「……休め、と言われてもな。少し立ち話をしよう。君には二つほど、目を背けているだろう事実がある。それは、我々に割り当てられる終わりのない職務と、それに比較すればほんの瞬きにも思われる有限の時間だ。」 「『ブロークン・シン』以後、弱体化ないし混乱した国内のローグダイバー達は失われた資源を取り戻すための略取行為などが横行するようになった。あの事件においても争点になったように、秘匿のヴェールの維持は我々特心対のみならずダイバー全体に関わる至上命題であり、略取行為がその性質上民間人への攻撃に直結することは、その物理的損害のみならず情報処理においても多大なコストを要求する事態に繋がりかねない懸念事項なのだ。それを先んじて対処するには未然の予防、或いは即時の鎮圧が求められる。これには交渉というロングスパンのアプローチによる解決は困難であり、武力行使という形にならざるを得ないのは、聡明な君にとっては言うまでもない自明の理であるはずだ。であるならば、そのような電撃作戦には万全たる兵站が要求され、そしてそれに伴い我々自身を戦力として供出するとき、管理者でもある私はその一つ一つに誠実に、一つの瑕疵も認められないようにその可否について取り組まなければならない。それは先に述べた有限の時間において解決困難な命題であり、それに未練がましくも抗おうとするのならば、結局のところ私個人の時間的猶予を可能な限り削減することでしかそれは叶えることはできないのだ。私で止まってしまった仕事は全て後続である君達に負荷が降りかかってしまうことが殊更私をそうさせるのもあるだろう。 ……だが、そうだな。例えそのような前提があると言えども、私にも君のその発言に込められた意図が察せられることは間違いないし、それが嫌悪を抱くには至らなかったという事実だけは確かだ。それを鑑みて考えるのであれば、これから私は、私が請け負う業務の幾つかを直属の彼らに任せられないかを今一度再検討する余地があるだろうな。」 |
■現実の設定
名前:理事 トーア
年齢:35
身長:女性
性別:女性
瞳の色:真っ黒
髪の色:黒
身長:169㎝
所属:特心対‐特総医
キャラクター設定:特総医におけるスプリーム級ダイバー。直轄運営にも関わるが、院長ではないという具合で権力的な立ち位置はプロミスノートに近い。特総医の実務面、つまり人員や薬品などの医療資源の統括を一挙に担っており、基本的に殆どの出向案件が少なくとも彼女の目には通されている。
他者には求めないものの自身に対しては相当な完璧主義者のきらいがあり、常に入念な準備を怠ることができず、些細なミスも許容できないために概要説明などにおいても伝達不足が生じないよう、冒頭のような非常に長ったらしい内容のものになってしまう。これは生え抜きのダイバーで朧島の遠征経験があるなど現場においての重要性を深く認識している反面、指示者になったのは近年の事であり未だ適応しきれていないことに起因するものである。
そのような気質故にワーカーホリックというかオーバーワーク気味の万年寝不足で常に眉間に皺が寄っていることも相まって、特総医のダイバーの大抵からは怖がられていることが悩みの一つとなっている。あと超生真面目だったため現役時代の会話経験に乏しく普通に口下手。
その……なんだ。最近どうだ、うまくやれてるか?‐トーア
……まあそれなりにそうなんじゃないか?多分。‐テトラカイン
とにかく全面的に不器用だがそれ故に比較的打算から外れて情深い。真摯に請願すれば僅かな時間を縫って話を聞き、その必要があると判断したならば必ず尽力してくれるだろう。
ちなみに技量面において彼女は隔絶したダイバーではなく、外科手術などにおいては彼女以上の一等深層級~準スプリームは複数名在籍している。彼女の本分は彼らを適切に扱うことと、後述するが彼らが適切に動ける環境を作ることだ。
DPoT剤の散布完了。 医療チームは速やかに配布されたガスマスクを装備し、オペレーションの開始に備え待機せよ。 |
■夢の姿の設定
名前:アネスシージャ→ユーサネイジア
武器:晩・ガス入りカプセル
外見:ペスト医師
夢の姿の設定:ダイバーネーのアネスシージャは麻酔(特に全身麻酔)、ユーサネイジアは安楽死の意。
ダイバーとしての固有形質は時間認知に精神作用するガスの撒布とそれを遮るガスマスクの生成で、ざっくり説明すると人間限定の時間停止と思考加速の能力者。これらを主観的な時間経過を停止同然までに遅延することで麻酔のように扱ったり、高度医療の執刀時に思考加速を挟むことで難易度を緩和する他、空間単位で大規模に撒布することで強制的に侵入者が無力化される安全地帯にするなどといった形で使用している。ガスマスクはペスト医師のそれそのものであり、「安全地帯」においては着用しなければ意識を保てないのだが、彼女が編成したチームが一様にペストマスクを被る光景は中々異様なものだ。
また、感覚遮断の類である時間停止ならいざしらず思考加速に関しては脳にオーバークロックを要求するようなものであり、制限下でも過集中より深刻な形での反動を来たすだけでなく、更に閥値を超えれば対象者の脳や神経が焼き切れてそのまま死亡してしまう。これを過去の戦闘で安楽死措置として使ったことがあり、それ以降ダイバーネームを変更しているなど、かなり気に病んでいる節がある。
DPoT剤はDecreased perception of time(時間認知鈍化)の意。
人物相関
ウィンドウォーカー;いわゆるバディに当たる契約黒曜石であり、武力面における特総医の頂として彼女を補助している。あと概ね気配りできる常識人なので彼女を寝かしつけたり発言を翻訳するなどといった介護も担当している。ので、割といなくなったら詰む。
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