aklib_story_淬火煙塵_11-14_相まみえる時_戦闘前

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淬火煙塵_11-14_相まみえる時_戦闘前

司令塔上方、アーミヤ、Logos、アスカロンがブラッドブルードの大君とマンフレッドと戦う。双方とも譲らない。


四年前

[テレシス] サルカズと比べると、時間というのはお前たちの個体と国家において流れるのが早いものだ。

[テレシス] ガリアという名の巨人が倒れ伏してから、ヴィクトリアとリターニアは狂ったようにその亡骸に噛り付いている。たかだか数十年にすぎぬが、ガリアの時代はすでに遠くへ去った。

[テレシス] お前はコルシカ一世の戦艦と大砲を目にしたことがない。リンゴネスの繁栄と誇りを感じたこともない。お前の先祖の領地は今やヴィクトリアの辺境貴族の管轄地になり果てている。

[テレシス] お前はヴィクトリアの高級将校の制服を身に着け、ヴィクトリアから授与された勲章を数多くぶら下げている。

[テレシス] お前はロンディニウムの貴族が使い慣れた標準的なヴィクトリア語を話し、ガリアの訛りはみじんもない。

[テレシス] そんなお前が、私の前へ来てサルカズと交渉したいと言い、「ガリア人」を自称するのか?

[レト中佐] ……摂政王殿下、今やガリアという名の国家に属する都市は一つとしてございません。

[レト中佐] あなた様の前に立つのは、ガリア人ではなく、ガリアの遺民でございます。

[レト中佐] ある者はヴィクトリア、ある者はクルビア、またある者はリターニアに身を置いております。それは我々が放浪を選択したからではなく、とうの昔に故郷と呼べる場所を失ったからです。

[テレシス] お前たちは、ガリアを再建したいのか?

[レト中佐] ……

[レト中佐] 左様でございます。あなた様が他のサルカズと共にカズデルを再建したいのと同じように。

[テレシス] 二百年前、ガリア帝国の砲兵団もカズデルの城壁を取り囲んでいたことがあった。

[テレシス] だが今、お前は自分をサルカズと同列に論じようというのか。

[レト中佐] カズデルとの戦争にはヴィクトリアも参加しておりました。そしてあなた様と軍事委員会がロンディニウムに入ることができたのは、キャヴェンディッシュ公爵の招待を受けたからだと伺っています。

[テレシス] では彼奴の末路についても聞いているであろう。

[レト中佐] 十日前、ロンディニウムで反乱を起こしたスタッフォード公爵の陰謀を阻止するために、キャヴェンディッシュ公爵は動きました。

[レト中佐] ロンディニウム都市防衛軍はその戦闘に参加しましたが、残念なことに、両公爵のどちらも飛び交う砲弾の中から生きて出ることができませんでした。

[レト中佐] あなた様は、私よりもわかっておられるはずですよ。他の公爵はロンディニウム内の情勢に熱心に注目しております。あなた様が今後都市内で何をされるにしても、新たに手を貸す者が必要でしょう。

[テレシス] これがお前のサルカズとの協力方法であるか。

[レト中佐] 左様でございます。ご覧の通り、ガリアの遺民はロンディニウムにおけるカズデル軍事委員会の全ての行動を、全力でもってサポートいたします。

[レト中佐] そして我々の望みは、今後のヴィクトリアの混乱の中で、元々ガリアのものだった都市を、返還していただくことだけです。

[テレシス] 約束したとてどうなるというのだ? 一国の興廃は有している都市の数とは無関係であろう。

[レト中佐] 承知しております、摂政王殿下。

[レト中佐] ですが……我々にはもう他の機会を待つ時間はないのです。

[レト中佐] 私はある近衛隊メンバーを知っております。彼はかつてガリア皇帝直属の帝国防衛隊で務めておりました。

[レト中佐] 私が彼と知り合った時、彼はすでに六十歳を超えていました。しかし皇帝近衛隊は四皇会戦の中でとうに跡形もなく消え、彼は一生涯古参近衛隊に加わることは叶わなくなったのです。

[レト中佐] 彼は私に、血気盛んな皇帝のことを、無敵の艦隊の武勇を、行軍中の笑い話を語ってくれたことがあります。数十年の間、彼は頑なにガリア語を用いてそうした物語を一つ一つ語っていたのです。

[レト中佐] その彼は、現在ロンディニウムチェプ区にある小さな療養所のベッドで寝たきりになっています。先日会いに行った時、彼はもう言葉の発し方すら忘れていました。

[レト中佐] それにもかかわらず、毎日テレビで帝政様式の建築物を見るたび、彼の濁った目には生気が戻り、痙攣する両手は変わらず高く掲げられて拍手を送るのです。

[レト中佐] しかし五年もせずに、彼は亡くなるでしょう。

[レト中佐] ガリアをその目で見た最後のガリア人が、今まさに大地から失われようとしているのです。

[レト中佐] 摂政王殿下のおっしゃる通りでございます。サルカズと比べてしまえば、我々の寿命はあまりにも短く、我々の記憶も……血によって伝承されることはございません。

[レト中佐] 最後の目撃者が亡くなれば、我々のガリアの記憶はあの帝国と同様に散って、その時、ガリアは真に消滅するのです。

[レト中佐] 我々にできるのは、その余燼をできる限りつかむことなのです。

[ヴィクトリア兵士] バリスタ発射!

[ヴィクトリア兵士] 封鎖層を守れ、奴らに近づかせるな!

[ロックロック] 都市防衛軍の兵士は士気が高いよ。

[クロヴィシア] 彼らの上官はまだ上にいるからな。

[クロヴィシア] この兵士たちは……確かにあの指揮官を尊敬しているようだ。

[自救軍戦士] 指揮官、サルカズが来ました! ロドスのオペレーターが、奴らと交戦中です!

[クロヴィシア] 彼らを支援するのだ。ドクターの行動する時間を稼ぐため、私たちは正面の戦場でできるだけ敵の注意を引きつけなければならない。

[マンフレッド] ハイベリー区の傭兵は、恐らく君の手により死んだのであろう。

[マンフレッド] 戦争は間近に差し迫っている。私も君も理解していることだ。

[アスカロン] ……

[マンフレッド] アスカロン、君はカズデルで生まれ、カズデルで育った。将軍は君を死体の山から抱き上げて、殿下は君に、その身と故郷を守るための武器の握り方を教えた。

[マンフレッド] しかしサルカズが最も団結を必要としているこの時において、君とロドスのサルカズたちは何をやっている?

[マンフレッド] 我らの情報をヴィクトリア人に差し出すつもりか? ……かつてカズデルを踏みにじった異種族に?

[マンフレッド] 君は、君自身がかつて交わした約束に背き、カズデルを裏切った。

[アスカロン] ……カズデルはここから数千キロ離れている。

[マンフレッド] 内戦時、君はバベルの暗殺者となることを選択した。私は君を止めることはできなかったし、あの時は止める理由もなかった。

[マンフレッド] なぜなら君の当時の忠誠はテレジア殿下、サルカズ唯一の君主に向けられていたからだ。

[マンフレッド] だが今はどうだ、アスカロン? 君の忠誠の対象は何だ……過去の幻影か?

[マンフレッド] 内戦は終わり、テレジア殿下も我らのもとに戻られたのだ……

[アスカロン] ……四年前、お前たちが彼女を殺した。

[アスカロン] そして、今、お前たちはそのような栄誉の欠片もないやり方で彼女の死を汚すのか。

[アスカロン] 本当の裏切り者は、一体誰だ?

[マンフレッド] ――うっ!

アスカロンの攻撃が、マンフレッドのアーツを切り刻んだ。

二人は、幼い頃から異なっていた。

マンフレッドは将軍から多くのことを学んだ。剣術、軍事理論、そして政治的駆け引きを。しかしアスカロンは、彼女が持つ武器のように純粋だった。

戦場において、彼女はいかなる言葉にも動じない。彼女の目には最も優先すべきターゲットしか映らない。

[マンフレッド] レト……!

[アスカロン] ……

[アスカロン] この血は……

[レト中佐] ――!

とろりとした真紅が急速に地面から滲み出す。それは壁よりも硬い障壁となり、レトとアスカロンを隔てた。

[クロージャ] ドクター、また別部隊のサルカズ兵の接近をドローンが検知した!

[クロージャ] いや、サルカズ兵だけじゃない、あの湧き出した赤は……

[ドクター選択肢1] ブラッドブルードが来た。

[ドクター選択肢1] 自救軍と一般オペレーターに距離を取らせるんだ。

[ドクター選択肢2] アーミヤとLogosに知らせるんだ。

[クロージャ] 了解。

[クロージャ] ドクターが予想した通りだね、あいつすぐに司令塔の上層に向かっていったよ!

[クロージャ] ブラッドブルードのねじ曲がった執着のおかげで、行動は読みやすいね……あたしはあいつの影響を受けたりしないよね?

[ドクター選択肢1] ドローンの進捗はどうだ?

[ドクター選択肢2] こちらも急がなければならない。

[クロージャ] 良いニュースだよ、この司令塔の構造は城壁の方と結構似てる。コントロールエリアに通じる最適ルートを、もう見つけちゃったもんね。

[クロージャ] 都市防衛軍が採用してる現代化された通信手段は、サルカズが使ってる通信巫術よりもずっと利用しやすいよ。遠距離信号がジャミングされないように、ドローンの識別コードを偽装しといたからね。

[クロージャ] でも……ドローン自体はもろいから、もし攻撃を受けたら全部パーになっちゃうよ。

[クロージャ] アーミヤちゃんたちが、上層にいる特にヤバい奴らを食い止めてくれればいいんだけど……

[ブラッドブルードの大君] ……

[ブラッドブルードの大君] か弱く愚鈍なリーベリよ。

[ブラッドブルードの大君] サルカズの前では、己の命など細い糸より頼りないと知りながら、まだ逃げ出さないのですか?

[レト中佐] 私は指揮官です……

[レト中佐] ここは、私の司令塔です。

[レト中佐] 私の兵士が……まだ、いるのです。

[ブラッドブルードの大君] ……では、まずその兵士たちを先に片付けた方がいいのかもしれませんね。

[ブラッドブルードの大君] おや? このアーツ、この香りは……

[ブラッドブルードの大君] あぁ……なるほど。愚かな代替者がいらしたのですね。

[ブラッドブルードの大君] お初にお目にかかります、「魔王」。

[アーミヤ] 私は何度もあなたを見たことがあります、ブラッドブルード。

[アーミヤ] たくさんの自救軍の戦士たちが、あなたの手にかかって犠牲になりました。私は彼らの名前を覚えています。彼らの命は決して、あなたの遊びで失われていいほど軽いものではありません。

[ブラッドブルードの大君] ではあなたはどうされたいのかな、「魔王」?

[ブラッドブルードの大君] ……漆黒の刀と斧で私を処刑するおつもりですか?

[アーミヤ] ……

[アーミヤ] 術師チーム、狙撃チーム、私と一緒に血液の防御を破ります! 時間は限られています、ターゲットを捉えてください!

黒い線が矢と共に濃い血色に沈む。

何も変化はない。

[ブラッドブルードの大君] あなたには失望しました。

[ブラッドブルードの大君] コータス、あなたは戦士としての姿勢を持ちながら、統治のための殺戮の必要性を認めようとしていない。テレジアよりも軟弱です。

[ブラッドブルードの大君] 滑稽なテレジアよ……彼女はサルカズを連れ、ヴィクトリアが率いる侵略者たちに愚かにも服従しようとしました。

[ブラッドブルードの大君] そして彼女の最も愚昧な行いは、あなたを継承人として選んだことでしょう。

[アーミヤ] ……引き続き攻撃を!

[ブラッドブルードの大君] 無用な足掻きです……

[???] 散れ。

[ブラッドブルードの大君] ん?

血液から成る潮がアーミヤを捕えようとしたその瞬間、突然きれいに切り裂かれた。

[???] ——

[ブラッドブルードの大君] なるほど。

[ブラッドブルードの大君] 先鋒を務めた暗殺者に加え、もう一人臣下を連れていましたか。

[Logos] ……我はアーミヤの部下であり、家臣ではない。

[ブラッドブルードの大君] バンシー。

[ブラッドブルードの大君] あなたは怯えているのでは?

[ブラッドブルードの大君] あなたは……ロドスという名の殻に隠れることで、己とこの偽物との関係を否定し、反逆者に対するカズデルの裁きから逃れられると思っているのでは?

[Logos] うぬの言葉は常に誤謬に満ちておる、ブラッドブルード。

[Logos] ロンディニウムに来ると決めた瞬間から、我は一時的に、ロドスのエリートオペレーターの制服を脱いでおる。

[Logos] 我はバンシーの主だ。

[Logos] 我のこの地での言葉は、それすなわち弔鐘の王庭である。

若きバンシーが手を上げた。

深い色のローブの上で、呪文が軽やかに跳び跳ねる。まるで曙光の中を転がる最初の一滴のように。

[Logos] 我が追随するは魔王の王冠にあらず。

[Logos] 我をここまで進ませたのはテレジア殿下の理想である。うぬらが彼女の命を奪い冒涜しようとも、彼女が我らの眼前に灯した松明を消すことはできぬ。

[Logos] 黎明の輝きを知る者が、再び永夜の中に戻ることなどできようか?

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