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画中人_WR-ST-1_恩義
ニェンの依頼を受けて炎国へと足を運んだラヴァとクルースは、運悪く事故に巻き込まれたトランスポーターのウユウを救出する。ウユウの提案の下、一行は彼の道案内に従い灰斉山(かいせいざん)へと向かう。
「光あるところに闇あり」――その言葉が示すとおり、古来より正義の力が強まれば悪も力を増し、それは天災や人災の形で、常に全ての生命を苦しめてきました。
しかし、人の力は必ずそれらに打ち勝つことができるのです。邪道は正道に勝てないのですから。
勇敢な義侠の士は、各地を放浪する中で人が危険に晒されていればこれを助けます。書林を見れば、幾人もの抜きん出た儒学者たちが世を想っております。
ああ! まさに「美食美酒美景、美人美徳美談」かな! 古来より英雄たちは皆、公明正大な義の心を宿しているのです。
[???] いやまったく、恩人であるお二方は天賦の才と正しい気風に溢れ、その上稀有な義侠心までをも持っておられる。もしやどこぞの崇高な隠者でありましょうか?
[???] ううっ……天が私を哀れみ、死するには早いと命を助けたに違いない……あの凶悪な畜生どもを思い出すと、怒りでどうにかなりそうだ。偶然、巣穴に迷い込んだだけなのに、なにゆえこんな目に!
[???] お二方のおかげで無事、難を逃れました。曰く、「感謝の気持ちは行動で示すべし」。よろしければ恩返しに一つ占わせて頂きたいのですが、いかがでしょう?
[ラヴァ] ……はぁ。
[ラヴァ] 直接その占い雑誌を見せてくれりゃいい。暇つぶしにはなるだろうから……
[???] ゴホン! あはは、ラヴァ嬢も人が悪いですな。人を叩けど顔は潰さず、相手の面子を立てるべしと言うでは――
[ラヴァ] 単刀直入に言ってくれ。
[???] ははぁ。さすがはラヴァ嬢、素晴らしい慧眼をお持ちで! つまり俗に言う乗りかかった船と言うやつでして、この哀れな私めに引き続きご助力いただきたく……
[???] 実は荷物をすべてなくしてしまったんです。携行食や路銀だけではなく、地図やテント、証明書、着替えの他にお気に入りの急須まで……はい。ものの見事に全部をです。
[???] だって車ごと湖に沈んじゃったんですからね! あははは!
[ラヴァ] 釣竿と扇子はあるじゃないか。で……オマエがトランスポーターという話は本当なのか?
[???] ははは、はぁ……実はそれに関してはやんごとなき事情があるのですが、誤魔化すこともできなさそうですし、どうかひとまずはそう思っていただければと。
[ラヴァ] ふーん……で、アタシたちと一緒に来たいってか?
[???] その通りです!
[ラヴァ] はぁ……
[???] ううう、ご迷惑をおかけして非常に申し訳ないとは思っています。お二方に所用がお有りだということも重々承知しておりますが――
[???] あと三百里先に泥翁町(でいおうちょう)という町があります。美しい玉石の産出地です。そこの宿場で茶でも飲んで一息つけば、私も態勢を立て直せます。そしたらもうご迷惑はかけませんから!
[ラヴァ] しばらく付いてくるだけなら別に構わないが……今はあの鉗獣たちも気が立ってて、凶暴になってる。一緒に行くにしても、アイツらが落ち着いてからだ。
[???] ああ! ありがとうございます!
[???] それにしても、もう一人の恩人、クルース嬢のお戻りが遅いようですね……周りには結構な数の野獣がおりましたゆえ、私めが彼女の元に馳せ参じましょうか?
[ラヴァ] オマエに人を助けられる実力があれば、そもそも鉗獣に追われてないだろ。大人しくここで待ってろ。
[???] しかし、お二方には危機から救って頂いたという大恩があります。その恩人の一人が危険に晒されているなんて、耐えられませぬ。
[???] そうだ! ここに取り出したるは一冊のボディービル……いや、武の真髄を記した秘伝書なり。読めばたちまち強靭な肉体が手に入るとされ、その価値は計り知れず。これを御礼に差し上げましょう!
[ラヴァ] いいから。少し落ち着いたらどうだ?
[???] 御意にございます。
[???] ......
[ラヴァ] …………
[???] ......
[ラヴァ] ……ああ、もう! そんな品定めするような目でアタシを見るな。聞きたいことがあるならはっきり聞いてくれ。
[???] は、はい! あの……お二方は見たところ、このあたりの住民ではなさそうですが?
[ラヴァ] ああ。
[???] 炎国の方ですらないのでは?
[ラヴァ] そうだ。
[???] どちらからいらっしゃったんです? 極東? ウルサス? まさかさらに遠方から来た、大地を旅する騎士様では? 異邦人にはそのような奇っ怪な伝統があるとか。それは本当ですか?
[ラヴァ] 違う。アタシは……はぁ。
[ラヴァ] 強いて言うなら、アタシはヴィクトリア人だ。
[???] ほう……ヴィクトリアとな……えー、ふむ、なるほど! あのヴィクトリアですね、え、ええ、よく知っていますとも。
[ラヴァ] どう見ても知らない奴の反応なんだが。
[???] あははは……異国のことに興味があるのは、都会のお偉方くらいのものです。私たちのような田舎者には、関わりのないことですからね。
[???] ただ、遠路はるばるいらっしゃったにしては、流暢に炎国の言葉を話されるので、不思議に思ったんです。
[ラヴァ] (炎国の言葉は付け焼き刃なんだが……まぁいいか。)
[ラヴァ] お、クルースが戻って来たぞ。
[???] おおっ! クルース嬢――いやクルース殿! よくぞご無事で! お疲れでございましょう。おケガはございませんか? 肩をお揉みしましょうか? それともおみ足を?
[???] ここに万病に効くと言われる、先祖代々の霊薬があります。本当は非常に高価な品ですが、恩人様のために思い切って差し上げましょう。
[ラヴァ] ……荷物は全て無くなったんじゃなかったのか?
[???] ああ、これは世間を渡り歩くには欠かせぬ良薬ですから、内ポケットに入れて身につけているんです。私たちのように旅慣れた人間はみんなそうしてますよ。
[ラヴァ] 分かった分かった、何でもいいよ。クルース、状況はどうだ?
[クルース] あの鉗獣たち、みんなただの可哀想な子たちだったよぉ。新しいお家を見つけてあげたら、みんな大人しくなったからねぇ。
[クルース] これでもう進んで大丈夫だよねぇ? あの茂みを抜けて、川沿いに下れば目的の山が見えてくるはずだよ~。
[???] な、なぜあんな鉗獣のために新しい家など?
[ラヴァ] ……とにかく解決したんならそれでいいだろ。先を急ごう。
[ラヴァ] クルース、この可哀想な自称トランスポーターが、泥翁町ってとこまで一緒に行きたいそうだ。問題ないだろ?
[クルース] いいよぉ。今回はラヴァちゃんが隊長だからねぇ。全部ラヴァちゃんが決めていいんだよぉ。
[???] いやはやお見それしました、隊長さんでしたか! 失敬失敬!
[クルース] 失敬失敬~。
[ラヴァ] 一緒になって茶化すな……
[ラヴァ] そういえばオマエの名前を聞いてなかったな。
[???] 私ですか? 一介のトランスポーターに名など必要ないでしょう。あはは――
[ラヴァ] あぁ?
[???] ――ですが、恩人様方をはぐらかし続けるのも礼儀にもとるというもの。ふむ……私のことは……そうですねぇ、「ウユウ」と呼んでください。
[ラヴァ] おい! 今考えた名前だろ!?
[ウユウ] いえいえ! どうしてそんな不躾なことできましょうか!
[クルース] うーん……泥翁町って、灰斉山(かいせいざん)の麓のだよねぇ?
[ウユウ] いかにもいかにも、さすが恩人様は博識でいらっしゃる! あんな小さな町のことまでお聞き及びとは!
[クルース] じゃあ私たちの行き先と、同じ方角だよ~!
[クルース] そしたらウユウさん、町まで私たちが守ってあげたら、そのあと私たちのお手伝いもしてくれる~?
[ウユウ] ええ! お手伝い致しますとも! 湖に沈んでしまった車を救援隊に引き上げてもらうまで、特にやることもありませんから。
[ウユウ] 曰く、「受けた恩は全身全霊をもって返すべし」! こんなにも早く恩人様方へ恩返しができる機会が来ようとは……これは神の思し召しに違いない!
[クルース] その泣き芸とわざとらしい演技、まるで減給処分になった人みたいに必死だねぇ~。
[クルース] よぉし、隊長さん〜どうするか決めたぁ?
[ラヴァ] 結局アタシ任せかよ!
[ウユウ] 恩人様! 恩人様よ! どうか私にチャンスを!
[ラヴァ] うーん……まぁ、確かに地元の人間がいれば便利っちゃ便利だな。アタシも炎国の地理には疎いし、ニェンの奴が寄越した情報も曖昧だから……人探しには苦労しそうだしな……
[ラヴァ] はぁ……クロージャはなんでまた、ニェンの奴が持ち込んだこんな面倒事にゴーサインを出したんだ?
[クルース] あの人、最近珍しくやる気だからねぇ。
[ラヴァ] アイツは麻雀と火鍋を食う以外なにもやってないだろ。
[クルース] まぁまぁそう言わないで〜。ラヴァちゃんがそんな風に思ってるだなんて知ったら、ニェンさんが悲しんじゃうよぉ。
[ラヴァ] アイツもこういう扱いには慣れっこだ。いつも迷惑かけられっぱなしだから、こっちも言ってやらないと。
[ウユウ] …………
[ラヴァ] ああ……悪い。先に情報共有をしておくべきだったな、えーと……ウユウだったな。
[ウユウ] いえいえ、恩人様のお話は、必ず全て心に刻み、毎日朝と夜に三回唱えて――
[ラヴァ] そ、そこまでしなくていい……
[ラヴァ] アタシたちの任務は単純だ。とある人物を探している――
――1ヶ月前
ロドス本艦
[ニェン] つーことで……お前らに妹を連れて来てもらいてぇんだ。
[ラヴァ] 何が「つーことで」だよ! まだ何も聞いてないぞ!
[ニェン] 何言ってんだ。もう説明しただろ?
[ラヴァ] 「佳節(かせつ)に逢う毎に倍親を思う」って、何の説明にもなってないだろ!
[ニェン] それ以上の理由が必要か? 姉が妹を恋しく思うのは当然だろ? その気持ちがわからねぇってんなら、お前の姉ちゃんにでも聞いてみるか?
[ラヴァ] 余計にやる気がなくなるからやめろ。
[ラヴァ] ――まあ、話は分かった。だけどな……オマエの家族にどんな事情があろうと、ロドスの現在地から炎国中心部に向かうとなると、相当な人員と物資が必要になる。
[ラヴァ] そんな私的な頼み事に、クロージャは軽々しく同意しないだろ?
[ニェン] ああ、あいつならいいってよ。
[ラヴァ] …………
[ニェン] しかもクルースをお前に同行させてやるとさ。本人も承諾してるって話だ。
[ニェン] クルースもきっと炎国の大自然を楽しみにしてるぜ。最近あいつも薄汚くていやーな場所での任務ばかりだったし、たまにゃ休みも必要だろ?
[ラヴァ] い、一体どうやってクロージャを説得したんだ……?
[ニェン] おいおい、詐欺師を見るような目で見んなよ。今回はマジでロドスのために全力を尽くしてやったから、その見返りだよ。
[ラヴァ] はぁ……またエンジニア部に余計な手出しをしたのか?
[ニェン] もし奴らに貴重な実験材料をやったことが余計だって言うんなら、その通りだけどな。
[ニェン] ああいうの、お前ら人類の間じゃ貴重なんだろ? うまく行きゃ、今後ロドスは国一番の精鋭部隊が使うような制式装備を手に入れることができるぜ。うまく行きゃだがな……
[ラヴァ] オマエ、今度は何を生み出したんだよ……?
[ニェン] まぁ単なる思いつきだ。細かいことは聞くな。
[ニェン] そんなことより、何年も会ってない可愛い妹の名前は「シー」だ。字で書くなら夕暮れの「夕」の字な。会えば一目で分かるから、名前だけ知ってりゃ十分だ。じゃ、よろしくな。
[ラヴァ] なんで自分で行かないんだよ?
[ニェン] こんなに長年避けられてんだ。わざわざ恥をかきに行く必要もないだろ?
[ラヴァ] アタシにはオマエが楽しようとしてるだけに見えるんだが……
[ニェン] おいおい。
[ラヴァ] クロージャも同意したんなら……わかったよ……終わったらアタシへの礼を忘れるなよ。
[ニェン] ふ、それでこそ私の可愛いラヴァだ……わざわざお前の衣装を改造してやった甲斐があったってもんだ。
[ラヴァ] もういい……その話はやめろ。
[ニェン] なんでだよ? 喜んでたじゃねえか。
[ニェン] まさかお前が、『洪炉示歳(エンシェント・フォージ)』の舞台衣装なんかを気に入るなんてなぁ。
[ラヴァ] ば、馬鹿言うな――
[ニェン] お前があの服を着て、鏡の前で一日中色んなポーズをキメてたのを見たんだけどな?
[ラヴァ] に……二度と勝手に宿舎に入るな。次は本当につまみ出すぞ!
[ニェン] 分かった、分かった。だけど長いこと戦闘服として着てんのは事実だろ。まだ空間を切り裂くアーツは使えねーみたいだけどな。
[ラヴァ] そ、それはオマエがシナリオを書き換えて後付けした設定だろ!
[ニェン] そうだっけ? まぁでも、私がロドスに来てから、お前も随分成長したろ? しかも最近お前にアーツを教えてんのは、普通の奴じゃねーしな。
[ニェン] とにかく、後のことはお前とクルースに任せたからな。
[ニェン] それと一応言っとくけど、あいつは……シーは相当気難しい奴で、めちゃくちゃ面倒くせーんだ。一つ寛大な心で接してやってくれ。その代わり、今後麻雀では必ずお前が勝つようにしてやるから。
[ラヴァ] はぁ……
[ラヴァ] ……ニェン。
[ラヴァ] オマエ、何か隠してるな?
[ニェン] へぇ……だけど隠してるとしたら、聞かれて答えると思うか?
[ラヴァ] ふざけやがって……だがアタシも根掘り葉掘り聞くつもりはない。オマエがアタシたちとは違うってことは、よく分かってるからな。
[ニェン] 当たり前だろ。アタシの他にこんなすげー奴がどこにいるんだ? ……そんで?
[ラヴァ] つまりだ、アタシはこれが面倒な案件だと分かった上で、あえてオマエを手伝ってやるんだ。
[ラヴァ] この「恩義」は、手抜きのもので返してもらっちゃ困る。
[ニェン] あっはっは! ラヴァが交渉事を持ち掛けるとは驚いた! いやいや大したもんだ……よし! いいだろう!
[ラヴァ] ……?
[ニェン] もしシーを連れて帰って来たら、お前の望みを一つ叶えてやるよ。何でもいいぞ。たとえば……とんでもねー兵器を鍛造するとかな。
[ニェン] 今、武器のアイディアが六つあってな。あと一つ浮かべば七つになんだよ。どれを使っても間違いなく史書に名を残すことになるぜ。
[ラヴァ] そんな大げさな……
[ニェン] 実物を見たらはったりじゃねーってわかるぜ。
[ニェン] もしくは、お前が昔の物語を知りたきゃ、話してやってもいいぞ。本当はあまり人間に教えるべきじゃないが、もし――
[ラヴァ] いや、いい。
[ニェン] はぁ――最近ノリ悪いよなぁ。もう私にはうんざりってか? よくないぞ、そういうのは。
[ニェン] そうだ、これを持ってけ。
[ラヴァ] 何だこれは?
[ニェン] 護符みたいなもんだと思っときゃいい。相手はあのシーだからな……
[ウユウ] おお! なんと長年離れ離れになっているお仲間の妹君を探しに、遠路はるばるこちらまで来られたのですね。さすがは義侠心に篤い恩人様方!
[ウユウ] 感服です! まことに感服致しました!
[クルース] う~ん……もうだいぶ歩いたけど、まだ着かないのぉ?
[ラヴァ] いや、もう灰斉山は見えてるが……そろそろ日も暮れてきた。どうしたもんか。
[ウユウ] 私は急ぎません、急いでおりませんゆえ。恩人様にお任せします。
[ラヴァ] ニェンは、「あいつは勾呉城外の、灰斉山付近にいる」としか言わなかったんだが……おい、この近くに他の集落はあるか?
[ウユウ] いいえ! 周囲千里を見渡しても、あるのは泥翁町だけです。
[クルース] 山の中で、働きもせず引きこもってるのかもねぇ……あのニェンさんの妹だからね~。
[ラヴァ] オマエはニェンをどう思ってるんだ……辛辣なことを言うじゃないか……
[ラヴァ] しかし、これ以上手がかりはない……オマエの出番だ。
[ウユウ] 任せてください! ここは私の庭ですから……あれ? そんな目で見ないでくださいよ。本当に詳しいんですって! 小さい頃は用があろうとなかろうと、いつもこの辺りを駆け回っていましたから!
[ラヴァ] 何かあてでもあるのか?
[ウユウ] ふむ、勾呉周辺の町で人を探したければ、茶館へ行って叫べばいいんですよ。さすれば、何か知ってる人も知らない人もみんな寄ってきますから。
[ウユウ] 半刻ほどお時間を頂けますでしょうか? さすれば、きっちりと探し出して差し上げます――ああ、お探しの方の特徴は? なんという名前で、何をされている方なのでしょう?
[ラヴァ] ……名前はシーだ。
[ラヴァ] 画家をやってる。
[ウユウ] 恩人様、恩人様、あれです!
[ラヴァ] はぁ疲れた……この山、外から見るより随分と高いな……しかし、まさか本当に山にいるとは……
[クルース] 予想的中~。
[ウユウ] うーん。このような水道も電気も無い山深き場所にお住まいを? 恩人様、ご友人の妹君はなかなか風雅であられるな。
[ラヴァ] ……正直言って、嫌な予感がし始めている。
[クルース] でもここの景色はほんと最高だよぉ。もし画家なら、こんなとこに住んでても不思議じゃないよぉ〜。
[クルース] あれぇ……? ラヴァちゃん、何探してるのぉ?
[ラヴァ] ニェンにもらった「護符」だ。今思ったんだが、あいつは何か狙いがあってアレを渡したのかもしれない。まあ十中八九、ろくな狙いじゃないだろうけど。
[クルース] じゃあそんなの……さっさと捨てちゃえばぁ?
[ラヴァ] クルース、本当はオマエが一番アイツに不満が溜まってるんじゃないのか?
[ウユウ] 恩人様! 先に私が中に入り、ご在宅か否か、そして人違いじゃないかを確認してきましょうか?
[ラヴァ] いや、大丈夫だ。別に尻込みしてたわけじゃない。アイツの妹に会うなら慎重に準備をすべきだろうと思っただけだ。
[ラヴァ] 行こう。
[ラヴァ] ごめんください。誰かいますか?
[クルース] …………
[ラヴァ] ごめんください!
[ウユウ] 散歩に行ったとか?
[クルース] 山にぃ?
[ウユウ] だけど見てください。門は雨水で汚れて、落ち葉は積もりっぱなしです。人が住んでいる様子はありませんよ……もう一度扉を叩いてみます?
[ラヴァ] ああ……すみません。誰かいませんか?
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