沸点/融点(凝固点)

ページ名:沸点_融点_凝固点_

登録日:2023/02/24 Fri 15:50:12
更新日:2024/07/05 Fri 10:49:59NEW!
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理科 化学 水蒸気 アニヲタ理科教室 融点 沸点



沸点/融点(凝固点)とは、物質の状態変化を決める温度の基準。


概要

物質では固体、液体、気体の3つの状態が基本的に存在し、状態が変化する温度が決まっている。
例えば我々生物が生きるのに欠かせない水は0度以下になると氷になる。これを融点(凝固点)と言う。そして100度まで熱すると沸騰してお湯になり、水蒸気になって蒸発する。これを沸点と言う。*1
こんな感じで周期表の各元素には融点や沸点が決められて掲載されている。
また沸点は気圧によっても若干変化し、水の場合富士山山頂だと約88度、エベレスト山頂だと約71.5度まで降下する。このため標高が高い場所でご飯を炊くと地上と比べてどうしても硬くなってしまう。
アームストロング高度(上空18~19㎞)まで行くと人間の体温でも体液が沸騰してしまい、呼吸のための酸素供給以外にも加圧しなければ人間の生存は不可能となる。
逆に加圧すれば沸点は高まり、100℃を超える温度の水ができる。
圧力鍋はこの原理を使ったもので、高温高圧で一気に中まで加熱することができるのである。


圧力と沸点の関係は飽和蒸気圧曲線という線で示されている。


地球の大気の約78.08%を占める窒素は-196度と言う極低温で沸騰するため、地球上ではどうあがいても蒸発して目に見えない状態になるわけである。
同様に酸素も約-183度と言う低さでそうなってしまうのだが、科学番組でお馴染みの液体窒素(約-196度)に酸素を浸して-183度以下にしてしまえば、液体にすることが出来るということなのだ。
ちなみに液体になった酸素は青みがかった色をしていたりする。



昇華

一部の物質には、固体から液体にならずに直接気体に変化するものが存在する。これを昇華という。
代表的な昇華する物質は二酸化炭素で、-78.5度でアイスクリームやケーキの保冷剤などに使われるドライアイス(固体)に変化するのだが、それ以上の気温の場所に置いても水のように液体を経由しないため、周りが濡れずに蒸発していく。
ただし昇華は正常な気圧内で起きる現象であり、容器に栓をして密封状態にし、容器内の圧力を高めれば液体にすることが可能となる。
他に昇華する物質は、ヨウ素,十酸化四リン,ナフタレンなどがある。


余談だが、逆に気体から液体を経ずに直接固体へと変化することも昇華と呼んでいた
というのも2022年の新課程からはこの状態変化のことを「凝華」と呼ぶように改訂されたのである。*2
直感的、文法的には分かりやすくなった一方で、小学生は覚えることが増えてしまった。


三重点

物質の三つの相が共存して熱力学的平衡状態にある温度と圧力のこと。
ある一点でのみこれが発生し、例えば0.01度にした上で気圧を0.000612(約1600分の1)にすることで三重点となる。
この状態にすることで、氷の状態の水を液体を経由させずに強制的に昇華させることができる。
フリーズドライ食品はこの仕組みを利用し、食品の水分を一気に水蒸気にして乾燥させる。熱を加えないため成分の変質が少なく、お湯を注ぐと元のみずみずしい状態に戻るというわけである。


超臨界

温度と圧力を上げていくと際限なく温度が上がった液体になる様に見えるが、実際は限界がある。
この限界を超えたものが超臨界と呼ばれる状態で、液体と気体の性質を併せ持つ特異な状態となる。
例えば超臨界水の場合は通常の水よりも酸化力が高く、本来錆びない金属を錆びさせたり、水に溶けにくいものを溶かすことも可能になる。


過冷却

上記の通り水は0℃で凍り始めるが、例外がある。
凍結のプロセスでは氷の結晶の核が必要になり、ゆっくり冷やすとこの核が生成されにくく、0℃よりも低い温度で液体の水が存在できる。
これを過冷却という。
外部から衝撃を与えると一気に凍るという特徴があり、一部の飲料など、商品として売られていたりする。



特徴的な融点/沸点をもつ元素

水銀

融点は-38.83℃で、常温帯で唯一液相を取る金属
その不可思議な挙動は太古より人々の関心を引き付け、古くは錬金術や仙丹の材料として、近代科学ではアマルガムと呼ばれる合金材料や温度計や気圧計として利用され持て囃されてきた。
また、気圧や電気抵抗、酸素など、近代科学の基礎的な事実の発見にも水銀の性質が関わっている。
しかし近年はその性質から来る毒性により、使用・廃棄に際し強い規制が敷かれている。


ガリウム

人間の体温で溶ける金属として有名。その融点はわずか約29度であり、手の甲に乗せると溶けて液体金属となる。対して沸点は2403度と高く、広い範囲で液体を維持できるため、マイクロ波集積回路や赤色発光ダイオード、半導体レーザーなどに用いられる。
またユリ・ゲラーが1972年に実演し大ブームを引き起こした「スプーン曲げ」を、手指の摩擦熱によって容易に行えるパフォーマンス用としても使える。
人間の体温(約36度)以下で液体になる金属は他にも28.5度のセシウム、27度のフランシウムがある。
ただしセシウムはアルカリ金属のため水と激しく反応して発火する性質があり、フランシウムは放射性元素で自らの発する崩壊熱により自分から溶けていってしまう。このため、それぞれ「(消防法による)危険物」「(放射性同位元素規制法による)放射性同位元素」として一般の取り扱いが規制されている。このためガリウム(と水銀)が液体金属として有名になったのである。
名探偵コナンのエピソード『憎しみのフライパン』では低い沸点を利用したトリックが登場する。


タングステン

全元素の中でも最も融点と沸点が高い元素。
融点は3407度、沸点は5555度と一般的な鉄の倍近い数値を叩き出す。
当然ながら金属故に硬度も非常に高く、この圧倒的に高い融点を活かして、電球のフィラメントや電極、大工用の工具に利用されている。


ヘリウム

タングステンとは逆に最も融点と沸点が低い元素。
なんと常圧下では絶対零度になっても固体にならない。これはヘリウムの持つ「結合する力」が凄まじく弱いためである。
約-271℃で「超流動液体」という状態になり、どんな小さい穴もすり抜けるようになってしまう。
ヘリウム4は約25気圧、ヘリウム3は35気圧の高圧にすることで、ようやく融点が絶対零度を上回るのだ。
沸点も常圧で-268.93度と、ほとんど気体の状態にしかならない。-269度という極々限られた範囲内でのみ液体として存在でき、強い冷媒性能を生かして核磁気共鳴画像法や核磁気共鳴、脳磁図等に用いられる超伝導電磁石の冷却などに使用される。




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  • そもそも摂氏は水の沸点融点を基準にしているから、逆説的だけど水も「特徴的な融点/沸点」と言えなくもない -- 名無しさん (2023-02-24 17:55:46)
  • 宇宙に人間が生身で放り出されたら「息ができなくて窒息死する」って表現があるけど、実際は「体液が沸騰して体が爆発四散する」が正解と聞いたが本当なんだろうか -- 名無しさん (2023-02-24 18:11:11)
  • ↑それもガセ。元の圧力が高いから沸騰しないらしい -- 名無しさん (2023-02-24 19:57:32)
  • 空想科学漫画読本で柳田理科雄さんが魚で真空実験をしたら爆発はしなかったって書いてたな。目が飛び出したりはしたようだが。 -- 名無しさん (2023-02-24 22:34:13)
  • なおフランシウムはかなり半減期の短い放射性物質なので、人間の体温より前に自分が発する熱で融ける模様。 -- 名無しさん (2023-02-25 01:48:07)
  • 昇華⇔昇華って呼び方変わったのか 知らなかった -- 名無しさん (2023-02-25 02:20:30)
  • ↑5 身体が爆発、は気圧の反作用がそのまま残って破裂するという誤解から生まれたものらしい -- 名無しさん (2023-02-26 08:39:06)
  • ↑6融点や凝固点とは違う話だが、水の特殊な点は「氷が水に浮かぶ」ということにある。 -- 名無しさん (2023-03-01 21:51:01)
  • ありがとう、宇宙に行っても爆発死はしないんだね。あまりいい状態ではないが死体は残るようだ -- 名無しさん (2023-03-02 09:56:17)

#comment

*1 というより、摂氏温度であれば水の融点を0度、沸点を100度として温度の基準は決められている。ただし、気圧などの条件変化の問題もあり、正確に融点が0度、沸点が100度とは見なされていないが…
*2 更に余談だが、本件は1980年代から呼び名を変更すべきだと物理学者から提言されていたようである。

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コメント

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