「はる」は実際の話し言葉、とりわけくだけた場面では「h」の音が省略されることがよくある。例えば、「行かはる」は「行かある」、「言わはる」は「ゆわある」となる。しかし、「はる」が単純に「ある」になるのは五段活用動詞に接続する場合のみである。
一段活用動詞に「はる」を接続させると「起きはる」や「食べはる」であるが、「起きある」や「食べある」とは言わず、「起きやある」や「食べやある」となる。「~てはる」も「~てある」とは言わず、「~てやある」となる。「する」「来る」「いる」も「しやある」「きやある」「いやある」となるが、これらは「しゃある」「きゃある」「やある」と言うことが多い。
「た」「て」に接続する場合、「行かった」「行かって」のように短音化することが多い。「やある」系は原形や否定形の場合でも「起きやる」「起きやらへん」のように短音化しやすい(「しゃある」「きゃある」「やある」は除く)。「やある」系が短音化すると「やる よる」の頁で紹介している「やる」と同じ形になってしまうが、アクセントが異なる。もっとも、実際の会話では両者の発音が混用されることもある。
行く | 起きる | 食べる | する | 来る | 居る | している | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
終止形 |  ̄いかある ̄ |
_おきやある ̄ _おきやる ̄ |
_たべやある ̄ _たべやる ̄ |
 ̄しゃある ̄  ̄しやある ̄  ̄しやる ̄ |
 ̄きゃある ̄  ̄きやある ̄  ̄きやる ̄ |
 ̄やある ̄  ̄いやある ̄  ̄いやる ̄ |
 ̄してやある ̄  ̄してやる ̄ |
否定形1 |
 ̄いかあ\らへん |
_おきや\らへん _おきやあ\らへん |
_たべや\らへん _たべやあ\らへん |
 ̄しゃあ\らへん  ̄しや\らへん |
 ̄きゃあ\らへん  ̄きや\らへん |
 ̄やあ\らへん  ̄いや\らへん |
 ̄してやあ\らへん  ̄してや\らへん |
否定形2 |  ̄いかあらん ̄ |
_おきやらん ̄ _おきやあらん ̄ |
_たべやらん ̄ _たべやあらん ̄ |
 ̄しゃあらん ̄  ̄しやらん ̄ |
 ̄きゃあらん ̄  ̄きやらん ̄ |
 ̄やあらん ̄  ̄いやあらん ̄  ̄いやらん ̄ |
 ̄してやあらん ̄ |
過去形 |
 ̄いかっ\た  ̄いかあっ\た |
_おきやっ\た _おきやあっ\た |
_たべやっ\た _たべやあっ\た |
 ̄しゃっ\た  ̄しゃあっ\た  ̄しやっ\た |
 ̄きゃっ\た  ̄きゃあっ\た  ̄きやっ\た |
 ̄やあっ\た  ̄いやっ\た |
 ̄してやっ\た  ̄してやあっ\た |
ます形 |  ̄いかあります ̄ |
_おきやあります ̄ _おきやります ̄ |
_たべやあります ̄ _たべやります ̄ |
 ̄しゃあります ̄  ̄しやります ̄ |
 ̄きゃあります ̄  ̄きやります ̄ |
 ̄やあります ̄  ̄いやあります ̄  ̄いやります ̄ |
 ̄してやあります ̄ |
命令形 | 存在しない |
藤井組制作の滋賀ご当地アニメ作品。「行かはった」が「行かった」になる特徴が取り上げられている。
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