構行き当たりばったりだったらしいので「時行が尊氏と入れ替わったので、以前と矛盾する行動をするようになった」とか「時行が最後まで逃げ切った結果、尊氏は時行の影に怯え続けることになり、行動が支離滅裂になった」とかがオチとしてあり得るんじゃないかな? -- 名無しさん (2021-02-06 04:40:38)
- 頼重さん、絶対声諏訪部さんだ…(何故か諏訪部枠がある最近のジャンプ) -- 名無しさん (2021-02-06 07:36:30)
- 松井先生って胡散臭いキャラ描くの上手いよな(褒め言葉) -- 名無しさん (2021-02-06 09:12:30)
- ↑2 個人的には丸尾君寄りの飛田さんボイスの印象。見た瞬間松井先生イキイキとしながら描いてただろうなぁって。ホント好きだよねあのテのキャラ -- 名無しさん (2021-02-06 09:26:46)
- 尊氏はかなり人がいいタイプだったので、結果としていきあたりばったりにみえるはあるかな…(主人公タイプだからね -- 名無しさん (2021-02-06 09:34:49)
- ↑5 それは知らなんだ、全くあり得なくもないのな。史実で敗北確定側を主人公にするなら「実は処刑された方は影武者だった!」はお約束だけど、いずれ時行がそんな冷酷さを身に着けるとするとちょっとゾクゾクする。それこそ暗殺者モードに入った渚君の如く。そういえば時行を護衛する子供には雫の他に少年も居たな…… -- 名無しさん (2021-02-06 09:40:51)
- 通常の漫画家なら南北朝時代を扱うとなると不安さを感じるが、松井先生なら大丈夫やろという謎の安心感がある -- 名無しさん (2021-02-06 10:30:55)
- 鬼連中は毎回ネウロの犯人みたいな豹変をするんだろうか……つーかあの叔父普通に化物レベルなんじゃ… -- 名無しさん (2021-02-06 10:41:58)
- 個人的には史実通り斬首されて欲しいなぁ。満足する死であるとなお良いね -- 名無しさん (2021-02-06 11:21:45)
- 五大院宗繁というおそらく9割9分の読者が初めて知るとんでもないぐう畜武将 -- 名無しさん (2021-02-06 12:11:38)
- 時行が記録通り刑死するか生存説が採用されるか、鍵となるのは間違いなく頼重だろうね。なにせ太平記の記述によると「頼重とそのお供の死体は発見された時点で顔がわからず最後まで本人か判別できなかった」そうだから…。これ、ミステリーだと間違いなく生きてる展開じゃん! -- 名無しさん (2021-02-06 13:14:42)
- 大恩ある叔父に托された甥であり主君を金欲しさ秒で敵に売り飛ばす男、野垂れ死にがあまりにも当然すぎる(しかも史実) -- 名無しさん (2021-02-06 17:32:57)
- あとは最終巻の読み切りに学園ラブコメを掲載したら、ネウロで張っておいた伏線が完璧に機能するな。 -- 名無しさん (2021-02-06 17:46:47)
- 時行が逃げ回った後の火照った顔が可愛くてなぁ…面白いから読んでるけど俺の性癖ひん曲げないでくれるかな。 -- 名無しさん (2021-02-06 20:57:52)
- 時行自身は歴史でも「ああそんな人いたね」ってくらい影の薄い人物で、ウィキペディアでも漫画の連載が始まるまで項目内容がめっちゃ薄かったという・・・ -- 名無しさん (2021-02-07 00:14:58)
- まだ1週間経過してない2話の内容記載されてない? -- 名無しさん (2021-02-07 04:37:43)
- 足利尊氏は史実でもネウロにいそうな怪人だから… -- めそ (2021-02-07 13:53:54)
- 某無惨様は「私は何も悪くない!殺されるそいつらが悪いのだ!」の一点張りで各地に適当に鬼を振り撒いたり、手前身勝手に暴力振るって殺したり、太陽克服と自分の気分や逃げる事以外何も考えておらず、その太陽克服の方法自体も思い込みだしいざそれの為に動いたと思ったら遅れて不利に気付くと生き汚く逃げる事ばかりしか考えないという…それとは対極的に逃げ回りながら勝てる状況を見極め勝つべき時に勝つ事をスタンスとする時行とじゃ覚悟も信念も全然違うな。頭無惨様は臆病者以下だったんや -- 名無しさん (2021-02-08 12:13:27)
- Wikipediaの内容が大幅に更新された -- 名無しさん (2021-02-08 13:28:57)
- ↑14ある歴史物だと仇の史実の没年に合わせてメインキャラが復讐を果たした作品もあったな(まあ、あれは詳しい言行を書いた資料がなくて死因が諸説あるから史実と解離しなかったんだけど) -- 名無しさん (2021-02-08 22:20:08)
- ねぇ、1話で「略奪の上、惨殺」されてた女の子ってジャンプだからフィルターかかってるだけで、もしかして実際は… -- 名無しさん (2021-02-16 00:38:59)
- ↑ あぁ…そう言う事ね -- 名無しさん (2021-02-23 12:54:58)
- 何なら1話の略奪ページよく見たらちっちゃく身ぐるみ剥がされてる女性がいたりするんだよね。諸行無常 -- 名無しさん (2021-03-01 18:14:37)
- もうね、松井先生には性癖グニグニ曲げられてるわ……後、画力凄い上がってない? -- 名無しさん (2021-03-10 16:09:42)
- 後醍醐天皇、史実だけてもクセ強いのにどんな描写されるんだろ… -- 名無しさん (2021-03-15 10:11:27)
- あれだけ人外めいた描写の小笠原貞宗がギャグもやれる点、松井先生が言うところの「防御力」が高すぎる…素晴らしい -- 名無しさん (2021-04-07 17:20:32)
- 2回奪還できたという史実がなんかもうおかしい -- 名無しさん (2021-04-07 17:36:19)
- 現代ネタやメタネタを持ってこれる未来が見える設定は松井先生の強みを活かせる良い案だと思うわ -- 名無しさん (2021-04-07 18:06:59)
- そりゃサトシにとってのロケット団の如く今後末永く付き合う羽目になる小笠原氏をシリアス一辺倒のキャラにしてたら話の息が詰まるとはいえ、あんな恐ろしさと愛嬌が悪魔合体した特農キャラに仕立てられるのはこの人だけだわwww -- 名無しさん (2021-04-08 16:26:23)
- 凄くへうげものっぽい -- 名無しさん (2021-04-13 12:56:38)
- 諏訪頼重……どこかで聞いたような……戦国……武田……晴信……うっ頭が。もしかしたら、戦国時代の(信玄と婚姻同盟を結びながら、その信玄に滅ぼされた)諏訪頼重の先祖だったりするのかな? 実はタイムスリップした彼って可能性はないよね? -- 名無しさん (2021-04-13 13:53:37)
- ↑史実では二人それぞれいたけどそれもめちゃくちゃ面白そうだね -- 名無しさん (2021-04-20 16:58:09)
- こんなに史実でも個性的な人物多いのになんでマイナーだったんだ… -- 名無しさん (2021-05-25 13:06:33)
- 今週の「地獄で触れ回れ。我らが長の名は『北条時行』」って台詞がカッコよすぎる -- ななし (2021-06-23 10:22:56)
- ↑2幕末とか戦国時代と違って「この時代ならこの人」っていう英雄のイメージに乏しいからじゃね?尊氏って後醍醐が好き勝手やった後始末押し付けられただけであんまり「俺が俺が」ってタイプじゃないし。同じ幕府創設者の頼朝や家康は必要ならば身内も切り捨てる判断下せる非情さがあるけど、尊氏はそれがなかなかできない、良くも悪くも「人間臭くて英雄らしくない」ことが印象の薄さに繋がっているんじゃないかと。 -- 名無しさん (2021-07-05 15:34:44)
- 貞宗の部下やべー奴ばっかりじゃねぇか! -- 名無しさん (2021-07-05 23:43:15)
- 単行本の巻末に割とガチな解説が載ってんだが…後、キャラ紹介はソシャゲ風味 -- 名無しさん (2021-07-05 23:53:35)
- …編集するなとは言わんけども、「“他人に読ませる・読まれる文章”ってわかってる?これ読みやすいと思う?」とたまに思う -- 名無しさん (2021-07-06 01:01:08)
- 今週の瘴奸、あれ大丈夫なの?鷹岡みたいに時行教信者になったりするんじゃ…… -- 名無しさん (2021-07-06 19:36:31)
- ↑5尊氏自体、ここの大河ドラマの記事にも「鎌倉幕府を裏切り、建武の新政も裏切り、時には北朝すら裏切り弟を毒殺するなど未だによくわからない男」って書かれてるし…ただ、この作品の出来によっては完結から十数年あるいは数十年したら大河ドラマの原作になる可能性もあるかも…? -- 名無しさん (2021-07-06 19:53:06)
- ↑×23 そら無惨様は自分の死・消滅から「逃げるために戦っていた」のに対し、時行は天下奪還という大義を掲げ「戦うために逃げている」からな。死地に対しても無惨様はしつこい宣言からも分かる通りただ不快だとしか思ってないが、時行は命を懸けることを楽しんでる。逃げ方が無惨は後ろ向きで時行は前向きなんだよ。生き方自体がそうかもしれないけど。 -- 名無しさん (2021-07-10 21:55:33)
- 後醍醐天皇が後に作る「異形の王権」には期待したい -- 名無しさん (2021-07-12 17:53:54)
- 尊氏は鬼滅の縁壱のある意味プロトタイプ感する。同じ時代に巡り合っていたら良くも悪くもライバルになっていただろうか -- 名無しさん (2021-07-13 16:22:48)
- 新九郎、奔る!といい鎌倉殿の13人といい、最近は北条家がトレンドなのかね。 -- 名無しさん (2021-07-27 21:58:07)
- 小笠原貞宗という最高の萌えキャラ -- 名無しさん (2021-08-11 00:00:03)
- 違反コメントとそれに触れたコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2021-09-09 21:29:36)
- アニメ化の暁には、時行様は富田美憂さん希望。異種族レビュアーズのクリム君の感じがバッチリな気がする -- 名無しさん (2021-09-17 19:06:57)
- 最近編集されたのかwikiがだいぶ読みやすくなってるな -- 名無しさん (2021-09-29 00:27:07)
- 処刑を命じたのは新田義貞だし、死因は民から見捨てられたことによる野垂れ死になんだが。せめてウィキペディアを見ろ -- 名無しさん (2021-10-11 14:46:18)
- 保科は味方、宗繁は敵。ユーコピー? -- 名無しさん (2021-10-11 15:14:56)
- 生きたがりにするってのは味方の話だろ、常考 -- 名無しさん (2021-10-20 23:33:56)
- 岸本先生やしまぶーが次回作(岸本先生は原作担当)で脱落する中、ブロック分けして連載することを最初に明示してる『BURN THE WITCH』と並んで軌道に乗ってると思う。 -- 名無しさん (2021-11-01 10:54:58)
- 荒らしコメとそれへのリプ、消して良いかな?荒らし板に通報はしてる -- 名無しさん (2021-11-07 19:40:28)
- 史実では尊氏は、気前よく領地配りまくって結果支配能力の欠如が室町幕府の脆弱な支配体制を作り、寺の連中が金貸をして儲けまくり女子供を売り払う一方、大飢饉で4万人ほど死んだりするようなものだったが、その辺りも描写して欲しいな・・・・・・一代限りの超人なんて、長い目で見れば迷惑にしかならんのかもしれない -- 名無しさん (2021-11-12 18:24:55)
- ちな室町幕府末期。人の意思は受け継がれないって事なんだろうな -- 名無しさん (2021-11-12 18:28:24)
- 3巻の作者コメントで「採算度外視、赤字覚悟で始めた」とあるけど、松井先生にもそのくらいの金銭・精神的余裕はあるようでよかった。なお3巻発売時点で準備分の元は取れた模様。 -- 名無しさん (2021-11-16 22:39:37)
- ここに限らず、アニヲタの解説はちょいちょい恣意的になりがち。いやそれが悪いという話ではなく、そういうのも加味して読もうねという話。中立的な記述が読みたいのであればWikipedia行けという話にしかならないし。 -- 名無しさん (2021-11-17 00:39:20)
- リアルフェイスで「マジで何もない」は腹抱えて笑ったわ -- 名無しさん (2022-06-29 13:22:26)
- 折りたたみ部分なら1週間ルール破っていいの? -- 名無しさん (2022-07-04 07:33:51)
- 濃いキャラ連発な松井節は健在ながら、胸囲ネタやキャラディスりを廃してて時代に合わせたアプデを感じる(前者はメインキャラの年齢もあるけど) 時事ネタも控えめだし -- 名無しさん (2022-07-04 13:17:15)
- 国司清原の発想力によって作られた戦闘御輿や戦車は面白かった。あと御輿の中から弓を射る姿はカッコよかったし。兵器製造と建築においてはまさに天賦の才。それは敵味方双方からも高く評価されているし惜しまれている。 -- 名無し (2022-07-11 19:36:41)
- 国司清原は知略、策略に優れていると思う。保科への圧政も反乱を起こす可能性のあるものたちをあぶり出すためだとも見える。他の北条勢力と連携する前に殲滅する目的で。 -- 名無し (2022-07-21 19:01:40)
- 清原国司はある意味、現在の敵サイドで一番功績を立ててる人物。保科の反乱の決起、戦闘御輿、最終戦でも結果的には諏訪と北条勢力の力と領地を削ってるから。 -- 名無し (2022-07-21 19:05:38)
- なんやかんやで少年漫画に落とし込める松井先生スゲーわ… -- 名無しさん (2022-08-11 01:17:22)
- ネウロの望月とか暗殺教室の鷹岡もそうだけど、無能に見せかけて一点突破の才能で盛り返す悪役を描くのが上手いなと思う -- 名無しさん (2022-09-19 17:45:44)
- 二作品ヒットしてアシスタントや監修の方々が潤沢でも鎧とか結構省略したり背景少なめだったりするの見ると週刊で慶次を凄まじく描きこんでた原哲夫って化け物だなと思う まあそのせいで目がやられたわけだけど -- 名無しさん (2022-12-08 20:09:39)
- 今週号の政治合戦、なんか敵さんが今の日本人からしたらまるで信頼に値しないのに当時の人なら信頼されてしまうだろうなという迫力がやばい。その上で若様はどう切り返すことやら -- 名無しさん (2022-12-28 00:45:35)
- 今年の大河に出てる望月千代女のご先祖が望月重信なのかな? -- 名無しさん (2023-03-15 01:02:54)
- 1クールでどこまでやるんだろう。キリよくやるなら尊氏暗殺未遂までやればシナリオ的にはちょうど良さそうだけど、流石に話数足りないかな -- 名無しさん (2023-03-21 07:02:18)
- 1クールなら鬼心仏刀までかな -- 名無しさん (2023-03-21 10:24:52)
- 亜也子がNとかどんなガチャだよ… -- 名無しさん (2023-03-25 01:44:45)
- アニメ化したらネウロや暗殺にも出演したガストロと不破さんの声優がまた出演しないかね。 -- 名無しさん (2023-03-25 01:49:24)
- 本作にはトライフォースみたいなヤツが出てくるので、和風版ゼルダの伝説って思い込んでる人がいそう。 -- 名無しさん (2023-04-14 16:02:00)
- 子安……腐乱(フランス国旗男)辺りどうだ? -- 名無しさん (2023-04-14 17:55:02)
- うわぁ吹雪の正体こう繋がるかぁ… -- 名無しさん (2023-04-17 12:49:33)
- 花の慶次から26年ぶりとか書いてるけど、同作者がその後、影武者徳川家康をジャンプで連載してるから、これは間違ってんだろ -- 名無しさん (2023-04-18 07:26:30)
- 「歴史ものだからリアルにしろよ」に対し「うるせー太平記には神も天狗も出るんだよ」と返せるのすごい -- 名無しさん (2023-04-23 15:26:59)
- 時行とその仲間達と庇番の部分分割しようかと思うんですが大丈夫ですかね -- 名無しさん (2023-06-05 18:02:57)
- ↑だいぶ肥大化してきた上、中先代の乱終結で一区切りついたので賛成です。ただ、尊氏同様にステータスと簡単な紹介文は残す形でお願いしたいのと、史実上の役割からして上杉家は今後分割する可能性は留意してもらいたいかな、と。私もまだ全体の構成が出来上がってないので未定ですが、小笠原殿の記事から将監の記事を独立させて本記事に簡単な紹介とリンクを残すことを考えています。 -- 名無しさん (2023-06-06 10:10:06)
- 時代劇を漫画にする際には江戸時代は飽きられてる説 -- 名無しさん (2023-06-06 17:38:01)
- とりあえず項目削減の一環も兼ねて清原国司一派の分割を行おうと思います。そのまま諏訪陣営の分割も行えれば行うつもりです -- 名無しさん (2023-06-06 21:46:26)
- 他の人物の紹介のところにも庇番の面々の名前が出てくるため、逃若党や小笠原殿のように最低限の紹介文を入れておきました。あと諏訪氏は頼重と時継以外のメンバーはこれからも本編で活躍の余地があるので、分割するとしたら頼重のみが良いかと思います -- 名無しさん (2023-06-07 13:31:56)
- ↑了解しました。分割する場合はそのようにいたします -- 名無しさん (2023-06-07 17:17:53)
- 用語集が追加されてますが、注釈として入れてた「足利学校」や「ばさら」もこっちに入れるか悩み中。注釈で説明するには文章が長すぎるかとも思っていたが、クリック一つですぐに参照できる方が読みやすいだろうか? -- 名無しさん (2023-06-08 13:09:35)
- この漫画は三谷幸喜氏にぜひ読んでほしい、歴史の敗者が好きって言ってたし気に入りそう -- 名無しさん (2023-06-08 17:11:24)
- 項目削減の一環も兼ねて足利直義の記述を分割いたします -- 名無しさん (2023-06-08 18:23:12)
- 楠木正成の文章部分を分割させていただきます。 -- 名無しさん (2023-07-17 17:45:43)
- 貞宗と同様に諏訪神党組を頼重の項目に丸々移動させてもいいんじゃないかなと思うんですがどうでしょうか。 -- 名無しさん (2023-07-30 10:22:27)
- 諏訪神党は今後頼継サイドの話で出てくる筈なので現状維持のままで良いと思います。小笠原郎党と市河は基本セットで行動するからまとめやすいんですが、諏訪神党は結構バラけますしね -- 名無しさん (2023-07-30 12:41:56)
- キャラも結構描写されたため北畠顕家の記述を分割します。彼の配下も郎党として纏めるつもりです -- 名無しさん (2023-08-07 17:25:58)
- 報告にあった荒らしコメントと、それに触れたコメントを削除しました。 -- 名無しさん (2023-11-08 19:57:53)
#comment(striction)
*2 現代日本で喩えると事務次官や大臣補佐官的な役職。一般的に「執事」でイメージされる「バトラー」「スチュワード」とは異なる。
*3 「様々な仕事のできる便利な侍女」という意味。いわば武装メイドであり、古くは巴御前が担った役目。18禁な意味は無い。
*4 活躍が載った次の週の「解説上手の若君」では、自身の影の薄さを監修の先生に相談したが、名前が載っている古文書が3通しか残っていないことを告げられ「もっと頑張りましょう」と切って捨てられる一幕があった。
*5 当たりが強いと言っても、弧次郎が戦で成果を出さなかったり、無茶をしたことに対する叱責の範疇である。
*6 北条の治世は「“おおむね”善きもの」と評しているが、頼直のスタンスは一貫して「直接の主君である諏訪頼重の方針に従う」である。
*7 余談ではあるが、現在でも川中島の近くには保科の名が地名として残っている
*8 第1回人気投票でも同様の表記。
*9 三十郎の名前に反応していたため、一応確認自体はした模様。
*10 史実上では宗広に三十郎という名前の息子は確認できないため、本作の創作上の人物と思われる。
*11 この時代では家を守るための保険として、敵対する両陣営に一族を分けることはよくあることだった。というか、諏訪頼重もちゃっかり同じことをやっている。
*12 史実。その際に2人の護衛を除く部下全員に切腹を命じて偽装工作するという徹底ぶり。
*13 名越兄弟の母親は今川氏の出身のため元々縁があった。
*14 燃え盛る東勝寺で北条高時以下、鎌倉幕府重臣が切腹して果てている中、お経を唱えている僧侶に混ざっている。尊氏によく似た特徴的な眉毛と、この頃の直冬は東勝寺で修業していた史実から、この時点で正体を見破っていた読者もいた。
*15 「高」は一般的な「苗字」ではなく「氏・姓の氏(「高階朝臣氏」の省略)」。藤原道長の「藤原氏」・平清盛の「平氏」などと同じく、読む際には姓と名前の間に「の」が入る。
*16 主に一族の結束強化のために実親子ではない二者が親子関係を結んだ際の子。養子とは異なり、基本的に家督や財産の相続・継承は行われない。
*17 そのうち「師夏」は師直の実子であり、後述の天狗衆のコードネームも含めて鑑みるに、本作の師直は季節由来の名前を好んでつける傾向にあるようだ。
*18 実は髪の毛は外側だけで、中身は衝撃吸収を計算した兜のパーツたる目庇であるため、意外と理に叶った構造になっている。
*19 本作では1337年時点でそう名乗っているが、実際にはその頃は兵庫助(正六位下相当)だったとされる。また名前も直常ではなく貞直を名乗っていたとか。
*20 死の床についた阿豺王が20人の息子を呼び出し「1本の矢は容易く折れるが、束ねれば折れない」と実演した逸話。日本では毛利元就の「三矢の教え」として有名。
*21 しかも力加減を誤って、折ってはいけない束になった3人をまとめてへし折って説得力を無くしている。
*22 作者コメントでは「大谷選手に十日くらいホームランが出ないと「一体どうしちゃったの?」って思うアレ」と例えられている。
*23 頼遠自身の武力にあてられてだけではなく、この南北朝時代特有の「忠誠心という名の思考停止」もあった。
*24 下野国足利荘に実在した教育機関。創設年や創設者には諸説あるが、逃げ若では元々朝廷が管轄していたが、衰退したところを上杉家に預けられた設定となっている。なお「坂東の学校」と称されるほどに栄えたのは本編より100年も先の話であり、南北朝時代の学校の実態は不明。そのため、実際に忍者学科があったのかも全ては歴史の闇の中である。
*25 例えば小笠原貞宗は諏訪頼重と長年戦い続けてきた経験から、天狗の「諏訪がすぐに戦を仕掛ける可能性は低い」という報告を信じていなかった。そして真の目的こそ見抜けなかったものの、貞宗の「ただの反乱ではない」という予想は当たっていた。
*26 京都の市場で買ったてつはうと網を組み合わせた爆発物。
*27 権威を軽んじて、型破りな格好や行いをする者を指す。南北朝時代に誕生した気風であり、作中では「幕府を倒し京に入った武士達が今までに無い過激な服装でイキり始めた」「日本最初の武士が起こしたファッションブーム」と称される。前田慶次に代表されるかぶき者の原点とも。
*28 元ネタはいわゆる新田義貞の「稲村ヶ崎伝説」。詳細は義貞の項目にて
*29 作中では合戦で寺社仏閣を焼かれ、誰からも敬われなくなって彷徨っていた神仏の中身を受け入れて神力を手に入れる描写がある。
*30 作中の演出では「不忠度」「恥知らず度」などで「五つ星」の高評価を獲得し、1333年の鬼畜大賞堂々の受賞者となる。ただし「知名度」評価は最低点の「一つ星」。冒頭の作品解説に書かれている通り、この辺りの出来事は歴史の授業でもあまり語られないので知名度の低さに関しては当然かも知れない。
*31 特に鎌倉時代は武士の生活が御恩と奉公の関係で成り立っていた為、北条家に深い御恩がある宗繁が奉公の役目も果たさず裏切るのは完全アウトと言える。
*32 逆に言えば野垂れ死にしている所を発見された訳ではなく、何処にも匿われた記録が遺ってないので道端で野垂れ死にしたに違いない、という憶測でしかない。もしかすると何処かの落人村に辿り着き、そこで天寿を全うした可能性すらあるのだから。
*33 実際、顔の特徴などはイノシシというより約3720万~2840万年前にユーラシア大陸に生息していたものの絶滅した古代種「エンテロドン」に近しい。
*34 史実上では次男なのだが、これが本作の独自設定なのか誤植なのかどうか不明。
*35 建武の新政下で後醍醐天皇に重用された4人の寵臣、結城親光・名和伯耆守(長年)・楠木正成・千種忠顕の総称。「ユウ“キ”」「ホウ“キ”」「クスノ“キ”」「チ“クサ”」の名前に因んで付けられたのだが、4人ともあまり高貴な家の出ではないため「どこの草木とも知れない」という意味を孕んだ蔑称としてのニュアンスもある。
*36 物語開始の2年前(1331年)に討幕を画策するも敗走(元弘の乱)、鎌倉幕府によって廃位されている。
*37 『太平記』に記された実際の逸話。むしろ原典だとそのまま刃を噛み折って格闘の末にようやく討ち取られたなど、さらに格が高い。
*38 史実上の人物であるため、逃げ若以前からの熱心な歴史ファンの投票も考えられる。8位の師直といい登場人物のほとんどが実在している本作の特異性も反映された投票結果だと言える。
*39 また、正成の策は「花の都を罠場に変える」という焦土作戦であり、数カ月前の第一次京都戦でも似たような策を披露しているため、都市機能の著しい低下を招くという側面でも難がある。
*40 もっとも近年では兄のリチャード獅子心王の無茶な外征のツケを払わされた面が注目されるなど同情的な見解もあり、王権に制限をかけるマグナ・カルタを(外圧によって無理矢理だが)制定したことが立憲君主制の基礎に繋がったことや、リヴァプールを発展させた業績で再評価もされている。
*41 恐らく山城伝に属する実在の刀工「来国行」と思われる。本作では長尾の太刀は国行作という設定。史実での正宗との関係は不明だが、山城伝の鋳造法には正宗が属する相州伝の方式が採用されているともされ、技術交流は行っていたと見られている。
*42 西暦にすると1318年頃から1368年頃までのおよそ半世紀
*43 但し巻22は室町時代頃に逸失しており、現存する中でも古い写本は実質39巻とし、比較的新しいものは前後の巻から内容を切り取り再編集したもので巻22を埋めている
*44 例えば坊門清忠が楠木正成の案をつっぱねたというエピソードは、初期の方の版では坊門の名前が載っておらず、後世に悪役として付け加えられたものと見做されている。
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