スタンス

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スタンス(stance)とは?

スタンス(stance)とは、トリックを行う時の着地位置、踏切位置を示すものです。着地、踏切動作を行う際の身体の角度、足の位置によって区別され、基本スタンスとして、コンプリート、ハイパー、セミ、メガの4つ、また、それに対応したフェイクスタンス4つの合計8つのスタンスに分類されます。

スタンス理解の重要性

技と技を繋ぐことでコンボを行うトリッキングにおいて、技を繋ぐ動作=トランジション(transition)という概念として重要視されますが、”技を繋ぐ"という動作の要素を分解して考えると次のよう構造となります。

 着地 (ランディングスタンス)→ 次の動作への移行動作→ 次の技の踏切(takeoff)

つまり、ランディングスタンスの理解は、トランジションの成立要件にも関与する、重要度の高い基本概念となっています。

 

基本スタンス

基本的な着地を指します。着地角度と着地足を規定するものですが、空中足についても原則として、着地の後に追ってくるとして認識されているものです。空中足については次の例の通りに考えると理解が容易かと思われます。

 ・スタンス分類がバックサイドのコンプリート、ハイパーの場合。

  バックフリップで着地、それぞれスタンスでの着地後、空中に残る足(空中足)の位置は着地足後方

 ・スタンス分類がフロントサイドのセミ、メガの場合。

  フロントフリップで着地、それぞれスタンスでの着地後、空中に残る足(空中足)の位置は着地足前方

コンプリート

着地角度:DOM180°を基本にそこから逆ひねり方向90°まで

着地足:アウトサイドレッグ

スタンス分類:バックサイド~アウトサイド

ハイパー

着地角度:DOM180°を基本にそこからひねり方向90°まで

着地足:インサイドレッグ

スタンス分類:バックサイド~インサイド

セミ

着地角度:DOM0°を基本にそこからひねり方向90°まで

着地足:アウトサイドレッグ

スタンス分類:フロントサイド~アウトサイド

メガ

着地角度:DOM0°を基本にそこから逆ひねり方向90°まで

着地足:アウトサイドレッグ

スタンス分類:フロントサイド~インサイド

 

フェイクスタンス

フェイクスタンスは、端的には基本スタンスにおける着地方向を反転させた概念となります。

「反転させる」という、その考え方の前提となるのは、コンボの切り返し(コンボの進行方向を180°逆にする)にありますが、切り返さない場合においても、トランジションの変化が発生するため、動作分析において重要な概念となります。

フェイクスタンスという語の指す範囲は、例えばAトリックからBトリックを行う場合において、あくまでAトリックでの着地姿勢を指すものでありますが、Bトリックへの踏切準備姿勢について、基本スタンスでは不可能な踏切準備姿勢の形成を補完させる意味合いも強い用語とであるため、各トランジション接続可否についても基本スタンスと比較して把握することでより深い理解が得られるかと思われます。

なお、煩雑さを伴う概念でもあることに加えて、基本スタンスと比較して限定的なスタンスとも言えるため、日常的に厳密な分類はされていない傾向にあります。

 

フェイクコンプリート、フェイクハイパー

通常のコンプリート、ハイパーはバックサイドであるため、フェイクスタンスの場合はフロントサイドでの着地となります。

通常のコンプリート、ハイパーではバックスイング(進行方向後ろ向きでのスイング)の準備姿勢が発生しますが、フェイクスタンスでは進行方向とは逆方向へのバックスイング準備姿勢が発生し、進行方向が逆となります。

フェイクスタンスでの着地で進行方向を反転させずに、次の技に繋ぐ場合、空中のアウトサイドレッグが着地足より後方位置となるため、バックスイングのスイング可動域が確保できないため、ミスレッグとなります。(調整中)

フェイクセミ、フェイクメガ

通常のセミ、メガはフロントサイドであるため、フェイクスタンスの場合はバックサイドでの着地となります。

通常のセミ、メガではフロントスイング(進行方向前向きでのスイング)の準備姿勢が発生しますが、フェイクスタンスでは進行方向とは逆方向へのフロントスイング準備姿勢が発生し、進行方向が逆となります。

フェイクスタンスでの着地で進行方向を反転させずに、次の技に繋ぐ場合、空中のアウトサイドレッグが着地足より後方位置となるため、バックスイング可動域が確保できないため、ミスレッグとなります。(調整中)

 

関連用語

DOM(direction of movement)

移動方向を意味します。基本的には技・コンボの進行方向を意味し、各種スタンスやランディングを確認する際の基本位置・角度となります。つまり、DOMに対して、身体角度が同じ方向の場合(フロントフリップの着地)は0°、逆方向の場合(バックフリップの着地)は180°の角度がついていることとなります。また、後述の「ターゲット」は右ひねりトリッカーの場合、DOMに対して約90°左方向を基本とします。

ターゲット(target)/オーディエンス(audience)

キックを行う際の目標方向を意味します。トリッキングで使用されるキック技の構造上、観客から見て最も良く見える角度が、DOMに対して約90°左方向となる場合が多いため、それを基本とします。そのため、多くの場合、キック技の完成度向上もしくは成立要件に関わる要素として重要な概念となります。しかしながら、すべての技において、ターゲットが固定されている訳ではなく、技を変形する場合、技の回転の過不足を考慮する場合、魅せ方を変えたい場合など、テクニックとして意図した変更を行うこともあります。

 

バックサイドとフロントサイド

バックサイド

フロントサイド

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