aklib_story_マリアニアール_MN-2_ロアーガード_戦闘前

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マリア・ニアール_MN-2_ロアーガード_戦闘前

先の一戦で名を揚げたマリアの評判は多くの敵を引き寄せた。次の戦いではロアー騎士団の先鋒“プラスティック”シェブチックが立ちはだかる。


[合成樹脂騎士] ……

[ビッグマウスモーブ] これはこれは、ロアーガード社のニュースターじゃありませんか! どうしました? 随分と早いですね。

[ビッグマウスモーブ] 観客もまだ入場していませんよ。それに、今日の第一試合まであと二時間もあります。事前準備ですか?

[合成樹脂騎士] ……久しくこういう場所で試合をしていない……懐かしいな。

[ビッグマウスモーブ] そうでしょうそうでしょう! 私も興味津々なんですよ。あなたの騎士称号「合成樹脂」は、安っぽく思われがちですが、実はこれはあなたのセールスポイントでもありますし……

[ビッグマウスモーブ] 先月の試合スケジュールが終了した後、あなたのポイントは騎士団の中でも上位を占めていた。こんなに頑張る必要はあるのですか?

[合成樹脂騎士] ……スポンサーからの要求だ。仕方がなかった。そのおかげで休暇が全部キャンセルになった。

[ビッグマウスモーブ] あっ、目的はやっぱりアレですか?

[合成樹脂騎士] わかっていて、あえて尋ねるのか。

[ビッグマウスモーブ] おぉ、やっぱりそうなんですね? じゃあ今日はいいものが見られると期待していいんでしょうか?

[???] それについては大丈夫だと思いますよ……しかしその前に、「合成樹脂」――“プラスティック”シェブチックさんと二人だけで少しお話しさせていただけませんでしょうか?

[合成樹脂騎士] お前は?

[???] 私はメジャー予選のスタッフです。こちらが私の名刺です。

[合成樹脂騎士] ……その「スタッフ」が、俺に何の用だ?

[???] あなたにお伝えすることがありましてね。

[???] ロアーガードの要請により、マリア・ニアールとの試合は一対一の総合競技、つまり「決闘」に決まりました。あなたには最新のアーマー「Jack2」を装備し、極力長く闘っていただきたい。

[合成樹脂騎士] 何だと? しかし新アーマーの素材は、騎士競技のために作られたものでは――

[???] 構いません。「ニアールの復活」は複数メディアの注目の的です。これは絶好の宣伝チャンスなのですよ。

[???] あの長期取引契約の入札競争に勝つため、彼らはすでに多くの代価を支払いました。彼らが今必要としているのは効率的なビジネスのチャンスです。これはテストでもあり、そして宣伝でもあります。

[???] ロアーガードの宣伝執行部門も、あなたに報酬を前金で払うことを承諾しました……あなたの昨年度の手取り総収入額の三倍ですよ。

[???] この一試合で、あなたの故郷で村をまるごと購入できるような大金が手に入るのですよ、シェブチックさん。

[合成樹脂騎士] ……そこまでする必要があると?

[???] メディア露出と商品の宣伝は二の次です。この試合が話題を呼び、メジャーでの収益が増えれば、商業連合会におけるロアーガード社の序列……ゴホン……発言権がより強まるということですよ。

[???] 発言権は重要なものです。そうでしょう?

[合成樹脂騎士] スポンサーからの要求で……しかも報酬も弾むのであれば、喜んで引き受けよう。

[???] ご協力に感謝します。シェブチックさんにも特別な目的があることを我々も承知しておりますので……

[???] そういえば、ニアール家の末娘をご覧になったことはありますか?

[合成樹脂騎士] 彼女のデビュー戦なら見た。悪くはない。だが耀騎士と比べると、格は落ちるな。

[合成樹脂騎士] ……俺が負けるのを心配しているのか?

[???] まさか……心配などしておりません。お気に触ったならご容赦を。新アーマーの注意事項に関しては、すでに装備一式と併せてご自宅に送らせていただきましたので、ご確認くださいませ。

[合成樹脂騎士] ……

[老騎士] ……こんな時間からみんなで集まる必要はあるんじゃろうか?

[老職人] 何言ってんだ! あとたった一時間半で嬢ちゃんの試合が始まるんだぞ? 本格的に訓練を開始して以来、初めての戦いなんだ! 当然みんなで応援しなきゃいかんだろう!

[禿頭マーティン] ハハハッ、そうだな。だから今日は私のおごりだよ。

[老騎士] やれやれ、大仰なことじゃのう……

[老騎士] ……

[禿頭マーティン] ほら「棘の涙」だ。こんなに強い酒を頼むとは珍しいじゃないか。心配してるのかい?

[老騎士] ゾフィアがわしに剣術を教えてほしいと頼み込んできた日から、最初の戦いまであの子は四年も費やした……しかしマリアはたった四週間じゃ。

[老騎士] わしらがしっかりと目を光らせ、手を引くべきところで引かせ、あの子らに無茶をさせないようにしなくてはならん。

[禿頭マーティン] ハハハッ、若い熱血騎士だからな。マーガレットが騎士競技に参加したいと言い出した時のことを思い出すよ。

[老騎士] じゃがあの子らはマーガレットとは違う。

[禿頭マーティン] うん……まあとにかく、少しは信用してやりなよ。

[禿頭マーティン] ちょっと賢い方法でポイントを稼げば、メジャーの参加資格獲得もそんなに難しいことじゃない。

[老騎士] 普通の選手からすればそうかもしれんが、マリアの場合は……どうなんじゃろうか? わしにはわからんよ。しかし――

[老騎士] 何か……嫌な予感がするんじゃ。

[老職人] どうしたんだ、フォー? 興醒めするようなことばっかり言って。まさか嫉妬してるのか? あんた恥ずかしくないのか?

[老騎士] 何じゃと!?

[ビッグマウスモーブ] レディーーーース&ジェントルメン! ようこそロアー競技場へ!

[ビッグマウスモーブ] まずは、今日という日にロアーガード全面サポートのロアー競技場にお越しの皆様へ、祝福の言葉をお送りします! 「ロアーガードよ、狂風でさえお前にひざまずくだろう!」

[ビッグマウスモーブ] さて皆様! お財布のひもを緩めたくなるような独立騎士はもう見つかりましたか? もしまだ見つかってないようでしたら、今一度ご紹介させてください――

[ビッグマウスモーブ] 前回の華々しい登場から早一か月……デビュー戦で話題を独占し、それからどのような鍛錬を積み上げてきたのでしょうか?

[ビッグマウスモーブ] さあ皆様、熱い声援で迎え入れましょう! ロアー競技場ナンバーワンの美貌を持ち、伝説の姉妹の一人でもありますニアール家最年少の競技騎士!

[ビッグマウスモーブ] マーーリーーアーー、ニアーーーール!!

[観光客] ニアール! 俺の全財産がお前にかかってるぞ!

[観光客] *口笛* 耀騎士の後継者だ!

[ゾフィア] この空気、ほんと大げさなんだから……ねえちょっと! 座ってくれないかしら、邪魔なんだけど!

[ゾフィア] (随分……随分と長い間、観客席から試合を見てなかったわね)

[ゾフィア] (マリア……絶対にこの空気に呑まれちゃダメよ)

[マリア] (深呼吸……深呼吸……)

[マリア] (うぅ……ひ、人があんなにたくさん……私のこと見てる……)

[マリア] (ま、周りの雰囲気に呑み込まれちゃダメ……し、深呼吸……)

[ビッグマウスモーブ] オーケーオーケー! 皆様の熱狂するそのお気持ちはよーく理解できます。しかし今は、どうか少しだけ抑えてください!

[ビッグマウスモーブ] あの子に少しだけ落ち着くための時間を与えてやってください! もし彼女が怖気づいて棄権しても、払い戻しはありませんよ。

[ビッグマウスモーブ] つまり! 歓声もいいですが、皆様のお財布の中身で彼女をサポートしてあげてください! お気に入りの少女騎士が勝者になれば、これ以上興奮することは他にありませんよ!

[禿頭マーティン] 煽るねえ、ビッグマウスモーブ。いつの間にロアーガード社に雇われたんだ?

[老騎士] ふん! 低俗の極みじゃわい……ペッ。

[老職人] はっ……ロアーガードか。ゴミ収集業者が追いつかねえくらい大量のゴミ製品を生産してる会社だな。自分たちのレベルもわからねえくせに、レイジアン工業の仕事まで奪おうとしてやがる。

[老職人] 俺がガキの頃遊びで作った粘土の方が、よっぽどやつらの装甲より硬いぜ。

[老騎士] じゃあ何故お主は大企業で仕事せんのじゃ?

[老職人] 嫌だからだよ! 騎士の装備には二度と触らねえって誓ったんだ!

[老騎士] だからお主は一年中、酒代を払うのにも苦労しとるというわけか。嫌な仕事はしたくないと言っておいて、その結果はどうなんじゃ? 今朝の仕事は確か――

[老職人] あれは生計を立てるためだよ! じゃなきゃ俺だって水道管の修理なんてしねえ! 俺は水道屋じゃねえんだ!

[禿頭マーティン] ハハハッ……そういえば、ライラおばさんが伝言を残してったな。君に電球を直しに来てほしいんだとさ。

[老騎士] ふっ……で、お主行くのか?

[老職人] おっ、俺は……あれ? マリアの相手、ありゃあ誰だ?

[ビッグマウスモーブ] オーケー! 皆様がここまで盛り上がってくださるというのなら、ロアーガード全面サポートのロアー競技場もその期待に応えないといけませんね!

[ビッグマウスモーブ] 前回のメジャーで見事、騎士団百強に選出! ロアーガードがタイトルスポンサーを務めるロアー騎士団! ――彼らの先鋒が、耀騎士の妹の前に立ちはだかります!

[ビッグマウスモーブ] コラそこっ! 私の悪口は聞こえてますよ! マイクパフォーマンスだって騎士競技の大事な要素なんですからね! なので――

[ビッグマウスモーブ] 皆様、焦ってはいけません! 可憐な少女騎士が暴風からの使者と対峙するのは、もう間もなくです!

[ビッグマウスモーブ] それでは迎え入れましょう! 冠する称号はチープ、しかし実力はエクスクルーシヴな競技騎士――「合成樹脂」“プラスティック”シェブチック!!

[ファン] シェブチック! シェブチック!

[ファン] ぶちのめせシェブチック! こちとら大金を賭けてんだ、がっかりさせんじゃねーぞ!

[ビッグマウスモーブ] “プラスティック”シェブチック、その身に纏う最新素材で作られたアーマーが、スポットライトの光を浴びて輝いています! クルビア発の最新技術がこの試合のカギを握っているのか!?

[ビッグマウスモーブ] その通り! ロアーガード社はこれからも騎士たちのあらゆるニーズにフィットしたイクイップメントサービスをご提供して参りますよ――メンテナンス、ボアアップ、暴風のごときカスタマイズ!

[ビッグマウスモーブ] お忘れなきよう、もう一度! 「ロアーガードよ、狂風でさえお前にひざまずくだろう!」

[合成樹脂騎士] ほう、まさかこんなところでお前に会えるとは……しかも舞台から観客席にいるお前を見ることになるとはな。

[ゾフィア] ……シェブチック。

[合成樹脂騎士] “ウィスラッシュ”ゾフィア……負傷してメジャーを去ったはずのお前が、まさか自らあの屈辱を思い出すために戻ってくるとはな。

[ゾフィア] アハハッ、君たちってほんと他人を挑発するのが好きね。口だけは達者なんだから。

[ゾフィア] あの予選で私たちがぶつかった時、私から何ポイント奪われたのか忘れちゃったのかしら? プラモデルの騎士さん。

[合成樹脂騎士] ふん、もしお前があの時もう少し賢ければ……まあいい、今のお前に何を言っても意味がない。

[合成樹脂騎士] お前がニアールの末娘を鍛えたんだろう? この一か月の間に――

[ゾフィア] 観客としゃべってないで、ちゃんと自分の対戦相手をご覧なさい。でないと、またこっぴどく負けることになるわよ。

[合成樹脂騎士] なるほど、少しは楽しませてくれそうだな……

[ゾフィア] せいぜい気をつけることね、プラモデルの騎士さん。

[合成樹脂騎士] ふっ……いいだろう。

[ビッグマウスモーブ] おおっ! シェブチックが舞台に上がる前に観客と話していたようですが、あれは“ウィスラッシュ”のゾフィアです! 間違いありません。これがいわゆる「観客席サプライズ」というやつか!?

[ゾフィア] ふん……!

[ビッグマウスモーブ] それではこれより両騎士の入場です。一秒たりとも目を逸らさず、とくとご覧あれ!

[ビッグマウスモーブ] さあさあさあ皆様! シェブチックの輝く鎧兜が見えましたか? マリアの美しくなびく金髪が見えたでしょうか?

[ビッグマウスモーブ] しかしすぐにこのすべてが赤い血にまみれることになるでしょう。なぜなら、二人はこれより全力で相手を打ち倒しに行くからです。ルールは――説明不要! それが騎士競技だ!

[ビッグマウスモーブ] 勝敗が決する前ならば、あなたなりの方法で選手をサポートすることが可能です! もちろんサポートした票数が直接勝負に影響を与えることになるでしょう!

[ビッグマウスモーブ] 耳障りな叫びや悲鳴のような無償のサポートは無意味な気休めにしかなりません。しかし、皆様が懐を痛めるのを厭わなければ、支援物資を購入する権利があります!

[ビッグマウスモーブ] またブーイングが聞こえてきましたね。しかしお聞きください! 今年の大会参加人数が再び新記録を達成したことを祝して、ロアー競技場の取り分はかつてない比率、50%にまで減少しました!

[ビッグマウスモーブ] つまり金貨を十枚出せば、五枚は選手のサポートとなるのです! こんな機会は百年に一度あるかないかだ!

[ビッグマウスモーブ] もちろん! ロアー競技場も皆様からただ手数料を頂くわけではございません! 皆様がサポートした選手がどんな「形」で勝ったとしても、一攫千金のチャンス!

[ビッグマウスモーブ] オッズですか? オッズはあなた次第! 皆様が騎士たちに叩きつけた金額がそのまま賭け金になります! さあ今すぐあなたの応援する騎士たちに、惜しみなく注ぎ込みましょう!

[ビッグマウスモーブ] それでは両選手、開始位置についてください!!

[マリア] ……お祖父ちゃん、お姉ちゃん、私行ってくるよ。

[マリア] ニアール家の家訓……「苦難と闇を畏れるべからず」!

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