序盤ポケモン

ページ名:序盤ポケモン

登録日:2015/12/31 Thu 02:22:13
更新日:2024/01/16 Tue 13:55:59NEW!
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あ! やせいの コラッタが とびだしてきた!




ポケットモンスター』シリーズは初代『赤・緑』が発売されてはや20年になる。
これまでに800を超えるポケモン達が登場してきたが、最初に出会う三択のパートナー選びや、
伝説のポケモン達との出会いなど、ストーリーの大まかな流れは確実に受け継がれている。
そして当然、冒険の中でのポケモン達との出会い方も受け継がれているものがある。


例えば最初の草むらに入ったとき、どんなポケモンが出てくるか、ポケモンをプレイした皆さんならご存知であろう。
哺乳類モチーフのノーマルタイプのポケモンや、ひこうタイプのポケモンが毎回のように登場する。
初めてのジムがある町の前後には必ずむしタイプのポケモンと出会う。


同時期に現れるトレーナーの多くも連れているこれらのポケモンは比較的倒したり捕まえたりしやすく、
初心者が基本システムを覚える相手となる。


この項目では、そんなストーリーの序盤で捕まえられるポケモン達について説明する。


なお、初登場作品で序盤に登場していたポケモンもシリーズが変われば中盤以降に出てくるようになったり、逆に過去のシリーズで中盤に出てくるポケモンが最初のジムよりも前に出てきたり、
シリーズによって序盤ポケモンの位置付けは微妙に異なってくる。
この項目では、初登場作品で序盤に登場するポケモン達について説明する。


曖昧な基準を設けると対象が多岐に渡るため、本項目では便宜上、以下のいずれかに該当するポケモンを挙げていきたい。


1.最初のジムをクリアするよりも前に出るポケモン
2.各シリーズで最初に登場する新しい虫ポケモン


なお、ピカチュウ版で序盤に登場するようになったオコリザル系統など、
マイチェンのテコ入れによって後から序盤ポケポジションに変更されたポケモンは除外する。


※なお本項では「種族値」と呼ばれる内部数値を解説に使用する。
これはポケモンの種類ごとの能力値の高さを表す数値で、数値と評価は概ね以下のような関係にある。



【ノーマルタイプ】

いわゆる序盤ノーマル。進化が早い反面全体的に能力は低い。
特性『ものひろい』を持っていたり、秘伝技をよく覚えたりするため雑用係として役に立つことが多い。
ひでんマシンが廃止された第七世代以降は、戦闘面でも何かしらの強烈な一芸を持った序盤ノーマルが明確に増えてきており、ちゃんと育てればシナリオ終盤まで活躍させやすくなっている。


わざマシンで幅広いタイプの技を覚えられる事が多く、ストーリーでは攻撃範囲の広さを活かして活躍する。
ただしノーマル技は弱点が突けないので最終的には火力不足に陥りやすく、耐性もゴースト無効しかない。
活躍させたければレベルを上げてゴリ押しするのが最もお手軽。
第四世代までは、「たいあたり」に代わる技を覚えるまでは火力不足気味だったが、
第五世代にて「たいあたり」の攻撃力が35→50、命中が95→100と強化された為、序盤の火力もそれなりになった。
若干強くしすぎたと思われたのか、第七世代で「たいあたり」の威力が40に下がったものの、命中は据え置かれたため不慮の事故で外す心配がなく、第四世代より使い勝手は良くなっている。
対戦では低種族値&弱点を突けないノーマルタイプが足を引っ張りやすく、特性や持ち物をフルに活用することで始めてマトモに活躍させることができる。


・コラッタ → ラッタ(Lv.20)
初代から登場する、マイナーな方のねずみポケモン。ドラクエのスライムに相当する。
ゲーム開始直後の草むらに出現し、めちゃくちゃ弱いのであるが、レベル14という早期に威力が80もあるノーマル技「ひっさつまえば」を習得するので、主力として長く使える。
この時代の単ノーマルは対戦環境の王者ケンタロスをはじめレベル技が貧弱なので、なんなら終盤まで使い続けても良い。
しかもわざマシンで「みずでっぽう」を覚えるので、ヒトカゲを選ぶとキツいオツキミ山のイシツブテにも有利。すごいぜコラッタ。
でもポケモン図鑑では川を泳ぐことが強調されているのにラッタになっても「なみのり」は覚えない。どないやねんラッタ。
さらに言えば初代ではラッタは秘伝技をひとつも覚えないので、「序盤ノーマルは秘伝役」という伝統を作ったのは次作のオオタチ以降となる。


ポケモンタワー以降、ライバルの手持ちから消えたことは有名。
これについてはプレイヤーの間で様々な憶測を呼ぶことに……。


種族値的には攻撃81、素早さ97がやや高めな程度で耐久面は紙と、対戦で使うにはキビシい能力だが、
特性『こんじょう』や隠れ特性『はりきり』でオノノクスに匹敵する火力を得られる。
ちなみに、素早さもオノノクスと同等。
代名詞である「いかりのまえば」で耐久型に強いのは勿論、「ふいうち」「とんぼがえり」で相手の行動ペースを崩せる。
更に「カウンター」「がむしゃら」「きしかいせい」「いのちがけ」と、自分の身を削ってダメージを与える技を豊富に覚える。
かつてアイデンティティだった「いかりのまえば」を覚えるヤツが第4世代以降やたらと増えているのがなやみのタネ。


第7世代では後述のリージョンフォームが登場した。



・オタチ → オオタチ(Lv.15)
第二世代から登場するイタチ。進化すると胴長もふもふ。かわいい。けど体長は1.8mと長い。
ラッタの「ひっさつまえば」に相当する優秀なノーマル技には欠けるが、
コガネデパートで売っているわざマシンで「ほのおのパンチ」「かみなりパンチ」「れいとうパンチ」を覚えるのでラッタより器用で、ストーリーでの使い勝手は悪くない。
序盤ノーマルが秘伝技を多く覚えるようになったのもここからで、「いあいぎり」「なみのり」「かいりき」「いわくだき」を覚える。


単純な火力は低いが隠れ特性『おみとおし』に加え、「トリック」「とんぼがえり」「ふいうち」など対戦で使える技はそれなりに揃っている。
立ち回りにかなり工夫が必要とはいえ、相手を撹乱することに重きを置けば意外と活躍できるかも?



・ジグザグマ → マッスグマ(Lv.20)
第三世代から登場するタヌキ→アナグマ。
技4つを全て秘伝技で埋めることができ、さらに特性『ものひろい』でいろんなアイテムを拾ってくる便利屋。
能力的には中盤での引退が相応なのだが、この特性ゆえにレベルを上げなくなっても連れ回す人は少なくない。
OR・AS』のコンテストライブでは技スペを全て秘伝技で埋めたマッスグマ、その名も「ヒデン」が登場する。


対戦では「はらだいこ」で攻撃力を4倍に引き上げ、先制攻撃「しんそく」を連打するコンボ、通称「ネ申」が有名。
「しんそく」は長年の間、イベントで配布された個体限定のレア技であったが第七世代でタマゴ技に追加されたことで採用のハードルが大幅に下がっている。
この他素早さ種族値100と隠れ特性『はやあし』を合わせたトップクラスの速さを生かし、アタッカーやサポートをこなす型もある。


第8世代では先輩のラッタと同じあく/ノーマルタイプのリージョンフォームが登場。新たに獣人型のタチフサグマが追加進化された。



・ビッパ → ビーダル(Lv.15)
第四世代から登場する、やる夫っぽい事で有名なビーバー。VIPPERとも。進化するとノーマル/みずタイプになる。
自力で「みずでっぽう」を覚え、中盤以降は「なみのり」が使えるので
他の序盤ノーマルと異なりタイプ一致で相手の弱点を突くことができる。
ただみずタイプのポケモンというのは中盤以降海砂利水魚のごとく出て来るタイプであり、競合は激しい。


ただしコイツには覚える秘伝技の幅がものすごく広いという特技がある。
「いあいぎり」「なみのり」「かいりき」「いわくだき」「ロッククライム」を覚えられる上、
みずタイプ複合のため「うずしお」「たきのぼり」「ダイビング」なんかも覚えられる。
『ものひろい』がなくなった代わりに秘伝技に特化したマッスグマという印象。
そんなわけで、引退後は概ね秘伝要員としての余生を送る事となる。


積み技の効力が2倍になる特性『たんじゅん』を活かし、
第四世代では他のポケモンが能力を上げまくって「バトンタッチ」し無双する戦法で知られたが、
第五世代からは『たんじゅん』の仕様変更によりバトンタッチされた能力は倍加しなくなり弱体化してしまった。
その他には『てんねん』で相手の積みを無視したり、隠れ特性『ムラっけ』で運任せで積んだりと、
何かと積み技に縁の深いポケモン。



・ヨーテリー → ハーデリア(Lv.16) → ムーランド(Lv.32)
第五世代から登場する犬。
序盤ノーマルとしては珍しい、二回進化するポケモン。子犬から成犬、老犬と順調に進化する。
ステータスは物理アタッカー向きで、特攻以外全体的に高めで無駄が少ない。
序盤ノーマルは最終進化しても合計種族値400台前半というものが多いが、
ムーランドの合計種族値は490もあり、特性『いかく』による相手攻撃力ダウンも合わさって硬い。
早い段階で「とっしん」「かみくだく」「かたきうち」等を自力習得し火力も高く、
わざマシンで「でんじは」を覚えさせれば捕獲もこなせる頼れる忠犬。


ちなみにヨーテリーの特性は『やるき』『ものひろい』の2つがある。
ついつい『ものひろい』を選びたくなるが、『ものひろい』が進化するとストーリーでは4番道路・リゾートデザート*1以外だとほぼ死に特性になる『すなかき』になってしまうので、『やるき』の個体を選んでおくのが賢明。
隠れ特性は『きもったま』で、技スペースの節約に使える。


ストーリーでの有能さに反し、対戦では四足歩行なのでパンチ技などを覚えず、
さらに「じしん」も「ストーンエッジ」も覚えない。
このため攻撃範囲が狭く、個性を出せるような変化技にも乏しいという中々厳しい立場にあった。
第七世代ではじめん技「じだんだ」やエスパー技「サイコファング」というサブウェポンを獲得し、攻撃範囲も改善した。
技を「かたきうち」「とっておき」の2つだけにしたタイプが有名な程度だったが、
サン・ムーン』ではダブルバトルにおいて特性『すなかき』+「おさきにどうぞ」で味方を高速で行動させる型が大幅に知名度を上げた。
なんだかんだ言っても序盤ノーマルとして考えればかなり強い。



・ミネズミ → ミルホッグ(Lv.20)
第五世代から登場する直立二足歩行のプレーリードッグ→ミーアキャット。こっち見んな。齧歯類としては珍しくスマートな外見に進化する。
発売前からその無駄に堂々とした立ち姿と新技「おさきにどうぞ」のインパクトで知名度を上げ、
発売後は2人目のジムリーダーアロエのミルホッグが「かたきうち」で超火力を叩き出し多くのプレイヤーを驚かせた。


性能的には「さいみんじゅつ」「あやしいひかり」などの妨害技を覚えるのが特徴。
更に相手の残HPを半分にする「いかりのまえば」を覚えるので、捕獲したい相手を倒すことなく確実にHPを削ることができる。
最終的に特攻以外の全能力がムーランドに負けてしまうので戦闘要員としては厳しいものがあるが、
捕獲要員としての性能は悪くない。
なお野生ポケモン出現率の上がる特性『はっこう』の個体を連れ歩くと、
ただでさえエンカウント率の高いBWだけに常時おうごんのつめ状態になってしまうのでやめよう。


売りのはずの変化技がオドシシと被りまくっており、対戦での活用はかなり厳しい。
後攻時に威力が強化される隠れ特性『アナライズ』の存在と、「いかりのまえば」を始めとする攻撃技の範囲はオドシシに勝ってはいるのだが、
そこまでして殴るなら他のアタッカーでも良い訳で…えーっと…なにより意表を突けるぜ!



・ホルビー → ホルード(Lv.20)
第六世代から登場する、愛らしい野ウサギ……が、進化と同時にメタボなオッサンウサギになってしまう。
時の流れは残酷である。ついでにノーマル/じめんタイプになる。


能力的には「いつもの序盤ノーマル」の域を出ないが、
「いあいぎり」「かいりき」「いわくだき」「あなをほる」などを覚えられる上、
特性『ものひろい』があるためストーリーでは秘伝要員として大活躍できるだろう。
ノーマル技とじめん技により等倍以上のダメージを与えられる相手は多く、秘伝要員と戦闘要員を兼ねさせることも難しくはない。


ところがこのオッサン実は只者ではなく、隠れ特性がなんと攻撃力が常時2倍の『ちからもち』。
実質攻撃力はあのグラードンをも上回り、ゲンシグラードン、メガガブリアスに次いでじめんタイプ第3位。凄まじい火力で「じしん」をぶちかませる怪物だったのだ。
しかもノーマルらしく多芸であり、攻撃力を倍加する「つるぎのまい」や、半端な素早さを補う一致先制技「でんこうせっか」、サブとして3色パンチや「ストーンエッジ」「ばかぢから」「ダストシュート」「はたきおとす」などなど、実に多彩な技を覚える。
変わったところでは火力が倍化した「イカサマ」も覚える。
歴代序盤ノーマルの中では最も対戦で使えるポケモンであろう。侮りがたしオッサン。


通常特性の『ほおぶくろ』も教え技で覚える「リサイクル」と合わせれば強力。
『オボンのみ』を1回食べるごとにHPを2/3回復することが可能で、『ちからもち』型ほどではないが、それなりに強い。



シシコ → カエンジシ(Lv.35)
第六世代で序盤から登場する獅子。ほのおタイプ複合。
ポケモンリーグ側に逸れた草むらに登場する、いわば初代におけるニドラン的存在。
種族値合計もニドキング/ニドクインより2多いという程度である。
進化前はマスコットのような外見だが、進化すると♂と♀で姿が変わり、どちらもたくましい姿になる。♂はフラダリ関連でよくネタにされる
ノーマルとほのおの技範囲は優秀で、一致技+「あくのはどう」を覚えさせれば大抵の相手に等倍が取れる。
序盤ノーマルとしては秘伝要員をこなせるホルビー/ホルードの陰に隠れがちなものの、序盤で手に入る貴重なほのおタイプで、終盤まで戦えるだけの性能は十分にある。


対戦では特攻と素早さが高めの速攻型アタッカー。
耐久面は控えめなので、殴られる前に殴っていく戦術がメインとなる。
特性『とうそうしん』はアゲハントのように他に良い特性がないわけでもないのでハズレだが、特性『きんちょうかん』により、「おにび」を当てつつ『ラムのみ』を使わせないという芸当をこなせる。
隠れ特性は『じしんかじょう』だがカエンジシのステータスと噛み合っていないのでこれもハズレ。
ほのおタイプの速攻型アタッカーは層が暑いが、変化技のレパートリーが特徴的なので、差別化自体は難しくない。
ほのおタイプの定番わざ「おにび」や使い手の少ない妨害技「おたけび」の他に「ちょうはつ」「あくび」「てだすけ」「なかまづくり」「よこどり」といった技を覚えられる。



ヤングース → デカグース(日中にLv.20)
第七世代から登場する、マングースポケモン。
ザングースと若干被ってるけど進化前の時点でヤケモンにすることはないだろうし問題ない。
コラッタ・ラッタを餌にしているためにアローラ地方に外界から持ち込まれたポケモンだが、
それがかえってコラッタたちを街に追いやり夜行性にしてしまって環境を悪化させる要因と化している。
進化前後ともどもドナルド・トランプ大統領に似ていると世界規模で話題になった。
攻撃種族値が110と序盤ポケモンにしては高い部類なので、旅パで最後まで連れて行っても十分に戦える。


通常特性は『はりこみ』と『がんじょうあご』。
『はりこみ』は交代してきた相手に与えるダメージが倍加する。
しかも「あくび」を覚えるため、交代を強いることは難しくない。
隠れ特性は『てきおうりょく』。通常特性も含め、特性全てが純粋な火力強化を行うものとなっている。
攻撃種族値110から繰り出される技に特性で更に補正が上乗せされたときの火力は決して侮れない。
鈍足で耐久も高くないのが難点だが、味方で多少のサポートを行えば対戦で活躍させることも夢ではない。



・アローラコラッタ → アローララッタ(夜間にLv.20)
初代から登場するラッタ系統が新たなる姿を得て、第七世代の序盤ポケモンとして再登場。
ヤングース・デカグースの影響で夜行性になり、アローラの高カロリーの食料を貪り食った結果、
あくタイプが追加され、コラッタはいささか泥棒臭い外見になり、ラッタは体が丸々と太った。
図鑑設定通り夜にしか出現しない。
ノーマルとあくの複合によりかくとう4倍の弱点が非常に痛いものの、タイプ一致技で等倍以上のダメージを与えられる相手が非常に多くなった。
攻撃と素早さが下がった代わりに耐久が若干上がり、シナリオではレベル差によるゴリ押しが利くので若干扱いやすくなっている。


対戦では一致技の通りの良さが光る反面、サブウェポンが激減したため抜群を狙うのは難しくなった。
「カウンター」「きしかいせい」「いのちがけ」など自分の身を削って相手に大ダメージを与える戦術はリージョンフォームでも健在。
こだわりスカーフ』を持たせ上からの攻撃や「いのちがけ」を狙う戦術が主流の様子。



・ホシガリス → ヨクバリス(Lv.24)
第八世代から登場の愛らしいリス…かと思いきや、進化すると横が増えた残念なビジュアルになる。
進化後はそのデブさ…もとい、外見から早くもネタポケとして認知されつつある。齧歯類はデブになるルールがあるのか…?
序盤の草むらで出会える他にも各地にあるきのみの木に住み着いており、きのみを余分に取ろうとすると上から落ちてきてきのみを奪って行くお邪魔キャラ。


…と言った残念な姿とは裏原に、種族値はHPが120なのに加えて防御も95あるため、後述の特徴も相まって物理に対しては想像もつかないほどタフ。
専用技の「ほおばる」は能動的にきのみを使用でき、そのきのみの効果に加えて防御もぐーんと上げられる。
このほか、きのみを使ったタイミングで最大3分の1だけHPを回復する特性の『ほおぶくろ』など、何かときのみに縁のある性能となっている。
発売初期の対戦環境ではその耐久力を活かした嫌がらせ・荒らしキャラとしてまさかの中堅ポジに。特に環境トップに対して有利を取れるのが大きい。



・ウールー → バイウールー(Lv.24)
第八世代出身の羊。ウールーはイベントシーンで転がる姿が印象に残る人も多い。もふもふ。
羊のポケモンの前例としてはメリープとモンメンがいるが、どちらも進化すると体毛が抜け落ちたなにか人型のなにかになるので、
本格的な羊のまま進化してくれるのはこの子が初めてとなる。
種族値は防御と特防が高めの耐久寄りだが、特性の1つが『もふもふ』のため、物理に対しては実際の数値よりかなり打たれ強い。おまけに羊らしく防御を3段階上げる「コットンガード」も覚えるため、上手く積めれば物理に対しては要塞と化す。
おまけに自分の防御でダメージを計算する「ボディプレス」まで覚えるので殴りもこなせるなど、なかなか侮れない性能である。
ただしほのお技や特殊かくとう技には注意……と言いたいがたまに隠れ特性『ぼうだん』が紛れていることも。


ソード・シールドの本編ではライバルのホップの手持ちとして序盤から終盤までちょくちょく戦うことになる。
他にもストーリーではハロンタウンに住むウールーの1匹がまどろみのもりに無断で入ったことをきっかけに伝説のポケモンと出会い、
初回殿堂入り後のエンドロールではラストでウールーがごろごろ転がって来たあとに「END」の文字が出てくる…という演出がある。
つまり、チャンピオンを目指す物語はウールーに始まり、ウールーに終わると言っても過言ではない…かもしれない。



・ガラルジグザグマ → ガラルマッスグマ(Lv.20) → タチフサグマ(夜にLv.35)
第三世代から登場していたジグザグマ系統があくタイプを得て登場。
ポケモン図鑑によると、こちらが原種とされている。
ジグザグマ、マッスグマは通常のすがたと全く同じ種族値、特性で、ものひろい要員としての活躍も期待できる。
技レパートリーもホウエンマッスグマと似てはいるが微妙に異なり、特に「しんそく」を含めた先制技の類は一切覚えられない。


タチフサグマになるとバランス良く能力が伸びるが、唯一素早さだけは微妙に下がる。
進化すると特性も攻撃面を強化するものに変わるので、ものひろい要員兼旅パ要員で連れてきた個体も戦力になれる。
攻撃技のみを防ぎ、更に接触技で攻撃してきた相手の防御を二段階下げる技「ブロッキング」によって相手に隙を作ったり、
物理技で受けた大ダメージを「カウンター」で倍返しにしたり、「つぶらなひとみ」で攻撃力を削いだり、物理アタッカーへの妨害に長ける。
攻撃が高い上、技も威力が高いものを覚えられるため、素直に殴っても強い。



・グルトン→パフュートン(Lv.18)
第九世代出身の豚。初登場作品のSVはオープンワールドだが、シナリオの進行上確実に最序盤の草むらで遭遇するようになっている。
今まで登場した豚ポケモンの中でも特に現実の豚に近い見た目をしており、進化しても四足歩行のまま。
進化すると性別で姿と性能が変わり、♂は攻撃面で、♀は防御面にやや長けた種族値となる。特性も一部異なっており、♂は「ミイラ」と同じ効果の「とれないにおい」、♀は「アロマベール」とどちらも名前通りに特有の匂いを表したものである。
もうひとつの特性は豚らしく「あついしぼう」であり、貧弱なノーマルタイプの耐性を補える。
高いHPによるそこそこ優秀な耐久力と低すぎない素早さを持つ、ヨクバリスをマイルドにしたような性能である。
レベル技で「あくび」を覚え、わざマシンで様々なタイプの攻撃技を覚えてくれるのでシナリオでの活躍が見込める。


【ひこうタイプ】

通称・序盤鳥。
最終形態への進化はやや遅い種族も多く、いわゆる序盤ノーマル組に比べると能力は若干高め。何故か進化することで外見のモデルの鳥が変わることが多い。
くさ・むしタイプに有利なことから、草御三家を補う役となる事が多い。
「そらをとぶ」も覚えられるため、彼らを連れたままポケモンリーグを勝ち抜いた方も多いのではないだろうか。
速攻型アタッカー向きの能力を持っている者が多いが、序盤ノーマル組と比べると技範囲が狭い傾向にある。
アニメではサトシが旅の初めにその地方の序盤鳥をとりあえず一匹ゲットして、諸々の場面で雑用活躍させるのが定番*2


・ポッポ → ピジョン(Lv.18) → ピジョット(Lv.36)
初代から登場する序盤鳥の代表格。
…なのだが、初代ではポッポですら習得にレベル28を要する「つばさでうつ」までひこう技を全く覚えない上に、その「つばさでうつ」の威力がたったの35しかないので「ひこうタイプ」としての役割は全然果たしてくれない。
というか自力で覚える技の威力が軒並み悲惨。最初から覚えている当時ノーマル技の「かぜおこし」(威力40)を上回る技を覚えないという貧弱さ。中盤を待たずして火力不足を感じることになる。
最序盤からなので努力値がためやすい、バッジによる能力ボーナス、シオンタウンで「スピードスター」、エリカ戦直前にひでんマシン「そらをとぶ」、おなじくタマムシシティで「はかいこうせん」が手に入るのが救いであるが、
ひこうタイプとしての活躍が見たいのなら、最初から「つつく」が使えるオニスズメ系を使うべきであろう。


金・銀』以降は「かぜおこし」がひこう技になり「つばさでうつ」の威力もアップしたのでだいぶマシになった。また、わざマシンで「おんがえし」を覚えさせればクリア後まで主力技として使っていける。
ピジョットになればそこそこの素早さと平均的なステータスになるので、旅パでの使い勝手は悪くない。


対戦では技レパートリーの貧相さが深刻で、一致技以外の物理技が「とんぼがえり」と「はがねのつばさ」くらいという有様であった。
「おいかぜ」や「フェザーダンス」といったひこうタイプならではの変化技があるので、後続に繋げたほうが戦いやすいか。
第六世代では素早さが101に上がり、メガシンカも獲得して大いに強化された。
メガシンカ前は物理寄りだがメガシンカすると特攻が大きく跳ね上がる。
特性『ノーガード』により特攻135から必中の「ぼうふう」を放ってきたり、
『ノーガード』+「オウムがえし」で強力な技を必中で打ち返したりと、他の序盤鳥にはできない芸当を覚えた。



・オニスズメ → オニドリル(Lv.20)
初代から登場するもう一つの序盤鳥。
一向にひこう技を覚えないポッポと異なり最初から「つつく」を覚えている上、最終進化が早く、レベル34で威力80命中100のひこう技「ドリルくちばし」を自力で覚えられるので、序盤から登場するポケモンとしてはピジョットよりもだいぶ扱いやすい。
実はタマムシシティ周辺で捕まえられるドードリオの方が攻撃力では大きく上回る上、ドリルくちばしの習得レベルも早いのは内緒。
金銀・HGSSでは「ひきゃく」というオニスズメを借りられる。裏技を使えば永遠に借りられるので手早く手に入る秘伝要員として重宝される。


第六世代からはピジョットに素早さを抜かれ、更にメガシンカによって性能に大きく差をつけられた。
技レパートリーの少なさに悩まされているが、鳥ポケモンとしては珍しくじめん技の「ドリルライナー」を覚えるため、苦手なでんきタイプへの対抗手段を持つ。
対戦では隠れ特性『スナイパー』を使い、『ピントレンズ』を持たせて急所率の高い技を使うことで壁や積み技を無視して大きなダメージを与える戦法がメジャー。



・ホーホー → ヨルノズク(Lv.18)
第二世代で初登場したフクロウ。
『金・銀』では「夜のみ出現」という特徴を持っており、本作の時間システムの象徴のようなポケモンである。
序盤鳥の中では素早さが控えめな一方、HPが高めで攻撃面は特殊寄りの能力を持つ。
もっとも金銀で使える特殊技は中盤でやっと覚える「ねんりき」や終盤に覚える「ゆめくい」くらいしか無いので宝の持ち腐れで、メインウェポンは例によって「そらをとぶ」であろう。
特徴的なのは「さいみんじゅつ」を覚える点で、これにより捕獲要員としての活躍が見込める。


対戦では隠れ特性『いろめがね』により半減を等倍に出来るため性能はそこそこ。サポートを止められにくくなる『ふみん』も優秀。
「さいみんじゅつ」で相手をハメたり、「フェザーダンス」で低めの物理耐久を補ったり。
火力が控えめなので「ナイトヘッド」による固定ダメージも重宝する。
第七世代では特攻が10上昇、「ムーンフォース」「ぼうふう」「くろいまなざし」など便利な技を覚え、
特殊アタッカーとして活躍する道が開けてきた。



・スバメ → オオスバメ(Lv.22)
第三世代で登場するツバメ。
最初から「つつく」を覚えている上、レベル13という異例の速さで威力60の「つばさでうつ」を覚えるため、かくとうタイプのムロジムで大活躍する。
が、ここが絶頂期であり、その後「つばさでうつ」より威力の高い技を1つも覚えないのであった…。
状態異常時に攻撃力が1.5倍になる特性『こんじょう』を持つので、縛りプレイなどでは敢えてどく状態でジムリーダーに挑んだりする事も。


オオスバメの素早さ種族値は125もあり、序盤鳥の中では非常に高い。
あとは攻撃がやや高めといった程度だが、特性『こんじょう』を発動すれば非常に高い火力を出せる。
『かえんだま』を持たせて自らやけど状態になる焼き鳥戦術が有名。対戦でも普通に驚異的な火力である。
耐久面は素で脆い上にやけどで体力をガンガン削ってしまうのが難点。
隠れ特性は『きもったま』で、Lv1のスバメに『きあいのタスキ』を持たせ、「がむしゃら」+「でんこうせっか」で1匹強引に持っていく戦法がある。


第7世代ではなぜか特攻種族値が25も上がり、それに合わせてか「ぼうふう」まで習得。前世代で「ばくおんぱ」を習得していたこともあり、物理一本以外の戦術が可能になった。



・キャモメ → ペリッパー(Lv.25)
同じく第三世代から登場するカモメ→ペリカン。ノーマルではなくみず複合。
コイツもスバメと同時期に出現するれっきとした序盤ポケモンなのだが、ノーマル複合ではないということで「序盤鳥」のカテゴリからハブられることが多いちょっと可哀想な役回り。
最初から使える「みずでっぽう」やレベル13で覚える「つばさでうつ」の存在により、特に序盤では非常に頼りになる。加えて「そらをとぶ」と「なみのり」を両立できるため、移動要員としても優秀。
進化キャンセルをしてなければ(ORASなら必ず)進化と同時に「まもる」も習得するので、センリパパケッキング対策にも使える。


ただし、種族値は中途半端そのものであるため、終盤になっていくにつれ能力不足を実感させられることになりがち。そのため、対戦でもよほどの物好きでもない限りほとんどお呼びはかからなかった。


……のだが、第七世代にてまさかの事態が発生。
なんとペリッパーの特性に『あめふらし』が追加されたのだ(キャモメ時代は『うるおいボディ』)。
加えて、特攻種族値も85→95へとちゃっかり上方修正されている。
これにより、シナリオでも雨補正を受けたみず技や必中化した「ぼうふう」を武器に戦闘で大活躍のポケモンとなる。
対戦でも雨パの始動役としてニョロトノ以上の人気を得ており、別物レベルの強化を遂げたと言える。



・ムックル → ムクバード(Lv.14) → ムクホーク(Lv.34)
第四世代から登場するむくどり→鷹。
スバメを上回るレベル9で「つばさでうつ」を覚え、あれよあれよと言う間にレベル14で一進化して強特性『いかく』を獲得し、
最終進化するとなんと威力120のかくとう技「インファイト」を覚える上、最終的に威力120のひこう技「ブレイブバード」を覚えるという、これまでの序盤鳥とは隔絶した強さを持つ大空の王者。


高めの攻撃と特性『いかく』によるそこそこの物理耐久、更にはかくとう技「インファイト」によってノーマル/ひこうが苦手ないわはがねに打点を持てるのが大きな強み。
シナリオでは歴代序盤鳥の中では高水準の攻撃と素早さ、「インファイト」とひこう技の範囲の広さから屈指の使い易さを誇り、御三家の活躍の場を奪いかねないほど。
欠点といえば毎回場に出たときに発動する『いかく』のせいでテンポが悪くなることくらいか。


対戦でもシナリオと同じような戦術で普通に戦えるほか、
隠れ特性『すてみ』によりタイプ一致「ブレイブバード」や「すてみタックル」を凄まじい火力で叩き出す戦術もある。
一方で反動をうける技が多く、一度攻撃しだすと防御面は捨てたも同然となる。
さすがにこれを上回る強さの序盤鳥はそうそう登場しないと思われたのだが…?



・マメパト → ハトーボー(Lv.21) → ケンホロウ(Lv.32)
第五世代から登場するはとぽっぽ→雉。進化すると雌雄で外見が大きく変わるようになる。ケンシロウではない。
攻撃が高めで次いで素早さも高い。
しかしシナリオ中では「エアカッター」や「エアスラッシュ」など(ケンホロウの特攻はかなり低いのに)特殊技ばかり習得し、「ブレイブバード」や目立ったサブウェポンは覚えないので火力不足に終始悩まされる。
火力に限界を感じるタイミングで狙い澄ましたかのように「おんがえし」のわざマシンが手に入るのが救い。


対戦での性能も割りと壊滅的で、特性『きょううん』+持ち物『ピントレンズ』により「つじぎり」(タイプ不一致)を確定で急所に当てられるという一発芸くらいしか見どころがなかったのだが、
それを利用して味方ワルビアルの『いかりのつぼ』(急所に当たると攻撃力が最大になる)を確実に発動させ大暴れする「ホロウビアル構築」なる変態構築が編み出され、ポケモンというゲームの奥の深さに多くのプレイヤーを唸らせたという。


第八世代では念願の「ブレイブバード」を習得した。



・ヤヤコマ → ヒノヤコマ(Lv.17) → ファイアロー(Lv.35)
第六世代から登場する駒鳥→鷹。
素早さ種族値はオオスバメを1だけ上回る126と序盤鳥最速。ほかは攻撃が81ある程度で、残りは平凡。
ヤヤコマはノーマル/ひこうだが、ヒノヤコマ以降は序盤鳥初のほのおタイプ複合で、特性『ほのおのからだ』により物理アタッカーをやけどにさせられる。
主力となる攻撃技がファイアローになるまでは「つつく」や「ニトロチャージ」、「ひのこ」くらいしかなく、シナリオ中盤のみ少々使いにくい。
ファイアローになると高威力の技をガンガン習得するのでケンホロウほど悲惨ではない。
クリア後には「そらをとぶ」と『ほのおのからだ』を活かしたタマゴ孵化要員として活躍する。


だが、コイツが最も活躍したのはなにより対戦環境においてであろう。
隠れ特性『はやてのつばさ』によりあらゆるひこう技を先制で繰り出せるため、確実に先制「ブレイブバード」をブチ込めるポケモンとして大活躍。
その影響力は、第五世代で大活躍していたかくとうタイプ・むしタイプのトップメタ群の使用率を軒並み落とすほど。特に耐久が低いひこう技が弱点のポケモンは、コイツ1匹のせいで対戦での存在意義を失いかけていた。
更には「おにび」+先制「はねやすめ」に着目した物理受けファイアローや、挙げ句の果てには特殊受けファイアローという訳のわからないものまで登場するなど、序盤鳥でありながら対戦でもトップクラスの使用率を誇った。
あまりに強すぎて第七世代ではHP満タンのときしか『はやてのつばさ』が発動しないという弱体化を食らい数を減らした。
それでも高い素早さから先制でひこう技を繰り出せる上、ファイアローより素早い『いたずらごころ』持ちが存在しないため、
『いたずらごころ』+「ちょうはつ」による妨害を回避して確実に「おいかぜ」を発動するのは他のポケモンにできない芸当である。
ホルードと言いビビヨンと言いこいつと言い、第六世代組は序盤ポケモンとは思えない性能である。


シナリオ攻略時には各地でヤヤコマを見かける上、オープニングイベントとエンディングイベントのラストシーンにヤヤコマが登場する。『X・Y』はヤヤコマで始まってヤヤコマに終わると言っても過言ではない。



・ツツケラ → ケララッパ(Lv.14) → ドデカバシ(Lv.28)
第七世代から登場するキツツキ→オオオニハシ。
序盤鳥としては最鈍だが、その分攻撃が高く耐久もそこそこあるため無駄は少ない。
ツツケラ時点で攻撃種族値75、ドデカバシで120と火力はムクホーク級の高さ。
そして何より「技が豊富」という点が珍しい鳥ポケモンで、自力で「いわくだき」や「タネマシンガン」、思い出しで「ロックブラスト」、マシンで「かわらわり」「ニトロチャージ」等多彩な攻撃が使える。
特性『スキルリンク』の個体なら、連続技はタスキ貫通の威力125技として使える。
ドデカバシになれば特攻も75とそこそこ高くなり、特殊技の「オーバーヒート」をわざマシンで覚えられるようになるため苦手なこおりやはがねタイプにも対抗できる。
専用技「くちばしキャノン」は必ず後攻になるが、技を繰り出す前に接触技を打った相手をやけどにするという変わった効果を持つ。ただし、特性『ぼうだん』には無効化されるので注意。


技レパートリーが豊富で火力もそれなりにあるため、対戦でも普通に戦える。
ただし、先述のように素早さがあまり高くないため、しっかりと用途を考える必要がある。
隠れ特性は『ちからずく』だが、ちからずく補正の掛かる一致技が非常に少ないのは悩みどころ。



・ココガラ → アオガラス(Lv.18) → アーマーガア(Lv.38)
第八世代より登場するシジュウカラ→カラス。アーマーガアに進化するまではまさかのひこう単タイプ。最終進化ではがねタイプがつく。
はじめはシジュウカラ科で、アオガラスでカラス要素が混じり最終進化で完全にカラスとなる。


種族値傾向はその見た目どおり防御が高めで、HP攻撃特防もまずまずだが素早さは低め。
レベル技は「ドリルくちばし」や「はがねのつばさ」といった攻撃系以外にも「てっぺき」「つめとぎ」「こわいかお」などの積み系や変化系もある程度揃う。
剣盾ではジム戦などシナリオ上フェアリーを相手にする機会が多く、お世話になったトレーナーも少なくないはず。


どくどく」「ステルスロック」を覚えられないなど前作までのエアームドとは似て異なるタイプだが、隠れ特性『ミラーアーマー』が相手の能力を下げる技や特性を跳ね返す凶悪性能で、
相手は迂闊に変化技や追加効果技を打てなくなるため、現在対戦環境で猛威を振るっている。
キョダイマックス形態も存在し、壁系や設置系の技を消滅させる「キョダイフウゲキ」を使えるが
ダイジェット」の追加効果が優秀なこともあり、あまり日の目は見られていない。見た目はかっこいいし追加効果も決して悪くはないのだが…。



【むしタイプ】

通称・序盤虫。最終進化までが非常に早い傾向があり(クワガノンやイオルブはそうでもないが)、ゲームを始めたばかりのプレイヤーに進化の魅力を教えてくれる存在。
くさタイプと戦いにくいみずやくさの御三家を補ったり、耐性とひこうやエスパーの技を生かして対かくとうタイプ役となる事が多いため、ストーリー序盤では非常に頼りになるが、能力が頭打ちになるため終盤ではリストラされやすくなる。
羽を持っている連中が多いものの、どくタイプ複合などの関係でひこうタイプが付随しない連中も多い。
弱点も半減も多く耐久面も全体的に低いため対戦でも不人気気味で全体的に不遇。
それなりに戦える連中もいるが、序盤鳥や序盤ノーマルに比べると遥かに弱くて扱いづらい連中も多く、格差が非常に激しい。
使いこなすには愛のみならず立ち回りとパーティ編成におおいな工夫が求められる。


ただ、第5世代以降の序盤虫は従来と比べ種族値が高め*3、技も豊富だったりといった傾向が目立つようになっており
上記で挙げた要素は次第に当てはまらなくなりつつある。
第9世代では何故かこの特徴が復活してしまったが


ちなみに幼虫ポケモンはポケモン不思議のダンジョンシリーズでは一転して要注意ポケモンとなる。
というのも、こいつらがほぼ標準習得している「いとをはく」が、ポケダンでは射程の長い鈍足技で、
時には覚えてくる「むしくい」がカバンの中のリンゴ、きのみ、タネを奪って食べるとかいうヤバい性能になってるので……。


・キャタピー → トランセル(Lv.7) → バタフリー(Lv.10)
初代から登場する紋白蝶。バタフリーのみむし/ひこうタイプとなる。
御三家とピカチュウを除けばニビシティまでに手に入る特殊技を覚えるポケモンはこれ1種なため、ヒトカゲを選んだ少年はキャタピーをバタフリーまで必死に育ててタケシに挑んだ。
なんで「みずでっぽう」のわざマシン、あんなところに置いたんだろうな。
その後は「どくのこな」「しびれごな」「ねむりごな」を覚え捕獲要員としても活躍するが、攻撃技が「ねんりき」→「サイケこうせん」止まりなためどうにも火力が出ない。
少なくとも戦闘要員としてポケモンリーグに連れていくのは厳しい所がある。バイバイバタフリー。


能力も低めで対戦で使うのはストーリーに輪をかけて辛い。
かつては命中率が1.3倍になる特性『ふくがん』により「ねむりごな」をほぼ確実に当てられるというアイデンティティがあったのだが、
能力的にも技的にもほぼ上位互換のビビヨンが同じ芸当を覚えてしまい…合掌。
……そんなこんなで第8世代、ついにキョダイマックスを獲得。一致「ぼうふう」も習得したし、ビビヨンのいない環境では結構頑張れる。



・ビードル → コクーン(Lv.7) → スピアー(Lv.10)
初代から登場する雀蜂。どくタイプ複合。
赤版ではキャタピーよりこちらの方が出やすい。
初代では極めて珍しいむし技の使い手だが、威力14×2~5回攻撃(しかも命中率85%)の「ミサイルばり」と、威力25×2回攻撃の「ダブルニードル」しかない上に、どくタイプのせいでエスパー技に弱く当時最強タイプであったエスパーには全く歯が立たなかった。
見た目に反して攻撃80・素早さ75とパワーも素早さも足りない。
残念ながら捕獲要員になるバタフリーの方がだいぶマシである。


耐久が低い上に粉技もないため色々と苦しいが、一致「とんぼがえり」や『きあいのタスキ』+「がむしゃら」、ロマン戦法の「がむしゃら」+「とどめばり」など嫌らしい戦術はとれる。
OR・AS』ではメガシンカを獲得。火力と素早さが大幅に強化され、更に特性『てきおうりょく』で一致技だけなら圧倒的な火力を出せるようになった。
また、サブウェポンには「かわらわり」「はたきおとす」「ドリルライナー」と、攻撃範囲と追加効果の両面で相性の良いものが揃っている。
ただし耐久は相変わらず低いので、一撃で相手を仕留めないと反撃で落とされかねないほか、先制技にも弱い。
また、メガシンカしたターンは素早さアップが適用されないため、「まもる」を覚えさせざるを得ないという弱点もあったが、この欠点は『サン・ムーン』で解消された。



・レディバ → レディアン(Lv.18)
第二世代から登場するてんとう虫。ひこうタイプ複合。
初登場の『金・銀』では銀バージョンの朝しか登場しなかった。このせいで中々ゲットできなかったプレイヤーも多いのでは?
ほとんど物理攻撃と変化技しか覚えないが、なんと最終進化しても攻撃力がビードルと同じという貧弱さ。でも隠れ特性は『てつのこぶし』…。
とりあえず特防は高いがHPも壊滅的に低く打たれ弱い。
「アンコール」やら「バトンタッチ」やら面白い技は覚えるものの、いかんせんステータスが低すぎて一体どうやって戦えばいいんだと言わざるをえない1匹。
さらに相方のアリアドスと異なり、後続作でのフォローもほとんど無い。どうしてこうなった……



・イトマル → アリアドス(Lv.22)
第二世代から登場する毒蜘蛛。どくタイプ複合。
初登場の『金・銀』では金バージョンの夜だけに出現するポケモンだった。
ステータス的には攻撃力が高い分レディアンよりマシだが、覚える技は「どくばり」「からみつく」など威力の低いものばかり。
威力20の「きゅうけつ」をレベル23で覚えてどうしろと言うんだ。
一方で強力な「サイコキネシス」を自力で習得できたりもする。但し習得はLv.63。旅パで覚えられるかどうか…。


ただしその後のアフターフォローには割と恵まれており、
攻撃が少し高く素早さが低い以外は平凡な能力だが、一致物理技に「メガホーン」「クロスポイズン」、
低い素早さを補う「こうそくいどう」や「ふいうち」、後続をサポート出来る「どくびし」や「ねばねばネット」など、世代が進む毎に使えそうな技をガンガン覚えている。
第七世代では相方のレディアンを差し置いて特防種族値が強化され、専用技「どくのいと」まで獲得した。
問題はそれでもやっぱり種族値が足りないこと。



・ケムッソ → カラサリス(Lv.7) → アゲハント(Lv.10)
第三世代から登場するアゲハ蝶。最終進化のみむし/ひこうタイプ。
ドクケイルとは分岐進化だが、どちらに進化するかは内部ステータスで決定しており、進化させてみるまで分からない。
ステータス的にはエスパー技の代わりにくさ技を覚えるバタフリーのようなポケモンだが、粉系の技を「しびれごな」しか覚えない。
かくとう技が1/4だし「かぜおこし」を覚えるのでムロジムでは役立つし、「あさのひざし」で回復もできるのだが…
何故か後の世代では「いかり」を新規習得し、「いかりのこな」と間違えられたのではと不憫に見られることがあった。


対戦での使い勝手は「複眼ねむりごなのないバタフリー」。
鈍足低耐久でタイプも技バリエーションもビビヨンと被りまくっており、バタフリー以上にフォローのしようがない感じである。せいぜい隠れ特性『とうそうしん』に賭けるくらいか。



・ケムッソ → マユルド(Lv.7) → ドクケイル(Lv.10)
第三世代から登場する毒蛾。どくタイプ複合。アゲハントとは分岐進化。
アゲハントとは逆に耐久寄りのステータスで火力は極めて低いが、アゲハントに比べれば遥かにマシなレベル。
紙耐久が多いむしポケモンの中ではやや高めの特殊防御力を持つほか、耐性も多めで積み技の「ちょうのまい」があるため、アゲハントよりは戦える。



・コロボーシ → コロトック(Lv.10)
第四世代から登場するコオロギ(バイオリンムシ)。美しい鳴き声を持つ。
コロトックに進化するまで攻撃手段が「がまん」しかないという苦行の末、得られる能力は鈍足低耐久。育成の手間に結果が全く見合っていない。


技のレパートリーも貧弱で火力も耐久も素早さもないという八方塞がりで、対戦で使うのもまた苦行である。
「まとわりつく」+「ほろびのうた」コンボや、「ねばねばネット」による後続サポートなど変化技、
はたきおとす」による道具の無効化など嫌がらせ主体にすればなんとか戦えないこともない。



・クルミル → クルマユ(Lv.20) → ハハコモリ(なつき)
第五世代から登場するコノハムシ。くさタイプ複合。
攻撃と素早さが高く、特性『ようりょくそ』で晴れ下の高速アタッカーになれる。
威力の高い特殊草技を覚えるため、一致技だけなら特殊のほうが火力が出せる。
ハハコモリへの進化がなつき度と若干面倒だが、普通にシナリオ完走まで使っていける性能。ただし4倍弱点が2つもあるので取り扱いには注意が必要。
両壁や「さきどり」「つるぎのまい」「こうそくいどう」「バトンタッチ」など変化技も豊富。



・フシデ → ホイーガ(Lv.22) → ペンドラー(Lv.30)
第五世代から登場するヤスデ→メガムカデ。どくタイプ複合。
序盤虫ポジションの割に種族値が全体的に高めなのでシナリオ完走まで普通に使える。
見た目はずんぐりしてデカイのにかなり速いうえ、高威力むし技の「メガホーン」があるため、実は攻撃性能も高い。特にラスボス切り札に有利を取れる点が大きい。
じしん」や「いわなだれ」等サブウェポンもむしタイプとは思えないくらい豊富であり、「つるぎのまい」で更に火力を高めることもできる。
なんとこの見た目で「バトンタッチ」まで習得できる。


第五世代では隠れ特性が『はやあし』という死に特性だったが、第六世代から『かそく』に変更され(ついでに攻撃種族値も少し上がった)、むしタイプの加速バトン使いとしてテッカニンのお株を奪ってしまった。
同じく加速バトン使いとしてバシャーモの存在があるが、技や耐性の違いにより差別化は容易。
見た目に反して多芸なポケモンであり、レート上位構築にも食い込み得るポテンシャルを秘めている。



・コフキムシ→コフーライ(Lv9)→ビビヨン(Lv12)
第六世代から登場する蝶。最終進化のみむし/ひこうタイプ。
合計種族値はこれまでの序盤虫と大差ないものの、コフキムシの時点で「しびれごな」を覚えるので育成が行いやすく、進化と同時に「むしのていこう」を覚えるのでむしタイプとしての仕事が行いやすい。
また種族値がほしい場所に的確に配分されており、覚える攻撃技のタイプが多彩で、特性『ふくがん』で「しびれごな」「ねむりごな」の命中率を上げられ、
威力110のひこう技「ぼうふう」まで覚えるという、これまでの序盤虫は何だったのかレベルの優秀なポケモン。
「ねむりごな」等の一部の技はハートのうろこで思い出す必要があるが、それを差し引いても強い。


捕獲された地域(ゲーム内の地域ではなく、3DSに登録されているリアル地域)によって羽の模様が20種類もあるのでコレクターにも人気。
GTS伝説を餌にまでして羽の模様を全コンプしようとした人もいるはず。
NO PURPLEのキーワードはGTSで流行した。


対戦でも複眼「ねむりごな」の威力は脅威。
敵が眠っている間に「みがわり」を張り「ちょうのまい」を積んで全抜きするタイプは対策を打っておかないと容易に全滅する。
ダブルバトルで隠れ特性の『フレンドガード』を活かして味方をサポートするタイプや、特性『りんぷん』で「ねこだまし」で怯まずに動くタイプもいる。
第六世代組はやはり序盤ポケモンとは思えない性能である。
『ふくがん』+「ねむりごな」に加えて「ぼうふう」まで完備と、バタフリーの立場を完全に奪ってしまった。
……が、そのバタフリーも逆襲し始めた(上述)。



・アゴジムシ → デンヂムシ(Lv.20) → クワガノン(ポニの大峡谷でレベルアップ(第七世代)/かみなりのいし(第八世代))
第七世代で登場したクワガタムシ。
アゴジムシはむしタイプだが、デンヂムシ以降むし/でんきタイプに。クワガノンは更に特性『ふゆう』でじめん技が無効となる。
とんでもなく遅咲きなポケモンで、クワガノンへ進化できるポニの大峡谷はラストから2つ目のダンジョンであり、それまでは中間進化形態のデンヂムシのまま。
色々と辛いが、進化前ポケモンの耐久力を上げる『しんかのきせき』を持たせて頑張ろう。
US・UM』では発電所の側で進化できるようになり、若干楽になった。
ちなみにデンヂムシまでは攻撃力が高めだが、クワガノンは攻撃が下がって特攻がムチャクチャに上がるので、進化したら技を大幅に入れ替えることになる。


クワガノンの特攻は並の伝説ポケモンを凌駕する驚異の145。
その代わりに素早さがたったの43と非常に遅い(飛んでるのに…)。
一致技は「10まんボルト」「でんじほう」「むしのさざめき」と威力の高めなものが多く、虫ポケモンに不足しがちなサブウェポンも「エナジーボール」「エアスラッシュ」「ラスターカノン」「ハサミギロチン」と申し分ない。
トリックルーム」状態で戦える貴重な特殊アタッカーとなる。
一応「こうそくいどう」も覚えるので、積んで上からガンガン殴る型もこなせる。
育て方次第で高速型にも鈍足型にも適応できるのは序盤虫らしからぬ器用さである。
ちなみにデンヂムシはダブルバトルで味方の特攻を上げる『バッテリー』という唯一無二の特性を持つ。


第八世代ではポニの大峡谷などのような特殊な磁場を発する場所がないため進化方法が「かみなりのいし」を使う物に変化。メタ的にはあまりにも遅すぎた進化の救済も兼ねていると思われる。



アブリー → アブリボン(Lv.25)
同じく第七世代で登場したツリアブ。フェアリータイプ複合のかわいいヤツ。アブリボンに進化するとオーソドックスな妖精のような姿に。
レベル13で「ぎんいろのかぜ」、レベル16で「ドレインキッス」と序盤から技は一通り揃っているが、アブリー時代は貧弱なので無理に出っ張らせるのは禁物。
アブリボンに進化すると素早さ種族値が125にまで上昇。アローラ産ポケモンの中では貴重な高速アタッカーである。何気に特攻も95と悪くないものを持っている。
進化と同時に覚える「かふんだんご」やレベル35で覚える「マジカルシャイン」等、シナリオでも癖がなく使いやすい。


対戦では、「ちょうのまい」を積んで自らがアタッカーを務めたり、「バトンタッチ」でサポートに回るという戦法が考えられる。
ダブルでも「かふんだんご」を活かした独特の立ち回りが可能。
耐久は低いので真っ向から殴られると滅法弱く、高い素早さからの変化技でいかにして有利な状況を作るかが重要となる。



・サッチムシ → レドームシ(Lv.10) → イオルブ(Lv.30)
第八世代出身のテントウムシだが、先述のレディアンとは違い幼虫→サナギ→成虫の完全変態で進化していく。
レドームシ以降はエスパータイプが追加され、初の組合せを持つポケモンとなる。
イオルブは普通のテントウムシの頭にあたる部分から真下に人型のような身体が生えており、やや宇宙人じみた風貌に。
最終進化までレベル30まで待たねばならず、クワガノン同様遅め。


種族値は防御・特防に優れ、最終進化時点で合計値505と最初の道路で手に入るむしタイプではもっとも高い。
HPは高くないので油断は禁物だが、一発では落ちないので、相手を返り討ちにするチャンスは十分にある。
特攻も及第点で虫の通りが悪いタイプに対しては積み技とシナジーを形成する「アシストパワー」等でカバーできるため、一致技のみでも十分攻撃範囲が広い。しれっと「ボディプレス」も覚えるのではがねタイプでも止まらない。
最大の持ち味は使う側でさえ迷うくらい変化技の引き出しが広い事。これで真のエースの活躍につなげよう。



・タマンチュラ→ワナイダー(Lv.15)
第九世代で初登場した蜘蛛ポケモン。
進化前のタマンチュラはボンヤリした目でとても可愛らしかったのに対して、進化形のワナイダーは似ても似つかない怖めの風貌であり、初見のプレイヤーを多数愕然とさせた。
昨今の作品で高種族値化していた序盤虫系列では珍しく、合計値はたったの404とアリアドスを彷彿とさせる低さ。
おまけに進化もかなり早めという序盤虫の原点に立ち返ったようなスペックだが、耐久力だけはそこそこあり、専用技の「スレッドトラップ」を始めとして、相手の妨害やカウンターに長けた技をレベルで続々と覚えてくれるので意外と侮れない。


対戦ではやはりその種族値の低さから活躍させることが難しいのだが、貴重な「ねばねばネット」使い故に個性は確立されている。



【その他】

ノーマル、ひこう、むしのいずれでもないが序盤に登場し、最初のジムの頃からパートナーに出来るポケモンたち。
序盤のパーティメンバーに幅を持たせられる……ようでいて、技構成の都合でジム戦等での活躍はしばらく後というケースが多め。
ステータスは控えめなマイナー気味の種族から、磨けば光る逸材まで様々。


・ニドラン♂ → ニドリーノ(Lv.16) → ニドキング(つきのいし)
ウサギっぽいどくばりポケモンだが、進化すると怪獣になる。
初代ではニドラン一族がオニスズメと同じ22番道路に出現していた。
レベル8で威力65の「つのでつく」を覚え、しばらくはこれ一本で戦える。(ツノだけに)
その後はロクな技を全くと言っていいほど覚えないので、おつきみ山で「つきのいし」を手に入れたら即進化させて構わない。最終進化のパワーを見せつけてくれるはずだ。
ただしニドキングになるとじめんタイプがついてみずに弱くなるので、みずタイプジムリーダーであるカスミに勝つまで保留という選択肢もアリ。
ニドキングがレベル23で「あばれる」を覚えるので遅くともそれまでには進化させること。
「みずでっぽう」「バブルこうせん」「10まんボルト」など、わざマシンで技を覚えていくタイプ。
RTAでは手に入る時期と技の豊富さを買われ大活躍している。
ピカチュウ版のみ早い段階でかくとう技「にどげり」を覚える。


元祖「技のデパート」その1。
エスパー無双の初代ではメジャーなエスパーにとことん不利などくタイプである上、
進化に必要な「つきのいし」が無駄にレアだったこともあって対戦では殆ど需要が無かった。
しかし世代を追うごとに少しずつ強化がなされており、今や序盤ポケの面影はない。
素の能力は極端に突き出たものがなく攻撃面が高い以外は平均的だが、
技のレパートリーが豊富なので器用に立ちまわることができ、隠れ特性『ちからずく』により火力も確保できている。そのせいか特殊型がメジャーという珍しい事態に。



・ニドラン♀ → ニドリーナ(Lv.16) → ニドクイン(つきのいし)
ニドラン♂がいるところにニドラン♀あり。
こちらはレベル8習得技が威力40の「ひっかく」とショボい。
ただしニドクインがレベル23で覚える技が威力・命中・追加効果共に安定の「のしかかり」であり、
数ターン操作不能になるニドキングの「あばれる」より使い勝手が良いので、一長一短と言える。


元祖「技のデパート」その2。
旦那同様、世代を追うごとに少しずつ強化されている。
ニドキング同様に平均的な能力を持っているが、比較すると攻撃面より耐久面の能力が高め。
ニドキングに負けず劣らず技のレパートリーは豊富で、こちらも隠れ特性『ちからずく』があるため耐久型のみならずアタッカー型でも戦える。
アタッカー型の場合、耐久性能を活かせばニドキングとの差別化は比較的簡単。
ニドキングもニドクインも、公式大会で活躍した実績がある。



・(ピチュー) → ピカチュウ(なつき) → ライチュウ(かみなりのいし)
言わずもがなでんきネズミ。世界一有名なポケモン。
初代ではトキワの森に低確率で出現していたほか、ピカチュウ版では最初にオーキド博士からもらえるポケモンはピカチュウ一択である。
この後でんきタイプは無人発電所までほとんど登場しないため、ポッポやオニスズメに有効なでんき技を使える極めて貴重なポケモン。
「でんじは」を覚えるので捕獲にも有効。ゲットだぜ!
カスミのみずタイプのポケモンにも有効かと思いきや、特殊に差がありすぎてピカチュウの「でんきショック」はスターミーにロクにダメージを与えられず、「バブルこうせん」の猛攻に耐えられない。
おとなしくみず技半減のくさタイプのポケモンを捕まえてくるのが賢明。


金・銀』からピカチュウ専用アイテム『でんきだま』が登場し、持たせるとピカチュウの特攻が2倍(第四世代からはすべての技の威力が2倍)になるため、最終進化前のポケモンとしては非常に高い火力が出せる。
対戦でも紙耐久を補う愛があれば戦えるかもしれない。


進化後のライチュウは高い素早さとそこそこの攻撃性能を活かした立ち回りで旅のお供としての活躍が期待できる。
ただし初代の頃は進化すると自力で技を覚えられず、わざマシン頼みになってしまうため、進化のタイミングを誤ると苦労させられるポケモンだった。


ライチュウは99年大会で「なみのり」できるでんきタイプとして注目された程度で長らく対戦環境では空気だったが、『X・Y』で素早さがアップした上に、ダブルバトルで有用な隠れ特性『ひらいしん』と「ねこだまし」の両立が可能になった事でダブル方面で才能を開花。
特にWCS2016では伝説ポケモンを相手に大立ち回りを見せ、優勝者の手持ちにも入っていた
サン・ムーン』ではリージョンフォームを獲得し、ダブルバトルを中心にアタッカーとして活躍している。



・ポチエナ → グラエナ(Lv.18)
第三世代で序盤から登場するあくタイプのハイエナ。
レベル13で「かみつく」を覚えるものの、『ルビー・サファイア』当時のあく技は特殊攻撃であり、高めの攻撃力を活かす手段が「とっしん」くらいしかないという悲惨な技状況であった。
もっとも、『ルビー・サファイア』に出現する他のあくタイプはヤミラミダーテングノクタスサメハダーとどれもなんとも言えない性能(ついでにノクタス以外攻撃>特攻)のものばかりで、四天王ゴースト使いが居ることを考慮すれば育てるのは悪い選択ではないかもしれない。


対戦では特性『いかく』を使えば耐久性を補え、特性『はやあし』があれば微妙な素早さを補え、隠れ特性の『じしんかじょう』があれば火力を補える。
素の能力は高くないが、耐久が高い相手に「いかりのまえば」を食らわせたり、GBA限定教え技の「カウンター」で物理アタッカーを返り討ちにしたり、
紙耐久や四倍弱点に刺さる「ふいうち」や三色キバがあったり、「いばる」+「イカサマ」を使ったり、技レパートリーはそこそこにある。
緻密な読み合いを制することで力を発揮するあくタイプらしいポケモンである。
単純採用だとアブソルの劣化になる為注意。



・ラルトス → キルリア(Lv.20) → サーナイト(Lv.30) or エルレイド(♂にめざめいし)
ご存知エスパータイプのみんなのアイドル。
第三世代序盤から登場するが、出現率がかなり低いので、ミツルの捕獲イベントで初めてその存在を知ったという人もいるだろう。
最終進化のサーナイトは文句なしに使いやすい性能だが、進化前のラルトスやキルリアがとにかく貧弱。
ラルトスの合計種族値はコイキングにも劣る198で全ポケモンワースト10に入る低さであり、キルリアに進化してもニドラン♀くらいの278で、とても1進化ポケモンのそれではない。
おまけにラルトスの捕獲直後は「なきごえ」しか技がないという悲惨さなので、そのレベル上げはもはや育成というより介護。献身的な愛が必要である。
リメイクの『OR・AS』では図鑑ナビやフェアリータイプ追加、早期レベルでの「ドレインキッス」習得により若干育てやすさが改善されたものの、レベル30は相変わらず遠い。


対戦でのサーナイトは豊富な変化技のレパートリーによるサポート型が主体だったが、第6世代でフェアリータイプとメガシンカを獲得し一気にアタッカーとして覚醒した。
エルレイドも『OR・AS』でメガシンカを習得し、高速物理アタッカーとして活躍している。



・コリンク → ルクシオ(Lv.15) → レントラー(Lv.30)
第四世代で序盤から登場するでんきタイプのヤマネコ。ヤマネコモチーフなのに名前はトラで見た目はライオンとややこしい。
スタート直後の202番道路から出現はするものの、暫くはでんき技を全く覚えず、レベル18(プラチナ以降レベル13)でようやく最初のでんき技である「スパーク」を覚える。
しかも特攻より攻撃の方が高いのにスパークより威力の高い物理でんき技を全く覚えないので、結局特殊技の「10まんボルト」や「かみなり」に頼らざるを得なくなり、思ったほどの火力はない。
とはいえ『ダイヤモンド・パール』には他にでんきタイプがパチリスと後半にならないと出てこないピカチュウ系しかいないので、微妙とわかっていながらコイツを使うしか無いというなんとも贅沢後ろ向きな採用理由のポケモン。
種族値合計が523もあるので決して弱いわけではないのだが。
そもそもでんき技が欲しいだけならゲンガーやサーナイト(プラチナのみ)辺りに「10まんボルト」を覚えさせればいいだけだし。
素早さの値、特性として『いかく』を所持、「かみくだく」を覚えることから、運用感覚としてはグラエナに近いかも。


でんきタイプとしては珍しく素早さが中途半端なうえ、でんき物理技の貧弱さも災いし対戦でもあまりメジャーとは言えない。
前述の通り特性『いかく』があるため実質的な物理耐久はそこそこ。攻撃力も高いため、一発耐えて返しの一撃で倒す戦術がとれる。
第五世代では威力90の物理でんき技「ワイルドボルト」を習得&隠れ特性の『こんじょう』が追加、
第六世代では「つぶらなひとみ」を習得と世代を追うごとに強化されてはいる。



・チョロネコ→レパルダス(Lv20)
第五世代で登場。あくタイプのネコ。
進化後のレパルダスは素早さが106と高く、攻撃・特攻も88と序盤ポケの割には良い種族値を持っているが、
ネコのくせに「かみつく」を覚えないせいでレベル43まであく技の最高威力は「ダメおし」の50という有様。
「かみくだく」もないので最終的にも威力70の「つじぎり」止まりで、明らかに技の威力が足りない。
四天王にエスパーとゴースト使いが居るのであくタイプを育てるのは間違ってはいないのだが、ストーリー攻略では砂漠地帯でメグロコを捕まえて育てたほうが良さそうである。


対戦では一変して強い…というか、登場当初はかなりの問題児であったポケモン。
隠れ特性『いたずらごころ』で「ねこのて」を使うことで、理論上ほとんどの技を先制で放つことができる。
これで「キノコのほうし」を先制で撃つのはまだ良心的な方で、
第五世代ではひたすら「ふきとばし」を使うだけの初手からTODしか狙わない戦法だの、
ひたすら「そらをとぶ」で攻撃をかわし続けるだけの戦法だのと、
ゲーム性のカケラもない酷いシロモノがまかり通っていた。
第六世代以降は「ねこのて」ではそれらの技が選ばれないよう調整され、速攻型サポート役という立ち位置に収まっている。



・クスネ → フォクスライ(Lv.18)
第八世代から登場した、あくタイプのアカギツネ。
それまでのキツネポケモンは九尾だったり化け狐だったり魔法使いだったりしたが、このポケモンは割と普通のキツネ…かもしれない。
種族値は特殊系でやや素早さが高め…なのだが、その素早さ種族値は90と低くはないが高くもない。
更にレベルアップで覚える技は殆どあく技、しかも物理技と非常に捻くれている。
マトモに活躍させたければ範囲を補える技を何か教えてあげよう。
このため純粋な攻撃要因としての「素早いあく技使い」という点では後述のあるポケモンにお株を奪われがち。
一応序盤のワイルドエリアでは『にげあし』の需要が比較的高いため、「あくタイプ」要員と『にげあし』要員を同時に連れ歩きたい場合は候補に入る…かもしれない。
「すてゼリフ」などを活用した嫌がらせに特化すればパーティの立ち回りに余裕が生まれることだろう。
対人戦でも扱いは難しい部類だが、幸いにして変化技はそこそこ豊富で、素早さも『かるわざ』で補えるため、やはり妨害要員としてはまあまあの性能である。
隠れ特性『はりこみ』が解禁されたおかげで「イカサマ」の最大火力を更新した。



・カムカメ → カジリガメ(Lv.22)
第八世代より登場のみずタイプのカミツキガメ。進化するといわタイプがつく。
この手の亀のポケモンにしては防御種族値は90とやや低めだが、その代わりか素早さ74と見た目ほど低くない。
特性は『シェルアーマー』『がんじょうあご』の2種。事故死が嫌なら前者、火力重視なら後者を取りたいところ。
専用技「くらいつく」は、一度使うとどちらかが倒れるまで互いに逃げるか交代が出来なくなる。
なお、カムカメから進化してそのままだとレベル48の「アクアブレイク」まではまともな物理みず技を覚えてくれないので、
進化したらすぐに「シェルブレード」を思い出させてあげよう。



・ワンパチ → パルスワン(Lv.25)
イヌヌワン!…もとい、第八世代出身のでんきタイプのコーギー犬。
そのぽてっとした外見の通り素早さは低めだが、低レベルで確定まひの「ほっぺすりすり」を覚えるのであまり気にならなかったりする。
進化するとややシュッとした感じの中型犬になり、一転して素早さ種族値121の駿足と化す。
そのまま育てていけば「ワイルドボルト」「じゃれつく」など有用な技を色々覚えてくれる。
特性は『がんじょうあご』で、自力の「かみくだく」以外にもわざレコードで「ほのおのキバ」「サイコファング」を覚えさせても良いかも。
先述の確定まひのおかげで捕獲要因としても優秀。


…ここまで読んで気づいた人もいるかもしれないが、
特性のおかげで「かみくだく」がタイプ一致相当の威力になるということもあり、
自身のタイプや物理と特殊という違いこそあれどフォクスライの存在を完全に食ってしまっている。フォクスライは『はりこみ』+「イカサマ」という個性を確立したが。


【解説】

序盤ポケモンが終盤に力不足になりがちなのは、シナリオゲームとしてのバランス調整によるものである。
最初の道路で捕まえたポケモンが少し育てただけで伝説のポケモン並みに強くなったらゲームバランスは著しく崩壊するし、試行錯誤してジムリーダーに勝つこともなくなる。
ステータスが控えめで突出した力がないことにもちゃんとした意味があるのだ。
むしろ隠れ特性や立ち回りの工夫次第で強ポケを翻弄できるだけでも十分凄いことなのである。



…しかしながら第9世代では「攻撃力の高さと素早さを両立して覚える技も強く、なおかつやろうと思えば序盤のうちから遭遇・捕獲出来てしまうフラミンゴ」なんていうポケモンが爆誕してしまったのだが。
序盤ポケを愛する皆様の追記・修正をお待ちしております。


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*1 BWで砂嵐が発生するエリア
*2 ただし、サン&ムーンではモクローがいるためか、ツツケラ系統をゲットすることはなかった。
*3 第4世代までは合計種族値400前後が多かったが、第5世代以降はビビヨンを除いてほぼ500前後。

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