ドイツ語

ページ名:ドイツ語

登録日:2009/09/18(金) 20:23:40
更新日:2023/08/12 Sat 19:10:11NEW!
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食らえ!必殺!



クーゲルシュライバーッッッ!!!





ドイツ語とは、主にドイツ、およびその周辺で使用される言語。書いてある通りに読む、とよく言われる。


アルファベット(当のドイツ語では「アルファベート」)はラテン文字からなり、内訳は英語のそれへウムラウトと呼ばれる変母音(a、o、uの上に‥がついたもの 同形だがトレマとは異なる)と
エスツェット(ギリシア文字のβに似た文字)を足したような形態となっている。
ちなみにパソコンの仕様や言語設定などでウムラウトが出せない場合はa、o、uの後にeをつけて、エス・ツェットが出ない場合はssで代用する。
エスツェットは基本的に語末に使われるため小文字しか使われず、大文字のエスツェットは含んだ単語を大文字表記で強調する場合くらいしか使わない。そのため正書法への採用も2017年までずれ込んでいる。
またスイスドイツ語においてはウムラウトおよびエスツェットの表記には代用形(ae, oe, ue, ss)のみを用い、固有文字は使用されない。


ちなみに、ドイツ語のキーボード(や古くはタイプライター)では文字の使用頻度の都合で、英語(他)のキーボードとの比較でYとZの位置が逆になっている。
いわゆるQWERTZ配列と呼ばれているもので、キーボードの左上にあるQから右にZ(Y)まで読んだ場合の並びから俗にそう呼ばれる。
さらにウムラウトやエスツェットの入力*1に対応しているキーもある。
PC(Windows)の場合は、ドイツ語の言語パックをインストールしたうえで、IMEの言語設定をいじることでドイツ語仕様にできる。



+ ドイツ語アルファベットの読み方-
A:アーB:ベーC:ツェーD:デーE:エー
F:エフG:ゲーH:ハーI:イーJ:ヨット
K:カーL:エル*2M:エムN:エヌO:オー
P:ペーQ:クゥーR:エル*3S:エスT:テー
U:ウーV:ファウW:ヴェーX:イクスY:イュプシロン
Z:ツェットÄ, Ae:アー・ウムラウト*4Ö, Oe:オー・ウムラウト*5Ü, Ue:ウー・ウムラウト*6ß, ss:エス・ツェット*7

原則はローマ字読みと同じだが、eiはアイ、ieはイー、euはオイなど若干違うところもある。あとrは若年層や北部の訛りで直前の母音を長音化させがちな場合を除けば基本的にしっかり舌を巻き、舞台ドイツ語で顕著。
よく例として挙げられるのはEinstein(アインシュタイン)。エインステインとは読まない。
しかし一部例外があるとはいえ、規則性があってないような英語とは違い、発音の規則さえ覚えてしまえば、たとえ単語の意味がわからなくても読むことはできる。
結局のところ規則に従ってローマ字風に読んでさえいれば、我々日本人が曖昧な日本語も理解できるように、向こうの人も理解してくれる。
拙くても頑張って話そうとする健気な幼女姿勢を見せる者に対しては人はわりかし寛大に接するものである。
英語のthに相当する発音が無い(というよりこの音を使う言語があまり無い)のも日本人にはありがたい。
rは喉をこするようにして出す音で、訓練しないと発音は難しいが、rの後に子音が来るか単語がrで終わるときは「ア」のような音になるので登場頻度は少ない。どうしても無理なら、巻き舌で代用できる。
他にもj,s,v,w,zも英語と対応する音価が違い、それぞれ英語のy,z(母音に続かない場合は/sh/),f,v,tsに相当する。例えばJapan(日本)は"ヤーパン"と発音する。


ドイツの代表的な自動車メーカーVolkswagenは"フォルクスヴァーゲン"と読む。この綴りを英語で読めば"ヴォルクスワーゲン"となる。
ところが、日本語での正式名称(カタカナ表記および読み)はなぜか独英混ぜこぜの"フォルクスワーゲン"とされている。
……つまるところ、これは日本語にはvの音が存在しないことへの配慮である。要はリヒャルト・ワーグナー(Richard Wagner)が実際にはヴァーグナーなのと同じ事情。


あとhは基本的に直前の母音を長音化し、[h]と読むことは語頭に来た場合くらいしか無い。
ウムラウトの発音については割り合い文字通りというか、aeなら口を「あ」の形にして「エ」と発音すると近い音が出る。oe、ueについても同じ要領で発音する。
他にも多数細かい読み方はあるが割愛する。



もともとドイツ語と英語は2000年ほど前にゲルマン祖語から分化したとされる言語であり、オランダ語やスウェーデン語などと共に「ゲルマン語派」とされる。
そのため英語と共通の語源を持つ語彙が多く、同じ綴りでほとんど同じ意味の単語が多い。
また、綴りが違う語でも、発音に類似性があったり一部の文字に置換があったりする程度で、部分的な一致となるとさらに多くの単語が該当する。


+ 【綴りが同じor類似する単語の一例(独/英)】-
  • 私 → ich(イヒ) / I
  • ~です(三人称単数) → ist(イスト) / is
  • ~でない(否定) → nicht(ニヒト) / not
  • 持っている → haben(ハーベン) / have
  • 感謝する → danken(ダンケン) / thank
  • すべて(の) → all(アル) / all
  • 正常な, 普通の → normal(ノルマル) / normal
  • 良い、好ましい → gut(グート) / good
  • 朝 → Morgen(モルゲン) / morning
  • 夜 → Nacht(ナハト) / night ※Guten Morgen, Gute Nachtで、それぞれ「おはよう」,「おやすみ」(good morning[night])の意
  • 時計、時刻、~時 → Uhr(ウーァ) / hour ※hourに「時計」の意はなく、対応する語としてはclock, o'clockのほうが近い。
  • 光 → Licht(リヒト) / light
  • 家, 家庭 → Haus(ハオス), Heim(ハイム) / house, home
  • 庭 → Garten(ガルテン) / garden
  • 兄 → der (aeltere[grosser]) Bruder(ブルーダァ) / (elder[big]) brother
  • 妹 → die (juengere[kleine]) Schwester(シュヴェスター) / (younger[little]) sister
  • 娘 → Tochter(トホター) / daughter
  • 少女、メイド → Maedchen(メートヒェン) / maiden ※名詞の文法上の性は中性だが、実際の対象は女性
  • 友達 → Freund(フロイント), Freundin(フロインディン) / friend ※freundlichで親切な(friendly)。
  • 客 → Gast(ガスト) / guest
  • 狼 → Wolf(ヴォルフ) / wolf
  • 虎 → Tiger(ティーガー) / tiger
  • 猫 → Katze(カッツェ) / cat
  • 竜 → Drache(ドラッヘ) / dragon
  • 男 → Mann, Maenner(マン, メンナー) / man, men
  • 神経 → Nerv(ネルフ) / nerve
  • 意志(力) → Wille(ヴィレ) / will
  • 胸 → Brust(ブルスト) / breast
  • 足 → Fuss(フス) / foot
  • サッカー → Fussball(フスバル) / football ※米語ではsoccer
  • 人形 → Puppe(プッペ) / puppet
  • 劇場 → Theater(テアータァ) / theater
  • オペラ → Oper(オーパァ) / opera ※(オペラ)作品はOpus(オーパス)
  • 演奏会 → Konzert(コンツェルト) / concert
  • 音楽 → Musik(ムジーク) / music
  • 音符、楽譜、覚え書き → Note(ノーテ) / note
  • 本 → Buch(ブーフ) / Book
  • 命題, 論文 → These(テーゼ) / thesis
  • 器官, 機構 → Organ(オルガン) / organ
  • 石 → Stein(シュタイン) / stone
  • 星 → Stern(シュテルン) / star
  • 塩 → Salz(ザルツ) / salt ※オーストリアの都市Salzburg(ザルツブルク)の直訳は「塩の砦(城)」
  • 火, 炎 → Feuer(フォイア), Flamme(フランメ) / fire, flame
  • 風 → Wind(ヴィント) / wind
  • 水 → Wasser(ヴァッサー) / water
  • 氷 → Eis(アイス) / ice
  • 米 → Reis(ライス) / rice
  • 白(い) → Weiss(ヴァイス) / white
  • 赤(い) → Rot(ロート) / red
  • バラ → Rose(ロゼ) / rose ※Heidenroesleinで「野ばら」。Heideは野原、荒れ地(男性名詞Heideは異邦のもの、異教徒といった意味。)、-leinは小さなものという意味の付加語。
  • ワイン → Wein(ヴァイン) / wine
  • ウィーン(オーストリアの首都) → Wien(ヴィーン) / Vienna
  • 牛乳 → Milch(ミルヒ) / milk
  • お茶 → Tee(テー) / tea
  • コーヒー → Kaffee(カフェ) / coffee
  • オレンジ → Orange(オラーンジェ) / orange
  • 貯え, 予備 → Reserve(レゼルヴ) / reserve
  • 王 → Koenig(ケーニヒ) / king ※女王はKoenigin(ケーニヒン)
  • 西 → West(ヴェスト), Westen(ヴェステン) / west
  • 北 → Nord(ノルト), Norden(ノルデン) / north
  • 冬 → Winter(ヴィンター) / winter
  • 日本, 漆器 → Japan(ヤーパン) / Japan
  • 中国 → China(ヒーナ, キーナ) / China
  • 英語, 英国の → Englisch(エングリシュ) / english ※グレートブリテン(Great Britain)島はGrossbritannien(グロースブリタニエン)で、ドイツ語でも略称はGB(またはGBR)。
  • スウェーデン → Schweden(シュヴェーデン) / Sweden
  • 世界 → Welt(ヴェルト) / world ※Weltall(ヴェルタル)で「宇宙」の意


月の名前に関しては英語とほぼ同じ綴りで共通点が多い。ただし発音はドイツ風。


+ 【ドイツ語の月の表記と読み方】-
1月:Januar(ヤヌアール)2月:Februar(フェブルアール)3月:Maerz(メルツ)4月:April(アプリル)
5月:Mai(マイ)6月:Juni(ユーニ)7月:Juli(ユーリ)8月:August(アォグスト)
9月:September(ゼプテンバー)10月:Oktober(オクトーバー)11月:November(ノヴェムバー)12月:Dezember(デツェムバー)


ドイツ語の面倒なところには、「名詞の性別」と「不定動詞」にある。
とはいっても不定動詞は基本的に規則変化であるため、それを覚えてしまえば楽だが名詞の性別は地雷もあったりする。


例えば父親(Vater)は男性名詞
母親(Mutter)は女性名詞
子供(Kind)は中性名詞
とこのあたりはまあわかるが、


学校少女牛乳。これらの性別はどうだろう。



中性中性なのだが。


ちなみに名詞の性別に対して不定冠詞(ein~、eine~)や定冠詞(der~、die~、das~)を格ごとに(~が、~の、~に、~を)使い分ける必要がある。


+ 定冠詞と不定冠詞の格変化の一例-

【定冠詞 (英語の the に相当)】

男性女性中性複数「てにをは」との対応
1格 (主格:Nominativ)der Vaterdie Mutterdas Kinddie Leute~は, ~が
2格 (属格:Genitiv)des Vatersder Mutterdes Kindesder Leute~の
3格 (与格:Dativ)dem Vaterder Mutterdem Kindden Leuten~に, ~に対して
4格 (対格:Akkusativ)den Vaterdie Mutterdas Kinddie Leute~を

参考までに日本語の「てにをは」との(意味上の)対応関係を示した。
ただし、日本語の「てにをは」(助詞)は、名詞の格を指定する方法には違いないが、名詞(冠詞)そのものを(格)変化させるというやり方を取っているわけではなく、文法的には全く別の仕組みである。


これに関しては、とにかく全ての形を覚えないことには何も始まらない。
このような表を目に焼き付けるなり、「デアデスデームデーン」などとひたすら復唱するなりして、どうにか頭に叩き込むしかない。
なお、derの発音は、現代ドイツ語では「デア」と読むが、時代や方言によっては「デル」と読む場合がある。


【不定冠詞 (英語の a, an に相当)】

男性女性中性
1格 (主格:Nominativ)ein Manneine Frauein Kind
2格 (属格:Genitiv)eines Manneseiner Fraueines Kindes
3格 (与格:Dativ)einem Manneiner Fraueinem Kind
4格 (対格:Akkusativ)einen Manneine Frauein Kind

これらはあくまで一例で、弱変化、不規則変化など、他にもさまざまなパターンがある。(どういった変化をするかは単語によって異なる。)
ちなみに、1格~4格という用語は日本のドイツ語教育独自のもので、あくまで学習上の便宜を図るためにつけられたもの。
ドイツ本国では番号を振った分類の仕方はしていない。(そのまま格の名前で呼ぶ。)
ドイツの文法書では日本でいう1格(主格)→4格(対格)→3格(与格)→2格(属格)という順番で説明されることが多い。


とは言うが辞書で調べればわかるのでそれでついでに覚える、という根気があればドイツ語はパーツの構成を覚えるだけなのでそのあたりはわかりやすい。


ここまで読んだ時点で気づいた勘のいいアニヲタ諸君もおられるかも知れないが、ドイツ語においては名詞の最初の文字は必ず大文字にする習慣がある。
知らない単語だとしても、その単語が名詞かどうかは文頭に置かれていなければ容易に判別できる。
ついでに言えば、"冠詞"+"なんちゃら"+"名詞"……という形の場合、"なんちゃら"は形容詞だろうとおおよその見当をつけることもできる。
そしてさらに言えば、通常小文字で書く形容詞の語頭を大文字にすると名詞化が起こる。(英語で言う「the+形容詞」のようなもの。)
例えば、gutは「良い」だが、Gutは「良いこと(もの・人)」となる。


初学者にとっては面倒なことこの上ないが、ドイツ語には英語では廃れてしまった格変化が残っているため語順の制約が英語よりも緩い。
つまり、冠詞の格変化の形を見れば、語順に頼らずとも文の要素(いわゆるSVOCMと呼ばれているやつ)の判別が可能だということ。(多少語順を変えても文意が通る。)
しかしながら、語順を好きにいじれるとはいえ、ドイツ人的にしっくりくる、読みやすいor聞きやすい語順というものは一応ある。



ドイツ語の方言は、歴史的に長らく地方分権の時代が続いていたため、方言の多様性でも知られており、それぞれの方言の公的な地位も高い。
主に北部方言と中・南部方言とに分かれ、さらにオランダ方言(オランダ語)、ルクセンブルク方言(ルクセンブルク語)、スイス方言、オーストリア方言などドイツ本国以外で用いられるドイツ語もある。
それぞれの違いは大小様々だが、ドイツ語の方言とするか独立言語とみなすかは、言語学的な差異以上に政治的な事情が大きいようである。
教科書で学ぶドイツ語はいわば標準語にあたり標準ドイツ語と呼ばれる。
今日の標準ドイツ語のルーツは、書き言葉に関してはテューリンゲン・オーバーザクセン(東中部)方言がもとになっていて、そこで書かれたルター訳聖書が各地に伝播する過程で標準文語(書き言葉)の地位を得るに至ったとのこと。
発音については19世紀末に確立された舞台ドイツ語の影響が強く、音だけで見ればハノーファー弁が最も標準ドイツ語に近いようである。
とはいえ、厳密な標準ドイツ語の話者は非常に少なく、ルーツとされる地方・都市の住人でさえも(あくまで標準ドイツ語との比較で)多少訛りのあるドイツ語を話しているのが実際のところである。
こうした事情があるため、(特に発音の差異が大きいと)習ったところと違うところでは通じないことがよくある。




…と、ドイツ語の文法その他を抜きにして、ドイツ語は多く中二病患者やゲームの登場物の名称に好かれる傾向にある。
なぜかと言われれば(おそらく)発音が無駄にかっこいいからである。


数字を数えるだけでも


null(ヌル、0)
eins(アインス,アインツ[慣]、1)
zwei(ツヴァイ、2)
drei(ドライ、3)
vier(フィーア、4)
fuenf(フュンフ,フンフ[慣]、5)
sechs(ゼクス、6)
sieben(ズィーベン、7)
acht(アハト、8)
neun(ノイン、9)
zehn(ツェーン、10)
elf(エルフ、11)
zwoelf(ツヴェルフ、12)
dreizehn(ドライツェーン、13)

sechzehn(ゼヒツェーン、16) ※16と17は形が崩れる
siebzehn(ズィープツェーン、17) ※語末or子音の前にある「b」の音は無声化して「p」

zwanzig(ツヴァンツィヒ、20)
dreissig(ドライスィヒ、30) ※30だけzがss(エスツェット)になって~ssigになる

sechzig(ゼヒツィヒ、60)
siebzig(ズィープツィヒ、70)


と発音する。


21以上99以下の(10で割りきれない)数字は、und(ウント。英語のandに相当)をつけて表記・発音する。このとき一の位を先に言う。
仮に23ならdreiundzwanzig(ドライウントツヴァンツィヒ)と読む。要するに「3と20」という表記法。20をnullundzwanzigなどとは読まない。
(数詞に限った話ではないが)ドイツ語では一つの単語であることを示すためにスペースを空けずにくっつけて書く。おかげで長くなると読みづらい。
100はhundert(フンデルト)と読み、200はzweihundert(ツヴァイフンデルト)。
……だが、101はeinundhundertではなくhunderteinsとする。前後がごちゃごちゃして混乱しやすい。
いくつか野暮ったい例を挙げると、zweihundertzweiundzwanzigは222、dreihundertfuenfundsechzigは365である。アラビア数字ならたった3文字で済むのに。


1000はtausend(タウゼント)。1万は英語と似た表記で、zehntausend(ツェーンタウゼント、つまり10千)と書く。同様に10万はhunderttausend(100千)。
一方、100万はeine Million(英語っぽく書けば a million)となり、200万は複数形でzwei Millionenとなる。
例えば、200万ユーロは、英語ではtwo million eurosだが、ドイツ語ではzwei Millionen Euroとなる点が対照的。
なおEuroはドイツ語ではオイロと読む。Europa(欧州)もオイローパ。どうでもいいが、地域名のオイローパは中性名詞だが、女神オイローパは女性名詞。
10億(1000百万)はeine Milliarde、1兆(1000十億)はeine Billion。ちなみにMillion、Milliarde、Billionはいずれも女性名詞である。


序数(第nの~、n番目の~)は、原則、特定の語尾(19までは-t、20以上は-st)をつけるだけという比較的シンプルなもの。
例外は1のerst、3のdritt、7のsiebt、8のacht(語形変化なし)の4つ。(siebentはやや古い言い方。)
ただし、建物の階数の数え方はアメリカ方式ではなくイギリス(欧州)方式なので注意が必要。
日本語で言う「1階」は「das Erdegeshoss(the ground floor)」で、「2階」が「der[das] erste Stock[werk](the first floor)」。
倍数を表す際には-fach(zweifachはdoppeltで代用可)を、反復数(回数)を表す際には-mal(付加語の場合は-malig)をつける。


西暦の記述は、1099年以前と2000~2099年は普通に数字として読めばおk。
1100~1999まで(と2100~2999年まで)は桁を2つに区切って間にhundertを入れる。1Q984年ならneunzehnhundertvierundachtzig(19*100+4+80)と書き、読む。
幸い、我々アニヲタが生きる時代の表記・読みは比較的易しい。世紀を前後にまたぐと一気に面倒になるが。
今年(2023年)なら、zweitausenddreiundzwanzig(ツヴァイタウゼントドライウントツヴァンツィヒ)、2000と23。……長い。


それから、ドイツ語圏では、小数点に,(カンマ)を使い、桁の区切りに.(ピリオド)を使う(日本と逆になっている)ため、少々戸惑うかも知れない。
区切る桁数は上記の記数法を見てもわかるように3桁ずつ。(例: 1.234.567.890 Euro、円周率は3,14)


数詞に関してはフランス語ほどではないが英語よりもややこしい部類。


ちなみに上記の5(fuenf)のueや、12(zwoelf)のoeは正確にはウムラウトである。
またこの記事の冒頭のセリフ「クーゲルシュライバー(Kugelschreiber)」もなかなか格好いいように感じるが、



要はボールペンである



ほかの単語も格好よく


分度器→ヴィンケルメッサー(Winkelmesser)
セブンイレブン→ズィーベンエルフ (Sieben Elf)
007→ドッペルトオーズィーベン (Doppelt O Sieben)
騎士→リッター、リッテル(Ritter)
豚→シュヴァイン(Schwein)
豚の塩漬け→アイスヴァイン
マンモス→マムート(Mammut)
→ボーゲン(Bogen)
メイス→シュトライコルベン(Streitkolben)
ナイフ→メッサー(Messer)
鳩→タウベ(Taube)
タマネギ→ツヴィーベル(Zwiebel)
稲妻→ブリッツ(Blitz)
雹→ハーゲル(Hagel)
下痢→ドゥルヒファル(Durchfall)


「下痢」ですらコレである


ドイツにある黒い森という地名もSchwarzwald(シュヴァルツヴァルト)となり、かの有名なブリッジストーンもそのままドイツ語に逐語訳するとBrueckestein(ブリュックシュタイン)となる。
他にも→ギフト(Gift)・死→トート(Tod)・鮫→ハイ(Hai)などの言い方もあるのが面白い。


医療用語はカルテやケロイドなどドイツ語が多く、理由は医療が発達したのがドイツ中心であったため。
他の理由として、たとえば風邪を正式名で言えば「流行性感冒」「発熱性消耗性疾患」と日本語ではかなり文字数を食うが、ドイツ語では比較的楽だからというのもある。


フリーは英語だけどアルバイトという言葉もドイツ語である。主な意味は労働、副業、内職などで英語のwork(ing)に近い。カタカナのアルバイトよりも広い意味で用いられる。
それからスキージャンプの用語であるK点のKはドイツ語の極限点の頭文字である。その他にゲレンデ、ピッケル、リュックサック、アイスバーンなど日本で一般的に使われている単語も多い。


あとどうでもいいがヨーロッパの国では6をセックスと発音するところもある。ニヤニヤするのは日本人と英語圏だろうか。
(もっとも、我々の意味するところのSEXと英語でのそれは、主とするところが異なるが……)


更にどうでもいいがガンダムのジオン公国でも使われている。


リック・ドムⅡ(リック・ドム ツヴァイ)
ドムフュンフ
ノイエ・ジール
等々


他に連邦軍のジムはゲムと発音する(偽装ジムのゲム・カモフや鹵獲ジムのゲファンゲナー・ゲム等)。これはドイツ語に英語でいう/dg/の音(日本語だとヂャ行の子音に近い ジャ行の子音と厳密には異なる)がないため。





ただ
ザクⅡはザクツーである。
公国も最初は大日本帝国がモデルだったが、いつの間にか(あの人のキャラのせいで)ナチス・ドイツにすりかわった名残だろう。


Wのゼクスもドイツ語の6からきている。


ガンダムSEED』においても、地球連合系MSの武器の名前にはドイツ語が多用されている*8


00ではCBの外部組織のMSにドイツ語の名前がついている。


銀河英雄伝説における銀河帝国の公用語も、ドイツ語に近いものとなっている。(但し遠い未来の為、現代と微妙に差異がある)
例:黒色槍騎兵=シュワルツ・ランツェンレイター、砲撃の号令=ファイエル(現代ドイツではフォイア)



◆ドイツ語が使用されている国々 ※()内はそれぞれの国名のドイツ語表記と読み
 ドイツ連邦共和国 (Bundesrepublik Deutschland, ブンテシュレプブリーク ドイチュラント)
 オーストリア共和国 (Republik Österreich, レプブリーク エスターライヒ)*9
 スイス連邦 (Schweizerische Eidgenossenschaft, シュヴァイツェリシェ アイトゲノッセンシャフト 通称: die Schweiz)
 リヒテンシュタイン公国 (Fürstentum Liechtenstein, フュルステントゥム リーヒテンシュタイン)
 オランダ王国 (Königreich der Niederlande, ケーニヒライヒ デア ニーダーランデ 通称(海外領土を除く本土): die Niederlande)
 ベルギー王国 (Königreich Belgien, ケーニヒライヒ ベルギエン)
 ルクセンブルク大公国 (Großherzogtum Luxemburg, グロースヘルツォークトゥム ルクセンブルク)


 その他各国のドイツ人コミュニティー(東欧、北欧、ロシア、アメリカ、イタリア北部など)



【オーストリアとオーストラリアの国名表記の由来について】
 ドイツ語というよりは英語の話になってしまうが、オーストリアの英語表記は Austria で、オーストラリアは Australia と aust の部分が共通している。
  aust は大元を辿ればラテン語由来で「」を意味するが、英語(auster→east)とドイツ語(oester)では後に「」という意味に変化した。
 しかし、オーストラリアのaustはラテン語から取って名付けられたため、一部同じ綴りを用いていながら「南の地」という意味になる。
 なお、オーストラリアのドイツ語表記は Australien(アォストラリエン) で、オーストリアは Oesterreich(エスタライヒ) なので、ドイツ語圏では両国の混同はまず起こらない。要するにややこしいのは英語のせい。




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  • ガミラス帝国
    モデルはローマ帝国なのに、言語はドイツ語っぽくなったな -- 松永さん (2013-09-22 19:43:29)
  • アスカのドイツ語は… -- 名無しさん (2013-09-22 19:59:09)
  • 単語も文法も英語に似てるから、中高六年間英語を勉強した日本人にとっては割ととっつきやすい外国語だと思う。チュ〜ッス。 -- 名無しさん (2013-09-22 20:34:20)
  • イッヒビンディッヒ! -- 名無しさん (2013-09-22 20:42:05)
  • ↑俺はお前だ(ファフナー的な意味で) -- 名無しさん (2013-09-22 20:45:06)
  • ちなみに深紅の死神はプルプルンゼンゼンマンと訳します…… -- 名無しさん (2013-09-22 20:49:11)
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  • ↑クラフトワーク(ドイツの有名ミュージシャン)の歌がほとんど全部英語で出来てるのはそのせいか -- 名無しさん (2014-01-03 14:12:50)
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  • 同人ゲーム「アカツキ電光戦記」「エヌアイン完全世界」はドイツ語多いよ。操作も簡単なんでオススメ -- 名無しさん (2014-08-12 19:56:01)
  • 実際に話してるのを聞くとガッカリしたり。 -- 名無しさん (2014-11-25 20:42:14)
  • ↑↑え、あれゲーセンでしか見たことないんだが、同人なの?(だったの?)メルブラみたいなもん? -- 名無しさん (2014-11-25 20:55:00)
  • かなり昔、SdKfz181or182の呼称を巡ってミリオタ同士が争ってたことを思い出す。タイガーは論外、ティーガーは微妙、ティーゲルと呼ぶべきだとか今からすると笑っちゃうようなやりとりだった -- 名無しさん (2014-11-25 21:17:53)
  • トリビア:PCのキーボードの文字配列は、YとZが逆。ドイツ語ではZの使用頻度が高く、逆にYは低いため。 -- 名無しさん (2014-11-25 23:23:45)
  • 意外と英語と似てる単語も多いし、かわいい言葉も多いんだけどな。 -- ななし (2016-07-13 01:06:17)
  • 音としては別にかっこいいと思わないんだよなぁ。カタカナで書くと急にかっこよくなるが。こう思うの俺だけか? -- 名無しさん (2016-10-22 18:36:13)
  • 正直発音のかっこよさならスウェーデン語も負けてないよ -- 名無しさん (2017-01-09 23:55:32)
  • 欧州でもドイツ語はネタにされてるからな -- 名無しさん (2017-01-10 10:19:48)
  • erの伝統的なドイツ語発音はエルだが、今は英語になじんだ若年層中心に、アー・エアの発音も許容される模様 -- 名無しさん (2017-07-05 10:33:24)
  • 日本語の電子卓上計算機のように複数の単語をつなげて、そのまま区切りのない単語を作ることも多い。なのでたまにやたら文字数の多い単語にも出会う。クーゲルシュライバーもkugel/玉to -- 名無しさん (2017-07-05 10:35:33)
  • kugel/玉とschreiber/書くもの・筆記具wo -- 名無しさん (2017-07-05 10:37:00)
  • kugel/玉とschreiber/書くもの・筆記具をくっつけただけの単語だったり。あとドイツ語はドイツ語でドイチュ -- 名無しさん (2017-07-05 10:38:07)
  • ゼクスが6で、ノインが9… なんかエロくね? -- 名無しさん (2017-07-07 16:22:30)
  • ↑ その発想は評価したい -- 名無しさん (2017-10-19 10:55:34)
  • 方言の差が激しいので、方々で公演する演劇などでは「舞台ドイツ語」というものが使われていたらしい。Tigerを「ティーゲル」と読むやつ。 -- 名無しさん (2017-10-19 11:06:25)
  • ナヌッ!? -- 名無しさん (2017-12-19 19:10:11)
  • カルテをドイツ語で書くのは患者に隠す為でもある。ドイツ語得意な親戚はカルテが読めてしまい、自分死ぬわと悟ってしまったそうな -- 名無しさん (2018-09-23 19:14:37)
  • なまじ知ってしまうとフォルクスワーゲンって読み方にモヤっとしてしまう -- 名無しさん (2018-11-03 06:54:36)
  • auf Volkswagen: -- 名無しさん (2019-02-21 11:26:43)
  • ↑×2 ヴォルクスヴァーゲン(Volkswagen)。直訳すると民族の乗り物。意訳で大衆車だね -- 名無しさん (2019-02-21 11:28:04)
  • vは無声なのでフォルクスだよ -- 名無しさん (2019-02-21 11:37:11)
  • 東京をTokioと書く国はドイツ以外(ポーランド、ロシア、スペイン等)にもある。 消す理由がわからんのだが。 -- 名無しさん (2019-12-17 19:29:35)
  • ↑×6シュートの久保・・・ -- 名無しさん (2020-06-19 19:43:22)
  • 格ゲーでドイツ出身キャラの必殺技の名前で多少ドイツ語の勉強になったり…(GGのレオやレイヴン、UNIのワーグナーなど) -- 名無しさん (2021-03-02 22:08:40)
  • ドイツ語圏でも、オーストリアやスイスになると発音がかなり異なって、会話が通じないことがあるという話を聞いたことがある。日本の方言みたいな感じだろうか -- 名無しさん (2022-03-04 19:51:52)

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*1 標準的なものは、『-』(0の右)がß(ss)、『@』(Pの右)がÜ(Ue)、『;』(Lの右)がÄ(Ae)、『:』(Lの2つ右)がÖ(Oe)。なお『@』の文字はAlt Gr(右alt)+Qで出る。
*2 上の歯茎に舌を押し当ててlの音
*3 巻き舌でrの音
*4 音は口を「あ」にして「エ」
*5 音は口を「お」にして「エ」
*6 音は口を「う」にして「エ」
*7 音価は[s]
*8 プラント系はラテン語、オーブ系は日本語が多い。
*9 直訳すると「東の王国」。

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