登録日:2022/05/23 Mon 16:45:40
更新日:2025/08/15 Fri 22:29:46NEW!
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てけてけ みんなのトラウマ アニメ未登場 ターニングポイント テケテケ 因果応報 地獄先生ぬ~べ~ 考えさせられる話 衝撃のラスト てけてけの怪の巻 念縛霊
てけてけ…上半身だけしかない不気味な少女の霊。肘をつかってものすごい勢いで追いかけてくる。現在、日本列島を南下中。(『シャカシャカ』とも呼ばれる。)
てけてけとは、漫画『地獄先生ぬ~べ~』の第17話「てけてけの怪の巻」に登場する怪異である。単行本3巻収録。
【概要】
上半身のみの姿で地面を這い回る、恐怖の都市伝説系妖怪。
肘を地面に叩きつけながら高速で移動する異様な姿が特徴で、遭遇した者を容赦なく追い詰める。
名前の由来は、地面を這う音「てけてけ」から来ているとされるが、沖縄では「テクテク」とも呼ばれていた。
原作では、北海道の鉄道事故で少女が下半身を切断されたという話と、沖縄戦後の遺体処理の逸話が融合されて誕生した。
ぬ~べ~初期を代表するエピソードのひとつ。怪談、都市伝説として知られる「テケテケ」を取り上げている。当然ホラー回であり、特にラストシーンは今でも語り草である。怖すぎてアニメ化できなかったといわれるだけはある。
ただ、決して怖い「だけ」の話ではない。寧ろ強烈なホラー描写こそが、テーマを際立たせているのである。
また本作は、都市伝説「カシマさん」との関連性をいち早く描いた作品でもあり、戦争怪談の文脈をも内包している。作者たちの創作と勘違いが重なり、北海道の鉄道事故やカシマレイコの伝承を融合させることで、独自の「てけてけ像」が形成された。
本編において
原作第17話「てけてけの怪の巻」に登場。
ぬ~べ~の生徒たちが遭遇する怪異として描かれ、特に「名前を唱えなければ呪われる」という設定が読者に強烈な印象を与えた。
劇中では、てけてけの正体は明かされず、イニシャル「K・R」として表記される。
これは「カシマレイコ」の略であり、名前を明言すると呪われるという都市伝説に配慮した演出。
助かるための呪文も「××××××××」と伏字で表現されており、読者の想像力を刺激する構成となっている。
てけてけは、かつて鉄道事故で下半身を失った少女の怨霊、あるいは沖縄戦後に遺体が切断された状況から生まれたとされる。
その悲惨な死が強烈な怨念となり、妖怪化した存在である。
演出と恐怖表現
ページを開いた瞬間に巨大な顔が現れるなど、ジャンプ誌面の大判サイズを活かした恐怖演出。紙質の粗さや色味も恐怖を増幅させる要素となっていた。
話の前半のほうでは、ぬ~べ~が何かを知っているけど隠している、あるいは、もしかしたら自分たちを害する存在なんじゃないか、みたいな匂わせがあることで、読者に「守ってくれるはずの先生が頼りない」という不安を与える。
「人間の心が妖怪をつくる」という『ぬ~べ~』のテーマが色濃く反映された回でもある。
【ストーリー】
これはね…隣町で本当にあった話なんだよ…
一人の女子中学生が踏切事故で死んだんだ
胴体をまっぷたつにされてそれはひどい死に方だったそうだよ
ところが驚いたことに 事故のあと10分間も 上半身だけで生きていたんだって!
今でも その子の霊は 失くした足を探してさまよっているという…
そして…その霊はこの話を聞いた人の所に…
3日以内に必ず現れる…!
そして聞くんだ…「足いるか 足いるか」ってね
このとき答え方をまちがえると 足をもっていかれちまうんだと…!
「どうだ?正しい答え方知りたいか?」
冒頭、このように話していたのは不良っぽい中学生。
話を聞いていたのはぬ~べ~の生徒の栗田まことだった。中学生は正しい答え方、即ち「てけてけ」を追い返す呪文を教えてほしければ…とまことに金を要求する。
怖がりのまことはすぐに1000円を渡すが、中学生は「自分で考えな」と言って何も教えてくれない。
結局、1000円を中学生に持ち逃げされてしまう。
その上、恐怖のあまり眠れなかったまことだったが、ぬ~べ~達からは単なる噂だ、本気にすんなと笑い飛ばされる。
郷子によると、あの中学生が行っていたのは「怪談を利用した新手の恐喝」で、ぬ~べ~は「霊を金儲けに使うとはけしからん」と憤慨する。
しかし恐怖が収まらず、学校中に呪文を聞いて回り、しまいには校内放送でも答えを求めていた。
その結果、校内にてけてけの噂が広まってしまい、低学年の生徒たちに至ってはパニック状態に。なお、一番ビビってたのはリツコ先生
ぬ~べ~はまことを叱りつける。
「てけてけなんてのは作り話だ、今後一切てけてけのことは考えるな」と。
本気で怖がっているまことにとって、ぬ~べ~に頭ごなしに怒鳴られたのはよほどショックだったらしく、泣きながらどこかへ走って行ってしまった。
広と郷子はぬ~べ~の態度を非難するが、厳しく怒鳴ったのには理由があった。
20数年前、冬の北海道の鉄道事故により胴体を真っ二つに切られて死んだ女性がいた。K・Rさん(仮名)だ。
しかもあまりの寒さで血管が収縮して出血が止まったため、即死できずに数分間上半身だけで苦しみもだえていたという。
てけてけは実在する霊だったのだ。
霊のことばかり考えると波長が合ってしまい、かえって霊を呼び寄せかねない…
まことの怖がり方は尋常ではなく、このままでは今夜にもてけてけが来てしまう。
大量のおしるこを飲みながら張り込むぬ~べ~の予測通り、自宅にいても、机に向かっていても、てけてけのことが頭から離れないまこと。
カン カン カン
すると、まことの部屋に踏み切りの音が鳴り響いた。
次第に大きくなる音、つい振り向いたその瞬間…
''足…いるか…''
''「うわあああ」''
てけてけが机の下から這い出てきたのだ。
その時、近所に待機していたぬ~べ~達が駆けつけた。
まことは当然助けを求めるも、ぬ~べ~は逆にまことをてけてけに差し出してしまう。
それは鬼の手を通し、てけてけとまことを交信させるためだった。
てけてけは涙を流していた。
てけてけとは自分のように、てけてけを怖がる人たちがいる限り、その念に縛られてしまい、いくら供養しても成仏できない「念縛霊」なのだとまことは知る。
ぬ~べ~は言う。怖がるのではなく、早く成仏できるように祈ってあげればいいと。
むしろ、中学生が言っていた「正しい呪文を唱えれば退散する」なんて話こそでっち上げである。
「て…てけてけさん ぼくは怖がったりしないのだ」
「早く成仏してくださいなのだ」
「噂が忘れ去られたころ またおいで 必ず成仏させてあげよう」
「だから今はお帰り」
まこととぬ~べ~の祈りを聞いたてけてけは、静かに消えていった…
─悲惨な事故で死んだ人は とかく怪談のネタにされやすい─
─だが興味半分に死者を化け物扱いしてはいけないな それは霊を冒涜する行為だ─
追記・修正よろしくお願いします。
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しかし、話はこれで終わりではなかった。
場面は変わって、まことを恐喝した中学生の家。中学生はこれまで巻き上げたお札を数えて不敵に笑う。
「ひい」
「ふう」
「みい」
「ヘヘヘッ!小学生はチョロイね!あんな よくある怪談にひっかかって…」
カン カン カン
足…いるか…
「うわっ!」
「て…てけてけか!?まさか本当に現れるなんて…」
そこにてけてけが現れたが、中学生はまことほど怖がってはいない。
それもそのはず、対抗策の正しい呪文を知っているからだ。
「だが大丈夫 おれは正しい呪文を知っている…」
「~~~~~~~~~~~~!」
「どうだとっとと失せろ化け物め!」
ところが…!~
''おまえだったのか噂をまきちらしていたのは''
''よくも''
''よくも''
ゴ ゴ ゴ ゴ
「え…そんな」
「は…話がちがう…」
''足いるか!!''
''ブチッ! ブチ ブチ''
''「ギャアアアア…」''
こうして、死者を冒涜した中学生は両足をもぎ取られて死亡。相応の報いを受けたのだった。
てけてけは成仏できない
彼女を怖がる人々の念が
彼女を地上に
縛りつけるからだ
この話を読んだあなたも
早く忘れた方がいい
さもないと 今夜あたり
あなたのもとに…
【余談】
このエピソードでは、てけてけの背景として「北海道の鉄道事故」が語られる。極寒の中、胴体を切断された少女が数分間生き続けたという実話がベースとなっており、実在の霊として描かれている。
また、てけてけの名前の由来や呪文の伏字表現は、都市伝説「カシマさん」に由来する可能性が高い。原作者・真倉翔氏と作画・岡野剛氏の間で交わされた創作秘話では、カシマレイコという名前を伏せ字「K・R」として描いた理由が「名前を唱えると呪われる」という恐怖演出によるものであることが語られている。
このように、てけてけは「念縛霊」としての性質を持ち、語られることで存在が強化されるという現代怪談の構造を象徴している。
- 呪文は伏字で表現されている。呪文自体がデッチ上げだった可能性が高いが、もしかしたらてけてけの恨み、怒りが呪文の力を上回ったのかもしれない。
- てけてけの由来には諸説あり、沖縄では「テクテク」とも呼ばれていた。最初期の報告は1980年頃の沖縄で、戦争怪談と結びついた由来譚が語られていた。
- 沖縄戦後、米兵が遺体を回収する際に「Take it!」と叫んだ場面を地元民が「テケテケ」と誤認したという逸話もある(もちろん創作)。
- てけてけの呪文は「カシマレイコ、カシマレイコ」とされるが、作中では伏字「✖✖✖✖✖✖」で表現されている。これは読者への配慮と、呪文の力を曖昧にすることで恐怖を増幅させる演出。
なお、『テケテケ』という都市伝説は「一見壁や障害物などで下半身の隠れた普通の人間に見えるが、下半身が無い事に気づくと腕で歩いて迫ってくる」パターンと「背後から奇妙な足音が聞こえて振り返っても誰もいないが、実は足元にいる」パターンが一般的で、
この話の「呪文で追い払える妖怪の話を聞くと現れる」特徴は別の都市伝説「カシマさん」に近い。 K・Rさん(仮名)という名も呪文の一部またはカシマさんの本名と言われる「かしまれいこ」を示唆しているようにも見える。
ちなみにカシマさんのバリエーションは多岐にわたり、呪文とされるものを列挙すると多分独立項目が建つぐらい肥大化しそうだが「カシマレイコのカは火事の火、シは死ぬの死、マは悪魔の魔、レイは幽霊の霊、コは交通事故の交」といったものが代表的。
- 2000年代以降、戦争怪談は語られにくくなったが、「赤い服の女」などのイメージに変化しながら、現代怪談として生き残っている。
- 実話怪談「呼び水」では、兵士型カシマの姿は登場せず、赤い女が語りの中心となる。これは戦争怪談の変遷を象徴する構造を持つ。
- 今回登場した擬音の中で、ハイライトで使われた
ニタ~~~~~~… ズルッ ズルッ ズルッ
は手書きではなくフォントが使われている。
このように、本作はフォントの擬音で恐怖感を煽るという演出が多く使われている(オオオ…など)。
- ちなみに、不良の末路を「因果応報」としているが、当然被害者とはいえ人を殺したてけてけ自身にも因果応報はある。
何かというと、実際に足をちぎられた死体ができてしまったことで怪談の恐怖はより強固なものとなり、てけてけ自身の成仏は間違いなく遠のいてしまったということ。
・話からあまりにも浮いた内容なので折り畳み。
念縛霊の解説にて、生前のてけてけが描かれているのだが…
なんと全裸のまま、体を鎖で縛られているのである(流石に大事な所は隠れているor描かれていない…が実は…)。
これを見て、何かに目覚めてしまった読者もいるのではないだろうかこの漫画では枚挙に暇がないが。
しかし、これはあくまで念縛霊のイメージあり、決してサービスシーンなどではないことは留意すべし。それを示すようにてけてけは苦悶の表情を浮かべている余計エロいとかいわない。
実はこのてけてけには裏話がある。
作画担当の岡野剛先生は当初、てけてけの乳首も描いていたというのだ。
しかし、もうジャンプでそれはNGだと担当から叱られてしまい、自身初の規制を命じられ、幻になったという。
非常に残念な話だが、岡野先生自身は、自主規制は出版社が作家を守るために必要な行為であると理解は示しており、寧ろ規制強化が進む世の中の風潮について考えるべきだと語っている。
ちなみに本作はこの件をきっかけに、大事な所にジャンプマークを貼るという演出が用いられるようになったが、怒られるどころかすごいアイデアだと褒められたという編集部ェ…。
この話は色んな意味で、ぬ~べ~、ひいては岡野先生にとってのターニングポイント────だったのかもしれない…
単行本6巻収載の「妖怪大集合!!」において、ぬ~べ~は学園祭を荒らしまわる不良たちを懲らしめるべく、霊水晶に宿る記憶をもとにはたもんばや人体模型など過去に登場した霊や妖怪の幻影を見せるのだが、その中にてけてけも混じっている。
おまけに、不良たちを追い出した後も消すのを忘れていたせいで一般の客にまで見られてしまう羽目に。こんなことをすればより噂が広まって成仏が遠のき、てけてけの怒りを買ってしまいそうだが…
追記・修正はてけてけの成仏を祈りながらお願いします。
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▷ コメント欄
- 作成乙です~妖怪や霊はただ怖いだけでなく可愛そうな存在だから無闇にネタにしたりしないでねというテーマは以降の口裂け女の話などでも繰り返し描かれる内容ですよね -- 名無しさん (2022-05-23 20:52:01)
- 霊媒師いずなだと口裂け女の話がてけてけと同じテーマを描いてるんだよな。霊をネタに悪事を行うな、というね。 -- 名無しさん (2022-05-24 00:30:33)
- 噂を広めた不良がどこからてけてけを退散させる呪文を知ったかという謎 -- 名無しさん (2022-05-24 08:30:12)
- 余談の折り畳みで、なんて事を書いてくれちゃってるんだいww -- 名無しさん (2022-05-24 11:11:56)
- ↑3~4 ぬ~べ~の最強クラスのこわい話の一つ( そして、この話の後にある「 おまけ話 」の話も怖い...。 )。私もこのエピソードを見て以降は無闇に( 特に「 彼女 」に関しては )口にしないようにしている...そんなぬ~べ~で後々に再生怪人的な扱いで再登場しているのは....何故だろう....( 汗 。 -- 名無しさん (2022-05-24 20:05:56)
- ↑↑↑不良も不良内で噂があったんだろう。逆に言えばてけてけの怨恨は全く絶たれてないという闇の深さ -- 名無しさん (2022-05-24 20:23:17)
- 別コロで連載されてた漫画「キョーフくん」で、主人公の友達が「 ↑その不良の二の舞っぽい末路 」になりかけてたりする...。 -- 名無しさん (2022-05-24 20:45:56)
- そろそろ成仏出来そうだよな -- 名無しさん (2022-05-31 21:35:59)
- 因みに恐らくは呪文は( 文字数オーバーしているけど )「地獄へ行け」かと思う( 一部の都市伝説関係を取り扱っている文庫本・児童書・図鑑や、( 今は削除されているけど )wikに書いてあった ).....だけど、何故その言葉が効くかの理由や経緯等は詳細不明......。 -- 名無しさん (2022-05-31 22:24:31)
- 同時期に同じく学校の怪談や都市伝説を扱っていたhauntedじゃんくしょんだとテケテケは可愛いショタキャラだったので作品によってはこんなに違うのかとびっくりした小学生当時。 -- 名無しさん (2022-05-31 22:34:37)
- テケテケと言ったら発光ピンクなドンキーコングっぽいイメージがあったから油断してた… -- 名無しさん (2022-06-01 19:39:56)
- 別の不良が登場した文化祭の回で(幻影として)てけてけが再登場してたな -- 名無しさん (2022-06-01 20:41:25)
- てけてけと言われてぬ~べ~のこれか、猿みたいなあいつか、リュウのコスプレした人の波動拳で倒されたあいつか、どれを真っ先に連想するかで世代が分かりそう -- 名無しさん (2022-06-01 20:48:19)
- 呪文を伏せ字にしたのは現実で悪用されないための配慮だと思ってたが -- 名無しさん (2022-07-10 14:56:32)
- ↑2 コロコロの霊界教室に出てきた鎌とハサミ持って鏡から襲ってくる下半身の無い空飛ぶミイラもお忘れなく -- 名無しさん (2022-07-10 16:55:53)
- この不良、テケテケとカシマさんを混同してたんかな -- 名無しさん (2022-08-27 06:31:45)
- これ、ぬ~べ~の叱り方も悪いだろ。ビビり相手に頭ごなしに~りつければ嫌でも頭に刻まれるって。 -- 名無しさん (2022-08-27 12:46:23)
- ぬーべーは不要なことを知らせないようにすることにこだわるあまり、肝心なことまで最後の最後まで黙ろうとする傾向あるからな。怖がっちゃいけないと言うのなら最初からその理由と対処法を対処法を優しく教えてやれよと思ってしまった -- 名無しさん (2023-01-24 08:06:09)
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