aklib_story_OPOD_OD-6_領主邸攻防戦_戦闘前

ページ名:aklib_story_OPOD_OD-6_領主邸攻防戦_戦闘前

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OP:OD_OD-6_領主邸攻防戦_戦闘前

ロングスプリング領主の衛兵隊の隊長は非常に横暴で会話が通じない者だった。彼女はロドスとレインボー小隊のオペレーターたちの駆逐を命じ、感染者たちを全て連れ去ってしまった。


[ドラッジ] 久しいな、愛する姉上。

[ドラッジ] 半年、いや一年? それ以上か?

[ピカール] ドラッジ! 貴様は領主たる父上の衛兵隊を襲撃し、その屋敷に攻め入った。これは謀反だぞ!

[ドラッジ] 謀反だと? フンッ、フフフッ。

[ドラッジ] ピカール、お前もわかっているはずだ。お前は相応しくないと。

[ドラッジ] あの老いぼれの腐った脳みそに、あの感染した……粗悪品どもを守るなどという考えがなければ……

[ドラッジ] お前がその地位を継ぐことはなかっただろう。

[ドラッジ] いいか?

[ドラッジ] これを見ろ。こいつは熱烈なスポンサーがクルビアから送ってきたものだ。

狡猾なレプロバは、自らの後ろにある機械をコツコツと叩いてみせる。

[ドラッジ] TSW-2超音波衝撃装置。最新鋭の工業製品だ。まだ実戦には投入されていない実験機で、唯一の欠点はデカすぎるところだ。

[ドラッジ] こいつを町に隠すのに、かなりの時間を費やしたよ。

[ドラッジ] お前を屋敷からおびき出すのにも、相当な時間を費やしたがな。

[ドラッジ] ピカールよ……。お前のその強大な鍛え上げられた武術が何の役に立つ? お前のその強い意志が何の役に立つ?

[ピカール] ……

[ドラッジ] このサルカズたちを見てみろ。

[ドラッジ] こいつらは脳筋の魔族たちとは違うぞ。彼らもクルビアからやってきた。金のためなら何でもやってくれる。

[ドラッジ] これが何を意味するか、わかるか?

[ドラッジ] 彼らはより現実的なんだよ。お前やクソ親父には永遠に理解できないだろうがな。

[ドラッジ] 十分な利益を与えてさえやれば、姉上の想像をはるかに超える力が行使できるというわけだ。

[ドラッジ] クソ親父は手前勝手な理屈をこねていたが、今は何をしている?

[傭兵] ボス! デカい部屋でこれを見つけましたぜ。

[ドラッジ] 見せろ。

[ドラッジ] ほう……バイエル首長の領主委任状か。

[ドラッジ] きめ細やかな紙。豪華な縁取りのされたサイン、格式ばったバイエル公文書、それとしっかりと施されていた印。

[ドラッジ] フンッ。

[ドラッジ] クソ親父は……あの老いぼれはどうしてる?

[傭兵] 見つけられませんでした。すべての部屋を探しましたが、屋敷にはたくさんの町民たちがいるだけで、それらしき者は見当たりませんでした。

[ピカール] 父上はもうすでにこの世を去っている。今は私がロングスプリングの領主だ。

[ピカール] 領主に逆らうということは、首長に逆らうということだ。お前はもう死罪の運命からは逃れられない!

[ドラッジ] それはお前とあの老いぼれで考え出した策略か?

[ドラッジ] ハハハッ……

[ドラッジ] ハハハハハッ……

[ピカール] ……!

[ドラッジ] 愚か者どもが……まさかお前たち、首長の名を出せば俺が負けを認めるでも思っていたか? 笑わせてくれる。

[ドラッジ] 死罪だと?

[ドラッジ] じじいが誇りに思っていたレプロバの衛兵隊は、今頃、道端に惨めな姿をさらしているだろうよ。

[ドラッジ] 最も手を焼くはずの領主の衛兵隊はもういない。ここに俺に逆らうだけの力を持った奴がまだいるとでも?

[ピカール] 狂人が! 衛兵隊の人たちには、貴様も小さい頃から世話になっているだろうに!

[ドラッジ] だが、俺の行く手を阻むべきではなかったな。

[ドラッジ] お前も、俺のために道を開けるべきだった。

[ドラッジ] 我らの血縁に免じて、お前でも理解できるように教えてやろう。

[ドラッジ] お前は今やサルゴンの領主。たしかにその通りだ。

[ドラッジ] そして俺は、家族に追い出されたただの流れ者だ。

[ドラッジ] しかし数年後、お前が「不幸にも」息を引き取った時、俺は血統を明かしバイエル王廷へ出向き、鉱産物や財を手土産に首長に頭を垂れてみせるさ。

[ドラッジ] そうすれば誰がこの土地の領主になるのか、もう明白だろ?

[ピカール] ……貴様!

[ドラッジ] 別の道もあるぞ。仮にお前は就任してすぐに争いの中不幸にも命を落とす。

[ドラッジ] その死体を首長に捧げ、お前も不死軍の一員となることができれば、俺もさらなるご褒美を手に入れる。いいことずくめだと思わないか?

[ピカール] ドラッジ! この卑劣で恥知らずな愚図め! 貴様が弟だなど、吐き気がする!

[ドラッジ] そう感情的になるな、姉上よ。

[ドラッジ] もちろん、今の話はただの仮定だ。実現するなど俺は一言も言っていない。ただの姉弟での雑談だ。

[ドラッジ] なぜなら俺は、お前にとってそれ以上に相応しい行き場を用意してあるからな。

[ドラッジ] 体に石を付けた連中が見えるか?

[ドラッジ] 連中を守りたいのなら、仲間に加わればいいのさ。

[ピカール] ドラッジ! 貴様!!

[ドラッジ] お前が死んだ暁には、山の洞窟にお前を入れてやろう。

[ドラッジ] そうすれば、坑道の奥底に眠る源石を俺がどうやって掘り出すかを……そしてロングスプリングがバイエルの鉱産業の中心になっていく様を、じじいと一緒に見られるだろう。

[ドラッジ] どうした? 言葉が出ないか?

[ピカール] 貴様は家族を裏切り、この土地までをも裏切った! 呪ってやる! ドラッジ!! ろくな死に方をできると思うな!

[ドラッジ] 勝手にするがいいさ、愛しい姉よ。好きなだけ呪えばいい。まだ口がきけるうちにな。

[ドラッジ] じゃあな。

[ドラッジ] (クルビア語)お前、来い。

[サルカズ傭兵] (クルビア語)ああ。

[ドラッジ] (クルビア語)あの感染者たちを科学者の所へ連れて行け。

[ミアロ] ゴホッゴホッ……ゴホッ……

[サルカズ傭兵] (クルビア語)わかった。

[サルカズ傭兵] (クルビア語)この若いのは? もうダメそうだが。

[ドラッジ] (クルビア語)生きてても死んでても同じようなもんだ。全部連れて行け。

[ドラッジ] (クルビア語)俺の姉に関しては……

[ドラッジ] (クルビア語)あの女を感染させろ。お前らサルカズ人なら、その方法はよくわかっているはずだ。

[サルカズ傭兵] (クルビア語)了解。

[サルカズ傭兵] (クルビア語)だがそれは契約には含まれていない。報酬の追加を頼む。

[ドラッジ] (クルビア語)長い目で商売を考えろ。全てうまく行って、鉱山が稼働し始めれば、金など湯水のように湧いてくる。

[サルカズ傭兵] いい弟を持ったな。

[ピカール] (目をつむる)

[サルカズ傭兵] (武器を振りかぶる)

[サルカズ傭兵] うぅ……

[傭兵] 敵がいる! 盾を構えろ!! ボスを守れ!

[傭兵] あっ!

[ドラッジ] どうした!

[傭兵] ボス、敵が紛れ込んでいます!

[ドラッジ] 領主の衛兵隊は全員片付けたんじゃねぇのか!

[傭兵] 見ました! 俺は……俺は見ました! あれは……

[傭兵] グハッ!

[ドラッジ] 術師! 早くモンスターを動かせ!

[術師傭兵] 待て……今やる。これには……

[傭兵] 早くしろ!

[傭兵] ……うあああ! 肩! 俺の肩が!

[サルカズ傭兵] 落ち着け! 敵はどこだ?

[傭兵] わ……わからない!

[サルカズ傭兵] まずは撤退だ! 敵にクロスボウ使いがいる! 開けた場所にとどまるな!

[サルカズ傭兵] ボスを守れ! 指一本触れさせるな!

[傭兵] 見つけた! フェリーンだ!

[傭兵] 気を付けろ! 撤退だ! 撤退!

[シュヴァルツ] ……

[ピカール] お前……お前はロドスの……

[シュヴァルツ] まだ動けますか? レプロバさん。

[ピカール] ああ……かたじけない。

[オリジニュータント] グオォ……

[術師傭兵] よし、動き出した。

[術師傭兵] これで奴らに勝ち目はない……ハハハッ。

[ドラッジ] フンッ、あの老いぼれが作ったおもちゃも少しは役に立つか。

[ドラッジ] 他の奴もモンスターと一緒に行け! 奴らを片付けろ。

[サルカズ傭兵] 了解。

[シュヴァルツ] 敵が多すぎます。無事に撤退できる保証はできません。

[ピカール] いや、これで十分。

[ピカール] 私の武器は?

[シュヴァルツ] 何をする気ですか?

[ピカール] ドラッジがここまでに至ったのは、すべて私の不注意。

[ピカール] 眠りについた父上に合わせる顔がない……

[ピカール] たとえこの身に代えても、裏切り者の心臓をくり抜いてロングスプリングのために葬らねば!

[シュヴァルツ] 落ち着いてください。今はこの場から生きて抜け出すことが最優先です。あなたにはこの町のためにも生き延びてもらわなければなりません。

[シュヴァルツ] すでに仲間に信号を送っています、すぐに到着するはずです。

[サルカズ傭兵] ボス、領主の傭兵たちとロドスの奴らが攻撃して来てる。

[ドラッジ] 何をビビってやがる! この屋敷は鉄壁の守りを誇る。傭兵が数人来たところで何ほどのこともない。

[ドラッジ] フェリーンを片付けるよう、術師に命令させろ。他の奴は入り口を守れ。

[サルカズ傭兵] 了解。

[Ash] 状況報告を。

[Blitz] 屋敷周囲の壁を利用して防衛線を敷いている。狙撃手もいて、壁の向こうにはデカい図体の傭兵が出番を待っているはずだ。

[Blitz] いつも通りの手でいくか?

[Ash] この程度の壁って、あたしたちをなめてるわね?

[Ash] いいわ。思い知らせてあげましょう。

[フランカ] 壁をぶち抜いたの? あなたたち、そんなこともできるのね。

[Ash] 制圧射撃開始! 突入準備!

[Tachanka] 了解!

[サルカズ傭兵] 奴らを中に入れさせるな! 行け!

[リスカム] 邪魔しないで!

[Blitz] まだまだ!

[サルカズ傭兵] バカが! 狙撃手はどこだ! 狙撃手は何をしてやがる!

[レンジャー] 残念じゃが、狙撃手はもうおらぬよ。

[サルカズ傭兵] お、お前……どこから……

[サルカズ傭兵] ううっ……

[Ash] 外壁突破! お見事、ご老人。

[レンジャー] 警戒を怠るでない。まだまだたくさんおるぞ。

[Frost] 待って? 敵が何か運んできた。

[フランカ] あれは……

[リスカム] 伏せて!

運び出されてきた実験機は、無情にも強烈な衝撃波を放ち、轟音を大空に響き渡らせる。粉々になった建物の残骸が辺り一面に飛び散る。

[フランカ] ゴホゴホッ……み、耳が。

[リスカム] 大丈夫?

[フランカ] なんとかね。

[リスカム] 他の人は……?

[Frost] みんな大丈夫。でも内臓が悲鳴を上げてる……

[Ash] ……あれは……どういう兵器だ。

[フランカ] なんであんなモノまで使ってくるのよ。

[リスカム] ヴォルヴォート・コシンスキーの実験兵器……

[レンジャー] 面倒なことになったのう。

[Ash] また来る! 隠れて!

[Blitz] あんなの直撃したら一発でアウトだな。

[傭兵] や、奴らに外壁を破られました。

[ドラッジ] お前、奴らを制圧している今の状況が見えなかいか? 何をビビッてやがる。

[ドラッジ] まず姉とあのフェリーンを始末しろ! それから他を片付ける。

[ドラッジ] 俺たちの方が優勢だ、あと数人殺せばそれで終わる。

[ピカール] 5体目! これが貴様のモンスターか? ドラッジ! 私の前に姿を現せ!

[ピカール] 6体目! この醜悪で汚れたモンスターどもめ! 来い! 全て土に返してやる。

[シュヴァルツ] 冷静に……ピカールさん、体力を温存してください。

[シュヴァルツ] 相手の数が多すぎます。

[ミアロ] 無茶はダメです……ゴホゴホッ……

[ミアロ] ピカール様……シュヴァルツさん……

[シュヴァルツ] 先生!

[ミアロ] 二人とも……ゴホッ、ゴホッ……早く逃げてください!

[ミアロ] 来い! モンスター……

[シュヴァルツ] ……何をする気ですか?

感染者の朝は、太陽が死と共に地平線から昇る。

ミアロはこの言葉を忘れたことがない。

[ミアロ] (い……痛い)

体中が痛む。

[ミアロ] (ここはどこ……僕は気を失っていたのか?)

[ミアロ] (これは……)

[ピカール] 貴様は家族を裏切り、この土地までをも裏切った! 呪ってやる! ドラッジ!! ろくな死に方をできると思うな!!

[ミアロ] (ピカール様が地面にひざまずいている?)

[ミアロ] (何があった?)

[ミアロ] (くっ……痛い……)

[ミアロ] ゴホッゴホッ……ゴホッ……

体中が痛む。

鉱石病の発作?

[ミアロ] (これは……血?)

[ミアロ] (あぁ……)

そうか……僕は、もうすぐ死ぬのか。

[ミアロ] (痛い……寒い)

[ドラッジ] (クルビア語)あの感染者たちを科学者の所へ連れて行け。

[サルカズ傭兵] (クルビア語)わかった。

[サルカズ傭兵] (クルビア語)この若いのは? もうダメそうだが。

[ドラッジ] (クルビア語)生きてても死んでても同じようなもんだ。全部連れて行け。

[ドラッジ] (クルビア語)俺の姉に関しては……

[ドラッジ] (クルビア語)あの女を感染させろ。お前らサルカズ人なら、その方法はよくわかっているはずだ。

[ミアロ] (か……感染者に何を……? それに……感染させろ?)

[ミアロ] (立てない……)

[ミアロ] (あれは誰……)

屋敷を囲む壁の陰から、一丁のクロスボウがこちらに狙いを定めている。

[ミアロ] (シュヴァルツさん……)

[ミアロ] (一人で……)

[ミアロ] (助けないと……)

[ミアロ] (はぁ……最後はやっぱりこれを使うしかないのか……)

[ミアロ] 二人とも……早く逃げて……

[シュヴァルツ] 何をする気ですか!

[ミアロ] 僕に構わないで! 早く逃げてください!

[シュヴァルツ] 精錬源石錐……?

[シュヴァルツ] それをどうするつもり――

[シュヴァルツ] !!

[ミアロ] アーツなんて……いつぶりだろう。

「源石製品を爆発させるアーツ? 珍しいな」

「こんなアーツなら、兵士になった方がいいんじゃないのか? どうして医者に?」

「はぁ……好きにしろ。だが、もったいないなぁ」

[ミアロ] (まだまだやりたいことはたくさんあるけど……)

[ミアロ] (まだ死にたくなんかないけど……)

[ミアロ] (医者の本分は命を救うこと。僕は……救うんだ……)

感染者の少年が突っ込んでいく。

[術師傭兵] 目! 俺の目が! うあああ!!

[サルカズ傭兵] 立て! 陣形を保て!

[ドラッジ] ゴホッゴホッ……ゴホッ。

[ドラッジ] どうした? ……あれは何だ。

[傭兵] ニュータント? ニュータントが制御不能に!

[ドラッジ] どういうことだ?

[ドラッジ] 超音波発生器は?

[傭兵] あのクソガキに爆破されました!

[傭兵] すべて制御不能です! どうしますか!?

[傭兵] グハッ!

[サルカズ傭兵] フェリーンがまた攻撃を始めた!

[サルカズ傭兵] 盾を構えろ! ボスを守れ!

[ピカール] ドラッジ!

[ピカール] 貴様の命をもって償え!

[ドラッジ] お前たち、何をグズグズしてやがる!

[ドラッジ] こいつらをさっさと殺せ!

[ドラッジ] 今度は何だ!?

[リスカム] 発見しました、みんなここにいます!

[Ash] 救出を優先! 撃て!

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