aklib_story_急転直下_4-3_人工的冷却_戦闘後

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急転直下_4-3_人工的冷却_戦闘後

メテオリーテたちは、廃都市の中で、ほかとは明らかに実力の違うレユニオンを目撃し、市内の温度を変えていたのは彼らだったと確信する。 残された痕跡やその状況を見て、フロストリーフは傭兵時代に聞いたという「遊撃隊」と「スノーデビル小隊」の噂を口にした。

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[レユニオン] 急げ、素早く行動しろ！

[ジェシカ] あの人たち、どうして……

[フロストリーフ] （小声）静かに。

[ジェシカ] （小声）は、はい……！

[フロストリーフ] （小声）あいつら、まだいるのか？

[メテオリーテ] （小声）……ええ。

[メテオリーテ] （小声）何か探しているみたい――

[メテオリーテ] （小声）――！ 隠れて！

[レユニオン構成員] ……？

[レユニオン構成員] なんだ、気のせいか。

[フロストリーフ] （小声）……厄介だな。狙撃はできないのか？

[メテオリーテ] （小声）ちょっと遠すぎるわね……

[メテオリーテ] （小声）あの人たちが現れたあとは、爆発音も止まってるし……撃てばその音が目立っちゃうのも難点だわ。

[メテオリーテ] （小声）向こうは三人で散らばってるから、一度に全員仕留めきるのも難しいでしょうし。

[メテオリーテ] （小声）おまけに、あの動き……ほかのレユニオンとは明らかに違うわよね。

[ジェシカ] （小声）確かに……あの人たちだけ重装備ですしね。

[メテオリーテ] （小声）ええ。こうなると、軽率に動いて一人でも逃せば、大量に増援を呼ばれて、もっと危険な状況に陥るのは目に見えてるわ。

[メテオリーテ] （小声）その上、向こうに探知型のアーツを使える人員がいた場合は……

[メテオリーテ] （小声）一度狙撃を試みただけで、こちらの位置を把握される可能性もあるしね。

[メテオリーテ] （小声）術師らしい格好の人がいるのは確認してるし……何かテストをしている様子なのも気になるわ。

[フロストリーフ] （小声）なるほど。結論として、今は何もできないということか。数の上では3対3でも、包囲されているようなものだしな。

[メテオリーテ] （小声）ええ。……最悪の事態ね。

[メテオリーテ] （小声）まるで、追っていたはずの獲物に、気付けば追い詰められていたような……嫌な感じだわ。

[メテオリーテ] （小声）……見て。あの人たち、誰かに連絡しているみたい……

[フロストリーフ] （小声）ここからでは、内容まで聞き取れそうにないな。私が行ってこよう。

[メテオリーテ] （小声）ダメよ。周りが静かすぎる……今動くのは危険だわ。

[メテオリーテ] （小声）そもそも、向こうの実力もわからない状況だしね。

[メテオリーテ] （小声）耳ざとい相手に気付かれでもしたら――

[メテオリーテ] （小声）……？ あの人たち、何を待ってるのかしら？

[メテオリーテ] （小声）……何か……妙な感じがするわね。

[メテオリーテ] （小声）どこか、違和感があるような……

[メテオリーテ] （小声）あなたもそう思わない？

[ジェシカ] （小声）た……多分……

[ジェシカ] （小声）また、温度が下がったせいだと思います……

[ジェシカ] （小声）さっきから……すごく、寒くて……

[メテオリーテ] （小声）……！ もしかして、あの人たちが何かしたのかしら？

[メテオリーテ] （小声）……って、ジェシカ……？ どうしたの？ 急に指をくわえたりして……

[フロストリーフ] （小声）寒さで身体が震えても、歯が鳴らないようにしているんだろう。

[フロストリーフ] （小声）今必要かどうかはさておき、この手の心得があること自体は見所がある。大した子供だ。

[メテオリーテ] （小声）大した子供、って……私からすれば、あなたもまだまだ子供なんだけど。

[フロストリーフ] （小声）……はぁ。

[フロストリーフ] （小声）そういうのは止してくれ。

[メテオリーテ] ……温度が元に戻ってきたわね。あの三人もこの場を離れたようだし……

[メテオリーテ] それにしても、さっきのテスト……やっぱり、気温の変化と関係している気がするわ。

[メテオリーテ] ――音もなく、冷気と共に現れて、熱を奪うと静かに去って行く。そうして、あとに残されるのは、暗がりで震える人々だけ……

[メテオリーテ] ……こうして言葉にすると、やっぱり「スノーデビル」の噂を思い出しちゃうわね。

[フロストリーフ] そうだな。まだ推測の域を出ない話ではあるが。

[フロストリーフ] もしかすると、奴らがその「スノーデビル」なのかもしれない。

[フロストリーフ] ……見つけた。この壁、まだ凍り付いているな。

[フロストリーフ] だが、見ての通り――

[メテオリーテ] 黒い源石が、隅に埋め込まれてる……

[メテオリーテ] 冷気の元はここと考えて良さそうね。

[フロストリーフ] ああ。こうして、壁面に霜が降りていることから見ても――

[フロストリーフ] この源石が、辺り一帯の温度を下げている大本の原因だろうな。

[フロストリーフ] ――これは、傭兵時代に耳にした話だが……

[フロストリーフ] ウルサスの西北部には、感染者で構成された遊撃隊がいて、そいつらはずっと政府と戦い続けているそうだ。

[フロストリーフ] 聞くところによると、その遊撃隊の中には、要塞を思わせるほどの怪物がいるという噂でな。

[フロストリーフ] なんでも、そいつの歩みを止められるものはなく――

[フロストリーフ] 相対すれば、盾は砕かれ、武器は折られるという話だ。

[フロストリーフ] 挙げ句、怪物が去ったあとには、ただの更地が広がるばかりで、命あるものなど残らないと聞いている。

[フロストリーフ] 加えて、その遊撃隊には――

[フロストリーフ] 厳しい冬を体現するような、とある小隊が所属しているとかで、そいつらの噂も色々と耳にしたものだ。

[フロストリーフ] たとえば、その小隊が通った場所は、すべてが氷に覆われるだとか……

[フロストリーフ] そうして凍り付いた建物は、崩れ落ちて粉と化したとか……

[フロストリーフ] 戦場にあった塹壕の中は、凍り付いたウルサス兵で埋め尽くされていたとかな。

[メテオリーテ] その話をしたのって、つまりは……

[フロストリーフ] ああ。思うに、先ほどの連中が――

[フロストリーフ] 件の「スノーデビル小隊」だろうな。

[フロストリーフ] だが、何はともあれ今は前進しよう。レユニオンの拠点は、恐らくこの近くにあるはずだ。

[ジェシカ] ……！

[メテオリーテ] どうしたの、ジェシカ。

[ジェシカ] ……何かのにおいがするんです。

[ジェシカ] なんというか、焦げ臭いような……