筆者不明の小説

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誰も「魔王」を止めることはできなかった。

無論、あらゆる祈りも天には届かなかった。

「魔王」は破壊の限りを尽くし、世界は混沌に打ちひしがれていた。

平和を望む者たちの希望は砕かれ、魔物たちは世界を支配し、生き残った人間は絶望と不信に重く沈んだ。

光が消え、無明の闇を迎えた時、一人の龍が海の深淵より這い出てきた。

龍は猛々しい翼を羽ばたかせ、焼け焦げた町に降り立った。

そして光が再び甦るのを待った。

「魔王」は龍に向かって言った。

 

 

これが「魔王」の言葉の始まりだった。

龍は暗闇に閉ざされた大地を踏みしめた。

龍は幾多の希望、幾多の平穏をもたらすべく、絶望に閉ざされた闇の世界へと進んでいった。

文豪になろう!第5号 長編小説の一部