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苦難揺籃_7-3_変節の刃_戦闘後
ホシグマは結局、チェンを止めることができなかった。 そして、ウェイの執務室では、フミヅキの助力のもと、ロドスがついにウェイと取引を成立させた。これからはロドスが龍門とチェンを支援するようになったのだった。
p.m.7:20 龍門 アップタウン
[チェン] ハァ、ハァ……
[ホシグマ] ……まさかここまで頑固だとは。
[ホシグマ] 全く予想外だ。お前が……私に血を流させることができるなんて。
[チェン] 私たちは……ハァ、ハァ……過去から逃れられたことなど……一度もない。
[チェン] ホシグマ、お前は初めからこの街にいた。だが私はそうじゃない。これまでずっと何かから逃げ続けていた。
[チェン] この街に心を許すことなど、永遠にできないのだろう。
[ホシグマ] ……最後がこんなくだらない喧嘩になるとは思ってもみなかった。
[ホシグマ] 行け。私の体が動くようになる前に。
[チェン] …………
[チェン] すまない。ホシグマ。
[チェン] 私の代わりに、スラムに定期的に顔を出してくれ。残ったスラムの住民は、まだ落ち着いていないはずだ。誰かが近衛局を代表して彼らを守ってやらねばならない。
[チェン] もし感染者の子供が、クマのおもちゃを差し出してきたら……
[チェン] 受け取ってやれ。あれはあるウルサス人が作り方を教えたものだ。私たちのせいで命を落としたミーシャがな。
[ホシグマ] わかった。
[チェン] 本当にすまない。一つ借りだ。
[ホシグマ] お前の謝罪など聞きたくもないな。全くもってお前らしくない。
[チェン] ホシグマ……
[ホシグマ] ……もうこれ以上話すことはない。
[ホシグマ] 行け! 振り返るな!
[チェン] ――っ!!
[チェン] ……元気でな。
[ホシグマ] 「この街に心を許すことなど、永遠にできない」だと?
[ホシグマ] ……お前以上にこの街を愛している奴がどこにいるんだ?
[ホシグマ] 頑固で、優しい……嘘つきめ……
[近衛局隊員] ホシグマ督察!
[近衛局隊員] ……あれ? 督察、まさか怪我を? 相手は一体、何百人です?
[近衛局隊員] はっ! そういえば、先ほどチェン隊長を見かけました! 急いで追わないと……あっちです、早く――
[ホシグマ] 待ってくれ、体がいうことを……ああ、そうだ、ちょっといいか?
[ホシグマ] 傷の痛みを紛らわすために少し……話し相手をしてほしいんだが。
[近衛局隊員] 督察……まさかあなたまで公務執行妨害ですか?
[ホシグマ] ……そんな言い方はないだろう。
[ウェイ] 下がって良い。
[???] はっ、ウェイ閣下。
[ウェイ] 言ったはずだ……その呼び方はよせ、と。
[???] はっ……では、ご用命があれば、いつでもお呼びください。
[フミヅキ] …………
[フミヅキ] ケルシー先生、アーミヤさん。お二人の意見を伺う前に、先に私の話をさせてもらえますか?
[アーミヤ] もちろんです、フミヅキさん。
[ケルシー] ええ、どうぞ。
[フミヅキ] イェンウ。私たちの付き合いも長くなりました。
[ウェイ] そんな話を……なぜ今?
[フミヅキ] あなたの考えは、目を見るだけでわかります。
[ウェイ] ……フミヅキ。
[フミヅキ] ずっと……そうでした。
[フミヅキ] 龍門はあなたの全てです。あなたの血肉であり、夢そのものです。
[ウェイ] フミヅキ、何を——
[フミヅキ] でも今のこの状況は、あなたの望んだものではないでしょう?
[フミヅキ] ああ、(極東語謝罪フレーズ)。私たちが手詰りになっているこの状況について言っているわけではありません。
[フミヅキ] 私が言っているのは……あなたが自分の全てを引き換えにして築き上げた、この街の繁栄のことです。
[フミヅキ] あなたはもう二人の家族を失っています。いいえ、あなたの定義でいえば三人、あるいはもっと——十数人に及ぶでしょうか……
[フミヅキ] 今度は自分の姪の死まで見過ごすつもりですか?
[ウェイ] チェンは影衛たちを憎んでいる。あれを遣わしたら、命をかけても抵抗するだろう。
[フミヅキ] 違います……そういう話でもありません。
[フミヅキ] あなたは後悔しませんか? あの子たちを二人とも、異国の街で死なせることになるのですよ?
[フミヅキ] 感染者だから何です? 感染者になったらあなたの姪ではなくなるのですか?
[フミヅキ] 私たちの間にもし子供ができていたら、同じような仕打ちをされるのですか……?
[ウェイ] 私がしてきたことは、全てこの街のためだった。しかし、私のやるべきことをチェンに押し付けた覚えはない。
[フミヅキ] でもあの子はそういう人間なんです!
[フミヅキ] あの子に秘密にすることは、傷つけるのと同じです。自分の居場所はここではないと思わせるだけですから……
[フミヅキ] あなたがあの子に期待していることは、あまりにも深遠で、とても困難です。
[ウェイ] ならば、私に止められると思うのか?
[ウェイ] 多くの人々を従えて、長い間悪戦苦闘したあげく、私が足元にあるこの街に与えてやれたものは、こんな悲惨な現状だけだ。
[ウェイ] ……そんな龍門が、この街の、いや時代の変化しようとする流れを私が止めることを許すと思うか?
[ウェイ] 彼女がそうしたいのだ。この都市を根本から改革して、私の統治下から解き放とうとしているのは彼女自身だ。
[ウェイ] 私はただ、そうするのに必要なものと捨てるべきものとを、彼女に教えただけだ。それなのに——
[フミヅキ] もう結構です。いつものように上手な言い訳を並べ立てるのは……
[フミヅキ] 私が連れ戻します。あの子がこのまま死に行くのを黙って見過ごせません。
[フミヅキ] あなたにできないことならば、私がやります。
[ウェイ] 愚かな! そんなことは認めない……!
[ウェイ] 彼女は連れ戻す。だがお前は、ここから一歩も離れてはならない。既に手は打ってある。
[フミヅキ] ふぅ……私を止めるつもり、ですか?
[フミヅキ] (極東語スラング)!
[ケルシー] なんと……
[アーミヤ] え? 先生、今フミヅキさんは何て言ったんですか?
[ケルシー] ああ、まあわからなくてもいい。がしかし……極東にこんな粗野な言葉があったなんて、すっかり忘れていたな。
[フミヅキ] あなた、私が何者かを忘れていませんか?
[ウェイ] フミヅキ、私にも分別は——
[フミヅキ] 自分が何者かを忘れていませんか?
[ウェイ] フミヅキ……!
[アーミヤ] ……あの、先生?
[アーミヤ] (ウェイさんって、フミヅキさんのことをとても大切に思っていますよね?)
[ケルシー] (それはフミヅキ氏も同じだ。多分な……)
[フミヅキ] さて、お二方。ロドスにお願いして龍門とチェンを助けていただくには、おいくら必要ですか?
[フミヅキ] 全て私がお支払いします。
[ウェイ] おい……
[アーミヤ] フミヅキさん、本当にそのようなご依頼をなさるつもりですか?
[フミヅキ] ええ。
[フミヅキ] お恥ずかしい話ですが、うちの人は今本調子ではないようなので。
[フミヅキ] というより、今回は相手に虚を突かれてしまいました。彼の弱点を全て計算に入れていたようです。
[フミヅキ] 相手は、龍門だけでなく彼のことについても、手に取るようにわかるのでしょう。
[ウェイ] フミヅキ、これ以上余計なことは——
[フミヅキ] あなたに私が止められるとでも!?
[フミヅキ] ケルシー先生、金額を言ってください。いくらでも支払います。
[ケルシー] フミヅキさんの仰りたいことはよくわかりました。金額云々はさておき、お二人とも、少し私の話を聞いていただけませんか?
[ウェイ] ……ケルシー君。
[ケルシー] このタイミングで申し上げるべきことではないかもしれませんが、率直に言って、今の龍門には外部の助力が必要です。
[ケルシー] フミヅキさん、このまま話を続けてもいいですか?
[フミヅキ] どうぞ。人様の話を遮るような不躾な真似は致しません。
[ウェイ] …………
[ケルシー] ロドスは一介の製薬会社です。
[ケルシー] ただ、この大地は誰にも自由を許しません。特に我々のような、無数の敵を作り得るビジネス理念や政治的スタンスを掲げる一企業に対しては。
[ケルシー] 各国の狭間を往来する生活も、仕方がないものです。
[ケルシー] もちろん各勢力からのプレッシャーに対しては、我々なりに安全と均衡を保つ手段を講じています。
[ケルシー] しかし、そういった手段が効力を発揮する大前提として、各勢力の首脳に少しでも理性が残っていなければなりません。
[ケルシー] その大前提が危うくなり、特異な状況がいつでも起こりうる現在、ロドスもあらためて相応の対策を準備する必要があります。
[ウェイ] 要点を言ってくれないか。
[ケルシー] 提案があります。
[ウェイ] 実際に有益な提案だといいが。
[ケルシー] こちらからの提案の前に一つ事実をお伝えしておきます。これをミスター・ウェイに話すべきかは悩ましいところですが……
[ケルシー] 龍門の実力とミスター・ウェイの手腕があれば、ロドスを握りつぶすことなど、目配せ一つで充分です。
[ケルシー] 我々の技術がどんなに進歩していても、ミスター・ウェイの率いる部隊とは勝負になりません。
[ケルシー] あなたに楯突けば、ロドスはきっと血の海に沈むでしょう。
[ケルシー] …………
[ウェイ] ケルシー君、アーミヤ君も心配は無用だ。この状況でロドスと敵対する余力は私にはない。
[ウェイ] だから追従や忖度は無用だ。思うことは何でも言ってくれ。
[ケルシー] ありがとうございます。
[ケルシー] 我々が初めてミスター・ウェイと接触した際に、あなたはロドスの武装について興味を示されました。
[ケルシー] 今なら認めますが、先ほど申し上げた通り、武装面でロドスは龍門の足元にも及びません。
[ケルシー] ただ、どんなに強大な武力も、効力の多寡はその時の状況によって左右されるものです。程度の違いはあれどそれは必ずあると言ってもいい。
[ケルシー] たとえあなたの部隊でも、何がしかの制限をされていれば、十全な能力を発揮できなくなります。あなた自らが戦場に出た場合でも、相手が弱みを握っている可能性は無視できません。
[ケルシー] 実は、かつての私の同僚が、ある慈善パーティーでコシチェイ公爵とその養女に会いました。
[ケルシー] オークション会場でも貴族のサロンでもないそのパーティーに出席していたのは、それぞれ異なる思惑を持つ組織の代表たちでした。
[ウェイ] …………
[ウェイ] ……続けて。
[ケルシー] それからのことはもう予想がつくでしょう、ミスター・ウェイ。あのパーティーで多くの優秀な若者が、自身の理論と構想でそれぞれにふさわしい地位を得ました。しかし――
[ケルシー] タルラにそのようなことは起こりませんでした。だからこそ、私も同僚も、あの少女がレユニオンのリーダーとなる位に成長するとは思いもしなかったのです。
[ケルシー] ただ、今思えばあのコシチェイ公爵という人物は、必要な場にしか姿を現さず、必要なことしかしません。それ以外は決して表舞台に出てこない……
[ケルシー] 彼は、力を誇示することで地位を築いてきたわけではありません。そしてタルラも同様でした。二人の関係にどんな意味があるのか、それは我々よりもそちらの方がお詳しいでしょう。
[ケルシー] 私が得た確証は一つだけ。コシチェイ公爵が彼女を奴隷、あるいは人質として扱っていたという噂は、事実ではないということです。
[ウェイ] ……後継者か。
[フミヅキ] えっ?
[ウェイ] ケルシー君。君の話が私の推測を証明してくれたようだ。タルラはコシチェイの後継者だ。
[ケルシー] その通りです。
[ケルシー] コシチェイ公爵はあなたが持っているもの、あなたに可能なこととそうでないことを詳細に把握しています。そしてそれは、タルラも同様です。
[ケルシー] ミスター・ウェイ、この件をどうかロドスに任せていただけませんでしょうか? 我々こそが今回の事件解決に最も適任のはずです。
[ケルシー] アーミヤが言うように、龍門とロドスの正式協定は失効しました。
[ケルシー] ロドス本艦は現在、既に龍門の接舷エリアから離脱をしています。これから起きることは、龍門とは一切関係ありません。
[ケルシー] アーミヤ、そうだろう?
[アーミヤ] ……はい!
[アーミヤ] ウェイさん。私たちは、龍門の未来やあなた個人の抱える事情に、あまり深く立ち入るつもりはありません。
[アーミヤ] ですが誰かの陰謀が感染者を利用して起こした事件、それによってもたらされる悲劇を、私たちは全力で阻止したいのです。
[アーミヤ] もし可能ならば、ウェイさんに一つ約束をしていただきたいです。それさえ守っていただけるならば――
[アーミヤ] ここから先は、私たちロドスの戦いになります。
[ウェイ] 私は感染者を信じたくはないし、頼りたくもない。私からすれば、君たちとレユニオンの違いは、まだ龍門と敵対していない、という一点だけだ。
[ウェイ] かつてのレユニオンがどんな姿をしていたか……私たちが忘れたとしても、誰かの記憶に残っているはずだ。彼らは決して今のような形をとるはずではなかった。
[ウェイ] 言葉は飾れる。意図は隠せる。レユニオンがあれほど感染者の運命を変える運動だと吹聴していたにもかかわらず、結局はウルサスの鉄砲玉と成り果ててしまった……
[ウェイ] この件が終われば、ウルサスは容赦無く、残ったレユニオンの火を消すつもりだろう。
[ウェイ] 君たちが次のレユニオンにならないと、誰がそれを証明できる? いつか私たちを裏切り、牙をむくのではないか?
[ウェイ] そもそも、君たちにコシチェイの後継者を打ち破るほどの力があるとは思えない。
[ウェイ] 相手はあの悪名高きコシチェイ公爵だ……彼に勝利を収めたのは、ここ数年で龍門以外には存在しない。
[ケルシー] ミスター・ウェイ、あなたは自分で部隊を率いてチェルノボーグ中枢区画を襲撃するつもりですね?
[ウェイ] 勝手な憶測はよくないな。
[ケルシー] 先ほどのミスター・ウェイの言葉に、あなた自身の意志が現れています。あなたは、それが自分以外には不可能だと思っていらっしゃる。
[ケルシー] 確かに龍門にはその力が有り、あなたにもウルサスの陰謀を退けた自信がお有りでしょう——
[ケルシー] しかも今回の戦い、あなたはご自身の死をもって幕を引くつもりでいらっしゃる。
[ケルシー] フミヅキさんの仰るように、あなたは龍門のために多くの不本意な采配をしてきた。そして極め付けが今回行おうという宣戦行為だ。それら一切合切を、ご自身の命で清算しようと考えておられる。
[ウェイ] ……私は今まで数え切れないほどの過ちを犯した。死などで償えるはずもなく、誰に償えばいいのかもわからないがそれでも——
[ケルシー] それでも、あなたが亡くなった後、周りが本当に無事でいられると思いますか?
[ウェイ] 龍門は炎国の要。この街が無事であれば、繁栄は続くはずだ。
[ケルシー] いえ、私が言いたいのは、フミヅキさんのことです。
[アーミヤ] (ケルシー先生……直球過ぎます!)
[フミヅキ] 先生!? 何を仰って……!
[ケルシー] 奥様は、あなたのせいで苦難の道を歩む可能性があります。あなたが亡くなった後、全てを知るのは残された奥様だけなのですから。
[ケルシー] あなたに不本意なことをさせるほどの人物です。奥様がどのような仕打ちを受けるかは想像に難くないと思いますが。
[ケルシー] 確かあの方も、心の広い方ではないでしょう?
[フミヅキ] もう十分です、先生! これ以上は……
[ウェイ] つまり君は、私が命を差し出したところで、フミヅキは守れないと言うのだな。
[ケルシー] どうでしょう、フミヅキさんだけでは済まないかもしれません。
[フミヅキ] ならば私も共に逝きます! たかが死など——
[ウェイ] 止さないかフミヅキ!!
[フミヅキ] くっ……!
[ウェイ] 続けてくれ、ケルシー君。
[ケルシー] あなたが大切に守ってきた都市……そして心から大切に思っている人のために――
[ケルシー] どうかお願いします。この件を専門家に任せてください。
[ケルシー] どんな勢力が相手でも勝算があるとまでは言いませんが、感染者のことならば、我々が一番良く知っています。
[ケルシー] 彼らの望み、そして弱み、全てを識り尽くしています。
[ケルシー] 感染者に対抗できるのは、感染者の専門家である我々だけです。
[ウェイ] …………
[ウェイ] 望みは何だ? ロドスのリーダーと医者のお二人さん。君たちとて慈善事業のためにここへ来たわけではなかろう……
[ウェイ] ただ、言っておくがあの中枢区画に立ち向かったせいで、君たちは大きな損失を受けるだけでなく、これまでの全ての努力が無駄になる可能性だってある。そうなったところで自己責任だ。
[ケルシー] さすがミスター・ウェイと言ったところでしょうか。厳しい現状を正確に認識していらっしゃる。
[ウェイ] ここまで来たら、本音を言った方がお互いのためだろうからな。
[アーミヤ] 私たちの望みは、戦線への参加を認めていただくことだけでなく、あなたの約束が必要です、ウェイさん。今後龍門は、決してロドスに対し武力による攻撃をしないと誓ってください。
[アーミヤ] たとえ将来的にそれが破られる可能性があるとしても……今のこの状況において、あなたの口から約束していただきたいんです。
[アーミヤ] 龍門とあなたの家族……そしてチェンさんには、それを約束するだけの価値があると、私は信じていますから。
[ウェイ] …………
[アーミヤ] フミヅキさん。あなたから金銭の報酬を受け取る気はありません。あなたの優しさや、感染者への善意の積み重ねは、私たちが無償で任務を請け負うのに充分なものですから。
[フミヅキ] アーミヤさん……
[アーミヤ] はい?
[フミヅキ] (親指を立てるジェスチャー)
[アーミヤ] ……??
[ウェイ] いいだろう。チェルノボーグの一件が収束するまで、龍門はロドスに一切干渉しないことを約束しよう。
[ウェイ] それから……ケルシー君、まだ何か私に言いたいことがあるように見えるが。
[ウェイ] こちらからお願いをしている立場だ、どんなことでも善処しよう。
[ケルシー] ……では、もう一つ提案があるのですが。
[ウェイ] 何でも言ってくれて構わない。
[ケルシー] 20年前に龍門で亡くなった、エドワード・アルトリウス——つまりタルラ・アルトリウスの父親の件です。
[ケルシー] ミスター・ウェイが預かっているはずの、彼の遺品をお借りしたいのですが。
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