派閥について
派閥とはダイバーたちが所属する集団である。
どのダイバーも、基本的にはどこかの組織に所属している。ここではダイバーの組織について説明する。
●特殊心理対策局
特殊心理対策局とは、国家が保有する対夢現災害組織の総称である。略称として『特心対』と呼ばれる。
政界に入り込んだダイバーの工作によって組織された部署であり、国の大部分はその真の活動について知らない。
表では、近年増加する精神疾患の研究や、カウンセリングの推進を行っている。
最も優先される活動は、夢現災害そのものによる被害拡大を防ぐことであるが、それだけでなく夢現領域の出現の検出、夢現災害を起こしうる悪夢への未然の対処、それらのためのダイバーのバックアップ、など多岐に渡る実務を担う。
他にも国に対しての工作活動、場合によっては隠蔽や物理的脅威の排除も行っている。
また他派閥への協力依頼を取り付けるのも基本的にはこの派閥であるので、大抵のダイブ案件には一枚噛んでおり、最も精度とサンプル数の多いダイブログを取得している。
以降では下部組織について説明する。
■特心対実働部隊
夢現災害に対しての実働能力を備えた部隊である。
特心対でも戦闘に特化した部署で、基本的に『ローグダイバー』への対処を行っている。
そのため『対ローグダイバー』の戦術も多く組まれており、作戦成功率も高い。
また対象の物理的排除も行うこともあり、部隊員は現実での戦闘力も必須である。
ダイバーとして、一定以上の水準を満たしている者が多いが、試験と訓練をパスさえすれば所属できるため、全員が最高クラスという訳でもない。
基本的には2~5人で部隊を組み行動しているが、他のダイバーとの合同作戦につく事もある。
特に構成人数の乏しい首都圏以外ではその傾向が強い。
基本的に各派閥のダイバーへの勧誘、試験実施の告知などを行い、人員を集めている。
試験に合格した者は訓練へと進む。
現実での戦闘訓練、夢での戦闘訓練を経て、部隊に配属される。
各主要都市には支部が置かれており、各地方の夢現災害に対応できるようになっている。
しかし高い戦力は首都圏に集中しており、首都圏以外での夢現災害は、規模によっては対応できていない部分もある。
夢現災害は増える傾向にあり、今後戦力の強化が急務とされている。
また、選抜者で組織される『特殊即応部隊』も存在している。
☆著名なダイバーと構成員
・特殊即応部隊
厳しい訓練を耐え抜かなければ、この部隊に所属することはできない。
候補は実働部隊のダイバーから選抜で選ばれ、訓練を経て配属される。
訓練は1年以上にも及ぶが、その過程で半分以上の選抜者が脱落するとされている。
その訓練内容は機密とされているが、現実では特殊部隊の訓練。
夢では、部隊内での戦闘訓練及び、各勢力の実力者との演習も行っているとされる。
この中でも『獏』と呼ばれる部隊は、即応部隊の選抜者で構成されており、その能力は世界のトップクラスのダイバーにも引けを取らない。構成人数は不明である。
■奇書院
現代科学および主流な日本史・民俗学などから逸脱する特異な書籍・情報を収集していた組織の俗称。
元々は私営、というよりある好事家が始めた奇書の蒐集事業であり、ある秩序の高官が私的なやり取りで蔵書を閲覧したところ、その中に数多くの悪夢に纏わる資料が発見されたため、公的な組織へと拾い上げられて今に至った。
黎明期は資料の解読によって、過去に発生した夢現災害や御伽噺の悪夢に顕著な撃退に有効的な弱点のデジタルデータ化を行うのが主要な業務であったが、現在では新規に得られた先述の情報の編纂や夢現学統一論者との研究成果の管理、他派閥への資料提供などその幅は広がり続けている。
これらの業務内容から人命や施設への軽視が少なからず見られ、災害鎮圧と情報の保守・獲得が優先される傾向にある。
この組織のダイバーはそれらを通して夢への深い理解を得ている者が多く、その中でも取り分け呪術的思考を源流としたダイブ能力に長ける。このため、夢の姿も必然的に巫女や神主といった神道・狐など神遣の霊獣・仏教に見られる僧侶の袈裟姿・歌舞伎や能面など、日本古来の影響を受けたものが多い。
☆著名なダイバーと構成員
予知夢を担当する上級ダイバー。
奇書院院長2代目。
チュートリアルしてくれる系お姉さんダイバー。
ちゃんと和風な姿をしている中途採用ダイバー。元社会的落伍者。
■不知火機関
特心対の組織において、いわゆる諜報部にあたる情報機関。
一般に想像するような他組織へのスパイ行為の他、特心対の取得するダイブログの殆どを収め、ローグダイバーの諜報行為の対象にならないようダイブの痕跡を抹消する防諜活動、特殊戦力を動員したローグ派閥への破壊工作などといった謀略活動、カバーストーリーを用いた情報統制、などなどその業務内容は非常に多岐にわたる。
前述した内容から読み取れるように、多くの業務はローグダイバーへの対策として取り組まれているものが占めており、そのため悪夢そのものへのアプローチを中心とする奇書院とは利害関係が対立ししばしば意見衝突することも多い。
同派閥であっても違う部署のダイバー同士は全く面識がないことが多く、任務に関しての高い専門性から部署をまたいでダイバー戦力を融通して人員を賄うと言ったこともほぼ不可能。そのため人員の消耗に非常に消極的。この高い独立性から、部署の一つ一つがある一つの小派閥であると比喩されるような分権した体制を備える。
そのためか、所属するダイバーの中でも特異な能力の保有者が占める割合が各派閥で比較しても高い。
■特総医
特心対の医療部門を構成する小派閥。正式名称は「特殊心理対策局管轄医療センター」。主要な業務には、夢現災害鎮圧後の被災者の身体的・心理的な後遺症へのケア、疾患や障害に起因する定期的なバイタルサインの測定が必要なダイバーの介助および支援、夢現領域内での(主に医療的な、つまりいわゆるパラレスキュー)救助、の3本柱が挙げられる。
歴史自体は特心対実働隊とほぼ同時期に立てられたために割合長い方のだが、過渡期にキャラバンによる市場規模での瓶詰の夢の流通が始まったことで、ダイバー自体の治療には大抵の場合各派閥が保有する衛生兵でフォローできることが多く、長年日の目を見ることなく冷遇されてきた。
が、朧島事件での医療支援アプローチがダイバーの生存率に大きく貢献したことをきっかけに評価が一転。人員供給も増加したことでキャパシティにも余裕が生まれ、現在では毒・疫病型の夢現災害の鎮圧時には必ず一人はこの派閥に所属するダイバーを見かけるようになった。
なお、夢現災害の現場よりその後の施設での治療を担うことが多いため、必ずしもダイバー適性は求められないためか、他の派閥と比較しても特異なほどに所属する構成員に非ダイバーが多く、また所属ダイバーは後天的に必要技術を履修したケースが多い。
●夢の使者
夢の使者とは、人々の夢を守護し、希望を与えることを使命としている集団の総称である。
基本的には有償ではなく、人々の夢を護るという使命感で動いている者がほとんどである。
特に固まった団体が居るという訳ではなく、小さな派閥がいくつも集まってグループをなしている場合も多い。
以降では下部組織について説明する
■ドレアム騎士団
ミハイル・ドレアムが世界で初めて立ち上げたダイバー集団の系譜。
夢の姿で騎士の格好を取っている者が多い。
各派閥の中でも、最も伝統を重んじる組織であり、貴族、血統主義的考えを持っている者も多い。
その為、他の派閥との意見の相違で衝突する事もある。
騎士団に所属するには、世襲で代々引き継ぐ。もしくは、何かしらの貢献を行うことにより、認められる必要がある。
実際に『貴族』と呼ばれる者達も所属しており、この場合は世襲でダイバーになった者がほとんどである。
騎士団は『上層部』と『下部』と呼ばれている部署に分かれている。
『上層部』は基本的には血統、貴族主義。『下部』のメンバーは実力主義で、意識的に明確な差がある。
また、騎士団で上層部へ上がるためには、爵位を所持していることが前提条件である。
世界中に支部が作られており、ドレアム・○○ナイツ(○○は国によって違う)と各国で呼び名が変わる。
日本では明治時代に『睡蓮会』と呼ばれた組織が、吸収される形で支部が作られた。
その為『ドレアム騎士団 睡蓮会』と呼ばれる組織になり、多くには『ロータス・ナイツ』と呼ばれている。
・コランバイン・ナイツ(アメリカ)
・ローズ・ナイツ(イギリス)
・コンバラリア・ナイツ(スウェーデン)
など、各国の支部は植物の名前から取られている。
基本的には、騎士道を重んじる集団で、正義感が強く、周りからは熱すぎると言われるような事もある。
ドイツに本部が置かれており、各支部に指令や伝達を行っている。
現在のトップはミハイル・ドレアムの子孫の『クラウス・ドレアム』である。
その下に『評議会』が組織されており、騎士団の活動や、方向性を決定している。
基本的には『評議会』により決められたことが各支部に伝達される。
『評議会』より決められたことは、いわば騎士団の法であり、絶対順守が求められる。
『評議会』は、各国より集められた7人によって組織されている。
各支部は、支部ごとに選出された、上層部の13人の『円卓』と呼ばれる組織が運営を行っている。
『円卓』は各支部の方針の決定、本部からの指令などを支部のメンバーに伝えるなどの運営を行う。
ここでの決定が『上層部』と呼ばれる位置にいるダイバーに伝達され、それより下部のダイバーに伝達される。
騎士団に所属するダイバーは、実力に応じてのランクが決まっており、そのランクにあった任務が割り振られる。
ランクは、上位ランクダイバーによる昇級試験を受けて昇格することができる。
このランクは、あくまでダイバー能力の強さの基準であり、このランクが高いからと言って、上記で説明した上層部に上がれるわけではない。
しかし、例外的に、円卓の第13席は、爵位を持たない下部のダイバーでも座ることができる。
各支部のトップは基本的に『爵位+支部の名前』と呼ばれる。(例:サー・ロータス)
日本支部では、前ロータスが引退の際、上層部で誰が次代に座るかの抗争が起こった。
一部では武力での対立も起こり、支部では混乱が発生していた。
そこで立ち上がったのが、喜馬リアを始めとする下部ダイバーたちである。
圧倒的な力と、下部ダイバーの支持を以て、この状態を鎮めたことにより、喜馬は、実質上の日本支部トップへと君臨する。
この事態を重く見た『評議会』は、喜馬に騎士の爵位を待たせる事によって『ロータス』の名を引き継がせることを決定した。
『サー・ロータス』は各支部の中でも、最も爵位の低い主席でもある。
元が秘密組織だった事もあり、表向きな活動は行っていない。
☆所属している著名なダイバー
・喜馬 リア/サー・ロータス
日本支部13席を統括する第一席のダイバー。
女性。若干18歳にして、比類なき実力により今日の日本支部をまとめている。
・切先 キリコ/二刀流の騎士・ミスト
日本支部13席の第二席のダイバー。女性。年齢は30歳。
実力では第一席に敵わないが、戦略などでは秀でている。現サー・ロータスの師匠でもある。
■聖夢想教会-セント・ドリームオーダー-
人々の安寧と、夢の世界の平和を願う集団。
夢の世界は、人の想像力が生み出す神性に近い世界とし、それを守護するダイバーを神からの使いとし神聖化している。
逆に、ダイバーの力を悪の方面で使う者については、悪魔の使いとして蔑視している側面もある。
また、生ける夢については、神聖な者として崇めており、好意的に接している。
夢の姿は、天使やシスターのような恰好をしている者が多く所属している。
夢の使者の中で、この派閥からローグへの離反者が多い事から、政府機関からは監視対象にもされているが、基本的には善性の存在で、政府の要請にも快く応えている。
体制としては宗教団体に近いが、積極な勧誘などは行っていない。
ダイバーたちは陰で世界を助ける存在で、その存在を知らないこともまた、人々の安寧に繋がるという考えを共有しているからである。
人員は、主に孤児院や、ボランティアの先からの確保を行なっているようである。
比較的新しい組織で、日本での活動自体は、太平洋戦争終結後から10年ほど経った頃に始まったとされる。
創設当初から暫くは、小派閥による活動がほとんどであったが、現指導者である『伊野理英人』に変わってからは、小派閥同士を統合し、大規模な活動を始めた。
教会とは言われているが、表では慈善事業中心のNPO法人として活動を行っている。
名前だけは一般に浸透しており、日常の生活で目にする機会も多い。
ボランティア、海外での支援活動、孤児院の運営、カウンセリングの推進など、その活動は多岐にわたっている。
しかし、その真の活動についてい知っているのはダイバーのみである。
活動資金は各業界人や、現指導者の会社である『イノリ貿易』からの寄付で賄われている。
彼らの教義は基本的には四つに集約されている。
・ダイバーは人々の安寧の為にその身を捧げること
・予知夢は神聖な神からの啓示であり、その内容に従うこと。
・善なる人を傷つけてはいけない。
・悪夢は倒さなければいけない。
この教義は、全世界の夢想系の信仰で唱えられているものである。
☆所属している著名なダイバー
・伊野理 英人/ファーザー
現在の聖夢想教会の指導者。物腰が柔らかな男性で、皆からは父と呼ばれる。
孤児院を経営もしており、社会福祉にその人生を捧げている。
表向きの姿だけでも、20■■年最も偉大な人物100人に選ばれてこともある。
■魔女の夜-ヘクセンナハト-
夢の使者の中でも、魔法に関係している者が所属できる集団である。
ツールは魔女のコミュニティーであったが、15世紀ごろに魔女狩りが活発化すると、一時解散し消滅した。
ダイバー集団が各国で組織されて以降、復活した組織である。
400年以上も息を潜めていた集団で、以前の教義などは失われてしまったため、現在では『魔法を愛する者』のコミュニティと化している。
日本では『魔法少女』の夢の姿をしているダイバーが多く所属している。
各集団でこだわりがあるらしく、いくつもの下部集団(サバト)が存在している。
曖昧な活動内容だが一貫して決められている三か条がある。
1、魔法に関係するものを愛すること。
2、魔法(夢の力を)悪用しないこと。
3、人々を助け、夢や希望を与えること。
この三か条ができた所以は、日本の『魔法少女系アニメ』が影響していると専らの噂である。
☆日本のヘクセンナハトの下部集団紹介
・魔法のお茶会-マジカル・ティーパーティー-
ポップでキュートな魔法少女が多く居る集団。童話のような外見のダイバーが多いとか。
・魔法騎士団-マジック☆キャバリアーズ-
騎士や姫のような魔法少女が多く居る集団。考え方はドレアム騎士団に近い。
・工房の魔女たち-ウィッチクラフター-
原典の魔女に近い者たちが多く居る集団。どちらかというと支援系の集団。
☆所属している著名なダイバー
・稲葉 三月/夢兎少女マーチヘア
魔法のお茶会をまとめている魔法少女。実年齢は22歳の男性。
ダイバーとしての実力は中の上だが、その人柄を買われて指導者となった。。
・犬養部 須臾/魔法少女イマジン☆フェムト
現在、次席同士の争いでトップの決まっていない魔法騎士団をまとめる魔法少女。
実年齢25歳。現実はコミュ障の女性。
・鍜治場 ひばな/工房長の魔女
工房の魔女たちをまとめている魔女。実年齢は45歳。
由緒正しい魔女の家系の女性で、経験から工房の魔女たちをまとめている。
一人だけで構成された派閥、コルイスのダイバー。人には言えない秘密があるという噂がある。
■リングホルダー
生ける夢と契約関係を結んでいる者、狭義ではクオリアから復元した生ける夢を使役するダイバーの総称及びそれに纏わる知識と技術を後継する集団を指す。蒐集家などが保有するクオリア加工技術の起源でもあり、伝統的に撃退された悪夢のクオリアを指輪などの宝飾品に加工し保有していたことから派閥名であるリングホルダーと呼ばれるようになった。
歴史的にはいわゆる知識層であるため貴族階級が大半を占めていたが通常のそれとは異なり、家柄の格には血統だけでなく保有するクオリアの質とそれを契約可能とする宿主に何よりも重点が置かれていた。過去の資料に頼るため誇張も含まれるだろうが、家系によっては長男であってもダイバー能力に乏しければ放逐され、分家やはたまた単なる農奴であっても資質があると判断されれば養子に取り、時にはクオリアに適応するように宿主側を”改良”することもあったという。
極めて排他的性格が強く、リングホルダー同士の交流は殆どない。家系そのものが微小な派閥といっていいだろう。
特定の統一した価値観とそれに基づく慈善活動の実態を持たないにも関わらず夢の使者に数えられるのは、歴史上の関わりで文化・技術に密接な関係があり中には一部のスキルなどには完全に共有するものさえあるため。
フーゴ家:最も商業的に成功した家系とされる。クオリアの加工技術に長けた家系であり、断片を用いた弾丸などの武具の製作や芸術品としてのクオリア製宝飾品や、その技術を転用した通常の宝石の加工でその財を為した。現在ではその財を以て立ち上げられた宝石の採鉱・流通・加工・卸売会社で知られており、契約者を無くして還元されたクオリアの買い取り・売却をダイバー界での生業としている。使い魔の殆どはここを経由して契約を結ぶことになるだろう。
オルフェ家:明治時代に初めて日本に渡航してきた家系であり、奇書院の前団体の一つ。織笛の姓は帰化した彼らがルーツにあたる。クオリアを「悪夢の優劣」ではなく「外観の美醜」を重視する風変わりな家系で知られていたが、わざわざこないだまで鎖国していた田舎の国に来たことから伺えるが既に家系は没落している。理由としては保有クオリアを契約可能にする子孫が途絶えてしまったため。蒐集家の想像力不足や重成の無資質もこの家系の血による。
クローシ家:元は没落家系の一つであり、存続のため数多くの一般ダイバーを家系に取り込んだことで知られている。一時はそれで凌げたものの、結局のところ嫁入り婿入りとともに知識と技術が拡散していき、時代を下るにつれ各地に存在する「クオリアを取り扱う職人・傭兵達」といった立ち位置に落ち着くようになった。最も偏在する家系であり、明確に貴族の出でないのにも関わらずリングホルダーに所属する場合はその師などの家系を辿ると大抵ここに行きつく。
傭兵
傭兵とは、報酬の為にダイバーとして他派閥に協力する事を生業としている集団の総称である。
基本的に有償依頼以外には興味を示さず、使命や誇りにあまりこだわらない事が特徴。
無数の下位集団が存在しており、時には下位集団同士でトラブルを引き起こすなど、まとまりがあるとは言い難い。
以降では下位組織として認定された三組織について説明する。
☆所属している著名なダイバー
フリーランスの傭兵ダイバー。
■ゼロメア株式会社
世界で確認されている中で最古のダイバー傭兵組織であり、表向きは清掃会社となっている。
夢の姿は銃火器を携えた、黒を基調とした騎士や戦士の姿を取るものが多い。
正確な時期は不明ながら、彼らが日本で活動を開始したのは戦後になってからだと言われている。
ドレアム騎士団などの正規のダイバーの任務に無断で介入し支援するなどの大胆な活動を定期的に繰り返していたため存在が確認された。以降は他派閥と正式に協定を締結し、正式に随伴を依頼されるほどに影響力を強めていき、「傭兵」というダイバーたちのカテゴリーの土台を作り上げたと言える組織である。
それをきっかけとして、日本に第二のゼロメアを目標とした多くの傭兵ダイバー集団が参入した。
傭兵派閥の中では唯一絶対の信頼性を勝ち取っており、歴史と実績があることから選ばれる事が多いが、その分価格設定は他組織に比べ比較的高額である。
☆所属している著名なダイバー
・ジン・サトー/ドミネーター
ゼロメア株式会社日本支部の代表取締役兼筆頭ダイバー。サトーと名乗る外国人男性。37歳。
強面な外見の通り厳格な性格を持つ反面、根の優しさから出る部下に対する甘さが垣間見えることもある。
日々鍛錬を怠らないことで、現実世界と夢界を問わず高い戦闘能力を持つ。
・鴉羽 麗子/レイヴン
サトーにスカウトされる形で、フリーの傭兵からゼロメアに加入した女性ダイバー。
皮肉っぽく刺々しい物言いが目立つが、面倒見が良く姉御肌な性格をしている。
■インビジブルウォール
比較的小規模のハッカー集団。 実態は企業というよりはコミュニティに近い。
夢の姿はロボットの姿を取っており、ほとんどが若年のメンバーで構成されており、報酬よりも自らの技術力の誇示が目的であるかのような行動に出る事も多い。
元々は無名の小派閥のひとつでしかなかったが、前述のゼロメア株式会社の話を聞きつけ、それに反抗あるいは挑戦するかのように愉快犯的なクラッキング攻撃を仕掛けた事で、その存在は一躍傭兵界隈で有名なものとなった。しかしゼロメア株式会社による物理的な反撃であわや壊滅の危機に瀕した過去がある。
それ以降は半ば強制的に傘下に加えられる形で、同社の電子分野の支援を行っている。
一見して貧弱性が目立つが、彼らの真価が発揮されるのは独自のネットワークと技術力を駆使した情報戦である。敵のスキルの情報を書き換える、味方の武器を強化するなど支援に特化した独自のスキルを持つ。
☆所属している著名なダイバー
・トニー・フレッチャー/プロヴィデンス
インビブルウォールの創設者にして、在日アメリカ人の父親を持つSEの青年。ダイバー電子分野に介してはひとつの天才であり、彼自身が開発したスキルやデバイスをダイバー界隈に発信していることに加え、様々な任務のバックアップとして活躍することで重用されている。
かつて実力を誇示するためにクラッキングをしたゼロメア株式会社の反撃に遭い、組織存続を条件として事実上の傘下入りに合意した。その後、見下していたレイダースのダイバーたちを挑発したが為に半殺しの憂き目に遭ったが、現在は若いしている。らしい。
・小林 五三郎/フレンジー
インビジブルウォールで補佐官を任されている中学生の少年。
自分の技術を買ってくれるトニーを慕っており、常に彼の味方でいる事を誓っている。
■デイドリーレイダース
実力主義と程々の価格設定で知られるが、それ以上に手癖の悪さで有名な組織である。
咎められなければ平気で敵から強盗を働く、クオリアを無断で懐に入れようとするなどの悪名高さと、金銭への執着、それらを鑑みても無視できない生命力の高さで良くも悪くも近年その名が浸透してきている。
事務所は表向きはリサイクルショップということになっているが、商品の出所は怪しいものがある。
犯罪歴などを理由に他派閥への参入を拒否された者も最終的にはレイダースに合流すると言われており、利用する際の人員と派閥の組み合わせには少なからず注意を払うべきであると言える。
組織全体の粗暴さが目立つが、野性的な勘と非合法なスキルに長けている。
先行き不透明かつ危険な任務には高額な報酬を握らせた彼らを突入させるのがセオリーである。
☆所属している著名なダイバー
・イグナシオ・デ・ディエゴ・ルシエンデス/バンドゥリア
荒くれ者揃いのデイドリーレイダースを率いる頭領の外国人男性。57歳。
基本的には物静かで温和な性格だが、敵対勢力に対しては冷酷非情な本性を見せる。
同名のリサイクルショップのオーナーも務めており、地域との交流も欠かさない。
・チャス・ビジャボナ・リサルディ/フラメンコ
デイドリーレイダースのダイバーとして実質的なNo.2を務める女性。24歳。
リサイクリショップの看板娘として働くことの方にやりがいを感じはじめている。
■ドリームズレスト
生きる夢が運営する比較的新しめの傭兵派閥。元ローグ所属の使い魔として朧島を始めとした数々の戦場を戦った生きる夢「イーグル4-0」が生きる夢の経済への参入を目的として立ち上げた経緯がある。
イーグルを始めとした経営陣は全て生きる夢で構成されており、資本を元手に想像力を提供する人間を雇い入れている。戦闘オペレーターはその全てが教育を施された生きる夢で構成されており、夢界を活用した迅速な用兵を可能としている。個人単位で戦力を提供するパッケージの他、「陸戦パッケージ」「空戦パッケージ」「医療パッケージ」などなど細かい需要を満たす抱き合わせのプランを多数用意した上で、過去の戦闘データを解析し最も目的に合致したプランを提示して多彩なサービスを提供するなど、武闘派の多い傭兵派閥の中では珍しくビジネス面を追求している。このスタンスは傭兵最大手のゼロメア株式会社を模倣したものである。さながら生きる夢版ゼロメア株式会社である。ただ真似るだけではなく同社と密な提携を結んでおり、ゼロメアの傭兵プランにドリームズレストの人員が含まれることもある。
同族であるリオンを通じてキャラバンとも業務提携を結んでおり、物資の定期売買や商品開発の監修に携わるなど交流が盛んに行われている。他派閥のダイバーとの協働の際には他派閥のダイバーと自派閥のダイバーの戦術的相性評価を提出するなど次のビジネスへ繋げる努力を惜しまない。
以下は登録されている兵科の一例である。
・スカウト(斥候科)
・サポート(援護科)
・エンジニア(工兵科)
・リーコン(偵察科)
・デストロイヤー(駆逐科)
☆日本の下部集団紹介
・猛銃連合-
日本国内で点在していた極小規模の傭兵集団が合併して連合化した集団。
名称は「もうじゅうれんごう」あるいは「サベッジ・ガンマンズ」と読む。
最近はもっぱらゼロメア株式会社の下請業務を行う集団となっているとされる。
・
生ける夢
生ける夢とはダイバー勢力に与する、有益な夢全般を指す呼称。
固定の宿主が存在する「契約」個体と宿主をとっかえひっかえ変える「渡り」個体があり、その二種によって協力の動機は異なる。(前者は宿主の保護、後者は一時的な宿主の確保を目的にすることが多い。)
大抵は宿主にしか帰属しないため、組織だったグループはほとんど存在しない。
以下はその大きな分類である。
☆所属している著名なダイバー
・鳥取 ぽっぽ
元特殊心理対策局所属という経歴を持つ女性ダイバー。特心対をリストラされる形で生きる夢所属となった。
考えるよりも先に行動するを地でいっており、その事をよく咎められるが次の機会には既に忘れている。
普段は好物の肉と豆を探して自宅の周囲を徘徊しているか、家で寝ている事が多い。
■黒曜石
純粋な心変わり、ダイバーによる隷属、宿主との約束。
その理由は個体ごと様々だが、ダイバー勢力と迎合した悪夢全般を指す呼称。元を辿れば脅威と見做され討伐されたケースが多いことから、実力の割には冷遇されることが多い。特に教会との折り合いは悪く、しばしば武力衝突が起こることもあった。(現在は相互不可侵の協定を結ぶなどの措置によって、殆ど落ち着いている)
大抵の場合宿主の保護や利益を動機にしているため、それを懐柔することで掌握はしやすいものの、本質的には殆どダイバーへの帰属意識を持たないし訓練や講習の意欲がない。よって高度な機密情報などを渡すことにリスクが高く、もっぱら実地任務などに配置されることが多い。
その根源は宿主のトラウマや欲求不満の顕れであることが多く、夢の姿は異形や怪物のそれに近いことが多い。
☆所属している著名なダイバー
ウル
小派閥「メルヒェン」の長。絵本の朗読がうまい。
■虹水晶
悪夢全般の呼称に黒曜石があるように、対応して善性の夢全般を指す呼称。
黒曜石と比べ社会への適正が高いことが多いので、過去の所属者の功績により夢の使者の使い魔や秩序・傭兵の協力者であったりなど、そこそこに他の勢力傘下に立場が確保されている傾向にある。ちなみに元悪夢であったとしても、善性クオリアに変化した個体は処理上はこちらに分類されるようだ。
宿主を溺愛・支配したがる悪夢と比較して自立心が高く、一友人としてのスタンスを取るため、必ずしも宿主の所属の傘下へ着くことはなく、また一個の存在として信念や欲求の動機も宿主と異なることが多い。
キャラバン
キャラバンとは、夢の中で使用可能な特殊な道具を作成・販売することができる集団である。
キャラバン達は、主に特殊心理対策局(以下特心対)と独特のプロセスを経て取引を行う。
最初に、現実世界でコインが描かれた特殊な紙片と現金で取引を行う。次に特心対は任務の難度に応じてダイバー達に紙片を配布し、紙を所持した状態で夢にダイブすると手持ちにコインがある状態になる。そしてダイバーは夢の中で、決められた枚数のコインと商品を取引するというものである。
☆所属している著名なダイバー
・白絹 妃愛世/マザーロード
キャラバンの実質的な責任者となる女性ダイバー。最初の商人の一人。
取引をするアイテムのうち、火炎瓶や瓶詰の夢などを大量生産する能力を持つ。
母親のような愛情と苛烈さでダイバー達の世話を焼く。
・水底 再音/リオン(ザ・ロッカー)
商人派閥「キャラバン」に所属する女性ダイバー。最初の商人の一人。
鍵付きの箱を意味する「ザ・ロッカー」の渾名で知られる。
ローグダイバー達以外の各派閥を対象に幅広く取引を行なっており、キャラバン所属のダイバーとして総合的な認知度はそれなりに高い。
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