登録日:2016/08/08 (月) 17:15:19
更新日:2023/07/29 Sat 18:42:55
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金田一少年の事件簿 金田一少年シリーズエピソード項目 犯人たちの事件簿 堂本版金田一 金田一友人喪失シリーズ 悲劇 鬼畜な被害者 涙腺崩壊 怪盗 絵画 (人名)の殺人=冤罪フラグ 怪盗紳士の殺人 青森県 見立て殺人 アリバイトリック 屋敷 山荘 アトリエ 南十字星 朝顔 アサガオ 金田一恒例「屑な医療関係者」 鬱展開 金田一恒例のクズ被害者 命を「侮辱した」奴等 身勝手な人間達 救うべき加害者 裁くべき被害者 容疑者の多くが悪人面 怪盗紳士 ラベンダー 熟女の全裸 コギャルのケツ コソ泥天文学者 キス→破滅の方程式 我が愛する娘の肖像 波照間島 リムジン 何が画伯だ 一のトラウマ
とんだ茶番劇だった。
次回は本物が,
絵をいただきに参上する。
ゆめゆめ御油断
なさらぬよう・・・・
怪盗紳士
「怪盗紳士の殺人」とは、金田一少年の事件簿での事件の1つであり、かつて金田一少年が解決した事件の一つ。
単行本17巻~18巻に収録。全13話。
テレビドラマでは第2シーズン第5話・第6話として1996年8月10日と17日に、テレビアニメでは第10話~第12話として1997年6月9日~23日にかけて放送された。
新キャラ(犬だけど)登場と同時に、とても悲しい結末を迎えた事件といえる。
登場する怪人は「怪盗紳士」。
アニメ版の容疑者リストの順番は上段が左から小宮山、さくら、蒲生、和久田で、下段が海津、羽沢、醍醐、吉良でバックはラベンダー色。
【あらすじ】
美術品と、その「モチーフとなった物も盗む」ユニークな神出鬼没の盗人・怪盗紳士。
そんな怪盗紳士の次なるターゲットは、世界的に有名な画伯・蒲生剛三の描いた肖像画に定められた。
剣持警部に怪盗紳士を捕まえるのを手伝うように頼まれた一は、美雪と共に青森にある蒲生の屋敷を訪れる。
するとそこには転校していったかつての同級生、さくらの姿があった。なんとさくらは蒲生の娘だったのだ。
そこで怪盗紳士は予告通りに肖像画を盗むが、その直後、モデルとなっていたさくらが誘拐され、髪をバッサリ切られた状態で発見される。
それは蒲生邸を舞台にして起こる連続殺人事件の序章に過ぎなかった…。
(以下、ネタバレにご注意ください)
【事件関係者】
今回の関係者はレベルの高い変わり者が多い。
言動が胡散臭い反面、皆専門分野に関してはまごう事なき一流。
生存者の専門知識が物語の鍵を握る描写も多い。
- 和泉さくら(蒲生さくら)
CV:皆口裕子/演:遠藤久美子
不動高校2年生で、三つ編みおさげのメガネ少女。
屋上でイジメを受けていたところを一に助けられるが、直後に転校。
実は蒲生剛三の生き別れの娘である事が判明し、蒲生に引き取られていた。
転校前は地味な印象だったが、本来はウェーブヘアーの目の覚めるような美人であり、スタイルもかなり良い。
蒲生邸で再会した時は外見のあまりの変わり様に一も美雪も心底驚いていた。
胸に蝶のような痣と白のレースのブラがある。
「怪盗紳士」により自身の肖像画が盗まれた後、誘拐され髪を切られる。
アニメ版の中の人はのちの剣持夫人。
- 小宮山吾郎(こみやま ごろう)
CV:西村知道/演:徳井優
蒲生家の執事で、45歳。
年齢よりだいぶ老けて見える紳士。
穏やかで優しい人物であり、和久田の嫌味からさり気なくさくらを庇う等、機転がきく一面もある。
ちなみにアニメ版では剣持が小宮山についても調べており「4か月前にふらりとやってきて、それ以前の経歴は不明」と、彼について述べている。
- 蒲生剛三(がもう ごうぞう)
CV:矢田耕司/演:深水三章
さくらの父で、画伯。53歳。
極度の乗り物嫌いで、ここ数年は自宅にこもり、自宅から見える風景ばかり描いてるらしい(小宮山によると、辛うじて乗れるのは特注した大型リムジンくらいで、それでも長時間の移動には耐えられないらしい)。
吉良からは「彼の絵は代作家(ゴースト)が描いている」と評される。
海津が殺された事で何かに気付き、どこかへ電話を掛けようとしたが、その隙に「怪盗紳士」から襲われ気絶。
両目を潰されて監禁された後、屋敷の本館に電話を掛けて助けを求めたが、今度はその最中に撲殺される。
死体は「蒲生が岩場で釣りをしている絵」に見たてられ、釣り人姿で崖下へ放り投げられる。
ドラマ版では少々陰気な性格で、剣持以外の警察関係者を屋敷の中に入れないという程、警察を毛嫌いしている。
なお、原作の一の様に髪を少しだけ後ろで束ねている。
- 海津里美(かいづ さとみ)
CV:横尾まり/演:日野美歌
蒲生剛三の付添医師で、32歳。
グラマーな熟女だがやや下半身は太めで、やや老け顔気味。
初登場時はさくらに慰めの言葉をかける等、味方かと思われたが…
蒲生とは恋人関係(蒲生は結婚していないので愛人ではない)であり、自分がお払い箱になる事を恐れてさくらを毒殺しようとしていたところを「怪盗紳士」により絞殺され、「海津が庭園の池でヌードになっている絵」に見立られ、庭園の池で全裸で発見される。
アニメ版では池が深いせいで不鮮明だったが、やはり全裸だった。
ドラマ版では蒲生の秘書という設定になっている。
さくらの事で蒲生と口論になり、苛立った様子で中庭を歩いていたところ、怪盗紳士からメッタ刺しにされ、殺害された。
でもどうして演歌歌手が本業の彼女を役に選んだのか気になる…。
- 和久田春彦(わくた はるひこ)
CV:難波圭一/演:相島一之
蒲生剛三の甥で、天文学者。34歳。
挙動不審な言動が目立つうさんくさい小物で、とある大学で講師をしているが、教え子に手を出してしまい、手切れ金を請求されて金に困っているらしい。
蒲生の絵を盗もうとして失敗し一に見破られるが、それでも再び盗む機会をうかがう図太いヤツ。
だが天文学に関する知識は確かで、一に事件解決のヒントを教えた。
ドラマ版の職業は不詳だが、剣持の調べではどうしようもない遊び人との事らしい……。
ちなみにアニメ版の中の人は準レギュラーの彼も演じている。
- 羽沢星次(はざわ せいじ)
CV:二又一成
画商。27歳。
いかにもな悪人面のイケメンで、詐欺のような手口で絵を買い上げていると噂される。
実際口は上手いがウソを吐くのも得意。
中盤、和久田を使って蒲生の絵をちょろまかそうとしていたが、一に見破られ、黙ってもらう代わりに彼に協力した。
画商としての眼力は本物であり、作風が変わってからの蒲生の絵のタッチの特徴を網羅している。
なお、画廊に養子として入り、養父が病死したため二代目となったという事だが、病死の原因が彼という噂もあったりする。
(これについては事件の可能性もあるが、それ以降全く触れられず)
小宮山さんによると、「先代の画商はとても良い人だったが、二代目の星次様は絵を見る目は確かなものの、やり方が強引すぎる」との評判らしい。
- 醍醐真紀(だいご まき)
CV:百々麻子/演:児島未散
美術雑誌の記者で、24歳。この話のおっぱい要員。
一たちに気さくに接してくる。
剣持の調べによれば既に両親は他界しているらしい。
ちなみにドラマ版の演者の実父は『ゴジラ』の主人公の尾形秀人や、アニメ版の『アラジン』のジャファーの声で有名な宝田明氏である。
- 吉良勘治郎(きら かんじろう)
CV:笹岡繁蔵/演:江藤漢(現・江藤漢斉)
画家。55歳。
元は蒲生と並ぶくらいの売れっ子だったが、ここ数年ぷっつりと絵を描かなくなってしまい、飲んだくれている。
さくらの養父が、画家として才能がありながらも何故売れなかったのかと疑問に思った一に対し「この業界はコネが無ければ成功出来ない」「箔の付く公募展は殆どが審査員の弟子が大賞を採る」と、画壇の現実を伝えている(そんな現実を知ってか、完全に心がすさみ切って上記の様に飲んだくれになってしまったのだろう)。
更に、その吉良の話に「なんかいかさま臭いですよね」と返した一に、「この国はそういう国なんだ」「画家も世渡り上手なら、才能はそこそこでも出世できる」と言っており、吉良自身も世渡りが上手で無かったからこそ、この世の現実を悟った発言をしたのだろう。
15年前、蒲生に自分のモチーフを盗用された経験があるらしく*1、蒲生を心底憎んでいる。
性格はヒネているが、絵を見る目は確かであり、蒲生の絵の急激な変化を見抜き、裏があると勘ぐっている。
ドラマ版では坊主頭にサングラスと、いかついやくざ風のおじさんとなっている。
- 岸一成(きし いっせい)
演:横山輝一
ハイキング中のフリーターで、28歳。
細目の優男な風貌をした男。
蒲生邸付近をウロウロしていたところ、犯人と間違われ連れてこられた事がきっかけで、事件に巻き込まれてしまう。
実はフリーターではなくフリーデザイナーで、さくらの絵が描かれたと思われるスケッチブックを所持しているが…
- ポアロ
蒲生邸で飼われているかわいい子犬。
多分品種はトイプードルと思われる。(ドラマ版では柴犬)
自慢の嗅覚で名推理(?)を披露し、岸の無実を晴らした一お墨付きの名探偵犬。
さくらのスカートの中に飛びこんだ時は、一同様うらやましい奴と思った読者も少なくないだろう。
基本的に世話は小宮山とさくらがしている。
何故かラベンダーの匂いが嫌いで、事件の重大なヒントを与える存在となる。
- 鷲尾敬吾(わしお けいご)(ドラマ版のみ)
演:金杉幸太郎
画商で、鷲尾画廊の社長。
蒲生の絵の取引を行っており、彼に肖像画を描いてもらっている。
ドラマ版の第1の被害者で、肖像画を盗まれた後で、東京にある自身の画廊の外に遺体が吊るされていたのを発見される。
肖像画を盗まれたので、遺体は無残に顔面を潰されていた。
尚、素顔は肖像画で確認できるが、演者は不明。
- 真壁実(まかべ みのる)(ドラマ版のみ)
演:遠藤司
真壁の弟で、不動中学1年生。
眼鏡と髪型・服装が兄にそっくりなマセたお子様。
美雪の代わりとして蒲生邸に同行した兄にちゃっかり付いてきた。
【レギュラー陣】
- 金田一一
おなじみ主人公。
屋上で怪盗紳士の噂を耳にしていたところでイジメを受けていたさくらと遭遇し、そしてなかなかえげつない手段で彼女を助けた喰えない男。
それがきっかけで彼女と知り合う。
事件の中、さくらにキスを迫られるが、ギリギリで踏み止まった。
直後、そこに美雪が来たので、踏み止まっていなかったらどんな目に遭わされていたことやら…。彼も、踏み止まったことで心底安堵していた。
ドラマ版ではこの回から「金田一はじめ」と表記された。
- 七瀬美雪
おなじみヒロイン。
本邦初、一に「犯人はハンググライダーでアリバイを作った」という「迷」推理を披露するも、「朝っぱらから目立つ」と一に呆れられてしまった。30分後の推理アニメではハングライダーでアリバイ作りをするトリックが使われた回があったが…
今回はさくらとのストーリーがメインの為、比較的おとなしい。
さくらにキスを迫られた一が「UFO」でごまかした際、すぐに後ろから現れた為、一が思い止まっていなかったら、彼をフルボッコにしていた可能性も…。
ドラマ版では沖縄旅行に出かけていた為、一に同行しない。
その代わり、登場しないいつきの代わりに波照間島での出来事を調べる役になっており、原作よりも重要な役割を担っている。
- 剣持勇
おなじみオッサン。
怪盗紳士の事件を担当しており、一に協力を依頼する。
この回の序盤、年齢が4?歳と表記されているコマがある。
- いつき陽介
準レギュラー。
一の要求一つで、その場から沖縄の波照間島まで飛んで、必要な情報をあっさり調べ上げてしまう便利ツール。
『金田一少年の殺人』での借りを返す意味もあったんだろう。
- 真壁誠(ドラマ版のみ)
ドラマ版では原作のゲストキャラの代役として様々な事件に関係してきた彼だが、今回は「さくらに片想いしている」というゲストキャラの役割兼任とは全く関係ない設定が追加される事に。
更にはオリジナルキャラの弟・実まで登場し、唐突な弟の登場に、一には「『誠』と『実』で誠実ブラザーズってか?」とからかわれた。
髪型と眼鏡がそっくりな弟がいるという点は、原作における佐木を思わせる設定と言えなくもない。
- 都築瑞穂
いつきが引き取った「金田一少年の殺人」の犯人・都築哲雄の娘。
本人は登場しないが、いつきの部屋に飾られていた、小学校で描いたと思われる絵に、「二年四組つづきみづほ」と、名前だけ登場している。
元気にやっているらしい。
- 向井猛夫
剣持の部下。ドラマオリジナルキャラクター。
蒲生が剣持以外の警察関係者の屋敷への出入りを許可しなかったので、仕方なく一日中屋敷外の警備をする事となる。
【その他の人物】
- 和泉宣彦(いずみ のぶひこ)
CV:田中秀幸/演:中島陽典
さくらの養父。
蒲生と同じ画家であったが、自分は美大も出ておらず、人付き合いが下手だから売れるわけがないと、さくらに話していたという。
5年前に失踪したらしいが……。
- 大河内善助(おおこうち ぜんすけ)
CV:大友龍三郎
青森県警の警部。54歳。類人猿。
現場に到着して早々に剣持を無能扱いし、一の事も「探偵きどり」と信用せず、犯人を「怪盗紳士」と決めつけ強引な捜査を行うという、典型的なポンコツ刑事。
本庁の警部である剣持に人一倍の対抗心を燃やし、蒲生の屋敷の警備の指揮を執るが、怪盗紳士には終始いいようにあしらわれていた。
序盤では絵を盗もうとした和久田を怪盗紳士と決めつけて連行しようとするが、一にそれが間違いである事をあっさり証明されてしまい、剣持に皮肉たっぷりに慰められていた。
だが、『金田一少年の殺人』の長島警部ほどは陰湿ではなく、コミカルなところも多いので、どこか憎めないオヤジである。
青森県警といえば準レギュラーのあの人がいるはずだが、出てこなかったのは所属する課の違い(泥棒は捜査三課の担当)だと思われるが、その為か殺人事件の捜査にはあまり関わってこない。
某小学生が活躍する物語「もののけ倉でお宝バトル」(単行本66巻収録)に詳しい説明があるので、詳細を知りたい方はそちらに目を通す事をおすすめします。
- 黒川(くろかわ)
プロローグで登場した怪盗紳士に協力し、変装の手伝いをしている人物。性別と下の名前は不明で黒髪の長髪が特徴。
特殊メイクのプロだと思われ、怪盗紳士に変装のメイクを施す。
高値の報酬で仕事をし、その腕前は怪盗紳士に「肉親でもない限り本物と見分けがつかない」と称されるほど。
- 不良女生徒2人組
CV:大川千帆、渡邊美香
オープニングで登場した不動高校のコギャル系の女生徒2人組。素行の悪いヤンキーのようだが、なかなかの美人。それぞれ茶髪のソバージュと金髪のトサカ前髪の当時の世相を反映した髪型が特徴で、一のことを「キンダニ」と呼んでおり、彼の事を知っている為、おそらく2年生と思われる。
おとなしい女子を捕まえては、パンツを脱がして怪しい店に売る事で小遣い稼ぎをしているらしく、さくらに狙いをつけて屋上で絡んでいた。
だが、彼女を助けるべく割り込んだ一のスリの手腕によって、
報復とばかりに逆に自分たちがパンツを盗られて直後に吹いた風でいいお尻を披露するハメに。
因果応報(もっともこれは一にも大いに問題があるが……)ともいえる醜態を晒した挙句、ノーパンで退散した。
ちなみに一は2人のブツを「人助けの副産物」としてちゃっかり自分のポケットに入れていたが、公式ガイドブックによると美雪にバレた際に速攻で彼女に没収されており、ちゃんと洗って返されたらしい。
アニメ版では流石にマズかったのか2人の要求物が金銭に変更され、このくだりは非常に残念ながらカットされている。
【以下、事件の核心。更なるネタバレにご注意ください】
あなたとはまたどこかで会えそうね!!金田一クン…
醍醐真紀(怪盗紳士)
世間を騒がせる怪盗紳士の正体。
もちろん顔や名前は別人のもので、黒川による特殊メイク。(肉親以外では見破れないという本人の発言と既に肉親が他界してるという警察の調べを合わせると、事実上彼女の変装を見破れる者は存在しなかったと思われる)
ちなみに本物の醍醐真紀はちゃんと実在していて、怪盗紳士が招待主とも知らず、地球の裏側でのバカンスを楽しんでいるらしい。彼女に化けたのは、警察に身元を調べられてもボロが出ないよう、肉親のいない天涯孤独の人間を選んだためだった。
女性にしては背が高く、ライダースーツに身を包んだけしからんオッパイボディは、100%天然モノとのこと。醍醐真紀に化けていたためショートヘアだったが、実際の彼女はロングヘア。
シルクハットとカイゼル髭をモチーフにしたトレードマークを含め、「『紳士』と名乗るからには男だろう」という思い込みを利用していたわけである。
あと、彼女の正体を知った上で見返すと、「醍醐真紀」としての言葉もほとんど演技でなく素である事がわかる。*2
「縦向き」50号サイズの「我が愛する娘の肖像」を、同じサイズの「横向き」の複製画の下に隠す(人が出入りする部屋に飾られた複製画に隠していたあたり、大胆というかなんというか・・・)、という盲点を突いたトリックで持ち出そうとするが、一に見破られて失敗。
実はさくらをモチーフにした蒲生の作品を、ルノワール美術展に送り付けたのは彼女ではなかった。
彼女は自分の名を騙る不届き者の正体を暴くために蒲生邸に乗り込み、モノのついでにさくらの肖像画を盗んだに過ぎなかったのだ。
もちろん、蒲生と海津を殺したのも彼女ではなく、ラベンダー荘で彼女がしたのは、和久田が盗んだ絵を元に戻した事とさくらの絵を盗んだ事だけである。
待ち伏せしていた一に気づき、拳銃を突きつけたが、ただの脅しで済ませている。これについては、銃が元々モデルガンだった可能性もあるが、仮に本物の銃だったとしても、人を傷つけることを嫌う怪盗紳士なので、最初から撃つ気など無かったのかもしれない。
最終的には絵を盗み、一に自分の無実を証明してもらうよう頼んだ上で目の前で逃走した(しかし実際には一があらかじめすり替えておいた複製画を掴まされてしまった)。
ちなみに、彼女がさくらを実際にどうやって「モチーフを盗む」つもりだったのかは地味に不明。付けヒゲでも付けるつもりだったのだろうか?(それはそれで女の子としては恥ずかしいが…)
実は偽者が現れた時に区別できるよう、自身が出す本物のカードには「怪」の字のりっしんべんの下をはねる、という仕掛けがしてあった。
なお、ドラマ版ではこの設定はカットされ、一が蒲生と海津を殺したのが彼女では無いと確信する動機も「絵に目が肥えている怪盗紳士が、蒲生の肖像画が複製画である事を見抜けないわけがない」という理由に置き換えられていた。
(ちなみに、ドラマ版では釣りをしている蒲生の絵は複製画という設定になっていた)
その為、偽の怪盗紳士のカードも、醍醐真紀のカードと同じ様に「怪」の字のりっしんべんの下ははねている。
ちなみに、ドラマ版では冒頭で白イルカの絵とモデルとなった白イルカを盗む(どうやって?)という犯行を行っており、「白イルカはいるか? もういない」という渾身のオヤジギャグをかましている。
ウェーブのかかった灰色っぽい長髪のカツラに真っ黒なガスマスクとクシルクハット、黒づくめの恰好という怪人風の出で立ちで犯行を行っており、トレードマークもガスマスクとシルクハットモチーフのものになっている。
【以下、悲しい真相…真のネタバレにつきご注意ください】
金田一君の言う通りよ…
蒲生剛三と海津里美…
あのおぞましい金の亡者たちを殺したのはこのあたし…
あたしがこの手で――
殺してやったのよ…!!
和泉さくら
この事件の真犯人「もう一人の怪盗紳士」。
自分の絵の盗難も、誘拐騒ぎも、髪を切られたのも、全て自作自演だった。
彼女は蒲生剛三の娘ではなく、蒲生の代理として絵を描いていた無名の画家・和泉宣彦の娘だった。
と言っても、宣彦との血縁関係は定かでなく、本当の父親は後述の小宮山である可能性も指摘されている。
幼い頃から父親を慕ってきた彼女だったが、彼がある日蒲生の館に呼び出されたことを境に連絡が取れなくなってしまったことに不信感を抱く。
父の行方を捜していたさくらは、知り合いから波照間島のとある病院に、彼に似た人物が入院していることを知る(ドラマ版では死んだ母が残した日記に、波照間島より連絡があり、父が麻薬中毒により療養中と書かれた文章を見て知る)。
会いに行ったさくらがそこで見たものは、記憶を失い廃人同然になりながらも、ラベンダーの絵を描き続ける父の姿だった。
父と別れた当時のイメージに近い自分を見れば記憶を取り戻すと考えて着飾るものの、それでも父に変化がないため途方に暮れた末にうたた寝してしまう。
しかし目を覚ました彼女は、父が一心不乱に自分の絵を描き続けていたことに気付く。
そして渾身の一枚を描き上げ愛する娘の名を呼び微笑む父の姿に、さくらは歓喜の涙を流す。
だが次の瞬間、父の命の灯は消えていた…
父の死後、父の作品と全く同じ作品(その作品は蒲生の再デビュー作として評価された一枚一億円と言われる「ラベンダー」である)が蒲生のものとして発表されているという事実を知った彼女は、蒲生が自分の父の作品を自分のものと偽っていると感づいた。その証拠をつかみ父の死の真相を探り出すべく、父が最期に描いた自身の肖像画を「怪盗紳士が蒲生の元から盗んだが、その絵の美しさに惚れふさわしい名誉を与えるべく出展した」という名目で美術展に送り付けた。目論見どおり、蒲生が生き別れの娘の存在という嘘の芝居を打ってきたことに乗じて蒲生の娘として蒲生邸に入り込むことに成功する。
そこで彼女が知ったことの真相は、あまりにも卑劣で許しがたい事実だった。蒲生が父をゴーストとして利用した末に、用済みと称して抹殺したのだ。蒲生への怒りと憎しみにかられたさくらは復讐を決意し、一連の事件を怪盗紳士の仕業に見せかける殺人計画を敢行した。
人を傷つけないポリシーを持つ怪盗紳士がいきなり殺人を犯したのではおかしいと、ワンクッション置く意味で、木がモチーフの絵を盗んでその木を燃やすことで、怪盗紳士が残虐な犯罪者に豹変した、というイメージを作った。
しかし、本物の怪盗紳士が自分の自画像の絵を盗んだのを知り、そのままだと同じようにモデルを務めた絵を盗まれた3人のうち自分だけが五体満足で済んでしまうことになり、「モチーフを盗む」という本物の怪盗紳士のもう1つのポリシーに反する。そうなると、自分が疑われる可能性があることから、とっさに自分で自分の髪を切り、怪盗紳士に襲われたと見せかける。髪を切ったのは、「木を燃やす」ことで表現した「豹変した怪盗紳士」の残虐性のイメージを崩さないためでもあった。
蒲生殺しの際は車のトランクに死体を入れて運ぶトリックを使ったが、大の男を女手一つであちこち運び回るという、女性一人の身では大変な大仕事をやり遂げている。
蒲生を気絶させ、本館のガレージにあるリムジンのトランクに押し込み両目を潰す(アニメ版ではガムテープを両目に貼った)。
そばにラベンダーを置いて匂いでラベンダー荘にいると誤認させてコードレス電話で一に伝える時に撲殺することで、事前にラベンダー荘を荒らしてそこで殺害されたと思い込ませた。
一たちが帰るときにポアロが荷物にやたらと吠えてきたのを見て、トランクにラベンダーが置かれていたこと、一たちがラベンダー荘に行くときに唯一車内にいて、トランク内の死体を運べたのは彼女しかいなかったことから暴かれた。皮肉にも「本物の飼い犬」に手をかまれる形になった。
本物の怪盗紳士が「女」だったことで、自身の「大柄な男だった」という証言と矛盾が生じてしまった*3ことと、本物の方のカードに仕込まれた仕掛けを知らず、異なるものを用意してしまったことで、一に「怪盗紳士がもう1人いること」に気づかれてしまった。
計画通り犯行を成し遂げ復讐を果たしたさくらであったが、そこで得られたのは満足感などではなく言いようのない喪失感と血で汚れた自分だけであった。
そしてさくらは気づいてしまう…
自らの手を血に染めてしまった自分は、あのラベンダーの花畑にはもう二度と帰れない――――
犯行を自供した後、隠し持っていたナイフを自分の胸に突き立て自殺を図る。
山奥の山荘は救急車が着くまでに時間がかかり過ぎる場所であったため手の打ちようがない状況であった。
前述の不動高校時のイジメから一に助けられたことがきっかけで彼に強い好意を寄せていたようで、最期に一に告白した後静かに息を引き取った。
作中では「あのね、あたし…あなたのこと…」までしか記述されていないが、一と二人きりになった時に目を瞑って「キスされても構わない」態度を取っていたことからも、
間違いなく続く言葉は「好き」であったと思われる。もっと早くに告げることができていたなら、彼女の運命も変わっていたのかもしれない…。
一の推理に対しては一切の弁明を行わず(小宮山は彼女を庇ったが彼女自身は一の推理に反論しなかった)、
一の推理がなくても目的を果たしたら最初から死ぬつもりだった可能性が高い。
怪盗紳士に関しても、上記の通り
- カードの仕掛けに気付かなかった
- 男だと証言してしまった
- 蒲生殺しの際に彼女のアリバイを証明してしまった(一達と行動を共にしていた彼女に犯行は不可能)
- そもそも本物が来ることを想定していなかった
…などなど、彼女に全ての罪を着せるには細かい粗が目立つ為、最初から彼女に本当に罪を着せるつもりはなく、あくまで時間稼ぎ程度のものだったのかもしれない。
実は「怪盗紳士」と「真犯人」が別人である事は結構あからさまに伏線を張っており、
- 怪盗紳士(本物)→目元が隠れて口元が表してある。あとよく喋る。
- 怪盗紳士(偽者)→目元が光って凶悪な印象になっている。喋らない。
と、恒例のシルエットの時点でも違いがハッキリと描かれている。
彼女の自殺に対して一は、
生きてりゃ罪はつぐなえるんだぞ…
思い出だって作り直せるハズなんだ………そうだろ?
本気で望めば人はいくらだってやり直せるんだ!生きてさえいりゃ…
…なのに…
どうして死んじまうんだよ!?どうして!!
そう叫び号泣した。
一はさくらを追い詰める際に終始険しい表情を浮かべ続けておりその苦悩がうかがえ、さくらの死に際しての彼の叫びはそんな彼の感情を如実に表している。
後に『誰が女神を殺したか?』の事件にて、遺影として出演している。
原作回で不動高校関係者で犯人だったのは『悲恋湖伝説殺人事件』の遠野英治以来であり、死亡した例では『異人館ホテル殺人事件』の佐木竜太以来である。
- 和泉宣彦
さくらの本当の父親。
画家としてはとてつもない才能を秘めていたが、北海道の片田舎に住んでいた事や世渡りがあまり上手ではないために、画壇では注目されておらず全くの無名であった。
そのため幼少期のさくらは貧しい生活を強いられていたが、それを全く気にもせずに父を慕っていた。
そんなある日、偶然蒲生に見初められた彼は、「デビューを後押しする」という蒲生の誘いに乗って彼の弟子となる。
始めて掴んだこの願ってもないチャンスに和泉は喜び、蒲生の元ではとても生き生きとしながら絵を描いていた。
(どうやら彼自身は妻と娘に苦労を掛けていた事に負い目を感じていたようで、さくらが言っていた「(お酒を飲む度)自分は成功しないと愚痴っていた」と言うのは本当だったと思われる)
…が、その実蒲生は既に画家としては行き詰っており、和泉は蒲生のゴーストとして目を付けられたに過ぎず、半ば軟禁状態に置かれながらも師匠である蒲生の言葉を信じ、絵を描き続けていた。
やがて彼は蒲生に利用されていたことに気付いてしまうが、その直後蒲生と海津に口封じのために薬物を注射され、波照間島の病院に強制的に入院させられてしまう。
さくらが居場所を突き止め彼を見つけた時には、既に薬物の影響で記憶を失くし廃人同然となっており、自分が誰かも分からぬままひたすらに(ゴースト時代と変わらないハイレベルな)絵を描くだけの日々を送っていた。
死の直前、全身全霊を賭けた肖像画を描き終えて、さくらのことを思い出し、その愛する娘の名を呟いて息を引き取った。
「我が愛する娘の肖像」とはさくらが付けたタイトルだが、和泉宣彦にとってこの絵は愛する娘のために命を削ってまで描いた渾身の一作である。
一がこの絵を見たとき、南十字星が描かれているのに気づき、日本で唯一それが見られる波照間島現地で宣彦がさくらを描いたもので、乗り物嫌いで遠出のできない蒲生が描けるわけないと気づいた。
事件後、蒲生が奪った作品はすべて和泉宣彦の作品と認められ、皮肉にも事件をきっかけとして悲劇の天才画家として脚光を浴びることとなった。
しかし今の医学は恐ろしいモンだ!
注射一本で人間をボロクズのようにしちまうんだからな……!
- 蒲生剛三
- 海津里美
- 鷲尾(ドラマ版)
自分の名声と地位の確立のために、さくらの父を利用するだけ利用した後、ボロボロの病人にしてゴミのように捨てたとんでもないゲスコンビ(ドラマではトリオ)。
蒲生は最初こそは出来心で弟子である和泉の絵を自分の絵として発表したが、その絵は予想以上に高い値がついてしまい、完全に味を占めた蒲生は海津と共謀し、和泉親子をとことんまで利用することを思いつく。
ちなみに、「大の乗り物嫌い」という話は恐らく和泉宣彦の軟禁等を誤魔化すのための誇張したもの*4。
海津は医師の経歴も手伝って薬物に詳しく、宣彦に注入した薬物の他に、怪盗紳士の犯行に見せ掛けてさくらを殺すために青酸カリも使おうとしていた医者失格の外道女。
自分が殺そうとしていた人間から、先手を打たれて逆に殺されるとは夢にも思わなかったであろう。
なお、『金田一』では結城先生や甲田先生のようにまともな医療関係者は非常に少なく、ろくでもない人物が圧倒的に多い為、そのほとんどは殺害されており、女医である海津は今までの『金田一』に登場したろくでもない医療関係者の中で最初に殺害された人物である。
そんな唯一のグルであった彼女の死ですら「これでさくらを自由に扱える」と切り捨てた蒲生も無論である。
一応、蒲生が画家として落ちぶれていた頃からの恋人であったため、最初こそは打算なしで愛し合っていたものと思われるが…
人間、あぶく銭を手にするとロクな事にならないという典型と言えるだろう。
挙句さくらが聞いているとも知らず「俺の名前で出したからあそこまで高く絵が売れたんだ」と開き直り、さらに「アイツも今ごろあの世で感謝してるだろう!」と父を侮辱する蒲生の言葉を聞いたさくらは、復讐を決意したのだった…
何も知らぬ者を利用して殺したという点は「金田一少年」でもトップクラスの吐き気を催す邪悪の一角であると言えるだろう。
余談だが、このゲスっぷりに脚本家や監督からも怒りを買ったのか、ドラマ版では海津を殺害する際にはナイフでメッタ刺しにしており、ドラマオリジナルの共犯者・鷲尾は後述のように(ジェイソンみたいに)死体の顔面をグチャグチャに潰され、元凶である蒲生に至っては、実際に犯人がアイスピックで両目を潰すシーンが回想で描かれた……など、原作よりも更に怨念の籠った残虐な演出が施されている。
- さくらの母親
宣彦の妻であり、さくらの母親
暮らしは楽でないが、宣彦やさくらを大切に思い、パートで家計を支えるなど、優しい性格の女性である。
さくら達の住む小さな町では働き口はなく、遠くの町までパートに通っており、しだいに体を壊してしまった。それでも宣彦が帰ってくることを信じ続けており、「お父さんが帰ってきたら、三人であのラベンダー畑へピクニックに行きましょ。」とさくらに言っていた。
しかし、その願いが叶わないまま、病死してしまった。
- 小宮山吾郎
実は彼の妻にはさくらの胸にあった痣と同じものがあったため、さくらは彼が過去に捨てた妻の娘である可能性が指摘された。
訳あって妊娠中の妻を捨て、妻は女の子を産み落として亡くなり、女の子は誰かに引き取られていたらしい。
彼の妻もさくら同様に、高校時代に痣が出たと言うので、親子の可能性は極めて高い。
…一体何人いるんだ父親…。紛らわしいしこの設定必要だったのか?
と言いたいが金田一も述べていた通り「蒲生が宣彦から養子であると話されていたからさくらを身内としてすんなり受け入れた」と説得力が増している面もある。
富豪である蒲生剛三の娘として暮らせれば、たらい回しの人生を歩んだ彼女が幸せになれると思い、自分は素性を黙って側で執事として働いていたが、それが最悪の結果を招いてしまった。
事件の後、そのことを早く打ち明けていればさくらを救えたかもしれないことを嘆いていた。
後に「誰が女神を殺したか?」で、さくらの遺影とともに(不動高校創立祭で出店をやっており、「ラベンダーまんじゅう」なるお菓子を売っている。
なお、本当に後味が悪いため、ドラマ版やアニメ版では、ばっさりカットされている。
- 和久田春彦
価値云々の前に絵自体にも惚れ込んでたのか、その後も懲りずに、「この絵は僕のモノだ」と和泉宣彦の絵をパクろうとするなど全然懲りてなかった。
蒲生の遺産は相続できるんだからそれで我慢しろよ…。
ドラマ版では、窃盗未遂を理由に相続権を剥奪されていたことがスペシャル特番「金田一少年の事件簿 永久保存版」で判明。
一が犯行を暴いたせいで人生を狂わされたと逆恨みして一を撲殺(実際には未遂)し、葬儀の場で実は生きていた一によって全てを暴かれ逮捕されるという改悪を受ける羽目に…。
- 岸一成
美大生だった頃スランプに陥いり、当時画風を変えたばかりだった蒲生の絵に魅了された彼は蒲生邸を訪れるが、憧れのあまり門前払いされても諦めきれず、無断で屋敷内に侵入し、アトリエにあった蒲生のスケッチブックを盗んでしまった。
今回はそれを返しに来ただけだったが、事件に巻き込まれてしまった。
なお、彼を魅了した絵を描いた画家も、彼が盗んだスケッチブックの持ち主も、実際には蒲生ではなく和泉宣彦であった。
事件後は「僕も(和泉宣彦に)会ってみたかった」と、今は亡き師と仰ぐはずだった男への思いを口にしていた。
なお、ドラマ版では残念な事に、さくらが隠していた海津の肖像画を偶然見つけだしており、それを勝手に持ち帰ろうとしていた。
しかし剣持には気づかれており、帰りの道中に車を止め、全員荷物を出させた上で岸の荷物から絵を取り出し、もう一人の怪盗紳士だと疑った。
(ただ、この時にポワロが全員の荷物に吠えた事で、一が蒲生殺害のトリックに気づき、難を逃れる)
結局、岸がどういう理由で海津の絵を持ち出そうとしていたかについては触れられておらず、本当は蒲生の絵が目的だったのではと言う悪い印象を残すという、少々後味の悪い形となってしまった。
(恐らく上記の様に、ポワロが荷物に吠えるという動機付けの為に、その様な設定に変えられたものと思われるが……)
結果としてドラマ版の岸は、良くも悪くも二度ポワロから助けられた事になる。
また、上記の改変によりスケッチブックのくだりがドラマでカットされた事により、さくらの胸にある痣に関する設定がどこかフワッとしたものとなってしまった。
- 吉良勘治郎
事件後は気力を取り戻したのか、酒もぱったり止め、すっきりした顔立ちになっていた。
飲んだくれていたのは憎い男が自分を踏み台にして汚い手段で成り上がったことや、才能のある作家が純粋に評価されることのない画壇に対する怒りからだったのだろう。小さい酒瓶に入れた酒程度でフラフラしていたので、元々お酒には弱かったのだろう。
彼の見立ては大正解で、「我が愛する娘の肖像」が蒲生でなく和泉の絵であることがわかり、「どうだ、俺の言った通りだろうが!!」と得意げになっていた。さすがかつては天才画家と呼ばれた男、絵を見る目や感性は錆びていなかったようである。
事件中には「才能があっても人脈に恵まれず世渡りが下手な画家は成功できない」と自身の経験からくる恨み節とも取れる言葉を一に語ったことがあったが、事件解決のあとには「彼なら蒲生の誘いに乗らずとも大成することができただろう。」と断言している。(この際、かつてのその言葉を反芻した一に対し「お前は何もわかってないな!」といっており、過去の発言を翻すその態度に一は「おーい;」とあきれる様子を見せていたw)
彼もまた、岸同様に和泉宣彦の絵で救われた一人と言えるだろう。元々才能はあるのだし、精力を傾けて渾身の傑作を描いて頂きたいものである。
最後の彼の言葉は、金田一シリーズ屈指の名言と言っていい。
- ポアロ
事件後は一が里親を探し、一の近所の小松さんの家に引き取られた(アニメ版では一自身が引き取った模様)。
- 怪盗紳士
原作及びアニメ版では複製画を掴まされたことに気が付き、事件の後で老婆に化けて一に返却しに来ている。
「ババァが脱皮した!?(by一)」
よほど悔しかったのか、一に自分が掴まされた複製画と重石入りの荷物を背負わせ、横断歩道のど真ん中に放置するというえげつない方法で…。
一や一緒にいた美雪が車にはねられたり、よけようとした車が事故でも起こしたらどうするつもりだったんだ?
重石にしても、男の一が身動きすらできないほどの重量をどうやって運んだのか、全く不明。
だが結果として、この複製画はさくらの形見にもなった。(ひょっとしたら、どこかでさくらの最期を知ったか見ていたのかもしれない)
その後「グランドフィナーレ」にて、一に別ルートで流れた和泉宣彦の絵を盗むことを公言している。
ドラマ版では複製画ではなく一が落書きした「へのへのもへじ」を掴まされるという原作以上に屈辱的な目に遭っているが、原作のように即座に仕返しするわけでもなく、事件後には一宛てに「私を甘く見ないで。今度は君を奪いに行くかもよ?」というキスマーク入りの手紙を送っている。
そしてスペシャル特番のエンディングにおいて参列者から集められた一への香典を盗んでいった。
この時の全身黒タイツで鯨幕に潜む彼女の姿は凄まじくシュール。
- 真壁誠(ドラマ版)
前述のようにさくらに片想いしていたものの、さくらからは友達としか思われておらずあっさり振られ、おまけにさくらが怪盗紳士に髪を切られたように装った際には彼女にスパナで思いっきり殴り倒されるという不憫な目に遭った。
墓場島での扱いも含め、金田一少年の事件簿には「準レギュラーほど酷い目に遭いやすい」というジンクスでもあるのだろうか…。
◇原作との違い
【ドラマ版】
- 美雪は沖縄旅行のため蒲生邸に同行せず、真壁とその弟・実が同行。兄を指して「去年から進歩が無い」と実が言うことから、第二期が第一期の翌年の設定であることがうかがえる。
- 真壁がさくらに思いを寄せているという設定が追加。
- さくらと一が交流を持つきっかけが大幅に変更。
- 冒頭で一がシーパラダイスツアーを企画するものの、女子参加者がさくらだけだったため男子参加者が全員帰ってしまう。
- この時さくらは自分が転校することを一に告げる。
その後、一が様子を見に来た真壁兄弟や美雪と一緒に行動しているところに張り込み中の剣持警部が現れ、
怪盗紳士が白イルカの絵とモデルとなった白イルカを盗むという犯行が起こる。
- 蒲生と取引のあった画商社長・鷲尾の肖像画が盗まれ、鷲尾の顔を潰された死体が画廊の外に吊るされているのが発見されるという犯行が起きる。
- 鷲尾は画商の立場を利用して蒲生に協力していた共犯者という設定。
- また和泉宣彦が波照間島で療養していたのも病院ではなく鷲尾の別荘という設定。
- 大河内が登場しない(その為、捜査の指揮は剣持が主導で行われている)
- さくらの胸の痣が蝶の形ではなく、星のような先の尖った菱形に変更。
- さくらが髪を切られる事件より海津の殺害の方が先に起こり、
さくらの髪が切られた際に一が窓ガラスの割れ方から内部犯だと気付く流れも海津殺害についてのものに変更されている。
- 恐らく、襲われたさくらが小屋で発見された段階で次週へ続くという流れにしたかったものと思われる。
- 海津殺害が絞殺ではなく刺殺に変更
- 滝で描かれた海津の肖像画が裸婦画ではなく布を体に巻きつけているものに変更され、死体もバスローブ姿で鎖に絡められたような形で立たされていた。
- さくらが髪が切られる事件が殺人発生後であるため、剣持や一が「我が愛する娘の肖像」の見張りをするなど警戒する描写が追加されている。
- 一たちがガスで眠らされた後、さくらの部屋の前で見張りをしていた真壁が異変に気づいて展示スペースに駆け付け、
絵が盗まれたことを知り慌てて戻ったところを殴り倒されるという流れになっている。
なお、絵を盗んだのは本物の怪盗紳士、真壁を殴り倒したのはさくらの犯行。
- 羽沢が登場しないため、怪盗紳士を捕まえる計画で「複製画を欲しい」と言う人物が一になっている。
- 怪盗紳士を尾行するシーンで原作では一のドジで怪盗紳士に気付かれて銃を突きつけられるが、ドラマ版では怪盗紳士には気付かれず怪盗紳士を包囲している。
- 怪盗紳士(醍醐真紀)が隠した「我が愛する娘の肖像」と取りに来た際、取り囲んだ剣持の肩を銃で撃ち、軽傷を負わせる。
その後、醍醐真紀は催涙弾でその場から逃げ、バイクで逃走する。剣持が車で追うも、彼女の挑発に気を取られ、自損事故を起こしてしまう。
- 醍醐真紀が仕掛けた「怪盗紳士」のカードのトリックはカット。
- 一がすり替えた絵は「我が愛する娘の肖像」の複製画から一の描いた「へのへのもへじ」の落書き画に変更。
- 事件後に怪盗紳士が一に報復する展開がラブレターもどきを送るものに変更。なお報復自体は別の話で形を変えて行われている。
- 真壁がさくらに好意を抱いており、告白するが失恋してしまい、一が「走れ真壁、南十字星へ(向かって)」とからかわれるシーンが追加。
- この時、南十字星の事を説明する人物が和久田から真壁の弟・実に変更。
- 波照間島での出来事を調べる役目をいつきではなく沖縄旅行中の美雪に変更。
- 岸が海津の肖像画を見つけ、持って行こうとするシーンが追加。
- しかし剣持に気づかれており、屋敷から出た直後に車を止め、全員荷物を降ろさせた上で岸のカバンから海津の肖像画を取り出す。
- そして、その出された荷物に向かってポワロが吠えた事で、一が蒲生殺害のトリックに気づく。
- なお、上記岸の設定変更により、岸が和泉のスケッチブックを返すシーンがカット(そもそも盗んでいなかった)。
- さくらの殺害人数が3人に増えた。
- さくらの一への感情は恋と呼べるほどではなく、自殺を図った後、一たちに対して「やっと友達ができたと思ってうれしかった」と口にしている。
- 真相解明後に自殺を図ったさくらを、一と真壁兄弟がラベンダー荘前のラベンダー畑に連れて行くシーンが追加。
- 怪盗紳士のトレードマークのデザインが変わり、シルクハット+ガスマスクのマークになった。
【アニメ版】
- 怪盗紳士が黒川にメイクをしてもらう場面はカット。
- 不良女生徒2人組の要求物が金銭に変更され、一が割り込んできたことに気が逸れて立ち去る展開に変更。
- 学校の水飲み場での一と美雪の台詞が変更。さくらが転校することを聞いた美雪が「去年転校してきたばかりなのに」と語っており、さくらが転校生という設定になっている。
- 「もう一人の怪盗紳士」に燃やされた木が登場しない。
- 岸一成が登場しない。
- 滝で描かれた海津の肖像画は海津が画家に背中を向けて、顔を後ろに振り向く形になっている。
- 怪盗紳士を捕まえる計画を立てる際、協力者が羽沢から和久田に変更。
- 醍醐真紀の逃走手段がバルーンからヘリコプターに変更。また逃走の際、警官隊により崖際に追いつめられる描写が追加。
- 蒲生は目にガムテープを張られて視界を奪われていた設定に変更。
- アニメ版で和泉のスケッチブックを盗んだ人間が羽沢に変更。
- さくらが自殺に使用したナイフが部屋の家具の引き出しに隠されていたものに変更。
- さくらは一に自分の思いを伝え切る前に息を引き取る。
- 小宮山がさくらの本当の父親である可能性を語る場面はカット。
- そのため、剣持が小宮山についても調べており「4か月前にふらりとやってきて、その前の経歴は不明」という設定が付け加えられた。
- 岸が登場しない為、吉良と岸がさくらの絵について語る場面はカット。
【余談】
ドラマ版で一を演じた堂本剛とさくらを演じた遠藤久美子はこの放送の2年半後の1999年1月から3月に同じ枠で放送されたドラマ『君といた未来のために~I'll be back~』でも共演しており、堂本は主人公の堀上篤志を、遠藤はその幼なじみでヒロインの山岸由佳を演じている。
なお、主人公の父親を演じたのはのちに2代目剣持を演じる内藤剛志である。
また、ドラマ版の終了後にTBS系列で始まったKinKi Kidsの冠番組である『バリキン7 賢者の戦略』においても、番組初期に遠藤がゲストとして出演し堂本と共演している。
【余談2】
翌1997年4月〜6月期、同枠で放送された「FiVE」で海津里美の絵が使用された。このドラマではともさかりえと遠藤久美子が共演している。
誰が何と言おうといいものはいい!
たしかにこの世界にゃ汚い事や、矛盾したことが山ほどあるがな
時代に名を残す名画には、そんな小賢しいモン吹っ飛ばす、人を圧倒する"パワー"ってもんがあんだ!
和泉宣彦の絵には… その"パワー"がある!!
by吉良勘治郎
追記・修正は盗んだ絵を返してからお願いします。
▷ コメント欄
コメントが多くなったのでリセット -- 名無しさん (2017-12-09 08:54:52)
蒲生が本当にクズだったのかは疑問とか、執筆者の推測とか想像みたいな記述はいらない -- 名無しさん (2018-01-12 13:02:38)
何巻か忘れたけど、カルトクイズでさくらのお父さんが一に感謝していたそうです。 -- 名無しさん (2018-02-01 04:34:04)
この話は確実に金田一の心に傷を負わせた事件。絶対、「俺が事件の真相を暴かなければ、さくらは死なずに済んだかもしれないのに…」と心のどこかで思ってそう -- ラララ (2018-03-09 11:49:52)
犯人総選挙でこれが下から数えた方が早い方なのは驚いた。これより下のは色々納得できるのに…やっぱりギャグで見たくない人が多いのかな…… -- 名無しさん (2018-03-30 09:06:20)
↑2 それでも暴き続ける金田一って・・・(なお獄門塾とかの時にも犯人は死んでる) -- 名無しさん (2018-03-30 10:03:03)
↑3 -- 名無しさん (2018-06-06 09:05:57)
↑ミスった。この後の墓場島の事件での桧山への台詞はさくらのあの最期があったのもあるだろうしね。 -- 名無しさん (2018-06-06 09:11:15)
夜咲く朝顔について説明するシーンはアニメではどうなってたの?(首吊り学園はアニメ化されてない) -- 名無しさん (2018-08-01 20:12:38)
さくらは金田一界女性犯人強敵何位かな -- 名無しさん (2018-08-12 16:13:23)
もし和泉宣彦が合理主義者だったら、利用されたことに気づいた段階で蒲生の名声を黙認してただろうな -- 名無しさん (2018-09-04 23:01:38)
↑2 けっこう下の方だと思う。 -- 名無しさん (2018-09-26 22:35:15)
怪盗紳士かわいい -- 名無しさん (2018-09-29 21:53:08)
↑4君、色んな記事にいるけど、男女で分ける合理性がよくわからん -- 名無しさん (2018-10-21 11:36:49)
普段ならギャグシーンでは、はじめがボケで美雪がツッコミのポジションだけど、ハンググライダーで逃げたと珍推理をかました場面では珍しくポジションが逆になってたwwwww -- 名無しさん (2018-11-12 19:24:33)
そりゃあはじめがギャグみたいな珍推理するわきゃねーからな -- 名無しさん (2018-11-27 20:20:41)
あのパンツ返したのか。正義感の強い美雪のことだから「こういう事は二度としないで!!」と注意しただろうね。 -- 名無しさん (2018-12-20 07:58:17)
回想シーンで蒲生が「金で折り合いつけてりゃあんな目にあわずに済んだ」と口にしていた辺り、当初は賄賂でさくらの父親を黙らせるつもりだったんだろうね -- 名無しさん (2018-12-20 13:17:43)
ハングライダーのギャグはFCの神宮寺三郎の第一作目が元ネタかな?こんなトリックを実際にやったせいでバカゲー扱いされてるのがなんとも… -- 名無しさん (2018-12-24 04:00:48)
↑3返す前に今までカツアゲした子たちに謝らせるか新しいの買って返させるとかしたんだろうね -- 名無しさん (2018-12-24 20:37:50)
ドラマ版は酷かった -- 名無しさん (2019-02-05 16:35:35)
この回の真壁(ドラマ版)はとにかく不憫。 -- 名無しさん (2019-02-22 01:20:19)
さくらはこの話の初めに助けてもらう前から金田一の事が好きだったのだろうか -- 名無しさん (2019-05-19 10:49:32)
それまで見てきた金田一の事件の中で一番驚かされた犯人だったと思う。今では魔犬の森の殺人の方が上だが -- 名無しさん (2019-05-19 17:33:06)
さくらはもっと前から一のこと好きだったんじゃないかな。不良女子たちの前に一が現れた時のリアクション見る限り。 -- 名無しさん (2019-07-08 15:07:58)
↑2 自分はそこまででも無かったな。二つ目の事件で早速「救うべきゲストヒロインが第一被害者」「もう一人救済すべきだったキャラが犯人」ってのをやってるので -- 名無しさん (2019-07-14 21:41:08)
「大賞を取れたのは審査員の独断」 -- 名無しさん (2019-12-10 19:03:55)
間違えた、↑記述を削除。「いいものはいい、あの絵には本物が持つパワーがある」という本編の記述と反するので。 -- 名無しさん (2019-12-10 19:05:29)
犯人の事件簿で改めて分かったけど、この事件歴代でも異人館村並に容疑者が曲者揃いだったなと思う。犯人なのにさくらが一番常識人に見えるまである。 -- 名無しさん (2020-05-07 19:53:35)
↑そして、怪盗紳士の情報の少なさに四苦八苦....。 -- 名無しさん (2020-05-07 19:58:30)
小宮山が真実を打ち明けていたとしてもさくらは復讐を思い止まっただろうか…一に宣彦さんの死の真相をさくらが話せる機会があったら一が蒲生達の犯罪を暴いてくれたかもだけど。たらればとはいえ哀しいなぁ。 -- 名無しさん (2020-05-19 01:23:27)
蒲生も蒲生で宣彦さんをちゃんと弟子として大々的の売り出せばよかったのにねぇ。それでも十分儲けは出せただろうし天才画家の才能を見出した人って名誉も手に入ったはずなのにね。宣彦さんの性格的に蒲生に恩義があるだろうからそれくらいの脚色は容認するだろうし -- 名無しさん (2020-05-30 10:52:15)
端からそんなまっとうなこと考えるような人間性ならこんな事件は起きてないよ -- 名無しさん (2020-07-15 09:49:14)
和久田は絵が欲しい抜かしていたが、あんな腐れ外道の血筋があるってバレたら生き地獄みるかも。いつきさんのおかげで薬物殺害やらの「あの有名画家の血塗られた経歴」とかで世間を賑わすだろうし -- 名無しさん (2020-09-24 20:02:38)
ハンググライダーをトリックに使うってのはアニオリのコナンにあったりする -- 名無しさん (2020-10-03 16:14:29)
そもそも殺人と窃盗では担当する課が違うんじゃなかった?コナンで言うなら中森はキッド絡み以外では出てこないみたいに -- 名無しさん (2021-01-01 11:52:26)
ドラマは余計なシーンが多すぎる印象。さくらが金田一に惚れてないのもイマイチ。 -- 名無しさん (2021-04-06 18:48:49)
↑2 しかしなぜか殺人課のはずの剣持のオッサンが「怪盗野郎の担当」になってて、怪盗紳士に「つきあいは長いのにちっとも捕まえてくれない」とか言われているという -- 名無しさん (2021-05-01 22:43:45)
境遇は可哀想でも怪盗紳士に罪着せてるのは控えめに言って卑劣だわな。記事内では何か精一杯フォローしてるけど、「時間稼ぎのために関係無い人に濡れ衣着せよう!」って発想がそもそもおかしいし、復讐対象は全員殺し終えてからも相手の無実を証明することより自分の保身優先してる時点でねぇ… -- 名無しさん (2021-05-13 08:44:28)
犯罪者だったらどれだけ叩いても良いって思ってる人も普通にいるからね。怪盗紳士って犯罪者に気を遣おうとは思わなかったんだろう。 -- 名無しさん (2021-05-13 09:15:12)
↑2まあこの漫画の犯人って、自分が不憫な境遇だから関係無い他人を振り回してもいいみたいなメンタリティを標準装備してるとこあるし。 -- 名無しさん (2021-05-25 20:08:23)
悲劇的なヒロインとしての面が強く描かれてただけに犯人たちの事件簿でのギャグ化さくらは一番ギャップ酷いと思う -- 名無しさん (2021-07-04 13:21:02)
↑2言い得て妙だな。自分の不幸アピールは盛大な割に復讐と無関係な人間が被った迷惑には無頓着な奴が多いのは分かる -- 名無しさん (2021-09-07 16:40:19)
↑5そんな無理やり両成敗感に持っていくのもどうかと。実際の事件でも『○○にも落ち度がー』って無理やり中立なりたがる人もいるけどなんで? -- 名無しさん (2021-09-07 16:55:01)
↑途中送信。そりゃ濡れ衣を着せるのはアウトだけど、動機や境遇全否定される筋合いもないだろ。 -- 名無しさん (2021-09-07 16:56:55)
↑上のコメント読んでも、別に動機や境遇全否定したり、どっちもどっちに持ってったりしてるようには見えないんだけど。「不幸な境遇や動機があるからって関係無い人間にまで卑怯な仕打ちしていいわけじゃないんすよ」とは言ってるように見えるけど。 -- 名無しさん (2021-09-07 17:26:35)
一時とはいえ怪盗紳士に濡れ衣着せたことに対してさくらがせめて心の中でも詫びてるシーンがあればまだ印象マシだったんだけどね。どうせ犯罪者だし詫びる必要も無いと思ったのかな? -- 名無しさん (2021-09-07 17:32:27)
画家を父にもつさくらからしたら絵画泥棒の怪盗紳士に悪感情を抱くのは当然だからね -- 名無しさん (2021-12-26 01:05:31)
↑「自分がそいつから何かされたわけじゃないけど、癪に障る奴だし事件起こした人間なんだから害与えていいか」って発想は電脳山荘のメンバー達と大差無いと思うんだが。殺人の冤罪を着せるか死に追いやるかの違いはあれど。 -- 名無しさん (2021-12-26 02:30:35)
蒲生の声優さんがロボパーと同じと知ってびっくりした。ご冥福をお祈りします。 -- 名無しさん (2022-01-26 19:32:37)
結局自殺しているし、他者に罪をかぶせてまで罪から逃れる必要なかったよな。原作では一度も犯行を否認してないし、罪を犯した後に手を汚した自分はもうまともな生活できない人間と気づいてしまったんだな。 -- 名無しさん (2022-04-25 22:36:50)
さくらは金田一が暴かなくても、真実を告げる遺書でも残して自殺したと思う。完全犯罪をやったところで、生きる意味を失ってる。 -- 名無しさん (2022-04-25 22:40:03)
さくらが怪盗紳士に罪を着せたことに関して、犯罪者ってのもあるけど、正体不明の劇場型怪盗とかそれこそマンガみたいな存在だから、そもそも人格のある一個人として意識しにくいっていう感覚はあったかもしれん。相手に共感し気遣うっていうのは多少なりとも相手の素性を知ったり想像できてこそできることではないかと思う。まあ、怪盗紳士が仕込んでいた偽装工作にまんまと引っかかって疑われる切欠になるという形で、しっかり本物からの仕返しを受けたとも言えるな。 -- 名無しさん (2022-05-01 18:33:34)
↑電脳山荘の方々も「もし実際にあの先生と会ったことさえあれば流石にあんな最低なことは…」と言われてたの見たことあるけど似たようなもんか。やっぱりその点に関しては良くも悪くも同類だね。 -- 名無しさん (2022-05-10 21:43:17)
↑同じような心理でも程度には大分差があると思うがな・・・さくらは電脳山荘のメンバーたちのようなことは絶対しなさそうだと思う -- 名無しさん (2022-05-10 22:54:20)
↑まあ犯罪を起こした人間だからと相手を物理的に殺すか、殺人の濡れ衣を着せて社会的に抹殺するかの違いは一応あるからね。どっちも別ベクトルで卑劣なのは確かなんだけど。 -- 名無しさん (2022-05-10 23:24:51)
↑2言うて電脳山荘のシドなんかは小説での回想見る限り、普段は臆病ではあるけど他人をよく労る善良な青年だったみたいなのに色々な心理的条件が重なった結果軽い気持ちであんな残酷なことをしてしまったみたいだし(本人も死ぬほど後悔してた)、別にさくら…というか誰でも一時の気の迷いであんな風になっても決しておかしくはないと思う -- 名無しさん (2022-05-10 23:34:53)
蒲生が盗作画家であるという特ダネ掴んでいつきさんも儲かったかな。こういう点も一の無茶振りに協力してくれる一因だったりして -- 名無しさん (2022-05-15 13:29:31)
↑2 さくらが善人だから電脳山荘みたいなことはしない!って感じでも無くて、なんかさくらって善悪云々の前に価値観が純朴な田舎娘って感じで、相手が榊原先生という普通の市民だと思いやって害を加えなさそうな半面、怪盗紳士という正体不明のフワフワした存在になるとそこらへんに気が回らなくなりそうと思った。「あんな訳のわからない怪人にも素の顔や背景があるのではないか」なんて考えるほど複雑な想像力を持っていないというか -- 名無しさん (2022-05-15 14:04:13)
冒頭のノーパンをさらしたギャル二人、令和じゃまず描けそうにないなあ…。古きよき時代、同時に古き悪しき時代でもあった…。 -- 名無しさん (2022-06-28 09:27:02)
さくら自身共犯者がいるわけでもない少年犯罪者。トリックを考案することについては天才的でも、倫理観方面については「単に無我夢中で、気がついてみたら引き返せなくなってしまった」と言うのが実状ではないだろうか。 -- 名無しさん (2022-06-28 12:13:09)
もしヒューバグの拷問ソムリエが実在して、さくらが自分で殺すんじゃなくてこの人に依頼する形にしていたら、自殺するなんて末路はなかったんじゃあるまいか。 -- 名無しさん (2022-09-11 15:42:31)
↑それ同じコメントを犯人が自殺した回で一々言ってた人がいたな。多分違う人間なんだろうけどそんなに自分が推してるものを話題に出したいのか? -- 名無しさん (2022-09-11 15:50:02)
本人は世渡り上手やゴーストのおかげでピンチを切り抜けたけど、蒲生は「盗作のリスク」を端的に表している人物だと思う。吉良が語ったように元々実力が無かったために(盗作で)華々しくデビューした直後は自力で新しいものを生み出せずに行き詰まってたし -- 名無しさん (2023-01-09 10:34:48)
全然関係ないけど吉良の最後の名言で最近話題のRRRってインド映画思い出した。細かい理屈を吹き飛ばすえぐいくらいのパワーにあふれた映画だったもんで・・・。 -- 名無しさん (2023-02-10 10:41:55)
目潰しとか相手が極悪人でもエグイなと思ったら、ラベンダーの匂いもわからなくなるほどの激痛になっては意味が無いから、的確に視覚だけを奪える目捌きをしないといけないという「犯人たちの事件簿」談はなるほどと思った -- 名無しさん (2023-03-01 19:41:13)
やっぱトリックが微妙すぎるな。でも容疑者リストのメンツは結構すき -- 名無しさん (2023-03-27 20:00:19)
↑18 家族の仇討ちという本懐を遂げきった手は血まみれだからと自害してしまうのはコナンの浅井成実と同じ。もう止めるのはどんな探偵でも無理なのかね? -- 名無しさん (2023-04-15 02:48:37)
↑コナンでいうなら秋吉美奈子や羽賀響輔なども物理的に自死は食い止められたけど、説得して精神的に止められたわけじゃないからなぁ -- 名無しさん (2023-04-21 18:03:00)
↑2作者の次の作品の探偵学園Qは、記憶が確かなら犯人の自殺はハデス以外は全部食い止めていたはず -- 名無しさん (2023-04-21 18:20:11)
↑自分はこれからコナンを見ていこうと思ってる人間なんだが、犯人名のネタバレはやめてもらえないか?金田一シリーズのネタバレなら仕方無いけど、違う作品のネタバレを次々と挙げられていっても…… -- 名無しさん (2023-04-22 10:25:33)
↑すでに昔の話な上に公式アナウンスもない以上ネタバレというだけで文句を言われる筋合いは無い -- 名無しさん (2023-04-22 10:41:42)
↑3コナンは分かるけど探偵学園Qを金田一との比較に出す意味って何? -- 名無しさん (2023-05-11 07:47:38)
ドラマ版は瀕死のさくらをラベンダー畑に運んでいたけど、そんな余裕があるなら救急車を呼べと思ってしまった。 -- 名無しさん (2023-05-12 18:53:34)
蒲生の声優さんがDRゲロと同じ -- 名無しさん (2023-07-12 21:35:04)
#comment
*2 さくらが自分が殺されるかもしれないと怯えた時に「絶対そんな事ないって!」と言ったり、海津殺しの際に「どうなってんのよ…?」と心底ビビってたり。
*3 但し、この件については「共犯者やシンパがカモフラージュとして行った」と解釈できなくもない。
*4 「飛行機や船がダメ」という話は本当だろうが、回想では東京での受賞パーティーに出席しているため、車移動ならそれほど支障はなかったと思われる
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