滋賀県内の観光地では「おいでやす」というフレーズがしばしば目につく。この「やす」という敬語はいかにも京言葉というイメージがあるが、滋賀でもよく使われてきた言葉である(京都発祥の言葉だと思うが)。祖父母から「_おかえりや\す」「_おやすみや\す(=おやすみなさい)」「よ\う  ̄来と\くれ や\す」と言われたことがあるし、祖父母宅に回覧板が回って来た際に「_ごめんや\す(=ごめんください)」「_おいでや\す」とやりとりがあったのを記憶している。
さすがに私の世代では死語となっているが、私の住む字(あざ)では、地蔵盆で子供らが参拝者に賽銭を促す際に
「まい(っ)とくりゃーす、まい(っ)とくりゃーす、どーぞお参りなさっとくりゃす、まい(っ)とくりゃす」
と唄って鉦を叩く。子供の頃はよく分からないまま遠い時代の古語だと思って唄っていたが、なんてことはない、「〜とくりゃす」とは「〜ておくれやす」の変形である。このまま唄のなかに化石的に残り続けるとしたら面白い。
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