aklib_story_熱傷の記憶

ページ名:aklib_story_熱傷の記憶

このページでは、ストーリー上のネタバレを扱っています。

各ストーリー情報を検索で探せるように作成したページなので、理解した上でご利用ください。

著作権者からの削除要請があった場合、このページは速やかに削除されます。

熱傷の記憶

流星怎么也想不到,那个被托付给自己照顾的孩子,却教会了她该如何面对自往日汹涌而来的痛苦回忆。


p.m. 11:00 天気/豪雨

メテオの宿舎

[メテオ] すごい雨ね、寒いわ。暖房をつけましょう。

[メテオ] ええと……どうやって温度を調節するんだったかしら? こう? この丸いつまみを、こっちにひねって……

[メテオ] これでいいはずよね? はぁ。電子機器って本当にさっぱりよ。暖炉があったら、どんなにいいか。

[メテオ] ふう、もうこんな時間……ミーナはいつ終業になるのかしら。医療オペレーターは本当に大変ね。同じ宿舎なのに、全然顔を合わせないんだもの。

[ミーナ] メテオ、私だよ。こんなに遅く電話をしてごめん。

[メテオ] ミーナ、残業中なんでしょう? どうしたの、忘れ物?

[ミーナ] 私じゃなくて、ジェンナなの。あなたに会いたいってずっと泣いていて、誰もなだめられないのよ。

[メテオ] ジェンナ! 何があったの? 気分が悪いの? 待ってて、着替えたらすぐに医療部へ行くわ。

[ミーナ] 違うのよ、メテオ。彼女、雷に驚いちゃったの。まぁ落ち着いて。この子をそっちへ連れて行ってもいい?

[メテオ] そう……いいわ。先に少しジェンナと話してもいいかしら?

[ミーナ] 分かったわ。さあジェンナ、メテオお姉さんがお話がしたいって。おいで。

[ジェンナ] メテオお姉ちゃん、怖いよぉ、ううう。どこにいるの?

[メテオ] ジェンナ、怖がらなくて大丈夫よ。お姉ちゃん、あなたの大好きなスノウィライスミルクを作って待ってるからね。

[ミーナ] よしよし、ジェンナ、泣かないの。今からメテオお姉さんのところへ行こうね。

[ジェンナ] ううう……ミーナお姉ちゃん、あ、あたし頑張るよ……もう泣かないよ。

[ミーナ] 大丈夫よ。すぐに着くからね。

[メテオ] ミーナ、今日は寒いから、ジェンナに厚着させてあげてね?

[ミーナ] もちろん。医療部には子供用の特製セーターがあるのよ。暖かい上に着心地もいいんだから。

[メテオ] 靴下なんかも、しっかりね。

[ミーナ] うんうん。じゃあメテオ、私はあの子を抱いて行くから、切るね。また後で。

[メテオ] ええ、待ってるわ。また。

[メテオ] あんなにひどく泣いて、本当に心配ね、あの子。

[メテオ] 暖房を少し強くしましょう。子供に風邪は引かせられないわ。

一ヶ月前

医療部

[ミーナ] メテオ、申し訳ないんだけど、しばらくの間、この子の面倒を見てくれないかな? お願い!

[ミーナ] この子はガレキの中で見つけたの。落ちてくる天井を家族がこの子の代わりに受け止めて、どうにか彼女を守ったみたいでね……生き残ったのはこの子一人だけ、可哀想に。

[メテオ] ああ、なんてこと。もちろんいいわよ。ただ……どうして私に? 医療部には看護の専門家がたくさんいるでしょう。

[ミーナ] 実は最近、医療部は仕事が多すぎてね、恥ずかしい話だけど、全然人手が足りないの。それで同室のあなたに頼むしかなくて。

[ミーナ] ああ、そうだ。ちょっと待ってて。

[メテオ] ……これは?

[ミーナ] この子の診断書よ。医療部の心理科の医師によると、できれば誰かがずっと付き添ってあげるのがいいみたい。だけど私はずっと側にはいられなくて。

[メテオ] そうだったのね。じゃああなたが忙しい時は私が彼女に付き添ってあげるわ。ちょうどこのところ、これといって仕事がないことだしね。

[ミーナ] 助かるわ。あの子はまだ幼いし、家族を失った苦痛に当分向き合えないかもしれない……だけどあなたが側にいてくれたら、きっと立ち直るのも早くなるはず。

[メテオ] おだててるの? ふふ、お礼を言っておくわね。それはそうと、その子は今どこにいるの? 会いに行けるかしら?

[ミーナ] もちろんよ。ついてきて、こっちの病室にいるから。

[メテオ] この子が?

[ミーナ] そう。

[ミーナ] ジェンナ、いい子で薬が飲めたかな? 今日はあなたにお客さんが来てるよ。

[女の子] うん、いい子にしてたよ、ミーナお姉ちゃん……後ろの人は……

[女の子] お姉ちゃん、だあれ……?

[ミーナ] ジェンナ、この人はメテオお姉さん。今日から私と一緒にあなたのお世話をしてくれるの。心配しないで、このお姉さんは優しくて面倒見がいいから、きっとジェンナも大好きになるよ。

[女の子] ミーナお姉ちゃん、うぅ、あたし……大丈夫だよ。ミーナお姉ちゃんは忙しいってわかってるから、いい子にするよ、安心して。

[ミーナ] ああ、ジェンナ。その聞き分けの良さ、かえって切なくなるわ。

[ミーナ] メテオ、私は急ぎの仕事があるから、先に行くね。あなたたちはここにいて。終わったらすぐ戻ってくるから。

[メテオ] わかったわ。また後でね、ミーナ。

[女の子] お姉ちゃん……こっ、こんにちは。あたしジェンナ、六歳なの!

[メテオ] えっと、お嬢ちゃん、私は……

[女の子] あ、あたしは、お薬をしっかり飲んでるし、ごはんもちゃんと食べてる。そ、それから、紙のバラも折れるようになったの。お姉ちゃんはバラは好き? ぜ、全部あげるよ!

[メテオ] ふう――コホン。ジェンナね? こんにちは。私はメテオよ。メテオお姉ちゃんって呼んでくれていいわ。

[女の子] ……

[女の子] ……メテオお姉ちゃん?

[女の子] 実は知ってるの……お姉ちゃん、よくミーナお姉ちゃんに会いに来てたでしょ……だから見たことあったんだ。お姉ちゃんの話し方は優しくて……それで……

[メテオ] あなたさえよければ、私を本当のお姉ちゃんだと思ってくれてもいいわ。私もずっと妹がほしかったの。

[女の子] ほっ……ほんとにいいの?

[メテオ] もちろんよ。

[女の子] ううっ……

[女の子] メテオお姉ちゃん、あたし……うう……

[メテオ] どうしたの? 大丈夫よ、何でもお姉ちゃんに話してちょうだい。

[女の子] あたしのお人形が、なっ、無くなっちゃったの。

[メテオ] そうだったの。ミーナお姉さんは知ってるのかしら? 一緒に探してくれた?

[女の子] ミーナお姉ちゃんはすごく忙しいから、あたし……邪魔しちゃいけないと思って……

[メテオ] 大丈夫よ。そうね、お姉ちゃんが他の場所を探してきてあげるわ。

[女の子] ううん、もういいの。探さなくていいから、だからお姉ちゃん行かないで、おねがい……おねがい、一人にしないで。

[メテオ] 分かったわ、心配しないで。それじゃあ一緒に新しいお人形を買いに行きましょうか。

[女の子] うぅ……新しいお人形もいらない。お姉ちゃんがいてくれればいいから……一緒にいてほしいの、一人はいやだよぉ。

[メテオ] 大丈夫だよ。私はどこにも行かないわ、あなたの側にいるから。

[女の子] うぅぅわぁん―――

[メテオ] よしよし、お姉ちゃんはここにいるわ。大丈夫、もう怖がらなくていいわよ。

[メテオ] ちょっとジェンナ、どうして裸足なの! ミーナ、この子に靴下をはかせてあげなかったの?

[ミーナ] そうじゃないのよ。この子ったら、あなたに会えるって聞いて、上着を着ただけで飛び出しちゃって、捕まえられなかったの。

[ジェンナ] うううーっ、メテオお姉ちゃん、怖いよぉ。雷の音がすごくて、一人じゃ寝られないよぉ。

[メテオ] 雷の音? 本当に悪い雷ね。明日ドクターのところに行ってこらしめてもらいましょう。

[ジェンナ] うん、ううう……

[メテオ] さぁ、早く入って。

[ミーナ] いや、私はもう行くよ。ジェンナの歯ブラシはこれね。ミルクを飲んだら忘れずに歯を磨かせて。それからタオルと、靴下、手袋に、お人形、あと羽の髪留めよ。

[メテオ] 分かったわ。あなたってば、本当にお母さんみたいね。

[ミーナ] えっ? そう言われれば、そうかもね。ふふ、じゃあ「お母さん」はまだ仕事があるから、ジェンナはここでいい子にしてるのよ。

[メテオ] おいで、ジェンナ。ミーナお姉さんにバイバイして。

[ジェンナ] ううう……またね、ミーラお姉ちゃん。

[ミーナ] ミーラじゃなくてミーナよ、ジェンナ! まぁいいわ。そろそろ戻らなきゃ。おやすみなさい、メテオ。

[メテオ] おやすみ、また明日。

[ジェンナ] うううっ、まっ……また明日。

[メテオ] ジェンナ、私のパジャマに鼻水をつけないでね。

[ジェンナ] そんなことしないもん……スビッ。

[メテオ] すすって我慢しないの。お姉ちゃんはティッシュくらいちゃんと用意してあげられるわよ?

[ジェンナ] うっ、メテオお姉ちゃんっ、また落ちちゃう!!

[メテオ] ああっ! ティッシュはどこ? あった! はい、早く拭いて!

[メテオ] よし。早くお布団に入って、足もちゃんと入れてね。

[ジェンナ] メテオお姉ちゃんのお布団、あったかいね。それに、バラの香りがする。

[メテオ] ぷっ、この子ったら。

[ジェンナ] メテオお姉ちゃんも早く来て。

[メテオ] 抱っこ?

[ジェンナ] うん。

[メテオ] 何かお話する?

[ジェンナ] うん。

[メテオ] お話を聞き終わったら、いい子で寝るのよ。もう雷は怖くない?

[ジェンナ] うん……

[ジェンナ] ……メテオお姉ちゃん、実はね、あっ、あの日……あの日も今日みたいな天気だったの。お父さん、お母さんやお姉ちゃんはどんどん冷たくなって、だっ、だから怖いの。

[メテオ] ……それを思い出すから、雷を怖がっていたのね?

[ジェンナ] う、やっぱりあたし、メテオお姉ちゃんみたいに強くなれないよ。

[メテオ] 強さは関係ないわ。お姉ちゃんも昔を思い出して怖くなるときがあるのよ、ジェンナ。

[ジェンナ] ほんとに? でもメテオお姉ちゃんはいつでもとっても勇敢だよ。どうしたらそうなれるの?

[メテオ] まずはね、お姉ちゃんは過去の記憶を怖いモンスターだと思うの。それから、自分は勇敢な狩人だって想像するの。

[ジェンナ] それからは? どうするの?

[メテオ] それには、まずはあるお話から始めないといけないわね。

[ジェンナ] お話? どんな?

[メテオ] 昔々、遙か遠いカジミエーシュの広大な森の中に、大きな落ち葉の山がありました。その中には……

[ジェンナ] 何があるの?

[メテオ] 一人の小さな狩人が、ブルブルと震えていました……

[ジェンナ] あたしみたいだね。あたしも今メテオお姉ちゃんの布団の中で震えてるよ。

[メテオ] 震えているの? あら、そうね。足が冷たいわ。

[メテオ] もう少しこっちへ来て、抱っこしてあげる。

[メテオ] まだ寒い?

[ジェンナ] 寒くないよ。

[メテオ] じゃあ続けるわね。

[メテオ] 可哀想な小さい狩人は一人、家を離れて、山の中でさまよっていました。冷たい北風が薄い上着に吹き込んで、氷水のような雨が彼女の柔らかい髪を濡らしました。

[メテオ] 遠くの空で雷の音が響いています。それは飢えで背中とくっつきそうなお腹と一緒に、ゴロゴロと苦しみの音を立てます。

[ジェンナ] 怖いよぉ。

[メテオ] いいえ。更に怖いのは、一匹の獣です。ずる賢くて巨大な獣が、微かな気配をたどって、小さな狩人の後を追っていました。

[メテオ] 獣は鼻を湿った泥に突っ込んで、ざらざらした木の皮にこすりつけます。草むら、沼、小川の畔、どんなところも見逃しません。

[メテオ] そしてある枯れ木の下で、獣はついに嗅ぎつけます……見つけたのです……一本の小さな足を――!

[ジェンナ] うわぁ! メテオお姉ちゃんの意地悪、足を放してぇ!

[メテオ] うん、だいぶ温まったわね。

[ジェンナ] もうっ、お姉ちゃんのお腹にのっけてやるー。

[メテオ] いいわよ。えっと、どこまで話したんだっけ。

[ジェンナ] 獣が狩人を見つけて、狩人が捕まっちゃいそうになったの。

[メテオ] ああ、そうね。落ち葉の中に隠れていた小さな狩人は、怖くて頭を抱えました。はっきりとした獣の荒い鼻息と、歩くたびに爪が泥をはね上げる音が聞こえます。

[メテオ] スフ――ッ、スフ――ッ

[ジェンナ] ポタッ――ポタッ――

[メテオ] 小さな狩人は怖くて息もできません。大きな涙の粒がこぼれ落ちました。

[メテオ] 獣が小さな狩人を追って何日経ったことでしょう。今までは何とか危険を逃れてきました。しかし今日、この時ばかりは、可哀想な少女にもう逃げ場はありませんでした。

[ジェンナ] あきらめちゃだめだよ、狩人さん!

[メテオ] その通り、絶対に折れちゃだめよ! 獣が鋭い爪を出した、その瞬間のことです。小さな狩人は何とか心を落ち着かせ、自分に問いかけました。本当に打つ手はないの?

[メテオ] 彼女は落ち着いて、矢筒の中から最後の矢を取り出しました。そして落ち葉の隙間から、勇気を振り絞り、はじめて恐ろしい獣を見つめました。

[ジェンナ] 怖くなくなったの? どうして?

[メテオ] おじいさんの歌を思い出したの。

[ジェンナ] どんな歌なの? 歌って歌って。

[メテオ] 小さな狩人が、まだ小さな小さな狩人だったとき、おじいさんが彼女を抱いて歌っていたの。「♪お利口さんのお嬢ちゃん、ほんわり明るい月の下、わさわさ茂った森の中、獣が後から追ってくる♪」

[メテオ] 「♪忘れちゃいけない、大きく前へ歩むこと。行く道なかったら、勇気を出して振り向いて。小さな弓構えて、小さな矢をつがえよう♪」

[メテオ] その瞬間、月の光が彼女に方向を指し示し、大地が彼女の肩を支えました。小さな狩人が引き絞った弦を放すと、強い北風が木の矢を獣の胸めがけて送り届け、ついに獣は倒れたのです。

[ジェンナ] メテオお姉ちゃん! その獣は死んだの?

[メテオ] そうよ。決心と勇気によって、小さな狩人は最後の最後に、恐怖をもたらす獣に勝ったの。そしてメテオお姉ちゃんもね、そんなふうに恐ろしい過去を打ち負かしたのよ。

[メテオ] だからジェンナも、勇気を奮い立たせて向き合えば、どんなに窮地に立たされても絶対に――

[ジェンナ] でもメテオお姉ちゃん、あ、あたしは、自分の過去なんか倒したくないよ! だって、怖いときはね、嫌なことだけじゃなくて、みんなとの楽しい思い出も、一緒に出てくるんだよ。

[メテオ] でも、それを思い出すとジェンナは辛いんでしょう?

[ジェンナ] うん、とっても辛くて、涙が出ちゃうの。でも胸が熱くなって、すごく暖かい気持ちになるんだ。メテオお姉ちゃんと出会う前は、その思い出たちがずっとあたしの側にいてくれたんだよ。

[メテオ] ええと……そ、そうなの? あなたの獣さんは、あなたを食べようとはしてないみたいね、はは。

[ジェンナ] メテオお姉ちゃんのお話の中の獣も、小さな狩人を食べようとはしてなかったんじゃないかなぁ。

[メテオ] あら、どうしてわかるの?

[ジェンナ] じゃあ小さな狩人こそ、どうして獣が食べようとしてるって知ってたの? 獣に聞いてないでしょ。彼女は怖がって逃げてばかりで、振り返って聞いてないよ。

[メテオ] でも、獣はずっと猛烈に小さな狩人を追っていたのよ。彼女を食べる以外に目的があるとは思えないわよね?

[ジェンナ] 違うよ、メテオお姉ちゃん。お姉ちゃんは、小さな狩人は怖くて、寒くて、お腹が減ってるって言ってたけど、獣に追われて怪我をしたとは一度も言わなかったよ?

[ジェンナ] もしかしたら獣は、この道は歩きにくいから、独りぼっちの女の子には一緒に歩いてくれる仲間が必要だ、って思ったのかもしれないよ。

[ジェンナ] だから獣を殺さないで、お願い。メテオお姉ちゃん、殺さないで。

[メテオ] ……

[ジェンナ] メテオお姉ちゃん、どっ、どうして黙っちゃったの?

[ジェンナ] あたし、悪いことを言っちゃった?

[メテオ] いいえ。少し昔の出来事を思い出したの。

[ジェンナ] 胸が熱くなるような思い出?

[メテオ] ええ、そうよ。以前は思い出すとなんだか辛くなったから、なるべく頭に浮かび上がってこないように抑えていたの。

[ジェンナ] そんなことしちゃだめだよ、メテオお姉ちゃん。

[メテオ] そう、あなたの言う通りね。小さな狩人は間違ってた。私も間違っていたわ。どうして殺そうとしたのかしら? どうして記憶を閉じ込めていたのかしら? ……いつだって、いたのに。

[メテオ] 家を離れてからの、数え切れないほど長い夜たち。かつての荒野と密林。苦しい時、楽しい時、悲しい時、退屈な時、私のここまでの道にはいつだって、アレがいた。一度も私を殺そうとはしなかった。

[ジェンナ] (今のメテオお姉ちゃんの話、少しだけ分かるような、でも分からないような。)

[メテオ] (深呼吸)

[メテオ] ジェンナ。私……新しい結末を思いついたわ。聞きたい?

[ジェンナ] 聞きたい!

[メテオ] じゃあもう一度寝て。しっかりお布団に入るのよ。

[ジェンナ] 寝たよ。目も閉じたから、早く話して、お姉ちゃん。

[メテオ] 最後の最後、小さな狩人は短剣を抜きました。しかし、鋭い刃は獣の心臓に向かって振り下ろされませんでした。

[メテオ] なんと小さな狩人は、自分の服を切って、優しく獣の傷口に巻いたのです。

[メテオ] 獣のふさふさの頭を撫でながら、聞きました。「まだ立てる? 大きな君?」

[メテオ] 獣は少しの間黙っていましたが、ゆっくりと立ち上がりました。

[メテオ] 小さな狩人はまた聞きました。「私、これから未知の冒険に出かけるの。だから仲間がほしいと思ってたんだ。君も一緒に来る?」

[メテオ] 今度は獣は黙っていませんでした。獣の喉から、楽しそうな叫び声がほとばしり、鞭のように力強い尾がゆらゆらと揺れ始めました。

[メテオ] 獣は走るのがとっても速くて、その高い高い背中に跨がると、小さな狩人は風に乗ることさえできるのです。

[メテオ] もうこの先、小さな狩人は独りぼっちじゃありません。二人は一緒に太陽へ向かって駆けていきました。

[ジェンナ] ふ――ふわぁ――メテオお姉ちゃん……あたし眠くなっちゃった。

[ジェンナ] スゥ――スゥ――

[メテオ] 寝たの?

[ジェンナ] スゥ――スゥ……

[メテオ] ミーナってバカね。

[メテオ] ミーナはあなたが強くないって思ってたみたいだけど、ジェンナ、あなたはとっくに過去との向き合い方を知っていたのね?

[メテオ] (キス)でも、ありがとう、ジェンナ。

[メテオ] ありがとう……

シェアボタン: このページをSNSに投稿するのに便利です。

コメント

返信元返信をやめる

※ 悪質なユーザーの書き込みは制限します。

最新を表示する

NG表示方式

NGID一覧