aklib_story_カンパニー

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カンパニー

任務から帰還したプロヴァンスは新しく加入した同業者と出会った。変化する気象の中、天災トランスポーターたちがわずかな天災の予兆を察知した。このままでは巻き込まれてしまう荒野の人々のために、プロヴァンスは危険を顧みず警鐘を鳴らしに向かうのだった。


p.m. 1:35 天気/晴天

ロドス本艦 第三船室 医療看護室

[医療オペレーター] はい、向こうを向いてください。

[医療オペレーター] そのまま……そのままですよ? 動かないでください? しっぽも動かしちゃダメですよ?

[医療オペレーター] 61.3……うん、また少ししっぽが伸びてますね。

[医療オペレーター] はい、もう大丈夫ですよ。

[プロヴァンス] 測り終わったの? ああ、よかったぁ。

[プロヴァンス] もう、くすぐったくてしょうがなくてさ。こんなふうに触られるのも慣れてないし、動かさないようにするのだって難しいんだよ?

[医療オペレーター] プロヴァンスさんは我慢強いですよね、何かあってもほんのちょっと動くだけですし。オペレーターの中には攻撃態勢に入っちゃう人もいるんです。それこそ手の施しようがないんですよ。

[プロヴァンス] そうかな。まぁ~敏感な場所は誰にでもあるからね。身体に触れただけで怒り出す種族もいるって聞いたよ。

[医療オペレーター] そうなんですよねぇ……

[医療オペレーター] あ、ごめんなさい、もう次やらないとですね。はい、これに向かって息を吹きかけてください。

[プロヴァンス] (ふぅ――)

[プロヴァンス] よし! 吹いたよ。

[医療オペレーター] はい、結構です。

[医療オペレーター] さっきの血液検査の結果が明後日出ますので、しばらく待ってください。他の検査の細かい数値などはあとで診断結果を受け取って確認してくださいね。

[医療オペレーター] で、この液剤も飲んでください。検査はこれで終了です。

[プロヴァンス] うん、分かった。

[プロヴァンス] ごめんね、毎回戻ってきてすぐこんなにたくさんの検査をしてもらわなくちゃいけないなんて。

[プロヴァンス] 自分の身体は自分で分かるよ。規則じゃなかったら検査してもらわなくていいのに。僕、本当に何の問題もないから……

[医療オペレーター] プロヴァンスさん!

[プロヴァンス] え? あ……はい!?

[医療オペレーター] そういうことはもう言わないでください。だいたい、今回も予定時間よりも長く外にいたって話じゃないですか!

[医療オペレーター] 今回の検査で出た数値、各項目の指数がどれも変動してるんですからね!

[医療オペレーター] 現在、ロドスは付近に既知の移動都市航路がほとんどない荒野深くに入っているんです。周辺にどんな危険があるか、誰にも分からないんですよ。

[医療オペレーター] きちんと備えをして、やれることはやっておかないと、こんな荒地に長くいるって、それだけでとっても危ないんですからね!? 私たちは義務だけで検査をしてるわけじゃないんです!

[プロヴァンス] 心配させてごめんね、僕が悪かったよ。お願いだからさ、怒らないでよ? ね?

[プロヴァンス] 予定していたルートの近くにいくつか小さな村があってさ。そっちの方がちょっと心配だったんだよ……

[医療オペレーター] プロヴァンスさんがプロの天災トランスポーターなのは分かっていますけど、自分の身の安全に気を付けなくていい理由にはなりませんからね?

[プロヴァンス] うん、約束する! 自分の身の安全はちゃんと確保するよ!

[プロヴァンス] だから……ほら。前に約束した全身の防護、ちゃんとしてるよ? 安心して? 命をおろそかにしたりはしてないよ!

[医療オペレーター] ならいいんですけどね……

[???] いらぬ心配はせぬことだ。天災トランスポーターは自分の身の安全を確保する方法などいくらでも心得ている。

[ワルファリン] 特に、プロヴァンスのようにどこの都市国家にも属さず、完全に独立して野外で行動するトランスポーターはな……

[ワルファリン] 鉱石病から逃れられた天災トランスポーターはそう何人も見たことはないが、普通の人間が彼らの生きる環境に放り込まれたら、ロクなことにはならない。

[ワルファリン] しかし、こいつらは、どいつもこいつもピンピンしておる。

[プロヴァンス] それ、褒めてるんだよね?

[ワルファリン] 安心せい……単なる嫌味だ。

[プロヴァンス] ハハ、意地が悪いなぁ。

[プロヴァンス] まあ確かにそうだね。確かに普通の人じゃ僕たちの仕事環境に適応できない。僕らは何もしてないように見えるかもしれないけど、リスク回避はしてるんだよ。そんなに難しいことでもないし。

[プロヴァンス] 同業者のほとんどは都市国家か大企業に雇われてるんだ。そうすれば危険も大してないし、報酬もそれなりに貰えるしね。

[プロヴァンス] 結局、天災トランスポーターって、敷居が高い高給取りなんだよ。審査はとっても厳しいけど。

[医療オペレーター] そうなんですか……

[医療オペレーター] そういえば、最近加入したお二方、聞くところによると、天災トランスポーターのネットワークからの紹介でやってきたそうですが、プロヴァンスさんのご同業ってわけですね?

[プロヴァンス] あぁ、レオンハルトとツキノギさんだよね?

[プロヴァンス] あの二人は有名人だよ……

[プロヴァンス] 検査に来る前に二人に会ったばっかりだけど、レオンハルトは上手くやってるみたいだった。ほんとよかったよ。

[ワルファリン] お? そなた、あの長耳の小僧と知り合いか?

[ワルファリン] 面白い縁よな。実はこの子もあの小僧のせいで、泣きべそをかいてしまったことがあるぞ。自分で聞いてみるといい。そうであったよな?

[医療オペレーター] ちょっとワルファリン先生!

[ワルファリン] わかった、わかった。もう言わんから安心せい?

[プロヴァンス] アハハハハハッ。

[ワルファリン] ……いくらなんでも笑い過ぎじゃ。

[ワルファリン] ああ、ちょうどよいわ。あの小僧と極東の御子は検査がまだ終わっていない。知り合いなら、二人を呼んできてくれ。

[プロヴァンス] うん、分かった!

[プロヴァンス] じゃあ、行ってくるね~。

[レオンハルト] おばさん、ご馳走様。お皿ここに置いとくよ!

[レオンハルト] 痩せた? そんなことないけどな。俺の年齢ならみんな大体こんな感じだよ。背が伸びたから痩せたように見えてるんじゃない?

[レオンハルト] うんうん、ちゃんと食べてるよ。ほら、こうして食堂に来ておばさんが作ったご飯食べてるでしょ?

[レオンハルト] 今日の焼きおにぎり、美味しかったよ! 昨日のオムレツもすごくうまかった! ここのご飯は何でもおいしいんだね。あっ、俺はこれから訓練だからもう行かなきゃ。おばさん、またね~。

[レオンハルト] ……ふぅ。

[レオンハルト] ここの人たちって、思っていた以上に親切だなぁ。

[レオンハルト] この調子で食べてたら、さすがにデブになっちゃうよ。

[???] それは悪いことじゃないよ。食堂のおばさんも本当に君が気に入ってるみたいだしね。

[プロヴァンス] やあ、レオンハルト。上手くやれてるみたいで安心したよ。

[プロヴァンス] この時間なら、多分食堂にいるだろうと思ってたんだ。まだ近くにいてくれてよかったよ。君を探しに来たんだ。

[レオンハルト] 誰かと思ったらプロヴァンスさんか。笑い事じゃないんだって。ここに来てから、俺本当に太ったんだよ。新しい服を買わなきゃいけないくらい!

[レオンハルト] で、探しに来たって? 俺に何か用?

[プロヴァンス] ワルファリン先生が呼んでるよ。検査の続きをしたいってさ。君だけじゃなくて、ツキノギさんも一緒にね。

[プロヴァンス] さっきダンスルームを覗いてきたんだけど、誰もいなくてさ。ツキノギさんったらどこにいるんだろう……?

[レオンハルト] あぁ、ツキノギさんがいる場所なら分かるよ?

[レオンハルト] 踊りと神事以外だと、静かな場所で景色を眺めるのが好きみたい。ついさっき外層近くで会ったばかりだから、きっとまだそこにいるよ?

[プロヴァンス] えっ……来たばかりなのに、もうそんなことまで知ってるんだ。

[レオンハルト] へへっ、観察と分析は基本だよ。みんなのこと、ちゃんと見てるからね。

[レオンハルト] 行ってみようか?

[ツキノギ] ……

[ツキノギ] 群雲層となりて、風微かに立ち、霧はこれ、波の引くことのごとく散りゆく……

[ツキノギ] ……さて、あまり良い天気ではなさそうです。

[レオンハルト] よかった。まだいてくれた。

[レオンハルト] ハロ~! ツキノギさん。

[プロヴァンス] ツキノギさん、こんにちは!

[ツキノギ] あらあら、こんにちは、お二方。

[ツキノギ] どうかされましたか? 何の御用でしょう?

[プロヴァンス] ワルファリン先生に、検査の続きをやるために医療部まで来るよう伝えてって言われたんです。

[ツキノギ] そうでしたか。では、参りましょう。

[プロヴァンス] あっ、そこまで急がなくても大丈夫だよ。今は、お昼休みの時間だから、もうちょっと後から行っても問題ないから。

[レオンハルト] そうそう。医療部のお姉ちゃんにも休憩が必要だよ。俺たちも今のうちにリラックスしとこう? 緊張して変な結果が出てもいやだしさ。

[レオンハルト] あ、ツキノギさんはもうご飯食べた? ロドスの食堂って本当に美味しいよね。今日は焼きおにぎりとノースサドラーシチューがとってもおすすめだよ!

[ツキノギ] フフ、食事はもう済ませてしまいました。

[ツキノギ] ですがおすすめの品を伺ったからには、今度頂くとしましょう。

[レオンハルト] 絶対に気に入ると思うよ!

[プロヴァンス] それにしても……ここの景色、すごくいいね。今まで気付かなかったよ、艦内にこんないい場所があったんだね。

[プロヴァンス] さすがは極東有名な厄巡り。ツキノギさんはやっぱりすごいや。

[ツキノギ] 過分なお言葉です。ただ気分の良い場所を探しただけですよ。

[ツキノギ] 皆と一緒に過ごすのも良いのですが、こうして静かに景色を愉しむのも、また一興ですよ。

[ツキノギ] そも、私たちのような天災トランスポーターは、船にとどまっている間、周辺の環境を把握しておくのが責務のようなもの。観測そのものがもう習慣になってしまっているのです。

[レオンハルト] ツキノギさんはやっぱりすごいなあ。俺も先輩たちに学んで常に天災トランスポーターとしての責務を意識しないとなあ。

[プロヴァンス] 確かにね。それが僕たちの仕事だと分かってはいても、艦内にいる間は気が緩んじゃうんだよね……

[プロヴァンス] ……あれ?

[プロヴァンス] (どういうことだろう? 風が急に変わった?)

[プロヴァンス] (あの雲の層、どうしてあんな色になってるんだろう? 朝見た時は普通だったのに……)

[プロヴァンス] (それに風で出来た切れ目がある。そんなに強い風は吹いてないのに……)

[プロヴァンス] ツキノギさん、あの空と雲を見て!

[プロヴァンス] この特徴的な天候って、まさか……

[ツキノギ] ……

[ツキノギ] 苛烈さを物語る痕跡あれど姿は見えず、霧は消えている……突風の兆候です。

[ツキノギ] 先程は確信が持てませんでしたが、確かに折が悪いようです。

[プロヴァンス] 風向きが変わった――地域的な突発性の天災が来る!

[レオンハルト] ……俺が見てくるよ!

[プロヴァンス] 気を付けて! きっとすぐに強い風が吹くから、今出たら吹き飛ばされる可能性があるよ!

[レオンハルト] 分かってる、大丈夫だよ!

[レオンハルト] ――こんなそよ風じゃ、俺はどうにもならないからさ!

[ツキノギ] あらあら……本当にお元気ですね。

[ツキノギ] 遠くの雲を見るに、すでに拡散は始まっています。空気中の湿気、それに風の変化……まず間違いありません。

[ツキノギ] 厄災の前兆です。

[プロヴァンス] 本当についてないよ。こんな突発性の天災とぶち当たるなんて。

[プロヴァンス] レオンハルトが戻ったら操舵室の人とアーミヤたちに知らせよう! 早めに発見できたから、対応はまだ十分間に合う。

[プロヴァンス] 幸い、通知が必要な移動都市はこの付近にはいないみたいだしね。

[ツキノギ] このような気候異常地帯に移動都市が留まることはほとんどありません。

[ツキノギ] 急速に巨大化するこのような事態に遭遇した時、大型の移動都市では撤退するにも時間がかかりますから。地位のある方々はそんなリスクを好みませんもの。

[ツキノギ] ロドスのような小回りの利く施設ならよくある話ですけどね。

[プロヴァンス] いや、待って? そう言えば……マズい!!

[プロヴァンス] この近く……あの方向にいくつか村があったはずだよ!

[ツキノギ] えっ……それはまことですか? このような土地に、人が住んでおられるのですか?

[プロヴァンス] 本当!

[プロヴァンス] 荒れた土地にも小さな集落はあるんだ。どの国にもあるよ。

[プロヴァンス] 彼らはまともな移動都市に入れてもらえないんだよ。都市周辺の農業に適した土地はとっくに使われてるから、遠く離れた場所でその日暮らしの生活をするしかないんだ。

[プロヴァンス] こればっかりはどうしようもない。みんな移動には慣れてるし、家財もすべて持ち運べるようにしてる。村自体もそんなに人が多くないから、少し時間があれば全員で逃げられる。

[ツキノギ] ふむ……確かに極東にいた時、似たような話は聞いたことがありましたが。

[プロヴァンス] ああ……やっぱり。どこにでもあるんだね。でも、慣れていたとしても常に助かるとは限らない。

[プロヴァンス] だから僕は……できる限りいつも回り道をして、そういった村に情報を知らせに行ってるんだ。

[プロヴァンス] (……)

[プロヴァンス] (村の人たちは天気の変化に気付いてくれたろうか?)

[プロヴァンス] (もし万が一……)

[レオンハルト] お待たせ!

[レオンハルト] ちょっと見てきたけど、かなりヤバい。

[レオンハルト] 雲の変化スピードが速いし、風向きも変わった。あと何時間か……どんなに遅くても半日後には、この辺は安全じゃなくなる。

[プロヴァンス] そんなに早いの!?

[ツキノギ] そうね。レオンハルトさんの言うように、この速度からすれば、異常気象はすぐに発生するでしょう。もう先程のように船の外に出てはなりません。あまりに危険です。

[プロヴァンス] ……

[レオンハルト] 大丈夫。天災雲が来そうな方向にちょっと行ってみたけど、少なくとも都市は見えなかった。

[レオンハルト] その先はちゃんと準備してても危険だから、今のところ詳細な状況は確認できないけどね。

[レオンハルト] 先にアーミヤに伝えてくるから、他のことはまた後で!

[ツキノギ] では、私たちも準備にかかりましょうか。

[プロヴァンス] ……

[プロヴァンス] ダメ、やっぱりあの辺の村が気になる! 落ち着いてられないよ!

[プロヴァンス] ツキノギさん、艦内の準備をお願い!

[ツキノギ] プロヴァンスさん! 先程も申し上げましたが、とても危険なんですよ! お待ちさない!

[ツキノギ] 天災の形成速度が不明な状況であの区域に入り込むのは、プロヴァンスさん自身も危険なのです!

[プロヴァンス] そんなことより、誰かが村の人たちに知らせないと!

[プロヴァンス] 大きな移動都市なら、専属の天災トランスポーターがいて、対応も問題ないかもしれないけど……

[プロヴァンス] でも、ああいう小さな村は違うんだよ!

[プロヴァンス] 誰かが教えないと、村の人たちは何も知らないまま天災にさらされるんだ!

[プロヴァンス] 突発的な天災は、彼らが気付いた時にはもう遅いんだよ!

[ツキノギ] それはそうでしょうが……

[プロヴァンス] ツキノギさん、僕たちの仕事は事前に警鐘を鳴らして、天災がもたらす損害を極力減らすことだよね?

[プロヴァンス] 多くの人は、天災トランスポーターは高い給料で楽な仕事って言うけど、僕は違うと思う。

[プロヴァンス] 僕は、僕の仕事を果たしたい。

[プロヴァンス] 「すべてはより多くの命のため。」

[プロヴァンス] ……天災トランスポーターにとって、この言葉の意味はみんな違うと思う。

[プロヴァンス] でも僕にとっては……

[プロヴァンス] 僕にとっては、都市に住む人も、小さな村に住む人も、命の重さは同じなんだ。どの命にも差なんてない。

[ツキノギ] ……

[ツキノギ] ふぅ……仕方ありませんね、プロヴァンスさんの考えはよく理解できました。

[ツキノギ] 平等な命……確かに。貧富貴賤の差など関係なく、私たちの前にある命は、すべて等しく命です。

[ツキノギ] とても素晴らしいお考えです。

[プロヴァンス] だったら!

[ツキノギ] しかし。

[ツキノギ] プロヴァンスさん、ご自身の命はどうなされます?

[プロヴァンス] えっ、僕の……

[ツキノギ] 私から見れば、その平等な命の中には、プロヴァンスさんのも含まれなければなりません。

[ツキノギ] まさかより多くの命を救うために、プロヴァンスさんが危険に身をさらすのを黙って見ていろと仰る?

[ツキノギ] 数でもって命を衡量し、多数の命を救うために、己を含めた少数の命を犠牲にすると?

[プロヴァンス] ちが……僕は……

[プロヴァンス] ……僕はそんなこと言ってない。何かを成したいなら、誰かが犠牲を払う。そんなのは絶対どこかが間違ってる!

[プロヴァンス] でも、これはそういうことじゃないんだ! そういう話をしてる場合でもない!

[プロヴァンス] 数だとか、自己犠牲だとか、そういうことではなくて、目の前で誰かが天災の脅威にさらされているなら僕は助けたい。それだけなんだ。これは天災トランスポーターとしての僕の矜恃だよ!

[ツキノギ] 別にプロヴァンスさんを止めてはおりませんよ?

[ツキノギ] お気持ちを理解した以上、止める道理などありません。

[プロヴァンス] なら……

[ツキノギ] ええ、私もプロヴァンスさんと一緒に参ります。

[プロヴァンス] はい?

[ツキノギ] あら、お忘れかしら? 私もご同業ですの。一緒に行動するのに不足がございますか?

[プロヴァンス] でも……本当に危険だよ……

[ツキノギ] 重々承知していますわ。ですから一つ条件だけがあります。

[ツキノギ] もし私がこれ以上は無理だと判断したら、どのような手段を用いてでもプロヴァンスさんを止めます。

[ツキノギ] よろしいですか?

[プロヴァンス] それは……

[ツキノギ] 私はただ、プロヴァンスさんにもっと自分を大切にしていただきたいのです。

[プロヴァンス] ありがとう。

[プロヴァンス] ではツキノギさんの言う通りにしようか。今すぐ出発するよ!

[プロヴァンス] なんて言うか……ツキノギさんは、僕が想像してた人とはちょっとだけ違ったよ。

[プロヴァンス] 極東の御子って、もっとこう……その……もっと高貴な感じっていうか、近寄りがたい人だって思ってた。

[ツキノギ] あら、それはまたとんでもない誤解でしたね。

[ツキノギ] ……私もロドスの方々とはもっとお近づきになろうと努力しているのですよ? 最近ようやく関係が佳境に入ってきたところです。

[プロヴァンス] 関係が佳境に入る……それって一体どういう……

[プロヴァンス] まあいいや。とにかく、そんな話は後でしよう! じゃないと本当に間に合わない!

[プロヴァンス] こんな勝手して、帰ったら絶対また医療部のあの子に怒られるよね……

[プロヴァンス] うん……先にどうやって謝るか、考えておこうか。

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