登録日:2022/09/22 Thu 22:52:16
更新日:2024/06/27 Thu 10:34:41NEW!
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scp scp foundation safe 拳銃 自殺 幸運 財団内部部門 scp-7000コンテスト uncle nicolini エバーウッド博士 退職防止部門 scp-7726 scp-en
SCP-7726とは、シェアードワールド「SCP Foundation」において登録されたオブジェクト。オブジェクトクラスはSafe。
初めに
本家記事にも忠告があるが、この記事には自殺にまつわる言及がある。
直接的な描写があるわけではないものの、そういったものにトラウマを持っている方はブラウザバックすることを推奨する。
退職防止部門とは
レックスへ、
こんな私を見つけるのがあなたなのかは本当にはわからない。だけど誰かが私を見つけるとしたら、それはあなたなんだって思ったんだ。話がそれたね。
退職防止部門とは、財団職員の退職及び自殺を防ぐための部門である。
たとえば、Tale『Life Insurance Policy』では、筋ジストロフィーを患っている妻と多くの時間を過ごすため財団を退職しようとしているロドリゲス氏を、あの手この手を使って退職させまいとしている。
ちなみに、退職部門は2022年本部で行われた部門コンテスト2022の参加部門である。
これは、3人でチームを組み、新しい財団の部門を考えてその部門が登場する記事を作成するというルールである。
そして、退職防止部門はこのコンテストで見事優勝を飾った。
退職防止部門ケースID-7726XP
あの収容違反で生き残るべきじゃなかった。皆、片腕が無事で逃げられたのは幸運だったって言ってるけど、私は信じない。50人が死んで1人が負傷した? お願い。死ぬべきだったのに死ななかったってわかってるのに幸運なんてことない。
ジャスティン・エバーウッド博士は、50人が死亡した大規模な収容違反である収容違反562341673444WTXで、不運にも生き残ってしまった。
生き残ったら幸運じゃないかと思う方も多いかもしれないが、多くの仲間が死んだ事故で自分が生き残ってしまうと、死亡した人物に対して罪悪感や申し訳なさを抱くことがある(サバイバーズ・ギルト)。
そして、エバーウッド博士もサバイバーズ・ギルトになってしまったのである。
そのため、退職防止部門は心理学職員を用いてあえて自殺傾向を強め、その後SCP-7726を使用して解決しようとしているらしい。
SCP-7726の正体とは…?
更新
私のために一生懸命働いてくれてありがとう。あなたが私たちの部門の中で一番働き者なんだから、昇進はもうすぐだって確信してる。でももっと大事なことは、友人でいてくれてありがとう。あなたのおかげでここで働くのがずっと楽しくなった。
心理学職員を使用した結果、エバーウッド博士は今週のどこかで自殺を試みると予想されるようになった。
そのため、退職防止部門はラッキー・ヘア・プロトコルに従いSCP-7726をエバーウッド博士の利用可能な場所に設置しておくことにした。ラッキー・ヘア・プロトコルについては後述するのでお楽しみに。
SCP-7726
SCP-7726とは、人に向けて撃つと必ず弾詰まりを起こす拳銃である。以上。
「意外としょぼくね?」と思った方も多いだろう。しかし、これがSCP-7726のすべてである。
これを使って退職防止部門はどうやってエバーウッド博士の退職を防ぐのか。勘付いた方も多いかもしれないが、続きを見ていこう。
ラッキー・ヘア・プロトコル
この罪悪感を抱えて生きるだなんてもうできない。
ラッキー・ヘア・プロトコルとは、職員に自分は幸運なんだ、つまり神に守られている特別な存在なのだと思わせることで職員の自殺を防ぐためのプロトコルである。
このプロトコルには薬物を使用したものも含まれるが、エバーウッド博士のような職員にはより直接的な処置をとる。
その中の一つに、SCP-7726を使った方法があるのだ。
種明かし
さようなら、いままで魚をありがとう、かな。
ージェイ・エバーウッド
例えば、エバーウッド博士が自殺を試みたとする。
エバーウッド博士の近くには退職防止部門員がわざと置いたたまたまSCP-7726が置いてある。SCP-7726は外見的には普通の拳銃なので、当然エバーウッド博士はそれを使って自殺を試みるだろう。
エバーウッド博士は試し打ちをする。この場合、対象が人ではないので普通に弾が出る。
そして、ついにエバーウッド博士は自分に向けて発砲する。
しかし…弾は出ない
何度も繰り返し発砲するが、毎回弾詰まりを起こす。
しかし、試し打ちだと普通に打てるのだ。
こうして、エバーウッド博士は自分が幸運だと“勘違い”し、死ぬ気が失せるのだ。
更新
エバーウッド博士は7月26日に自殺を試みた。そして、上記の通りになった。
現在エバーウッド博士はフォン・チューネン博士によって心理療法措置を受けており、このケースについては解決したものとなった。
SCP-7726
So long, and thanks for all the fish.
余談
↑やエバーウッド博士の遺書を見て「いや魚ってなんやねん!」って思ったかもしれないが、これはダグラス・アダムズの名作『銀河ヒッチハイク・ガイド』に出てくる別れのあいさつで、現実でも会社を畳むときなどのあいさつで使用される。
なお、このSCPは作者であるUncle Nicolini氏が、12年前の誕生日である7月26日*1に自殺未遂を起こした経験に基づいて書かれたものであり、その時銃が弾詰まりを起こしたのも事実である。
さらに、この記事に断片的に書かれているエバーウッド博士の遺書のシメもその時作者が書いた遺書で使ったものと同じである。
さようなら、これからも追記・修正をよろしく、かな。
▷ CC BY-SA 3.0に基づく表示
SCP-7726
byUncle Nicolini
https://scp-wiki.wikidot.com/scp-7726
http://scp-jp.wikidot.com/scp-7726 (翻訳)
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- 多分7000番台初の記事です -- 名無しさん (2022-09-22 21:52:16)
- サバイバーズギルドが治るのはいいんスけど。別の精神疾患が生まれそうな感じがするのはいいんスかね・・・? -- 名無しさん (2022-09-22 22:51:56)
- 7月26日って俺の誕生日じゃねぇか -- 名無しさん (2022-09-22 22:53:03)
- 作者が自殺未遂の際に弾詰まりをってえええええええええぇぇぇぇぇぇ!?? -- 名無しさん (2022-09-22 23:48:37)
- どんな気持ちでこの作品書いたんだろう -- 名無しさん (2022-09-23 00:11:41)
- ↑ディスカッションに書いてあるよ -- 名無しさん (2022-09-23 00:14:57)
- 「有害なポジティブさ/toxic positivity」という言葉はとてもよいと思ったし、それを創作と言う形で葬るのは真っ当にポジティブだと思う -- 名無しさん (2022-09-23 00:24:36)
- ボトムズのバーコフ分隊の末路みたいにならんかねこれ -- 名無しさん (2022-09-23 01:05:04)
- 真実は創作より奇なり -- 名無しさん (2022-09-23 01:32:25)
- ↑2 あくまで自殺を防止できればいいからその後無茶な実験で死のうがどうでもいいんだよ。財団に死ぬまで貢献してもらうためだから -- 名無しさん (2022-09-23 03:38:03)
- 「SCP-7726は発砲されると人間の対象に損害を与える結果になる場合は発砲されません。」とあるので、意図的でも偶然でも間接的でも怪我を負わせる可能性がある場合は発砲されないと思われる。 -- 名無しさん (2022-09-23 11:11:23)
- ほぼほぼアノーマラスアイテムでは -- 名無しさん (2022-09-23 11:51:46)
- 暫くご無沙汰してるうちに7000代に行ってた!! -- 名無しさん (2022-09-23 12:30:45)
- ↑↑退職防止部門が無かったらアノマラスは確実だっただろうな -- 名無しさん (2022-09-23 13:12:35)
- サバイバーズ・ギルトに掛かった人間は、奇跡的な確率(絶対弾詰まる)で死ねないなら、どう足掻いても幸運とは思わないんじゃないかな…… -- 名無し (2023-02-21 00:29:15)
- まぁ死ぬことすら許されないって思っても退職は防止できるから… これでサバイバーズギルドが治れば上等、治らずとも治療する時間を稼げればOKみたいな感じじゃないかな -- 名無しさん (2023-02-21 00:50:33)
- 殺傷武器として生み出されたものの、人殺しを拒絶する銃なのか。生かすために(自殺を回避するために)使われているのは本望だったりするのかな? -- 名無しさん (2023-08-01 14:40:06)
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