aklib_story_淬火煙塵_11-7_激流に呑まれる_戦闘後

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淬火煙塵_11-7_激流に呑まれる_戦闘後

サルカズが都市内への管理を突然強化し始めた。同時に、サルカズの傭兵部隊が工場へとやってきて、キャサリンら補給路の情報を知る者たちを秘密裏に処刑しようとする。


[インドラ] さっきの見たかよ、モーガン?

[インドラ] 倉庫を守ってた奴ら焦りまくって、その結果何が起きたかわからないまま俺にぶっ倒されてやがったぜ。

[モーガン] はいはい、すごかったね~。わかったから、この揚げ干し肉持っていけば。今日はあんたの勝ちってことにしてあげるからさー。

[インドラ] チッ、負け惜しみがよ。次はお前と一緒に行くとするか、ダグザ。負けた奴は見張りさせりゃいい。

[ダグザ] ……見られてるぞ。

[インドラ] 誰にだ?

[自救軍戦士] ……

[インドラ] テメェなに見て……何か用か?

[インドラ] 何もねぇならどいてくれって、さっさと厨房行って何か飲みてぇんだよ。こんだけ仕事したんだ、くっそ喉渇いたぜ。

[自救軍戦士] あのような行いは控えるべきだ。

[モーガン] それってさ、あんたたちの仲間を倉庫から無事逃がすために、吾輩たちが危険を冒してサルカズの巡回隊をおびき寄せたこと言ってるの?

[自救軍戦士] そのことだ。

[モーガン] だったら吾輩の聞き間違いかなぁ? あんたたちが言うべきは感謝の言葉でしょ~。

[自救軍戦士] サディアン区の戦友たちは君たちにとても感謝している、我々もそうだ。今回の任務は順調に終わった。しかしなぜあの倉庫を燃やす必要がある?

[自救軍戦士] あの倉庫はヴィクトリア商人のものなんだ! 今はただサルカズに占拠されただけなのだぞ!

[インドラ] ペッ、ああいう金持ち連中は、欲の深さと卑怯さが比例してやがるんだぜ。あいつらが喜んでサルカズに力を貸すってんなら、俺は喜んで痛い目見せてやる。

[自救軍戦士] 君たちのそういった行為によって、彼らがより早くサルカズに投降することになるのがわからないのか?

[インドラ] そいつは都合がいいや。あいつらが裏切り者になりゃ、次会った時に燃やしてやるのは倉庫じゃなくなるからな。

[自救軍戦士] ……それは自救軍のやり方じゃない、チンピラのやり方だ。

[ダグザ] ……

[自救軍戦士] イザベルさん、あなたはまだ彼女たちと行動を共にする気なのか?

[ダグザ] ここでは、ダグザと呼べ。

[自救軍戦士] うっ……

[自救軍戦士] まさかこんなだなんて、イザ……ダグザさん。アラデルさんが我々にあなたと殿下のご身分を紹介してくれた時、我々はてっきり……

[ダグザ] ……シージが、はなっからあんたたちに伝えたはずだ。自救軍と共に行動するのはグラスゴーであって、アレクサンドリナ殿下と塔楼騎士じゃない。

[自救軍戦士] だがチンピラが我々を導くのを、玉座に座るのを、あなたは見たいというのか?

[モーガン] *ヴィクトリアスラング*、あんた今ヴィーナのことなんつった?

[インドラ] モーガン、ナタをちらつかせてんじゃねぇ、ここは人んちだぞ!

[自救軍戦士] 多くの戦士が、むしろあなたやカンバーランドさんについていきたいと思っている……

[ダグザ] 黙れ! いや、つまり、もうそれ以上は言うな。私たちが共に立つ限り、そういった言葉で仲間を傷つけるべきではないんだ。

[自救軍戦士] ……

[自救軍戦士] 失言だった。君たちに謝る。

[モーガン] ……

[インドラ] ……

[モーガン] なんで吾輩を止めたの。

[インドラ] 止めてなきゃヴィーナが頭を抱えることになんだろうがよ。あとロドスの子ウサギとドクターもか。次ぃ頭に血が上ったら、自分が一体誰と一緒に来たのか考えやがれ。

[モーガン] ハッ……いやぁ~、まさかあんたに頭に血が上ってるなんて言われる日が来るなんてね。

[インドラ] 環境が変わりゃ、適応しなきゃならねぇだろ。ダグザを見てみろ、うまくやってるじゃねぇかよ?

[ダグザ] ……褒めんじゃねー、妙な気分だ。

[インドラ] 褒められてると思ってんのか? お前みたいな生き方をして、こっちは気分悪ぃんだよ。

[インドラ] だがよモーガン。ここ数日でわかったぜ。適応できねぇなら、俺たちはいつかヴィーナについていけなくなっちまう。

[モーガン] ……フンッ。

[インドラ] ほらよ、干し肉はやる。今日の勝者はなしってことで。

[モーガン] 取っとけばいいよ、吾輩は食べる気分じゃないんだ。

[モーガン] ハンナちゃん、ここ最近ずっと考えてるんだけどね……ヴィーナはこういう日々を、望んでたのかなぁ? ここに来てから、貴族や商人たちは、いつヴィーナに対して相応の敬意を払ったの?

[インドラ] そいつは違ぇぜ、モーガン。

[インドラ] あいつらは。遅かれ早かれヴィーナが優れたリーダーだってことに気付くはずだ。それにその敬意っつーのは相応不相応とかじゃなくて、ヴィーナが自分で勝ち取るもんだろ。

[浅ましい貴族] おぉ、アラデルさん、ようやく来たか!

[アラデル] 申し訳ありません、最近は雑事に追われて、抜け出す時間がありませんでした。

[浅ましい貴族] 蒸気甲冑の買い手を探していたそうだな?

[アラデル] ……お耳が早いようで。

[浅ましい貴族] 噂を耳にしただけさ。商売をやっている友人から聞いてね、近いうちに、ロンディニウムから蒸気甲冑が流れ出るかもしれないと言っていた。

[浅ましい貴族] だが最終的に、取引はダメになったらしい。

[アラデル] ……そうですか。

[浅ましい貴族] 私に言わせれば、あれほどのお宝を適当に処分してはいけないと思うのだがね。現在の相場を見ても高値で売れないしな。

[アラデル] アドバイス感謝いたします。廃れた家業を何とか維持していかないとなりませんもので。

[浅ましい貴族] はぁ、わかるよ。我々の手元のわずかな金などは、サルカズからすれば何の意味もないからな。

[アラデル] パーティーは、まだ始まっていないのですか? 私を待つ必要なんてありませんのに。

[浅ましい貴族] そんなことできるわけがない。ここ数年、君は我々中央区の不運な者たちの支えになってくれているのだからな! 我々が今日まで生きてこられたのも、君の助力あってのものだ。

[浅ましい貴族] 例の頭のおかしい奴らと交渉する気にはなれん、あいつらは金すら受け取らんしな!

[アラデル] 過大な評価です、伯爵様。私にはそんな栄誉ある身分などございません。ただ皆様のような高貴なお方たちが現在置かれている状況の不公平さを思って、何度か正しいと思う発言をしただけです。

[浅ましい貴族] 今更何を言っている? カンバーランド家は必ずや君の手により再び威光を放つはずだ!

[小狡い貴族] そうですなぁ、あれはもう過去の出来事なのです。

[小狡い貴族] ロンディニウムに再び平穏が訪れれば――おおっと、今のロンディニウムが平穏ではないという意味ではありませんよ!

[小狡い貴族] とにかく、カンバーランド家は将来、必ずや我々の感謝を受けることになるでしょう。

[浅ましい貴族] レト中佐が到着された!

[貴族たち] レト中佐に敬意を表します!

[レト中佐] ……

[小狡い貴族] レト中佐、大変にご苦労様です。我々のパーティーにお越しいただくのは随分とご無沙汰ですな。

[小狡い貴族] 我々の平和のために奔走されているのでしょう! 心から感謝いたします!

[浅ましい貴族] ちょうど、先日私の友人が良い酒を手に入れましてな。

[浅ましい貴族] 以前であれば、恥ずかしくて人前に出せるような代物ではなかったのですが、今の状況ではレア物と言えましょう。日を改めて中佐の邸宅に送らせていただきます。

[レト中佐] ……紳士淑女の皆さん。

[レト中佐] 本日より以降、パーティーが行われることはない。

[レト中佐] 今後皆さんは軍事委員会の審査を受けることになる。幸運を祈る。

[浅ましい貴族] ……は?

[浅ましい貴族] いや、お待ちください! それはどういう意味ですかな?

[小狡い貴族] レト中佐、レト中佐!

[小狡い貴族] アラデルさん、どうかくれぐれも、我々に代わりレト中佐に話をつけてきてくださいよ! こんな冗談は気軽に言っていいものではありません、私は……はぁ! これでは人死が出てしまいますよ!

[小狡い貴族] レト中佐、お待ちください!

[執事エルシー] お嬢様、これは……

[アラデル] サルカズがこれまで先延ばしにし、このでっぷり肥えたゴミたちに平和な暮らしを続けさせていたのは、大公爵たちに団結する口実を与えたくなかったからに違いないわ。

[アラデル] ヴィクトリアの主になりたくない大公爵なんていないでしょ?

[アラデル] ヴィクトリアの貴族ネットワークの中心は、ロンディニウムよ。ロンディニウムの貴族から恨みを買うことは国全体から不興を買うのと同じ。

[アラデル] ヴィクトリアに対してこのように不敬な行為があれば、大公爵たちは互いの利益勘定を手放して、ロンディニウムに進軍せざるを得なくなる。

[アラデル] でも今、サルカズたちはそれを意に介さなくなった。

[アラデル] 彼らはやろうとしていたことをやり遂げたのよ。エルシー……

[アラデル] 一部の人たちは、ロンディニウムの過去数年が災いであったと思ってる。しかし今――

[アラデル] 戦争が本当にやってきたわ。

[執事エルシー] お嬢様、では我々は……

[執事エルシー] あの貴族様たちがおっしゃっていたように、レト中佐に話をつけていただくことはできませんか? もしかすれば……

[アラデル] あの人たちは私を「支え」と言っていたわね。でもエルシー、サルカズがロンディニウムを掌握する前に、さっきの方々がカンバーランド邸に足を踏み入れたことがあった?

[アラデル] 大公爵の真のお友達が、こんな見た目だけのパーティーに参加したことあった?

[アラデル] 手元に交渉材料が足りていないとか、あるいは保身に走っている貴族たちが前面に押し出す看板、それが私なの。彼らはカンバーランドの名前でもって団結しているの……

[アラデル] ならば、ターゲットになるのは、カンバーランドよ。

[執事エルシー] それはつまり……

[アラデル] 帰りましょう、エルシー。自救軍とロドスの友人たちに、公爵邸からすぐ撤退するよう伝えてちょうだい。あそこはもう安全じゃないわ。

[アラデル] 最後に、もう一度見に行きましょう……私たちの先祖の荘園をね。

[貴族?] アラデル。

[アラデル] あなたは……

[貴族?] 公爵からあなた宛ての手紙です。

[サルカズ傭兵隊長] オークタリッグ区に来てから数日と経たずに、今度はハイベリー区に移動するなんてな。この工場と密集した建物見ろよ、ここより息が詰まる場所は見たことねぇ。

[パプリカ] 隊長、うちらこの任務が終わったら、中央区に戻れるんっすか?

[サルカズ傭兵隊長] 戻ったとして、お前に何ができるんだ? マンフレッドの野郎は、なんだってお前みたいな、大して殺しをしたこともねぇようなガキまでロンディニウムに招いたんだかな……

[パプリカ] うちはガキじゃないっす! グリンがまだいた時は、クルビアで一緒に任務をガチでたくさんこなしてきたんだから!

[サルカズ傭兵隊長] グリンか……フッ、サディアン区で命を落としといて、俺に子守をさせやがって。だったらさっさとあいつの首を掻っ切って賞金に換えるんだったな。

[パプリカ] えぇ……あんたらって友達じゃ?

[サルカズ傭兵隊長] ……俺がお前に傭兵の何たるかを教えてやる義理はねぇんだよ、ガキンチョ。テメェの任務をしっかりやれ、地図を見ろ。次はどっちだ?

[パプリカ] 十一号軍事工場、すぐ前っすね。

[パプリカ] マンフレッド将軍がくれたこのリスト、まあまあ長い……こいつらはちょっと知り過ぎたベテラン工員ってことっすよね? 人目の付かない場所に連れてって始末しちゃえばオッケーってこと?

[サルカズ傭兵隊長] 俺に言わせりゃ、工場の奴ら全員殺しちまえばいいんだがな。

[サルカズ傭兵隊長] なーにが、生産ラインを平常通り稼働させるためだ。「内情を知る者の口封じを確実に行え。むやみな殺戮は禁ずる」とか言ってきて……チッ、面倒ばかり押しつけやがってよ。

[パプリカ] 仕方ないっすよ。雇い主だから。

[サルカズ傭兵隊長] まあいい。リストをしまえ、さっさと行くぞ。

[ロンディニウム工員] フェイスト!

[フェイスト] パットか。

[ロンディニウム工員] 一年以上ぶりか、マジで会いたかったぜ。

[フェイスト] 悪ぃな、もっと早くに何とかみんなに連絡取るべきだった。

[ロンディニウム工員] 水臭いこと言ってんなよ。お前に会えてマジ嬉しいぜ。ここ一年、俺はずっとみんなにお前は生きて帰ってくるって言ってたんだ。

[ロンディニウム工員] あそこの通気口を見ろよ。覚えてるだろ? あのパイプに沿って登るとよ、外に小さな足場があるんだよな。

[ロンディニウム工員] 何年も前に、俺たちと賭けをしたろ。あそこからジャンプして、隣の建物の屋根に飛び乗るんだって。

[ロンディニウム工員] 俺たちはみんなビビったよな。あの足場は数十メートルはあるんだからよ! 落ちたら終わりだぜ?

[ロンディニウム工員] でもお前は跳んだんだ。最初跳ぶ勇気のある奴はお前しかいなかったが……ハハ、結局トミーも、ダイも、最終的に俺も跳んだ。

[ロンディニウム工員] 他の奴らがお前死んじまったんじゃねぇかって聞いてくるたびに、顔を上げてあの通気口を見ろよって言ってやったぜ。

[フェイスト] ハハ……あん時の俺たちはマジで怖いものなしだったよな?

[ロンディニウム工員] それで、こっちの人はお前の自救軍の友達か?

[ドクター選択肢1] こんにちは。

[ロンディニウム工員] フェイスト、お前の友達は随分と学がありそうだな。

[ロンディニウム工員] 自救軍にはいろんな奴が揃ってるって聞いたが、本当にそうみたいだな。

[フェイスト] 確かに、ドクターはすっげぇ学がある人だよ。

[ドクター選択肢1] 自分は自救軍の協力組織の人間だ。

[ロンディニウム工員] お前ら協力組織までいんのかよ?

[ロンディニウム工員] なんか、ますますそれっぽいな。

[フェイスト] ハハ。

[ロンディニウム工員] で、今回帰ってきたのは何するためなんだ? 俺に何か手伝えることはあるか?

[フェイスト] それは――

[キャサリン] パット!

[ロンディニウム工員] キャ、キャサリンさん……

[ロンディニウム工員] すんません。

[キャサリン] 仕事に戻りな。

[ロンディニウム工員] はい。

[ロンディニウム工員] で、でもキャサリンさん。せっかくフェイストが帰ってきたんですから、追い出すとかはしないですよね?

[キャサリン] 情に訴えるのはまだ早いよ。フェイスト、それとそこのお友達については、場所を変えて話をしようじゃないか。

[フェイスト] ……

[ロンディニウム工員] フェイスト、キャサリンさんを責めないでやってくれ。

[ロンディニウム工員] お前がいないこの一年、キャサリンさんがうまくサルカズとやり取りしてくれたおかげで、この工場は一人も欠けずに済んだんだ。

[ロンディニウム工員] 一回ヤバくなりかけたこともあったけど、キャサリンさんが都市防衛軍のリーダーに仲裁に来させたんだぜ。

[ロンディニウム工員] だけど、最近はサルカズたちの催促が厳しくなってきてな、キャサリンさんも大変なんだよ。

[フェイスト] ……わーってるよ、パット。

[フェイスト] 俺がばあちゃんを責めるわけないだろ。

[フェイスト] 自救軍に入って、自分が何に直面しようとしているのかを本当に理解した時、ようやくわかったんだよ……

[フェイスト] 当時ばあちゃんがした決断が、どんだけ難しいことかってな。

[キャサリン] ほら、言いな。今回戻ってきたのは何のためだい?

[フェイスト] 俺たちは、あるものを探しに来たんだ。

[キャサリン] あるもの?

[フェイスト] そそ、サルカズはあいつらの狂った戦争を支えるために、補給ルートを隠し持ってんだよ。

[フェイスト] そんで補給ルートの終点が、この工業区画の中にあると俺たちは確信している。

[フェイスト] 俺たちはそこを見つけたいんだ。

[ドクター選択肢1] フェイストがこの工業区画に最も詳しいのは君だと言っていた。

[フェイスト] この工業区画にいっちゃん詳しいのはばあちゃんだろ。ばあちゃんなら、きっと手がかりを知ってるはずだ。

[フェイスト] だから、ばあちゃんに力を貸してほしくて来たんだ。

[キャサリン] おだてても何も出ないよ。

[ドクター選択肢1] 我々はただ手がかりが必要なだけだ。

[フェイスト] そうなんだ、工場には迷惑かけないからさ。

[キャサリン] あんたどうして、あたしが力を貸すと思ってるんだい?

[キャサリン] もしかしたら、さっきパットにサルカズの傭兵へあんたらのことを報告に行くよう、伝えてたかもしれないよ。

[フェイスト] ……

[フェイスト] もし本当にそうなったら……俺も、一緒に来た他のみんなも、逃げるしかないね。

[キャサリン] 教えてほしいんだがね、あんたらが四日前サディアン区で起こした騒ぎで、どれだけの死人が出たんだい?

[フェイスト] ……

[キャサリン] その人たちの名前は覚えてるのかい? 顔は? 一人一人が死ぬ前にどんな表情をしていたか、最後にどんな言葉を言ったか覚えてるのかい?

[フェイスト] 俺は……

[キャサリン] ひとまず黙ってな、フェイスト。思いつきの回答でごまかすんじゃないよ。

[キャサリン] こっちの「ドクター」がどう考えてるかは知らないけどね、あんたのことはわかるよ。あんた自分が賢いと思ってるだろ、でもね。浅知恵じゃ「死」を謀り続けることはできないんだよ。

[ロンディニウム工員] キャサリン! 大変だ、入り口にサルカズがたくさん来てる……

[フェイスト] ……!?

[フェイスト] ドクター、すぐにここを離れるぞ――

[ロンディニウム工員] 都市防衛軍の長官の、レト中佐があんたに会いたいって、奴らはあんたを迎えに来たって言ってるぞ。

[フェイスト] ……なんだって?

[キャサリン] ……

[キャサリン] ジョージ、この部外者二人を見張ってな。どこにも行かせるんじゃないよ。

[キャサリン] タバコはやるかい?

[サルカズ傭兵隊長] 馴れ馴れしくすんじゃねぇ。

[キャサリン] レト上官が、あたしに会いたいんだって?

[サルカズ傭兵隊長] そうだ。

[キャサリン] うちの工場は、最近ちゃんと期間内にノルマを達成したよ。上官に心配させるようなことはないはずだけどね。

[サルカズ傭兵隊長] 知るか。上官が会いたがってんだ、黙ってついてこい。

[キャサリン] ……

[キャサリン] ちょっと待ってくれるかい、やらなきゃいけないことがあってね。

[サルカズ傭兵隊長] ババア、勘違いするな、お前はワガママを言える立場じゃない。

[キャサリン] 突然すぎやしないかい、仕事の申し送りくらいさせておくれよ。

[パプリカ] ……ちょっとくらい待ってあげたっていいっしょ。

[パプリカ] (小声)将軍も、あんまあからさまにやってほしくないんすよね?

[サルカズ傭兵隊長] ……チッ、10分だけやる。

[キャサリン] 十分さ。

[フェイスト] ばあちゃん、あいつらばあちゃんに何する気だ!?

[キャサリン] あんたには関係ないよ。

[フェイスト] だけどよ――

[キャサリン] 静かにおし。さっさとついておいで。

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