aklib_story_帰還密林の長_RI-ST-2_憩いのひと時

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帰還!密林の長_RI-ST-2_憩いのひと時

トミミの部族で、操縦士のディランとLancet-2が何気ない話をしている。 滝の下で、ドクターたちが休憩を取っているところに、ケオベが突然乱入してきた。その後彼女は、ズゥママの部族の方へ駆けていった。


[ディラン] Lancet-2、ちょっと真面目な質問をしてもいいか。

[Lancet-2] はい、なんでしょう。

[ディラン] 君はバッテリー切れにはならないのか?

[Lancet-2] それについては問題ありません。出発前にクロージャお姉様が、長時間対応の新型バッテリーに交換してくださいましたから。

[Lancet-2] 理論上、エネルギー補給なしでも、一週間は大丈夫です。

[Lancet-2] それに飛行ユニットに予備のバッテリーもありますから、心配いりませんよ。

[ディラン] なるほどなぁ。

[ディラン] しかし、ケーちゃんは大丈夫かな? ここに来る途中、いきなり飛び上がったかと思えば、そのままどっか行っちまったからなぁ。

[Lancet-2] 確かに、ケオベさんのことは少し気になりますね。ですが元々エネルギッシュな方ですし、あまり心配はいらないでしょう。

[ディラン] それもそうか。

[ディラン] あーあ、暇だねぇ。

[ディラン] 飛行ユニットのメンテも終わってるし、ガヴィルから頼まれた病人も落ち着いたし、ここの人たちとは言葉が通じないし……

[ディラン] これだったら、ドクターと一緒に、祭典とやらを見に行けばよかったなぁ。

[Lancet-2] 飛行ユニットはロドスの大事な財産ですし、誰かがしっかり守っておく必要がありますからね。

[ディラン] はぁ、言ってみただけだって。俺だってパイロットの端くれだ、それくらいはわかってるよ。

[ディラン] お前はいいよな、Lancet-2。暇なときはスリープモードに切り替えればいいんだから。俺は昨日12時間も寝たから、暇だからって眠れもしないよ。

[Lancet-2] うーん、正確に言うと、私に「暇」という概念はありません。

[Lancet-2] ですが、ディランさんのお気持ちは理解できます。クロージャお姉様もよく、同じように嘆いていますから。そしてそういう場合、クロージャお姉様はたいてい変なことを始めるのです。

[ディラン] ……これまでもずっと疑問だったんだけどさ、Lancet-2、お前とほかのロボットって、中に人が入ってるんじゃねぇの?

[Lancet-2] 入っていませんよ。私の中身は、精密な電子回路の塊です。見てみますか?

[Lancet-2] ただ私のパーソナリティは女性のものに設定されていますから、異性に身体を露出するという行為によって、私自身でも予測できない行動をとる可能性があります。

[ディラン] えっと、やめとくよ。

[ディラン] 見るにしても、こういうときは水着に限るわ。

[Lancet-2] 水着ですか?

[ディラン] ああ、今は夏だからな。水着で水遊びをしてる連中がいたって不思議じゃないだろ?

[Lancet-2] でしたら、波の音を流しましょうか?

[ディラン] やめてくれ、余計にみじめになる。

[Lancet-2] ……まさかディランさんは、私の水着姿が見たいのですか?

[ディラン] 誰が見るか!

[Lancet-2] そうですね、ごめんなさい。私はただの機械ですもんね。

[ディラン] えっ、いや、ごめん、そういう意味じゃなくてさ。

[Lancet-2] 気にしないでください。そういえば、ディランさんは海を見たことはありますか?

[ディラン] えーっと、一応あるな。去年の夏だったかな? シルバーアッシュの旦那が急なスケジュール変更でロドスの飛行ユニットを借りたことがあるんだが、そのとき、俺がパイロットを務めたんだ。

[ディラン] それで目的地に着いてみたらバカンスの名所でさ。俺も旦那に誘われて、VIPの生活ってやつを体験したんだが――

[ディラン] あのとき俺は思い知らされたぜ。貧乏人には想像すらできない金持ちの生活があるんだってことをな。

[ディラン] ほら、当時の写真もあるぜ。

[Lancet-2] ディランさんは、そういう生活に憧れているのですか?

[ディラン] ん? 憧れか……そりゃあの数日はめちゃくちゃ楽しかったけど……ずっとそうやって生活しろって言われたら、きっと無理だな。

[ディラン] やっぱ俺にはさ、操縦室でカップ麺をすすって、昼夜逆転の毎日を過ごす方が合ってるんだよ。

[Lancet-2] そんな生活はいけませんよ、ディランさん。私が科学的かつ健康的な生活スケジュールを組んで差し上げます。

[ディラン] それは遠慮しとくわ!

[Lancet-2] そうですか、残念です。せっかくクロージャお姉様に作っていただいたスケジューリング機能なのに、お姉様自身も、ドクター様もこの機能を利用してくださらないのです。

[ディラン] ああ、まぁあの二人はそうだろうな。

[ディラン] 話は戻るけど、ここにいる部族の生活だって、俺の想像よりずいぶんいいもんさ。必要なものは一通り揃ってるし。

[Lancet-2] そうですね。外の生活と比べ、便利さと快適さはいささか劣っていますが、特に大きな不便は感じません。

[Lancet-2] 私のデータ分析によりますと、この二日で、ディランさんの健康水準も回復傾向にあります。

[ディラン] マジで?

[Lancet-2] マジです。

[ディラン] 自然に還るってのはこういうことなのかな? まぁ、元々昔はみんなこういう生活をしてたんだもんな。

[ディラン] そういえばガヴィルが、ジャングルのあっち側にでけぇ滝があるって言ってたっけ。ドクターが帰ってきてから、そこで遊んでくのもいいな。

[Lancet-2] すでにドクター様たちは行かれているかもしれませんよ。

[ディラン] ドクターは公平な人間だ! 俺たちを放ったらかして自分たちは滝遊びなんてあり得ない! 俺は信じてるぞ!

[Lancet-2] そうですね。では皆様が戻るまで、気長に待ちましょう。

[???] ここにディランっていう人はいるかしら?

[ディラン] 俺!

[ディラン] ん? サルゴン語が話せるのか?

[イナム] ええ。ロボットと一緒にいる人って聞いてたし、あんたで間違いなさそうね。

[イナム] ドクターって人から手紙よ。

[ディラン] おっ、どれどれ。

[ディラン] ……Lancet-2、どうやら仕事ができたようだ。

[ウタゲ] うわー、遠くにまで水の音は聞こえてたけど、こんなにおっきな滝だなんて思わなかったよ!

[ガヴィル] ほーら、アタシの言ってた通りだろ?

[ウタゲ] だね、今回は許したげるよ~

[ブレイズ] ハハ、確かにすっごく壮観な滝だね。

[ガヴィル] トミミはまだみたいだな。あいつが来るまで一休みといこうか。

[ウタゲ] やったー! 水着が無駄にならなくて良かったー!

[フリント] ……

[ブレイズ] 君、戦る気満々だね。

[フリント] ……

言葉が通じないことを悟ったクマールは、無言で構えを取った。

[ブレイズ] まあどうせ暇だし、数ラウンドなら付き合ってあげるよ。

[ウタゲ] ブレイズの姉さんとあの子、熱いバトルを繰り広げてるね~。

[クロワッサン] せやな。

[ウタゲ] 喧嘩って一体何が楽しーんだろうね。

[クロワッサン] ……あんた戦っとるときはそないなこと言わんやん、ウタゲはん。

[ウタゲ] アハハ、言われてみれば。

[ウタゲ] それよりさ、クロワッサンのそれ、水着じゃなくない?

[クロワッサン] アハハ、バレてもうたか。実はアウトドア用の服なんやけど、防水性もなかなかやし、水着としてもギリギリセーフかと思ってな。

[ウタゲ] なるほどねー。あんたはオシャレよりも実用性って感じだね。

[ウタゲ] つーかさ、バカンスって言ったら海のイメージだけど、滝遊びもなかなか悪くないね! 自然に還る感じって言うかさー。あーあ、カメラも持って来ればよかった。

[クロワッサン] せやなぁ、こういうとこ来たんはウチも初めてやけど、想像以上に楽しいわぁ~

[ウタゲ] あれ……

[クロワッサン] どないしたん?

[ウタゲ] あたしの見間違い?

[クロワッサン] 何が?

[ウタゲ] あれ、ケーちゃんじゃない?

[ガヴィル] ドクター、いい滝だろ?

[ドクター選択肢1] 実にいい。

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] まあまあかな。

[ガヴィル] だろ? 昔はよくここで水浴びをしたもんだ。

[ガヴィル] 何か考え事でもしてんのか?

[ガヴィル] へー、言うじゃねぇか。

[ガヴィル] ここからしばらく歩いたら、ズゥママの部族に着くはずだ。

[ガヴィル] トミミの手紙が届いたときは、まさかこんなことになるなんて思いもしなかったな。

[ガヴィル] ……ところでドクター。実はここ数日間、ずっと悩んでることがあんだよ。アタシらはもうそこそこ長い付き合いだし、聞いてもいいか?

[ガヴィル] あのさ……

[ウタゲ] ドーークターー!

[ガヴィル] なんだよ? 今アタシが話してんだけど。

[ウタゲ] あれ! あれ見てよ!

[ガヴィル] あれは……ケーちゃんか?

[ケオベ] 見つけた、キノコの海だぁ!

[ケオベ] お風呂だぁ!

[ガヴィル] どうやらまだ正気に戻ってねぇようだな。

[ウタゲ] でも水の中でじゃぶじゃぶしてんの、めっちゃ可愛い!

[ガヴィル] はぁ、まったくあのおバカちゃんは。

[ガヴィル] まぁ、しばらく遊ばせといてやるか……

[ガヴィル] それよりさ、ドクター。さっきの話の続きだが――

[ガヴィル] アタシの尻尾、前より太くなってないか?

[ドクター選択肢1] 太くなった。

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] 気にしていなかった。

[ガヴィル] ホントか? 嘘じゃねぇだろうな? これはまずったな。帰ったらダイエットしねぇと……。

[ガヴィル] なんだよドクター! そんな目でアタシを見るんじゃねぇ。尻尾はアダクリス人の命なんだぞ!

[ガヴィル] チッ、お前に聞くんじゃなかった。

[ガヴィル] お前は知らねぇだろうが、トミミだって昔はあんなに太い尻尾じゃなかったんだ。はぁ、アタシまであんな太い尻尾になんのは御免だぜ。

[ドクター選択肢1] ズゥママに思うところはないのか?

[ドクター選択肢2] ……

[ドクター選択肢3] もっと尻尾の話をしよう。

[ガヴィル] ん? 思うところって?

[ガヴィル] あんなデカい機械を一から作るなんて、大したヤツだなーとは思ってるぜ。

[ガヴィル]

[ガヴィル] お! ドクターも興味を持ってくれたのか!

[トミミ] ガヴィルさん!

[ガヴィル] おうトミミ、来たか。用事は済んだか?

[トミミ] はい!

[ウタゲ] えっ……マジ!?

[トミミ] ど、どうかしましたか?

[ウタゲ] めっちゃ可愛い子じゃん! ガヴィルのくせにこんな友達がいたんだね! あんたの知り合いはみーんな、頭ん中まで筋肉が詰まってる人ばっかだと思ってた!

[ガヴィル] 失礼だなおい!

[ウタゲ] 肌はすべすべ、顔も整ってる、ダーク系でまとめたコーデもすっごく似合ってるよ。

[ガヴィル] ダーク系? なんだそれ、流行ってるのか?

[ウタゲ] 主流のファッションじゃないけど、一部の人からはすっごく人気があるんだ。

[トミミ] わ、私は雑誌を参考にしただけですよ。外の人はみんなこういう恰好をしてるって書いてありました。

[ウタゲ] あー……なんかファッションってやつを誤解してるっぽいね。まぁこんな場所に住んでるし、認識ズレてても仕方ないかぁ。

[ウタゲ] でも大丈夫、ウタゲお姉さんが正しいファッションを伝授してあげるよ!

[ウタゲ] ガヴィル、この子借りるね!

[トミミ] え? ふええ?

[ガヴィル] あー、好きにしろ。

[ガヴィル] とりあえず、これで全員揃ったな。

[ガヴィル] そろそろケーちゃんにも正気に戻ってもらうとするか……

[ケオベ] 休憩終わりー! ケーちゃんはまだまだ戦えるぞ!

[クロワッサン] ガヴィルはん、あの子行ってまうで!

[ガヴィル] なんだって?

[ガヴィル] チッ、お前らさっさと服着ろ! 追うぞ!

[トミミ] あっちは、ズゥママの部族の住処がある方向ですね……

[ウタゲ] ちょっと待ってよ! 着替えるの早すぎない!?

[ウタゲ] ねえ、待ってってば!

[ブレイズ] 別に着替えなくても大丈夫でしょ! このまま行くよ!

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