aklib_story_帰還密林の長_RI-6_邂逅_戦闘前

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帰還!密林の長_RI-6_邂逅_戦闘前

自分の部族の縄張りに戻る最中、ズゥママはガヴィルが自分を探していることを知った。 クマールという戦士が、ガヴィルを止めに行くと名乗りを上げた。しかし彼女はガヴィルに出会う前に、ブレイズに遭遇するのだった。


[ユーネクテス] じいや、調子はどうだ?

[大祭司] おう、わしは元気じゃ! それにしてもとんでもない発射音じゃったな! あの勢いには危うく吹っ飛ばされそうになったわい!

[ユーネクテス] じいやじゃなくて、ビッグ・アグリーの調子を聞いたんだが。

[大祭司] わかっとるわい。ついでにわしのことも話しただけじゃ。ビッグ・アグリーの方は予想通りじゃった、連続で砲撃するとオーバーヒートするようじゃ。

[大祭司] じゃがそれ以外の出来は上々、いや、想像以上じゃ! しかし、あの音には本当にびっくりしたわい!

[大祭司] とにかく、集落に戻ったらちゃんと修理せんとな!

[ユーネクテス] ああ。今回は急な祭典だったからな。ビッグ・アグリーもまだ準備が不十分だった。

[ユーネクテス] 本当は十分な準備ができてから、他部族の者たちと祭典を開く相談をするつもりだったのだが。

[大祭司] まあ気にするな、結果オーライじゃ!

[大祭司] それにしても、ビッグ・アグリーを見たときの、あのひよっこ共の驚いた顔! まだはっきり覚えとるわい! ハッハッハッ、愉快愉快。

[ユーネクテス] ああ、目的は達成できた。

[大祭司] これで新たな秩序が生まれ、新たな時代が訪れることじゃろう! 機械時代の到来じゃ! わくわくしてくるじゃろ。

[大祭司] 名前をつけるとしたら、「ビッグ・アグリー・イラ」はどうじゃ? 「大祭司時代」もなかなかじゃな。わしみたいにイカした時代になること間違いなしじゃ。

[ユーネクテス] そのまま「機械時代」でいい。

[大祭司] はぁ、お主はこれだから困るんじゃ。頭が固いところ以外は優秀なんじゃがな。せっかく外の知識を学んだんじゃから、もっと視野を広げたほうがよいぞ!

[大祭司] ほれ、わしの格好を見てみろ! 知的でオシャレだと思わんか?

[ユーネクテス] 小さすぎて見えない。オシャレとはどういう意味だ?

[大祭司] むっ、もうよいわ。お主にこんな話題を振ったわしが悪かったわ。オシャレなどわからんでも、わしが大族長に相応しい装いを用意してやるわい!

[ユーネクテス] 装いなんてどうでもいい。それより集落に残った者からの伝言で、エンジンを一つ奪ったそうだ。

[大祭司] なに? 本当か?

[ユーネクテス] ああ、ガヴィルが乗っていた機械についていたものらしい。

[大祭司] それはお手柄じゃ! 早く見たいわい!

[大祭司] いや、待っとらんでもこっちが見に行けばいいんじゃ! よし、わしは先に行っとるぞ!

[ユーネクテス] じいやは相変わらずだな。

[アダクリス人A] おい、族長の隣にいるリーベリは誰だ?

[アダクリス人B] お前、新入りだな? あれは大祭司様だ! ビッグ・アグリーの操縦者さ!

[アダクリス人A] マジかよ、オレもビッグ・アグリーに乗りてぇ!

[アダクリス人B] そりゃやめとけ。お前は知らねぇだろうが、ビッグ・アグリーが完成するまでは毎日爆発騒ぎで、兄弟たちは何人もケガしてんだ。もうあれに乗りたがるヤツは残っちゃいねぇ。

[アダクリス人B] そこに現れたのが大祭司様だ。爆発で何回ぶっ飛ばされても、毎回生きて帰ってくるんだ! 小さいからって侮らないほうがいいぜ。

[アダクリス人A] そんなにすげぇのか!?

[アダクリス人B] ああ。ここに来る前はどこの部族にいたかは知らねぇけど、今は尊敬を込めて、みんな大祭司様って呼んでんだ!

[アダクリス人A] なるほどなぁ! ……あれ? あそこにいるのはヨギじゃねぇか? おーい、ヨギー!

[ヨギ] ようお前ら。

[アダクリス人A] 兄貴と一緒じゃねぇのか? 兄貴はどうした?

[ヨギ] そのことで、族長に話があるんだ。

[アダクリス人A] アホ! 族長じゃなくて大族長だ!

[ヨギ] ああそうだったな。大族長に話があるんだ。

[ユーネクテス] どうした?

[ヨギ] 大族長、兄貴が石塊病になっちまったんだ。

[ユーネクテス] サルゴン語で話せ。

[ヨギ] あっ、わかった、すまねぇ。まだ不慣れなもんでな。

[ユーネクテス] ……罹った経緯は?

[ヨギ] 前に採掘場の奥まで入ったのが原因かもしれねぇ。もっとたくさん鉱石が採れるようにって、オレが反対するのも聞かずに一人で……

[ユーネクテス] 採掘場の奥には行くなと言ってあっただろう! 愚かな……!

[ユーネクテス] ……それで、本人はどうしている?

[ヨギ] ガヴィルたちが連れて帰って治療してる。

[ユーネクテス] ガヴィル?

[ヨギ] ああ、ガヴィルは本当に医者になったみたいなんだ。兄貴も最初は苦しそうだったけど、ガヴィルが少し治療したら、かなり楽になったみたいでさ。

[ユーネクテス] ……そうか、医者になったというのは、嘘ではなかったのか。

[ヨギ] それと、ガヴィルから伝言を頼まれてる。

[ユーネクテス] 伝言?

[ヨギ] 後で訪ねてくるらしい。なんか怒ってたけど……

[アダクリス人A] へっ、族長にやられて悔しいんだろ!

[アダクリス人B] ああ、族長のあのドガーンって一撃! 凄まじかったもんな!

[アダクリス人A] おい、大族長だっつってんだろ!

[アダクリス人B] お前も族長って言ったじゃねぇか!

[アダクリス人A] うるせぇなこんにゃろ、族長は族長だろうが!

[アダクリス人B] おめぇこそうるせぇ! 大族長なんて言い慣れてねぇんだよ!

[ユーネクテス] ……ガヴィルは負け惜しみを言いに来るようなヤツではない。

[ヨギ] 大族長、オレはガヴィルを信じて、兄貴を預けたんだ。

[ユーネクテス] ああ、私も信じている。お前の兄貴はきっと大丈夫だろう。彼らは今どこに?

[ヨギ] トミミの部族のとこだ。

[ユーネクテス] トミミのところか……迎えに行くのは、しばらくしてからがいいだろう。

[ヨギ] わかった。

[大祭司] ガヴィルはエンジンを取り返しに来るつもりじゃろう!

[ユーネクテス] ……だとしても、私に勝てるかな。

[ユーネクテス] ガヴィルは強い、それは認めよう。だがヤツは、自分の拳が全てだと思いこんでいる。

[ユーネクテス] だが、それは間違いだ。

[ユーネクテス] エンジンを取り返すつもりなら、もう一度ビッグ・アグリーの力を味わわせてやればいいさ。

[ユーネクテス] ……何があろうとエンジンは渡さない。このエンジンには、私たちの未来がかかっているんだ。

[???] ガヴィルの話をしていたのか?

[ユーネクテス] フリント、聞いていたのか。

[アダクリス人A] なぁにが大族長だ! 寝言は寝て言えこのアホ!

[アダクリス人B] てめぇこそ、母ちゃんに大族長の正しい呼び方を教えてもらってから出直せバーカ!

[フリント] うるさい。

[アダクリス人A] げっ。

[アダクリス人B] お前……クマールか?

[フリント] ガヴィルに来てほしくないんだろう?

[ユーネクテス] 来たら倒すまでだ。

[フリント] それはつまり、来てほしくないということだろう。私がガヴィルを止めに行こう。

[ユーネクテス] いいだろう。

[フリント] では行ってくる。

[フリント] ……

[ユーネクテス] どうして戻って来るんだ?

[フリント] ……ガヴィルの居場所を……聞いてなかった。

[ブレイズ] なんて湿っぽいジャングルなの! 今日もたったの半日歩いただけで背中が汗でびしょびしょだよ。中に水着を着てて良かった。

[ブレイズ] それにしても、もう二日も探してるのに誰一人いないなんて。

[ブレイズ] 木に登っても森しか見えないし、ガヴィルが言ってた祭典だってどこでやってるかわからないよ!

[ブレイズ] おーい、誰かー!

[ブレイズ] おーい、ガヴィルー! なーんてほっそい尻尾なのー!?

[ブレイズ] おーい、ドクター! そのフードそろそろ換えたらー!

[ブレイズ] ……あーあ、これだけ叫んでも反応ナシか。

[ブレイズ] はぁ、ドクターの身に何かあったら、アーミヤちゃんにどう説明したらいいの。

[ブレイズ] ガヴィルがドクターの面倒を見ておくって言ってたし、安心していいとは思うけど……いやいや、あの性格で面倒なんて見られる?

[ブレイズ] なんか心配になってきた……。木を切り倒して、デッカイ音を出してみようかな? 誰か気付いてくれるでしょ。

[フリント] ……ヨギの説明だと、ガヴィルはこっちだな。

[ブレイズ] あー! やっと人に会えた!

[ブレイズ] ハーイ、こんにちは!

[フリント] 誰だ? 見慣れない服装だな。

[ブレイズ] はい? 何言ってるの?

[フリント] 私の言葉がわからないのか?

[ブレイズ] ちょっと、嘘でしょ……言葉が通じないなんて! ガヴィルからは何にも聞いてないんだけど。

[フリント] だが、強そうな奴だ。

[ブレイズ] ちょっとちょっと、ここの人ってこういうおもてなしをするの?

[フリント] やはり強い。

[フリント] ガヴィルを倒す前に、お前で肩慣らしだ。

[ブレイズ] あれ? 今の発音、「ガヴィル」に聞こえなかった?

[ブレイズ] まあいっか。そっちが手を出してくるつもりなら、私も憂さ晴らしに付き合ってあげるよ!

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